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エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株式会社エアロジェル・ジャパン ●プラントの老朽化 CUI Corrosion Under Insulation の略。保温材下の配管や機器の外面腐食のこと。水分の存在、運転温度範囲 (-5℃~150℃)、乾湿の繰り返しなどがCUIを加速させる。大気中での腐食に比べ、腐食速度が10倍 程度となるケースもある。プラントの老朽化に伴い発生する問題のひとつ。 ●断熱材劣化による熱エネルギーロス 劣化した保温材から放散される熱エネルギーロス ●増し保温工法 CUI 発生リスクを低減できる工法。既設保温材(外装材)の上から、パイロジェル XT を上巻きし、 既設保温材中の水分を水蒸気として排出。 ●増し保温工法の効果検証 CUI 抑制効果】 公益社団法人腐食防食学会認定の「ACM 型腐食センサ」を利用 した実証試験により、増し保温工法の CUI 抑制効果を確認。 腐食スピードは、従来工法と比較して増し保温工法は、15. 【省エネルギー効果】 施工前/後のサーモグラフィー撮影によるデータから省エネルギー効果を計算。 投資額(材料費+施工費)と省エネルギー効果額(計算値)の比較では、 投資額を 1.5~3年で回収することも可能●パイロジェル XT(エアロジェル断熱材)の特徴 ガラス繊維と「シリカエアロジェル」を組み合わせた、優れた断熱性能をもつ材料。一般的な断熱材に比べ、 約半分の熱伝導率(=同じ厚みで約2倍の断熱性能)をもつ。また、撥水性を併せ持ち、吸水による断熱性能 の低下、保温材下配管外面腐食(CUI)のリスクを低減できる。 【特性その1:低熱伝導率】 【特性その2:撥水性/水蒸気透過性】 プラントの省エネ、CUI 対策の提案として『調査、検査、診断、補修』⇒PDCA を廻す 日本保温保冷工業会資料提供 平成 26 年 8 月 【ロックウール保温筒】 JIS 規 定 値:0.044W/mK 70℃) 【けい酸カルシウム保温材】 JIS 規定値:0.054W/mK100℃) 既設外装材 既設劣化保温材 パイロジェル TM XT 緊縛材 新規外装材 既設外装材 既設劣化保温材 パイロジェル TM XT 緊縛材 新規外装材 既設外装材 既設劣化保温材 パイロジェル TM XT 緊縛材 新規外装材 水蒸気を排出し、雨水の浸入をシ ャットアウト 濡れた保温材の乾燥により、CUI 予防保全効果、及び省エネルギー 効果 【パイロジェル XT0.023W/mK100℃) 水を弾くが、水蒸気は透過する。 ・雨水の浸入防止 ・濡れた保温材から水蒸気を排出 ・高度経済成長期に建設されたプラントの老朽化に伴い、事故件数が増加し、設備劣化・腐食等による事故件 数も増加している。 93 122 136 172 190 164 0 50 100 150 200 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 設備劣化・腐食等による事故件数 (高圧ガス保安協会統計資料より) 石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所における事故件数 (危険物保安技術協会/Safety & Tomorrow No.180 より) 0 50 100 150 200 250 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 その他 漏洩 爆発 火災 84 121 133 150 142 236 243 207 177 231 ACM 型腐食センサの原理と外観】 【サーモグラフィーによる撮影例】 従来の保温材と比較し、約 2 倍の断熱性能 断熱材 Pyrogel XT 5mm or 10mm 1層増し保温 新規外装材 番線で緊縛 ラップジョイント 断熱材 Pyrogel XT 5mm or 10mm 1層増し保温 Pyrogel XT 5mm or 10mm 1層増し保温 新規外装材 新規外装材 番線で緊縛 番線で緊縛 ラップジョイント 内部温度 100℃以下、新設に適応 内部温度 100℃以上蒸気配管等に適応 118 135 33 2 193 481 174 197 48 4 278 701 0 100 200 300 400 500 600 700 800 ロックウール保温材 グラスウール保温材 けい酸カルシウム保温材 パーライト保温材 セラミックファイバー保温材 全体 施工初期(設計ベース)に保温材から 放散される熱エネルギー(PJ/年) 50%劣化した保温材から 放散される熱エネルギー(PJ/年) 220PJ 【 保温更新工事による省エネ効果と経済効果 】 ①改善される熱エネルギー量 (原油の換算係数: 1GJ=0.0258KL701PJ/年-481PJ/=220PJ/220PJ/×10 6 ×0.0258568KL/②省エネによる経済効果 (原油設定価格:1L=63円) 568KL/年×63/L3,580億円/③保温材が劣化すると消費エネルギーが 8.3%⇒12.1%に増大する。 :劣化した保温材面積は、施工された保温材総面積の50%とし、劣化した保温材 の熱伝導率:施工時(設計ベース)の2倍 P D C A 医療のイメージ P D C A プラン トの 調 、記 調 デー ター ネ:サ ーモグラフィ CUI:中 性子 LCC低 を構 医療のイメージ カル テ、問 カン ァレ プラン ト、配 デー ター アロ ジェル し保 メン テナ 保温材の性能比較
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エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株 …エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株式会社エアロジェル・ジャパン

