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1 ラム波を用いた短時間・高精度な 内部損傷画像構築システム 千葉大学 工学部 機械工学科 教授 千葉大学院 工学研究科 機械系コース 修士 森井 政樹
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ラム波を用いた短時間・高精度な 内部損傷画像構築 …...B2 独自の走査パターン,数尐ない走査データ 走査は検査領域の境界上のみ Laser

Apr 16, 2020

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Page 1: ラム波を用いた短時間・高精度な 内部損傷画像構築 …...B2 独自の走査パターン,数尐ない走査データ 走査は検査領域の境界上のみ Laser

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ラム波を用いた短時間・高精度な内部損傷画像構築システム

千葉大学 工学部 機械工学科

教授 胡 寧

千葉大学院 工学研究科 機械系コース

修士 森井 政樹

Page 2: ラム波を用いた短時間・高精度な 内部損傷画像構築 …...B2 独自の走査パターン,数尐ない走査データ 走査は検査領域の境界上のみ Laser

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研究背景 火力と原子力発電所・プラント・航空機・ 高速車輌・鉄道・橋梁 等の安全性と信頼性の向上のため 定期的に非破壊検査

高速、高感度および信頼性の高い非破壊検査技術

従来の技術:目視検査,放射線透過検査,超音波探傷検査,磁気探傷検査,浸透探傷検査,

渦流探傷検査,ひずみ測定,漏れ試験,赤外線検査法等

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ラム波損傷画像化システム

•薄板中を伝播する波

•減衰が尐なく長距離伝播が可能

(材料と厚さにより,数十センチ~1(あるいは2)メートル

•損傷を通過すると振幅が減衰する

-100µ 0 100µ 200µ 300µ-15

-10

-5

0

5

10

15

Time[s]

Vo

lta

ge[

V]

損傷あり

-100µ 0 100µ 200µ 300µ-15

-10

-5

0

5

10

15

Time[s]

Vo

ltag

e[V

]

損傷なし Actuator

Sensor

Damage

ラム波

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ラム波損傷画像化システム

Laser apparatus Oscilloscope

Test plate

AE Sensor

Damage

Discriminator,

Amplifier PC

ラム波の減衰を利用した損傷画像構築システム

独特の走査パターン

数尐ない走査データ

独自の画像化アルゴリズム

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ラム波損傷画像化システム

B1

A2

B2

独自の走査パターン,数尐ない走査データ

走査は検査領域の境界上のみ Laser irradiation point AE Sensor

2N-2 個 2N-2 個

+ +

+ +

= 6N-4 個

A1

2N 個

Damage

X

Y

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ラム波損傷画像化システム 独自のアルゴリズム(損傷領域検出)

( <1)

22

11

HH

HH

i

i(1.1)

X軸に平行なデータの振幅を

とし,その平均値を とする iH1 1H

同様にY軸平行データについて , を定義する

iH2 2H

(1.2)

)1

( 1

1

1 i

n

i

Hn

H

X

Y

A2

B1 A1

B2

A1 B1

A2

B2

X

Y

0

4

8

12

16

0 6 12 18 24

H1i [V

]

Measurement point number

Damage position

Laser irradiation point

AE Sensor

Damage

Possible damage area

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X

Y

A2

B1 A1

ラム波損傷画像化システム 独自のアルゴリズム(損傷形状同定)

i

i

i

i

ij xLxLD

0 (1.3)

 ii xxx 0 として上式を変形する

j

i

i

i

ij

i

ii fxLxLDxL

00

Δ (1.4)

fxS

ベクトル表記

fSS)(SΔxT1T (1.6)

最小二乗法

(1.5)

B2

自然な減衰: +

損傷による減衰:

0x

ix

自然な減衰: 0

x

Li:格子要素iを通過する距離

:Φ外での単位長さの減衰率

Dj:全減衰幅

ix

0x

:Φ内での単位長さの減衰率

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ラム波損傷画像化システム 実験による検証結果(アルミニウム板)

660

10

00

24

16

8

0

Ixx

[Unit: mm]

