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~同一労働同一賃金の実現に向けて~ 大阪労働局 需給調整事業部 労働者派遣法のあらまし
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労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~...

Apr 17, 2020

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Page 1: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

労働者派遣法のあらまし ~同一労働同一賃金の実現に向けて~

大阪労働局 需給調整事業部

改正法に

対応!!

労働者派遣法のあらまし

Page 2: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

【派遣元事業主の皆さまへ】

来る令和2年4月1日より、平成30年に改正さ

れました改正労働者派遣法が施行されることとなっ

ております。この度の法改正における改正点の一つ

としましては、派遣労働者に対する同一労働同一賃

金の実現が、新たに派遣元事業主に求められていま

す。派遣労働者に対する同一労働同一賃金の実現と

は、何を行えばよいのか、戸惑われる派遣元事業主

もいらっしゃることかと思います。

そこで、この冊子では、I にて、平成30年に改正

した労働者派遣法の内容を纏めています。具体的に

は、派遣労働者の待遇を決定する際の二つの方式の

違い、均等・均衡を図るために必要となる情報の収

集・検討及び待遇の決定に関する実務面の手順等、

改正労働者派遣法について参考となる資料を纏めた

ものです。併せて、II では改正法に対応した書類の

記載例を、III では参考資料を纏めています。

皆さまの業務のご参考にお役立ていただければ幸

いです。

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目次

Ⅰ 平成30年労働者派遣法改正の概要

・平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>・・・・・・・・・・

・同一労働同一賃金ガイドラインの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・同一労働同一賃金ガイドライン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・法改正に関する資料等は厚生労働省のHPに掲載しています・・・・・・・・・

Ⅱ 参考様式(令和2年4月1日以降対応版) 記載例

① マージン率等の提供について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

② 待遇に関する事項等の説明(派遣登録者の皆様へ)・・・・・・・・・・・・

③ 待遇に関する事項等の説明(派遣労働者として雇用される皆様へ)・・・・・

③ 派遣可能期間の制限(事業所単位の期間制限)に抵触する日の通知・・・・・

④ 比較対象労働者の待遇等に関する情報提供・・・・・・・・・・・・・・・・

⑤ 労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定・・・・・・・・・

⑥ 労働者派遣契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑦ 就業条件明示書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑧ 派遣先通知・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑨ 労働者派遣法第40条の9第2項に基づく通知書・・・・・・・・・・・・・

⑩ 派遣元管理台帳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑪ 派遣先管理台帳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑫ タイムシート(就業状況報告書)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑬ 派遣可能期間の延長についての意見聴取に係る通知書・・・・・・・・・・・

⑭ 意見書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

⑮ 派遣可能期間の延長に係る事項の周知について・・・・・・・・・・・・・・

⑯ 延長後の派遣可能期間の制限(事業所単位の期間制限)に抵触する日

の通知・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅲ 資料

・派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針・・・・・・・・・・・・・・・・・

・派遣先が講ずべき措置に関する指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が

講ずべき措置に関する指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・労使協定方式に関するQ&A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド・・・・・・・・・・・・・・・・

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I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~

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・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。

① 職務の内容(業務の内容+責任の程度)や職務に必要な能力等の内容を明確化。

② ①と賃金等の待遇との関係を含めた待遇の体系全体を、派遣労働者を含む労使の

話合いによって確認し、派遣労働者を含む労使で共有。

派遣労働者の就業場所は派遣先であり、待遇に関する派遣労働者の納得感を考慮するため、派

遣先の労働者との均等(=差別的な取扱いをしないこと)、均衡(=不合理な待遇差を禁止するこ

と)は重要な観点です。

しかし、この場合、派遣先が変わるごとに賃金水準が変わり、派遣労働者の所得が不安定にな

ることが想定されます。また、一般に賃金水準は大企業であるほど高く、小規模の企業であるほど

低い傾向にありますが、派遣労働者が担う職務の難易度は、同種の業務であっても、大企業ほど高

度で小規模の企業ほど容易とは必ずしも言えないため、結果として、派遣労働者個人の段階的・体

系的なキャリアアップ支援と不整合な事態を招くこともあり得ます。

こうした状況を踏まえ、改正により、派遣労働者の待遇について、派遣元事業主には、以下の

いずれかを確保することが義務化されます。

【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇

【労使協定方式】一定の要件を満たす労使協定による待遇

賃金等の待遇は労使の話し合いによって決定されることが基本ですが、我が国の実情

としては、賃金制度の決まり方には様々な要素が組み合わされている場合が多いと考え

られます。このため、待遇改善に当たっては、以下の点に留意してください。

我が国が目指す「派遣労働者の同一労働同一賃金」は、派

遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働

者)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消すること

等を目指すものです。

Ⅰ 今回の改正の基本的な考え方

我が国が目指す「派遣労働者の同一労働同一賃金」1

留意点

基本的な考え方

・関係者間での認識の共有を徹底してください。

派遣労働者の場合、雇用関係にある派遣元事業主と指揮命令関係にある派遣先とが

存在するという特殊性があります。そのため、これらの関係者が不合理と認められる

待遇の相違の解消等に向けて認識を共有することが必要です。

I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~

- 2-

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過半数代表者の選出<過半数労働組合がない場合>

投票、挙手等の民主的な方法により選出 (派遣元)

派遣労働者の待遇改善までの流れ(および本資料の構成)

比較対象労働者の待遇情報の提供(派遣先)

【法第 条第7項・第 項】

派遣労働者の待遇の検討・決定(派遣元)

【法第 条の3】

労働者派遣契約の締結(派遣元及び派遣先)

【法第 条第1項等】

派遣労働者に対する説明(派遣元)

1)雇入れ時

・ 待遇情報の明示・説明

【法第 条の2第2項】

2)派遣時

・ 待遇情報の明示・説明

【法第 条の2第3項】

・ 就業条件の明示 【法第 条第1項】

派遣労働者に対する比較対象労働者との待遇

の相違等の説明(派遣元)

【法第 条の2第4項】

(求めに応じて下記の対応)

・通知で示された最新の統計を確認

・労使協定の締結(派遣元)

【法第 条の4第1項】

(※)労使協定における賃金の定めを就

業規則等に記載

・労使協定の周知等(派遣元)

1)労働者に対する周知

【法第 条の4第2項】

2)行政への報告 【法第 条第1項】

労働者派遣契約の締結(派遣元及び派遣

先) 【法第 条第1項等】

派遣料金の交渉 派遣先は派遣料金に関して

配慮 【法第 条第 項】

派遣労働者に対する説明(派遣元)

1)雇入れ時

・ 待遇情報の明示・説明

【法第 条の2第2項】

2)派遣時

・ 待遇情報の明示・説明

【法第 条の2第3項】

・ 就業条件の明示 【法第 条第1項】

派遣料金の交渉 派遣先は派遣料金に関して

配慮 【法第 条第 項】

派遣先の労働者に関する情報、派遣労働者の業務の遂行の状況等の情報の追加提供の配慮

(派遣先) 【法第 条第5項】

(求めに応じて下記の対応)

比較対象労働者の待遇情報の提供

(派遣先) 【法第 条第7項・第 項】

(※)法第 条第2項の教育訓練及び第

条第3項の福利厚生施設に限る。

派遣労働者に対する労使協定の内容を決定

するに当たって考慮した事項等の説明

(派遣元) 【法第 条の2第4項】

(注)比較対象労働者の待遇に変更があったときは、変

更部分について派遣先から派遣元に待遇情報を提供。

派遣元は派遣労働者の待遇の検討を行い、必要に応じ

て、上記の流れに沿って対応。

(注)同種の業務に従事する一般労働者の平均賃金に

変更があったときは、派遣元は、協定改定の必要性を

確認し、必要に応じて、上記の流れに沿って対応。

派遣元が講ずる措置 派遣先が講ずる措置

(※)想定される流れの一例であり、全ての事例に該当するものではありません。また、派遣元及び派遣先に係る義務を網羅しているものではありません。

【派遣先均等・均衡方式】の場合 【労使協定方式】の場合

待遇を決定する際の規定の整備

説明義務の強化

Ⅳ 裁判外紛争解決手続 行政 の規定の整備( ~ )

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Ⅱ 待遇を決定する際の規定の整備

不合理な待遇差を解消するため、【派遣先均等・均衡方

式】【労使協定方式】のいずれかの方式により、派遣労働

者の待遇を確保することを義務化します。

派遣均等/均衡

派遣先

<通常の労働者> <派遣労働者>

待遇情報の提供義務

派遣元

① 職務内容(※1) 、②職務内容・配置の変更範囲が同じ場合には差別的取扱いを禁止

★ 職務の内容等を勘案した賃金の決定 <努力義務>

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム)との均衡を考慮し

つつ、その雇用する派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の

実態に関する事項を勘案して賃金(※2)決定するように努めなければなりません。

(※2)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、

別居手当、子女教育手当)を除く。

▶均等・均衡待遇の原則となる考え方と具体例:派遣労働者と派遣先の通常の労働者との間

に待遇の相違が存在する場合に、いかなる待遇の相違が不合理と認められるものであり、い

かなる待遇の相違が不合理と認められるものでないのか等の原則となる考え方及び具体例を

待遇ごとに示した「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等

に関する指針」(いわゆる同一労働同一賃金ガイドライン、 ~ 3参照)に基づく対応

が必要です。

待遇決定方式の概要1

【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇

「均等待遇」の内容

※1 職務内容とは、「業務の内容」+「責任の程度」をいいます。

「均衡待遇」の内容① 職務内容(※1)、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情の相違を考慮して不合理な待遇差を禁止

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派遣元事業主は、派遣労働者の数、派遣先の数、いわゆるマージン率、教育訓練に関

する事項等に加えて、次の事項に関し、関係者(派遣労働者、派遣先等)に情報提供し

なければなりません。

① 労使協定を締結しているか否か

② 労使協定を締結している場合には、 ・労使協定の対象となる派遣労働者の範囲

・労使協定の有効期間の終期

①及び②の事項に関する情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広

く関係者とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することが原則です。

労使協定の締結派遣

<使用者>過半数労働組合

過半数代表者派遣労働者含む

過半数労働組合又は過半数代表者(過半数労働組合がない場合に限ります)と派遣元事業主

との間で一定の事項を定めた労使協定を書面で締結し、労使協定で定めた事項を遵守していると

きは、一部の待遇を除き(※)、この労使協定に基づき待遇が決定されることとなります。

ただし、労使協定が適切な内容で定められていない場合や労使協定で定めた事項を遵守して

いない場合には、【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】が適用されます。

厚生労働省の「人材サービス総合サイト」に掲載することも可能です。

派遣先

派遣元

(※)次の①及び②の待遇については、労使協定方式による場合であっても、労使協定の対象と

はならないため、派遣元事業主は、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を確保する必要

があります。

① 派遣先が、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必要

な能力を付与するために実施する教育訓練(法第 条第2項の教育訓練)

② 派遣先が、派遣先の労働者に対して利用の機会を与える給食施設、休憩室及び更衣室(法第

条第3項の福利厚生施設)

派遣元から関係者への待遇決定方式の情報提供2

情報提供しなければならない事項

【労使協定方式】一定の要件を満たす労使協定による待遇

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待遇決定方式が【派遣先均等・均衡方式】【労使協定方式】のいずれの場合も、派遣

先は、労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、派遣元事業主に対し、派遣労

働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金等の待遇に関する情報を提供しなけ

ればなりません。

派遣元事業主は、派遣先から情報提供がないときは、派遣先との間で労働者派遣契約

を締結してはいけません。

比較対象労働者とは

派遣先が次の①~⑥の優先順位により「比較対象労働者」を選定します。

① 「職務の内容」と「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者

② 「職務の内容」が同じ通常の労働者

③ 「業務の内容」又は「責任の程度」が同じ通常の労働者

④ 「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者

⑤ ①~④に相当するパート・有期雇用労働者(短時間・有期雇用労働法等に基づ

き、派遣先の通常の労働者との間で均衡待遇が確保されていることが必要)

⑥ 派遣労働者と同一の職務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れた

と仮定した場合における当該労働者

提供する「待遇に関する情報」とは

派遣先は、次の①~⑤の情報を提供します。

① 比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲並びに雇用形態

② 比較対象労働者を選定した理由

③ 比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容(昇給、賞与その他の主な待遇がない場

合には、その旨を含む。)

④ 比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質及び当該待遇を行う目的

⑤ 比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項

派遣先から派遣元への 比較対象労働者の待遇情報の提供3

【派遣先均等・均衡方式】の場合

【労使協定方式】の場合

派遣先は、次の①・②の情報を提供します。

① 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必

要な能力を付与するために実施する教育訓練(法第 条第2項の教育訓練)

② 給食施設、休憩室、更衣室(法第 条第3項の福利厚生施設)

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待遇情報の提供方法と保存

・ 情報提供は、書面の交付等(書面の交付、ファクシミリ、電子メール等)により行わ

なければなりません。

・ 派遣元事業主は書面等を、派遣先は当該書面等の写しを、労働者派遣が終了した日か

ら3年を経過する日まで保存しなければなりません。

待遇情報の取扱いに関する留意点

<比較対象労働者の待遇情報が変更された場合>

派遣先は、比較対象労働者の待遇に関する情報に変更があった場合には、遅滞な

く、派遣元事業主に対して、変更の内容に関する情報を提供しなければなりません。

情報提供に関する手続や待遇情報の取扱いは、変更時も同様です。

ただし、次の場合には、変更があった場合でも、情報提供が不要です。

① 派遣されている派遣労働者が労使協定方式の対象者のみである場合

※ 「派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者に対して、業務の遂行に必要な

能力を付与するために実施する教育訓練(法第 条第2項の教育訓練)」と「給食施設、

休憩室、更衣室(法第 条第3項の福利厚生施設)」の情報提供は必要です。

※ なお、後に派遣先均等・均衡方式の対象者が含まれることとなったときは、遅滞なく

情報提供することが必要です。

② 労働者派遣契約が終了する日前1週間以内の変更であって、変更を踏まえて派

遣労働者の待遇を変更しなくても、派遣先均等・均衡方式の規定に違反しない

ものであり、かつ、労働者派遣契約で定めた変更の範囲を超えない場合

派遣先から派遣元事業主に提供された情報の取扱いについては、次の事項に留意する

必要があります。

① 当該情報のうち個人情報に該当するものの保管及び使用

→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限られること。

② 当該情報のうち個人情報に該当しないものの保管及び使用

→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限定する等適

切な対応が必要であること。

③ 当該情報は、法第 条の4の秘密を守る義務の対象となること。

派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業員は、正当な理由がある場合

(本人の同意がある場合、他の法益との均衡上許される場合等)でなければ、そ

の業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないことと

されています。(派遣元事業主等でなくなった後においても同様。)

7- 7-

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過半数代表者は、次の①と②のいずれにも該当する者(①に該当する者がいないとき

は②に該当する者)となります。

適切な手続きを経て選出された過半数代表者と締結された労使協定でなければ、【労

使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】が適用されます。

① 労働基準法第 条第2号に規定する管理監督者でないこと

② 労使協定を締結する者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等

の民主的な方法による手続により選出された者であって、派遣元事業主の意向に

基づき選出されたものでないこと

派遣元事業主は、「過半数代表者であること」、「過半数代表者になろうとしたこ

と」及び「過半数代表者として正当な行為をしたこと」を理由として、過半数代表者等

に対して不利益な取扱いをしてはいけません。

また、派遣元事業主は、過半数代表者が協定に関する事務を円滑に遂行できるよう必

要な配慮を行わなければなりません。

派遣元事業主は、労使協定に係る書面を、その有効期間が終了した日から3年を経過

する日まで保存しなければなりません。

過半数代表者の選出等

労使協定に関する書面の保存

派遣元事業主は、労使協定を締結したときは、次の①~③のいずれかの方法により、

その内容を雇用する労働者に周知しなければなりません。

① 書面の交付等(書面の交付、労働者が希望した場合のファクシミリ・電子メー

ル等(※1))

(※1 「電子メール等」は出力することにより書面を作成することができるものに限られます。

② 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記

録し、かつ、労働者が当該記録の内容を常時確認できるようにすること(※2)

(※2)例えば、派遣労働者にログイン・パスワードを発行し、イントラネット等で常時確認

できる方法が考えられます。

③ 常時派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること

(協定の概要について、書面の交付等によりあわせて周知する場合に限る。)

労使協定の内容の周知

【労使協定方式】の場合の必要事項4

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① 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲

② 賃金の決定方法(次のア及びイに該当するものに限る。)

ア 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金

の額と同等以上の賃金額となるもの

イ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に

賃金が改善されるもの

※ イについては、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金 例え

ば、通勤手当、家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当 を除く。

③ 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を

決定すること

④ 「労使協定の対象とならない待遇(法第 条第2項の教育訓練及び法第 条第

3項の福利厚生施設)及び賃金」を除く待遇の決定方法(派遣元事業主に雇用され

る通常の労働者 派遣労働者を除く。 との間で不合理な相違がないものに限る。)

⑤ 派遣労働者に対して段階的・計画的な教育訓練を実施すること

⑥ その他の事項

・ 有効期間(2年以内が望ましい)

・ 労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合は、

その理由

・ 特段の事情がない限り、一の労働契約の期間中に派遣先の変更を理由として、

協定の対象となる派遣労働者であるか否かを変えようとしないこと

上記②~⑤として労使協定に定めた事項を遵守していない場合は、

【労使協定方式】は適用されず、【派遣先均等・均衡方式】となります。

労使協定に定める事項

派遣先の事業所その他派遣就業の場所の所在地を含む地域において派遣労働

者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者であって、当該派遣

労働者と同程度の能力及び経験を有する者の平均的な賃金の額

【職種ごとの賃金、能力・経験、地域別の賃金差をもとに決定】

(※)職種ごとの賃金等については、毎年6~7月に通知で示す予定です。

客観的な基準により範囲を定めることが必要です。

「賃金水準が高い企業に派遣する労働者」とすることは適当ではありません。

労使協定の締結にあたっては、下の①~⑥のすべての事項を定める必要があります。

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協定対象派遣労働者に対する安全管理

安全管理に関する措置及び給付のうち、協定対象派遣労働者の職務の内容に密接に関

連するものについては、派遣先に雇用される通常の労働者との間で不合理と認められる

相違等が生じないようにすることが望ましいこととされています。

労使協定を締結した派遣元事業主は、毎年度、6月 日までに提出する事業報告書に

労使協定を添付しなければなりません。また、労使協定方式の対象となる派遣労働者の

職種ごとの人数、職種ごとの賃金額の平均額を報告しなければなりません。

行政機関への報告

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派遣元事業主が労働者派遣をするときに、派遣先に通知する事項に、次の内容が追加

されます。

雇用する派遣労働者ごとに派遣元管理台帳に記載すべき事項に、次の内容が追加され

ます。

・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別

・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別

・ 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度

派遣元事業主と派遣先の間で締結する労働者派遣契約に記載する事項に、次の内容が

追加されます。

① 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度

② 労使協定方式の対象となる派遣労働者に限るか否か

派遣先への通知内容

労働者派遣契約の記載事項

派遣元管理台帳の記載事項

◎ 派遣元事業主が講ずべき措置

派遣元事業主は、派遣労働者に係る事項について、就業規則を作成又は変更しようと

するときは、あらかじめ、事業所において雇用する派遣労働者の過半数を代表すると認

められるものの意見を聴くように努めなければなりません。

就業規則の作成手続

◎ 派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置

(※)これに伴い、派遣元事業主による就業条件等の明示事項についても、上記①の事項

が追加されます。

改正によるその他の留意点5

- 11 -

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◎ 派遣先が講ずべき措置

受け入れる派遣労働者ごとに派遣先管理台帳に記載すべき事項に、次の内容が追加さ

れます。

・ 協定対象派遣労働者であるか否かの別

・ 派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度

派遣先管理台帳の記載事項

派遣料金の交渉における配慮

派遣先は、派遣料金について、「派遣先均等・均衡方式」又は「労使協定方式」によ

る待遇改善が行われるよう配慮しなければなりません。

この配慮は、労働者派遣契約の締結又は更新の時だけではなく、締結又は更新がされ

た後にも求められるものです。

派遣先は、派遣先の労働者に対して業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓

練を実施する場合に、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主が実施可能

な場合等を除き、派遣労働者に対してもこれを実施する等必要な措置を講じなければな

りません。

教育訓練

派遣先は、派遣先の労働者が利用する以下の福利厚生施設については、派遣労働者に

対しても利用の機会を与えなければなりません。

・ 給食施設 ・ 休憩室 ・ 更衣室

福利厚生

派遣先は、派遣先が設置・運営し、派遣先の労働者が通常利用している物品販売所、

病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養

施設等の施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるよう配慮しなければなりません。

派遣先は、段階的・体系的な教育訓練、派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式によ

る待遇決定及び派遣労働者に対する待遇に関する事項等の説明が適切に講じられるよう

にするため、派遣元事業主の求めがあったときは、派遣先に雇用される労働者に関する

情報、派遣労働者の業務の遂行の状況その他の情報であって必要なものを提供する等必

要な協力をするよう配慮しなければなりません。

情報提供

- 12 -

Page 16: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

労働条件に関する事項の明示

派遣元事業主は、派遣労働者の雇入れ時、あらかじめ、労働条件に関する次の事項を

明示しなければなりません。

※ あわせて、労働基準法第 条に基づく労働条件の明示も必要です。

① 昇給の有無

② 退職手当の有無

③ 賞与の有無

④ 労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か

(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期)

⑤ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明

派遣元事業主は、派遣労働者の雇入れ時、あらかじめ、次の事項を説明しなければな

りません。

・ 派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか、

・ 労使協定方式によりどのような措置を講ずるか、

・ 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項

を勘案してどのように賃金(※)決定するか

(※)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。

上記事項の説明は、書面の活用その他の適切な方法により行わなければなりません。

派遣元事業主は、雇入れ時に明示しなければならない上記の事項を事実と異なるもの

としてはいけません。また、明示は次のいずれかの方法で行わなければなりません。

・ 文書(書面)の交付

・ 派遣労働者がファクシミリ又は電子メール等の送信を希望した場合の当該方法

派遣労働者が不合理な待遇差を感じることのないよう、

雇入れ時、派遣時、派遣労働者から求めがあった場合の

派遣労働者への待遇に関する説明義務を強化します。

Ⅲ 派遣労働者に対する説明義務の強化

雇入れ時の説明1

- 13 -

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労働条件に関する事項の明示

派遣元事業主は、派遣労働者の派遣時、あらかじめ、労働条件に関する次の事項を

明示しなければなりません。

※ あわせて、法第 条第1項に基づく就業条件の明示も必要です。

① 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く。)の決定等に関する事項

② 休暇に関する事項

③ 昇給の有無

④ 退職手当の有無

⑤ 賞与の有無

⑥ 労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か

(対象である場合には、労使協定の有効期間の終期)

派遣時の明示は、次のいずれかの方法により行わなければなりません。

・ 文書(書面)の交付

・ 派遣労働者がファクシミリ又は電子メール等の送信を希望した場合の当該方法

ただし、労働者派遣の実施について緊急の必要があるためあらかじめ上記の方法

による明示ができないときは、当該方法以外の方法によることができます。

この場合において、

・ 派遣労働者から請求があったとき 又は

・ 労働者派遣の期間が1週間を超えるとき

は、労働者派遣の開始後遅滞なく、上記の方法により明示しなければなりません。

不合理な待遇差を解消するために講ずる措置の説明

派遣元事業主は、派遣時に、あらかじめ、次の事項を説明しなければなりません。

・ 派遣先均等・均衡方式によりどのような措置を講ずるか、

・ 労使協定方式によりどのような措置を講ずるか(業務の遂行に必要な能力を付与す

るために実施する教育訓練(法第 条第2項の教育訓練)と給食施設、休憩室及び

更衣室(法第 条第3項の福利厚生施設)に係るものに限る。)、

・ 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を

勘案してどのように賃金(※)決定するか

(※)職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金(例えば、通勤手当、家族手当、

住宅手当、別居手当、子女教育手当)を除く。

上記事項の説明は、書面の活用その他の適切な方法により行わなければなりません。

派遣時の説明2

※ 【労使協定方式】の場合は、上記⑥のみ明示することが必要です。

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<待遇の相違の内容>

次の①及び②の事項を説明しなければなりません。

① 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮

した事項の相違の有無

② 「派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の個別具体的な内容」又は「派遣労

働者及び比較対象労働者の待遇の実施基準」

<待遇の相違の理由>

派遣労働者及び比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の

範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認

められるものに基づき、待遇の相違の理由を説明しなければなりません。

派遣元事業主は、法第 条第7項及び第 項並びに第 条第5項の規定により提

供を受けた比較対象労働者の待遇等に関する情報に基づき、派遣労働者と比較対象労働

者との間の待遇の相違の内容及び理由等について説明しなければなりません。

また、派遣元事業主は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として、解雇その他不

利益な取扱いをしてはいけません。

説明する必要がある事項

協定対象派遣労働者の賃金が、次の内容に基づき決定されていることについて

説明しなければなりません。

・ 派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃

金の額と同等以上であるものとして労使協定に定めたもの

・ 労使協定に定めた公正な評価

協定対象派遣労働者の待遇(賃金、法第 条第2項の教育訓練及び法第 条第

3項の福利厚生施設を除く。)が派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労

働者を除く。)との間で不合理な相違がなく決定されていること等について、派遣

先均等・均衡方式の場合の説明の内容に準じて説明しなければなりません。

派遣労働者から求めがあった場合の説明3

【派遣先均等・均衡方式】の場合

【労使協定方式】の場合

- 15 -

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派遣元事業主は、派遣先から提供された比較対象労働者の待遇情報をもとに、待遇差

の内容・理由について説明を行うことが基本となりますが、派遣労働者の理解を促進す

るためには、追加的な情報が必要となることもあります。

また、派遣元事業主が、派遣労働者の求めに応じて、比較対象労働者との間の待遇の

相違の内容及び理由を説明する際、比較対象労働者が次の①又は②であるときは、それ

ぞれ次の事項も説明することが求められます。

比較対象労働者 説明が必要な事項

①パート・有期雇用労働者 比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇と

の間で均衡待遇が確保されている根拠

②新たに通常の労働者を雇い入

れたと仮定した場合における当

該通常の労働者

比較対象労働者と派遣先の通常の労働者の待遇と

の間で適切な待遇が確保されている根拠

このため、派遣先は、派遣元事業主が上記の事項を派遣労働者に対して説明すること

ができるよう、法第 条第5項に基づき、派遣元事業主からの求めに応じ、上記の根拠

について情報提供することが求められます。

派遣労働者がその内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭により説明

することが基本となります。

ただし、説明すべき事項を漏れなく全て記載した派遣労働者が容易に理解できる内容

の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法も認められます。

説明する際の留意点

派遣労働者から求めがない場合における対応

派遣労働者から求めがない場合でも、以下の事項等に変更があったときには、派遣元

事業主は派遣労働者に対し、その内容を情報提供することが望ましいとされています。

・ 比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由

・ 派遣先均等・均衡方式又は労使協定方式により派遣労働者の待遇を決定するに当

たって考慮した事項

・ 均衡待遇の対象となる派遣労働者の賃金を決定するにあたって考慮した派遣労働

者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する

事項

説明義務と派遣先による情報提供との関係

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労働者派遣法に基づく紛争解決の援助の対象となる紛争

簡単な手続きで迅速に

行政機関に解決して

もらいたい場合

都道府県労働局長 調停会議

都道府県労働局長による

助言・指導・勧告

調停会議による

調停・調停案の作成・受諾勧告

事業主と労働者による、苦情の自主的解決

<当事者の希望等に応じて>

未解決

派遣労働者にとって訴訟を提起することは大変重い負担を伴うものです。今回の改正

では、派遣労働者がより救済を求めやすくなるよう、都道府県労働局長による紛争解決

援助や調停といった裁判外紛争解決手続(行政 )を整備します。

派遣労働者に関するトラブルの早期解決を図るため、事業主と労働者との間の紛争を裁判をせずに解決する手続き「行政による裁判外紛争解決手続 行政 」を整備します。

Ⅳ 裁判外紛争解決手続 行政 の規定の整備

公平、中立性の高い

第三者機関に援助して

もらいたい場合

~裁判外紛争解決手続(行政 )の流れ~

- 17 -

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行政による援助(助言・指導・勧告)

都道府県労働局長は、上記の事項についての「派遣労働者と派遣元事業主との間の

紛争」又は「派遣労働者と派遣先との間の紛争」に関し、現に紛争の状態にある当事者

の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、紛争の当事者に対し、

必要な助言、指導又は勧告(※)をすることができることとなります。

(※)都道府県労働局長による助言、指導及び勧告は、具体的な解決策を提示し、これ

を自発的に受け入れることを促すものであり、紛争の当事者にこれに従うことを強

制するものではありません。

派遣元事業主及び派遣先は、派遣労働者が都道府県労働局長に紛争の解決の援助を

求めたことを理由として、派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけません。

自主的解決が求められる事項

次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたとき、又は派遣労働者が派遣

先に対して申し出た苦情の内容が派遣先から通知されたときは、苦情の自主的解決を

図るよう努めなければなりません。

・ 法第 条の3(派遣先均等・均衡方式)

・ 法第 条の4(労使協定方式)

・ 法第 条の2第2項(雇入れ時の説明)

・ 法第 条の2第3項(派遣時の説明)

・ 法第 条の2第4項(派遣労働者から求めがあった場合の説明)

・ 法第 条の2第5項(不利益な取扱いの禁止)

<派遣先>

紛争の解決のための援助等1

<派遣元事業主>

次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情の自主的解決

を図るよう努めなければなりません。

・ 法第 条第2項(業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練の実施)

・ 法第 条第3項(給食施設、休憩室及び更衣室の利用の機会の付与)

自主的解決が困難な場合

- 18 -

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上記の事項についての「派遣労働者と派遣元事業主との間の紛争」又は「派遣労働者

と派遣先との間の紛争」については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の適

用を除外し、専門性と対応できる機能を併せ持った調停の仕組みの対象となります。

都道府県労働局長が、紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合にお

いて、紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進

に関する法律に規定する紛争調整委員会において調停が行われることとなります。

派遣元事業主及び派遣先は、派遣労働者が都道府県労働局長に調停の申請をしたこと

を理由として、派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけません。

調停2

自主的解決が求められる事項

次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたとき、又は派遣労働者が派遣

先に対して申し出た苦情の内容が派遣先から通知されたときは、苦情の自主的解決を

図るよう努めなければなりません。

・ 法第 条の3(派遣先均等・均衡方式)

・ 法第 条の4(労使協定方式)

・ 法第 条の2第2項(雇入れ時の説明)

・ 法第 条の2第3項(派遣時の説明)

・ 法第 条の2第4項(派遣労働者から求めがあった場合の説明)

・ 法第 条の2第5項(不利益な取扱いの禁止)

<派遣先>

<派遣元事業主>

次の事項に関し、派遣労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情の自主的解決

を図るよう努めなければなりません。

・ 法第 条第2項(業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練の実施)

・ 法第 条第3項(給食施設、休憩室及び更衣室の利用の機会の付与)

自主的解決が困難な場合

紛争調整委員会による調停

- 19 -

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短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

○ このガイドラインは、通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者)と短時間労

働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかな

る待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原

則となる考え方と具体例を示したもの。

○ 基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、教育

訓練や福利厚生等についても記載。

同一労働同一賃金ガイドラインの概要(1)

具体例(問題とならない例)

原則となる考え方

裁判で争い得る法律整備

具体例(問題となる

例)

• 通常の労働者の待遇を不利益に変更する場合は、原則として労使の合意が必要であり、就業

規則の変更により合意なく不利益に変更する場合であっても、その変更は合理的なものであ

る必要がある。ただし、通常の労働者と短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間

の不合理な待遇差を解消するに当たり、基本的に、労使の合意なく通常の労働者の待遇を引

き下げることは望ましい対応とはいえない。

• 雇用管理区分が複数ある場合(例:総合職、地域限定正社員など)であっても、すべての雇

用管理区分に属する通常の労働者との間で不合理な待遇差の解消が求められる。

• 通常の労働者と短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間で職務の内容等を分離し

た場合であっても、通常の労働者との間の不合理な待遇差の解消が求められる。

不合理な待遇差の解消に当たり、次の点に留意。

ガイドラインの構造

○ このガイドラインに記

載がない退職手当、住宅

手当、家族手当等の待遇

や、具体例に該当しない

場合についても、不合理

な待遇差の解消等が求め

られる。このため、各社

の労使により、個別具体

の事情に応じて待遇の体

系について議論していく

ことが望まれる。

- 20 -

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<派遣先の通常の労働者と派遣労働者との間で賃金の決定基準・ルールの相違がある場合>