Aug 20, 2020

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Page 1: エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株 …エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株式会社エアロジェル・ジャパン

エアロジェル断熱材によるプラントの老朽化対策 株式会社エアロジェル・ジャパン

●プラントの老朽化

●CUICorrosion Under Insulation の略。保温材下の配管や機器の外面腐食のこと。水分の存在、運転温度範囲

(-5℃~150℃)、乾湿の繰り返しなどがCUIを加速させる。大気中での腐食に比べ、腐食速度が10倍

程度となるケースもある。プラントの老朽化に伴い発生する問題のひとつ。

●断熱材劣化による熱エネルギーロス

劣化した保温材から放散される熱エネルギーロス

●増し保温工法

CUI 発生リスクを低減できる工法。既設保温材(外装材)の上から、パイロジェル XT を上巻きし、

既設保温材中の水分を水蒸気として排出。

●増し保温工法の効果検証

【CUI 抑制効果】

公益社団法人腐食防食学会認定の「ACM 型腐食センサ」を利用

した実証試験により、増し保温工法の CUI 抑制効果を確認。

腐食スピードは、従来工法と比較して増し保温工法は、1/5.【省エネルギー効果】

施工前/後のサーモグラフィー撮影によるデータから省エネルギー効果を計算。

投資額(材料費+施工費)と省エネルギー効果額(計算値)の比較では、

投資額を 1.5~3年で回収することも可能。

●パイロジェル XT(エアロジェル断熱材)の特徴

ガラス繊維と「シリカエアロジェル」を組み合わせた、優れた断熱性能をもつ材料。一般的な断熱材に比べ、

約半分の熱伝導率(=同じ厚みで約2倍の断熱性能)をもつ。また、撥水性を併せ持ち、吸水による断熱性能

の低下、保温材下配管外面腐食(CUI)のリスクを低減できる。

【特性その1:低熱伝導率】 【特性その2:撥水性/水蒸気透過性】

●プラントの省エネ、CUI 対策の提案として『調査、検査、診断、補修』⇒PDCA を廻す

日本保温保冷工業会資料提供

平成 26 年 8 月

【ロックウール保温筒】

JIS 規定値:0.044W/mK(70℃)

【けい酸カルシウム保温材】

JIS 規定値:0.054W/mK(100℃)

既設外装材

既設劣化保温材

パイロジェルTMXT

緊縛材

新規外装材

既設保温材の省エネ改修方法

既設外装材

既設劣化保温材

パイロジェルTMXT

緊縛材

新規外装材

既設外装材

既設劣化保温材

パイロジェルTMXT

緊縛材

新規外装材

既設保温材の省エネ改修方法

水蒸気を排出し、雨水の浸入をシ

ャットアウト

濡れた保温材の乾燥により、CUI

予防保全効果、及び省エネルギー

効果

【パイロジェル XT】

0.023W/mK(100℃)

