1992年 オムロン株式会社に入社。 事業所総務業務を皮切りに2004年に各拠点事業所人事業 務の集約を担当。 現在は、国内・海外給与計算・評価・異動業務全般の責任者。 37か国120拠点、グループ全体で約400世帯の海外赴任者を サポート。 オムロン株式会社 グローバル人財総務本部 人事部 人事グループ長 柴田 雄 2003年に、それまで各拠点で行っていた人事業務を本社に集約し、「生産性・専門性を高めて事業の再強化を図る」という、本社機能の構造改革を行うことになりました。海外赴任業務は、毎月何かしら案件があるものの、その多くは定期異動の時期に集中して発生します。そのため、本社で集約するには本来不向きな業務でありますが、専門性が高い分野でもあり、各拠点に専門家を配置して行うことも難しい。そこで、集約した体制でどのように運営していくかを検討した結果、アウトソーシング(以下OS)という選択肢が持ち上がりました。海外業務をOS化するとしたら、どこの国なら対応できるか、コストは?といったビジネスモデルの大枠から、どんな帳票を使うか、案内文の雛形は?といったオペレーションの細かな部分まで、現場を混乱させない設計も必要です。様々な検討を重ねて具現化するまでに、1年ほどの時間をかけました。OSを利用してからは、オペレーションが上手く行かず、色々なジレンマを感じることもありました。足りない部分、歯がゆい部分を解決するには、まずはリロさんとのお付き合いは、2005年から始まりました。当時のリロさんは、創業したばかりの新しい企業でしたし、当社も業務のOS化を具体化し始めたところだったので、引き継ぎの中で色々な問題点が浮上しました。実際に赴任者から不満の声が上がることも多かったです。一つ一つの問題点は、社内の準備不足という面もあり、そこで〝使えない〞と切ってしまうのではなく、課題に対して知恵を出し合う形で解決を目指しました。当初の狙いとしては、もともと海外赴任のオペレーションをゼロにするという目標があったので、時には厳しく意見することもありましたが、双方が真剣に向き合い改善を重ねたことで、当初狙っていた状態に近づいてきました。特オムロンという会社をリロさんにもっと知ってもらう必要がある。社員と同じ目線に立って業務に取り組んでいただきたいと。そこで、まずはリロさんの本社に出向いて、オムロンの企業理念を理解してもらうことから始め、業務のOS化で実現したい目標などもしっかり伝えまにシンガポール・中国・アメリカなど実績の多い国に関しては、安心して任せられる状態となっています。以前は、海外赴任の手続きは3ヶ月前から始めるルールとなっていました。しかし、時代と共にビジネススピードが早くなるにつれて準備期間もどんどん短くなりました。加えて、グローバル化の加速に伴い海外赴任者も増加しております。現在では、事業サイドから1ヵ月で上海赴任の対応を求められることもあり、事業サイドが求める短期・大量の対応は、自社体制では対応することは難しかったであろうと考えています。日本とは違う環境で仕事をしていると、日本からは手厚いサポートを求めたいと感じるようで、ちょっとしたボタンの掛け違いなどで、厳しい声を聞くことも多くあります。例えば、メールや書類に記載してある内容も、慣れない環境で忙しい業務をこなしていると、つい見逃してしまうこともあります。必要な物資が思うように手に入らない不安、子どもの教育に関する情報提供なども、「先に知らせて欲しかった」「あと1歩踏み込んでくれたら…」というような物足りなさを感じている社員がいるのも事実です。特に、急な内示で赴任する場合や事前情報が実際と異なるというケースでは、赴任者の背景をもっと理解した上で、今後も当社とリロさんの二人三脚で解決していくべき課題だと思います。また、危険地域や初めて進出する国では想定外の課題も多く、形式的なビジネス対応だけでなく、更にキメの細かいサポートを検討していく必要を感じています。海外赴任手続きでは、ビザの取得がもっとも大変な作業です。国ごと・世界情勢によって日々変化するので、注意すべき点などの情報は、正確でスピーディな把握が求められます。そのためには、リロさんにはより多くの顧客を増やしていただくことを期待しています。取引企業が増えれば、様々な国への対応機会が増え、多くの国の情報を共有することができます。その結果、今まで以上にQCDの高いオペレーションを提供していただけることになると信じています。リロさんには、『人事メンバーの一員』pecial interview elo excel international R オムロン株式会社様 構造改革でアウトソーシング採用までの経緯 導入事例 ▼▼海外業務でアウトソーシングを利用するに至った経緯を教えてください。▼▼業務の引き継ぎは大変な作業だと思いますが、どのような点に注力されましたか?▼▼社内業務からOS化へ。トラブルや社内の混乱はありませんでしたか?▼▼海外業務のOS化は社内にどんな影響がありましたか?▼▼今後のリロ・エクセルインターナショナルに期待することは?▼▼アウトソーシングを上手く活用するポイントはどこにありますでしょうか?▼▼「働き方改革」に伴い、アウトソーシングを検討している企業が増えています。そのような企業に向けて、メッセージをお願いします。s vol.1 として活躍してもらいたい。その想いはリロさんの担当者にお会いする度にお伝えするようにしています。何か問題が起きた時には、一緒に立ち向かい、改善していくスタンスを持たないと本質課題の解決に結びつかないと考えているからです。アウトソーシングというと、「社員の負担を軽減して、業務を代行してもらうこと」と単純に考えがちです。「プロなんだから完璧で当たり前」と期待はするものの、この考え方では、業務のアウトソーシングを成功に導くことはできません。『業務のOS化』は、『出す側の責任』をしっかり自覚することが大切。OSは責任逃れの方法ではないということを、しっかり自覚しておくことが重要だと考えています。何度も言いますが、問題があった時には、出す側も主体となって双方が知恵を出し合って解決する。そうすることで、オペレーションの安定運営、そして赴任者にとっても安心して業務に専念できる環境をつくることができます。それぞれの専門性を発揮して、髙い変化対応力と質の高いオペレーションを提供することが、真の「働き方改革」に繋がることになると考えています。(取材日:2018年1月25 日)▼課題に対して双方で知恵を絞り、解決を目指していく二人三脚の体制を整える働き方改革とアウトソーシング▼▼海外赴任者からの評判はどのように届いていますか?改善の積み重ねと今後の課題した。また、担当の方には各事業会社や海外拠点にも赴いて取材してもらい、赴任者が抱える問題点や背景を体で感じてもらう機会も作りました。単なる業務代行ではなく、「人事メンバーの一員」としての意識をもっていただいたことで、現在の基盤を築くことができたと思っています。