• 派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間で賃金に相違がある場合において、その要因と

して賃金の決定基準・ルールの相違があるときは、「派遣労働者に対する派遣元事業主の将来の役割

期待は、派遣先に雇用される通常の労働者に対する派遣先の将来の役割期待と異なるため、賃金の決

定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明ではなく、賃金の決定基準・ルールの相違は、

職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして、不合理な

ものであってはならない。

• 基本給が、労働者の能力又は経験に応じて支払うもの、業績又は成果に応じて支払う

もの、勤続年数(派遣就業期間)に応じて支払うものなど、それぞれの趣旨・性格に

照らして、派遣先の通常の労働者と実態が同一であれば同一の、違いがあれば違いに

応じた支給を行わなければならない。

• 昇給であって、労働者の勤続(派遣就業の継続)による能力の向上に応じて行うもの

については、派遣先の通常の労働者と勤続による能力の向上が同一であれば同一の、

違いがあれば違いに応じた昇給を行わなければならない。

• 役職手当であって、役職の内容に対して支給するものについては、派遣先の通常の労

働者と役職の内容が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなけ

ればならない。

• そのほか、派遣先の通常の労働者との間で、業務の危険度又は作業環境が同一の場合

の特殊作業手当、交替制勤務等の勤務形態が同一の場合の特殊勤務手当、業務の内容

が同一の場合の精皆勤手当、派遣先の通常の労働者の所定労働時間を超えて同一の時

間外労働を行った場合に支給される時間外労働手当の割増率、同一の深夜・休日労働

を行った場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、労働

時間の途中に食事のための休憩時間がある際の食事手当、同一の支給要件を満たす場

合の単身赴任手当、特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当等

については、同一の支給を行わなければならない。

• ボーナス(賞与)であって、会社(派遣先)の業績等への労働者の貢献に応じて支給

するものについては、派遣先の通常の労働者と会社の業績等への貢献が同一であれば

同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければならない。

短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

同一労働同一賃金ガイドラインの概要(2)

基本給

賞与

各種手当

【派遣先均等・均衡方式】の場合

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• 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設(※)については、派遣先の通常の労働

者と働く事業所が同一であれば、同一の利用を認めなければならない。

• 派遣先の通常の労働者との間で、転勤の有無等の支給要件が同一の場合の転勤者用社

宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を

行わなければならない。

• 病気休職については、期間の定めのない労働者派遣に係る派遣労働者には、派遣先の

通常の労働者と同一の、期間の定めのある労働者派遣に係る派遣労働者にも、派遣就

業が終了するまでの期間を踏まえて取得を認めなければならない。

• 法定外の有給休暇その他の休暇であって、勤続期間(派遣就業期間)に応じて取得を

認めているものについては、派遣先の通常の労働者と同一の勤続期間(派遣就業期

間)であれば同一の付与を行わなければならない。なお、期間の定めのある労働者派

遣契約を更新している場合には、当初の派遣就業の開始日から通算して就業期間を評

価することを要する。

• 教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能・知識を習得するために実施する

もの(※)については、派遣先の通常の労働者と同一の業務内容であれば同一の、違

いがあれば違いに応じた実施を行わなければならない。

• 安全管理に関する措置・給付については、派遣先の通常の労働者と同一の勤務環境に

置かれている場合には同一の措置・給付を行わなければならない。

(※)派遣先に対しても、上記の福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)及び現在の業

務の遂行に必要な技能・知識を付与するための教育訓練について、利用機会の付与及

び実施の義務が課されている。

短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

同一労働同一賃金ガイドラインの概要(3)

【派遣先均等・均衡方式】の場合

福利厚生

教育訓練

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短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

同一労働同一賃金ガイドラインの概要(4)

【労使協定方式】の場合

• 食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設(※)については、派遣先の通常の労働

者と働く事業所が同一であれば同一の利用を認めなければならない。

• 派遣元の通常の労働者との間で、転勤の有無等の支給要件が同一の場合の転勤者用社

宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障については、同一の利用・付与を

行わなければならない。

• 病気休職については、有期雇用でない派遣労働者には派遣元の通常の労働者と同一の、

有期雇用である派遣労働者にも、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて取得を認

めなければならない。

• 法定外の有給休暇その他の休暇であって、勤続期間に応じて取得を認めているものに

ついては、派遣元の通常の労働者と同一の勤続期間であれば同一の付与を行わなけれ

ばならない。なお、期間の定めのある労働契約を更新している場合には、当初の労働

契約の開始時から通算して勤続期間を評価することを要する。

• 教育訓練であって、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するもの

(※)については、派遣先の通常の労働者と同一の業務内容であれば同一の、違いが

あれば違いに応じた実施を行わなければならない。

• 安全管理に関する措置・給付については、派遣元の通常の労働者と同一の勤務環境に

置かれている場合には同一の措置・給付を行わなければならない。

(※)上記の福利厚生施設(食堂、休憩室、更衣室)及び現在の業務の遂行に必要な技

能・知識を付与するための教育訓練は、労使協定方式であっても、労使協定の対象と

はならないため、派遣元事業主は、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を確保する

必要がある。

また、これらの待遇については、派遣先に対しても、利用機会の付与及び実施の義

務が課されている。

<協定対象派遣労働者の賃金の決定方法等>

• 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金の額となる

ものでなければならない。

• 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項の向

上があった場合に賃金が改善されるものでなければならない。

• 協定対象派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の

実態に関する事項を公正に評価し、賃金を決定しなければならない。

賃金

福利厚生

教育訓練

同一労働同一賃金ガイドライン

○厚生労働省告示第430 号

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭

和60 年法律第88 号)第47 条の11 及び短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用

管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)第15 条第1項の規定に基づ

き、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関

する指針を次のように定め、平成32 年4月1日から適用する。ただし、働き方改

革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30 年法律第71号)附則第

3条第1項に規定する中小事業主については、短時間・有期雇用労働者に係る規

定は、平成33 年4月1日から適用する。

平成30 年12 月28 日

厚生労働大臣 根本 匠

‐第1~第3省略‐

第4 派遣労働者

労働者派遣法第30 条の3第1項において、派遣元事業主は、派遣労働者の待遇

のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣先に雇用される通常の労働者の待

遇との間において、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の

事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められ

るものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないこととされてい

る。

また、同条第2項において、派遣元事業主は、職務の内容が派遣先に雇用され

る通常の労働者と同一の派遣労働者であって、当該労働者派遣契約及び当該派遣

先における慣行その他の事情からみて、当該派遣先における派遣就業が終了する

までの全期間において、その職務の内容及び配置が当該派遣先との雇用関係が終

了するまでの全期間における当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範

囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、正当な理由がな

く、待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する当該通常の労働者の待遇に比

して不利なものとしてはならないこととされている。

他方、労働者派遣法第30 条の4第1項において、労働者の過半数で組織する労働

組合等との協定により、同項各号に規定する事項を定めたときは、当該協定で定

- 23 -

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同一労働同一賃金ガイドライン

○厚生労働省告示第430 号

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭

和60 年法律第88 号)第47 条の11 及び短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用

管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)第15 条第1項の規定に基づ

き、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関

する指針を次のように定め、平成32 年4月1日から適用する。ただし、働き方改

革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30 年法律第71号)附則第

3条第1項に規定する中小事業主については、短時間・有期雇用労働者に係る規

定は、平成33 年4月1日から適用する。

平成30 年12 月28 日

厚生労働大臣 根本 匠

‐第1~第3省略‐

第4 派遣労働者

労働者派遣法第30 条の3第1項において、派遣元事業主は、派遣労働者の待遇

のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣先に雇用される通常の労働者の待

遇との間において、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の

事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められ

るものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないこととされてい

る。

また、同条第2項において、派遣元事業主は、職務の内容が派遣先に雇用され

る通常の労働者と同一の派遣労働者であって、当該労働者派遣契約及び当該派遣

先における慣行その他の事情からみて、当該派遣先における派遣就業が終了する

までの全期間において、その職務の内容及び配置が当該派遣先との雇用関係が終

了するまでの全期間における当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範

囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、正当な理由がな

く、待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する当該通常の労働者の待遇に比

して不利なものとしてはならないこととされている。

他方、労働者派遣法第30 条の4第1項において、労働者の過半数で組織する労働

組合等との協定により、同項各号に規定する事項を定めたときは、当該協定で定

- 24 -

Page 28: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

めた範囲に属する派遣労働者の待遇について、労働者派遣法第30 条の3の規定は、

一部の待遇を除き、適用しないこととされている。ただし、同項第2号、第4号

若しくは第5号に掲げる事項であって当該協定で定めたものを遵守していない場

合又は同項第3号に関する当該協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない

場合は、この限りでないこととされている。

派遣労働者(協定対象派遣労働者を除く。以下この第4において同じ。)の待

遇に関して、原則となる考え方及び具体例は次のとおりである。

1 基本給

(1)基本給であって、労働者の能力又は経験に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の能力又は経験に応じて

支給するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同

一の能力又は経験を有する派遣労働者には、能力又は経験に応じた部分につき、

派遣先に雇用される通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。ま

た、能力又は経験に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給

を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給している派遣先である

A社において、ある能力の向上のための特殊なキャリアコースを設定している。

A社の通常の労働者であるXは、このキャリアコースを選択し、その結果とし

てその能力を習得したため、その能力に応じた基本給をXに支給している。こ

れに対し、派遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であ

るYは、その能力を習得していないため、B社はその能力に応じた基本給をY

には支給していない。

ロ 派遣先であるA社においては、定期的に職務の内容及び勤務地の変更がある

通常の労働者の総合職であるXは、管理職となるためのキャリアコースの一環

として、新卒採用後の数年間、店舗等において、派遣元事業主であるB社から

A社に派遣されている派遣労働者であってA社で就業する間は職務の内容及び

配置に変更のないYの助言を受けながら、Yと同様の定型的な業務に従事して

いる。A社がXにキャリアコースの一環として当該定型的な業務に従事させて

いることを踏まえ、B社はYに対し、当該定型的な業務における能力又は経験

はXを上回っているものの、Xほど基本給を高く支給していない。

ハ 派遣先であるA社においては、かつては有期雇用労働者であったが、能力又

は経験が一定の水準を満たしたため定期的に職務の内容及び勤務地に変更があ

る通常の労働者として登用されたXと、派遣元事業主であるB社からA社に派

遣されている派遣労働者であるYとが同一の職場で同一の業務に従事している。

B社は、A社で就業する間は職務の内容及び勤務地に変更がないことを理由に、

Yに対して、Xほど基本給を高く支給していない。

ニ 派遣先であるA社に雇用される通常の労働者であるXと、派遣元事業主であ

るB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYとが同一の能力又は経験

を有しているところ、B社は、A社がXに適用するのと同じ基準をYに適用し、

就業の時間帯や就業日が土日祝日か否か等の違いにより、A社がXに支給する

時間当たりの基本給との間に差を設けている。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給について、

労働者の能力又は経験に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣されて

いる派遣労働者であるYに対し、A社に雇用される通常の労働者であるXに比べ

て経験が少ないことを理由として、A社がXに支給するほど基本給を高く支給し

ていないが、Xのこれまでの経験はXの現在の業務に関連性を持たない。

(2)基本給であって、労働者の業績又は成果に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の業績又は成果に応じて

支給するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同

一の業績又は成果を有する派遣労働者には、業績又は成果に応じた部分につき、

派遣先に雇用される通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。ま

た、業績又は成果に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給

を支給しなければならない。

なお、基本給とは別に、労働者の業績又は成果に応じた手当を支給する場合も

同様である。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給の一部に

ついて、労働者の業績又は成果に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、所定労働時間がA社に雇用される通常の

労働者の半分であるYに対し、その販売実績がA社に雇用される通常の労働者

に設定されている販売目標の半分の数値に達した場合には、A社に雇用される

通常の労働者が販売目標を達成した場合の半分を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXは、派遣元事業主であ

るB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYと同様の業務に従事して

いるが、XはA社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負ってお

- 25 -

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めた範囲に属する派遣労働者の待遇について、労働者派遣法第30 条の3の規定は、

一部の待遇を除き、適用しないこととされている。ただし、同項第2号、第4号

若しくは第5号に掲げる事項であって当該協定で定めたものを遵守していない場

合又は同項第3号に関する当該協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない

場合は、この限りでないこととされている。

派遣労働者(協定対象派遣労働者を除く。以下この第4において同じ。)の待

遇に関して、原則となる考え方及び具体例は次のとおりである。

1 基本給

(1)基本給であって、労働者の能力又は経験に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の能力又は経験に応じて

支給するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同

一の能力又は経験を有する派遣労働者には、能力又は経験に応じた部分につき、

派遣先に雇用される通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。ま

た、能力又は経験に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給

を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給している派遣先である

A社において、ある能力の向上のための特殊なキャリアコースを設定している。

A社の通常の労働者であるXは、このキャリアコースを選択し、その結果とし

てその能力を習得したため、その能力に応じた基本給をXに支給している。こ

れに対し、派遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であ

るYは、その能力を習得していないため、B社はその能力に応じた基本給をY

には支給していない。

ロ 派遣先であるA社においては、定期的に職務の内容及び勤務地の変更がある

通常の労働者の総合職であるXは、管理職となるためのキャリアコースの一環

として、新卒採用後の数年間、店舗等において、派遣元事業主であるB社から

A社に派遣されている派遣労働者であってA社で就業する間は職務の内容及び

配置に変更のないYの助言を受けながら、Yと同様の定型的な業務に従事して

いる。A社がXにキャリアコースの一環として当該定型的な業務に従事させて

いることを踏まえ、B社はYに対し、当該定型的な業務における能力又は経験

はXを上回っているものの、Xほど基本給を高く支給していない。

ハ 派遣先であるA社においては、かつては有期雇用労働者であったが、能力又

は経験が一定の水準を満たしたため定期的に職務の内容及び勤務地に変更があ

る通常の労働者として登用されたXと、派遣元事業主であるB社からA社に派

遣されている派遣労働者であるYとが同一の職場で同一の業務に従事している。

B社は、A社で就業する間は職務の内容及び勤務地に変更がないことを理由に、

Yに対して、Xほど基本給を高く支給していない。

ニ 派遣先であるA社に雇用される通常の労働者であるXと、派遣元事業主であ

るB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYとが同一の能力又は経験

を有しているところ、B社は、A社がXに適用するのと同じ基準をYに適用し、

就業の時間帯や就業日が土日祝日か否か等の違いにより、A社がXに支給する

時間当たりの基本給との間に差を設けている。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給について、

労働者の能力又は経験に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣されて

いる派遣労働者であるYに対し、A社に雇用される通常の労働者であるXに比べ

て経験が少ないことを理由として、A社がXに支給するほど基本給を高く支給し

ていないが、Xのこれまでの経験はXの現在の業務に関連性を持たない。

(2)基本給であって、労働者の業績又は成果に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の業績又は成果に応じて

支給するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同

一の業績又は成果を有する派遣労働者には、業績又は成果に応じた部分につき、

派遣先に雇用される通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。ま

た、業績又は成果に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給

を支給しなければならない。

なお、基本給とは別に、労働者の業績又は成果に応じた手当を支給する場合も

同様である。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給の一部に

ついて、労働者の業績又は成果に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、所定労働時間がA社に雇用される通常の

労働者の半分であるYに対し、その販売実績がA社に雇用される通常の労働者

に設定されている販売目標の半分の数値に達した場合には、A社に雇用される

通常の労働者が販売目標を達成した場合の半分を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXは、派遣元事業主であ

るB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYと同様の業務に従事して

いるが、XはA社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負ってお

- 26 -

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り、当該目標値を達成していない場合、待遇上の不利益を課されている。その

一方で、Yは、A社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負って

おらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課されてい

ない。B社はYに対し、待遇上の不利益を課していないこととの見合いに応じ

て、A社がXに支給するほど基本給を高く支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給の一部につ

いて、労働者の業績又は成果に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣

されている派遣労働者であって、所定労働時間がA社に雇用される通常の労働者

の半分であるYに対し、当該通常の労働者が販売目標を達成した場合にA社が行

っている支給を、Yについて当該通常の労働者と同一の販売目標を設定し、それ

を達成しない場合には行っていない。

(3)基本給であって、労働者の勤続年数(派遣労働者にあっては、当該派遣先

における就業期間。以下この(3)において同じ。)に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の勤続年数に応じて支給

するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

勤続年数である派遣労働者には、勤続年数に応じた部分につき、派遣先に雇用さ

れる通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。また、勤続年数に

一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければな

らない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社は、基本給について、労働者の

勤続年数に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣している期間の定め

のある労働者派遣契約を更新している派遣労働者であるYに対し、A社への労働

者派遣の開始時から通算して就業期間を評価した上で基本給を支給している。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社は、基本給について、労働者の

勤続年数に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣している期間の定め

のある労働者派遣契約を更新している派遣労働者であるYに対し、YのA社への

労働者派遣の開始時から通算して就業期間を評価せず、その時点の労働者派遣契

約に基づく派遣就業の期間のみにより就業期間を評価した上で基本給を支給し

ている。

(4)昇給であって、労働者の勤続(派遣労働者にあっては、当該派遣先におけ

る派遣就業の継続。以下この(4)において同じ。)による能力の向上に応じ

て行うもの

昇給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の勤続による能力の向上に

応じて行うものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と

同様に勤続により能力が向上した派遣労働者には、勤続による能力の向上に応じ

た部分につき、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の昇給を行わなければな

らない。また、勤続による能力の向上に一定の相違がある場合においては、その

相違に応じた昇給を行わなければならない。

(注)派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間に賃金の決定基準・

ルールの相違がある場合の取扱い

派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者の間に基本給、賞与、各種

手当等の賃金に相違がある場合において、その要因として当該通常の労働者と

派遣労働者の賃金の決定基準・ルールの相違があるときは、「派遣労働者に対

する派遣元事業主の将来の役割期待は派遣先に雇用される通常の労働者に対

する派遣先の将来の役割期待と異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」

等の主観的又は抽象的な説明では足りず、賃金の決定基準・ルールの相違は、

当該通常の労働者と派遣労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更

の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らし

て適切と認められるものの客観的及び具体的な実態に照らして、不合理と認め

られるものであってはならない。

2 賞与

賞与であって、派遣先及び派遣元事業主が、会社(派遣労働者にあっては、派

遣先。以下この2において同じ。)の業績等への労働者の貢献に応じて支給する

ものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の貢献

である派遣労働者には、貢献に応じた部分につき、派遣先に雇用される通常の労

働者と同一の賞与を支給しなければならない。また、貢献に一定の相違がある場

合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、賞与について、

会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるX

と同一のA社の業績等への貢献があるYに対して、A社がXに支給するのと同

一の賞与を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXは、A社における生産

効率及び品質の目標値に対する責任を負っており、当該目標値を達成していな

- 27 -

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り、当該目標値を達成していない場合、待遇上の不利益を課されている。その

一方で、Yは、A社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負って

おらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課されてい

ない。B社はYに対し、待遇上の不利益を課していないこととの見合いに応じ

て、A社がXに支給するほど基本給を高く支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、基本給の一部につ

いて、労働者の業績又は成果に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣

されている派遣労働者であって、所定労働時間がA社に雇用される通常の労働者

の半分であるYに対し、当該通常の労働者が販売目標を達成した場合にA社が行

っている支給を、Yについて当該通常の労働者と同一の販売目標を設定し、それ

を達成しない場合には行っていない。

(3)基本給であって、労働者の勤続年数(派遣労働者にあっては、当該派遣先

における就業期間。以下この(3)において同じ。)に応じて支給するもの

基本給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の勤続年数に応じて支給

するものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

勤続年数である派遣労働者には、勤続年数に応じた部分につき、派遣先に雇用さ

れる通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。また、勤続年数に

一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければな

らない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社は、基本給について、労働者の

勤続年数に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣している期間の定め

のある労働者派遣契約を更新している派遣労働者であるYに対し、A社への労働

者派遣の開始時から通算して就業期間を評価した上で基本給を支給している。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社は、基本給について、労働者の

勤続年数に応じて支給しているところ、B社は、A社に派遣している期間の定め

のある労働者派遣契約を更新している派遣労働者であるYに対し、YのA社への

労働者派遣の開始時から通算して就業期間を評価せず、その時点の労働者派遣契

約に基づく派遣就業の期間のみにより就業期間を評価した上で基本給を支給し

ている。

(4)昇給であって、労働者の勤続(派遣労働者にあっては、当該派遣先におけ

る派遣就業の継続。以下この(4)において同じ。)による能力の向上に応じ

て行うもの

昇給であって、派遣先及び派遣元事業主が、労働者の勤続による能力の向上に

応じて行うものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と

同様に勤続により能力が向上した派遣労働者には、勤続による能力の向上に応じ

た部分につき、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の昇給を行わなければな

らない。また、勤続による能力の向上に一定の相違がある場合においては、その

相違に応じた昇給を行わなければならない。

(注)派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間に賃金の決定基準・

ルールの相違がある場合の取扱い

派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者の間に基本給、賞与、各種

手当等の賃金に相違がある場合において、その要因として当該通常の労働者と

派遣労働者の賃金の決定基準・ルールの相違があるときは、「派遣労働者に対

する派遣元事業主の将来の役割期待は派遣先に雇用される通常の労働者に対

する派遣先の将来の役割期待と異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」

等の主観的又は抽象的な説明では足りず、賃金の決定基準・ルールの相違は、

当該通常の労働者と派遣労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更

の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らし

て適切と認められるものの客観的及び具体的な実態に照らして、不合理と認め

られるものであってはならない。

2 賞与

賞与であって、派遣先及び派遣元事業主が、会社(派遣労働者にあっては、派

遣先。以下この2において同じ。)の業績等への労働者の貢献に応じて支給する

ものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の貢献

である派遣労働者には、貢献に応じた部分につき、派遣先に雇用される通常の労

働者と同一の賞与を支給しなければならない。また、貢献に一定の相違がある場

合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、賞与について、

会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるX

と同一のA社の業績等への貢献があるYに対して、A社がXに支給するのと同

一の賞与を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXは、A社における生産

効率及び品質の目標値に対する責任を負っており、当該目標値を達成していな

- 28 -

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い場合、待遇上の不利益を課されている。その一方で、A社に雇用される通常

の労働者であるZや、派遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣

労働者であるYは、A社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負

っておらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課され

ていない。A社はXに対して賞与を支給しているが、Zに対しては、待遇上の

不利益を課していないこととの見合いの範囲内で賞与を支給していないところ、

B社はYに対して、待遇上の不利益を課していないこととの見合いの範囲内で

賞与を支給していない。

(問題となる例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、賞与について、

会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるX

と同一のA社の業績等への貢献があるYに対して、A社がXに支給するのと同

一の賞与を支給していない。

ロ 賞与について、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給している派遣先

であるA社においては、通常の労働者の全員に職務の内容や会社の業績等への

貢献等にかかわらず何らかの賞与を支給しているが、派遣元事業主であるB社

においては、A社に派遣されている派遣労働者であるYに賞与を支給していな

い。

3 手当

(1)役職手当であって、役職の内容に対して支給するもの

役職手当であって、派遣先及び派遣元事業主が、役職の内容に対して支給する

ものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の内容

の役職に就く派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の役職手

当を支給しなければならない。また、役職の内容に一定の相違がある場合におい

ては、その相違に応じた役職手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当につい

て、役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている

派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の

役職名(例えば、店長)であって同一の内容(例えば、営業時間中の店舗の適

切な運営)の役職に就くYに対し、A社がXに支給するのと同一の役職手当を

支給している。

ロ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当につい

て、役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている

派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の

役職名であって同一の内容の役職に就くYに、所定労働時間に比例した役職手

当(例えば、所定労働時間がA社に雇用される通常の労働者の半分の派遣労働

者にあっては、当該通常の労働者の半分の役職手当)を支給している。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当について、

役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている派遣労

働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の役職名で

あって同一の内容の役職に就くYに対し、A社がXに支給するのに比べ役職手当

を低く支給している。

(2)業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の危険度又は作業環

境の業務に従事する派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

特殊作業手当を支給しなければならない。

(3)交替制勤務等の勤務形態に応じて支給される特殊勤務手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の勤務形態で業務に

従事する派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の特殊勤務手

当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社においては、就業する時間帯又は曜日を特定して就業する

通常の労働者には労働者の採用が難しい早朝若しくは深夜又は土日祝日に就業

する場合に時給に上乗せして特殊勤務手当を支給するが、就業する時間帯及び

曜日を特定していない通常の労働者には労働者の採用が難しい時間帯又は曜日

に勤務する場合であっても時給に上乗せして特殊勤務手当を支給していない。

派遣元事業主であるB社は、A社に派遣されている派遣労働者であって、就業

する時間帯及び曜日を特定して就業していないYに対し、採用が難しい時間帯

や曜日に勤務する場合であっても時給に上乗せして特殊勤務手当を支給してい

ない。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXについては、入社に当

たり、交替制勤務に従事することは必ずしも確定しておらず、業務の繁閑等生

産の都合に応じて通常勤務又は交替制勤務のいずれにも従事する可能性があり、

- 29 -

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い場合、待遇上の不利益を課されている。その一方で、A社に雇用される通常

の労働者であるZや、派遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣

労働者であるYは、A社における生産効率及び品質の目標値に対する責任を負

っておらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課され

ていない。A社はXに対して賞与を支給しているが、Zに対しては、待遇上の

不利益を課していないこととの見合いの範囲内で賞与を支給していないところ、

B社はYに対して、待遇上の不利益を課していないこととの見合いの範囲内で

賞与を支給していない。

(問題となる例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、賞与について、

会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給しているところ、B社は、A社に

派遣されている派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるX

と同一のA社の業績等への貢献があるYに対して、A社がXに支給するのと同

一の賞与を支給していない。

ロ 賞与について、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給している派遣先

であるA社においては、通常の労働者の全員に職務の内容や会社の業績等への

貢献等にかかわらず何らかの賞与を支給しているが、派遣元事業主であるB社

においては、A社に派遣されている派遣労働者であるYに賞与を支給していな

い。

3 手当

(1)役職手当であって、役職の内容に対して支給するもの

役職手当であって、派遣先及び派遣元事業主が、役職の内容に対して支給する

ものについて、派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の内容

の役職に就く派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の役職手

当を支給しなければならない。また、役職の内容に一定の相違がある場合におい

ては、その相違に応じた役職手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当につい

て、役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている

派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の

役職名(例えば、店長)であって同一の内容(例えば、営業時間中の店舗の適

切な運営)の役職に就くYに対し、A社がXに支給するのと同一の役職手当を

支給している。

ロ 派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当につい

て、役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている

派遣労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の

役職名であって同一の内容の役職に就くYに、所定労働時間に比例した役職手

当(例えば、所定労働時間がA社に雇用される通常の労働者の半分の派遣労働

者にあっては、当該通常の労働者の半分の役職手当)を支給している。

(問題となる例)

派遣先であるA社及び派遣元事業主であるB社においては、役職手当について、

役職の内容に対して支給しているところ、B社は、A社に派遣されている派遣労

働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXの役職と同一の役職名で

あって同一の内容の役職に就くYに対し、A社がXに支給するのに比べ役職手当

を低く支給している。

(2)業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の危険度又は作業環

境の業務に従事する派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

特殊作業手当を支給しなければならない。

(3)交替制勤務等の勤務形態に応じて支給される特殊勤務手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の勤務形態で業務に

従事する派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の特殊勤務手

当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社においては、就業する時間帯又は曜日を特定して就業する

通常の労働者には労働者の採用が難しい早朝若しくは深夜又は土日祝日に就業

する場合に時給に上乗せして特殊勤務手当を支給するが、就業する時間帯及び

曜日を特定していない通常の労働者には労働者の採用が難しい時間帯又は曜日

に勤務する場合であっても時給に上乗せして特殊勤務手当を支給していない。

派遣元事業主であるB社は、A社に派遣されている派遣労働者であって、就業

する時間帯及び曜日を特定して就業していないYに対し、採用が難しい時間帯

や曜日に勤務する場合であっても時給に上乗せして特殊勤務手当を支給してい

ない。

ロ 派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXについては、入社に当

たり、交替制勤務に従事することは必ずしも確定しておらず、業務の繁閑等生

産の都合に応じて通常勤務又は交替制勤務のいずれにも従事する可能性があり、

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交替制勤務に従事した場合に限り特殊勤務手当が支給されている。派遣元事業

主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYについては、A社

への労働者派遣に当たり、派遣先で交替制勤務に従事することを明確にし、か

つ、基本給にA社において通常の労働者に支給される特殊勤務手当と同一の交

替制勤務の負荷分が盛り込まれている。A社には、職務の内容がYと同一であ

り通常勤務のみに従事することが予定され、実際に通常勤務のみに従事する労

働者であるZがいるところ、B社はYに対し、A社がZに対して支給するのに

比べ基本給を高く支給している。A社はXに対して特殊勤務手当を支給してい

るが、B社はYに対して特殊勤務手当を支給していない。

(4)精皆勤手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と業務の内容が同一の派遣

労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の精皆勤手当を支給しなけ

ればならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、考課上、欠勤についてマイナス査定を行い、か

つ、それが待遇に反映される通常の労働者であるXには、一定の日数以上出勤し

た場合に精皆勤手当を支給しているが、派遣元事業主であるB社は、B社からA

社に派遣されている派遣労働者であって、考課上、欠勤についてマイナス査定を

行っていないYには、マイナス査定を行っていないこととの見合いの範囲内で、

精皆勤手当を支給していない。

(5)時間外労働に対して支給される手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者の所定労働時間を超えて、

当該通常の労働者と同一の時間外労働を行った派遣労働者には、当該通常の労働

者の所定労働時間を超えた時間につき、派遣先に雇用される通常の労働者と同一

の割増率等で、時間外労働に対して支給される手当を支給しなければならない。

(6)深夜労働又は休日労働に対して支給される手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の深夜労働又は休日

労働を行った派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の割増率

等で、深夜労働又は休日労働に対して支給される手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと時間数及び職務の内

容が同一の深夜労働又は休日労働を行ったYに対し、A社がXに支給するのと同

一の深夜労働又は休日労働に対して支給される手当を支給している。

(問題となる例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと時間数及び職務の内

容が同一の深夜労働又は休日労働を行ったYに対し、Yが派遣労働者であること

から、深夜労働又は休日労働に対して支給される手当の単価を当該通常の労働者

より低く設定している。

(7)通勤手当及び出張旅費

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

通勤手当及び出張旅費を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社においては、本社の採用である労働者に対し、交通費実費

の全額に相当する通勤手当を支給しているが、派遣元事業主であるB社は、そ

れぞれの店舗の採用である労働者については、当該店舗の近隣から通うことが

できる交通費に相当する額に通勤手当の上限を設定して当該上限の額の範囲内

で通勤手当を支給しているところ、B社の店舗採用であってA社に派遣される

派遣労働者であるYが、A社への労働者派遣の開始後、本人の都合で通勤手当

の上限の額では通うことができないところへ転居してなお通い続けている場合

には、当該上限の額の範囲内で通勤手当を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通勤手当について、所定労働日数が多い(例

えば、週4日以上)通常の労働者に、月額の定期券の金額に相当する額を支給

しているが、派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されている派遣

労働者であって、所定労働日数が少ない(例えば、週3日以下)又は出勤日数

が変動する派遣労働者に、日額の交通費に相当する額を支給している。

(8)労働時間の途中に食事のための休憩時間がある労働者に対する食費の負担

補助として支給される食事手当

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の食

事手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、その労働時間の途中に昼食のための休憩時間が

ある通常の労働者であるXに食事手当を支給している。その一方で、派遣元事業

主であるB社においては、A社に派遣されている派遣労働者であって、その労働

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交替制勤務に従事した場合に限り特殊勤務手当が支給されている。派遣元事業

主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYについては、A社

への労働者派遣に当たり、派遣先で交替制勤務に従事することを明確にし、か

つ、基本給にA社において通常の労働者に支給される特殊勤務手当と同一の交

替制勤務の負荷分が盛り込まれている。A社には、職務の内容がYと同一であ

り通常勤務のみに従事することが予定され、実際に通常勤務のみに従事する労

働者であるZがいるところ、B社はYに対し、A社がZに対して支給するのに

比べ基本給を高く支給している。A社はXに対して特殊勤務手当を支給してい

るが、B社はYに対して特殊勤務手当を支給していない。

(4)精皆勤手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と業務の内容が同一の派遣

労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の精皆勤手当を支給しなけ

ればならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、考課上、欠勤についてマイナス査定を行い、か

つ、それが待遇に反映される通常の労働者であるXには、一定の日数以上出勤し

た場合に精皆勤手当を支給しているが、派遣元事業主であるB社は、B社からA

社に派遣されている派遣労働者であって、考課上、欠勤についてマイナス査定を

行っていないYには、マイナス査定を行っていないこととの見合いの範囲内で、

精皆勤手当を支給していない。

(5)時間外労働に対して支給される手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者の所定労働時間を超えて、

当該通常の労働者と同一の時間外労働を行った派遣労働者には、当該通常の労働

者の所定労働時間を超えた時間につき、派遣先に雇用される通常の労働者と同一

の割増率等で、時間外労働に対して支給される手当を支給しなければならない。

(6)深夜労働又は休日労働に対して支給される手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の深夜労働又は休日

労働を行った派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の割増率

等で、深夜労働又は休日労働に対して支給される手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと時間数及び職務の内

容が同一の深夜労働又は休日労働を行ったYに対し、A社がXに支給するのと同

一の深夜労働又は休日労働に対して支給される手当を支給している。

(問題となる例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと時間数及び職務の内

容が同一の深夜労働又は休日労働を行ったYに対し、Yが派遣労働者であること

から、深夜労働又は休日労働に対して支給される手当の単価を当該通常の労働者

より低く設定している。

(7)通勤手当及び出張旅費

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

通勤手当及び出張旅費を支給しなければならない。

(問題とならない例)

イ 派遣先であるA社においては、本社の採用である労働者に対し、交通費実費

の全額に相当する通勤手当を支給しているが、派遣元事業主であるB社は、そ

れぞれの店舗の採用である労働者については、当該店舗の近隣から通うことが

できる交通費に相当する額に通勤手当の上限を設定して当該上限の額の範囲内

で通勤手当を支給しているところ、B社の店舗採用であってA社に派遣される

派遣労働者であるYが、A社への労働者派遣の開始後、本人の都合で通勤手当

の上限の額では通うことができないところへ転居してなお通い続けている場合

には、当該上限の額の範囲内で通勤手当を支給している。

ロ 派遣先であるA社においては、通勤手当について、所定労働日数が多い(例

えば、週4日以上)通常の労働者に、月額の定期券の金額に相当する額を支給

しているが、派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されている派遣

労働者であって、所定労働日数が少ない(例えば、週3日以下)又は出勤日数

が変動する派遣労働者に、日額の交通費に相当する額を支給している。

(8)労働時間の途中に食事のための休憩時間がある労働者に対する食費の負担

補助として支給される食事手当

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の食

事手当を支給しなければならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、その労働時間の途中に昼食のための休憩時間が

