Top Banner
がツ まが 潔解説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 雄1)・2), 敏3) (1)核融合科学研究所,2)総合研究大学院大学,3)九州大学応用力学研究所) Ion Temperature GradientInstabilities SUGAMA HideolL2)and YAGI Masatoshi3) 1ナ〈励∫・nαZZ励傭6カrFμs’・n5・∫6nc6,丁襯509-5292,勿αn 2♪G君α伽観6Un∫vαsめノわ7A4vαnc645『臨4ご6s,To短509-5292,/卯αn 3ナR6s6ακh lns漉厩ε」わrAppl’64ルf60hαn∫6s,絢泥shμUn’vθ君s’ζy,Kαsμ8α816-8580,ノ4pαn (Received6July2000) Abstract TheIonTemperature Gradient(ITG)modeisoneofthe driftwavein on the ITG mode because itisconsidered as acause ofthe anomalous ion h coreregionsoftoroi(1alplasma&Inthisreview article,the physicalmecha thespatialstructureoftheITGmodeareillustrated.Also,recentresul 1ations ofITG turbulence are(1escribed. Keywords: ITG mod,e,gyrokinetic,gyro且ui(1,turbulence,anomalous transport 1.はじめに トーラス磁場によって高温プラズマを閉じ込める場 合,プラズマ電流と磁場によるローレンッカと圧力勾配 が釣り合う磁気流体力学的(MHD)平衡が成り立ち,閉 じ込めが直ちに崩壊しないためには,急速に成長する巨 視的なMHD不安定性が存在しないことが必要である. しかし,そのようなMHD不安定性がたとえ存在しなく ても,粒子間のクーロン衝突や他の微視的過程によっ て,高温プラズマ中の粒子や熱は,磁力線が織りなすトー ラス形状の磁気面を横切り,内から外へとゆっくりと漏 れ出てゆく.これがプラズマ輸送である.クーロン衝突 に基づくプラズマ輸送理論は,古典および新古典輸送理 論[1-4]として知られているが,ほとんどすべての磁場閉 じ込めプラズマ実験で観測される粒子・熱輸送はこれら 衝突輸送理論の予測をはるかに上回り異常輸送と呼ばれ ている[5-7].異常輸送は,プラズマ中の様々な微視的不 安定性が作り出す乱流に起因するものと考えられ,数多 くの理論および実験的研究がなされてきた.本解説記事 で取り扱うイオン温度勾配不安定性(ITGモード)はト カマクやヘリカル系装置等のトーラスプラズマのコア領 域におけるイオン熱異常輸送の原因と考えられ,最も注 目されている微視的不安定性の一つである[8-10]. 以下ではITGモードの物理的発生機構を説明し,線形 解析によって得られる安定限界の温度勾配値や成長率, 周波数,モード構造の特徴について述べた後,非線形ITG モード乱流や異常輸送に関する最近のジャイロ運動論お よび流体シミュレーションの進展や異常輸送係数のス ケーリング則について解説する. αμガho〆s6一〃3α’I」S湯8α〃2α@n躰.αo就P 1007
12

イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

Aug 13, 2020

Download

Documents

dariahiddleston
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

 がツ まが  ド

潔解説

イオン温度勾配不安定性(ITGモード)

      洲 鎌 英 雄1)・2), 矢 木 雅 敏3)

(1)核融合科学研究所,2)総合研究大学院大学,3)九州大学応用力学研究所)

Ion Temperature GradientInstabilities

       SUGAMA HideolL2)and YAGI Masatoshi3)

     1ナ〈励∫・nαZZ励傭6カrFμs’・n5・∫6nc6,丁襯509-5292,勿αn

    2♪G君α伽観6Un∫vαsめノわ7A4vαnc645『臨4ご6s,To短509-5292,/卯αn

3ナR6s6ακh lns漉厩ε」わrAppl’64ルf60hαn∫6s,絢泥shμUn’vθ君s’ζy,Kαsμ8α816-8580,ノ4pαn

           (Received6July2000)

Abstract

TheIonTemperature Gradient(ITG)modeisoneofthe driftwaveinstabilities.Muchworkhasbeendoneon the ITG mode because itisconsidered as acause ofthe anomalous ion heattransportin hightemperature

coreregionsoftoroi(1alplasma&Inthisreview article,the physicalmechanism,linear dispersionrelation,and

thespatialstructureoftheITGmodeareillustrated.Also,recentresultsfromgyrofluidan(1gyrokineticsimu-

1ations ofITG turbulence are(1escribed.

Keywords:

ITG mod,e,gyrokinetic,gyro且ui(1,turbulence,anomalous transport

1.はじめに

 トーラス磁場によって高温プラズマを閉じ込める場

合,プラズマ電流と磁場によるローレンッカと圧力勾配

が釣り合う磁気流体力学的(MHD)平衡が成り立ち,閉

じ込めが直ちに崩壊しないためには,急速に成長する巨

視的なMHD不安定性が存在しないことが必要である.

しかし,そのようなMHD不安定性がたとえ存在しなく

ても,粒子間のクーロン衝突や他の微視的過程によっ

て,高温プラズマ中の粒子や熱は,磁力線が織りなすトー

ラス形状の磁気面を横切り,内から外へとゆっくりと漏

れ出てゆく.これがプラズマ輸送である.クーロン衝突

に基づくプラズマ輸送理論は,古典および新古典輸送理

論[1-4]として知られているが,ほとんどすべての磁場閉

じ込めプラズマ実験で観測される粒子・熱輸送はこれら

衝突輸送理論の予測をはるかに上回り異常輸送と呼ばれ

ている[5-7].異常輸送は,プラズマ中の様々な微視的不

安定性が作り出す乱流に起因するものと考えられ,数多

くの理論および実験的研究がなされてきた.本解説記事

で取り扱うイオン温度勾配不安定性(ITGモード)はト

カマクやヘリカル系装置等のトーラスプラズマのコア領

域におけるイオン熱異常輸送の原因と考えられ,最も注

目されている微視的不安定性の一つである[8-10].

 以下ではITGモードの物理的発生機構を説明し,線形

解析によって得られる安定限界の温度勾配値や成長率,

周波数,モード構造の特徴について述べた後,非線形ITG

モード乱流や異常輸送に関する最近のジャイロ運動論お

よび流体シミュレーションの進展や異常輸送係数のス

ケーリング則について解説する.

αμガho〆s6一〃3α’I」S湯8α〃2α@n躰.αo就P

1007

Page 2: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

プラズマ・核融合学会誌 第76巻第10号  2000年10月

2.線形ITGモード ここでは,プラズマは電子と一成分の一価イオン(例

えば水素イオン)から成るものとする.また簡単のため,

クーロン衝突や磁場の揺動成分の効果を無視する(無衝

突・静電近似).位相空間におけるイオン分布関数は

爪κ,u,オ)=%01㌔+砺のようにマクスウェル平衡分布と揺

動部分に分けられる。ここで,FM…ズ3/2∂云3exp(一∂2/∂桑)

であり,吻……(27i/卿i)1/2は質量〃2i,温度℃に対するイオ

ン熱速度である.さらにイオン揺動分布関数はδ五=_(6φ/71)%oFM+he一晦ρのように静電ポテンシャル

の揺動φに対する断熱応答部分と非断熱応答部分に分け

られる.ここで,ρ≡6×∂/Ω1(6=B/B)はイオンジャ

イロ半径ベクトル,Ω拝6B/(吻i6)はイオンジャイロ周波

数,紅は磁力線垂直方向の波数ベクトルを表す.揺動が

磁力線垂直方向にイオンジャイロ半径程度の短波長

(紅ρ~1)と低周波数(ω《Ωi)を持つ場合,イオン分布

関数は次式のようなジャイロ運動論的方程式[11,12]に

より記述される.

