剪定マニュアル 2017 年 4 月現在
剪定マニュアル
2017 年 4 月現在
剪定ばさみ 植木ばさみ 剪定のこぎり 刈り込みばさみ 高枝剪定ばさみ
枝を切る道具
不要な枝の種類
剪定の基本の工程は
1. 込み合った枝や不要枝を整理すること。
2. 樹冠を乱す枝を切り整えること。
剪定の基本の工程は
1. 込み合った枝や不要枝を整理すること。
2. 樹冠を乱す枝を切り整えること。
胴吹き枝幹の途中から出た枝ひこばえ(ヤゴ)
根元から立ち上がる枝❀太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて「ひこばえ(孫生え)」という。
下がり枝下向きに出る枝
交差枝必要な枝に交差するように出る枝
逆さ枝逆方向に伸びた枝内向枝とも呼ぶ。
徒長枝幹や主枝から勢いよく伸びる枝
枝の切り残し以前の剪定で切り残した部分
車枝1ヵ所から数本出る枝
ふところ枝内部に出て、こみ合う原因になる枝
平行枝主枝などと平行になるように後から出た枝
病害虫にやられた枝
樹冠(じゅかん)からはみでた枝❀樹冠:樹木の上部で葉が茂っている部分。
❀
❀
へ い こう え だ
こ う さ え だ
さ か さ え だ
ど う ふ き え だ
くる ま え だ
と ち ょ う し
ひこばえ イメージ
枝の切り方
1. 不要枝の切り方枯れ枝や交差枝などの樹形を乱す枝を切り落とす場合は、その枝のつけ根から切る。
2. 芽の種類を見て切る剪定を行う際、内芽と外芽を意識してできるだけ外芽を残すようにする。
3. 形を整えて枝を切る枝を切る場合には節に気を付け、外芽や枝分かれしている個所のすぐ上で切る。
不要枝を途中で切ると樹形も乱れるうえ、枝の先端から芽が出て枝が出てしまう。空間に枝を増やしたい場合はその性質を利用する場合もある。
内芽:生長すると内側へ枝が伸びていく芽。 逆さ枝や立ち枝となる可能性大。
○ GOOD
○ GOOD
○ GOOD
△ BAD
△ BAD
外芽:生長すると外側へ枝が伸びていく芽。 残すことによって自然な枝ぶりの樹形となる。
枝分かれの上:剪定後も自然な樹形に
○ GOOD外芽の上:芽の高さと同じか、 やや高い個所、かつ 枝に対し直角に切る。 ※ただし、目線の高さによる。
4. 込み合った枝を透く枝数が増えすぎ込み合うと、樹形が乱れ病害虫の原因となる。枝数を減らす際、樹木の枝の付き方によって切る枝を考える。
○ GOOD互生:枝の間隔が狭いところ を中心に切る。※互生(ごせい)…枝葉が互い違いに生える性質。
※
○ GOOD輪生:枝が重ならないように 2 ~3本残すように間引く。 ※輪生…枝葉が 1個所から3本以上生える性質。
※
○ GOOD対生:互い違いに切る。※対生…枝葉が対になって生える性質。
※
枝の切り方
ご せ い
り ん せ い
た い せ い
互生 対生 輪生ソヨゴ イロハモミジ ヤマボウシシャラ コハウチワカエデヒメシャラ アオダモ
アメリカンハナズオウ カツラジューンベリー ツリバナヤマコウバシ ハナミズキナナミノキ シマトネリコ(十字対生)ハイノキ メグスリノキ
シラカバジャクモンティー
通常は刃先に近い位置で切る。 太い枝はハサミの根本に近い位置で切ると力をあまり入れず切れる。(木ばさみ、剪定ばさみとも)
剪定バサミは受け刃(細身の方の刃)で枝を固定し、切り刃を押し下げるようにして切る。
通常押す時には力を抜き軽く浮かせ、手前に引く時に切る。
太い枝を切る場合1. 下から約 1/3 程度 切りこみを入れる。
1. ハサミ
2. ノコギリ太枝や幹を切る時に使用。
2. 枝先寄りの少し離れた 位置で上から切る。
3. そのまま枝を切る。 4. つけ根から切る。
道具の使い方
目 次
常緑樹シマトネリコソヨゴハイノキ ( 準備中 )常緑ヤマボウシ
落葉樹アオダモアメリカハナズオウイロハモミジカツラコハウチワカエデジューンベリーシャラシラカバジャクモンティーツリバナ ( 準備中 )ハナミズキヒメシャラメグスリノキ ( 準備中 )落葉ヤマボウシ
つる性植物モッコウバラ
おまけギボウシの株分け
1234
567891011121314151617
18
19
込み合った枝をつけ根から切る
枝先から根方向を見た模式図
ポイント 剪定の際、枝数を減らすと爽やかなイメージを演出できる。また枝を切り落とす際、縦芽(※1)は残すと美しい樹形へと成長していく。 生長が速いので、大きさを維持したい場合・小さくまとめたい場合は年2回を目安に剪定を行い、主幹を節上で切る。骨格をつくり直したい場合は、春に剪定を行う。