ある通常の労働者であるXに食事手当を支給している。その一方で、派遣元事業

主であるB社においては、A社に派遣されている派遣労働者であって、その労働

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時間の途中に昼食のための休憩時間がない(例えば、午後2時から午後5時まで

の勤務)派遣労働者であるYに支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXに食事手当を支給してい

る。派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されている派遣労働者であ

るYにA社がXに支給するのに比べ食事手当を低く支給している。

(9)単身赴任手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の支給要件を満たす

派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の単身赴任手当を支給

しなければならない。

(10)特定の地域で働く労働者に対する補償として支給される地域手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の地域で働く派遣労

働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の地域手当を支給しなければ

ならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXについて、全国一律の基

本給の体系を適用し、転勤があることから、地域の物価等を勘案した地域手当を

支給している。一方で、派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されて

いる派遣労働者であるYについては、A社に派遣されている間は勤務地の変更が

なく、その派遣先の所在する地域で基本給を設定しており、その中で地域の物価

が基本給に盛り込まれているため、地域手当を支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社に雇用される通常の労働者であるXは、その地域で採用され

転勤はないにもかかわらず、A社はXに対し地域手当を支給している。一方、派

遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYは、A社に

派遣されている間転勤はなく、B社はYに対し地域手当を支給していない。

4 福利厚生

(1)福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室をいう。以下この(1)にお

いて同じ。)

派遣先は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の事業所で働く派遣労働者

には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の福利厚生施設の利用を認めなけ

ればならない。

なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づく義

務を免れるものではない。

(2)転勤者用社宅

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の支給要件(例えば、

転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額)を満たす派遣労働者に

は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の転勤者用社宅の利用を認めなけれ

ばならない。

(3)慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

慶弔休暇の付与並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障を行わなければ

ならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと同様の出勤日が設定

されているYに対しては、A社がXに付与するのと同様に慶弔休暇を付与してい

るが、A社に派遣されている派遣労働者であって、週2日の勤務であるWに対し

ては、勤務日の振替での対応を基本としつつ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を

付与している。

(4)病気休職

派遣元事業主は、派遣労働者(期間の定めのある労働者派遣に係る派遣労働者

である場合を除く。)には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の病気休職

の取得を認めなければならない。また、期間の定めのある労働者派遣に係る派遣

労働者にも、当該派遣先における派遣就業が終了するまでの期間を踏まえて、病

気休職の取得を認めなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、当該派遣先における派遣就業期間が1年

である派遣労働者であるYについて、病気休職の期間は当該派遣就業の期間が終

了する日までとしている。

(5)法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、

勤続期間(派遣労働者にあっては、当該派遣先における就業期間。以下この(5)

において同じ。)に応じて取得を認めているもの

法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、派

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時間の途中に昼食のための休憩時間がない(例えば、午後2時から午後5時まで

の勤務)派遣労働者であるYに支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXに食事手当を支給してい

る。派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されている派遣労働者であ

るYにA社がXに支給するのに比べ食事手当を低く支給している。

(9)単身赴任手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の支給要件を満たす

派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の単身赴任手当を支給

しなければならない。

(10)特定の地域で働く労働者に対する補償として支給される地域手当

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の地域で働く派遣労

働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の地域手当を支給しなければ

ならない。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、通常の労働者であるXについて、全国一律の基

本給の体系を適用し、転勤があることから、地域の物価等を勘案した地域手当を

支給している。一方で、派遣元事業主であるB社においては、A社に派遣されて

いる派遣労働者であるYについては、A社に派遣されている間は勤務地の変更が

なく、その派遣先の所在する地域で基本給を設定しており、その中で地域の物価

が基本給に盛り込まれているため、地域手当を支給していない。

(問題となる例)

派遣先であるA社に雇用される通常の労働者であるXは、その地域で採用され

転勤はないにもかかわらず、A社はXに対し地域手当を支給している。一方、派

遣元事業主であるB社からA社に派遣されている派遣労働者であるYは、A社に

派遣されている間転勤はなく、B社はYに対し地域手当を支給していない。

4 福利厚生

(1)福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室をいう。以下この(1)にお

いて同じ。)

派遣先は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の事業所で働く派遣労働者

には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の福利厚生施設の利用を認めなけ

ればならない。

なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づく義

務を免れるものではない。

(2)転勤者用社宅

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の支給要件(例えば、

転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額)を満たす派遣労働者に

は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の転勤者用社宅の利用を認めなけれ

ばならない。

(3)慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障

派遣元事業主は、派遣労働者にも、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の

慶弔休暇の付与並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障を行わなければ

ならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、派遣先であるA社に派遣されている派遣

労働者であって、A社に雇用される通常の労働者であるXと同様の出勤日が設定

されているYに対しては、A社がXに付与するのと同様に慶弔休暇を付与してい

るが、A社に派遣されている派遣労働者であって、週2日の勤務であるWに対し

ては、勤務日の振替での対応を基本としつつ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を

付与している。

(4)病気休職

派遣元事業主は、派遣労働者(期間の定めのある労働者派遣に係る派遣労働者

である場合を除く。)には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の病気休職

の取得を認めなければならない。また、期間の定めのある労働者派遣に係る派遣

労働者にも、当該派遣先における派遣就業が終了するまでの期間を踏まえて、病

気休職の取得を認めなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、当該派遣先における派遣就業期間が1年

である派遣労働者であるYについて、病気休職の期間は当該派遣就業の期間が終

了する日までとしている。

(5)法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、

勤続期間(派遣労働者にあっては、当該派遣先における就業期間。以下この(5)

において同じ。)に応じて取得を認めているもの

法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、派

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遣先及び派遣元事業主が、勤続期間に応じて取得を認めているものについて、派

遣元事業主は、当該派遣先に雇用される通常の労働者と同一の勤続期間である派

遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の法定外の有給の休暇そ

の他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。なお、当

該派遣先において期間の定めのある労働者派遣契約を更新している場合には、当

初の派遣就業の開始時から通算して就業期間を評価することを要する。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、長期勤続者を対象とするリフレッシュ休暇につ

いて、業務に従事した時間全体を通じた貢献に対する報償という趣旨で付与して

いることから、通常の労働者であるXに対し、勤続10年で3日、20 年で5日、

30 年で7日の休暇を付与している。派遣元事業主であるB社は、A社に派遣さ

れている派遣労働者であるYに対し、所定労働時間に比例した日数を付与してい

る。

5 その他

(1)教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するた

めに実施するもの

教育訓練であって、派遣先が、現在の業務の遂行に必要な能力を付与するため

に実施するものについて、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じ、その雇用

する通常の労働者と業務の内容が同一である派遣労働者には、派遣先に雇用され

る通常の労働者と同一の教育訓練を実施する等必要な措置を講じなければなら

ない。なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づ

く義務を免れるものではない。

また、派遣労働者と派遣先に雇用される通常の労働者との間で業務の内容に一

定の相違がある場合においては、派遣元事業主は、派遣労働者と派遣先に雇用さ

れる通常の労働者との間の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他

の事情の相違に応じた教育訓練を実施しなければならない。

なお、労働者派遣法第30 条の2第1項の規定に基づき、派遣元事業主は、派

遣労働者に対し、段階的かつ体系的な教育訓練を実施しなければならない。

(2)安全管理に関する措置又は給付

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の業務環境に置かれ

ている派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の安全管理に関

する措置及び給付をしなければならない。

なお、派遣先及び派遣元事業主は、労働者派遣法第45 条等の規定に基づき、

派遣労働者の安全と健康を確保するための義務を履行しなければならない。

第5 協定対象派遣労働者

協定対象派遣労働者の待遇に関して、原則となる考え方及び具体例は次のとお

りである。

1 賃金

労働者派遣法第30 条の4第1項第2号イにおいて、協定対象派遣労働者の賃

金の決定の方法については、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金

の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものでなけ

ればならないこととされている。

また、同号ロにおいて、その賃金の決定の方法は、協定対象派遣労働者の職務

の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項の向

上があった場合に賃金が改善されるものでなければならないこととされている。

さらに、同項第3号において、派遣元事業主は、この方法により賃金を決定す

るに当たっては、協定対象派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又

は経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、その賃金を決定しなけ

ればならないこととされている。

2 福利厚生

(1)福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室をいう。以下この(1)にお

いて同じ。)

派遣先は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の事業所で働く協定対象派

遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の福利厚生施設の利用を

認めなければならない。

なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づく義

務を免れるものではない。

(2)転勤者用社宅

派遣元事業主は、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の支給要件(例

えば、転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額)を満たす協定対

象派遣労働者には、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の転勤者用社宅

の利用を認めなければならない。

(3)慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障

派遣元事業主は、協定対象派遣労働者にも、派遣元事業主の雇用する通常の労

働者と同一の慶弔休暇の付与並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障を

行わなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、慶弔休暇について、B社の雇用する通常

- 35 -

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遣先及び派遣元事業主が、勤続期間に応じて取得を認めているものについて、派

遣元事業主は、当該派遣先に雇用される通常の労働者と同一の勤続期間である派

遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の法定外の有給の休暇そ

の他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。なお、当

該派遣先において期間の定めのある労働者派遣契約を更新している場合には、当

初の派遣就業の開始時から通算して就業期間を評価することを要する。

(問題とならない例)

派遣先であるA社においては、長期勤続者を対象とするリフレッシュ休暇につ

いて、業務に従事した時間全体を通じた貢献に対する報償という趣旨で付与して

いることから、通常の労働者であるXに対し、勤続10年で3日、20 年で5日、

30 年で7日の休暇を付与している。派遣元事業主であるB社は、A社に派遣さ

れている派遣労働者であるYに対し、所定労働時間に比例した日数を付与してい

る。

5 その他

(1)教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するた

めに実施するもの

教育訓練であって、派遣先が、現在の業務の遂行に必要な能力を付与するため

に実施するものについて、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じ、その雇用

する通常の労働者と業務の内容が同一である派遣労働者には、派遣先に雇用され

る通常の労働者と同一の教育訓練を実施する等必要な措置を講じなければなら

ない。なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づ

く義務を免れるものではない。

また、派遣労働者と派遣先に雇用される通常の労働者との間で業務の内容に一

定の相違がある場合においては、派遣元事業主は、派遣労働者と派遣先に雇用さ

れる通常の労働者との間の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他

の事情の相違に応じた教育訓練を実施しなければならない。

なお、労働者派遣法第30 条の2第1項の規定に基づき、派遣元事業主は、派

遣労働者に対し、段階的かつ体系的な教育訓練を実施しなければならない。

(2)安全管理に関する措置又は給付

派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の業務環境に置かれ

ている派遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の安全管理に関

する措置及び給付をしなければならない。

なお、派遣先及び派遣元事業主は、労働者派遣法第45 条等の規定に基づき、

派遣労働者の安全と健康を確保するための義務を履行しなければならない。

第5 協定対象派遣労働者

協定対象派遣労働者の待遇に関して、原則となる考え方及び具体例は次のとお

りである。

1 賃金

労働者派遣法第30 条の4第1項第2号イにおいて、協定対象派遣労働者の賃

金の決定の方法については、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金

の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものでなけ

ればならないこととされている。

また、同号ロにおいて、その賃金の決定の方法は、協定対象派遣労働者の職務

の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項の向

上があった場合に賃金が改善されるものでなければならないこととされている。

さらに、同項第3号において、派遣元事業主は、この方法により賃金を決定す

るに当たっては、協定対象派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又

は経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、その賃金を決定しなけ

ればならないこととされている。

2 福利厚生

(1)福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室をいう。以下この(1)にお

いて同じ。)

派遣先は、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の事業所で働く協定対象派

遣労働者には、派遣先に雇用される通常の労働者と同一の福利厚生施設の利用を

認めなければならない。

なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の3の規定に基づく義

務を免れるものではない。

(2)転勤者用社宅

派遣元事業主は、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の支給要件(例

えば、転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額)を満たす協定対

象派遣労働者には、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の転勤者用社宅

の利用を認めなければならない。

(3)慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障

派遣元事業主は、協定対象派遣労働者にも、派遣元事業主の雇用する通常の労

働者と同一の慶弔休暇の付与並びに健康診断に伴う勤務免除及び有給の保障を

行わなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、慶弔休暇について、B社の雇用する通常

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の労働者であるXと同様の出勤日が設定されている協定対象派遣労働者である

Yに対しては、通常の労働者と同様に慶弔休暇を付与しているが、週2日の勤務

の協定対象派遣労働者であるWに対しては、勤務日の振替での対応を基本としつ

つ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を付与している。

(4)病気休職

派遣元事業主は、協定対象派遣労働者(有期雇用労働者である場合を除く。)

には、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなけ

ればならない。また、有期雇用労働者である協定対象派遣労働者にも、労働契約

が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職の取得を認めなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、労働契約の期間が1年である有期雇用労

働者であり、かつ、協定対象派遣労働者であるYについて、病気休職の期間は労

働契約の期間が終了する日までとしている。

(5)法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、

勤続期間に応じて取得を認めているもの

法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、勤

続期間に応じて取得を認めているものについて、派遣元事業主は、派遣元事業主

の雇用する通常の労働者と同一の勤続期間である協定対象派遣労働者には、派遣

元事業主の雇用する通常の労働者と同一の法定外の有給の休暇その他の法定外

の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。なお、期間の定めのあ

る労働契約を更新している場合には、当初の労働契約の開始時から通算して勤続

期間を評価することを要する。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、長期勤続者を対象とするリフレッシュ休

暇について、業務に従事した時間全体を通じた貢献に対する報償という趣旨で付

与していることから、B社に雇用される通常の労働者であるXに対し、勤続10 年

で3日、20 年で5日、30 年で7日の休暇を付与しており、協定対象派遣労働者

であるYに対し、所定労働時間に比例した日数を付与している。

3 その他

(1)教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するた

めに実施するもの

教育訓練であって、派遣先が、現在の業務の遂行に必要な能力を付与するため

に実施するものについて、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じ、派遣先に

雇用される通常の労働者と業務の内容が同一である協定対象派遣労働者には、派

遣先に雇用される通常の労働者と同一の教育訓練を実施する等必要な措置を講

じなければならない。なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の

3の規定に基づく義務を免れるものではない。

また、協定対象派遣労働者と派遣元事業主が雇用する通常の労働者との間で業

務の内容に一定の相違がある場合においては、派遣元事業主は、協定対象派遣労

働者と派遣元事業主の雇用する通常の労働者との間の職務の内容、職務の内容及

び配置の変更の範囲その他の事情の相違に応じた教育訓練を実施しなければな

らない。

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の労働者であるXと同様の出勤日が設定されている協定対象派遣労働者である

Yに対しては、通常の労働者と同様に慶弔休暇を付与しているが、週2日の勤務

の協定対象派遣労働者であるWに対しては、勤務日の振替での対応を基本としつ

つ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を付与している。

(4)病気休職

派遣元事業主は、協定対象派遣労働者(有期雇用労働者である場合を除く。)

には、派遣元事業主の雇用する通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなけ

ればならない。また、有期雇用労働者である協定対象派遣労働者にも、労働契約

が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職の取得を認めなければならない。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、労働契約の期間が1年である有期雇用労

働者であり、かつ、協定対象派遣労働者であるYについて、病気休職の期間は労

働契約の期間が終了する日までとしている。

(5)法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、

勤続期間に応じて取得を認めているもの

法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、勤

続期間に応じて取得を認めているものについて、派遣元事業主は、派遣元事業主

の雇用する通常の労働者と同一の勤続期間である協定対象派遣労働者には、派遣

元事業主の雇用する通常の労働者と同一の法定外の有給の休暇その他の法定外

の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。なお、期間の定めのあ

る労働契約を更新している場合には、当初の労働契約の開始時から通算して勤続

期間を評価することを要する。

(問題とならない例)

派遣元事業主であるB社においては、長期勤続者を対象とするリフレッシュ休

暇について、業務に従事した時間全体を通じた貢献に対する報償という趣旨で付

与していることから、B社に雇用される通常の労働者であるXに対し、勤続10 年

で3日、20 年で5日、30 年で7日の休暇を付与しており、協定対象派遣労働者

であるYに対し、所定労働時間に比例した日数を付与している。

3 その他

(1)教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するた

めに実施するもの

教育訓練であって、派遣先が、現在の業務の遂行に必要な能力を付与するため

に実施するものについて、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じ、派遣先に

雇用される通常の労働者と業務の内容が同一である協定対象派遣労働者には、派

遣先に雇用される通常の労働者と同一の教育訓練を実施する等必要な措置を講

じなければならない。なお、派遣元事業主についても、労働者派遣法第30 条の

3の規定に基づく義務を免れるものではない。

また、協定対象派遣労働者と派遣元事業主が雇用する通常の労働者との間で業

務の内容に一定の相違がある場合においては、派遣元事業主は、協定対象派遣労

働者と派遣元事業主の雇用する通常の労働者との間の職務の内容、職務の内容及

び配置の変更の範囲その他の事情の相違に応じた教育訓練を実施しなければな

らない。

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法改正に関する資料等は厚生労働省のHP等に掲載しています

●労働者派遣事業関係業務取扱要領(令和2年4月1日以降)

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 雇用 > 労働者派遣事業・職業

紹介事業等 > 労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式・各種報告書

●一般労働者と派遣労働者の賃金比較ツール

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03984.html

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 非正規雇用(有期・パート・派

遣労働) > 不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(業界別マニュアル)

●平成 27 年労働者派遣法の改正について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 雇用 > 労働者派遣事業・職業

紹介事業等 > 平成 27 年労働者派遣法の改正について

●平成 29 年職業安定法の改正について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497.html

ホーム> 政策について> 分野別の政策一覧> 雇用・労働> 雇用> 労働者派遣事業・職業紹介事

業等> 平成 29 年職業安定法の改正について

●大阪働き方改革推進支援・賃金相談セン

ター(厚生労働省委託事業)

https:/sr-hatarakikata.jp/

※就業規則や賃金規定の見直しなど、働き

方改革に関連する様々な相談について、社

会保険労務士等の専門家がご相談に対応し

ます。

●不合理な待遇差解消のための点検・検討

マニュアル(労働者派遣業界編)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03984.html

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧

> 雇用・労働 > 非正規雇用(有期・パート・

派遣労働) > 不合理な待遇差解消のための点

検・検討マニュアル(業界別マニュアル)

平成30年労働者派遣法改正関係

平成27年労働者派遣法改正関係

平成29年職業安定法改正関係

II 参考様式 (令和2年4月1日以降対応版)

この II の記載例は、大阪労働局の HP から様式としてダウンロードして ご使用いただけます。 ☆掲載場所への進み方 大阪労働局 HP の検索欄で『労働者派遣』と入力して検索。(『』は入力不要) →検索結果から『労働者派遣事業関係|大阪労働局』を選択。 →移動したページの『労働者派遣事業について』を選択。 →移動したページの『労働者派遣に関する参考様式』を選択。

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II 参考様式 (令和2年4月1日以降対応版)

この II の記載例は、大阪労働局の HP から様式としてダウンロードして ご使用いただけます。 ☆掲載場所への進み方 大阪労働局 HP の検索欄で『労働者派遣』と入力して検索。(『』は入力不要) →検索結果から『労働者派遣事業関係|大阪労働局』を選択。 →移動したページの『労働者派遣事業について』を選択。 →移動したページの『労働者派遣に関する参考様式』を選択。

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(R.01.10)

(令和2年4月1日以降対応版)

事業所名 近畿スタッフ株式会社 大阪オフィス許可番号 派27-○○○○○○

マージン率等の情報提供について

【例】 社員の送迎バスあり

無償

有給

有給

有給リーダー就任研修

対象者となる派遣労働者雇入時・派遣中・待機中など

雇入時

派遣中

待機中

(小数点第1位未満の端数が生じた場合には、小数点第2位を四捨五入する。)事業報告で報告したすべての業務についても記載することが望ましい。また、マージン率に含めている教育訓練に要する経費、福利厚生費、社会保険料等の事項についても示すなど、派遣労働者が自社のいわゆるマージン率について理解しやすくすることが望ましい。

訓練内容 (注)キャリアアップに資する教育訓練に関する計画内容を示すこと

⑦ 派遣労働者のキャリア形成支援制度に関する事項

③ 令和元年度 労働者派遣に関する料金の額の平均額  11,906円(8時間 全業務平均)

⑤ 令和元年度 マージン率の平均  28.4%

⑥ 労働者派遣法第30条の4第1項の労使協定を締結しているか否かの別等

当該労使協定の対象となる派遣労働者の範囲 (        全ての派遣労働者                        )

 労働者派遣法第30条の4第1項の労使協定を締結しているか否か   (  締結している   ・   締結していない )

当該労使協定の有効期間              ( 令和  2年  4月  1日    ~   令和  4年  3月 31日 )

① 令和2年6月1日付け 派遣労働者数  3人

② 令和2年6月1日付け 派遣先事業所数(実数)  3事業所

④ 令和元年度 派遣労働者の賃金の額の平均額  8,521円(8時間 全業務平均)

⑧ その他の労働者派遣事業の業務に関し参考となる事項(福利厚生など)

OJT

OFF-JT

訓練種別

新規採用者訓練

OA機器操作訓練

訓練費用負担額無償・有償

賃金支給有給・無給

無償

無償

OFF-JT

キャリア・コンサルティング相談窓口及び連絡先 相談窓口 ○○ ○○ 電話番号 06-○○○○-○○○○

訓練方法OJT・OFF-JT

(R.01.10)

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(令和2年4月1日以降対応版) (記載例) 吹き出しは注意事項

(R.01.10)

待遇に関する事項等の説明 (派遣登録者の皆様へ)

1.待遇に関する事項

1)派遣労働者として雇用した場合の賃金見込額

月額 200,000円~250,000円

2)想定される就業条件等について

就業場所:大阪市内、就業日:月 ~ 金(祝日を除く)、就業時間:9時 ~ 18時、

教育訓練内容:○○、福利厚生:休憩室有、更衣室(ロッカー付)有

3)労働、社会保険の加入について

雇用保険は、週の所定労働時間が 20 時間以上あり、かつ、31 日以上の雇用見込みがある場合、

加入します。

健康保険・厚生年金保険は、労働時間が正規で働く社員のおおむね 4 分の 3 以上で、かつ、雇用

契約期間が 2か月を超える場合、加入します。

予定している派遣先(株式会社厚労商事 関西支社)の就業条件においては、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の各労働・社会保険にすべて加入します。

2.事業運営に関する事項

3.労働者派遣制度の概要

別添「派遣で働くときに特に知っておきたいこと(派遣労働者の皆さまへ)」をご覧く

ださい。

4.均衡待遇確保のために配慮した内容

賃金の決定にあたっては、派遣先から提供のあった派遣先の同種の労働者に係る賃金水

準を参考に決定しています。

本人の能力・経験・職歴等を考慮のうえ、雇用した場合の賃金の見込額をご記入ください。 賃金見込額については、書面の交付等による説明が必要です。

登録者への説明時点で想定される就業条件等の説明が必要です。

御社の概要をご記載ください。 「別添会社パンフレットによる」等記載し、概要の記載された会社パンフレットを添付することも可能です。

「派遣で働くときに特に知っておきたいこと(派遣労働者の皆さまへ)」は厚生労働省のホームページからダウンロードしていただけます。又、事業主独自のパンフレットを使用することも可能です。

※労使協定方式の場合は左記内容では不適当なケースもありえます。実態に即した内容で記載してください。

予定している派遣先がある場合は、上記の加入要件に替えて、()内のような加入の有無の明示が必要です。

(R.01.10)

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(令和2年4月1日以降対応版) (記載例) 吹き出しは注意事項

(R.01.10)

待遇に関する事項等の説明 (派遣労働者として雇用される皆様へ)

1.昇給の有無

昇給有 業績に基づき実施されない可能性あり

2.退職手当の有無

退職手当有 勤続年数に基づき支給されない可能性あり

3.賞与の有無

賞与有 業績に基づき支給されない可能性あり

4.労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か

労使協定の対象となる派遣労働者(労使協定有効期間の終期:令和4年3月31日)

5.派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

派遣元において苦情の申出を受ける者

派遣事業運営係主任 ○○○○

苦情処理方法、連携体制等

①派遣元事業主における苦情の申出を受ける者が苦情の申出を受けたときは、直ちに派

遣元責任者へ連絡することとし、当該派遣元責任者が中心となって、誠意をもって、

遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果について必ず派遣労

働者に通知することとする。

②派遣先事業主における苦情の申出を受ける者が苦情の申出を受けたときは、直ちに派

遣先責任者へ連絡することとし、当該派遣先責任者が中心となって、誠意をもって、

遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果について必ず派遣労

働者に通知することとする。

③派遣先及び派遣元事業主は、自らでその解決が容易であり、即時に処理した苦情の他

は、相互に遅滞なく通知するとともに、密接に連絡調整を行いつつ、その解決を図る

こととする。

労使協定の対象者である場合には、労使協定の有効期間の終期も記載してください。

(R.01.10)

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(記載例) 網掛け部分は注意事項

(R.01.10)

令和2年3月 15日

(派遣元)

近畿スタッフ株式会社 御中

(派遣先)

株式会社厚労商事 関西支社

支社長 △△ △△

派遣可能期間の制限(事業所単位の期間制限)に抵触する日の通知

労働者派遣法第26条第4項に基づき、派遣可能期間の制限(事業所単位の期間制

限)に抵触することとなる最初の日(以下、「抵触日」という。)を、下記のとおり通

知します。

1 労働者派遣の役務の提供を受ける事業所

株式会社 厚労商事 関西支社

大阪市中央区大手前●―●―●

2 上記事業所の抵触日

令和5年4月1日 ※令和2年4月 1日受入れ開始の場合の例です。

3 その他

事業所単位の派遣可能期間を延長した場合は速やかに、労働者派遣法第40条

の2第7項に基づき延長後の抵触日を通知します。

※事業所の定義

・ 工場、事務所、店舗等、場所的に独立していること

・ 経営の単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること

・ 施設として一定期間継続するものであること

などの観点から、実態に即して判断されます。

(雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的に同一です。)

(R.01.10)

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

△年△月△日 (派遣元) ○○○株式会社 御中

(派遣先) ●●●株式会社 役職 ・・・ 氏名 ・・・

比較対象労働者の待遇等に関する情報提供

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第 26 条第7項に基づき、比較対象労働者の待遇等に関する情報を下記のとおり情報提供いたします。

1.比較対象労働者の職務の内容(業務の内容及び責任の程度)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲並びに雇用形態【則第 24 条の4第1号イ関係】

(1)業務の内容 ① 職種:衣服・身の回り品販売店員 <厚生労働省編職業分類 細分類 323-04> ※ 例えば、厚生労働省編職業分類 細分類により記載。 ※ 例として細分類を記載しているのは、業務の内容が同一であるかどうかの判断を細分類を目安として行うこととしていることによる。

② 中核的業務:品出し、レジ、接客 ③ その他の業務:クレーム対応 ※ 中核的業務以外の比較対象労働者が従事する業務を記載。

(2)責任の程度 ① 権限の範囲 :副リーダー(●等級中●等級)

(仕入れにおける契約権限なし、部下2名) ② トラブル・緊急対応:リーダー不在である間の週1回程度対応 ③ 成果への期待・役割:個人単位で月の売上げ目標 30 万円 ④ 所定外労働 :週2回、計5時間程度(品出しのため)

(⑤ その他 : ) ※「その他」については、責任の程度を指すものがあれば記載

(R.01.10)

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

(3)職務の内容及び配置の変更の範囲 ① 職務の内容の変更の範囲:他の服飾品の販売に従事する可能性あり

リーダー又は店長まで昇進する可能性あり ② 配置の変更の範囲:2~3年に1回程度、転居を伴わない範囲で人事異動あり

(4)雇用形態 例1:正社員(年間所定労働時間●時間) 例2:有期雇用労働者(年間所定労働時間●時間、通算雇用期間●年) 例3:仮想の通常の労働者(年間所定労働時間●時間)

2.比較対象労働者を選定した理由【則第 24 条の4第1号ロ関係】 比較対象労働者:業務の内容が同一である通常の労働者(該当する 10 名中の1名)

【以下の参考の※の③】 (理由) 受け入れようとする派遣労働者と職務の内容が同一である通常の労働者はいないが、

業務の内容が同一である通常の労働者がいるため。 <参考:チェックリスト>

比較対象労働者(次の①~⑥の優先順位により選出) 対象者の有無 (○or×)

① 職務の内容並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

×

② 職務の内容が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

×

③ 業務の内容又は責任の程度のいずれかが派遣労働者と同一である見込まれる通常の労働者

④ 職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

⑤ ①から④までに相当する短時間・有期雇用労働者 ― ⑥ 派遣労働者と同一の職務の内容で業務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該通常の労働者(仮想の通常の労働者)

※ 網掛けは補足

(R.01.10)

3.待遇の内容等 (1)比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容(昇給、賞与その他の主な待遇がない場合に

はその旨)【則第 24 条の4第1号ハ関係】 (2)比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質及び待遇を行う目的【則第 24 条の4第1号

ニ関係】 (3)待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項【則第 24 条の4第1号ホ関係】

(待遇の種類) (待遇の内容)

(待遇の性質・目的) (待遇決定に当たって考慮した事項)

① 基本給 20 万円 /月

・労働に対する基本的な対償として支払われるもの

・労働者の能力の向上のための努力を促進する目的

・長期勤続を奨励する目的

能力・経験、勤続年数を考慮。 能力・経験:定型的な販売業務の処理、クレーム対応が可能

勤続年数:1年目

② 賞与 40 万円 /年

・会社の利益を分配することによって、社員の士気を高める目的

基本給額、支給月数により算定 個人業績に係る評価を考慮 個人業績:B評価(「特に優秀」、「優秀」、「普通」の三段階評価の中評価)

③ 役職手当:制度有 2万円 /月

・一般社員にはない特別な責任と役割に応じて支給されるもの

・一定の責任と役割の履行を促進する目的

責任の程度を考慮 役職:副リーダー

④ 特殊作業手当:制度無 ― ― ―

⑤ 特殊勤務手当:制度無 ― ― ―

(R.01.10)

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

(3)職務の内容及び配置の変更の範囲 ① 職務の内容の変更の範囲:他の服飾品の販売に従事する可能性あり

リーダー又は店長まで昇進する可能性あり ② 配置の変更の範囲:2~3年に1回程度、転居を伴わない範囲で人事異動あり

(4)雇用形態 例1:正社員(年間所定労働時間●時間) 例2:有期雇用労働者(年間所定労働時間●時間、通算雇用期間●年) 例3:仮想の通常の労働者(年間所定労働時間●時間)

2.比較対象労働者を選定した理由【則第 24 条の4第1号ロ関係】 比較対象労働者:業務の内容が同一である通常の労働者(該当する 10 名中の1名)

【以下の参考の※の③】 (理由) 受け入れようとする派遣労働者と職務の内容が同一である通常の労働者はいないが、

業務の内容が同一である通常の労働者がいるため。 <参考:チェックリスト>

比較対象労働者(次の①~⑥の優先順位により選出) 対象者の有無 (○or×)

① 職務の内容並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

×

② 職務の内容が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

×

③ 業務の内容又は責任の程度のいずれかが派遣労働者と同一である見込まれる通常の労働者

④ 職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一であると見込まれる通常の労働者

⑤ ①から④までに相当する短時間・有期雇用労働者 ― ⑥ 派遣労働者と同一の職務の内容で業務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該通常の労働者(仮想の通常の労働者)

※ 網掛けは補足

(R.01.10)

3.待遇の内容等 (1)比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容(昇給、賞与その他の主な待遇がない場合に

はその旨)【則第 24 条の4第1号ハ関係】 (2)比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質及び待遇を行う目的【則第 24 条の4第1号

ニ関係】 (3)待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項【則第 24 条の4第1号ホ関係】

(待遇の種類) (待遇の内容)

(待遇の性質・目的) (待遇決定に当たって考慮した事項)

① 基本給 20 万円 /月

・労働に対する基本的な対償として支払われるもの

・労働者の能力の向上のための努力を促進する目的

・長期勤続を奨励する目的

能力・経験、勤続年数を考慮。 能力・経験:定型的な販売業務の処理、クレーム対応が可能

勤続年数:1年目

② 賞与 40 万円 /年

・会社の利益を分配することによって、社員の士気を高める目的

基本給額、支給月数により算定 個人業績に係る評価を考慮 個人業績:B評価(「特に優秀」、「優秀」、「普通」の三段階評価の中評価)

③ 役職手当:制度有 2万円 /月

・一般社員にはない特別な責任と役割に応じて支給されるもの

・一定の責任と役割の履行を促進する目的

責任の程度を考慮 役職:副リーダー

④ 特殊作業手当:制度無 ― ― ―

⑤ 特殊勤務手当:制度無 ― ― ―

(R.01.10)