(番+器+iω・)h一(審+i )讐」・(嗣鴫

                  (1)

(1)式は無衝突ボルツマン(あるいはブラゾフ)方程式

をジャイロ運動の位相に関して平均化して得られたもの

であり,右辺に含まれる0次ベッセル関数Jo(紅ρ)により

有限ジャイロ半径効果が考慮されている.左辺において

(1~g)一1∂/∂θは磁力線(α≡ζ一gθ=const)に沿った空間微

分を表し,Rはトーラス大半径,gは磁力線の安全係数,

θ(ζ)はトーラスのポロイダル(トロイダル)角である.

トーラス外側の赤道面上をθ=0とする.

戚・砿(誓+イ)紅・b×▽1nβ(2)

は,非一様磁場中のイオンの▽B一曲率ドリフトに伴う

周波数であり,

吻一噸[(ザ暑]/ (3)

は密度・温度勾配によるイオンのドリフト周波数を表

す.各パラメータは,η1≡dln7i/dln%o,ω.i≡_τ♂ω、e,

τe≡7も/71,ω。e……轟7も/(6.B五n〉,海θニ(ポロイダル波数),

Ln≡一(dln%o/d7)一1により定義される.温度勾配はパラ

メータηiを通して表されるため,ITGモードはηiモード

とも呼ばれる.(1)式の左辺はイオンの軌道に沿った非

断熱分布関数の時間変化を表し,(1)式の右辺は平衡分

布関数の空間勾配と静電ポテンシャル揺動が相まって非

断熱項を産み出す源となることを示す.(1)式は線形ジ

ャイロ運動論的方程式であり,乱流シミュレーションを

行うためには一(6/β)▽φ×か▽んの形のE×B対流非線

形項を付け加えた非線形ジャイロ運動論的方程式[13-

15]を解く必要がある.

 一方,電子はイオンに比べ非常に軽く磁力線方向にす

ばやく動くことができるので,静電ポテンシャルの揺動

φに対して断熱的に応答し電子密度揺動肋eは

δ%e_6φ

κ0 7も(4)

のように与えられると仮定する(断熱電子近似).ここ

で,%oは平衡密度である.ITGモードを記述するために

必要な最後の方程式は準中性条件により与えられる.

δ麟一∫d3∂(一筆・煽+h6蜘・ρ)(5)

ジャイロ運動論的方程式(1)を時問に関してフーリエ変

換し(∂/∂渉→一iω),さらに磁力線に沿って積分し,イオ

ン非断熱分布関数ぬを静電ポテンシャルφによって表し

たものおよび(4)式の電子密度を準中性条件(5)に代入

することによって,静電ポテンシャルφに対する積分方

程式が得られ,ITGモードの複素周波数ω=ωr+i7(ω・:

実周波数,7:成長率)および磁力線方向のφの分布構造

がそれぞれ固有値および固有関数として決定される.局

所近似の場合には,あるポロイダル角近傍のみを考え,

磁力線方向波数海 を仮定し,ジャイロ運動論的方程式

(1)において(Rg)一1∂/∂θ→iゐllなる置き換えを行い,よ

り簡単にITGモードの複素周波数を与える分散関係式が

次式のような形で得られる.

P(醐≡1+丑一∫誰淵弊一・(6)

上式における被積分関数の分母が0の場合,すなわち

ω一ωD一為II∂II=0が粒子と波の共鳴条件を与える.この共

鳴条件の中の▽B一曲率ドリフト周波数ωDを厳密に取

り扱うと,分散関係を複数周波数(ωニω,+i7)平面の下

半面(7く0)に解析接続をする場合,下半面領域に原点

ωニ0から伸びるbranchcutを必要とする[16-191.この

ため線形不安定性初期値問題の解の時間依存性は不連続

スペクトルの固有複素周波数ωを持ちexp(一iωオ)の形で

振動,成長あるいは減衰するノーマルモードとこの

1008

Page 3: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード)

仁▽疏,▽B

ゆδniく0

δPi>・翁

”δu>δ

妙”P¢

◎B』

1:げ響料 

卜○頃

    δn>0

.懸羅菰確   . δPlく0._ ...

ゆ   ロ     ユみロし ロロ れロロ   ロロロロロドロドドロロロロリリ

         キ   δP>o唯念  i         ,      ロロ     δ“>0し、

麟懸騨蔓ヨ    δnく0 ■

,馨1

潜鰻昌

洲鎌,矢木

Fig、1 PhysicaI mechanism ofthe toroidal ITG mode、

branchcut上の複素周波数の連続スペクトルの混合によ

り時間に関してべき乗で減衰するコンティニュームモー

ドの和で表される[18-20].よって,系が安定な場合(す

なわちノーマルモードの成長率がすべて負となる場

合),コンティニュームモードの方が減衰しにくく長時間

後の漸近的振る舞いにおいて支配的となる.

 上述の共鳴条件において磁力線方向伝搬項た1凸と

▽β一曲率ドリフト周波数ωDとが与える相対的な効果の

大小によって,ITGモードの性質は異なり,後に述べる

ようにスラブITGモードおよびトロイダルITGモードと

に分けられる[21].

 長波長の場合を考え,紅ρi《1および1ω/剣》毎、を仮定

して,高次のイオンの有限ラーモア半径効果や波一粒子

共鳴相互作用等の運動論的効果を無視することにより

(6)式はより簡単な次のような流体近似の分散関係に帰

着する.

D(h切≡1一努一磐(1一響)

      +(嚇薯i)(・一讐)一・(7)

ここで, Osニ(7》%)1/2, ρs=6(吻i7も)三/2/(6B), ω,pi=

一ゐθ6(d君/d7)/(θBκo)ニω、i(1+ηi〉(君二%071はイオン圧力)

とおいた.また,ωDi=一2尭θ07icosθ/(6.B1~)は熱速度で評

価した▽B一曲率ドリフト周波数である.

 一様磁場(Bニconst)を持つスラブ(平板)配位のプ

ラズマのように,▽β一曲率ドリフト周波数ωDiが無視で

きる場合において,温度勾配により駆動される変形され

たイオン音波状の不安定性がスラブITGモード[8,21-

24]である.(7)式においてωDi=0と置き,また簡単のた

め密度勾配を無視(ω,e=O)することにより,スラブITG

モードの流体近似における分散関係ωニ(扉6~1ω。,iI)1/3(一1+》冨i)/2が得られる.一方,トロイダ

ル磁場配位において,イオンの▽B一曲率ドリフトとイ

オン温度勾配の相乗効果により駆動される不安定性がト

ロイダルITGモードである.再び(7)式を用い密度勾配

と磁力線方向波数を無視することにより簡単なトロイダ

ルITGモードの分散関係ω2=_ω、piωDi/(1+緒ρ1)が得ら

れる.これからわかるように,トロイダルITGモードが

不安定となるのはω、piωDi>0,言い換えれば

▽君▽B>0の場合であり,この条件はトカマクではトー

ラスの外側部分一π/2<θ<π/2において満たされ,トロ

イダルITGモードはトーラス外側で膨らむいわゆるバ

ルーニング構造[25,26]を持つ.トロイダル磁場配位の場

合でもスラブ型のITGモードが存在しうる.ガスパフに

よる密度ピーキングを説明するためにスラブITGモード

(ion-mixingmode)の励起による強いinwardpinch効果

が検討されている[27].スラブITGモードからトロイダ

ルITGモードヘの遷移に関する理論121]および実験的研

究[24,28]もなされている.通常トロイダルITGモードの

方が成長率が大きくトーラスプラズマの乱流や異常輸送

により深く関係していると考えられ注目されており,以

下,本解説記事においてもトロイダルITGモードを中心

に解説する.