Ixx /

8

4

0

Ixx /

Ixx /

12

Ixx /

Ixx /

Ixx /

8

4

0

Ixx /

Ixx /

Ixx /

Ixx /

12

750

75

0

60

60

150

15

0

楕円孔

円孔 [Unit: mm]

X

Y

X

Y

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500

φ600

ラム波損傷画像化システム 実験による検証結果(アルミニウム・シェル構造)

12

10

内部楕円損傷(非貫通)

[Unit:mm]

肉厚 :4mm

損傷深さ:3mm

80

80

X

Y

肉厚 :4mm

損傷深さ:1mm,

2mm

O損傷の有無

O位置とおおよその領域

×正確な損傷画像

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ラム波損傷画像化システム CFRP積層板における内部はく離への応用

102

15

2

40

40 40

40

Front side Back side

高精度の超音波探傷画像

Impact testing machine

[Unit:mm]

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ラム波損傷画像化システム

CFRP積層板におけるラム波の挙動

0

2

4

6

8

10

12

14

16

20 40 60 80 100 120

10°

20°

30°

40°

50°

60°

70°

80°

90°

Distance [mm]

90H

0HVolt

age[

V]

表面繊維の影響

•伝播方向によって減衰の様子が異なる

剛性 大 ⇔ 減衰率 小

熱膨張係数 大 ⇔ 初期振幅 大

90°

レーザ照射位置 センサ 繊維方向

5.0

90°

レーザ照射位置 センサ 繊維方向

5.0

Laser irradiation point

Sensor point

Fiber direction

90°

5.0 [Unit:mm]

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ラム波損傷画像化システム

A1 B1

A2

B2

X

Y

X

Y

A2

B1 A1

B2 0

4

8

12

16

0 6 12 18

Measurement point number

H1i[

V]

90H

40[m

m]

0

2

4

6

8

10

12

14

16

20 40 60 80 100 120

10°

20°

30°

40°

50°

60°

70°

80°

90°

Distance [mm]

90H

0HVolt

age[

V]

独自のアルゴリズム(損傷領域検出)

02 HH i

901 HH i (2.1)

(2.2)

( <1) Possible damage area

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:Φ内での単位長さの減衰率

ラム波損傷画像化システム 独自のアルゴリズム(損傷形状同定)

X

Y θ

Fiber direction

Li:格子要素iを通過する距離

:Φ外での単位長さの減衰率

Dj:全減衰幅

ix

x

0

2

4

6

8

10

12

14

16

20 40 60 80 100 120

10°

20°

30°

40°

50°

60°

70°

80°

90°

Distance [mm]

90H

0HVolt

age[

V]

角度の近似

90 ° θ=90°

80 ° 75 ° < θ <90 °

・・・ ・・・

10 ° 0 ° < θ ≦ 15 °

0 ° θ =0 °

近似 角度の範囲

°

° ° < θ °

・・・ ・・・

° < θ ≦ °

θ °

近似 角度の範囲

fxS

i

i

i

i

ij xLxLD

(2.3)

(2.5)

j

i

i

i

ij

i

ii fxLxLDxL

Δ (2.4)

fSS)(SΔxT1T (2.6)

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ラム波損傷画像化システム 実験による検証結果(CFRP積層板)