水を弾くが、水蒸気は透過する。

⇒ ・雨水の浸入防止

・濡れた保温材から水蒸気を排出

・高度経済成長期に建設されたプラントの老朽化に伴い、事故件数が増加し、設備劣化・腐食等による事故件

数も増加している。

93

122136

172

190

164

0

50

100

150

200

H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年

設備劣化・腐食等による事故件数

(高圧ガス保安協会統計資料より)

石油コンビナート等特別防災区域の特定事業所における事故件数

(危険物保安技術協会/Safety & Tomorrow No.180 より)

0

50

100

150

200

250

H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年

その他

漏洩

爆発

火災

84121

133150 142

236 243

207

177

231

【ACM 型腐食センサの原理と外観】

【サーモグラフィーによる撮影例】

従来の保温材と比較し、約 2 倍の断熱性能

断熱材

Pyrogel XT5mm or 10mm 1層増し保温

新規外装材

番線で緊縛

ラップジョイント

断熱材

Pyrogel XT5mm or 10mm 1層増し保温Pyrogel XT5mm or 10mm 1層増し保温

新規外装材新規外装材

番線で緊縛番線で緊縛

ラップジョイント

内部温度 100℃以下、新設に適応 内部温度 100℃以上蒸気配管等に適応

118 135

332

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ロックウール保温材 グラスウール保温材 けい酸カルシウム保温材 パーライト保温材 セラミックファイバー保温材 全体

施工初期(設計ベース)に保温材から放散される熱エネルギー (PJ/年)

50%劣化した保温材から放散される熱エネルギー (PJ/年)

220PJ

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ロックウール保温材 グラスウール保温材 けい酸カルシウム保温材 パーライト保温材 セラミックファイバー保温材 全体

施工初期(設計ベース)に保温材から放散される熱エネルギー (PJ/年)

50%劣化した保温材から放散される熱エネルギー (PJ/年)

220PJ

【 保温更新工事による省エネ効果と経済効果 】

①改善される熱エネルギー量 (原油の換算係数:

1GJ=0.0258KL)

・701PJ/年-481PJ/年=220PJ/年

220PJ/年 ×106×0.0258≒568万KL/年

②省エネによる経済効果 (原油設定価格:1L=63円)

・568万KL/年×63円/L≒3,580億円/年

③保温材が劣化すると消費エネルギーが

8.3%⇒12.1%に増大する。:劣化した保温材面積は、施工された保温材総面積の50%とし、劣化した保温材

の熱伝導率:施工時(設計ベース)の2倍

P D C A

概 要既 設 プ ラ ン ト の

調 査 、 記 録非 破 壊 調 査 デ ー タ ー 解 析

保 温 構 造 の 構 築 、

履 歴 化

省 エ ネ : サ ー モ グ ラ フ ィ放 散 熱 量 に よ

る 熱 ロ ス 回 収

指 針

C U I : 中 性 子 水 分 計

保 温 含 水 状

況 確 認 及 び

L C C 低 減 を 構

医 療 の イ メ ー ジ カ ル テ 、 問 診 検 査 カ ン フ ァ レ ン ス 治 療

プ ラ ン ト 、 配 管 等

の デ ー タ ー ベ ー

ス 化

エ ア ロ ジ ェ ル 断 熱

材 増 し 保 温 工 法 に

よ る メ ン テ ナ ン ス

P D C A

概 要既 設 プ ラ ン ト の

調 査 、 記 録非 破 壊 調 査 デ ー タ ー 解 析

保 温 構 造 の 構 築 、

履 歴 化

省 エ ネ : サ ー モ グ ラ フ ィ放 散 熱 量 に よ

る 熱 ロ ス 回 収

指 針

C U I : 中 性 子 水 分 計

保 温 含 水 状

況 確 認 及 び

L C C 低 減 を 構

医 療 の イ メ ー ジ カ ル テ 、 問 診 検 査 カ ン フ ァ レ ン ス 治 療

プ ラ ン ト 、 配 管 等

の デ ー タ ー ベ ー

ス 化

エ ア ロ ジ ェ ル 断 熱

材 増 し 保 温 工 法 に

よ る メ ン テ ナ ン ス

保温材の性能比較