インドネシアでの褐炭ガス化技術（二塔式ガス化炉）普及へ …5．褐炭ガス化炉の市場性褐炭ガス化市場導入インセンティブについて

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インドネシアでの褐炭ガス化技術

（二塔式ガス化炉）普及への取り組み

株式会社

2013 8 7

株式会社IHI

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2013.8.7

内容

１二塔式ガス化炉（TIGAR )開発の背景１．二塔式ガス化炉（TIGAR®)開発の背景

２二塔式ガス化炉の特長２．二塔式ガス化炉の特長

３商用化に向けた開発スケジュール３．商用化に向けた開発スケジュル

４．50ｔ/ｄ実証機インドネシアでの実証プロジェクト４．50ｔ/ｄ実証機インドネシアでの実証プロジェクト

５．褐炭ガス化炉の市場性

６．二塔式ガス化炉の優れた普及性

Copyright © 2013 IHI Corporation All Rights Reserved. 2

１．開発の背景

市場が期待する技術は？石炭は、他の化石燃料に比べて賦存に偏在性がなく、供給安定性、経済

性に優れており、近年、石炭資源の獲得競争が激化している。このため、石炭埋蔵量の約半分を占めるものの、高水分で自然発火性

があることからこれまで利用が限られていた褐炭の有効利用が喫緊の課題となっており、褐炭を多用途に有効利用できるガス化技術の普及が期待されている。

市場への普及について褐炭の産炭国へガス化炉が導入され普及の促進が図られるには、経済

ジブああが特性性的にフィジブルであることは当然であるが、特に、運用性、メンテナンス性が容易であることが重要な要素となる。

二塔式ガス化炉（褐炭ガス化）は，循環流動層ボイラ技術を応用した褐炭適たガ化炉大気運転されるとから運炭に適したガス化炉で、大気圧下で運転されることから運用・メンテナンスが容易で、産炭国での普及性に優れる。