- 48 -

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

⑥ 精皆勤手当:制度有 0円 ・一定数の業務を行う人数を

確保するための皆勤を奨励する目的

責任の程度と意欲を考慮し、部下がいない場合であり、かつ無欠勤の場合に一律1万円を支給 責任の程度:部下2名 欠勤の有無:無欠勤

⑦ 時間外労働手当(法定割増率以上):制度無 ― ― ―

⑧ 深夜及び休日労働手当(法定割増率以上):制度無 ― ― ―

⑨ 通勤手当:制度有 2万円 (実費) /月

・通勤に要する交通費を補填する目的

通勤距離を考慮

⑩ 出張旅費:制度有 0円 ・出張に要する交通費を補填

する目的 出張距離を考慮 出張なし

⑪ 食事手当:制度無 ― ― ―

⑫ 単身赴任手当:制度無 ― ― ―

⑬ 地域手当:制度無 ― ― ―

⑭ 食堂:施設有 食堂無 ・業務の円滑な遂行に資する

目的 就業する事業所に食堂があるか否かを考慮し、食堂がある場合には利用の機会を付与 就業する事業所:A支店(食堂無)

※ 網掛けは補足

(R.01.10)

⑮ 休憩室:施設無 ― ― ―

⑯ 更衣室:施設有 利用可 ・業務の円滑な遂行に資する

目的 就業する事業所に更衣室があるか否かを考慮し、更衣室がある場合には利用の機会を付与 就業する事業所:A支店(更衣室有)

⑰ 転勤者用社宅:制度有 利用無 ・住居を確保し、転勤に伴う

負担を軽減する目的 職務の内容及び人材活用の範囲を考慮し、転勤がある場合に提供 職務の内容及び人材活用の範囲:転勤を伴う人事異動なし

⑱ 慶弔休暇:制度有 10 日/年 ・冠婚葬祭への参加を促進す

ることで就業継続や業務能率の向上を図る目的

勤続年数を考慮 勤続1年以上の者に一律 10 日/年付与

⑲ 健康診断に伴う勤務免除及び有給:制度無 ― ― ―

⑳ 病気休職:制度無 ― ― ―

㉑ 法定外の休暇(慶弔休暇を除く):制度無 ― ― ―

㉒ 教育訓練:制度有 接客に関する教育訓練

・職務の遂行に必要な技能又は知識を習得する目的

業務の内容を考慮。 接客に従事する場合には、6か月に1回、希望者に限り、接客に関する基礎を習得するための教育訓練を実施

㉓ 安全管理に関する措置及び給付:制度無 ― ― ―

(R.01.10)

- 49 -

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

⑥ 精皆勤手当:制度有 0円 ・一定数の業務を行う人数を

確保するための皆勤を奨励する目的

責任の程度と意欲を考慮し、部下がいない場合であり、かつ無欠勤の場合に一律1万円を支給 責任の程度:部下2名 欠勤の有無:無欠勤

⑦ 時間外労働手当(法定割増率以上):制度無 ― ― ―

⑧ 深夜及び休日労働手当(法定割増率以上):制度無 ― ― ―

⑨ 通勤手当:制度有 2万円 (実費) /月

・通勤に要する交通費を補填する目的

通勤距離を考慮

⑩ 出張旅費:制度有 0円 ・出張に要する交通費を補填

する目的 出張距離を考慮 出張なし

⑪ 食事手当:制度無 ― ― ―

⑫ 単身赴任手当:制度無 ― ― ―

⑬ 地域手当:制度無 ― ― ―

⑭ 食堂:施設有 食堂無 ・業務の円滑な遂行に資する

目的 就業する事業所に食堂があるか否かを考慮し、食堂がある場合には利用の機会を付与 就業する事業所:A支店(食堂無)

※ 網掛けは補足

(R.01.10)

⑮ 休憩室:施設無 ― ― ―

⑯ 更衣室:施設有 利用可 ・業務の円滑な遂行に資する

目的 就業する事業所に更衣室があるか否かを考慮し、更衣室がある場合には利用の機会を付与 就業する事業所:A支店(更衣室有)

⑰ 転勤者用社宅:制度有 利用無 ・住居を確保し、転勤に伴う

負担を軽減する目的 職務の内容及び人材活用の範囲を考慮し、転勤がある場合に提供 職務の内容及び人材活用の範囲:転勤を伴う人事異動なし

⑱ 慶弔休暇:制度有 10 日/年 ・冠婚葬祭への参加を促進す

ることで就業継続や業務能率の向上を図る目的

勤続年数を考慮 勤続1年以上の者に一律 10 日/年付与

⑲ 健康診断に伴う勤務免除及び有給:制度無 ― ― ―

⑳ 病気休職:制度無 ― ― ―

㉑ 法定外の休暇(慶弔休暇を除く):制度無 ― ― ―

㉒ 教育訓練:制度有 接客に関する教育訓練

・職務の遂行に必要な技能又は知識を習得する目的

業務の内容を考慮。 接客に従事する場合には、6か月に1回、希望者に限り、接客に関する基礎を習得するための教育訓練を実施

㉓ 安全管理に関する措置及び給付:制度無 ― ― ―

(R.01.10)

- 50 -

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

㉔ 退職手当:制度有 0円 ・長期勤続を奨励する目的

・退職後の生活を保障する目的

基本給額、勤続年数、離職理由により算定 勤続3年であって、会社都合により退職した場合は、基本給額1か月分の退職手当を支給 勤続年数:1年目

㉕ 住宅手当:制度無 ― ― ―

㉖ 家族手当:制度有 1万円 /月

・労働者の家族を扶養するための生活費を補助する目的

扶養家族の人数を考慮し、扶養家族1人につき1万円を支給(上限3万円) 扶養家族:1人

㉗ ●●●:制度● ― ― ―

※ 個々の待遇に係る制度がある場合には、(1)~(3)の事項を情報提供することが必要であり、当該制度がない場合には、制度がない旨を情報提供することが必要。 制度がない場合には、表形式ではなく、制度がない個々の待遇をまとめて記載するこ

とでも差し支えない。 <制度がない旨の記載例>

●●手当、●●手当、●●手当、●●休暇については、制度がないため、支給等していない。

※ 提供すべき情報が形式的に不足していた場合、虚偽の情報を提供した場合、比較対象労働者の選定が不適切であった場合等については、労働者派遣法第 26 条第7項違反として、派遣先(労働者派遣の役務の提供を受ける者)の勧告及び公表の対象となる場合があるため、正確に情報提供すること。

様式第 26号

労働者派遣法第 30条の4第1項の規定に基づく労使協定(イメージ)

○○人材サービス株式会社と○○人材サービス労働組合は、労働者派遣法第 30条の4第

1項の規定に関し、次のとおり協定する。

(対象となる派遣労働者の範囲)←第 1号「適用される派遣労働者の範囲」+第6号「そ

の他厚生労働省令で定める事項」の一部

第1条 本協定は、派遣先でプログラマーの業務に従事する従業員(以下「対象従業員」

という。)に適用する。

2 対象従業員については、派遣先が変更される頻度が高いことから、中長期的なキャリ

ア形成を行い所得の不安定化を防ぐ等のため、本労使協定の対象とする。

3 ○○人材サービス株式会社は、対象従業員について、一の労働契約の契約期間中に、

特段の事情がない限り、本協定の適用を除外しないものとする。

(賃金の構成)

第2条 対象従業員の賃金は、基本給、賞与、時間外労働手当、深夜・休日労働手当、通

勤手当及び退職手当とする。

(賃金の決定方法) ←第2号イ「賃金の決定方法」

第3条 対象従業員の基本給及び賞与の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労

働者の平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表1の「2」の

とおりとする。

(1)比較対象となる同種の業務に従事する一般の労働者の職種は、「平成○○年○月○日

職発第○○○○○号「労働者派遣法第 30条の4第1項第2号イの同種の業務に従事

する一般の労働者の平均的な賃金の額について(仮称)」」(以下「通達」という。)

に定める「平成○年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)の「プログラマー」

※ 次の①~③の場合には、その理由を労使協定に記載することを求める予定

① 職種ごとに賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計を使い分ける場合

② 職業安定業務統計を用いる場合であって、次のように職業分類を使い分ける場合

・ 「大分類」と「当該大分類内の中分類又は小分類」

・ 「中分類」と「当該中分類内の小分類」

③ 職業安定局長通知で示したデータ以外の他の公式統計又は独自統計を用いる場合

(2)通勤手当については、基本給及び賞与とは分離し、第6条のとおりとする。

(3)地域調整については、就業地が北海道内に限られることから、通達に定める「地域

指数」の「北海道」により調整

第4条 対象従業員の基本給及び賞与は、次の各号に掲げる条件を満たした別表2のとお

りとする。

(R.01.10)

- 51 -

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※ 網掛けは補足

(R.01.10)

㉔ 退職手当:制度有 0円 ・長期勤続を奨励する目的

・退職後の生活を保障する目的

基本給額、勤続年数、離職理由により算定 勤続3年であって、会社都合により退職した場合は、基本給額1か月分の退職手当を支給 勤続年数:1年目

㉕ 住宅手当:制度無 ― ― ―

㉖ 家族手当:制度有 1万円 /月

・労働者の家族を扶養するための生活費を補助する目的

扶養家族の人数を考慮し、扶養家族1人につき1万円を支給(上限3万円) 扶養家族:1人

㉗ ●●●:制度● ― ― ―

※ 個々の待遇に係る制度がある場合には、(1)~(3)の事項を情報提供することが必要であり、当該制度がない場合には、制度がない旨を情報提供することが必要。 制度がない場合には、表形式ではなく、制度がない個々の待遇をまとめて記載するこ

とでも差し支えない。 <制度がない旨の記載例>

●●手当、●●手当、●●手当、●●休暇については、制度がないため、支給等していない。

※ 提供すべき情報が形式的に不足していた場合、虚偽の情報を提供した場合、比較対象労働者の選定が不適切であった場合等については、労働者派遣法第 26 条第7項違反として、派遣先(労働者派遣の役務の提供を受ける者)の勧告及び公表の対象となる場合があるため、正確に情報提供すること。

様式第 26号

労働者派遣法第 30条の4第1項の規定に基づく労使協定(イメージ)

○○人材サービス株式会社と○○人材サービス労働組合は、労働者派遣法第 30条の4第

1項の規定に関し、次のとおり協定する。

(対象となる派遣労働者の範囲)←第 1号「適用される派遣労働者の範囲」+第6号「そ

の他厚生労働省令で定める事項」の一部

第1条 本協定は、派遣先でプログラマーの業務に従事する従業員(以下「対象従業員」

という。)に適用する。

2 対象従業員については、派遣先が変更される頻度が高いことから、中長期的なキャリ

ア形成を行い所得の不安定化を防ぐ等のため、本労使協定の対象とする。

3 ○○人材サービス株式会社は、対象従業員について、一の労働契約の契約期間中に、

特段の事情がない限り、本協定の適用を除外しないものとする。

(賃金の構成)

第2条 対象従業員の賃金は、基本給、賞与、時間外労働手当、深夜・休日労働手当、通

勤手当及び退職手当とする。

(賃金の決定方法) ←第2号イ「賃金の決定方法」

第3条 対象従業員の基本給及び賞与の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労

働者の平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表1の「2」の

とおりとする。

(1)比較対象となる同種の業務に従事する一般の労働者の職種は、「平成○○年○月○日

職発第○○○○○号「労働者派遣法第 30条の4第1項第2号イの同種の業務に従事

する一般の労働者の平均的な賃金の額について(仮称)」」(以下「通達」という。)

に定める「平成○年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)の「プログラマー」

※ 次の①~③の場合には、その理由を労使協定に記載することを求める予定

① 職種ごとに賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計を使い分ける場合

② 職業安定業務統計を用いる場合であって、次のように職業分類を使い分ける場合

・ 「大分類」と「当該大分類内の中分類又は小分類」

・ 「中分類」と「当該中分類内の小分類」

③ 職業安定局長通知で示したデータ以外の他の公式統計又は独自統計を用いる場合

(2)通勤手当については、基本給及び賞与とは分離し、第6条のとおりとする。

(3)地域調整については、就業地が北海道内に限られることから、通達に定める「地域

指数」の「北海道」により調整

第4条 対象従業員の基本給及び賞与は、次の各号に掲げる条件を満たした別表2のとお

りとする。

- 52 -

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様式第 26号

(1)別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上である

こと

(2)別表2の各等級の職務と別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃

金の額との対応関係は次のとおりとすること

Aランク:10年

Bランク:3年

Cランク:0年

※ 職務給において職務の等級と基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値とを対

応させて比較する場合の一例である

2 ○○人材サービス株式会社は、第9条の規定による対象従業員の勤務評価の結果、同

じ職務の内容であったとしても、その経験の蓄積・能力の向上があると認められた場合

には、基本給額の1~3%の範囲で能力手当を支払うこととする。

また、より高い等級の職務を遂行する能力があると認められた場合には、その能力に

応じた派遣就業の機会を提示するように努めるものとする。 ←第2号ロ「職務内容等

の向上があった場合の賃金の改善」

※ 第2号ロ「職務内容等の向上があった場合の賃金の改善」の内容には、上記の他にも様々

な方法が考えられる

第5条 対象従業員の時間外労働手当、深夜・休日労働手当は、社員就業規則第○条に準

じて、法律の定めに従って支給する。

第6条 対象従業員の通勤手当は、通勤に要する実費に相当する額を支給する。

第7条 対象従業員の退職手当の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労働者の

平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表3のとおりとする。

(1)退職手当の受給に必要な最低勤続年数:

通達に定める「平成 28 年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)の「退職一時金

受給のための最低勤続年数」において、最も回答割合の高かったもの(自己都合退

職及び会社都合退職のいずれも3年)

(2)退職時の勤続年数ごと(3年、5年、10年、15年、20年、25年、30年、33年)の

支給月数:

「平成 28年中小企業の賃金・退職金事情」の大学卒の場合の支給率(月数)に、同

調査において退職手当制度があると回答した企業の割合をかけた数値として通達に

定めるもの

第8条 対象従業員の退職手当は、次の各号に掲げる条件を満たした別表4のとおりとす

る。ただし、退職手当制度を開始した平成○年以前の勤続年数の取扱いについては、

労使で協議して別途定める。

(1)別表3に示したものと比べて、退職手当の受給に必要な最低勤続年数が同年数以下

であること

様式第 26号

(2)別表3に示したものと比べて、退職時の勤続年数ごとの退職手当の支給月数が同月

数以上であること

(賃金の決定に当たっての評価) ←第3号「賃金の決定に当たっての評価」

第9条 賞与の決定は、半期ごとに行う勤務評価を活用する。勤務評価の方法は社員就業

規則第○条に定める方法を準用し、その評価結果に基づき、別表2の備考1のとお

り、賞与額を決定する。

(賃金以外の待遇) ←第4号「賃金以外の待遇」

第 10条 教育訓練(次条に定めるものを除く。)、福利厚生その他の賃金以外の待遇につい

ては正社員と同一とし、社員就業規則第○条から第○条までの規定を準用する。

(教育訓練) ←第5号「教育訓練」

第 11 条 労働者派遣法第 30 条の2に規定する教育訓練については、労働者派遣法に基づ

き別途定める「○○社教育訓練実施計画」に従って、着実に実施する。

(その他)

第 12条 本協定に定めのない事項については、別途、労使で誠実に協議する。

(有効期間) ←第6号「その他厚生労働省令で定める事項」

第 13条 本協定の有効期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までの○年間とす

る。

平成○年 ○月○日

○○人材サービス株式会社 取締役人事部長 ○○○○ 印

○○人材サービス労働組合 執行委員長 ○○○○ 印

- 53 -

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様式第 26号

(1)別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額以上である

こと

(2)別表2の各等級の職務と別表1の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃

金の額との対応関係は次のとおりとすること

Aランク:10年

Bランク:3年

Cランク:0年

※ 職務給において職務の等級と基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値とを対

応させて比較する場合の一例である

2 ○○人材サービス株式会社は、第9条の規定による対象従業員の勤務評価の結果、同

じ職務の内容であったとしても、その経験の蓄積・能力の向上があると認められた場合

には、基本給額の1~3%の範囲で能力手当を支払うこととする。

また、より高い等級の職務を遂行する能力があると認められた場合には、その能力に

応じた派遣就業の機会を提示するように努めるものとする。 ←第2号ロ「職務内容等

の向上があった場合の賃金の改善」

※ 第2号ロ「職務内容等の向上があった場合の賃金の改善」の内容には、上記の他にも様々

な方法が考えられる

第5条 対象従業員の時間外労働手当、深夜・休日労働手当は、社員就業規則第○条に準

じて、法律の定めに従って支給する。

第6条 対象従業員の通勤手当は、通勤に要する実費に相当する額を支給する。

第7条 対象従業員の退職手当の比較対象となる「同種の業務に従事する一般の労働者の

平均的な賃金の額」は、次の各号に掲げる条件を満たした別表3のとおりとする。

(1)退職手当の受給に必要な最低勤続年数:

通達に定める「平成 28 年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)の「退職一時金

受給のための最低勤続年数」において、最も回答割合の高かったもの(自己都合退

職及び会社都合退職のいずれも3年)

(2)退職時の勤続年数ごと(3年、5年、10年、15年、20年、25年、30年、33年)の

支給月数:

「平成 28年中小企業の賃金・退職金事情」の大学卒の場合の支給率(月数)に、同

調査において退職手当制度があると回答した企業の割合をかけた数値として通達に

定めるもの

第8条 対象従業員の退職手当は、次の各号に掲げる条件を満たした別表4のとおりとす

る。ただし、退職手当制度を開始した平成○年以前の勤続年数の取扱いについては、

労使で協議して別途定める。

(1)別表3に示したものと比べて、退職手当の受給に必要な最低勤続年数が同年数以下

であること

様式第 26号

(2)別表3に示したものと比べて、退職時の勤続年数ごとの退職手当の支給月数が同月

数以上であること

(賃金の決定に当たっての評価) ←第3号「賃金の決定に当たっての評価」

第9条 賞与の決定は、半期ごとに行う勤務評価を活用する。勤務評価の方法は社員就業

規則第○条に定める方法を準用し、その評価結果に基づき、別表2の備考1のとお

り、賞与額を決定する。

(賃金以外の待遇) ←第4号「賃金以外の待遇」

第 10条 教育訓練(次条に定めるものを除く。)、福利厚生その他の賃金以外の待遇につい

ては正社員と同一とし、社員就業規則第○条から第○条までの規定を準用する。

(教育訓練) ←第5号「教育訓練」

第 11 条 労働者派遣法第 30 条の2に規定する教育訓練については、労働者派遣法に基づ

き別途定める「○○社教育訓練実施計画」に従って、着実に実施する。

(その他)

第 12条 本協定に定めのない事項については、別途、労使で誠実に協議する。

(有効期間) ←第6号「その他厚生労働省令で定める事項」

第 13条 本協定の有効期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までの○年間とす

る。

平成○年 ○月○日

○○人材サービス株式会社 取締役人事部長 ○○○○ 印

○○人材サービス労働組合 執行委員長 ○○○○ 印

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様式第 26号

別表1 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額

(基本給及び賞与の関係)

基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値

0年 1年 2年 3年 5年 10年 20年

プ ロ

グ ラ

マ ー

※1

通 達 に 定

め る 賃 金

構 造 基 本

統計調査

1,160 1,349 1,449 1,538 1,632 1,885 2,339

地 域

調 整

※2

(北海道)

91.7 1,064 1,237 1,329 1,410 1,497 1,729 2,145

記入上の注意

※1 賃金構造基本統計調査又は職業安定業務統計の対応する職種について、基準値及び基準値に能

力・経験調整指数を乗じた値別の数値を記載

※2 派遣先事業所の所在する場所に応じて、通達に定める地域指数を乗じた数値を記載

様式第 26号

別表2 対象従業員の基本給及び賞与の額

等級 職務の内容

基本給

(※1)

賞与額

(※2)

合計額

(※4)

対応する一

般の労働者

の平均的な

賃金の額

(※3)

対応する

一般の労

働者の能

力・経験

Aランク

上級プログラマー

(AI関係等高度

なプログラム言語

を用いた開発)

1,600~ 320 1,920 1,729 10年

Bランク

中級プログラマー

(Webアプリ作成

等の中程度の難易

度の開発)

1,250~ 250 1,500

1,410 3年

Cランク

初級プログラマー

(Excelのマクロ

等、簡易なプログ

ラム言語を用いた

開発)

1,000~ 200 1,200 1,064 0年

(備考)

1 賞与については、半期ごとの勤務評価の結果により、A評価(標準より優秀)

であれば基本給額の 25%相当、B評価(標準)であれば基本給額の 20%相当、

C評価(標準より物足りない)であれば基本給額の 15%相当を支給する。

2 未だ勤務評価を実施していない対象従業員については、C評価(標準より物足

りない)とみなして支給する。

3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と比較するに当たっ

ては、賞与額は標準的な評価であるB評価の場合の額によることとする。

- 55 -

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様式第 26号

別表1 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額

(基本給及び賞与の関係)

基準値及び基準値に能力・経験調整指数を乗じた値

0年 1年 2年 3年 5年 10年 20年

プ ロ

グ ラ

マ ー

※1

通 達 に 定

め る 賃 金

構 造 基 本

統計調査

1,160 1,349 1,449 1,538 1,632 1,885 2,339

地 域

調 整

※2

(北海道)

91.7 1,064 1,237 1,329 1,410 1,497 1,729 2,145

記入上の注意

※1 賃金構造基本統計調査又は職業安定業務統計の対応する職種について、基準値及び基準値に能

力・経験調整指数を乗じた値別の数値を記載

※2 派遣先事業所の所在する場所に応じて、通達に定める地域指数を乗じた数値を記載

様式第 26号

別表2 対象従業員の基本給及び賞与の額

等級 職務の内容

基本給

(※1)

賞与額

(※2)

合計額

(※4)

対応する一

般の労働者

の平均的な

賃金の額

(※3)

対応する

一般の労

働者の能

力・経験

Aランク

上級プログラマー

(AI関係等高度

なプログラム言語

を用いた開発)

1,600~ 320 1,920 1,729 10年

Bランク

中級プログラマー

(Webアプリ作成

等の中程度の難易

度の開発)

1,250~ 250 1,500

1,410 3年

Cランク

初級プログラマー

(Excelのマクロ

等、簡易なプログ

ラム言語を用いた

開発)

1,000~ 200 1,200 1,064 0年

(備考)

1 賞与については、半期ごとの勤務評価の結果により、A評価(標準より優秀)

であれば基本給額の 25%相当、B評価(標準)であれば基本給額の 20%相当、

C評価(標準より物足りない)であれば基本給額の 15%相当を支給する。

2 未だ勤務評価を実施していない対象従業員については、C評価(標準より物足

りない)とみなして支給する。

3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と比較するに当たっ

ては、賞与額は標準的な評価であるB評価の場合の額によることとする。

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様式第 26号

※ 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2と別表4に定め

る賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額

以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

記入上の注意

※1 派遣労働者の基本給及び各種手当(賞与、超過勤務手当、通勤手当(分離して比較する場合)

及び退職手当を除く)の合計を時給換算したものを記載。勤務評価の結果、その経験の蓄積・能

力の向上があると認められた場合には、1~3%の範囲で能力手当を加算

※2 賞与額は半期ごとの支給であったとしても時給換算したものを記載

※3 それぞれの等級の職務の内容が何年の能力・経験に相当するかの対応関係を労使で定め、それ

に応じた同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額を記載

※4 基本給額と賞与額の合計額を記載。この合計額が対応する同種の業務に従事する一般の労働者

の平均的な賃金の額と同額以上になっていることを確認

様式第 26号

別表3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額(退職手当の関係)

勤続年数 3年 5年 10年 15年 20年 25年 30年 33年

支給率

(月数)

自己都合

退職 0.8 1.3 2.9 5.0 7.2 10.1 12.4 14.0

会社都合

退職 1.2 1.8 3.8 6.2 8.7 11.6 14.1 15.7

(資料出所)「平成 28 年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)における退職金の支給率

(モデル退職金・大学卒)に、同調査において退職手当制度があると回答した企業の割

合をかけた数値として通達で定めたもの

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様式第 26号

※ 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2と別表4に定め

る賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額

以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

記入上の注意

※1 派遣労働者の基本給及び各種手当(賞与、超過勤務手当、通勤手当(分離して比較する場合)

及び退職手当を除く)の合計を時給換算したものを記載。勤務評価の結果、その経験の蓄積・能

力の向上があると認められた場合には、1~3%の範囲で能力手当を加算

※2 賞与額は半期ごとの支給であったとしても時給換算したものを記載

※3 それぞれの等級の職務の内容が何年の能力・経験に相当するかの対応関係を労使で定め、それ

に応じた同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額を記載

※4 基本給額と賞与額の合計額を記載。この合計額が対応する同種の業務に従事する一般の労働者

の平均的な賃金の額と同額以上になっていることを確認

様式第 26号

別表3 同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額(退職手当の関係)

勤続年数 3年 5年 10年 15年 20年 25年 30年 33年

支給率

(月数)

自己都合

退職 0.8 1.3 2.9 5.0 7.2 10.1 12.4 14.0

会社都合

退職 1.2 1.8 3.8 6.2 8.7 11.6 14.1 15.7

(資料出所)「平成 28 年中小企業の賃金・退職金事情」(東京都)における退職金の支給率

(モデル退職金・大学卒)に、同調査において退職手当制度があると回答した企業の割

合をかけた数値として通達で定めたもの

- 58 -

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様式第 26号

別表4 対象従業員の退職手当の額

勤続年数

3年

以上

5年

未満

5年

以上

10年

未満

10年

以上

15年

未満

15年以上

25年未満

25年以上

35年未満

支給月数

自己都合

退職 1.0 3.0 7.0 10.0 15.0

会社都合

退職 2.0 5.0 9.0 12.0 17.0

別表3(再掲)

勤続年数 3年 5年 10年 15年 20年 25年 30年 33年

支給率

(月数)

自己都合

退職 0.8 1.3 2.9 5.0 7.2 10.1 12.4 14.0

会社都合

退職 1.2 1.8 3.8 6.2 8.7 11.6 14.1 15.7

(備考)

1 退職手当については、退職時の基本給額に退職手当の支給月数を乗じて得た額を支

給する。

2 退職手当の受給に必要な最低勤続年数は3年とし、退職時の勤続年数が3年未満の

場合は支給しない。

※ 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2と別表4に定め

る賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額

以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

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様式第 26号

別表4 対象従業員の退職手当の額

勤続年数

3年

以上

5年

未満

5年

以上

10年

未満

10年

以上

15年

未満

15年以上

25年未満

25年以上

35年未満

支給月数

自己都合

退職 1.0 3.0 7.0 10.0 15.0

会社都合

退職 2.0 5.0 9.0 12.0 17.0

別表3(再掲)

勤続年数 3年 5年 10年 15年 20年 25年 30年 33年

支給率

(月数)

自己都合

退職 0.8 1.3 2.9 5.0 7.2 10.1 12.4 14.0

会社都合

退職 1.2 1.8 3.8 6.2 8.7 11.6 14.1 15.7

(備考)

1 退職手当については、退職時の基本給額に退職手当の支給月数を乗じて得た額を支

給する。

2 退職手当の受給に必要な最低勤続年数は3年とし、退職時の勤続年数が3年未満の

場合は支給しない。

※ 協定締結後に厚労省が公表する賃金データが改訂された場合、別表2と別表4に定め

る賃金の額は、改訂後の同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額と同額

以上であることを確認した旨の書面を添付すること。

(令和2年4月1日以降対応版)

令和 2年   3月   16日

(TEL:06-●●●●-●●●● )

(名称)

(住所) (TEL:072-●●●●-●●●●)

堺営業所 営業第二課 (職長) 営業第二課長

  ①9 : 00    ~   17 : 00

  ②10 : 00   ~   18 : 00

 (TEL:06-●●●●-●●●●)

 (TEL:06-●●●●-●●●●)

近畿スタッフ株式会社(派遣先)と株式会社厚労商事(派遣元)は、次のとおり労働者派遣契約を締結する。

派遣先事業所所在地

大阪オフィス 支店長 ◎◎ ◎◎

(1)労働者派遣契約の解除の事前の申入れ 派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、労働者派遣契約が満了する前に解除を行おうとする場合には、派遣元の同意を得ることはもとより、あらかじめ相当期間の猶予期間をもって派遣元に解除の申入れを行うこととする。(2)就業機会の確保 派遣元事業主及び派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由によらない労働者派遣契約の解除を行った場合には、派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとする。(3)損害賠償等に係る適切な措置 派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合は、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、これができないときには、少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い派遣元事業主が当該労働者派遣契約に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を行わなければならないこととする。例えば、派遣元事業主が当該派遣労働者を休業させる場合は休業手当に相当する額以上の額について、派遣元事業主がやむを得ない事由により当該派遣労働者を解雇する場合は、派遣先による解除の申入れが相当の猶予期間をもって行われなかったことにより派遣元事業主が解雇の予告をしないときは30日分以上、当該予告をした日から解雇までの期間が30日に満たないときは当該解雇の日の30日前の日から当該予告の日までの日数分以上の賃金に相当する額以上の額について損害の賠償を行わなければならないこととする。その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずることとする。また、派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮することとする。(4)派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合であって、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行った理由を派遣元事業主に対し明らかにすることとする。

苦情処理

指揮命令者

労働者派遣契約書

パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、会議用資料等の作成業務

月・水・金(国民の祝日および派遣先休業日(8月12日~15日及び12月29日~1月3日)を除く)

 派遣先及び派遣元は、労働者派遣法第44条から第47条の3までの規定により課された各法令を遵守し、自己に課された法令上の責任を負う。なお、派遣就業中の安全及び衛生については、派遣先の安全衛生に関する規定を適用することとし、その他については、派遣元の安全衛生に関する規定を適用する。

(1)苦情の申し出を受ける者派遣元: 大阪オフィス 派遣事業運営係主任 ○○ ○○  (TEL:06-●●●●-●●●●)派遣先: 関西支社   支社長          △△ △△  (TEL:06-●●●●-●●●●)

(2)苦情処理の方法、連携体制①派遣元における(1)記載の者が苦情の申出を受けたときは、ただちに派遣元責任者の◎◎ ◎◎へ連絡することとし、当該派遣元責任者が中心となって、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果については必ず派遣労働者に通知することとする。②派遣先における(1)記載の者が苦情の申出を受けたときは、ただちに派遣先責任者の△△ △△へ連絡することとし、当該派遣元責任者が中心となって、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果については必ず派遣労働者に通知することとする。③派遣先及び派遣元は、自らでその解決が容易であり、即時に処理した苦情の他は、相互に遅滞なく通知するとともに、密接に連絡調整を行いつつ、その解決を図ることとする。

株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所

〒590-0078  堺市堺区南瓦町●-●

〒540-8527  大阪市中央区大手前●-●-●

業務に伴う責任の程度

令和  2年  4月  1日   ~   令和  2年 12月 31日

株式会社 厚労商事 関西支社

営業第二課販売促進係長 □□ □□

業務内容

派遣先事業所名称

令第4条第1項各号の業務に該当する場合

(令第4条第1項第3号 事務用機器操作に該当)

休憩時間    12 : 00   ~  13 : 00  ( 60 分)

役職無し。稟議文書に関する決裁権限無し。部下0名。

組織単位(職長)

関西支社   支社長 △△ △△

契約の解除に当たって講ずる雇用の安定を図るための措置

派遣元責任者

派遣期間

就業日

安全及び衛生

就業時間(※)

就業場所

派遣先責任者

就業時間外労働

就業日外労働

1日4時間、1カ月45時間、1年360時間の範囲で命じることができるものとする。

1カ月に4日の範囲で命じることができるものとする。

 派遣先は、派遣先の労働者に対して利用の機会を与える診療所については、本契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるように配慮しなければならないこととする。

(職業紹介許可ありの場合) 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用することを希望する場合には、派遣先は派遣元へその旨を通知することとし、派遣元が職業紹介を行うこととする。職業紹介により当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合の手数料として、派遣先は派遣元に対して、支払われた賃金額の■%に相当する額を支払うものとする。(職業紹介許可なしの場合) 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用することを希望する場合には、派遣先は派遣元へその旨を通知することとする。なお、派遣元は職業紹介事業の許可を受けてないことから、当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合においても、派遣先は派遣元に対して手数料を支払わないものとする。

便宜供与

紛争防止措置

(R.01.10)

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就業時間①1人 ②1人 許可番号

(派遣先) (派遣元)

紹介予定派遣に関する事項

(1) 派遣先が雇用する場合に予定される労働条件等   雇用期間          期間の定めなし   業務内容          パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、                   会議用資料等の作成業務   試用期間に関する事項 なし   就業場所          株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所                   (〒590-0078  堺市堺区南瓦町●-●)   始業・終業         始業:9時    終業:18時   休憩時間          60分   所定時間外労働     有(1日4時間、1カ月45時間、1年360時間の範囲内)   休日             毎週土、日、国民の祝日、夏季休業(8月12日~15日)年末年始(12月29日~1月3日)   休暇             年次有給休暇:10日(6箇月勤続勤務後)                   その他:有給(慶弔休暇)   賃金             基本賃金 月給200,000~250,000円(毎月15日締切、毎月20日支払)                   通勤手当:通勤定期券代の実費相当(上限月額35,000円)                   所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率                   ・所定時間外:法定超 25%、休日:法定休日 35%、深夜:25%                   昇給:有(0~3,000円/月)  賞与:有(年2回、計1箇月分)   社会保険の加入状況  厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険  有   労働者を雇用しようとする者の名称  株式会社厚労商事

(2)その他  ・ 派遣先は、職業紹介を受けることを希望しなかった又は職業紹介を受けた者を雇用しなかった場合には、その理由を、    派遣元事業主に対して書面により明示する。  ・ 紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合には、年次有給休暇及び退職金の取扱いについて、労働者派遣の期間を    勤務期間に含めて算入することとする。