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
シマトネリコ
主の剪定:2月~8月1枚の葉が大きく放任し枝が込み合うとすぐに葉が密集してしまうので注意。
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…
鑑 賞剪 定花 芽
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
:切る箇所:仕上がり樹冠ライン
※1 縦芽を残す葉の付き方は対生だが、出来るだけ横芽(横芽から伸びた枝)ではなく、縦芽(縦芽から伸びた枝)を残したい。
横芽から伸びた枝
縦芽から伸びた枝
縦芽から伸びた枝
内向枝をつけ根から切る
全体のバランスを見ながら外側の枝や樹冠に影響する枝を切り落とし形、大きさを整える。
-1-
は な め
込み合っている枝は切り落として、ふところの風通しや日当たりをよくする。
主幹から生えている枝が込み合っている場合は、不要な枝をつけ根から切って整理する。
ポイント 放任してもそれほど樹形が乱れないので剪定は不要な枝の整理や大きさをまとめるだけでもよい。 株立ちの場合は、葉を透かして幹を見せるとより美しさが増す。
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
ソヨゴ
主の剪定:春込み合った枝や、交差枝、内向枝等の不要枝は切り落としてすっきりさせる。主幹から生えている
枝の間隔が狭いようであれば、バランスがよい配置になるように太枝であっても切り落とす。
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…
鑑 賞剪 定花 芽
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
樹冠を乱す枝を切り落として形を整える。枝先を切る場合には、枝わかれしている所のすぐ上で切るのが基本である。
:切る箇所
-2-
は な め
ポイント
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
ハイノキ
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…
-3-
は な め
ポイント 枝が輪生状に出るので、枝のバランスを見て本数を間引く。剪定は、込みすぎた枝を間引く程度で、植栽スペースにより、横に張る枝を目的の樹冠の内部まで切縮める。木を大きくするのでなければ長い枝は枝元で切る。高くなりすぎたら主幹を2~3mの高さで切り落とし切り口に保護剤を塗布する。 生育中に剪定をすると切り口から樹液がしみ出て弱るので注意。枝を波打つようなイメージで剪定すると美しい仕上がりに。
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
常緑ヤマボウシ
主の剪定:1~3月自然樹形を保つためには、枝の途中で切らず、太めの枝不要枝を間引くようにする。
日が差さないとすぐ枯れ枝になってしまうのでできるだけ枝を透かしてふところの日当たりを確保する。
小さくする場合は、任意の高さで主幹を輪生枝の上で切る
横に突き出した枝、長すぎる枝、花芽のない枝は分岐点や枝元で切詰める
輪生枝は付け根から間引く不要枝や込んだところは付け根から間引く
:切る箇所
鑑 賞剪 定
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
-4-
は な め
ポイント 作業は秋の落葉後から 2月までが望ましい。伐採の時期をずらしながら太い幹と、細い幹が混在するように仕立てるとより自然らしい仕立が出来る。切り落とした部分は一時的には不自然にかもしれませんが時間の経過とともに自然な株に馴染んでいく。 小ぶりの葉がさわやかなイメージを演出するアオダモは樹形を整えるだけでアオダモ本来の良さを十分に引き出せる。
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
アオダモ
1 主の剪定:10月~不要枝は付け根から切る。 小透かし剪定程度であれば通年でお手入れが可
能。小枝を落とす場合は付け根から切り、場合
によってはえぐり込む程でもよい。枝間の間隔
が若干粗いので抜く場所を間違ってしまえば不
自然な仕上がりになる可能性があるのでよく観
察してから落とし込みを行うこと。
徒長枝
逆さ枝
ひこばえ
交差枝
平行枝
からみ枝
:切る箇所
鑑 賞剪 定
1 2 3 10 11 124 5 6 7 8 9
2. 整姿剪定:通年O.K.