1009

Page 4: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

プラズマ・核融合学会誌 第76巻第10号  2000年10月

 トロイダルITGモード不安定性の発生機構を物理的に

説明しよう(Fig。1参照).(2)式で示されるようにイオ

ンの▽B一曲率ドリフトは粒子速度に依存するため,ド

リフト運動方向に沿ってイオン温度分布に波状の揺動

(図中のδ君>0,<0の部分)が生ずるとドリフト速度の

差により波の山と谷の間にイオンの高(δ%i>0)または低

密度(δ%i<0)領域が生じ,それによる荷電分離を打ち消

すための電場(図中E)が生まれる.▽B一曲率ドリフト

が,平衡圧力勾配▽君によるイオン反磁性回転と同じ向

き(換言すれば▽耳▽B>0)である領域,(トカマクで

はトーラスの外側部分)は「悪い曲率」領域と呼ばれ,

そこでは上述の電場によるE×Bドリフトがつくる平衡

イオン温度の対流が温度揺動振幅を増長させる.これが

トロイダルITGモード不安定性の物理的描像であり,

MHD交換型不安定性やバルーニング不安定性と本質的

に同じ原理である.逆に,▽B一曲率ドリフトが,平衡圧

力勾配▽君によるイオン反磁性回転と逆の向き(▽耳▽B<0)である領域,(トカマクではトーラスの

内側部分)は「良い曲率」領域と呼ばれ,そこではITG

モードは安定化される.

 有限ラーモア半径効果や波一粒子共鳴相互作用等の運

動論的効果を正確に取り入れるためにはやはりジャイロ

運動論的解析が必要となる.また,バルーニング構造を

持つトロイダルITGモードの磁力線方向分布の固有関数

を固有複素周波数と同時に決定するために,(5)式の後

に説明したような積分方程式が解かれる[19,29-33].

Fig.2(a)一(c)は,このようにして得られた典型的なトロイ

ダルITGモードの周波数,成長率のη玉に対する依存性と

静電ポテンシャル固有関数φ(θ)を示す.Fig.2(a)に見ら

れるようにトロイダルITGモードが不安定(7>0)とな

るにはηiがある臨界値η・を超える必要がある.積分方程

式よりも簡単な局所分散関係[(6)式]にNyquist安定判

別法を用いることによりη。>2/3が得られている.さら

に,(6)式におい てたII∂ll/ωD→0・Jl→1/(1+の

(わi≡緒諺、/2≡緒7i/(規ρ、2)および(耀/2+∂ll)→2∂2/3の近

似を用いることにより解析的に次のような表式が導かれ

る[29].

⊥幅

o.4

03

0.2

0。1

0

・o.1

(a)

4

4

     ’    0    40q竃2  !

∂び

6∂

q司

oび’

ρ’

44

0.5

o

驚.5

η1

z 2.5 3

4。1

・心2

ωr 孔3

ω◎e  q(》.4

・(⊃.5

く》.6

噂0.7

も、

(b)

『』も亀亀、 q瑠2

q司   ㌔・

1

O.5 1 1.5

ηi

2 2.5 3

Φ

0.8

O.6

0.4

0。Z

0

・0り2

ηi={・1

44

■■一」

1亀

 覧 も 、 亀、   、

、   馬

 噺 嫡』●  、

(c)

η毒零3写

_3寵 一π 一貫12 0 認2 π 3寵

         e

卜与(1+丑)(・+δ・)(8)

ここで,ε。=L。/Rは密度勾配長とトーラス大半径の比

を表す.Fig.2(a)ではトロイダルITGモードのバルーニ

ング構造による実効的な磁力線方向波数髭II~1/(Rσ)の存

在が安定化に効くため,上式の評価よりη、は大きくなっ

Fig、2 (a)NormaIized grOwth rate7/ω*e and(b)real frequency

  ωr/ω*easafunctionofηiforτe=1,εn=02,κθρη=0.75,

   s=1,θk=0,and(7=1,2、(c)Eigenfunc穏onsφ(θ〉forηi

  =1。1,3and(7=2with other parameters being the same

  asin(a)and(b).Therealandimaginarypartsoftheeigen-  function are shown by the so難d and dotted Iines,respec-

  tively(Fig.4in[1gl).

1010

Page 5: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 洲鎌,矢木

ている.Fig,2(b)よりわかるように,固有周波数は負で

波はイオン反磁性ドリフト方向に回転し,ηiの増加とと

もにその絶対値を増していく.ただし,これはE×B

ドリフト速度で動く座標系から観た場合に対応するもの

であることに注意しなければならない.Fig.2(c)はこれ

までにも幾度も述べたようにトロイダルITGモードが

トーラス外側領域一π/2<θ<π/2に局在する,すなわち

バルーニング構造を持つことを示す.トロイダルITG

モードの成長率は典型的にゐθρT、~(1+ηi)一1/2程度のポロ

イダル波数で最大となり,大きなポロイダル波数では有

限ラーモア半径効果のため安定となる.最大成長率に対

応する波長をITGモードの特徴的な空間スケールえと

し,また特徴的な時間スケールとしてτ~7-1~〉砺/6、を取り,異常イオン熱拡散係数Xiに対

する以下のような形の表式を得る[7].

箱÷珠箒9(襯綱 (9)

上式では,ηi,安全係数g,磁気シアパラメータ

6ニ(7/g)(dg/d7),逆アスペクト比εニ7/R,電子とイオ

ンの温度比τ。ニπ/71等の無次元パラメータに対する依

存性をそれらの無次元関数gとして追加している.

Z)B=(67も/6β)はボーム係数と呼ばれ,因子(ρi/LTi)が掛

かるため,上式のXiはいわゆるジャイロボーム係数の形

を取る.ジャイロボーム係数とボーム係数の差は乱流の

特徴的な波長のオーダとして,それぞれ,ジャイロ半径

を用いるか平衡勾配長を用いるかにより現れる.

 これまで,電子の断熱応答を仮定してきたが,トロイ

ダル配位では磁気ミラーに捕捉された電子が断熱応答を

妨げることにより,新たに捕捉電子不安定性(TEMモー

ド)を生み出したり,ITGモードをより不安定にしたり

する効果を持つ.このような捕捉粒子の効果以外に,よ

り精密な平衡磁場配位を取り入れ,不純物イオン,衝突

や磁場揺動の効果も取り扱えるように拡張されたトカマ

ク微視的不安定性の線形解析コードが開発されている

[31-33].また最近,ヘリカル系配位におけるITGモード

の線形解析も進められている[34-37].

3.ITGモード乱流 前節では,ITGモードの線形不安定性の特徴を説明し

てきたが,実験で観測されるのは乱流状態であり異常輸

送を定量的に説明するためには当然のことながら非線形

性を取り扱わなければならない.しかし一般に非線形方

程式の解を解析的に求めることは非常に困難であり,核

融合プラズマ乱流の理論研究はコンピュータによるシミ

ュレーションに依存することになる.ここ数年米国では

大規模並列計算技術の発展と密接に関連して,ITGモー

ドに代表される微視的不安定性の産み出す乱流・異常輸

送の直接数値シミュレーションがNumerical Tokamak

Projectと称して精力的かつ組織的に行われてきた[38].