  派●●-●●●●●●

近畿スタッフ株式会社 大阪オフィス

〒530-0001   大阪市北区梅田●-●-●

協定対象派遣労働者に限定するか否かの別(  ) 協定対象派遣労働者に限定する(○) 協定対象派遣労働者に限定しない

株式会社厚労商事 関西支社

〒540-8527   大阪市中央区大手前●-●-●

派遣人数

無期雇用派遣労働者又は60歳以上の者に限定するか否かの別

(  ) 無期雇用派遣労働者に限定する(  ) 60歳以上の者に限定する(○) 上記のいずれにも限定しない

(※)就業時間について、シフトにより日々の就業時間が9:00~17:00と10:00~18:00のどちらかとなる

場合は「シフトによる」と付記し、シフトを添付してください。

(R.01.10)

(R.01.10)

- 61 -

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(令和2年4月1日以降対応版)

令和   2年   3月  20日

(TEL:06-●●●●-●●●●)

(名称)

(所在地) (TEL:072-●●●-●●●●)

(職長) 営業第二課長

 個人単位抵触日 令和  5年  4月  1日

休憩時間  12  :  00  ~   13  :  00  ( 60 分)

 (TEL:06-●●●●-●●●●)

 (TEL:06-●●●●-●●●●)

雇用保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

健康保険 有 ・ 無 無の具体的な理由1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

厚生年金保険 有 ・ 無 無の具体的な理由1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

令第4条第1項各号の業務に該当する場合

(令第4条第1項第3号 事務用機器操作に該当)

派遣料金額

就業時間外労働

就業日外労働

便宜供与

紛争防止措置

被保険者資格取得届の提出の有無提出がない場合の具体的な理由

安全及び衛生

苦情処理

契約の解除に当たって講ずる雇用の安定を図るための措置

派遣元責任者

派遣先責任者

派遣期間

事業所単位抵触日

労働契約申込みみなし制度について

就業日

就業時間

就業条件明示書

パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、会議用資料等の作成業務

株式会社 厚労商事 関西支社

営業第二課販売促進係長 □□ □□

〒540-8527  大阪市中央区大手前●-●-●

〒590-0078  堺市堺区南瓦町●-●

株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所

堺営業所 営業第二課

 次の条件で労働者派遣を行います。

業務内容

派遣先事業所名称

派遣先事業所所在地

組織単位(職長)

指揮命令者

業務に伴う責任の程度 役職無し。稟議文書に関する決裁権限無し。部下0名。

1カ月に4日の範囲で命じることができるものとする。

就業場所

令和  2年  4月  1日     ~     令和  2年  7月 31日

 ( 1日あたり  ・  1時間あたり )              11,906円 ( 当該契約  ・  事業所平均 )

 派遣先は、派遣先の労働者に対して利用の機会を与える給食施設、休憩室及び更衣室については、本契約書に基づく労働者派遣に係る派遣労働者に対しても、利用の機会を与えるよう配慮しなければならないこととする。

(職業紹介許可ありの場合) 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用することを希望する場合には、派遣先は派遣元へその旨を通知することとし、派遣元が職業紹介を行うこととする。職業紹介により当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合の手数料として、派遣先は派遣元に対して、支払われた賃金額の■%に相当する額を支払うものとする。(職業紹介許可なしの場合) 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用することを希望する場合には、派遣先は派遣元へその旨を通知することとする。なお、派遣元は職業紹介事業の許可を受けてないことから、当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合においても、派遣先は派遣元に対して手数料を支払わないものとする。

 派遣先の事業所における期間制限の抵触日は延長されることがあるが、個人単位の期間制限の抵触日は延長されることはない。 なお、派遣先が派遣先の事業所における期間制限の延長について、当該手続きを適正に行っていない場合や派遣労働者個人単位の期間制限の抵触日を超えて派遣労働者の受入れを行った場合は、労働契約申込みみなし制度の対象となる。

月・水・金(国民の祝日および派遣先休業日(8月12日~15日及び12月29日~1月3日)を除く)

 派遣先及び派遣元は、労働者派遣法第44条から第47条の3までの規定により課された各法令を遵守し、自己に課された法令上の責任を負う。なお、派遣就業中の安全及び衛生については、派遣先の安全衛生に関する規定を適用することとし、その他については、派遣元の安全衛生に関する規定を適用する。

(1)苦情の申し出を受ける者派遣元: 大阪オフィス 派遣事業運営係主任 ○○ ○○     (TEL:06-●●●●-●●●●)派遣先: 関西支社   支社長           △△ △△     (TEL:06-●●●●-●●●●)(2)苦情処理の方法、連携体制①派遣元における(1)記載の者が苦情の申出を受けたときは、ただちに派遣元責任者の◎◎ ◎◎へ連絡することとし、当該派遣元責任者が中心となって、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果については必ず派遣労働者に通知することとする。②派遣先における(1)記載の者が苦情の申出を受けたときは、ただちに派遣先責任者の△△ △△へ連絡することとし、当該派遣元責任者が中心となって、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切迅速な処理を図ることとし、その結果については必ず派遣労働者に通知することとする。③派遣先及び派遣元は、自らでその解決が容易であり、即時に処理した苦情の他は、相互に遅滞なく通知するとともに、密接に連絡調整を行いつつ、その解決を図ることとする。

 派遣元事業主は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該労働者派遣契約に係る派遣先と連携して、当該派遣先からその関連会社での就業のあっせんを受けること、当該派遣元事業主において他の派遣先を確保すること等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとする。また、当該派遣元事業主は、当該労働者派遣契約の解除に当たって、新たな就業機会の確保ができない場合は、まず休業等を行い、当該派遣労働者の雇用の維持を図るようにするとともに、休業手当の支払の労働基準法等に基づく責任を果たすこととする。さらに、やむを得ない事由によりこれができない場合において、当該派遣労働者を解雇しようとするときであっても、労働契約法の規定を遵守することはもとより、少なくとも30日前に予告することとし、30日前に予告しないときは労働基準法第20条第1項に基づく解雇予告手当を支払うこと、休業させる場合には労働基準法第26条に基づく休業手当を支払うこと等、雇用主に係る労働基準法等の責任を負うこととする。

1日4時間、1カ月45時間、1年360時間の範囲で命じることができるものとする。

大阪オフィス 支店長 ◎◎ ◎◎

関西支社   支社長 △△ △△

令和  5年  4月  1日

 9  :  00    ~   17  :  00

(R.01.10)

(R.01.10)

- 62 -

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労使協定の有効期間の終期(左記対象となる場合のみ)

令和 4 年 3 月 31 日

(派遣労働者) 労働 花子 (派遣元) 近畿スタッフ株式会社 大阪オフィス

〒530-0001大阪市北区梅田●-●-●TEL:06-●●●●-●●●●

紹介予定派遣に関する事項

(1) 派遣先が雇用する場合に予定される労働条件等   雇用期間          期間の定めなし   業務内容          パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、                   会議用資料等の作成業務   試用期間に関する事項 なし   就業場所          株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所                   (〒590-0078  堺市堺区南瓦町●-●)   始業・終業         始業:9時    終業:18時   休憩時間          60分   所定時間外労働     有(1日4時間、1カ月45時間、1年360時間の範囲内)   休日             毎週土、日、国民の祝日、夏季休業(8月12日~15日)年末年始(12月29日~1月3日)   休暇             年次有給休暇:10日(6箇月勤続勤務後)                   その他:有給(慶弔休暇)   賃金             基本賃金 月給200,000~250,000円(毎月15日締切、毎月20日支払)                   通勤手当:通勤定期券代の実費相当(上限月額35,000円)                   所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率                   ・所定時間外:法定超 25%、休日:法定休日 35%、深夜:25%                   昇給:有(0~3,000円/月)  賞与:有(年2回、計1箇月分)   社会保険の加入状況  厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険  有   労働者を雇用しようとする者の名称  株式会社厚労商事

(2)その他  ・ 派遣先は、職業紹介を受けることを希望しなかった又は職業紹介を受けた者を雇用しなかった場合には、その理由を、    派遣元事業主に対して書面により明示する。  ・ 紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合には、年次有給休暇及び退職金の取扱いについて、労働者派遣の期間を    勤務期間に含めて算入することとする。

        有 ・ 無     業績に基づき支給されない可能性あり

対象となる ・ 対象とならない

賞与の有無

労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か

退職手当の有無         有 ・ 無     勤続年数に基づき支給されない可能性あり

賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く。)の決定等に関する事項

能力・経験、勤続年数を考慮。能力・経験:エクセル、パワーポイントによる資料作成、会計処理勤続年数:1~2年目

休暇に関する事項

昇給の有無         有 ・ 無     業績に基づき実施されない可能性あり

慶弔休暇:勤続年数を考慮(勤続年数1年以上の者に一律10日/年付与健康診断に伴う勤務免除及び有給:制度無病気休暇:無法定外の休暇(慶弔休暇を除く):制度無

「賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く。)の決定等に関する事項」、「休暇に関する事項」、「昇給

の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」、「労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か」「労使協定

の有効期間の終期(左記対象となる場合のみ)」の項目については、改正法第31条の2第3項第1号、同法施

行規則第25条の20により定められる、労働者派遣をしようとする時に明示すべき労働条件です。

(R.01.10)

(R.01.10)

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(令和2年4月1日以降対応版)

令和 2年 3月26日

派遣労働者氏名 性別 女

協定対象派遣労働者であるか否かの別

雇用期間

年齢□18歳未満  (     歳)

□18歳以上  45歳未満

☑45歳以上  60歳未満

□60歳以上

就業日

就業時間 休憩時間

その他

派遣期間

就業日

就業時間

休憩時間

就業日外労働

就業時間外労働

その他(           )

その他(           )

その他(           )

有 ・ 無

無の場合の具体的な理由

派遣先通知

令和 2年 3月16日に締結した労働者派遣契約に基づき次の者を派遣します。

労働 花子

協定対象派遣労働者である (労使協定方式)  ・  協定対象派遣労働者でない (派遣先均等・均衡方式)

無期雇用     ・     有期雇用

健康保険 有 ・ 無

無の場合の具体的な理由

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

厚生年金保険 有 ・ 無

無の場合の具体的な理由

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

 上記の派遣労働者が、貴社を離職して1年を経過していない者(60歳以上の定年退職者は除きます。)である場合は、早急に弊社までお知らせください。

↓以下は当てはまる場合のみ記載

派遣契約で定めた内容の組み合わせが複数ある場合の通知事項

9:00 ~ 17:00

被保険者資格取得届の提出の有無

提出がない場合の具体的な理由

雇用保険

派遣契約で定めた内容と派遣労働者に明示した内容が異なる場合の明示内容についての通知

令和 2年 4月 1日  ~  令和 2年 7月31日

:      ~      :

:      ~      :      (        分)

(R.01.10)

(R.01.10)

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(記載例) 網掛け部分は注意事項

(R.01.10)

令和2年3月22日

(派遣元)

近畿スタッフ株式会社 御中

(派遣先)

株式会社 厚労商事

総務部長 厚労 花子

労働者派遣法第40条の9第2項に基づく通知書

令和2年3月21日付けの「派遣先通知」により貴社から通知された派遣労

働者 大阪 次郎 は当社を離職した者であり、派遣受入開始日において、当

該離職の日から起算して 1年を経過していないことを通知します。

※当該派遣労働者が 60歳以上の定年退職者である場合には、通知の必要はありません。

(R.01.10)

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雇用保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

健康保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

厚生年金保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

(名称)

(所在地)

(名称)

(所在地)

(長の職名)

採否結果

有期プロジェクト業務 □ 該当する

日数限定業務 □ 該当する

育児休業等の代替業務

介護休業等の代替業務

就業日外労働

就業時間外労働

就業日

就業時間

派遣元責任者

派遣先責任者

紹介予定派遣に関する事項

■ 該当する

職業紹介の時期及び内容

求人者・求職者共に令和2年7月20日に口頭で紹介の意思を確認。採用後の労働条件は令和2年3月16日付の労働者派遣契約締結時に定めた内容から変更なし。

採用

休業労働者氏名(          )   業務(                )休業開始日(             )~休業終了予定日(              )

当該業務が派遣先において1箇月間に行われる日数(              )当該派遣先の通常の労働者の1箇月間の所定労働日数(            )期間制限のない労働者

派遣に該当する場合

関西支社 支社長 △△ △△ (TEL:06-●●●●-●●●●)

派遣先が職業紹介を希望しなかった場合又は紹介後雇用しなかった場合、その理由

 9 :00   ~   17:00 就業状況 別紙タイムシートによる

派遣先事業所

派遣労働者氏名

雇用期間

60歳以上の派遣労働者であるか否かの別

派遣先名

協定対象派遣労働者であるか否かの別

協定対象派遣労働者である (労使協定方式)      ・      協定対象派遣労働者でない(派遣先均等・均衡方式)

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

被保険者資格取得届の提出の有無提出がない場合の具体的な理由

株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所

営業第二課長堺営業所 営業第二課組織単位(長の職名)

業務内容

派遣期間

業務に伴う責任の程度

令第4条第1項各号の業務に該当する場合

(令第4条第1項第3号 事務用機器操作に該当。)

休業労働者氏名(          )   業務(                )休業開始日(             )~休業終了予定日(              )

(令和2年4月1日以降対応版)

パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、会議用資料等の作成業務。

月・水・金(国民の祝日および派遣先休業日(8月12日~15日及び12月29日~1月3日)を除く)

大阪オフィス 支店長 ◎◎ ◎◎ (TEL:06-●●●●-●●●●)

役職無し。稟議文書に関する決裁権限無し。部下0名。

上記就業日以外の日の労働は1箇月に4日の範囲で命ずることができるものとする。

上記就業時間外の労働は1日4時間、1箇月45時間、1年360時間の範囲で命ずることができるものとする。

株式会社 厚労商事 関西支社

(TEL:06-●●●●-●●●●)

派遣元管理台帳

無期雇用 ・ 有期雇用 ( 労働契約期間 : 令和 2年 4月 1日 ~ 令和 2年 7月31日 )

労働 花子

60歳以上   ・   60歳未満

株式会社 厚労商事           ※(法人の場合は法人名称、個人事業主の場合は代表者氏名を記入)

就業場所

(TEL:072-●●●-●●●●)

令和 2年 4月 1日  ~   令和 2年 7月31日

〒540-8527 大阪市中央区大手前●-●-●

〒590-0078 堺市堺区南瓦町●-●

(R.01.10)

(R.01.10)

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  令和 2年 4月10日  15:00 ~ 17:00

  令和  年  月  日    :   ~   :

  令和  年  月  日    :   ~   :

(令和2年4月1日以降対応版)

派遣元管理台帳【続紙】

派遣労働者氏名 労働 花子

苦情を受けた日 苦情内容、処理状況

苦情の処理状況

教育訓練実施日時 教育訓練の内容

 令和 2年 4月 2日

令和  年  月   日

令和  年  月   日

派遣先において社員食堂の利用に関しての便宜が図られていないとの苦情。法の趣旨を説明し、以後、派遣先の他の労働者と同様に、派遣先の施設が利用できるよう申入れ。

教育訓練

キャリアコンサルティング実施日 キャリアコンサルティングの内容

キャリアコンサルタントによる能力の棚卸しの実施

キャリアコンサルティング

前回の能力の棚卸しに基づく今後のキャリアパスについて相談

令和 2年 4月16日

令和 2年 4月26日

令和  年  月  日

エクセル・パワーポイントによる資料作成のための研修

雇用安定措置の内容

1 派遣先への直接雇用の依頼

2 新たな派遣先の提供

3 期間を定めない雇用の機会の確保

4 その他の雇用の安定を図るために必要な措置

(R.01.10)

(R.01.10)

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雇用保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

健康保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

厚生年金保険 有 ・ 無 無の具体的な理由

(名称)

(所在地)

(名称)

(所在地)

(名称)

(所在地)

(長の職名)

採否結果 採用

有期プロジェクト業務

□ 該当する

日数限定業務 □ 該当する

育児休業等の代替業務

介護休業等の代替業務

派遣先責任者

大阪オフィス 支店長 ◎◎ ◎◎ (TEL:06-●●●●-●●●●)

当該業務が派遣先において1箇月間に行われる日数(              )当該派遣先の通常の労働者の1箇月間の所定労働日数(            )

休業労働者氏名(          )   業務(                )休業開始日(             )~休業終了予定日(              )

休業労働者氏名(          )   業務(                )休業開始日(             )~休業終了予定日(              )

紹介予定派遣に関する事項

■ 該当する

派遣労働者を特定することを目的に行った行為の内容および特定の基準

派遣先が職業紹介を希望しなかった場合又は紹介後雇用しなかった場合、その理由

期間制限のない労働者派遣に該当する場合

(令和2年4月1日以降対応版)

関西支社 支社長 △△ △△ (TEL:06-●●●●-●●●●)

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であるため

役職無し。稟議文書に関する決裁権限無し。部下0名。

(TEL:06-●●●●-●●●●)

派遣先管理台帳

労働 花子

営業第二課長

業務内容 パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、会議用資料等の作成業務。

令第4条第1項各号の業務に該当する場合

(令第4条第1項第3号 事務用機器操作に該当。)

派遣労働者氏名

組織単位(長の職名)

派遣元責任者

雇用期間

60歳以上の派遣労働者であるか否かの別

派遣元事業主名

協定対象派遣労働者か否かの別

被保険者資格取得届の提出の有無提出がない場合の具体的な理由

業務に伴う責任の程度

派遣先事業所

派遣元事業所

就業場所

協定対象派遣労働者である (労使協定方式)    ・    協定対象派遣労働者でない (派遣先均等・均衡方式)

株式会社 厚労商事 関西支社

〒540-8527 大阪市中央区大手前●-●-●

堺営業所 営業第二課

無期雇用   ・   有期雇用

60歳以上   ・   60歳未満

近畿スタッフ株式会社  ※(法人の場合は法人名称、個人事業主の場合は代表者氏名を記入)

近畿スタッフ株式会社 大阪オフィス

〒530-0001 大阪市北区梅田●-●-● (TEL:06-●●●●-●●●●)

株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所

〒590-0078 堺市堺区南瓦町●-● (TEL:072-●●●-●●●●)

(R.01.10)

(R.01.10)

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  令和 2年 4月13日  13:00 ~ 15:00

  令和  年  月  日    :   ~   :

  令和  年  月  日    :   ~   :

教育訓練

労働 花子

教育訓練実施日時 教育訓練の内容

苦情の処理状況

同一部署内の男性労働者が、顔を合わせると必ず容姿や身体に関して言及すると苦情。当該部署内にセクシュアルハラスメント防止に関する啓発用資料を配付し、説明を行ったところ、以後そのような不適切な発言はなくなった。

令和  年  月   日

令和  年  月   日

就業状況 別紙就業状況報告書のとおり

派遣労働者氏名

(令和2年4月1日以降対応版)

派遣先管理台帳【続紙】

社内システム端末の活用に係る研修の実施。

苦情を受けた日 苦情内容、処理状況

 令和 2年 4月15日

(R.01.10)

(R.01.10)

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近畿スタッフ株式会社 大阪オフィス 御中

(名称)

(所在地)

(名称)

(所在地)

開始時間 終了時間 休憩時間

1 水 9:00 17:00 60分

2 木 :   :  分

3 金 9:00 17:00 60分

4 土 : : 分

5 日 : : 分

6 月 9:00 17:30 60分

7 火 :   :  分

8 水 9:00 12:00 0分

9 木 :   :  分

10 金 9:00 17:15 60分

11 土 : : 分

12 日 : : 分

13 月 9:00 17:05 60分

14 火 :   :  分

15 水 9:00 18:00 60分

16 木 :   :  分

17 金 9:00 17:00 60分

18 土 : : 分

19 日 : : 分

20 月 :   :  分

21 火 :   :  分

22 水 14:00 17:00 0分

23 木 :   :  分

24 金 9:00 18:00 60分

25 土 : : 分

26 日 9:00 18:00 60分

27 月 9:00 18:00 60分

28 火 :   :  分

29 水 :   :  分

30 木 :   :  分

※派遣先事業主は1ヶ月ごとに1回以上、派遣元事業主へ通知すること

(令第4条第1項第3号 事務用機器操作に該当。)

株式会社 厚労商事 関西支社

【派遣先管理台帳、派遣元管理台帳として労働者派遣終了後3年間保存】

(R.01.10)

令和2年4月分

日付 曜日※実際の時間を記入してください。

労働 花子派遣労働者氏名

営業第二課長(長の職名)

パーソナルコンピュータの操作によるプレゼンテーション用資料、業績管理資料、会議用資料等の作成業務。

(記載例)

タイムシート(就業状況報告書)

変更した就業場所・変更した業務内容

 ※変更があった場合は正しく記入してください。

労働に従事した事業所

派遣就業した場所

組織単位(長の職名)

従事した業務の種類

株式会社 厚労商事 関西支社

〒540-8527 大阪市中央区大手前●-●-● (TEL:06-●●●●-●●●●)

株式会社 厚労商事 関西支社 堺営業所

(TEL:072-●●●-●●●●)〒590-0078 堺市堺区南瓦町●-●

堺営業所 営業第二課

(R.01.10)

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(R.01.10)

(記載例) 網掛け部分は注意事項

令和 4 年 12 月 1 日

過半数労働者代表

○○ ○○ 様

株式会社厚労商事 関西支社

総務課長 ■■ ■■

派遣可能期間の延長についての意見聴取に係る通知書

当事業所において現在派遣労働者を受け入れておりますが、来る令和 5年 3月 31日を

以て派遣可能期間が終了することとなります。つきましては派遣可能期間を延長して労

働者派遣の役務の提供を受けることについて、労働者派遣法第 40条の 2第 4項により下

記のとおり意見を求めます。

1. 労働者派遣の役務の提供を受ける事業所

株式会社厚労商事 関西支社 大阪市中央区大手前●―●―●

2. 延長しようとする派遣期間

令和 5年 4月 1日~令和 8年 3月 31日

3. 当事業所における派遣労働者の受入れ状況(参考)

令和 2年 4月 1日~令和 4年 11月末までの状況

※上記例に限らず事業所の実態に応じて意見聴取の実効性が高まるような資料を提供してくだ

さい。

4. 回答期日

本通知に対する意見については、令和 5年 1月 31日(火)までに当職あて提出

願います。なお、期限までに回答がない場合は、意見がないものとみなします。

※過半数労働者代表は、次の両方を満たす必要があります。

・ 労働基準法第 41 条第 2 号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。

・ 派遣可能期間の延長に係る意見を聴取される者を選出する目的であることを明らかにして実施される

投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。

※過半数代表者が使用者による指名であるなどして民主的な方法によって選出されたものではない場合は、事

実上意見聴取が行われていないものと同視して、労働契約申込みみなし制度の対象となります。

受入部署 派遣労働者の受入期間 派遣労働者数の推移 正社員数の推移

会計課 R2.4.1~R3.3.31 2名 3名

R3.4.1~R4.3.31 2名 3名

R4.4.1~R4.11.30 1名 4名

総務課 R2.4.1~R3.3.31 2名 2名

R3.4.1~R4.3.31 2名 2名

R4.4.1~R4.11.30 2名 2名

(R.01.10)

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(記載例) 網掛け部分は注意事項

(R.01.10)

令和 5年 1月 15 日

株式会社厚労商事 関西支社

総務課長 ■■ ■■ 様

過半数労働者代表

○○ ○○

意 見 書

令和 4 年 12 月 1 日付け、「派遣可能期間の延長についての意見聴取に係る通

知書」により求められた意見については、以下のとおりです。

☑ 派遣可能期間の延長については異議がありません。

□ 派遣可能期間の延長については異議があります。

理由

※派遣先は、意見を聴いた過半数労働組合等が異議を述べたときは、延長しようとする派遣可能期間

の終了日までに、次の事項について説明しなければなりません。

・ 派遣可能期間の延長の理由及び延長の期間

・ 異議への対応方針

また、派遣先は過半数労働組合等の意見を十分尊重するよう努めなければなりません。

当該意見への対応方針等を説明するに当たっては、当該意見を勘案して労働者派遣の役務の提供

の受入れについて再検討を加えること等により、過半数労働組合等の意見を十分に尊重するよう努

めなければなりません。

※派遣可能期間を延長した場合、延長後の抵触日を派遣元に通知する必要があります。

(R.01.10)

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(記載例) 網掛け部分は注意事項

(R.01.10)

令和 5年 2月 1日

株式会社厚労商事 関西支社

支社長 △△ △△

派遣可能期間の延長に係る事項の周知について

労働者派遣法第40条の2第3項に基づき、延長する派遣可能期間の制限(事業

所単位の期間制限)に抵触することとなる最初の日(以下、「抵触日」という。)に

ついて、同法施行規則第33条の3第4項に基づき下記のとおり周知します。

1 意見を聴取した過半数代表者 (過半数労働組合の場合は、意見を聴取した過半数労働組合)

○○ ○○ (選出方法:立候補を募り全労働者による投票を行った。)

2 1に対して通知した事項及び通知した日

(1)労働者派遣の役務の提供を受ける事業所

株式会社厚労商事 関西支社

大阪市中央区大手前●-●-●

(2)延長しようとする派遣期間

令和5年4月1日~令和8年3月31日

(3)通知した日

令和4年12月1日

3 1から意見を聴取した日及び意見の内容

(1)意見を聴取した日

令和5年1月15日

(2)意見の内容

異議はありません。

4 異議に対し変更した派遣期間

異議がなかったため変更せず。

なお、周知に際しては①事業所等の見やすい場所に常時掲示、または備え付ける。②労働者に書面を交付する。③電子データとして記録し、イントラネット等労働者が常時確認できる媒体に掲載する。のいずれかの方法により周知を行う必要があります。

(R.01.10)

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(記載例) 網掛け部分は注意事項

(R.01.10)

令和 5年 2月 5日

(派遣元)

近畿スタッフ株式会社 御中

(派遣先)

株式会社厚労商事 関西支社

支社長 △△ △△

延長後の派遣可能期間の制限(事業所単位の期間制限)に抵触する日の通知

労働者派遣法第 40 条の2第7項に基づき、延長後の派遣可能期間の制限(事業

所単位の期間制限)に抵触することとなる最初の日(以下、「抵触日」という。)を

通知します。

1 労働者派遣の役務の提供を受ける事業所

株式会社厚労商事 関西支社

大阪市中央区大手前●-●-●

2 上記事業所の延長後の抵触日

令和8年4月1日

(R.01.10)

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III 資料

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III 資料

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第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

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派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針

(平成11年労働省告示第137号)

(最終改正 平成30年厚生労働省告示第427号)

第1 趣旨

この指針は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働

者派遣法」という。)第24条の3並びに第3章第1節及び第2節の規定により派遣元事業主が講ずべき

措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。

また、労働者派遣法第24条の3の規定により派遣元事業主が講ずべき措置に関する必要な事項と併

せ、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の遵守等についても定めたものである。

第2 派遣元事業主が講ずべき措置

1 労働者派遣契約の締結に当たっての就業条件の確認

派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに際しては、派遣先が求める業務の内

容及び当該業務に伴う責任の程度(8及び9において「職務の内容」という。)、当該業務を遂行す

るために必要とされる知識、技術又は経験の水準、労働者派遣の期間その他労働者派遣契約の締結に

際し定めるべき就業条件を事前にきめ細かに把握すること。

2 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置

(1) 労働契約の締結に際して配慮すべき事項

派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、当該労働者の希望及

び労働者派遣契約における労働者派遣の期間を勘案して、労働契約の期間について、当該期間を当

該労働者派遣契約における労働者派遣の期間と合わせる等、派遣労働者の雇用の安定を図るために

必要な配慮をするよう努めること。

(2) 労働者派遣契約の締結に当たって講ずべき措置

イ 派遣元事業主は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先の責に帰すべき事由により労働者

派遣契約の契約期間が満了する前に当該労働者派遣契約の解除が行われる場合には、派遣先は当

該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること及びこれができないときには

少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派遣労働

者を休業させること等を余儀なくされることにより生ずる損害である休業手当、解雇予告手当等

に相当する額以上の額について損害の賠償を行うことを定めるよう求めること。

ロ 派遣元事業主は、労働者派遣契約の締結に当たって、労働者派遣の終了後に当該労働者派遣に

係る派遣労働者を派遣先が雇用する場合に、当該雇用が円滑に行われるよう、派遣先が当該労働

者派遣の終了後に当該派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業

主に示すこと、派遣元事業主が職業安定法(昭和 22 年法律第 141 号)その他の法律の規定による

許可を受けて、又は届出をして職業紹介を行うことができる場合には、派遣先は職業紹介により

当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等を定めるよ

う求めること。

(3) 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置

派遣元事業主は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以

外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該労働者派遣契約に係る派遣先と

連携して、当該派遣先からその関連会社での就業のあっせんを受けること、当該派遣元事業主にお

いて他の派遣先を確保すること等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会

の確保を図ること。また、当該派遣元事業主は、当該労働者派遣契約の解除に当たって、新たな就

業機会の確保ができない場合は、まず休業等を行い、当該派遣労働者の雇用の維持を図るようにす

るとともに、休業手当の支払等の労働基準法(昭和22年法律第49号)等に基づく責任を果たすこ

と。さらに、やむを得ない事由によりこれができない場合において、当該派遣労働者を解雇しよう

とするときであっても、労働契約法(平成19年法律第128号)の規定を遵守することはもとより、

当該派遣労働者に対する解雇予告、解雇予告手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすこ

と。

(4) 労働者派遣契約の終了に当たって講ずべき事項

イ 派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者(労働者派遣法第 30 条の2第1項に規定する無期雇用派

遣労働者をいう。以下同じ。)の雇用の安定に留意し、労働者派遣が終了した場合において、当

該労働者派遣の終了のみを理由として当該労働者派遣に係る無期雇用派遣労働者を解雇してはな

らないこと。

ロ 派遣元事業主は、有期雇用派遣労働者(労働者派遣法第 30 条第1項に規定する有期雇用派遣労

働者をいう。以下同じ。)の雇用の安定に留意し、労働者派遣が終了した場合であって、当該労

働者派遣に係る有期雇用派遣労働者との労働契約が継続しているときは、当該労働者派遣の終了

のみを理由として当該有期雇用派遣労働者を解雇してはならないこと。

3 適切な苦情の処理

派遣元事業主は、派遣労働者の苦情の申出を受ける者、派遣元事業主において苦情の処理を行う方

法、派遣元事業主と派遣先との連携のための体制等を労働者派遣契約において定めること。また、派

遣元管理台帳に苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申出を

受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載すること。また、派遣労働者から苦情の申出を受けたこ

とを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。

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第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

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4 労働・社会保険の適用の促進

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の就業の状況等を踏まえ、労働・社会保険の適用手続を

適切に進め、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、加入させてから労働者派

遣を行うこと。ただし、新規に雇用する派遣労働者について労働者派遣を行う場合であって、当該労

働者派遣の開始後速やかに労働・社会保険の加入手続を行うときは、この限りでないこと。

5 派遣先との連絡体制の確立 派遣元事業主は、派遣先を定期的に巡回すること等により、派遣労働者の就業の状況が労働者派遣

契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、派遣労働者の適正な派遣就業の確保のため

に、きめ細かな情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。特に、労働基準法

第 36 条第1項の時間外及び休日の労働に関する協定の内容等派遣労働者の労働時間の枠組みについ

ては、情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。なお、同項の協定の締結に

当たり、労働者の過半数を代表する者の選出を行う場合には、労働基準法施行規則(昭和 22 年厚生

省令第 23 号)第6条の2の規定に基づき、適正に行うこと。 また、派遣元事業主は、割増賃金等の計算に当たり、その雇用する派遣労働者の実際の労働時間等

について、派遣先に情報提供を求めること。

6 派遣労働者に対する就業条件の明示

派遣元事業主は、モデル就業条件明示書の活用等により、派遣労働者に対し就業条件を明示するこ

と。

7 労働者を新たに派遣労働者とするに当たっての不利益取扱いの禁止

派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを

新たに労働者派遣の対象としようとする場合であって、当該労働者が同意をしないことを理由とし

て、当該労働者に対し解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。

8 派遣労働者の雇用の安定及び福祉の増進等

(1) 無期雇用派遣労働者について留意すべき事項

派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者の募集に当たっては、「無期雇用派遣」という文言を使用