-5-
:切る箇所
必要ならば支柱を立てる。
夏に徒長枝は出ていたら枝元で切り取る。
花後に枝先を切る場合は葉のある節の上で切る。
樹冠を細くするには横に伸びる枝を小枝との分岐点で切る。
ポイント 根元近くから枝分かれして株立ち上に茂り、枝が横に張ります。植栽スペースに合わせて余分な枝を整理してコンパクト仕立てる。自然樹形を損なわないように枝はつけ根から切り取る。木の幅を抑えたい時は横に伸びる枝を樹冠内部の短い枝のところで切り戻す。また、ひこばえは根元から切り取る。枝数を増やしたい場合は花後に枝先を切り戻し脇芽を出す。
:花鑑賞… :実 :新葉鑑賞
:最適剪定… :可能
アメリカハナズオウ
主の剪定:12月~3月花を楽しむのでなければ花芽を気にせず邪魔な枝をどんどん整理してよい。
鑑 賞剪 定花 芽
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…
-6-
は な め
は な め
ポイント 剪定時期が遅れると、切り口から水がしみ出し枯れる場合がある。剪定は木の活動が止まる 11 ~ 12 月に行い、1月以降は避ける。自然樹形の柔らかさを出すために、細い枝は残して太い枝 (φ20 ~ 50 ㎜ ) を剪定する。太い枝を切った際は保護剤を塗り菌の侵入を防ぐ。 若木のうちは木の骨格を作ることに専念し、水平に伸びる枝を残すようにし、徒長枝・立ち枝・交差枝等の不要枝を整理する。
:花鑑賞… :紅葉
:最適剪定… :可能
イロハモミジ
1 夏の剪定:5月中旬~7月不要枝を切り内部の日当たりをよくする。 太枝を剪定し、柔らかい印象に。枝先は、水平
の枝を残すとより柔らかくなる。
葉のついていない枝を根元から切る。
バランスを見て対に出ている枝はどちらか一方を切る。
上に伸びた太枝をつけ根から切る。
飛び枝:放置すると太枝になるので根元から切り取る。
2. 落葉期の剪定:11~12月
鑑 賞剪 定
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
小枝の切り方小枝は手で簡単に折り取れる。軽い剪定は手で折ってもよい。
自然に枯れる。
枝が込むので互い違いにする。
強い枝葉小枝のある節の上で切る。
伸びすぎた枝、絡み枝、枯れ枝等はつけ根から切る。
剪定後イメージ
○ GOOD
△ BAD
:切る箇所
-7-
ポイント 新芽が出る時期以外は通年を通して剪定可能。条件がよければ1年で 1~ 2m伸びるので植栽スペースに合わせて大きくなりすぎないよう任意の高さで主幹を切り落とす。一定の大きさを保つには枝を透かすように間引き剪定をする。枝は左右対称に出る ( 対生 ) ので、互い違いになるよう一方の枝をつけ根から切り除く。ふところの小枝はつけ根から切り、内部が密生するのを防ぐ。
:花鑑賞… :紅葉
:最適剪定… :可能
カツラ
主の剪定:6~3月の剪定主枝は枝先に向かってピラミッド状になるように脇枝を葉のついている節の上で切り詰めていく。
互い違いになるよう枝元から間引く
主幹は枝の分岐点で切る
枝は葉のある節の上で切る。
剪定後イメージ
:切る箇所
鑑 賞剪 定
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
-8-
ポイント 剪定時期が遅れると、切り口から水がしみ出し枯れる場合がある。剪定は木の活動が止まる 11 ~に行う。自然樹形の柔らかさを出すために、細い枝は残して太い枝 (φ20 ~ 50 ㎜ ) を剪定する。太い枝を切った際は保護剤を塗り菌の侵入を防ぐ。 若木のうちは木の骨格を作ることに専念し、水平に伸びる枝を残すようにし、徒長枝・立ち枝・交差枝等の不要枝を整理する。