xx

90

60

30

0

xx

60

40

20

0

Front side

Back side

Ultrasonic scanning image

40

40

40

40 8

8

11

11

xx

60

40

20

0

Ultrasonic scanning image

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従来技術(超音波検査)とその問題点

N個

N個

Ultrasonic probe

probe irradiation point

Liquid

一般的に実用化されているものに,厚さ方向に沿って伝播する超音波を利用して,損傷画像を構築する超音波探傷法等がある

必要データ数が膨大

全ての格子要素に超音波探触子を走査するためN×Nの格子要素の場合,N2個のデータが必要となり,膨大な検査時間が必要となる

受検体を液体に入れる必要がある

空気中では超音波の減衰が大きいため,減衰を防ぐために受検体を液体に入れなければならない

検査面積が狭い

厚さ方向に伝播する超音波を利用するため,1つのデータから得られる検査面積は狭い

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新技術の特徴・従来技術との比較 伝播距離の長さ

ラム波は一般的に1mくらいの距離を小さい減衰で伝播可能であるので,広範囲の検査が短時間で可能である

受検体を液体に入れる必要が無い

ラム波は材料内部伝播の弾性波なので,受検体を液体に入れる必要はない

データ数の尐なさ

N×Nの走査格子においては,必要データ数は6N-4個となり従来技術のN2個と比べて圧倒的に尐ない

優れた信頼性 実施例に示されたように,ラム波が損傷を通過するとき非常に大きな減衰が生じる.そのため本技術の信頼性も格段と高くなる.

Laser irradiating point Sensor

2段階の損傷検査ステップ 損傷の有無のみを知りたいとき ⇒ 第一ステップのみ

詳しい損傷情報を知りたいとき ⇒ 第一ステップ + 第二ステップ

検査の需要に応じて柔軟に対応可能である.

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想定される用途

本技術の特徴を生かすためには,発電所,化学プラント,航空運輸会社などの業界における大型設備,構造物,機器および材料の非破壊試験に適用することで,検査時間の効率化,メンテナンスコストの削減のメリットが大きいと考えられる

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•利用者・対象

航空機、高速車輌、船舶などの運輸機器の製造業界

発電所,化学プラントなどのパイプラインの安全監視

構造物の安全監視、メンテナンスおよび保守管理に携わる業界

非破壊試験に携わる企業の研究開発部門、研究所や大学など

•市場規模

想定される業界

非破壊検査装置市場調査(矢野経済研究所 ,2005年度):

2,380億円市場,

超音波関連装置: 約50%(約1,000億円市場)

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実用化に向けた課題

• 現在,アルミニウム平板,アルミニウムシェル構造,については高精度な損傷画像構築が可能なところまで開発済みである.しかし,き裂損傷の画像化においては,損傷の有無とおおよその領域ができたものの,正確に画像化できない点が未解決である.

• 接合や溶接部などの複雑な問題での本技術有効性の検証

• さらに, CFRP積層板については内部はく離の損傷画像構築可能で

あるが,広範囲な検査領域やシェル構造についてはまだデータ不足である.

• 今後,CFRP積層板について検査領域を拡大した場合の実験データや, CFRP積層板のシェル構造についても実験データを取得し.画像構築技術の妥当性を検証していく,

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企業への期待

• 前述の未解決の技術的な問題については,企業との共同研究を希望.

• レーザとセンサの走査において,ステップモータなどによる自動制御の技術を持つ企業との共同研究を希望.

• 構造物や材料の保守と非破壊検査システムを開発中の企業,またはそのような分野への展開を考えている企業には,本技術の導入が有効と思われる.

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称:ラム波損傷画像化システム

• 出願番号 : 特願2011-157250号

• 出願人 : 千葉大学

• 発明者 : 胡 寧,森井 政樹

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産学連携の経歴

• 2000年~2001年、2003年~2004年、2011年~現在

(株)総合設計と共同研究実施

• 2004年~現在

保土谷化学工業株式会社 カーボンナノチューブ開発推進部と共同研究実施

• 2012年~

東芝ロジスティクス(株) と共同研究の実施予定

• 2012年~

新日鉄化学(株)と共同研究(検討中)

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お問い合わせ先

千葉大学産学連携・知的財産機構

産学官連携コーディネーター 阿草 一男

TEL 043-290 - 3565

FAX 043-290 - 3519

e-mail [email protected]

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1.株式会社IHI検査計測

2.栄進化学株式会社

3.株式会社KJE

4.株式会社サンコウ電子研究所

5.GEインスペクション・テクノロジーズ・ジャパン株式会社

6.株式会社島津製作所

7.ソニックス株式会社

8.ポニー工業株式会社

9.本多電子株式会社

10.株式会社京浜コーポレーション

11.株式会社シーエックスアール

12.新日本非破壊検査株式会社

13.株式会社ニチゾウテック

14.日本工業検査株式会社

15.非破壊検査株式会社

企業個表