2. 二塔式ガス化炉の特長

・ IHIが実績のある循環流動層ボイラ技術を応用・技術的/経済的に利用困難であった低品位エネルギー（褐炭、バイオマス）をガス化して

化学原料や燃料用に有効利用

石炭 (低品位炭) W d

適用可能原料

P l W

燃料多様化高温循環媒体の循環

二塔式ガス化炉の原理

TIGAR®:Twin IHI GAsifieR

運転条件石炭 (低品位炭) Wood Palm Waste循環

燃焼炉からの高燃焼炉

運転条件・大気圧下・比較的低温

未反応チャー

燃焼炉からの高温循環媒体の熱を供給

循環

適用先

燃焼炉

（発熱反応）

未反応チャー

空気燃焼

シフト H2 NH3製造

燃料電池ガス化炉

（吸熱反応）未反応チャ燃焼炉へ循環改質 CH4 代替SNG

CTL 化学原料

燃料/原料


4

燃焼空気導入合成水蒸気ガス化流動層形成

DME 輸送燃料

MeOH蒸気空気

2. 二塔式ガス化炉の特長

二塔式ガス化炉（TIGAR®）の特長

① 低温、常圧運転のため、高価な耐熱材、耐圧機構を用いる必要がなく、

イシトメナト低減が能と予想イニシャルコスト、メンテナンスコストの低減が可能と予想

② 流動層であるため、燃料は粗粉砕でよく、スラリー化、搬送ガス等の必要がない

また石炭、バイオマスなどの多種燃料の使用が可能

③ ガス化は水蒸気でおこなうため、酸素が不要

④ 灰はスラグではなくドライで抜き出しが可能

＊循環流動層技術をベースとしているため、東南アジア及び中国で普及している

循環流動層ボイラの運転・保守技術の知見が流用可能

TIGAR Type A Type B Type C

ガス化炉型式

圧力

温度

流動層噴流床噴流床固定層

大気圧 >3MPa >3MPa 1- 3MPa

℃ ℃ ℃ ℃温度

ガス化剤

燃料形態

灰形態

850-950℃ >1400℃ >1500℃ 1200℃

蒸気酸素酸素酸素

バルク、粉スラリー粉バルク

DRY ASH スラグスラグ DRY ASH


DRY ASH スラグスラグ DRY ASH

３. 商用化に向けた開発スケジュール

2009H21

2010H22

2011H23

2012H24

2013H25

2014H26

2015H27

2016H28

※H22年～METI補助金事業として実施

2004～H17

ガス化技術の確立・要素技術検証実証機への課題抽出

実証機導入実証機確認

商用機展開

6t/dパイロット試験要素試験

実証機設計・建設実証機試験（検証）

高度ガス精製設備

ユーティリティ設備粗ガス精製設備

IHIチレゴン工場ジャカルタ

酸素製造装置（ASU）

電気・制御室

ユーティリティ設備

排水処理設備

ガス化ガス昇圧機

粗ガス精製設備

☆

＜6t/dパイロットプラント＞横浜事業所

ＴＩＧＡＲ®ガス化炉×4基（予備1基）

石炭ヤード

定格給炭量：3000t/d級

Kujang工場

ジャカルタから約75km

杭打工事横浜事業所定格給炭量：3000t/d級(ｱﾝﾓﾆｱ1000t/d相当)

＜実証機プラント建設地＞

＜商用機プラントイメージ図＞

実証機50TPD

杭打工事開始5/28

6Copyright © 2013 IHI Corporation All Rights Reserved.

インドネシア実証機50TPD

↓500TPD～1000TPD

ジャカルタ

４. 50t/d実証機インドネシアでの実証プロジェクト

IHIチレゴン工場Kujang工場

ジャカルタから約75km

☆

【実証目的】

①実際のインドネシアの低品位炭を使用し運転性能、☆

長時間運転の確認

②実証試験にて運用安定性や保守・メンテナンスのデー

タ

＜プラント建設地＞

タ

を採取し、商用機に反映

③肥料工場で運転を行うことで将来の導入先候補へ

＜50t/d 概略仕様＞

③肥料工場で運転を行うことで、将来の導入先候補へ

のアピール

石炭使用量 50t/d

（到着、43%水分）

ガス化ガス発生量 1 500 3N/h d

＜50t/d 概略仕様＞

ガス化ガス発生量 1,500m3N/h-dry

蒸気発生量 3.0t/h

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＜50t/d 3D外観図＞

4. 50t/d実証機～サイト詳細～

Kawasan Industri Kujang 地Cikampek(KIKC)内地図

排水池

ジャカルタ方面

Kujang肥料工場

Copyright © 2013 IHI Corporation All Rights Reserved. 8TIGAR設置場所

５．褐炭ガス化炉の市場性インドネシアのエネルギー事情

■ インドネシアは石炭資源が豊富で，褐炭が占める割合が高い■ インドネシアの国内産業では，肥料産業での天然ガス消費が高い

Natural GasCoal

Policy of Indonesia energy supply

ExportThe 1st JAPAN-INDONESIA ENERGY FORUM, 2013

Indonesia Coal Resources Natural gas Utilization in Indonesia

WEC, Survey of Energy Resources 2010 The 1st JAPAN-INDONESIA ENERGY FORUM, 2013

褐炭をガス化することで，インドネシアにとって貴重な外貨獲得源であるNGを輸出にシフトできる⇒日本のエネルギー確保（資源安定供給）に寄与


５．褐炭ガス化炉の市場性褐炭ガス化市場導入インセンティブについて

■石炭資源の獲得競争が激化特に瀝青炭は急激に需要が増大

■天然ガスはシェールガス革命で安価となったが、石炭が経済的に有利は変わらない予想

Natural GasCoal

世界品位別石炭埋蔵量世界の品位別石炭埋蔵量

低品位炭褐炭

1,954億t(22 7%)

（百万トン）

3 700

4,200

4,700

（百万㌧）

瀝青炭＋無煙炭

5,700

5,200

可採埋蔵量（2008年末）8,609億t

瀝青炭＋

無煙炭4,048億t(47.0%)

亜瀝青炭2,608億t(30 3%)

(22.7%)