:花鑑賞… :紅葉
:最適剪定… :可能
コハウチワカエデ
太枝を剪定し、柔らかい印象に。枝先は、水平の枝を残すとより柔らかくなる。
:切る箇所
落葉期の剪定:11~12月
小枝の切り方小枝は手で簡単に折り取れる。軽い剪定は手で折ってもよい。
自然に枯れる。
バランスを見て対に出ている枝はどちらか一方を切る。
上に伸びた太枝をつけ根から切る。
枝が込むので互い違いにする。
強い枝葉小枝のある節の上で切る。
伸びすぎた枝、絡み枝、枯れ枝等はつけ根から切る。
剪定後イメージ
○ GOOD
△ BAD
鑑 賞剪 定
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
-9-
ポイント 自然と樹形がまとまるので、不要枝を間引く程度でよい。内部まで風が通るようにふところ部分の細くて弱い枝や不要枝をつけ根から切り取る。若木のうちは徒長枝がでるので切る。 実をよくならすためには2~3年実をつけた枝は若い枝が出ている所まで切り詰める。また、木の樹齢とともに実がよく付くようになるので、実がなりすぎた場合は適度に摘み取って木の消耗を防ぐ。 植え付け後、3~4年は新梢(新しく伸びた枝)の枝先を軽く切り詰め枝葉を出させる。翌年の花芽を落とすことになるので実はつかなくなる。
主の剪定:12月~2月枝が込み合わないように剪定する。枝先に花芽が付くので枝先を切り詰めると実はならない。
ジューンベリー
鑑 賞剪 定花 芽
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:花鑑賞…※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…:実
:最適剪定… :可能
養分が流れてしまうのでひこばえは根元から切り取る。
伸ばしたい新梢は枝先の1/3位、外芽の上で切る
2~3年実を付けた枝は下方の若い枝まで切り戻す。
混合花芽(1つの芽から花芽や枝葉が出る)
葉芽
:切る箇所
は な めは な め
しんしょう
しんしょう
は な め
は め
は な め
は な め
-10-
ポイント 休眠中の 11 月~に行うが、枝数が少ないので、切り過ぎないように注意する。樹形を乱す長い枝や「交差枝」を整理する。枝が横に広がるので、木の内部に近い枝の分岐点で切り、横張りを抑える。枝は必ず付け根から切り、太い枝の切り口には保護剤を塗布する。枝が込んでいれば花後に枝を間引き内部に日が当たるようにする。
:花鑑賞…※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…:実
:最適剪定… :可能
シャラ
主の剪定:11月~花芽のある短枝を残して、横に伸びる強い枝や不要枝を切る。
鑑 賞剪 定花 芽
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
木の上部の徒長枝:つけ根から切る
強く横に伸びる枝やその他不要枝:つけ根から切る
樹冠からはみ出す枝:分岐点で切る
主幹の切り方のこぎりで 1. 付け根から離れた位置で 1/3、2. その少し上から切り幹をはらい、3. 枝のつけ根いっぱいで切る。4. 切り口には保護剤を塗布。
1
2 3
4
:切る箇所:仕上がり樹冠ライン
は な め
は な め
-11-
ポイント 環境により剪定をして形を整える。徒長枝や絡み枝等の不要枝を整理する。次に、植栽スペースに合わせて樹冠が卵形になるよう長い枝は内部の小枝のある位置で剪定する。枝を切る時は必ず、枝の付け根いっぱいで切る。根元近くから出た枝、剪定後に徒長枝が出ていたら付け根から切る。 幹は強剪定して低く抑えられるが ( 幹の直径が5cm以下の時に行う )、途中で切ると木が枯れてしますことがあるので他の枝との分岐点で切り、切り口に保護剤を塗布する。