 ジャイロ運動論的シミュレーションは前節で示したよ

うな微視的不安定性の支配方程式系(ただしジャイロ運

動論的方程式はE×B非線形項を含んだものを用いる)

の直接シミュレーションを行い,飽和乱流状態における

粒子の分布関数と揺動場を求め異常輸送を計算するもの

である[39-45].Fig.3にITG乱流のジャイロ運動論的シ

ミュレーションの結果の一例を示す([46]も参照せよ).

Fig3(a)では,トロイダルITGモードの線形固有関数の

特徴であるバルーニング構造(トーラス外側に揺動の大

振幅部分が局在する)が現れているが,Fig.3(c)からわか

るように非線形飽和後の定常乱流状態では,エネルギー

磁念N叢欝

(a) t富3500ωcr1

   ク             タ

(b)t=5600ωci・1 (c) t311400ωcゴ1

Fig.3 Potential structure in the poloidal cross section obtained by the gyrokinetic iTG turbulence simulation at(a)t=3,500ω51(1inear

   stage before saturation),(b)5,600ω扇1(after saturation),and(c)11,400ω51(steady state),whereωCi is the ion gyrofrequency、

   The solid Iine and the dashed闘ne represent positive and negative potential values,respectively,The arrow represents the direc-

   tion ofthe poloidal rotation by the ion diamagnetic drift(from Fig.4in[45]).

101i

Page 6: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

プラズマ・核融合学会誌 第76巻第10号  2000年10月

逆カスケード(モード間の非線形結合によりエネルギー

が高波数側から低波数側へ移送される)により線形領域

の場合よりもポロイダルおよび小半径方向に長波長を持

つ構造が見られる.ジャイロ運動論的シミュレーション

では計算時間,記憶容量や数値的ノイズを減らすため,

分布関数の揺動部分を粒子軌道に沿った積分により求め

るδ∫法と呼ばれる計算スキームが用いられることが多

い[47-50].また,ジャイロ運動論的シミュレーションで

は磁気軸からプラズマ表面までを含むトーラス全体を解

くグローバルシミュレーションが行われることが多く,

シミュレーションで用いられるプラズマ半径とイオンの

ジャイロ半径の比も実験値に近づいている.

 ジャイロ運動論的シミュレーションでは,実空問三次

元,速度空間二次元(ジャイロ位相に対する依存性は平

均化により消去されている)の合計五次元の位相空間上

の分布関数を求めるため,大きな計算時間・記憶容量が

要求される.その点で,三次元空間上の関数のみを扱う

流体シミュレーションはやはり魅力的である.熱速度よ

り速い位相速度と長波長を持つ波に対しては(流体近

似),運動論的方程式の速度に関するモーメントを取るこ

とにより,閉じた流体方程式系が導かれる.このような

流体モデルを用いたITG乱流のシミュレーションは運動

論的シミュレーション以前より行われてきた[51,52].

 流体モデルは,速度分布関数の低次のモーメントに対

応する密度,流体速度や温度などの時間発展方程式から

成るが,その場合,方程式を閉じさせるために熱流束な

どの高次のモーメントの項を低次のモーメント項で表現

する必要がある.これがクロージャーの問題である.高

衝突領域では,このようなクロージャーの問題はBragirト

skiiによって解かれたように[1],例えば熱流束は温度勾

配と衝突拡散(あるいは古典拡敵)係数との積により与

えられる.流体方程式に基づくシミュレーションによっ

て実験で観測されるような飽和乱流(もしくは定常乱

流)状態を得るには,このようなクロージャーにより現

れる拡散や粘性等の散逸項の導入が本質的に必要とな

る.しかし問題は,核融合プラズマのように,高温で衝

突周波数が非常に小さい系を記述する閉じた流体方程式

系を得るために,いかなるクロージャーを用いるかであ

る.特に低衝突周波数領域における微視的不安定性の記

述において重要となる,前節で述べたような運動論的効

果,すなわちランダウ減衰のような波一粒子共鳴相互作

用の効果,有限ジャイロ半径効果や捕捉粒子の効果をい

かにして流体モデルに取り入れるかは,実用的に重要で

あるのみならず学術的にも極めて興昧深い理論的間題と

思われる.

 ここ数年来,ITG乱流のシミュレーションに用いられ

てきたジャイロ流体モデル(もしくはジャイロランダウ

流体モデル〉[53-58]では高次モーメント量のクロージ

ャーとして散逸項を導入し,これが不安定性による乱流

エネルギー駆動とバランスして飽和乱流状態をつくり出

す.ただし,散逸項の形やその係数は,流体方程式系か

ら導かれる“線形モードの分散関係”が厳密な運動論的

方程式から導かれる線形分散関係をできる限り正確に再

現するように決定する.例えば,スラブITGモードの運

動論的線形分散関係はジャイロ半径効果を無視した場

合,位相速度を引数とするプラズマ分敵関数を用いて表

すことができるが,上述のランダウ流体モデルでは,ラ

ンダウ減衰に対応する減衰項を導入することにより,プ

ラズマ分散関数を有理関数で近似することになる[53].

クロージャーを行うモーメントの次数を引き上げ,熱流

束より高次モーメントの流体量の発展方程式まで解くべ

き流体方程式系の中に含ませることにより,有理関数の

分母・分子に現れる多項式の次数を増やし分散関数の近

似の精度を上げることができる.ジャイロランダウ流体

クロージャーは,上記のランダウ減衰項以外に,イオン

有限ジャイロ半径効果[55],トロイダル▽β一曲率ドリ

フト効果[56],捕捉電子効果[57]や磁気揺動効果[59]

を取り入れた場合まで拡張されてきている.

 ジャイロ流体シミュレーションでは,トーラス全体を

解く代わりにある磁気面上の一本の磁力線を中心とする

磁束管の領域(フラックスチューブ)内での乱流揺動を

計算する[60].つまり,揺動の特性はその場所での背景

密度・温度・磁場やその空問的勾配等のプラズマパラ

メータにより決定されるという局所乱流の考え方に基づ

き,これら背景パラメータを与えたフラックスチューブ

内での乱流揺動や異常輸送フラックスを計算するのであ

る.ただし,揺動量については周期境界条件を用いてお

り,また異常輸送フラックス等の計算結果がフラックス

チューブの大きさに依存しないように,その太さや長さ

はそれぞれ磁力線垂直方向や平行方向に沿った乱流揺動

の相関長より十分大きく取られている.このようなフラ

ックスチューブにおけるジャイロ流体シミュレーション

はジャイロ運動論的グローバルシミュレーションに比べ

て非常に短時間に結果を得ることができ,多数の計算に

よるパラメータサーベイを行うことにより,背景パラ

メータによる異常輸送係数の表式が得られる.このよう

な非線形ジャイロ流体シミュレーションの結果と線形ジ

ャイロ運動論的解析を組み合わせることによりITG乱流

1012

Page 7: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 洲鎌,矢木

に基づく異常輸送係数モデル(IFS-PPPLモデル)[61]

         Xi論一(xl1)理裟Ti

・g)一讐(・+無)

・m血[・,(3/鱗)殉・(巻薫r)

X曾)一αギー[α2凧(紬一3)IG(鑑≠)

                   (10)