すること等により、無期雇用派遣労働者の募集であることを明示しなければならないこと。

(2) 特定有期雇用派遣労働者等について留意すべき事項

イ 派遣元事業主が、労働者派遣法第 30 条第2項の規定の適用を避けるために、業務上の必要性等

なく同一の派遣労働者に係る派遣先の事業所その他派遣就業の場所(以下「事業所等」とい

う。)における同一の組織単位(労働者派遣法第 26 条第1項第2号に規定する組織単位をいう。

以下同じ。)の業務について継続して労働者派遣に係る労働に従事する期間を3年未満とするこ

とは、労働者派遣法第 30 条第2項の規定の趣旨に反する脱法的な運用であって、義務違反と同視

できるものであり、厳に避けるべきものであること。

ロ 派遣元事業主は、労働者派遣法第 30 条第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場

合を含む。以下同じ。)の規定により同条第1項の措置(以下「雇用安定措置」という。)を講

ずるに当たっては、当該雇用安定措置の対象となる特定有期雇用派遣労働者等(同条第1項に規

定する特定有期雇用派遣労働者等をいう。以下同じ。)(近い将来に該当する見込みのある者を

含む。)に対し、キャリアコンサルティング(職業能力開発促進法(昭和 44 年法律第 64 号)第

2条第5項に規定するキャリアコンサルティングのうち労働者の職業生活の設計に関する相談そ

の他の援助を行うことをいう。)や労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、又は電子メー

ルを活用すること等により、労働者派遣の終了後に継続して就業することの希望の有無及び希望

する雇用安定措置の内容を把握すること。

ハ 派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、当該雇用安定措置の対象となる特定有

期雇用派遣労働者等の希望する雇用安定措置を講ずるよう努めること。また、派遣元事業主は、

特定有期雇用派遣労働者(労働者派遣法第 30 条第1項に規定する特定有期雇用派遣労働者をい

う。)が同項第1号の措置を希望する場合には、派遣先での直接雇用が実現するよう努めるこ

と。

ニ 派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、当該雇用安定措置の対象となる特定有

期雇用派遣労働者等の労働者派遣の終了の直前ではなく、早期に当該特定有期雇用派遣労働者等

の希望する雇用安定措置の内容について聴取した上で、十分な時間的余裕をもって当該措置に着

手すること。

(3) 労働契約法等の適用について留意すべき事項

イ 派遣元事業主は、派遣労働者についても労働契約法の適用があることに留意すること。

ロ 派遣元事業主が、その雇用する有期雇用派遣労働者について、当該有期雇用派遣労働者からの労

働契約法第 18 条第1項の規定による期間の定めのない労働契約の締結の申込みを妨げるために、当

該有期雇用派遣労働者に係る期間の定めのある労働契約の更新を拒否し、また、空白期間(同条第

2項に規定する空白期間をいう。)を設けることは、同条の規定の趣旨に反する脱法的な運用であ

ること。

ハ 派遣元事業主は、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年

法律第 76 号)第8条の規定により、その雇用する有期雇用派遣労働者の通勤手当について、その雇

用する通常の労働者の通勤手当との間において、当該有期雇用派遣労働者及び通常の労働者の職務

の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該通勤手当の性質及び当該

通勤手当を支給する目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を

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第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

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設けてはならないこと。また、派遣元事業主は、同法第9条の規定により、職務の内容が通常の労

働者と同一の有期雇用派遣労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該

派遣元事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常

の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものにつ

いては、有期雇用労働者であることを理由として、通勤手当について差別的取扱いをしてはならな

いこと。なお、有期雇用派遣労働者の通勤手当については、当然に労働者派遣法第 30 条の3又は第

30 条の4第1項の規定の適用があることに留意すること。

(4) 派遣労働者等の適性、能力、経験、希望等に適合する就業機会の確保等

派遣元事業主は、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者(以下「派遣労働者等」という。)

について、当該派遣労働者等の適性、能力、経験等を勘案して、最も適した就業の機会の確保を図る

とともに、就業する期間及び日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該派遣

労働者等の希望と適合するような就業機会を確保するよう努めなければならないこと。また、派遣労

働者等はその有する知識、技術、経験等を活かして就業機会を得ていることに鑑み、派遣元事業主

は、労働者派遣法第 30 条の2の規定による教育訓練等の措置を講じなければならないほか、就業機

会と密接に関連する教育訓練の機会を確保するよう努めなければならないこと。

(5) 派遣労働者に対するキャリアアップ措置

イ 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に対し、労働者派遣法第 30 条の2第1項の規定による

教育訓練を実施するに当たっては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に

関する法律施行規則第1条の4第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成 27 年厚生労

働省告示第 391 号)第4号に規定する教育訓練の実施計画(以下「教育訓練計画」という。)に基

づく教育訓練を行わなければならないこと。

ロ 派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、労働契約の締結時までに教

育訓練計画を周知するよう努めること。また、派遣元事業主は、当該教育訓練計画に変更があった

場合は、その雇用する派遣労働者に対し、速やかにこれを周知するよう努めること。

ハ 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が教育訓練計画に基づく教育訓練を受講できるよう配

慮しなければならないこと。特に、教育訓練計画の策定に当たっては、派遣元事業主は、教育訓練

の複数の受講機会を設け、又は開催日時や時間の設定について配慮すること等により、可能な限り

派遣労働者が教育訓練を受講しやすくすることが望ましいこと。

ニ 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者のキャリアアップを図るため、教育訓練計画に基づく

教育訓練を実施するほか、更なる教育訓練を自主的に実施するとともに、当該教育訓練に係る派遣

労働者の費用負担を実費程度とすることで、派遣労働者が教育訓練を受講しやすくすることが望ま

しいこと。

ホ 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者のキャリアアップを図るとともに、その適正な雇用管

理に資するため、当該派遣労働者に係る労働者派遣の期間及び派遣就業をした日、従事した業務の

種類、労働者派遣法第 37 条第1項第 10 号に規定する教育訓練を行った日時及びその内容等を記載

した書類を保存するよう努めること。

(6) 労働者派遣に関する料金の額に係る交渉等

イ 労働者派遣法第 30 条の3の規定による措置を講じた結果のみをもって、当該派遣労働者の賃金を

従前より引き下げるような取扱いは、同条の規定の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと。

ロ 派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額に係る派遣先との交渉が当該労働者派遣に係る派

遣労働者の待遇の改善にとって極めて重要であることを踏まえつつ、当該交渉に当たるよう努める

こと。

ハ 派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額が引き上げられた場合には、可能な限り、当該労

働者派遣に係る派遣労働者の賃金を引き上げるよう努めること。

(7) 同一の組織単位の業務への労働者派遣

派遣元事業主が、派遣先の事業所等における同一の組織単位の業務について継続して3年間同一の

派遣労働者に係る労働者派遣を行った場合において、当該派遣労働者が希望していないにもかかわら

ず、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に、当該同一の組織単位の業務について再度当該派遣

労働者を派遣することは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくないこと。

(8) 派遣元事業主がその雇用する協定対象派遣労働者(労働者派遣法第 30 条の5に規定する協定対象

派遣労働者をいう。以下同じ。)に対して行う安全管理に関する措置及び給付のうち、当該協定対象

派遣労働者の職務の内容に密接に関連するものについては、派遣先に雇用される通常の労働者との間

で不合理と認められる相違等が生じないようにすることが望ましいこと。

(9) 派遣元事業主は、派遣労働者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関

する法律(平成3年法律第 76 号)第2条第1号に規定する育児休業から復帰する際には、当該派遣

労働者が就業を継続できるよう、当該派遣労働者の派遣先に係る希望も勘案しつつ、就業機会の確

保に努めるべきであることに留意すること。

(10) 障害者である派遣労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情の改善を図るための

措置

派遣元事業主は、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和 35 年法律第 123 号。以下「障害者雇用

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第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

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促進法」という。)第2条第1号に規定する障害者(以下単に「障害者」という。)である派遣労働

者から派遣先の職場において障害者である派遣労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている

事情の申出があった場合又は派遣先から当該事情に関する苦情があった旨の通知を受けた場合等にお

いて、同法第 36 条の3の規定による措置を講ずるに当たって、当該障害者である派遣労働者と話合い

を行い、派遣元事業主において実施可能な措置を検討するとともに、必要に応じ、派遣先と協議等を

行い、協力を要請すること。

9 派遣労働者の待遇に関する説明等

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に対し、労働者派遣法第 31 条の2第4項の規定による説

明を行うに当たっては、次の事項に留意すること。

(1) 派遣労働者(協定対象派遣労働者を除く。以下この(1)及び(2)において同じ。)に対する説明の

内容

イ 派遣元事業主は、労働者派遣法第 26 条第7項及び第 10 項並びに第 40 条第5項の規定により提

供を受けた情報(11 及び 12 において「待遇等に関する情報」という。)に基づき、派遣労働者

と比較対象労働者(労働者派遣法第 26 条第8項に規定する比較対象労働者をいう。以下この9に

おいて同じ。)との間の待遇の相違の内容及び理由について説明すること。

ロ 派遣元事業主は、派遣労働者と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容として、次の(イ)及

び(ロ)に掲げる事項を説明すること。

(イ) 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するに当たって考慮した事項の相

違の有無

(ロ) 次の(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる事項

(ⅰ) 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇の個別具体的な内容

(ⅱ) 派遣労働者及び比較対象労働者の待遇に関する基準

ハ 派遣元事業主は、派遣労働者及び比較対象労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の

範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものに基

づき、待遇の相違の理由を説明すること。

(2) 協定対象派遣労働者に対する説明の内容

イ 派遣元事業主は、協定対象派遣労働者の賃金が労働者派遣法第 30 条の4第1項第2号に掲げる

事項であって同項の協定で定めたもの及び同項第3号に関する当該協定の定めによる公正な評価

に基づき決定されていることについて説明すること。

ロ 派遣元事業主は、協定対象派遣労働者の待遇(賃金、労働者派遣法第 40 条第2項の教育訓練及

び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和 61 年

労働省令第 20 号)第 32 条の3各号に掲げる福利厚生施設を除く。)が労働者派遣法第 30 条の4

第1項第4号に基づき決定されていること等について、派遣労働者に対する説明の内容に準じて

説明すること。

(3) 派遣労働者に対する説明の方法

派遣元事業主は、派遣労働者が説明の内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭に

より説明することを基本とすること。ただし、説明すべき事項を全て記載した派遣労働者が容易に

理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法でも差し支えないこと。

(4) 比較対象労働者との間の待遇の相違の内容等に変更があったときの情報提供

派遣元事業主は、派遣労働者から求めがない場合でも、当該派遣労働者に対し、比較対象労働者

との間の待遇の相違の内容及び理由並びに労働者派遣法第 30 条の3から第 30 条の6までの規定

により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項に変更が

あったときは、その内容を情報提供することが望ましいこと。

10 関係法令の関係者への周知

派遣元事業主は、労働者派遣法の規定による派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置の内容並びに

労働者派遣法第3章第4節に規定する労働基準法等の適用に関する特例等関係法令の関係者への周知

の徹底を図るために、説明会等の実施、文書の配布等の措置を講ずること。

11 個人情報等の保護

(1) 個人情報の収集、保管及び使用

イ 派遣元事業主は、派遣労働者となろうとする者を登録する際には当該労働者の希望、能力及び

経験に応じた就業の機会の確保を図る目的の範囲内で、派遣労働者として雇用し労働者派遣を

行う際には当該派遣労働者の適正な雇用管理を行う目的の範囲内で、派遣労働者等の個人情報

(以下この(1)、(2)及び(4)において単に「個人情報」という。)を収集することとし、次に掲

げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な業務上の必要性が存在することその

他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限

りでないこと。

(イ) 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのあ

る事項

(ロ) 思想及び信条

(ハ) 労働組合への加入状況

ロ 派遣元事業主は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本

人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこと。

第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

- 267 -

ハ 派遣元事業主は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校若しくは義務教育学校の新規卒業

予定者であって派遣労働者となろうとする者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局

長の定める書類によりその提出を求めること。

ニ 個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること。このため、例えば、待遇等に関

する情報のうち個人情報に該当するものの保管又は使用は、労働者派遣法第30条の2、第30条

の3、第30条の4第1項、第30条の5及び第31条の2第4項の規定による待遇の確保等という

目的((4)において「待遇の確保等の目的」という。)の範囲に限られること。なお、派遣労働

者として雇用し労働者派遣を行う際には、労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣

先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条第1項各号に掲げる

派遣先に通知しなければならない事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に

限られるものであること。ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場

合又は他の法律に定めのある場合は、この限りでないこと。

(2) 適正管理

イ 派遣元事業主は、その保管又は使用に係る個人情報に関し、次に掲げる措置を適切に講ずると

ともに、派遣労働者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければならないこと。

(イ) 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置

(ロ) 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置

(ハ) 正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置

(ニ) 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置

ロ 派遣元事業主が、派遣労働者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報

が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないこと。

ハ 派遣元事業主は、次に掲げる事項を含む個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守しなけれ

ばならないこと。

(イ) 個人情報を取り扱うことができる者の範囲に関する事項

(ロ) 個人情報を取り扱う者に対する研修等教育訓練に関する事項

(ハ) 本人から求められた場合の個人情報の開示又は訂正(削除を含む。以下同じ。)の取扱い

に関する事項

(ニ) 個人情報の取扱いに関する苦情の処理に関する事項

ニ 派遣元事業主は、本人が個人情報の開示又は訂正の求めをしたことを理由として、当該本人に

対して不利益な取扱いをしてはならないこと。

(3) 個人情報の保護に関する法律の遵守等

(1)及び(2)に定めるもののほか、派遣元事業主は、個人情報の保護に関する法律第2条第5項に

規定する個人情報取扱事業者(以下「個人情報取扱事業者」という。)に該当する場合には、同法

第4章第1節に規定する義務を遵守しなければならないこと。また、個人情報取扱事業者に該当し

ない場合であっても、個人情報取扱事業者に準じて、個人情報の適正な取扱いの確保に努めるこ

と。

(4) 待遇等に関する情報のうち個人情報に該当しないものの保管及び使用

派遣元事業主は、待遇等に関する情報のうち個人情報に該当しないものの保管又は使用を待遇の

確保等の目的の範囲に限定する等適切に対応すること。

12 秘 密 の 保 持

待 遇 等 に 関 す る 情 報 は 、 労 働 者 派 遣 法 第 24条 の 4 の 秘 密 を 守 る 義 務 の 対 象 と な る も の

で あ る こ と 。

13 派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止等

(1) 派遣元事業主は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先による派遣労働者を特定することを目的と

する行為に協力してはならないこと。なお、派遣労働者等が、自らの判断の下に派遣就業開始前の

事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によっ

て派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、

派遣元事業主は、派遣労働者等に対してこれらの行為を求めないこととする等、派遣労働者を特定

することを目的とする行為への協力の禁止に触れないよう十分留意すること。

(2) 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、職業安定法第3条の

規定を遵守するとともに、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載し、かつ、これに基づき当該

派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないこと。

(3) 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣元事業主が当該

派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、障害者であることを理由として、障

害者を排除し、又はその条件を障害者に対してのみ不利なものとしてはならず、かつ、これに基づ

き障害者でない派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないこと。

14 安全衛生に係る措置

派遣元事業主は、派遣労働者に対する雇入れ時及び作業内容変更時の安全衛生教育を適切に行える

よう、当該派遣労働者が従事する業務に係る情報を派遣先から入手すること、健康診断等の結果に基

づく就業上の措置を講ずるに当たって、派遣先の協力が必要な場合には、派遣先に対して、当該措置

の実施に協力するよう要請すること等、派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するため、派遣先と

必要な連絡調整等を行うこと。

15 紹介予定派遣

- 81 -

Page 85: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

- 267 -

ハ 派遣元事業主は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校若しくは義務教育学校の新規卒業

予定者であって派遣労働者となろうとする者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局

長の定める書類によりその提出を求めること。

ニ 個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること。このため、例えば、待遇等に関

する情報のうち個人情報に該当するものの保管又は使用は、労働者派遣法第30条の2、第30条

の3、第30条の4第1項、第30条の5及び第31条の2第4項の規定による待遇の確保等という

目的((4)において「待遇の確保等の目的」という。)の範囲に限られること。なお、派遣労働

者として雇用し労働者派遣を行う際には、労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣

先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条第1項各号に掲げる

派遣先に通知しなければならない事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に

限られるものであること。ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場

合又は他の法律に定めのある場合は、この限りでないこと。

(2) 適正管理

イ 派遣元事業主は、その保管又は使用に係る個人情報に関し、次に掲げる措置を適切に講ずると

ともに、派遣労働者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければならないこと。

(イ) 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置

(ロ) 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置

(ハ) 正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置

(ニ) 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置

ロ 派遣元事業主が、派遣労働者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報

が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないこと。

ハ 派遣元事業主は、次に掲げる事項を含む個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守しなけれ

ばならないこと。

(イ) 個人情報を取り扱うことができる者の範囲に関する事項

(ロ) 個人情報を取り扱う者に対する研修等教育訓練に関する事項

(ハ) 本人から求められた場合の個人情報の開示又は訂正(削除を含む。以下同じ。)の取扱い

に関する事項

(ニ) 個人情報の取扱いに関する苦情の処理に関する事項

ニ 派遣元事業主は、本人が個人情報の開示又は訂正の求めをしたことを理由として、当該本人に

対して不利益な取扱いをしてはならないこと。

(3) 個人情報の保護に関する法律の遵守等

(1)及び(2)に定めるもののほか、派遣元事業主は、個人情報の保護に関する法律第2条第5項に

規定する個人情報取扱事業者(以下「個人情報取扱事業者」という。)に該当する場合には、同法

第4章第1節に規定する義務を遵守しなければならないこと。また、個人情報取扱事業者に該当し

ない場合であっても、個人情報取扱事業者に準じて、個人情報の適正な取扱いの確保に努めるこ

と。

(4) 待遇等に関する情報のうち個人情報に該当しないものの保管及び使用

派遣元事業主は、待遇等に関する情報のうち個人情報に該当しないものの保管又は使用を待遇の

確保等の目的の範囲に限定する等適切に対応すること。

12 秘 密 の 保 持

待 遇 等 に 関 す る 情 報 は 、 労 働 者 派 遣 法 第 24条 の 4 の 秘 密 を 守 る 義 務 の 対 象 と な る も の

で あ る こ と 。

13 派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止等

(1) 派遣元事業主は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先による派遣労働者を特定することを目的と

する行為に協力してはならないこと。なお、派遣労働者等が、自らの判断の下に派遣就業開始前の

事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によっ

て派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、

派遣元事業主は、派遣労働者等に対してこれらの行為を求めないこととする等、派遣労働者を特定

することを目的とする行為への協力の禁止に触れないよう十分留意すること。

(2) 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、職業安定法第3条の

規定を遵守するとともに、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載し、かつ、これに基づき当該

派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないこと。

(3) 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣元事業主が当該

派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、障害者であることを理由として、障

害者を排除し、又はその条件を障害者に対してのみ不利なものとしてはならず、かつ、これに基づ

き障害者でない派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないこと。

14 安全衛生に係る措置

派遣元事業主は、派遣労働者に対する雇入れ時及び作業内容変更時の安全衛生教育を適切に行える

よう、当該派遣労働者が従事する業務に係る情報を派遣先から入手すること、健康診断等の結果に基

づく就業上の措置を講ずるに当たって、派遣先の協力が必要な場合には、派遣先に対して、当該措置

の実施に協力するよう要請すること等、派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するため、派遣先と

必要な連絡調整等を行うこと。

15 紹介予定派遣

- 82 -

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第7 派遣元事業主の講ずべき措置等

- 268 -

(1) 紹介予定派遣を受け入れる期間

派遣元事業主は、紹介予定派遣を行うに当たっては、6箇月を超えて、同一の派遣労働者の労働

者派遣を行わないこと。

(2) 派遣先が職業紹介を希望しない場合又は派遣労働者を雇用しない場合の理由の明示

派遣元事業主は、紹介予定派遣を行った派遣先が職業紹介を受けることを希望しなかった場合又

は職業紹介を受けた派遣労働者を雇用しなかった場合には、派遣労働者の求めに応じ、派遣先に対

し、それぞれその理由を書面、ファクシミリ又は電子メールその他のその受信をする者を特定して

情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号

に規定する電気通信をいう。以下この(2)において「電子メール等」という。)(当該派遣元事業

主が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)に

より明示するよう求めること。また、派遣先から明示された理由を、派遣労働者に対して書面、フ

ァクシミリ又は電子メール等(当該派遣労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書

面を作成することができるものに限る。)(ファクシミリ又は電子メール等による場合にあって

は、当該派遣労働者が希望した場合に限る。)により明示すること。

(3) 派遣元事業主は、派遣先が障害者に対し、面接その他紹介予定派遣に係る派遣労働者を特定する

ことを目的とする行為を行う場合に、障害者雇用促進法第36条の2又は第36条の3の規定による措

置を講ずるに当たっては、障害者と話合いを行い、派遣元事業主において実施可能な措置を検討す

るとともに、必要に応じ、派遣先と協議等を行い、協力を要請すること。

16 情報の提供

派遣元事業主は、派遣労働者及び派遣先が良質な派遣元事業主を適切に選択できるよう、労働者派

遣の実績、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を

当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合(以下この16において「マージン率」と

いう。)、教育訓練に関する事項、労働者派遣法第30条の4第1項の協定を締結しているか否かの別

並びに当該協定を締結している場合における協定対象派遣労働者の範囲及び当該協定の有効期間の終

期(以下この16において「協定の締結の有無等」という。)等に関する情報を事業所への書類の備付

け、インターネットの利用その他の適切な方法により提供すること。特に、マージン率及び協定の締

結の有無等の情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者とりわけ派遣労働

者に必要な情報を提供することを原則とすること。また、労働者派遣の期間の区分ごとの雇用安定措

置を講じた人数等の実績及び教育訓練計画については、インターネットの利用その他の適切な方法に

より関係者に対し情報提供することが望ましいこと。

- 83 -

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第8 派遣先の講ずべき措置等

- 310 -

派遣先が講ずべき措置に関する指針

(平成11年労働省告示第138号) (最終改正 平成30年厚生労働省告示第428号)

第1 趣旨 この指針は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労

働者派遣法」という。)第3章第1節及び第3節の規定により派遣先が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。

第2 派遣先が講ずべき措置 1 労働者派遣契約の締結に当たっての就業条件の確認

派遣先は、労働者派遣契約の締結の申込みを行うに際しては、就業中の派遣労働者を直接指揮命令することが見込まれる者から、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該業務を遂行するために必要とされる知識、技術又は経験の水準その他労働者派遣契約の締結に際し定めるべき就業条件の内容を十分に確認すること。

2 労働者派遣契約に定める就業条件の確保 派遣先は、労働者派遣契約を円滑かつ的確に履行するため、次に掲げる措置その他派遣先の実態

に即した適切な措置を講ずること。 (1) 就業条件の周知徹底

労働者派遣契約で定められた就業条件について、当該派遣労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者その他の関係者に当該就業条件を記載した書面を交付し、又は就業場所に掲示する等により、周知の徹底を図ること。

(2) 就業場所の巡回 定期的に派遣労働者の就業場所を巡回し、当該派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約に反

していないことを確認すること。 (3) 就業状況の報告

派遣労働者を直接指揮命令する者から、定期的に当該派遣労働者の就業の状況について報告を求めること。

(4) 労働者派遣契約の内容の遵守に係る指導 派遣労働者を直接指揮命令する者に対し、労働者派遣契約の内容に違反することとなる業務上

の指示を行わないようにすること等の指導を徹底すること。 3 派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止

派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣元事業主が当該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとすること等派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。なお、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、派遣先は、派遣元事業主又は派遣労働者若しくは派遣労働者となろうとする者に対してこれらの行為を求めないこととする等、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないよう十分留意すること。

4 性別による差別及び障害者であることを理由とする不当な差別的取扱いの禁止 (1) 性別による差別の禁止

派遣先は、派遣元事業主との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、当該労働者派遣契約に派遣労働者の性別を記載してはならないこと。

(2) 障害者であることを理由とする不当な差別的取扱いの禁止 派遣先は、派遣元事業主との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣元事業主が当

該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「障害者雇用促進法」という。)第2条第1号に規定する障害者(以下単に「障害者」という。)であることを理由として、障害者を排除し、又はその条件を障害者に対してのみ不利なものとしてはならないこと。

5 労働者派遣契約の定めに違反する事実を知った場合の是正措置等 派遣先は、労働者派遣契約の定めに反する事実を知った場合には、これを早急に是正するととも

に、労働者派遣契約の定めに反する行為を行った者及び派遣先責任者に対し労働者派遣契約を遵守させるために必要な措置を講ずること、派遣元事業主と十分に協議した上で損害賠償等の善後処理方策を講ずること等適切な措置を講ずること。

6 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置 (1) 労働者派遣契約の締結に当たって講ずべき措置 イ 派遣先は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契

約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣先は派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること及びこれができないときには少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされることにより生ずる損害である休業手当、解雇予告手当等に相当する額以上の額について損害の賠償を行うことを定めなければならないこと。また、労働者派遣の期間を定めるに当たっては、派遣元事業主と協力しつつ、当該派遣先において労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を勘案して可能な限り長く定める等、派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をするよう努めること。

ロ 派遣先は、労働者派遣契約の締結に当たって、労働者派遣の終了後に当該労働者派遣に係る派

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第8 派遣先の講ずべき措置等

- 311 -

遣労働者を雇用する場合に、当該雇用が円滑に行われるよう、派遣元事業主の求めに応じ、派遣先が当該労働者派遣の終了後に当該派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業主に示すこと、派遣元事業主が職業安定法(昭和22年法律第141号)その他の法律の規定による許可を受けて、又は届出をして職業紹介を行うことができる場合には、派遣先は職業紹介により当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等を定め、これらの措置を適切に講ずること。

(2) 労働者派遣契約の解除の事前の申入れ 派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、労働者派遣契約の契約期間が満了する前の解除

を行おうとする場合には、派遣元事業主の合意を得ることはもとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申入れを行うこと。

(3) 派遣先における就業機会の確保 派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事

由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。

(4) 損害賠償等に係る適切な措置 派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者

派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、これができないときには、少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を行わなければならないこと。例えば、当該派遣元事業主が当該派遣労働者を休業させる場合は休業手当に相当する額以上の額について、当該派遣元事業主がやむを得ない事由により当該派遣労働者を解雇する場合は、派遣先による解除の申入れが相当の猶予期間をもって行われなかったことにより当該派遣元事業主が解雇の予告をしないときは30日分以上、当該予告をした日から解雇の日までの期間が30日に満たないときは当該解雇の日の30日前の日から当該予告の日までの日数分以上の賃金に相当する額以上の額について、損害の賠償を行わなければならないこと。その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。また、派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること。

(5) 労働者派遣契約の解除の理由の明示 派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行う場合であっ

て、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を当該派遣元事業主に対し明らかにすること。

7 適切な苦情の処理 (1) 適切かつ迅速な処理を図るべき苦情

派遣先が適切かつ迅速な処理を図るべき苦情には、セクシュアルハラスメント、妊娠、出産等に関するハラスメント、育児休業等に関するハラスメント、パワーハラスメント、障害者である派遣労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情に関するもの等が含まれることに留意すること。

(2) 苦情の処理を行う際の留意点等 派遣先は、派遣労働者の苦情の処理を行うに際しては、派遣先の労働組合法(昭和24年法律第

174号)上の使用者性に関する代表的な裁判例や中央労働委員会の命令に留意すること。また、派遣先は、派遣労働者の苦情の申出を受ける者、派遣先において苦情の処理を行う方法、派遣元事業主と派遣先との連携のための体制等を労働者派遣契約において定めるとともに、派遣労働者の受入れに際し、説明会等を実施して、その内容を派遣労働者に説明すること。さらに、派遣先管理台帳に苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載するとともに、その内容を派遣元事業主に通知すること。また、派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。

8 労働・社会保険の適用の促進 派遣先は、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、労働・社会保険に加入

している派遣労働者(派遣元事業主が新規に雇用した派遣労働者であって、当該派遣先への労働者派遣の開始後速やかに労働・社会保険への加入手続が行われるものを含む。)を受け入れるべきであり、派遣元事業主から派遣労働者が労働・社会保険に加入していない理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元事業主に対し、当該派遣労働者を労働・社会保険に加入させてから派遣するよう求めること。

9 適正な派遣就業の確保 (1) 適切な就業環境の維持、福利厚生等

派遣先は、その指揮命令の下に労働させている派遣労働者について、派遣就業が適正かつ円滑

に行われるようにするため、労働者派遣法第40条第1項から第3項までに定めるもののほか、セ

クシュアルハラスメントの防止等適切な就業環境の維持並びに派遣先が設置及び運営し、その雇

用する労働者が通常利用している物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、

講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設等の施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるよ

うに配慮しなければならないこと。また、派遣先は、労働者派遣法第40条第5項の規定に基づ

き、派遣元事業主の求めに応じ、当該派遣先に雇用される労働者の賃金、教育訓練、福利厚生等

の実状をより的確に把握するために必要な情報を派遣元事業主に提供するとともに、派遣元事業

主が当該派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定できるよう、派遣元事業主からの

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第8 派遣先の講ずべき措置等

- 312 -

求めに応じ、当該派遣労働者の職務の評価等に協力をするように配慮しなければならないこと。

(2) 労働者派遣に関する料金の額

イ 派遣先は、労働者派遣法第26条第11項の規定により、労働者派遣に関する料金の額について、

派遣元事業主が、労働者派遣法第30条の4第1項の協定に係る労働者派遣以外の労働者派遣にあ

っては労働者派遣法第30条の3の規定、同項の協定に係る労働者派遣にあっては同項第2号から

第5号までに掲げる事項に関する協定の定めを遵守することができるものとなるように配慮しな

ければならないこととされているが、当該配慮は、労働者派遣契約の締結又は更新の時だけでは

なく、当該締結又は更新がなされた後にも求められるものであること。

ロ 派遣先は、労働者派遣に関する料金の額の決定に当たっては、その指揮命令の下に労働させる

派遣労働者の就業の実態、労働市場の状況、当該派遣労働者が従事する業務の内容及び当該業務

に伴う責任の程度並びに当該派遣労働者に要求する技術水準の変化等を勘案するよう努めなけれ

ばならないこと。

(3) 教育訓練・能力開発

派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対して労働者派遣法第40条第2項の規定による教育訓練を実施する等必要な措置を講ずるほか、派遣元事業主が労働者派遣法第30条の2第1項の規定による教育訓練を実施するに当たり、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議等を行い、派遣労働者が当該教育訓練を受講できるよう可能な限り協力するとともに、必要に応じた当該教育訓練に係る便宜を図るよう努めなければならないこと。派遣元事業主が行うその他の教育訓練、派遣労働者の自主的な能力開発等についても同様とすること。

(4) 障害者である派遣労働者の適正な就業の確保 ① 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対する教育訓練及び福利厚生の実施

について、派遣労働者が障害者であることを理由として、障害者でない派遣労働者と不当な差別的取扱いをしてはならないこと。

② 派遣先は、労働者派遣契約に基づき派遣された労働者について、派遣元事業主が障害者雇 用促進法第36条の3の規定による措置を講ずるため、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議等を行い、可能な限り協力するよう努めなければならないこと。

10 関係法令の関係者への周知 派遣先は、労働者派遣法の規定により派遣先が講ずべき措置の内容及び労働者派遣法第3章第4

節に規定する労働基準法(昭和22年法律第49号)等の適用に関する特例等関係法令の関係者への周知の徹底を図るために、説明会等の実施、文書の配布等の措置を講ずること。

11 派遣元事業主との労働時間等に係る連絡体制の確立 派遣先は、派遣元事業主の事業場で締結される労働基準法第36条第1項の時間外及び休日の労働

に関する協定の内容等派遣労働者の労働時間の枠組みについて派遣元事業主に情報提供を求める等により、派遣元事業主との連絡調整を的確に行うこと。

また、労働者派遣法第42条第1項及び第3項において、派遣先は派遣先管理台帳に派遣就業をした日ごとの始業及び終業時刻並びに休憩時間等を記載し、これを派遣元事業主に通知しなければならないとされており、派遣先は、適正に把握した実際の労働時間等について、派遣元事業主に正確に情報提供すること。

12 派遣労働者に対する説明会等の実施 派遣先は、派遣労働者の受入れに際し、説明会等を実施し、派遣労働者が利用できる派遣先の各

種の福利厚生に関する措置の内容についての説明、派遣労働者が円滑かつ的確に就業するために必要な、派遣労働者を直接指揮命令する者以外の派遣先の労働者との業務上の関係についての説明及び職場生活上留意を要する事項についての助言等を行うこと。

13 派遣先責任者の適切な選任及び適切な業務の遂行 派遣先は、派遣先責任者の選任に当たっては、労働関係法令に関する知識を有する者であるこ

と、人事・労務管理等について専門的な知識又は相当期間の経験を有する者であること、派遣労働者の就業に係る事項に関する一定の決定、変更を行い得る権限を有する者であること等派遣先責任者の職務を的確に遂行することができる者を選任するよう努めること。

14 労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の適切な運用 派遣先は、労働者派遣法第40条の2及び第40条の3の規定に基づき派遣労働者による常用労働者の代替及び派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることの防止を図るため、次に掲げる基準に従い、事業所その他派遣就業の場所(以下「事業所等」という。)ごとの業務について、派遣元事業主から労働者派遣法第40条の2第2項の派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣(同条第1項各号のいずれかに該当するものを除く。以下この14において同じ。)の役務の提供を受けてはならず、また、事業所等における組織単位ごとの業務について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこと。 (1) 事業所等については、工場、事務所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立して

いること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断すること。

(2) 事業所等における組織単位については、労働者派遣法第40条の3の労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の目的が、派遣労働者がその組織単位の業務に長期間にわたって従事することによって派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることを防止することにあることに留意しつつ判断すること。すなわち、課、グループ等の業務としての類似性や関連性がある組織であり、かつ、その組織の長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有するものであっ

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第8 派遣先の講ずべき措置等

- 313 -

て、派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定しており、名称にとらわれることなく実態により判断すべきものであること。ただし、小規模の事業所等においては、組織単位と組織の最小単位が一致する場合もあることに留意すること。

(3) 派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けていた当該派遣先の事業所等ごとの業務について、新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。

(4) 派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けていた当該派遣先の事業所等における組織単位ごとの業務について、同一の派遣労働者に係る新たな労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。

(5) 派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について派遣元事業主から3年間継続して労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、派遣可能期間の延長に係る手続を回避することを目的として、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に再度当労働者派遣の役務の提供を受けるような、実質的に派遣労働者の受入れを継続する行為は、同項の規定の趣旨に反するものであること。