:花鑑賞…
:最適剪定… :可能
主の剪定:12月~3月込み合った部分の徒長枝、ふところに向かって伸びる
逆さ枝等の樹形を乱す枝を剪定する。
主幹は任意の高さの枝の分岐点で切詰める。
養分が流れてしまうのでひこばえは根元から切り取る。
主幹の切り方のこぎりで 1. 付け根から離れた位置で 1/3、2. その少し上から切り幹をはらい、3. 枝のつけ根いっぱいで切る。4. 切り口には保護剤を塗布。
1
2 3
4
:切る箇所:仕上がり樹冠ライン
シラカバ・ジャクモンティー
樹形を卵形に整える。
不要枝は付け根から切り取る。
鑑 賞剪 定
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
-12-
ツリバナ
-13-
↑≪剪定後のイメージ≫
ツリバナは内向枝や交差枝等の不要枝
が込み合う可能性がある。落葉時に枝
の剪定の必要がある。
↓≪剪定前≫→
鑑 賞剪 定花 芽
7 8 9 10 11 121 2 3 4 5 6
ポイント 樹勢が強く大きく育つので、小さい庭では高さ3m程で主幹を主枝の出ている部分で切詰める。 枝が横に広がる自然樹形にするため、不要枝 ( 太い枝を切る ) やひこばえが出ていたら剪定を行う程度にする。成木になると枝が垂れてくるので、枝の分岐点で切詰める。大きくなりすぎた場合は3月に強剪定し、落葉期に不要枝を整理する。枝を波打つようなイメージで剪定すると美しい仕上がりに。
長枝 ( 葉芽 )
枝は対生なのでバランスよく互い違いにしていく。
:切る箇所
:花鑑賞… がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…:実
:最適剪定… :可能
ハナミズキ
1. 長い枝の剪定:1月~3月長い枝は、図の 基部の短枝の上で切る。
または、枝をつくる場合は の位置で 4~ 6芽
残し芽の上で切る。
2. 小さく仕立て直す剪定:3月主幹は 2~ 3mの高さで、側枝は幹に近い位
置でばっさり切り、切り口には保護材を塗布。
花芽
a
b
日が差さないとすぐ枯れ枝になってしまうのでできるだけ枝を透かしてふところの日当たりを確保する。
は な め
は な め
た ん し
ち ょ う し は め
※中心の茎から側方へ出る枝。
そ く し ※
-14-
ポイント 休眠中の 11 月~に行うが、枝数が少ないので、切り過ぎないように注意する。樹形を乱す長い枝や「交差枝」を整理する。枝は必ず付け根から切り、太い枝の切り口には保護剤を塗布する。枝が込んでいれば花後に枝を間引き内部に日が当たるようにする。高さを維持、小さくまとめたい場合は必要に応じて主幹を切る。
:花鑑賞…※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…:実
:最適剪定… :可能
ヒメシャラ
主の剪定:11月~枝の途中で切るとそこから枯れてしまう。花芽
のある短枝を残して、横に伸びる強い枝や不要
枝を切る。
木の上部の徒長枝:つけ根から切る
強く横に伸びる枝やその他不要枝:つけ根から切る
樹冠からはみ出す枝:分岐点で切る
主幹の切り方のこぎりで 1. 付け根から離れた位置で 1/3、2. その少し上から切り幹をはらい、3. 枝のつけ根いっぱいで切る。4. 切り口には保護剤を塗布。
1
2 3
4
鑑 賞剪 定花 芽
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
仕上がり樹冠ライン
:切る箇所:仕上がり樹冠ライン
は な め
は な め
-15-