が得られた.このモデルではバルクの重水素によるITG

モードと不純物の炭素によるITGモードの両方が考慮さ

れており,それぞれに対する臨界温度勾配が1~/五窒。,、,

および1~/L駿c,i、により表されている.また,(】o=12

であり,τb≡(71/7も)/(1一σb)(σbはビームによる高エネル

ギー粒子成分による電荷の割合),弓〆(%D+36%c)/(%D+6%c)(%Dはバルク重水素密度,%c

は不純物炭素密度)レ≡2,11~%。/(7ぎ・571α5)(1~lmL

%,11019m-31,7JkeVl)である。ここでは局所乱流の仮

定に基づいており乱流の特徴的波長はジャイロ半径に比

例するため(9)式と同様にジャイロボームスケーリン

グの因子が含まれていることに注意すべきである.それ

に対して,ジャイロ運動論モデルによるグローバルシミ

ュレーションではジャイロ半径よりかなり大きな波長の

構造が現れ,ややボーム的な輸送係数スケーリングが得

られることが多い.(10)式において関数G(R/LT、一R/L(饗,i,)は0(x)…min(塀1/2)H(κ)(H(%)

はHeaviside関数)により定義され,これからわかるよう

にITG乱流輸送係数モデルは温度勾配に敏感で,安定限

界温度勾配値を超えると輸送係数は急激に大きくなり,

温度勾配をその安定限界値近くにとどめようと働く.

IFS,PPPLモデルは輸送コードに用いられ,TFTRのL

モードやスーパーショットにおけるイオン温度分布を良

く再現することができたため非常に注目を集めた(Fig。4

参照).ただし,この輸送コードでは0≦7/α≦0.8の領域

におけるイオン温度分布処が計算され,境界条件

℃(7/α=0。8)には実験値が用いられている.このIFS-

PPPLモデルを用いた輸送シミュレーションが国際熱核

融合実験炉ITERのデザインに対して行われた結果,従

来の経験則[62]に比べてかなり低いエネルギー閉じ込め

時間が予測され核融合着火条件には届かないと予言され

たため大きな議論を巻き起こした[63].

 議論の焦点の一つは,IFS-PPPLモデルの基となったジ

ハ>ox)←

30

20

10

0

Supershot

¥¥1

 ¥

 ¥  ¥

  \1   黛

  L-modeトト¥_。      x●9。。9-喝、...         『腿・●●●

2.5 2.75 3majorradiUS(m)

3.25

Fig.4 Comparison of the IFS-PPPL model for an L-mode and

  a supershot discharge in TFTR(from Fig、7in l611)」on

  temperatures710btained from the model and the experi-

   ments are shown bycurves and errorbars,respectively,

   as a function ofthe mεqor radius lml、The solid curve for

  the supershot is predicted by the modeHf Zし仔rises para-

   bolically from2to5;the dashed curve is predicted if2匙什

   risesfrom2.5to4.

ヤイロ流体シミュレーションとδ∫法によるジャイロ運

動論的シミュレーションの計算において,シミュレーシ

ョン領域等の条件が同じ場合でも,飽和乱流レベルや異

常輸送係数に関して計算結果に差が存在していることに

ある[64,65].Fig.5は,DIII-Dトカマクの小半径

7=O.5αに対応するプラズマパラメータや断熱電子の仮

定を用い,同一の条件下で,ジャイロ流体シミュレーシ

ョン,ジャイロ運動論的シミュレーション,1FS-PPPL

モデルおよびWeilandITGモデル[66]により得られたイ

オン熱拡散係数の温度勾配依存性を示している[65].現

状では一般にジャイロ流体シミュレーションの方が,大

きな異常輸送係数を与えている.ジャイロ流体シミュ

レーションでは,そのクロージャーの決め方から当然の

ことながら,線形成長フェーズにおいては正確な周波

数,成長率やモード構造を与え,ジャイロ運動論的シミ

ュレーションの結果とよく一致するが,非線形フェーズ

における運動論的効果を正しく記述しているかどうかと

いう問題は当初から議論されてきた[67].非線形フェー

ズでは流体方程式系に含まれるE×B対流項等の非線形

項が系の状態の決定に支配的でありクロージャー項の取

り方にはあまり影響されないということがジャイロ流体

シミュレーションでは暗に仮定されている.非線形性を

1013

Page 8: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

12

プラズマ・核融合学会誌 第76巻第10号  2000年10月

 ._10ゾ

q・一♀ 8」⊂

ま願6

4

2

0

   1        /   1 十   ♂       ノ          ノ   1       1σ   1  !    !♂

   1 !  夕ー   ヒ    ノ

  十毎/㌻/   1!   r     /  しLNLGK    ◇

+!:/職t。LNしGK一+!ヤ!婁 搬鶏旨,L議

十1 1ノム ‘ 11  つ7PPP」GFし+

1麟縛羅譲0 5 10 15   20

 RILTi

0.003

α

\山  0

3

暁1、磐脚τ

Fig.5 冗ivs R/砺from the gyrofluid code(PPPL GFL),tbe IFS-

  PPPL mode[,the gyrokinetic codes(LLNL GK,U.Col、

  GK,Sydora GK),and the Weiland ITG model(Weiland

  QL-ITG)forthe D川一D base case(from Fig,3in[65】)。

考慮した新たな運動論的流体クロージャーも提案されて

きており[68,69],簡単な非線形31TGモード系

[40,68,70]への応用がなされている.しかし,大規模な

ITG乱流シミュレーションヘの非線形運動論的流体ク

ロージャーの応用がまだなされておらず,それが,飽和

乱流レベルや異常輸送係数の計算において線形クロージ

ャーの場合の計算結果と違いを与えるかは今のところ定

かでない.

 飽和乱流レベルや異常輸送の大きさに影響を与える一

つの大きな要因は背景(E×B)シアフロー(zonalflow,

と呼ばれることも多い)の存在である.Hモード[71,72]

や負磁気シア放電における内部輸送障壁(ITB)[73-75]

など改善閉じ込めモードに関連して,背景E×Bシアフ

ローがITGモード,その他のドリフト波不安定性や交換

型不安定性等の安定化に寄与し,飽和乱流レベルや異常

輸送係数を低下させることが,実験的にも理論的にも確

かめられている[76-85].またプラズマ乱流自体がRey-

nolds応力により,背景E×Bシアフローを生成すること

もシミュレーションにおいて観測されている[44,86-

91](Fig.6参照).よって,乱流シミュレーションにおい

て得られる異常輸送係数の大きさは,背景E×.Bシアフ

ローの生成あるいは減衰の取り扱い方に大きく左右され

る.

 初期のジャイロ流体シミュレーションに用いられた線

形クロージャーモデルでは,ジャイロ運動論よりも背景

一〇.003

   [

   ’、1         10caI

         、/

 ↑         ヘ  ロ        も        一   ● ‘    じ       騒,   も9    鳳・         ・’    書‘          、’          ■1●globa1      !

0 40 80

r/ρi

120 160

Fig,6  Radial profile ofε×θshear generated in iocal(dotted)

  andglobal(solid)simulationsoflTGturbulence(fromFig。

  3in[441).