15 派遣可能期間の延長に係る意見聴取の適切かつ確実な実施

(1) 意見聴取に当たっての情報提供

派遣先は、労働者派遣法第40条の2第4項の規定に基づき、過半数労働組合等(同項に規定す

る過半数労働組合等をいう。以下同じ。)に対し、派遣可能期間を延長しようとする際に意見を

聴くに当たっては、当該派遣先の事業所等ごとの業務について、当該業務に係る労働者派遣の役

務の提供の開始時(派遣可能期間を延長した場合には、当該延長時)から当該業務に従事した派

遣労働者の数及び当該派遣先に期間を定めないで雇用される労働者の数の推移に関する資料等、

意見聴取の際に過半数労働組合等が意見を述べるに当たり参考となる資料を過半数労働組合等に

提供するものとすること。また、派遣先は、意見聴取の実効性を高める観点から、過半数労働組

合等からの求めに応じ、当該派遣先の部署ごとの派遣労働者の数、各々の派遣労働者に係る労働

者派遣の役務の提供を受けた期間等に係る情報を提供することが望ましいこと。

(2) 十分な考慮期間の設定

派遣先は、過半数労働組合等に対し意見を聴くに当たっては、十分な考慮期間を設けること。 (3) 異議への対処

イ 派遣先は、派遣可能期間を延長することに対して過半数労働組合等から異議があった場合に、労働者派遣法第40条の2第5項の規定により当該意見への対応に関する方針等を説明するに当たっては、当該意見を勘案して当該延長について再検討を加えること等により、当該過半数労働組合等の意見を十分に尊重するよう努めること。

ロ 派遣先は、派遣可能期間を延長する際に過半数労働組合等から異議があった場合において、当該延長に係る期間が経過した場合にこれを更に延長しようとするに当たり、再度、過半数労働組合等から異議があったときは、当該意見を十分に尊重し、派遣可能期間の延長の中止又は延長する期間の短縮、派遣可能期間の延長に係る派遣労働者の数の削減等の対応を採ることについて検討した上で、その結論をより一層丁寧に当該過半数労働組合等に説明しなければならないこと。

(4) 誠実な実施

派遣先は、労働者派遣法第40条の2第6項の規定に基づき、(1)から(3)までの内容を含め、派

遣可能期間を延長しようとする場合における過半数労働組合等からの意見の聴取及び過半数労働

組合等が異議を述べた場合における当該過半数労働組合等に対する派遣可能期間の延長の理由等

の説明を行うに当たっては、誠実にこれらを行うよう努めなければならないものとすること。 16 雇用調整により解雇した労働者が就いていたポストへの派遣労働者の受け入れ

派遣先は、雇用調整により解雇した労働者が就いていたポストに、当該解雇後3箇月以内に派遣労働者を受け入れる場合には、必要最小限度の労働者派遣の期間を定めるとともに、当該派遣先に雇用される労働者に対し労働者派遣の役務の提供を受ける理由を説明する等、適切な措置を講じ、派遣先の労働者の理解が得られるよう努めること。

17 安全衛生に係る措置 派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者に対する雇入れ時及び作業内容変更時の安全衛生教育を適

切に行えるよう、当該派遣労働者が従事する業務に係る情報を派遣元事業主に対し積極的に提供するとともに、派遣元事業主から雇入れ時及び作業内容変更時の安全衛生教育の委託の申入れがあった場合には可能な限りこれに応じるよう努めること、派遣元事業主が健康診断等の結果に基づく就業上の措置を講ずるに当たって、当該措置に協力するよう要請があった場合には、これに応じ、必要な協力を行うこと等、派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するために必要な協力や配慮を行うこと。

18 紹介予定派遣 (1) 紹介予定派遣を受け入れる期間 派遣先は、紹介予定派遣を受け入れるに当たっては、6箇月を超えて、同一の派遣労働者を受

け入れないこと。 (2) 職業紹介を希望しない場合又は派遣労働者を雇用しない場合の理由の明示

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第8 派遣先の講ずべき措置等

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派遣先は、紹介予定派遣を受け入れた場合において、職業紹介を受けることを希望しなかった場合又は職業紹介を受けた派遣労働者を雇用しなかった場合には、派遣元事業主の求めに応じ、それぞれその理由を派遣元事業主に対して書面、ファクシミリ又は電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいう。以下この(2)において「電子メール等」という。)(当該派遣元事業主が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)により明示すること。

(3) 派遣先が特定等に当たり労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第9条の趣旨に照らし講ずべき措置 ① 派遣先は、紹介予定派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為又は派遣労働者

の特定(以下「特定等」という。)を行うに当たっては、次に掲げる措置を講ずること。 ア ②に該当するときを除き、派遣労働者の年齢を理由として、特定等の対象から当該派遣労働者を排除しないこと。

イ 派遣先が職務に適合する派遣労働者を受け入れ又は雇い入れ、かつ、派遣労働者がその年齢にかかわりなく、その有する能力を有効に発揮することができる職業を選択することを容易にするため、特定等に係る職務の内容、当該職務を遂行するために必要とされる派遣労働者の適性、能力、経験、技能の程度その他の派遣労働者が紹介予定派遣を希望するに当たり求められる事項をできる限り明示すること。

② 年齢制限が認められるとき(派遣労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるとき以外のとき)

派遣先が行う特定等が次のアからウまでのいずれかに該当するときには、年齢制限をすることが認められるものとする。 ア 派遣先が、その雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをしている場

合において当該定年の年齢を下回ることを条件として派遣労働者の特定等を行うとき(当該派遣労働者について期間の定めのない労働契約を締結することを予定する場合に限る。)。

イ 派遣先が、労働基準法その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢の範囲に属する派遣労働者以外の派遣労働者の特定等を行うとき。

ウ 派遣先の特定等における年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として次のいずれかに該当するとき。 ⅰ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として、青

少年その他特定の年齢を下回る派遣労働者の特定等を行うとき(当該派遣労働者について期間の定めのない労働契約を締結することを予定する場合に限り、かつ、当該派遣労働者が職業に従事した経験があることを特定等の条件としない場合であって学校(小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)及び幼稚園を除く。)、専修学校、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第15条の7第1項各号に掲げる施設又は同法第27条第1項に規定する職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者として又は当該者と同等の処遇で採用する予定で特定等を行うときに限る。)。

ⅱ 当該派遣先が雇用する特定の年齢の範囲に属する特定の職種の労働者(当該派遣先の人事管理制度に照らし必要と認められるときは、当該派遣先がその一部の事業所において雇用する特定の職種に従事する労働者。以下「特定労働者」という。)の数が相当程度少ない場合(特定労働者の年齢について、30歳から49歳までの範囲内において、派遣先が特定等を行おうとする任意の労働者の年齢の範囲(当該範囲内の年齢のうち最も高いもの(以下「範囲内最高年齢」という。)と最も低いもの(以下「範囲内最低年齢」という。)との差(以下「特定数」という。)が4から9までの場合に限る。)に属する労働者数が、範囲内最高年齢に1を加えた年齢から当該年齢に特定数を加えた年齢までの範囲に属する労働者数の2分の1以下であり、かつ、範囲内最低年齢から1に特定数を加えた年齢を減じた年齢から範囲内最低年齢から1を減じた年齢までの範囲に属する労働者数の2分の1以下である場合をいう。)において、当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の継承を図ることを目的として、特定労働者である派遣労働者の特定等を行うとき(当該派遣労働者について期間の定めのない労働契約を締結することを予定する場合に限る。)。

ⅲ 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢の範囲に属する派遣労働者の特定等を行うとき。

ⅳ 高年齢者の雇用の促進を目的として、特定の年齢以上の高年齢者(60歳以上の者に限る。)である派遣労働者の特定等を行うとき、又は特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用を促進するため、当該特定の年齢の範囲に属する派遣労働者の特定等を行うとき(当該特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限る。)。

(4) 派遣先が特定等に当たり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「均等法」という。)第5条及び第7条の趣旨に照らし行ってはならない措置等 ① 派遣先は、特定等を行うに当たっては、例えば次に掲げる措置を行わないこと。

ア 特定等に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。 イ 特定等に当たっての条件を男女で異なるものとすること。 ウ 特定に係る選考において、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準につ

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第8 派遣先の講ずべき措置等

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いて男女で異なる取扱いをすること。 エ 特定等に当たって男女のいずれかを優先すること。 オ 派遣就業又は雇用の際に予定される求人の内容の説明等特定等に係る情報の提供につい

て、男女で異なる取扱いをすること又は派遣元事業主にその旨要請すること。 ② 派遣先は、特定等に関する措置であって派遣労働者の性別以外の事由を要件とするもののう

ち、次に掲げる措置については、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が派遣就業又は雇用の際に予定される雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。 ア 派遣労働者の特定等に当たって、派遣労働者の身長、体重又は体力を要件とすること。 イ 将来、コース別雇用管理における総合職の労働者として当該派遣労働者を採用することが

予定されている場合に、派遣労働者の特定等に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること。

③ 紹介予定派遣に係る特定等に当たっては、将来、当該派遣労働者を採用することが予定されている雇用管理区分において、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない場合においては、特定等の基準を満たす者の中から男性より女性を優先して特定することその他男性と比較して女性に有利な取扱いをすることは、均等法第8条に定める雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的とする措置(ポジティブ・アクション)として、①にかかわらず、行って差し支えない。

④ 次に掲げる場合において①において掲げる措置を講ずることは、性別にかかわりなく均等な機会を与えていない、又は性別を理由とする差別的取扱いをしているとは解されず、①にかかわらず、行って差し支えない。 ア 次に掲げる職務に従事する派遣労働者に係る場合

ⅰ 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務

ⅱ 守衛、警備員等防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務(労働者派遣事業を行ってはならない警備業法(昭和47年法律第117号)第2条第1項各号に掲げる業務を内容とするものを除く。)

ⅲ ⅰ及びⅱに掲げるもののほか、宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上その他の業務の性質上男女のいずれかのみに従事させることについてこれらと同程度の必要性があると認められる職務

イ 労働基準法第61条第1項、第64条の2若しくは第64条の3第2項の規定により女性を就業させることができず、又は保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第3条の規定により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、派遣労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合

ウ 風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合その他特別の事情により派遣労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合

(5) 派遣先が特定等に当たり障害者雇用促進法第34条の趣旨に照らし行ってはならない措置等 ① 派遣先は、特定等を行うに当たっては、例えば次に掲げる措置を行わないこと。

ア 特定等に当たって、障害者であることを理由として、障害者をその対象から排除すること。

イ 特定等に当たって、障害者に対してのみ不利な条件を付すこと。 ウ 特定等に当たって、障害者でない者を優先すること。 エ 派遣就業又は雇用の際に予定される求人の内容の説明等の特定等に係る情報の提供につい

て、障害者であることを理由として障害者でない者と異なる取扱いをすること又は派遣元事業主にその旨要請すること。

② ①に関し、特定等に際して一定の能力を有することを条件とすることについては、当該条件が当該派遣先において業務遂行上特に必要なものと認められる場合には、行って差し支えないこと。一方、特定等に当たって、業務遂行上特に必要でないにもかかわらず、障害者を排除するために条件を付すことは、行ってはならないこと。

③ ①及び②に関し、積極的差別是正措置として、障害者でない者と比較して障害者を有利に取り扱うことは、障害者であることを理由とする差別に該当しないこと。

④ 派遣先は、障害者に対し、面接その他特定することを目的とする行為を行う場合に、派遣元事業主が障害者雇用促進法第36条の2又は第36条の3の規定による措置を講ずるため、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議等を行い、可能な限り協力するよう努めなければならないこと。

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日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針

(平成 年厚生労働省告示第 号)

( 最 終 改 正 平 成 年 厚 生 労 働 省 告 示 第 号 )

第1 趣旨

この指針は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 年法

律第 号。以下「労働者派遣法」という。)第3章第1節から第3節までの規定により、派遣元事業主

が講ずべき措置に関する指針(平成 年労働省告示 号。以下「派遣元指針」という。)及び派遣先

が講ずべき措置に関する指針(平成 年労働省告示第 号。以下「派遣先指針」という。)に加え

て、日雇労働者(労働者派遣法第 条の4第1項に規定する日雇労働者をいう。以下単に「日雇労働

者」という。)について労働者派遣を行う派遣元事業主及び当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の

提供を受ける派遣先が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定め

たものである。

第2 日雇派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置

1 労働者派遣契約の締結に当たっての就業条件の確認

派遣先は、労働者派遣契約の締結の申込みを行うに際しては、就業中の日雇派遣労働者(労働

者派遣の対象となる日雇労働者をいう。以下同じ。)を直接指揮命令することが見込まれる者か

ら、業務の内容、当該業務を遂行するために必要とされる知識、技術又は経験の水準その他労働

者派遣契約の締結に際し定めるべき就業条件の内容を十分に確認すること。

派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに際しては、派遣先が求める業務

の内容、当該業務を遂行するために必要とされる知識、技術又は経験の水準、労働者派遣の期間

その他労働者派遣契約の締結に際し定めるべき就業条件を事前にきめ細かに把握すること。

2 労働者派遣契約の期間の長期化

派遣元事業主及び派遣先は、労働者派遣契約の締結に際し、労働者派遣の期間を定めるに当たって

は、相互に協力しつつ、当該派遣先が労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を勘案して可能

な限り長く定める等、日雇派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な配慮をすること。

3 労働契約の締結に際して講ずべき措置

派遣元事業主は、労働者を日雇派遣労働者として雇い入れようとするときは、当該日雇派遣労働者

が従事する業務が労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令

(昭和 年政令第 号)第4条第1項各号に掲げる業務に該当するかどうか、又は当該日雇派遣労働

者が同条第2項各号に掲げる場合に該当するかどうかを確認すること。

4 労働契約の期間の長期化

派遣元事業主は、労働者を日雇派遣労働者として雇い入れようとするときは、当該労働者の希望及

び労働者派遣契約における労働者派遣の期間を勘案して、労働契約の期間について、できるだけ長期

にする、当該期間を当該労働者派遣契約における労働者派遣の期間と合わせる等、日雇派遣労働者の

雇用の安定を図るために必要な配慮をすること。

5 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置

派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、労働者派遣契約の契約期間が満了する前の解除

を行おうとする場合には、派遣元事業主の合意を得ること。

派遣元事業主及び派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に日雇派遣労働者の責に

帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、互いに連携して、

当該派遣先の関連会社での就業のあっせん等により、当該労働者派遣契約に係る日雇派遣労働者

の新たな就業機会の確保を図ること。

派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者

派遣契約の解除を行おうとする場合には、日雇派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることと

し、これができないときには、速やかに、損害の賠償を行わなければならないこと。その他派遣

先は、派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。また、派遣元事業

主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの

責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること。

派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行う場合であっ

て、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を当該派遣元事業

主に対し明らかにすること。

第3 労働者派遣契約に定める就業条件の確保

1 派遣元事業主は、派遣先を定期的に巡回すること等により、日雇派遣労働者の就業の状況が労働者

派遣契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、日雇派遣労働者の適正な派遣就業の確

保のためにきめ細かな情報提供を行う等により派遣先との連絡調整を的確に行うこと。また、派遣元

事業主は、日雇派遣労働者からも就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していなかったことを確認

すること。

2 派遣先は、労働者派遣契約を円滑かつ的確に履行するため、次に掲げる措置その他派遣先の実態に

即した適切な措置を講ずること。

就業条件の周知徹底

労働者派遣契約で定められた就業条件について、当該日雇派遣労働者の業務の遂行を指揮命令

する職務上の地位にある者その他の関係者に当該就業条件を記載した書面を交付し、又は就業場

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所に掲示する等により、周知の徹底を図ること。

就業場所の巡回

1の労働者派遣契約について少なくとも1回以上の頻度で定期的に日雇派遣労働者の就業場所

を巡回し、当該日雇派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことを確認

すること。

就業状況の報告

日雇派遣労働者を直接指揮命令する者から、 1の労働者派遣契約について少なくとも1回以上

の頻度で定期的に当該日雇派遣労働者の就業の状況について報告を求めること。

労働者派遣契約の内容の遵守に係る指導

日雇派遣労働者を直接指揮命令する者に対し、労働者派遣契約の内容に違反することとなる業

務上の指示を行わないようにすること等の指導を徹底すること。

第4 労働・社会保険の適用の促進

1 日雇労働被保険者及び日雇特例被保険者に係る適切な手続

派遣元事業主は、日雇派遣労働者が雇用保険法(昭和 年法律第 号)第 条第1項に規定する

日雇労働被保険者又は健康保険法(大正 年法律第 号)第3条第2項に規定する日雇特例被保険者

に該当し、日雇労働被保険者手帳又は日雇特例被保険者手帳の交付を受けている者(以下「手帳所持

者」という。)である場合には、印紙の貼付等の手続(以下「日雇手続」という。)を適切に行うこ

と。

2 労働・社会保険に係る適切な手続

派遣元事業主は、その雇用する日雇派遣労働者の就業の状況等を踏まえ、労働・社会保険に係る手

続を適切に進め、被保険者である旨の行政機関への届出(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派

遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和 年労働省令第 号)第 条の2第1項各号に掲げる

書類の届出をいう。以下単に「届出」という。)が必要とされている場合には、当該届出を行ってか

ら労働者派遣を行うこと。ただし、当該届出が必要となる日雇派遣労働者について労働者派遣を行う

場合であって、当該労働者派遣の開始後速やかに当該届出を行うときは、この限りでないこと。

3 派遣先に対する通知

派遣元事業主は、労働者派遣法第 条第1項に基づき、派遣先に対し、日雇派遣労働者について届

出を行っているか否かを通知すること。さらに、派遣元事業主は、日雇派遣労働者が手帳所持者であ

る場合においては、派遣先に対し、日雇手続を行うか行えないかを通知すること。

4 届出又は日雇手続を行わない理由に関する派遣先及び日雇派遣労働者への通知

派遣元事業主は、日雇派遣労働者について届出を行っていない場合には、その具体的な理由を派遣

先及び当該日雇派遣労働者に対し、通知すること。さらに、派遣元事業主は、日雇派遣労働者が手帳

所持者である場合であって、日雇手続を行えないときには、その具体的な理由を派遣先及び当該日雇

派遣労働者に対し、通知すること。

5 派遣先による届出又は日雇手続の確認

派遣先は、派遣元事業主が届出又は日雇手続を行う必要がある日雇派遣労働者については、当該届

出を行った又は日雇手続を行う日雇派遣労働者(当該派遣先への労働者派遣の開始後速やかに当該届

出が行われるものを含む。)を受け入れるべきであり、派遣元事業主から日雇派遣労働者について当

該届出又は当該日雇手続を行わない理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考え

られる場合には、派遣元事業主に対し、当該日雇派遣労働者について当該届出を行ってから派遣する

よう又は当該日雇手続を行うよう求めること。

第5 日雇派遣労働者に対する就業条件等の明示

1 派遣元事業主は、労働基準法(昭和 年法律第 号)第 条に基づき、日雇派遣労働者との労働契

約の締結に際し、労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項、労働

時間に関する事項、賃金に関する事項(労使協定に基づく賃金の一部控除の取扱いを含む。)及び退

職に関する事項について、書面の交付による明示を確実に行うこと。また、その他の労働条件につい

ても、書面の交付により明示を行うよう努めること。

2 派遣元事業主は、モデル就業条件明示書(日雇派遣・携帯メール用)の活用等により、日雇派遣労

働者に対し労働者派遣法第 条に規定する就業条件等の明示を確実に行うこと。

第6 教育訓練の機会の確保等

1 派遣元事業主は、職業能力開発促進法(昭和 年法律第 号)及び労働者派遣法第 条の4に基づ

き、日雇派遣労働者の職業能力の開発及び向上を図ること。

2 派遣元事業主は、日雇派遣労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練に

ついては、派遣就業前に実施しなければならないこと。

3 派遣元事業主は、日雇派遣労働者が従事する職務を効率的に遂行するために必要な能力を付与する

ための教育訓練を実施するよう努めること。

4 派遣元事業主は、2及び3に掲げる教育訓練以外の教育訓練については、日雇派遣労働者の職務の

内容、職務の成果、意欲、能力及び経験等に応じ、実施することが望ましいこと。

5 派遣元事業主は、日雇派遣労働者又は日雇派遣労働者として雇用しようとする労働者について、当

該労働者の適性、能力等を勘案して、最も適合した就業の機会の確保を図るとともに、就業する期間

及び日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該労働者の希望と適合するよう

な就業機会を確保するよう努めること。

6 派遣先は、派遣元事業主が行う教育訓練や日雇派遣労働者の自主的な能力開発等の日雇派遣労働者

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所に掲示する等により、周知の徹底を図ること。

就業場所の巡回

1の労働者派遣契約について少なくとも1回以上の頻度で定期的に日雇派遣労働者の就業場所

を巡回し、当該日雇派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことを確認

すること。

就業状況の報告

日雇派遣労働者を直接指揮命令する者から、 1の労働者派遣契約について少なくとも1回以上

の頻度で定期的に当該日雇派遣労働者の就業の状況について報告を求めること。

労働者派遣契約の内容の遵守に係る指導

日雇派遣労働者を直接指揮命令する者に対し、労働者派遣契約の内容に違反することとなる業

務上の指示を行わないようにすること等の指導を徹底すること。

第4 労働・社会保険の適用の促進

1 日雇労働被保険者及び日雇特例被保険者に係る適切な手続

派遣元事業主は、日雇派遣労働者が雇用保険法(昭和 年法律第 号)第 条第1項に規定する

日雇労働被保険者又は健康保険法(大正 年法律第 号)第3条第2項に規定する日雇特例被保険者

に該当し、日雇労働被保険者手帳又は日雇特例被保険者手帳の交付を受けている者(以下「手帳所持

者」という。)である場合には、印紙の貼付等の手続(以下「日雇手続」という。)を適切に行うこ

と。

2 労働・社会保険に係る適切な手続

派遣元事業主は、その雇用する日雇派遣労働者の就業の状況等を踏まえ、労働・社会保険に係る手

続を適切に進め、被保険者である旨の行政機関への届出(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派

遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和 年労働省令第 号)第 条の2第1項各号に掲げる

書類の届出をいう。以下単に「届出」という。)が必要とされている場合には、当該届出を行ってか

ら労働者派遣を行うこと。ただし、当該届出が必要となる日雇派遣労働者について労働者派遣を行う

場合であって、当該労働者派遣の開始後速やかに当該届出を行うときは、この限りでないこと。

3 派遣先に対する通知

派遣元事業主は、労働者派遣法第 条第1項に基づき、派遣先に対し、日雇派遣労働者について届

出を行っているか否かを通知すること。さらに、派遣元事業主は、日雇派遣労働者が手帳所持者であ

る場合においては、派遣先に対し、日雇手続を行うか行えないかを通知すること。

4 届出又は日雇手続を行わない理由に関する派遣先及び日雇派遣労働者への通知

派遣元事業主は、日雇派遣労働者について届出を行っていない場合には、その具体的な理由を派遣

先及び当該日雇派遣労働者に対し、通知すること。さらに、派遣元事業主は、日雇派遣労働者が手帳

所持者である場合であって、日雇手続を行えないときには、その具体的な理由を派遣先及び当該日雇

派遣労働者に対し、通知すること。

5 派遣先による届出又は日雇手続の確認

派遣先は、派遣元事業主が届出又は日雇手続を行う必要がある日雇派遣労働者については、当該届

出を行った又は日雇手続を行う日雇派遣労働者(当該派遣先への労働者派遣の開始後速やかに当該届

出が行われるものを含む。)を受け入れるべきであり、派遣元事業主から日雇派遣労働者について当

該届出又は当該日雇手続を行わない理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考え

られる場合には、派遣元事業主に対し、当該日雇派遣労働者について当該届出を行ってから派遣する

よう又は当該日雇手続を行うよう求めること。

第5 日雇派遣労働者に対する就業条件等の明示

1 派遣元事業主は、労働基準法(昭和 年法律第 号)第 条に基づき、日雇派遣労働者との労働契

約の締結に際し、労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項、労働

時間に関する事項、賃金に関する事項(労使協定に基づく賃金の一部控除の取扱いを含む。)及び退

職に関する事項について、書面の交付による明示を確実に行うこと。また、その他の労働条件につい

ても、書面の交付により明示を行うよう努めること。

2 派遣元事業主は、モデル就業条件明示書(日雇派遣・携帯メール用)の活用等により、日雇派遣労

働者に対し労働者派遣法第 条に規定する就業条件等の明示を確実に行うこと。

第6 教育訓練の機会の確保等

1 派遣元事業主は、職業能力開発促進法(昭和 年法律第 号)及び労働者派遣法第 条の4に基づ

き、日雇派遣労働者の職業能力の開発及び向上を図ること。

2 派遣元事業主は、日雇派遣労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練に

ついては、派遣就業前に実施しなければならないこと。

3 派遣元事業主は、日雇派遣労働者が従事する職務を効率的に遂行するために必要な能力を付与する

ための教育訓練を実施するよう努めること。

4 派遣元事業主は、2及び3に掲げる教育訓練以外の教育訓練については、日雇派遣労働者の職務の

内容、職務の成果、意欲、能力及び経験等に応じ、実施することが望ましいこと。

5 派遣元事業主は、日雇派遣労働者又は日雇派遣労働者として雇用しようとする労働者について、当

該労働者の適性、能力等を勘案して、最も適合した就業の機会の確保を図るとともに、就業する期間

及び日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該労働者の希望と適合するよう

な就業機会を確保するよう努めること。

6 派遣先は、派遣元事業主が行う教育訓練や日雇派遣労働者の自主的な能力開発等の日雇派遣労働者

の教育訓練・能力開発について、可能な限り協力するほか、必要に応じた教育訓練に係る便宜を図る

よう努めること。

第7 関係法令等の関係者への周知

1 派遣元事業主は、日雇派遣労働者を登録するためのホームページを設けている場合には、関係法令

等に関するコーナーを設けるなど、日雇派遣労働者となろうとする者に対する関係法令等の周知を徹

底すること。また、派遣元事業主は、登録説明会等を活用して、日雇派遣労働者となろうとする者に

対する関係法令等の周知を徹底すること。

2 派遣元事業主は、労働者派遣法の規定による派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置の内容並びに

労働者派遣法第3章第4節に規定する労働基準法等の適用に関する特例等関係法令について、派遣

先、日雇派遣労働者等の関係者への周知の徹底を図るために、文書の配布等の措置を講ずること。

3 派遣先は、労働者派遣法の規定による派遣先が講ずべき措置の内容及び労働者派遣法第3章第4節

に規定する労働基準法等の適用に関する特例等関係法令について、日雇派遣労働者を直接指揮命令す

る者、日雇派遣労働者等の関係者への周知の徹底を図るために、文書の配布等の措置を講ずること。

4 派遣先は、日雇派遣労働者の受入れに際し、日雇派遣労働者が利用できる派遣先の各種の福利厚生

に関する措置の内容についての説明、日雇派遣労働者が円滑かつ的確に就業するために必要な、日雇

派遣労働者を直接指揮命令する者以外の派遣先の労働者との業務上の関係についての説明及び職場生

活上留意を要する事項についての助言等を行うこと。

第8 安全衛生に係る措置

1 派遣元事業主が講ずべき事項

派遣元事業主は、日雇派遣労働者に対して、労働安全衛生法(昭和 年法律第 号)第 条第

1項に規定する雇入れ時の安全衛生教育を確実に行わなければならないこと。その際、日雇派遣労

働者が従事する具体的な業務の内容について、派遣先から確実に聴取した上で、当該業務の内容に

即した安全衛生教育を行うこと。

派遣元事業主は、日雇派遣労働者が労働安全衛生法第 条第3項に規定する危険有害業務に従

事する場合には、派遣先が同項に規定する危険有害業務就業時の安全衛生教育を確実に行ったかど

うか確認すること。

2 派遣先が講ずべき事項

派遣先は、派遣元事業主が日雇派遣労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育を適切に行えるよ

う、日雇派遣労働者が従事する具体的な業務に係る情報を派遣元事業主に対し積極的に提供すると

ともに、派遣元事業主から雇入れ時の安全衛生教育の委託の申入れがあった場合には可能な限りこ

れに応じるよう努める等、日雇派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するために必要な協力や配

慮を行うこと。

派遣先は、派遣元事業主が日雇派遣労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育を確実に行ったか

どうか確認すること。

派遣先は、日雇派遣労働者の安全と健康の確保に責務を有することを十分に認識し、労働安全

衛生法第 条第3項に規定する危険有害業務就業時の安全衛生教育の適切な実施等必要な措置を確

実に行わなければならないこと。

第9 労働条件確保に係る措置

1 派遣元事業主は、日雇派遣労働者の労働条件の確保に当たっては、第5の1に掲げる労働条件の明

示のほか、特に次に掲げる事項に留意すること。

賃金の一部控除

派遣元事業主は、日雇派遣労働者の賃金について、その一部を控除する場合には、購買代金、

福利厚生施設の費用等事理明白なものについて適正な労使協定を締結した場合に限り認められる

ことに留意し、不適正な控除が行われないようにすること。

労働時間

派遣元事業主は、集合場所から就業場所への移動時間等であっても、日雇派遣労働者がその指

揮監督の下にあり、当該時間の自由利用が当該日雇派遣労働者に保障されていないため労働時間

に該当する場合には、労働時間を適正に把握し、賃金を支払うこと。

2 1に掲げる事項のほか、派遣元事業主及び派遣先は、日雇派遣労働者に関して、労働基準法等関係

法令を遵守すること。

第 情報の提供

派遣元事業主は、日雇派遣労働者及び派遣先が良質な派遣元事業主を適切に選択できるよう、労働者

派遣の実績、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額

を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合、教育訓練に関する事項等に関する情

報を事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法により提供すること。

第 派遣元責任者及び派遣先責任者の連絡調整等

1 派遣元責任者は、日雇派遣労働者の就業に関し、労働者派遣法第 条に規定する派遣労働者に対す

る必要な助言及び指導等を十分に行うこと。

2 派遣元責任者及び派遣先責任者は、日雇派遣労働者の就業に関し、労働者派遣法第 条及び第 条

に規定する派遣労働者から申出を受けた苦情の処理、派遣労働者の安全、衛生等に関する相互の連絡

調整等を十分に行うこと。

第 派遣先への説明

派遣元事業主は、派遣先が日雇派遣労働者についてこの指針に定める必要な措置を講ずることができ

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るようにするため、派遣先に対し、労働者派遣契約の締結に際し、日雇派遣労働者を派遣することが

予定されている場合には、その旨を説明すること。また、派遣元事業主は、派遣先に対し、労働者派

遣をするに際し、日雇派遣労働者を派遣する場合には、その旨を説明すること。

第 その他

日雇派遣労働者について労働者派遣を行う派遣元事業主及び当該派遣元事業主から労働者派遣の役務

の提供を受ける派遣先に対しても、派遣元指針及び派遣先指針は当然に適用されるものであることに

留意すること。

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るようにするため、派遣先に対し、労働者派遣契約の締結に際し、日雇派遣労働者を派遣することが

予定されている場合には、その旨を説明すること。また、派遣元事業主は、派遣先に対し、労働者派

遣をするに際し、日雇派遣労働者を派遣する場合には、その旨を説明すること。

第 その他

日雇派遣労働者について労働者派遣を行う派遣元事業主及び当該派遣元事業主から労働者派遣の役務

の提供を受ける派遣先に対しても、派遣元指針及び派遣先指針は当然に適用されるものであることに

留意すること。

労使協定方式に関するQ&A

1.労使協定の締結

問1-1 労使協定は施行日( 年4月1日)前に締結することは可能か。

答 働き方改革関連法(平成 年改正派遣法)の施行日前に、派遣元事業主が過半数労働組合又は過半

数代表者との間で法第 条の4第1項の協定を締結することは可能である。

なお、当然のことながら、労働者派遣法第 条の4第1項の協定としての効力が発生するのは、施

行日以降であることに留意すること。

問1-2 施行日前から締結している労働者派遣契約について、「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限

定するか否かの別」などを新たに記載する必要があるが、労働者派遣契約を新たに締結し直す必

要があるのか。

答 労働者派遣契約を新たに締結し直すことまで求めるものではないが、施行日までに、労働者派遣契

約の変更等により、新たに労働者派遣契約の締結事項となった「派遣労働者が従事する業務に伴う責任

の程度」及び「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限定するか否かの別」を労働者派遣契約に定めてお

かなければならない。

問1-3 数か所の事業所を労使協定の一つの締結単位とすることは可能か。(例:関東地方に所在する

事業所で労使協定を締結)

答 差し支えない。

ただし、待遇を引き下げることなどを目的として、数か所の事業所を一つの締結単位とすることは、

労使協定方式の趣旨に反するものであり、適当ではなく、認められないことに留意すること。

また、この場合、比較対象となる一般賃金を算定する際の地域指数については、協定対象派遣労働者

の派遣先の事業所その他派遣就業の場所の所在地を含む都道府県又は公共職業安定所管轄地域の指数

を選択することに留意すること。

さらに、数か所の事業所を労使協定の一つの締結単位とする場合、派遣労働者が多数となり、派遣先

の業種、派遣先地域も多岐にわたって賃金体系等が複雑となり、複数の事業所の派遣労働者全体の利益

を適切に代表する過半数代表者を選出することが困難となる可能性があることから、数か所の事業所

を労使協定の締結単位とする場合には、過半数代表者が民主的手続に基づいて選出されるよう、特に留

意する必要がある。仮に過半数代表者を適切に選出していないと認められた場合には労使協定方式が

適用されず、法第 条の3の規定に基づき、派遣先に雇用される通常の労働者との均等・均衡待遇を

確保しなければならないことに留意すること。

問1-4 派遣労働者は各々異なる派遣先に派遣されており、労使協定を締結する過半数代表者の選出

が困難であるが、どのように選出すればよいか。

答 例えば、派遣労働者の賃金明細を交付する際や派遣元事業主が派遣先を巡回する際に、労使協定の

意義や趣旨を改めて周知するとともに、立候補の呼びかけや投票用紙の配付をしたり、社内のイントラ

ネットやメールにより立候補の呼びかけや投票を行わせることが考えられる。

なお、派遣元事業主は、過半数代表者が労使協定の事務を円滑に遂行することができるよう必要な

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配慮を行わなければならない(労働者派遣法施行規則第 条の6第3項)。この「必要な配慮」には、