ポイント
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
メグスリノキ
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…は な め
-16-
ポイント 枝が輪生状に出るので、枝のバランスを見て本数を間引く。剪定は、込みすぎた枝を間引く程度で、植栽スペースにより、横に張る枝を目的の樹冠の内部まで切縮める。木を大きくするのでなければ長い枝は枝元で切る。高くなりすぎたら主幹を2~3mの高さで切り落とし切り口に保護剤を塗布する。 生育中に剪定をすると切り口から樹液がしみ出て弱るので注意。枝を波打つようなイメージで剪定すると美しい仕上がりに。
:花鑑賞… :実
:最適剪定… :可能
落葉ヤマボウシ
主の剪定:1~3月自然樹形を保つためには、枝の途中で切らず、太めの枝うあ不要枝を間引くようにする。
日が差さないとすぐ枯れ枝になってしまうのでできるだけ枝を透かしてふところの日当たりを確保する。
小さくする場合は、任意の高さで主幹を輪生枝の上で切る
横に突き出した枝、長すぎる枝、花芽のない枝は分岐点や枝元で切詰める
輪生枝は付け根から間引く不要枝や込んだところは付け根から間引く
:切る箇所
※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…は な め
は な め
鑑 賞剪 定花 芽
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
-17-
3年以上は付け根から切る
ポイント 花が終わったら、3年の以上たった枝は付け根から切り落とす。枝の途中から1~2念目の枝が出ていればその分岐点で切り取って枝を交代させる。1年目の枝や根元から伸びる新梢 ( シュート ) は枝先を軽く切り戻し脇目を出させる。2年目の枝は花の咲いた枝を枝元から2~3芽上で切り取る。 冬には絡み合った枝をほぐして水平に誘引しなおす作業を行う。上に垂直に伸ばすと花はあまり咲かない。
:花鑑賞…※花芽がつくられる時期(付記)以降に剪定を すると、次の花期の花数が減ることがある。
花芽…:実
:最適剪定… :可能
モッコウバラ
主の剪定:5月
鑑 賞剪 定花 芽
10 11 121 2 3 4 5 6 7 8 9
※参考商品 ACQラチスフェンス M95522年目の枝から出た開花枝は2~3芽残して切り取る 新梢 ( シュート ):枝先から10~20cm下の 外芽の上で切る
新梢 ( シュート ):水平に誘引して、 太い支柱 の場合は紐で固定する。
:切る箇所:とげがないため支柱に 絡ませひもなどで (8 の字 ) 固定する
は な め
しんしょう
しんしょう
しんしょう
-18
ポイント 植替えや株分けは、葉が枯れた時期に行う。11 月から 2月までが適期。1年で 1.5 ~ 3 倍に成長する。品種によって手で分けられるものと、鋏やスコップを入れないと分けられないものがある。鋏を入れたものは切口から腐りやすいので切口に石灰を塗って保護する。
:葉鑑賞… :最適株分け… :可能
ギボウシの株分け
1. 株を掘り上げ葉が枯れたらスコップなどで株を掘り上げる。葉の長さの 1.5 ~ 2 倍くらいの直径を堀上げる。( 出来るだけ土を落とさないようにする )
2. 根の除去枯れている根をハサミなどで取り除く。
3. 株分け1株に3個以上の芽がつくようにナイフやハサミで切り 分ける。切り口から腐れる場合があるので切り口に石灰か草木灰を塗る。
4. 植え付け分けた株は、植え付けと同様の手順で植え付ける。
-19-
鑑 賞株分け
7 8 9 10 11 121 2 3 4 5 6