200

700

1,200

1,700

2,200

2,700

3,200

3,700

1993 1996 1999 2002 2005

瀝青炭＋無煙炭

亜瀝青炭

褐炭

2008

亜瀝青炭

褐炭

消費

量

低品位炭

石炭品位別埋蔵割合

瀝青炭等の消費量は急激に増加、一方、低品位炭（亜瀝青・褐炭）の消費量は低め維持

(30.3%)

ブ

ＷＥＣ 2010, “Survey of Energy Resources”米国発電所向け燃料天然ガス価格と石炭価格予想推移EIA, Fuels used in Electricity Generation, June 05 2013

褐炭ガス化炉が市場導入されるインセンティブとして、褐炭価格と天然ガス価格の動向がポイント。⇒褐炭ガス化導入のインセンティブが出てくる見込み


６．二塔式ガス化炉の普及性

ＣＣＴ技術普及のポイント

経済面：然ガ価格天然ガス価格

に勝てる合成ガ勝てる合成ガ

ス

高い

環境面：環境基準

技術面：運用性

普及性

環境基準を順守

運用性安全性確保


６. 二塔式ガス化炉の普及性ＣＦＢ類似の機器構成

～運用性、メンテナンス性および安全性～

◆二塔式ガス化炉は、常圧、低温での容易な運転⇒運転員の運転方法習得が容易◆普及技術である循環流動床（ＣＦＢ）を適用しており、汎用品を採用⇒メンテナンス性に優れる

二塔式ガス化炉（ＴＩＧＡＲ）システム

・通常のCFBと同様の運転・操作

・運転員の習熟も容易ド構成類似・ハード構成類似。

⇒汎用品適用可能

循環流動層ボイラ（ＣＦＢ）システム

［ガス化炉・燃焼炉］Gasifier/Combuster・850-950℃


・常圧(Atmospheric Press.)・運転が容易

６. 二塔式ガス化炉の普及性褐炭貯蔵・搬送設備

～安全性の確保～

褐炭貯蔵バンカ・粗粒径（<10mm）で貯留⇒自然発火しにくい

粉砕装置：破砕機の適用

安全性を考慮した貯蔵・搬送設備・水分が多い場合のハンドリング性向上

・粗粉砕（<10mm）でよく、発火しにくい状態でハンドリング可能

上・発火しにくい粒径(粗粉砕）での運用

褐炭乾燥設備

褐炭の性状■水分が多い■揮発分が高い■自然発火しやす

（乾燥しすぎると発火しやすくなる）

褐炭乾燥設備・高水分褐炭は、予備乾燥してハンドリング性およびガス化効率考慮・乾燥後水分は、安全な範囲で維持

■自然発火しやすい

13

褐炭搬送設備における考慮

（乾燥しすぎると発火しやすくなる）


６. 二塔式ガス化炉の普及性インドネシアへの展開

～経済性～

アンモニア生産尿素生産改質炉天然ガス既存設備

比較

アンモニア生産尿素生産改質炉天然ガス原料が天然ガスの場

合

較

ガス化（TIGAR）褐炭TIGAR設備

原料が褐炭の場合アンモニア生産尿素生産

インドネシア国営肥料統括会社PUSRIグループ傘下のアンモニア製造能力

Kaltim

・TIGARプラントを導入した場合

Kaltim1800t/d

1800t/d

1000t/d

1000t/d

Pusri

Iskandar Muda

1100t/d

1200t/d

G プラントを導入した場合天然ガスを原料とするケースと比べメリットが得られる。

K j

Pusri

1350t/d

790t/d

1200t/d

1200t/d


Kujang

1160t/d

1000t/d

Petrokimia Gresik

1350t/d

７. まとめ

二塔式ガス化炉は、高い普及性が期待できる

■従来技術で、世界中で普及している循環流動床ボイララ

に運用、メンテナンスが類似→運転員の確保が容易運転員の確保が容易→汎用品が採用されており、メンテナンスが容易→褐炭/バイオマスの供ガス化が可能

■褐炭の微粉化、高度な乾燥工程が不要粗粒処く自然→粗粒処理でよく、自然発火リスク小さい

→高水分のままでもガス化炉投入可能


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