シアフローを強く減衰してしまい,その結果として飽和

乱流レベルと異常輸送係数を過大に評価してしまうので

はないかという指摘がなされた[92].Fig.5に見られる

ように,ジャイロ運動論的シミュレーションでは,温度

勾配パラメータ1~/LTが線形不安定性の臨界温度勾配値

1~/LT。li.を少し超えても非線形的に生じる背景シアフ

ローのためすぐに揺動は抑制されてしまい,その結果,

異常熱拡散係数Xiが現れる温度勾配値は1~/LTcll、よりも

上方にずれる.これが,臨界温度勾配近傍におけるジャ

イロ運動論的シミュレーションとジャイロ流体シミュ

レーションの結果の差の大きな要因となっている.その

後,ジャイロ運動論と同じ背景シアフローを得るよう線

形クロージャーモデルが改良され[93],ジャイロ流体シ

ミュレーションに用いられた.これがFig,5の198PPPL

-GFLに対応する.この新しいジャイロ流体モデルによ

り,ジャイロ流体シミュレーションとδ∫法によるジャイ

ロ運動論的シミュレーションから得られるITG乱流の異

常輸送係数の差は半減されたものの,依然として有意の

差がある.しかし,新たにδ∫法のような粒子軌道シミュ

レーションとは異なるスキーム(ジャイロ運動論的方程

式をそのまま偏微分方程式としてオイラー的に解く)を

用いたジャイロ運動論的シミュレーションによって得ら

れたITG乱流輸送係数は,δ∫法より大きく,逆に改良ジ

ャイロ流体シミュレーションと一致するという報告もな

され[94],ジャイロ流体,ジャイロ運動論モデルによる

シミュレーション結果の差についての議論は現状ではま

だ決着していない.

 最近では,ジャイロ流体やジャイロ運動論モデルに基

づくITG乱流シミュレーションで得られた熱異常輸送係

数や密度・ポテンシャルの揺動振幅やスペクトルなどを

1014

Page 9: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 洲鎌,矢木

こともなされるようになってきている[95].例えば,シ

ミュレーションで得られた磁力線垂直方向二次元平面内

での密度の非等方波数スペクトルの分布構造等は実験結

果と定性的に似たものとなっている[95].しかし, 「誰

かITGモードを見たのか?(“Hlas anyone ever seen an

ITG mode?”)」[95]という研究者の声に表されているよ

うに,実験においてITGモードを確認したという決定的

証拠には乏しいのが現状である.揺動振幅や異常輸送係

数のシミュレーション結果は実験結果と同じオーダの値

を予測するものの定量的に高い精度であるとは言い難

く,また比較したデータ件数も多くないためITG乱流シ

ミユレーションがプラズマパラメータ依存性を含め異常

輸送を正確に予測するものであるかどうかを断じるには

今後のこの分野の更なる進展を待たなければならない.

4.終わりに

 前章までに述べてきたように,ITGモードを主たる不

安定性として,核融合プラズマの異常輸送の理論・シミ

ュレーション研究が盛んに行われている.最近のジャイ

ロ運動論的およびジャイロ流体モデルに基づく大規模な

プラズマ乱流シミュレーションは揺動スペクトルや異常

輸送係数の実験観測値との直接比較を試みる段階に入っ

てきており,ここ数年来の進歩には目を見張るものがあ

る.ITGモードは主にイオン異常熱輸送を説明するもの

であり,プラズマコア領域においては実験で観測される

ものと同程度のイオン熱異常輸送係数を予測している.

しかし,2章で述べたように,簡単のため静電近似や断

熱電子応答近似が用いられることが多く,この場合は電

子の異常輸送を考慮できない.

 電子の異常輸送をも説明するために,電子のドリフト

運動論的方程式を基にしてTEMモードのような捕捉電

子による非断熱応答をITGモードとともに考慮すること

も多くなってきている[57].また,磁気揺動をも考慮す

ることにより,電子が乱れた磁力線に沿って異常拡散す

るという描像も用いられる[96].最近では,実験で観測

される大きな電子異常輸送を説明するには,TEMモード

では不十分と見なされ,電子温度勾配不安定性(ETGモー

ド)が再び注目を集めてきている[97,98].ETGモードは

電子ジャイロ半径程度の波長領域で不安定となるため,

電子ジャイロ運動論的方程式を基に解析される.ETG

モードの特徴的空間・時間スケールはITGモードのそれ

よりかなり小さいものであり,シミュレーションにおい

てITG乱流とETG乱流を同時に取り扱うことは現在の

計算機の能力では極めて困難であり,ETGモードでは逆

にイオンに対して断熱応答近似を用いることが多い.

ETG乱流では電子ジャイロ半径程度の波長を持つ不安

定性が乱流を駆動するが,エネルギー逆カスケードによ

り,電子ジャイロ半径よりもかなり長波長の揺らぎをつ

くり,それが大きな電子異常輸送係数をもたらすと考え

られている[97].

 ここで再びジャイロ運動論的およびジャイロ流体モデ

ルに基づくシミュレーションに関して現時点で残されて

いる問題点をまとめてあげておく.

(1)ジャイロ流体シミュレーションで用いられるクロージ

 ャーモデルが非線形領域において妥当であるか保証さ

 れていない.

(2)同一のプラズマパラメータや計算領域等の条件の下で

 も,ジャイロ運動論的シミュレーションとジャイロ流

 体シミュレーションの非線形計算結果に依然として差

 が存在する.

(3)冴法を用いた場合とオイラー的なスキームを用いた

 場合で,ジャイロ運動論的シミュレーションの結果に

 差が存在する.

(4)計算領域として,フラックスチューブを用いる場合や

 グローバルシミュレーションを行う場合に用いられる

 境界条件が人為的であり,実際の実験条件とは異な

 る.

(5)衝突や電磁揺動の効果を入れた場合のジャイロ運動論

 的シミュレーションとジャイロ流体シミュレーション

 の比較がまだなされていない.

(6)ITG乱流とETG乱流を同時にシミュレーションする

 ことは,現在のコンピュータの能力をもってしても困

 難である.

この中で(3)一(6)は数値計算法に関する問題で,計算技術

の進歩とともに改善されていくであろう.また,(1)と(2)

はより優れた運動論的流体モデルの構築を促すものであ

り理論的観点からも興味深い間題である.

 最後に1TGモードによる異常輸送係数に基づき将来の

大型装置におけるプラズマ輸送を予測する場合に注意す

べき点を述べておこう.ITG乱流シミュレーションは主

にコアプラズマのイオン熱輸送係数を予測しようとする

もので大きな異常輸送の存在する周辺領域を取り扱って

いない.3章で触れたIFS-PP:PLモデルを用いた輸送シ

ミュレーションによるITERの燃焼予測の場合において

も,周辺部(作0.8α)での温度や密度に対する条件の与え

方によって,予測結果にかなりの不確定性が現れる.ま

た少なくとも IFS-PPPLモデル単独では経験則[62]を

完全には再現できないことにも注意すべきである.ITER

1015

Page 10: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

プラズマ・核融合学会誌 第76巻第10号  2000年10月

においてはRモードやITBを伴う改善モードでのオペ

レーションを想定しているが,乱流振幅や輸送係数を大

きく左右するフロー(あるいは径電場)の構造の決定に

は,磁場構造,衝突,静電・電磁揺動等の様々な新古典

・乱流効果が関連しており,フロー分布の予測は複雑な

問題である.したがってフラックスチューブを用いた局

所乱流シミュレーションにより得られたIFS-PPP:Lモデ

ル等を1.5D輸送コード(小半径方向の一次元分布の時間

発展を解く)に組み込んで密度温度分布予測をするだけ

では不十分である.なぜならフローの効果は局所的な熱

伝導係数の低減という形でしか1.5D輸送コードには反

映されておらず,フロー自身の大域的な分布を決定する

ための運動量輸送モデルが示されていないからである.

今後の課題として,この問題を「フローの存在する系に

おける粒子,熱,運動量輸送の問題」として再定式化し,

そのフレームワークの中で微視的乱流輸送を考えていく

必要がある[99,100].

謝辞

 本解説記事の執筆にあたって,有益なコメントをいた

だいた核融合科学研究所の伊藤公孝教授,渡邉智彦助

手,横山雅之助手,京都大学エネルギー科学研究科の若

谷誠宏教授,日本原子力研究所の岸本泰明博士に感謝い

たします.また,図の作成や資料収集にご助力いただい

た核融合科学研究所の黒田 徹研究員,テキサス大学の

Wendell Horton教授に感謝いたします.本稿の作成は文

部省科学研究費基盤研究(C)(12680497)の援助により遂

行されました.

         参考文献[1]SJ.Braginskii,Rεv’6wげP伽〃2αPhy5’05,edited by M.

  A.Leontovicヒ(Consultants Bureau,New York,1965)

  Vol.1,p.205.

[2]F.L.Hinton andRD。Hazeltine,Rev.Mod.Phys.42,239

  (1976).

[3]SP.Hirshman and DJ.SigmaL Nucl.Fusion21,1079

  (1981).

[4]R Balescu,Trαη5poπProcε33ε5加P∫α3醜αs(21vols.)

  (North-Hollan(i,Amster(1am,1988).

[5]P.C.Liewer,Nuc1.Fusion25,543(1985).

[6]伊藤公孝,伊藤早苗:核融合研究57,289(198万

[7]J.W。ConnorandH。R.Wilson,PlasmaPhys.ControLFu-

  sion36,719(1994)。

[8]W.Horton,M.WakataniandAJ.Wooton,10nT6仰ε君α一

  雌8G7躍’6鷹Dr∫vεn T泥r伽16n1丁耀nspoπ(American In-

  stitute ofPhysics,New York,1994).

[9]W.Horton,Rev,Mod.P員ys.71,735(1999エ

[10]矢木雅敏:九州大学応用力学研究所研究集会報告10

  ME-S4「乱流現象とその周辺」(1999)p.1.

[11]P.H.RutherfordandE.A.Frieman,Phys.Flui(ls11,569

  (1968).

[12]J.B.Taylor and RJ.Hastie,Plasma Phys.10,479(1968).

[13]EA.Frieman and L Chen,Phy$Fluids25,502(1982).

[14]T,S。Hahm,Phys.Flui(is31,2670(1988L

[15] H.Sugama,Phys,Plasmas7,466(2000).

[16]P.Similon,JE.Sedlak,D.Stotler,H』L.Berk,W.Horton

  and D。Choi,J.Comput.Phys.54,260(1984エ

[17]J.Y.Kim,Y.Kishimoto,W.HortonandT.Tajima,Phys.

  Plasmas1,927(1994).

[18]T.Kuroda,H.Sugama,R.Kanno,M.Okamoto and W.

  Horton,」.Phys.Soc.JPn.67,3787(1998).

[19]H.Sugama,Phy&Plasmas6,3527(1999).

[20]T.Yamagishi,10n距脚6磁配rεG雌4’6ηオDr’v6nTμr加」6漉

  丁7αη5poπ(American Institute of Physics,New York,

  1994)p.428.

[21]J.Y.Kim,W.Horton,D』1.ChoL S.Miglluolo and B.

  Coppi,Phys.Plasmas B4,152(1992エ

[22]LI.Ru(1akov an(1R.Z.Sag(1eev,Sov.Phy餅DokL6,415

  (196玉).

[23]B.CoppL M.NRosenbluthandR.Z.Sagdee紘Phys.Flu-

  ids10,582(1967).

[24]A.K.Sen,J.ChenandM.MaueLPhys.Rev.Lett66,429

  (1991).

[25]R.D.Hazeltine and J.D.Meis$PlαslnαCo頑n8肥n∫

  (Addison-Wesley,Redwood City,Califomia,1992)p.

  298.[26]R.L Dewar and A.H.GlasseL Phys.Fluids26,3038

  (1983).

[27]B。Coppi an(l C.Spight,Phys.Rev.Letむ41,551(1978).

[28]J.Chen and A.K.Sen,Phys.Plasmas2,3063(1995).

[29]F.RomanellL Phys.Fluids B1,1018(1989).

[30]J.Q.Dong,W。Horton and J,Y.Kim,Phys.Fluids B4,

  1867(王992).

[31]G.Rewoldt,W。M.TangandM.S.Chance,Phys.Fluids

  25,480(1982)。

[321GRewold七W.M。TangandRJ,Hastie,Phys。Fluids30,

  807(1987).

[33]M.Kotschenreuther,G Rewoldt and W.M.Tang,

  Comp.Phys.Comm.88,128(1995エ

[34]」.L.V.Lewandowski,Plasma Phys.ControL Fusion40,

  283(1998).

[35]T.Kuroda,H.Sugama,R Kanno and M.Okamoto,J.

  Plasma Fusion Res。SERIES,2,105(1999).

[36ユG.Rewold七L♂P.Ku,WM.Tang and W.A.Cooper,

  Phys,Plasmas6,4705(1999).

[371T.Kuroda,E Sugama,R Kanno and M.Okamoto,J.

  Phys.Soc.JPn.69,2485(2000).

1016

Page 11: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

~~~i 4 ~~ ~?**~~~~1~E~f~t-;~~'i~ (ITG ~~- ~)

[38]

[39]

[40]

[4l]

[42]

[43]

[44]

L45]

[46]

[47]

[48]

[49]

[50]

[5l]

[52]

[53]

[54]

[55]

L56]

[57]

[58]

[59]

L60]

[6l]

L62]

L63]

htt p://www.acl.1anl.gov/GrandChal/Tok/tokamak.

html, http://www.er.doe.gov/production/cyclone/

W.W. Lee, J. Comput. Phys. 72, 243 (1987).

W.W. Lee and W.M. Tang, Phys. Fluids 31, 612 (1988).

S.E. Parker, W.W. Lee, and R.A. Santoro, Phys. Rev.

Lett. 71, 2042 (1993).

R.D. Sydora, Phys. Scr. 52, 474 (1995).

A.M. Dimits, T.J. Williams, J.A. Byers and B.1. Cohen,

Phys. Rev. Lett. 77, 71 (1996).

Z. Lin, T.S. Hahm, W.W. Lee, W.M. Tang, and R.B.

White, Science 281, 1835 (1998).

Y. Kishimoto, T. Tajima, W. Horton. M.J. LeBrun and

J.-Y. Kim, Phys. Plasmas 3, 1289 (1996); Y. Kishimoto et

al., Proc. 16th IAEA Fusion Energy Conference (Montreal,

1996) paper IAEA-CN-64/DP-10, Vol.2, p.581.

~ ~~~:~FL)J~~ti~5ft;F~'ifr~~~~~~~~~,tF='~fr'f~~',L・ f ~ ;~ 7 ~~~~~,t*-*~~ y

~ ;~7~~:p'--i~-~"~'~EE~~~~5tts~= : r~/ ~ ~~ l/-~'/ ~1 :/~;~~) h ~~~

~q)f'~~~~A~~~~)1~LJ, j~;~7 ・ ~~~~~~~~~~~~~~-'-'-~'~u~ 76, No.l

CD (2000).

M. Kotschenreuther, Bull. Am. Phys. Soc. 34, 2107

(1988).

A.M. Dimits and W.W. Lee, J. Comput. Phys. 107, 309

(1993).

S.E. Parker and W.W. Lee, Phys. Fluids B 5, 77 (1993).

H. Naitou, K. Tsuda, W.W. Lee and R.D. Sydora, Phys.

Plasma 2, 4257 (1995).

S. Hamaguchi and W. Horton, Phys. Fluids B 2, 1833

(1990).

M. Yagi, J. Plasma Fusion Res. 71,1123 (1995).

G.W. Hammett and F.W. Perkins, Phys. Rev. Lett. 64,

3019 (1990).

Z. Chang and J.D. Callen, Phys. Fluids B 4, 1167 (1992).

W. Dorland and G.W. Hammett, Phys. Fluids B 5, 812

(1993).

M.A. Beer and G.W. Hammett, Phys. Plasmas 3, 4046

(1996).

M.A. Beer and G.W. Hammett, Phys. Plasmas 3, 4018

(1996).

R.E. Waltz, G.M. Staebler. W. Dorland, G.W. Hammett

et al., Phys. Plasmas 4, 2482 (1997).

P.B. Snyder, G.W. Hammett, W. Dorland, Phys. Plas-

mas 4, 3974 (1997).

M.A. Beer. S.C. Cowley and G.W. Hammett. Phys. Plas-

mas 2, 2687 (1995).

M. Kotschenreuther, W. Dorland, M. Beer and G.W.

Hammett, Phys. Plasmas 2, 2381 (1995).

P. Yushmanov. T. Takizuka, K.S. Riedel, O.J.W.F. Kar-

dan, S.M. Kaye and D.E. Post, Nucl. Fusion 30, 1999

(1990).

W. Dorland, M. Kotschenreuther, G.W. Hammet and

[64]

[65]

[66]

[67]

[68]

[69]

[70]

L7l]

[72]

L73]

[74]

L75]

L76]

[77]

L78]

[79]

[80]

[8l]

[82]

L83]

[84]

[85]

[86]

[87]

L88]

[89]

ITER forecasts. Science 275, 292 (1997).

S.E. Parker et al., Phys. Plasmas 1, 1461 (1994).

A.M. Dimits et al ., Phys. Plasmas 7, 969 (2000).

J. Weiland, A. Jarmen and H. Nordman, Nucl. Fusion

29, 1810 (1989); J. Weiland and A. Hirose, Nucl. Fusion

32, 151 (1992).

N. Mattor, Phys. Fluids B 4, 3952 (1992).

N. Mattor and S.E. Parker, Phys. Rev. Lett. 79, 3419

(1997).

N. Mattor, Phys. Plasmas 5, 1822 (1998).

T.-H. Watanabe, H. Sugama, and T. Sato, Phys. Plas-

mas 7, 984 (2000).

F. Wagner and the ASDEX team, Phys. Rev. Lett. 49,

1408 (1982).

R.R. Groebner, K.H. Burrel and R.P. Seraydarian, Phy.

Rev. Lett. 64, 3015 (1990).

Y. Koide, M. Kikuchi, M. Mori et al ., Phys. Rev. Lett. 72,

3662 (1994).

F.M. Levinton et al ., Phys. Rev. Lett. 75, 4417 (1995).

E.J. Strait et al ., Phys. Rev. Lett. 75, 4421 (1995).

H. Biglari, P.H. Diamond and P.W. Terry, Phys. Fluids

B 2, I (1990).

T.S. Hahm and K.H. Burrell, Phys. Plasmas 2, 1648

(1995).

S. Hamaguchi and W. Horton, Phys. Fluids B 4, 319

(1992).

R.E. Waltz, R.L. Dewar and X. Garbet, Phys. Plasmas

5, 1784 (1998).

J.-Y. Kim, Y. Kishimoto, M. Wakatani and T. Taiima,

Phys. Plasmas 3, 3689 (1996).

Y. Kishimoto, J.-Y. Kim, W. Horton. T. Tajima, M.J. Le-

Brun and H. Shirai, Plasma Phys. Control. Fusion 41,

Suppl. 3A, A663 (1999).

K. Itoh, Plasma Phys. Control. Fusion 38, I (1996).

K. Itoh, J. Plasma Fusion Res. 73, 647 (1997).

K. Ida, Plasma Phys. Control. Fusion 40, 1429 (1998).

M. Wakatani, Plasma Phys. Control. Fusion 40, 597

(1998).

A. Hasegawa and M. Wakatani, Phys. Rev. Lett. 59, 1 581

(1987); H. Sugama, M. Wakatani and A. Hasegawa,

Phys. Fluids 31, 1601 (1988).

B.A. Carreras, V.E. Lynch, and L. Garcia, Phys. Fluids

B 3, 1438 (1991).

P.H. Diamond and Y.B. Kim, Phys. Fluids B 3, 1626

(1991).

H. Sugama and M. Wakatani. Phys. Fluids B 4, IllO

(1991); H. Sugama and W. Horton, Phys. Plasmas 1, 345

(1994); H. Sugama and W. Horton, Phys. Plasmas 1, 2220

(1994); H. Sugama and W. Horton, Plasma Phys. Control.

Fusion 37, 345 (1995).

1017

Page 12: イオン温度勾配不安定性(ITGモード)jasosx.ils.uec.ac.jp/.../jspf2000_10-1007.pdf · 解 説 イオン温度勾配不安定性(ITGモード) 仁 疏, B ゆ δniく0

[90]

[9l]

[92]

[93]

L94]

[95]

~~ ;~7 ' ~~~=~~~l~~,~~~--"~*・.

A. Takayama, M. Wakatani and H. Sugama, Phys. Plas-

mas 3, 3 (1996).

P.W. Terry, Rev. Mod. Phys. 72, 109 (2000).

M.N. Rosenbluth and F.L. Hinton, Phys. Rev. Lett. 80,

724 (1998).

M.A. Beer and G.W. Hammett. Proc. Joint Varenna-

Lausanne Int. Workshop on Theory of Fusion Plasmas,

Varenna, 1998, edited by J.W. Connor, E. Sindoni, and

J. Vaclavik (Societa Italiana di Fisica, Bologna, Italy,

1999) p.1 9.

W. Dorland, International Sherwood Fusion Theory

Meeting, 2D02 (2000).

D.W. Ross et al., Phys. Fluids B 3 2251 (1991); D.W. Ross

et al. , International Sherwood Fusion Theory Meeting,

~i~76~~~10~~

[96]

[97]

L98]

[99]

[100]

2000Lf 10)~

IC31 (2000); D.W. Ross, Transport Task Force Meeting,

Burlington (2000); http://www.psfc,mit.edu/ttf/2000

/invited_talks/rossl. pdf

A.B. Rechester and M.N. Rosenbulth, Phys. Rev. Lett.

40, 38 (1978).

F. Jenko, W. Dorland, M. Kotschenreuther and B.N. Ro-

gens. Phys. Plasmas 7, 1904 (2000).

Y. Idomura, M. Wakatani and S. Tokuda, Phys. Plas-

mas 7, 2255 (2000).

M. Yagi, S.-1. Itoh, K. Itoh and A. Fukuyama, IAEA TCM

on First Principl e -Based Transport Theory (Kloster Seeon,

Germany) 1999; ~~;~j~~f~~~C: f ~ ;~:7 ・ ~~~=5~~~~~~~:~~,~d~・u' 75,

l097(1999).

H. Sugama and W. Horton, Phys. Plasmas 5, 2560 (1998).

1018