例えば、過半数代表者が労働者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器(イントラネットや

社内メールを含む。)や事務スペースの提供を行うことが含まれるものである。

また、労働基準法 条に基づく時間外・休日労働に関する協定の締結や、同法 条に基づく就業

規則の作成又は変更を行う場合にも、(過半数労働組合が存在しない場合は)当然に過半数代表者の選

出が必要である。

問1-5 既に締結されている労働協約をもとにして、労使協定方式とすることは可能か。

答 形式的には、法第 条の4第1項の労使協定を別途締結いただくことが必要であるが、労使協定に

定める法第 条の4第1項各号の事項について、労働協約を参照する旨を定めて労使協定として合意

することは差し支えない。

また、派遣元事業主は、法第 条第5項に基づき、厚生労働大臣に毎年度提出する事業報告書に労

使協定を添付しなければならないこととされているところ、法第 条の4第1項各号に掲げる事項が

労使協定自体ではなく、労働協約を参照する旨定められている場合には、労使協定本体に加えて、労使

協定で参照している労働協約もあわせて事業報告書に添付しなければならない。

問1-6 労使協定には、派遣労働者の賃金の額のほか、その比較対象となる一般賃金の額を記載する

必要はあるのか。

答 貴見のとおり。

法第 条の4第1項第2号イにより、一般賃金の額と同等以上である協定対象派遣労働者の賃金の

決定の方法を定めることとされているため、同等以上であることが客観的に明らかとなるよう、協定対

象派遣労働者の賃金の額に加え、その比較対象となる一般賃金の額も記載することが必要である。

問1-7 労使協定には具体的な内容を定めず、就業規則、賃金規程等によることとする旨を定めるこ

ととしてよいか。

答 差し支えない。なお、当然のことながら、法第 条の4第1項各号に掲げる事項(労使協定に定め

るべき事項)については、労使協定自体に具体的に定めなかったとしても、就業規則、賃金規程等に具

体的に定めることにより、労使協定自体、就業規則、賃金規程等でこれらの事項を網羅的に定めること

が必要である。

また、派遣元事業主は、法第 条第5項に基づき、厚生労働大臣に毎年度提出する事業報告書に労

使協定を添付しなければならないこととされているところ、法第 条の4第1項各号に掲げる事項が

労使協定自体ではなく、就業規則、賃金規程等に定められている場合には、労使協定本体に加えて、労

使協定で引用している就業規則、賃金規程等もあわせて事業報告書に添付しなければならない。

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問1-8 労使協定の有効期間中に、一般賃金の額が変わった場合、労使協定を締結し直す必要がある

のか。

答 労使協定の有効期間中に一般賃金の額が変わった場合には、有効期間中であっても、労使協定に定

める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上の額であるか否か確認することが必要。

派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上の額でない場合には、労使協定に定める賃金の決定

方法を変更するために労使協定を締結し直す必要があること。一方、派遣労働者の賃金額が一般賃金の

額と同等以上の額である場合には、派遣元事業主は、同額以上の額であることを確認した旨の書面を労

使協定に添付すること。

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2.基本給・賞与・手当等

問2-1 基本給は、どのように時給換算をすればよいか。

答 例えば、月給制の場合には、次の方法により計算することが考えられる。

計算方法①:月給 × か月 ÷ 週 ÷ 週の所定労働時間

計算方法②:月給 ÷ その月の所定労働時間数(月によって所定労働時間が異なる場合には、一年

間における一月平均所定労働時間数)

問2-2 職種別の基準値(①)×能力・経験調整指数(②)×地域指数(③)で計算して算出された数

字と、局長通知の別添1又は別添2の数値(①×②)×地域指数(③)で計算して算出された数

字が異なることがある。どちらを使用すればよいか。

例 別添2の システム設計技術者

・ 円(基準値)×1.16(1年目の能力経験指数)×92.0(北海道の地域指数) = 円

・ 円(別添2の 年目の額)×92.0(北海道の地域指数)= 円

答 別添1又は別添2の数値(①×②)×地域指数(③)を用いる(例の場合は「 円」を用いる)。

問2-3 賃金に含まれない「時間外、休日及び深夜の労働に係る手当等」の「等」とは何を指すのか。

答 「等」には、宿日直手当(本来の職務外としての宿日直勤務に対して支給される給与)及び交替手当

(臨時に交替制勤務の早番あるいは後番に対して支給される交替勤務給など、労働時間の位置により

支給される給与)が含まれる。

問2-4 一般基本給・賞与等の額が最低賃金を上回っているかの判断において、この最低賃金とは、

「①実際に賃金が支払われる時点のもの」、「②労使協定が締結される時点のもの」、「③局長通達

で公表されている賃金構造基本統計調査や職業安定業務統計の年度のもの」のいずれであるか。

答 ①の時点の最低賃金を上回っているかを確認しなければならない。

問2-5 「職種別の賃金×能力・経験調整指数×地域指数」の結果、地域別最低賃金の額を超えている

が、それに対応する「基準値(0年)」は地域別最低賃金の額を下回っている。この場合、協定

対象派遣労働者との比較に「基準値(0年)」を使わないのであれば、問題ないか。

例:北海道の地域別最低賃金額 円

職種別の賃金 円(製材工) × (北海道) = 円 「基準値(0年)」

職種別の賃金 円(製材工) × 1.16( 年)× (北海道) = 円

答 ご指摘の場合には、地域別最低賃金の額を「基準値(0年)」とした上で、当該額に能力・経験調整

指数を乗じたものと同等以上の額としなければならない。

ご指摘の例であれば、能力・経験調整指数として(1年)を選択した場合の協定対象派遣労働者の賃

金の額は、 円( 円 × 1.16( 年))以上でなければならない。

なお、特定最低賃金の場合も、同様の取扱いである。

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問2-6 賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計に同様の職種がある場合(例えば、測量技術者等)、

どちらを選択すればよいのか。

答 賃金構造基本統計調査の職種については、「役職及び職種解説」において、職業安定業務統計の職種

については「第4回改訂 厚生労働省編職業分類 職業分類表 改訂の経緯とその内容(独立行政法人

労働政策研究・研修機構)」において、それぞれ職種の具体的な内容を解説している。

これらをもとにして、派遣労働者の業務がこれらの政府統計のいずれの職種と一致するのか、近いの

かについて、労使で十分に議論し、比較対象とする職種を決定することが求められる。

なお、協定対象派遣労働者の賃金を引き下げることなどを目的に、職種ごとに統計などを使い分ける

ことは労使協定方式の趣旨に照らして適切ではなく、認められないことに留意すること。

問2-7 能力・経験調整指数について、1年、2年、3年、5年、 年、 年が示されているが、協

定対象派遣労働者の能力及び経験を踏まえた結果、例えば「4年」、「8年」、「 年」など、能

力・経験調整指数として具体的に示されてない年数になった場合は、一般賃金をどのように算出

すればよいか。

答 統計上の制約から、能力・経験調整指数として、「1年」、「2年」、「3年」、「5年」、「 年」、「 年」

を示しており、原則として、この指数から選択いただくこととなる。

一方、ご指摘のように、派遣労働者の能力及び経験が「4年」、「8年」、「 年」に相当する場合に

は、労使で十分に議論した上で、これらの年数に相当する額を算出することも差し支えないが、「4年」

であれば「3年」、「8年」であれば「5年」、「 年」であれば「 年」、それぞれに相当する額を超え

るものでなければならない。

具体的な算出方法としては、例えば、派遣労働者の能力及び経験が「 年」に相当する場合の額を

算出する場合には、「 年」に相当する額が 円、「 年」に相当する額が 円であれば、次

のとおり計算することが考えられる。

計算方法: 円+( 円 円)×( 年 年)/( 年 年)= 円

問2-8 能力・経験調整指数について、例えば、勤続が5年目の協定対象派遣労働者については、必ず

「5年」の指数を使用しないといけないのか。

答 能力・経験調整指数の年数は、派遣労働者の勤続年数を示すものではないため、ご指摘の場合に、必

ず「5年」にしなければならないものではない。

例えば、職務給の場合には、派遣労働者が従事する業務の内容、難易度等が、一般の労働者の勤続何

年目に相当するかを労使で判断いただくこととなる。

なお、待遇を引き下げることなどを目的として、低い能力・経験調整指数を使用することは、労使協

定方式の趣旨に反するものであり、適当ではなく、認められない。

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問2-9 複数の地域に派遣している場合、その複数の地域の地域指数の平均値を使うことは可能か(例

えば、東京 と埼玉 に派遣される可能性があるので、 を使う)。

答 認められない。派遣先の事業所等ごとに当該事業所等の所在地に係る地域指数を乗じて算出した一

般賃金の額と同等以上でなければならない。

例えば、ご指摘の例の場合、東京都に派遣されている間の賃金は、東京又は東京都内のハローワーク

の地域指数を乗じて算出した一般賃金の額、埼玉県に派遣されている間の賃金は、埼玉又は埼玉県内の

ハローワークの地域指数を乗じて算出した一般賃金の額と同等以上でなければならない。

問2- 賞与等の「①直近の事業年度において協定対象派遣労働者に支給された額の平均額」、「②協

定対象派遣労働者に支給される見込み額の平均額」、「③標準的な協定対象派遣労働者に支給さ

れる額」はどのように定めるのか。

答 ①については、直近の事業年度に協定対象派遣労働者の範囲に含まれる者に対して支給された額の

合計額を、当該事業年度の当該者の所定内労働時間の合計額で除した額とすることが考えられる。

②については、例えば、業績により支給総額が変動する賞与について、来年度に支給される賞与総額

を協定対象派遣労働者の想定される所定内労働時間の合計額で除した額とすることが考えられる。

③については、例えば、職務評価により支給額が変わる賞与について、標準的な評価の協定対象派遣

労働者に対する賞与の額とすることが考えられる。

問2- 賞与・手当等は、平均額等で代替可能であるが、仮に一部の協定対象派遣労働者への支給額が

過大な場合(例:一部の協定対象派遣労働者のみに対し、家族手当を多く支給している場合)、

協定対象派遣労働者の支給額の中央値を使うなどの方法は可能か。

答 認められる。ただし、平均値より中央値が高い場合は、原則どおり、平均値を使うこと。

問2- 賞与・手当等については、当該賞与・手当等を支給していない協定対象派遣労働者も含めての

平均額としなければならないのか。又は、当該賞与・手当等を支給している協定対象派遣労働者

の平均額でも構わないのか。

答 当該賞与・手当等を支給していない協定対象派遣労働者を含めての平均額としなければならない。

問2- 協定対象派遣労働者の賃金の決定方法について、職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験

等の向上により賃金が改善されるものでなければならない、という要件(法第 条の4第1項

第2号ロ)があるが、例えば、職務の成果を勘案したときに、賃金が改善されないことは認めら

れないのか。

答 法第 条の4第1項第2号ロは、職務の成果等の就業の実態に関する事項の「向上」があった場合

の対応として、賃金を改善することについて規定しているものであるため、公正な評価の結果、仮に職

務の成果等の「向上」がないと認められる場合に賃金の改善が行われなかったとしても、同ロとの関係

で直ちに問題となるものではない。

なお、法第 条の4第1項第3号に基づき、職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他

の就業の実態に関する事項を公正に評価し、協定対象派遣労働者の賃金を決定することが求められる

ことは言うまでもない。

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3.通勤手当

問3-1 通勤手当について、実費支給により「同等以上」を確保する場合、通勤手当の上限額を協定対

象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額が「 円」以上であること

が必要であるが、この「上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに

換算した額」はどのように計算して導き出せばよいのか。

答 「上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定内労働時間1時間当たりに換算した額」の計算方法

については、労使で合意されたものである必要があるが、例えば、一月当たりの上限額が設けられてい

る場合、当該上限額を協定対象派遣労働者の一月当たりの所定内労働時間の平均で割ることが考えら

れる。

問3-2 通勤手当を支払っていない場合に、一般賃金と同等以上の額を確保するためには、どうすれ

ばよいか。

答 通勤手当を支払っていない場合には、協定対象派遣労働者の賃金(退職金を除く。)の額が、一般基

本給・賞与等の額に一般通勤手当「 円」を加えた額と同等以上であることが必要である。

問3-3 「一般基本給・賞与等+一般通勤手当」と「基本給・賞与・手当等+通勤手当」で比較する場

合に、割増賃金の算定基礎となる賃金額はどうなるのか。

答 「割増賃金の基礎となる賃金」については、労働基準法等に規定されており、通勤手当については、

「割増賃金の基礎となる賃金」から除外することができる。

ただし、通勤手当の名称で支給されている賃金の全てを除外できるわけではなく、通勤手当が、6か

月定期券の金額に応じた費用を支給する場合など、通勤に要した費用に応じて支給される手当である

場合には、除外することができる。

一方、実際の通勤距離にかかわらず1日 円支給する場合など、通勤に要した費用や通勤距離に

関係なく一律に支給する手当である場合には、除外することができない。

なお、通勤手当として別途支給するのではなく、通勤手当相当分を加味して基本給として支給すると

きは、通勤手当分を含めた基本給全てを割増賃金の基礎とする必要があると考えられるが、一方で、通

勤手当として別途支給する場合には、上記の考え方に沿って判断されるものである。

問3-4 実費支給で通勤手当を支払っているが、例えば、派遣就業の場所と居住地の間の距離が1㎞

未満である場合を「徒歩圏内」とし、通勤手当を支給していない場合、どのように取り扱えばよ

いか。

答 派遣就業の場所と居住地の間の距離が1㎞未満である場合を「徒歩圏内」として通勤手当を支給し

ないことを労使で合意し、その他の場合を実費支給している場合には、局長通知第2の2の(1)の実

費支給と解される。

「徒歩圏内」の距離については、(人事院規則(原則として2㎞未満の場合には通勤手当は支給しな

い)等を参考にしつつ、)労使でご判断いただくものである。

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問3-5 通勤手当を、「1~2㎞の場合は●円、2~3㎞は●円、・・・」と距離に応じて定額で支給

している場合、実費支給と取り扱ってもよいか。

答 通勤距離に応じて支払うものであれば、実費支給として認められる。ただし、支払う額が実費相当の

額といえることが必要であり、不当に低い額で設定されている場合は、この限りでない。

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4.退職金

問4-1 退職手当制度により一般賃金と比較する場合、退職金の支給要件となる勤続年数の起算点は、

協定対象派遣労働者を雇用した時点、施行時点など、いつになるのか。

答 特段の定めはない。労使で十分に議論した上で退職金の支給要件である勤続年数の起算点を決定す

ることが求められる。

なお、派遣元事業主が施行日前から退職手当制度を有しており、既に協定対象派遣労働者にも当該制度

が適用されている場合においては、改正労働者派遣法の施行に合わせて勤続年数の起算点を後ろ倒しする

ことは、労働条件の不利益変更となり得ることに留意すること。

問4-2 新規に退職手当制度を導入して、制度導入後の勤続年数を元に支給額を決定しようと考えて

いるが、退職手当の給付額で比較する場合には、制度導入後の勤続年数に該当する勤続年数の一

般退職金と比較するのか、制度導入前も含んだ勤続年数の一般退職金と比較するのか。

答 特段の定めはない。労使で十分に議論した上で退職金の支給要件である勤続年数の起算点を決定す

ることが求められる。

なお、派遣元事業主が施行日前から退職手当制度を有しており、既に協定対象派遣労働者にも当該制度

が適用されている場合においては、改正労働者派遣法の施行に合わせて勤続年数の起算点を後ろ倒しする

ことは、労働条件の不利益変更となり得ることに留意すること。

問4-3 退職手当制度の支給月数で一般賃金と比較する場合、協定対象派遣労働者の支給月数に乗じ

る賃金額や、退職金総額から支給月数を算出する際の賃金額如何。

答 協定対象派遣労働者の退職時の所定内賃金額を用いなければならない。

問4-4 退職手当制度により一般賃金と比較する場合「自己都合退職」と「会社都合退職」はどのよう

に定義されるのか。労働契約不更新の場合はどうなるのか。

答 一般賃金の統計調査の定義や雇用保険の取扱い等を踏まえつつ、労使でご判断いただくもの。

※ 就労条件総合調査:「会社都合には定年退職も含みます。」

※ 中小企業の賃金・退職金事情(東京都):「自己都合退職とは、依願退職および一方的な辞職(任意

退職)を指します。早期または希望退職制度適用者も含まれます。会社都合退職とは、整理解雇およ

び普通解雇を指します。退職勧奨に応じた場合も含まれます。」

問4-5 退職金に関して東京都が実施した調査「中小企業の賃金・退職金事情」は、東京都以外に所在

する派遣元事業主や派遣先が東京都にない場合においても、使用することは可能か。

答 可能であるが、労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる。

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問4-6 退職金に関して東京都が実施した調査「中小企業の賃金・退職金事情」は、従業員が 人~

人の中小企業を対象とした調査であるが、中小企業以外の派遣元事業主も使用することはで

きるのか。

答 可能であるが、労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる。ただし、例えば、従業員規

模が大きい派遣元事業主が「中小企業の賃金・退職金事情」を使用する場合は、労使間でその理由を十

分に共有するなど、派遣労働者が納得できるように留意すること。

問4-7 協定対象派遣労働者が高齢者であり、前職で退職金が支払われている者、再雇用である者で

あれば、退職金を支給しなくても問題ないか(一般退職金と同等以上の額としなくてもよい

か。)。

答 労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる。

問4-8 就労条件総合調査では、勤続 年以上の数字しか示されていない。これを参考として、

年目までは退職金を支払わなくてもよいか。

答 認められない。例えば、就労条件総合調査を使用する場合には、最低勤続年数を算出したうえで、

勤続 年未満等については、勤続 年の対象手当の支給月数等を で割った数字を勤続1年あた

りの支給月数として、勤続1年を加えるごとに1年分を増加させていく方法や、他の退職金制度の調

査における勤続年数ごとの支給月数の上昇率を加味して算出する方法などが考えられる。

問4-9 退職手当制度で一般退職金と同等以上を確保する場合、次年度の局長通達で示された支給月

数等の数値が上がった場合には、当該制度を見直す必要があるのか。

答 貴見のとおりであり、速やかに見直しの検討に着手することが求められる。

問4- 企業型の確定拠出年金のマッチング拠出は、選択肢3(中小企業退職金共済制度等に加入す

る場合)における派遣労働者の退職金の掛金に算入してもよいか。

答 事業主が負担する費用に該当しないため、認められない。

問4- 厚生年金基金に加入している場合には、選択肢3(中小企業退職金共済制度等に加入する場

合)として取り扱ってもよいか。

答 貴見のとおり(ただし、基本標準掛金を除く。また、派遣元事業主負担分に限る。)。

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5.独自統計

問5-1 新規高卒初職者について、採用した初年度に限り、人事院の職種別民間給与実態調査の学歴

別職種別の高卒者の初任給を使用した賃金を適用してもよいか。

答 統計の使用について労使で合意していれば、差し支えない。ただし、その際の賃金の決定方法は、

職務の内容、成果、意欲、能力、経験等の向上があった場合に改善されるものでなければならず、こ

れらを公正に評価して賃金を決定する必要がある。そのため、例えば、採用した翌年度以降も当該賃

金を使用したり、新規採用者であっても一定の技能を習得して採用された者にも当該賃金を適用する

のは不適切な賃金の決定と考えられ、法第 条の3の規定に基づき、派遣先に雇用される通常の労

働者との間の均等・均衡待遇を確保しなければならないことに留意すること。

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厚生労働省・都道府県労働局

労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド

労働者派遣・請負を行う事業主の皆様へ

 本ガイドは、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」について、具体的判断基準、Q&Aなどをお示しすることによって、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分を明確化することを目的としているものです。 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」をよりよくご理解頂くために、ぜひ、ご活用下さい。

PL270313派需01

労働者派遣と請負の区分の必要性…………………………………………………………… 1

労働者派遣事業とは…………………………………………………………………………… 2

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方……………………………………………………………………… 3

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A… …………………… 7

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A(第2集)… …………13

労働基準法等の適用について…………………………………………………………………19

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示………20

目 次

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労働者派遣と請負の区分の必要性…………………………………………………………… 1

労働者派遣事業とは…………………………………………………………………………… 2

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方……………………………………………………………………… 3

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A… …………………… 7

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A(第2集)… …………13

労働基準法等の適用について…………………………………………………………………19

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示………20

目 次

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労働者派遣と請負の区分の必要性

 労働者派遣と請負とでは、労働者の安全衛生の確保、労働時間管理等に関して、雇用主(派

遣元事業主、請負事業者)、派遣先、注文主が負うべき責任が異なっています(2ページ)。

 このため、業務の遂行方法について労働者派遣か請負かを明確にし、それに応じた安全衛生

対策や労働時間管理の適正化を図ることが必要です。

 労働者派遣、請負のいずれに該当するかは、契約形式ではなく、「労働者派遣事業と請負に

より行われる事業との区分に関する基準」(20ページ)に基づき、実態に即して判断されるも

のです。

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労働者派遣事業とは

1.労働者派遣事業 労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。

2.請負 請負とは、労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法第632条)ですが、労働者派遣との違いは、請負には、注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じないという点にあります。

3.労働者派遣と請負の区分 注文主と労働者との間に指揮命令関係がある場合には、請負形式の契約により行われていても労働者派遣事業に該当し、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます)の適用を受けます。 ところが、この区分の実際の判断は、必ずしも容易でないことから、この判断を明確に行うことができるように「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)が定められています。(20ページ参照)

4.労働基準法等の適用について 労働基準法、労働安全衛生法など労働関係法については、原則として派遣元事業主が雇用主として責任を負いますが、派遣先事業主が責任を負う事項があります。労働基準法、労働安全衛生法など労働関係法の適用関係は19ページのようになります。 なお、請負の形式による契約に基づいていても、労働者派遣と判断される場合には、同様の責任分担となります。

派 遣 元 事 業 主

派 遣 労 働 者

派 遣 先労働者派遣契約

雇用関係 指揮命令関係

請 負 業 者

労 働 者

注 文 主請 負 契 約

雇用関係

派 遣 元 事 業 主

派 遣 労 働 者

派 遣 先労働者派遣契約

雇用関係 指揮命令関係

請 負 業 者

労 働 者

注 文 主請 負 契 約

雇用関係

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労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区別に関する基準(昭和61年4月17日労働省告示第37号)の概要

Ⅰ… この基準は、法の適正な運用を確保するためには労働者派遣事業に該当するか否かの判断を的確に行う必要があることにかんがみ、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分を明らかにすることを目的とする。

Ⅱ… 請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させることを業として行う事業主であっても、当該事業主が当該業務の処理に関し次の1及び2のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とする。

 1… 次の(1)から(3)までのいずれにも該当することにより自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること。

  (1…)次の①及び②のいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。

    ① 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。

(具体的判断基準) 当該要件の判断は、当該労働者に対する仕事の割り付け、順序、緩急の調整等につき、当該事業主が自ら行うものであるか否かを総合的に勘案して行う。 「総合的に勘案して行う」とは、これらのうちいずれかの事項を事業主が自ら行わない場合であっても、これについて特段の合理的な理由が認められる場合は、直ちに当該要件に該当しないとは判断しない(以下同様)という趣旨である。 〔製造業務の場合〕 受託者は、一定期間において処理すべき業務の内容や量の注文を注文主から受けるようにし、当該業務を処理するのに必要な労働者数等を自ら決定し、必要な労働者を選定し、請け負った内容に沿った業務を行っていること。 受託者は、作業遂行の速度を自らの判断で決定することができること。また、受託者は、作業の割り付け、順序を自らの判断で決定することができること。

 〔車両運行管理業務の場合〕 あらかじめ定められた様式により運行計画(時刻、目的地等)を注文主から提出させ当該運行計画が安全運転の確保、人員体制等から不適切なものとなっている場合には、受託者がその旨を注文主に申し入れ変更できるものとなっていること。

 〔医療事務受託業務の場合〕 受託業務従事者が病院等の管理者又は病院職員等から、その都度業務の遂行方法に関する指示を受けることがないよう、受託するすべての業務について、業務内容やその量、遂行手順、実施日時、就業場所、業務遂行に当たっての連絡体制、トラブル発生時の対応方法等の事項について、書面を作成し、管理責任者が受託業務従事者に対し具体的に指示を行うこと。

 〔バンケットサービスの場合〕 受託者は、バンケットコンパニオンがホテル等から業務の遂行に関する指示を受けることのないよう、あらかじめホテル等と挨拶、乾杯、歓談、催し物等の進行順序並びにそれぞれの時点におけるバンケットコンパニオンが実施するサービスの内容及びサービスの実施に際しての注意事項を打ち合わせ、取り決めていること。

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    ② 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。

  (2…)次の①及び②のいずれにも該当することにより労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。

    ① 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理    …(これらの単なる把握を除く)を自ら行うこと。

    ②… 労働者の労働時間を延長する場合又は労働者を休日に労働させる場合における指示その他の管理(これらの場合における労働時間等の単なる把握を除く)を自ら行うこと。

  (3…)次の①及び②のいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うものであること。

    ① 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。

(具体的判断基準) 当該要件の判断は、当該労働者の業務の遂行に関する技術的な指導、勤惰点検、出来高査定等につき、当該事業主が自ら行うものであるか否かを総合的に勘案して行う。 〔医療事務受託業務の場合〕 受託者は、管理責任者を通じた定期的な受託業務従事者や病院等の担当者からの聴取、又はこれらの者との打ち合わせの機会を活用し、受託業務従事者の業務の遂行についての評価を自ら行っていること。

(具体的判断基準) 当該要件の判断は、受託業務の実施日時(始業及び終業の時刻、休憩時間、休日等)について、事前に事業主が注文主と打ち合わせているか、業務中は注文主から直接指示を受けることのないよう書面が作成されているか、それに基づいて事業主側の責任者を通じて具体的に指示が行われているか、事業主自らが業務時間の実績把握を行っているか否かを総合的に勘案して行う。 〔製造業務の場合〕 受託業務の行う具体的な日時(始業及び終業の時刻、休憩時間、休日等)については、事前に受託者と注文主とで打ち合わせ、業務中は注文主から直接指示を受けることのないよう書面を作成し、それに基づいて受託者側の現場責任者を通じて具体的に指示を行っていること。 受託業務従事者が実際に業務を行った業務時間については、受託者自らが把握できるような方策を採っていること。

(具体的判断基準) 当該要件の判断は、労働者の時間外、休日労働は事業主側の責任者が業務の進捗状況等をみて自ら決定しているか、業務量の増減がある場合には事前に注文主から連絡を受ける体制としているか否かを総合的に勘案して行う。 〔製造業務の場合〕 受託業務の業務量の増加に伴う受託業務従事者の時間外、休日労働は、受託者側の現場責任者が業務の進捗状況等をみて決定し、指示を行っていること。

 〔バンケットサービスの場合〕 宴席が予定した時間を超えた場合の請負契約に定められたサービス提供の終了時間の延長についてのホテル等との交渉及び延長することとした場合のバンケットコンパニオンへの指示については、現場に配置している責任者が行っていること。

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(具体的判断基準) 当該要件の判断は、当該労働者に係る事業所への入退場に関する規律、服装、職場秩序の保持、風紀維持のための規律等の決定、管理につき、当該事業主が自ら行うものであるか否かを総合的に勘案して行う。 なお、安全衛生、機密の保持等を目的とする等の合理的な理由に基づいて相手方が労働者の服務上の規律に関与することがあっても、直ちに当該要件に該当しないと判断されるものではない。 〔医療事務受託業務の場合〕 職場秩序の保持、風紀維持のための規律等の決定、指示を受託者が自ら行う(衛生管理上等別途の合理的理由に基づいて病院等が労働者の服務上の規律に関与する場合を除く)ほか、聴取及び打合せの際に、あるいは定期的な就業場所の巡回の際に、勤務場所での規律、服装、勤務態度等の管理を受託者が自ら行っていること。また、あらかじめ病院等の担当者に対して、この旨の説明を行っていること。

    ② 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。

(具体的判断基準) 当該要件の判断は、当該労働者に係る勤務場所、直接指揮命令する者等の決定及び変更につき、当該事業主が自ら行うものであるか否かを総合的に勘案して行う。 なお、勤務場所については、当該業務の性格上、実際に就業することとなる場所が移動すること等により、個々具体的な現実の勤務場所を当該事業主が決定又は変更できない場合は当該業務の性格に応じて合理的な範囲でこれが特定されれば足りるものである。 〔製造業務の場合〕 自らの労働者の注文主の工場内における配置も受託者が決定すること。 また、業務量の緊急の増減がある場合には、前もって注文主から連絡を受ける体制にし、受託者が人員の増減を決定すること。

 〔バンケットサービスの場合〕 業務に従事するバンケットコンパニオンの決定についてはホテル等による指名や面接選考等を行わずバンケット業者自らが決定すること。また、同一の宴席におけるバンケットサービスを複数のバンケット業者が請け負う場合には、異なるバンケット業者のバンケットコンパニオンが共同して1つのサービスを実施することのないよう、あらかじめ各バンケット業者が担当するテーブルやサービス内容を明確に区分していること。

(具体的判断基準) 当該要件の判断に当たり、資金についての調達、支弁の方法は特に問わないが、事業運転資金等はすべて自らの責任で調達し、かつ、支弁していることが必要である。 〔医療事務受託業務の場合〕 受託業務の処理により、病院等及び第三者に損害を与えたときは、受託者が損害賠償の責任を負う旨の規定を請負契約に定めていること。

 〔車両運行管理業務の場合〕 自動車事故等が発生し、注文主が損害を被った場合には、受託者が注文主に対して損害賠償の責任を負う(又は求償権に応ずる)旨の規定を契約書に明記するとともに、当

 2… 次の(1)から(3)までのいずれにも該当することにより請負契約により請け負った業務を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること。

  (1…)業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ、支弁すること。

  (2)業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての    責任を負うこと。

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該責任を負う意思及び履行能力を担保するため、受託者が自動車事故等に係る任意保険に加入していること。

 〔給食受託業務の場合〕 契約書等に食中毒等が発生し損害賠償が求められる等注文主側が損害を被った場合には、受託者が注文主に対して損害賠償の責を負う(又は求償に応ずる)旨の規定を明記していること。

  (3…)次のイ又はロのいずれかに該当するものであって、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。

    イ… 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。

    ロ… 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。

Ⅲ… Ⅱの1及び2のいずれにも該当する事業主であっても、それが法の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたものであって、その事業の真の目的が法第2条第1号に規定する労働者派遣を業として行うことにあるときは、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れることができない。

(具体的判断基準) 当該要件は、機械、設備、資材等の所有関係、購入経路等の如何を問うものではないが、機械、資材等が相手方から借り入れ又は購入されたものについては、別個の双務契約(契約当事者双方に相互に対価的関係をなす法的義務を課する契約)による正当なものであることが必要である。なお機械、設備、器材等の提供の度合については、単に名目的に軽微な部分のみを提供するにとどまるものでない限り、請負により行われる事業における一般的な社会通念に照らし通常提供すべきものが業務処理の進捗状況に応じて随時提供使用されていればよいものである。 〔製造業務の場合〕 注文主からの原材料、部品等の受取りや受託者から注文主への製品の受渡しについて伝票等による処理体制が確立されていること。また、注文主の所有する機械、設備等の使用については、請負契約とは別個の双務契約を締結しており、保守及び修理を受託者が行うか、ないしは保守及び修理に要する経費を受託者が負担していること。

 〔車両運行管理業務の場合〕 運転者の提供のみならず、管理車両の整備(定期整備を含む)及び修理全般、燃料・油脂等の購入及び給油、備品及び消耗品の購入、車両管理のための事務手続、事故処理全般等についても受託することで注文主の自動車の管理全体を行っているものであり、また、当該受託業務の範囲を契約書に明記していること。

(具体的判断基準) 当該要件は、事業主が企業体として有する技術、技能等に関するものであり、業務を処理する個々の労働者が有する技術、技能等に関するものではない。

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労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A

Q1. 発注者と請負労働者との日常的な会話

 請負労働者に対して、発注者は指揮命令を行うと偽装請負になると聞きましたが、発注者が請負事業主の労働者(以下「請負労働者」といいます)と日常的な会話をしても、偽装請負となりますか。

Q2. 発注者からの注文(クレーム対応)

 欠陥製品が発生したことから、発注者が請負事業主の作業工程を確認したところ、欠陥商品の原因が請負事業主の作業工程にあることがわかりました。この場合、発注者が請負事業主に作業工程の見直しや欠陥商品を製作し直すことを要求することは偽装請負となりますか。

Q3. 発注者の労働者による請負事業主への応援

 発注者から大量の注文があり、請負労働者だけでは処理できないときに、発注者の労働者が請負事業主の作業場で作業の応援を行った場合、偽装請負となりますか。

A 発注者が請負労働者と、業務に関係のない日常的な会話をしても、発注者が請負労働者に対して、指揮命令を行ったことにはならないので、偽装請負にはあたりません。

A 発注者から請負事業主に対して、作業工程の見直しや欠陥商品を製作し直すことなど発注に関わる要求や注文を行うことは、業務請負契約の当事者間で行われるものであり、発注者から請負労働者への直接の指揮命令ではないので労働者派遣には該当せず偽装請負にはあたりません。 ただし、発注者が直接、請負労働者に作業工程の変更を指示したり、欠陥商品の再製作を指示したりした場合は、直接の指揮命令に該当することから偽装請負と判断されることになります。

A 発注者の労働者が、請負事業主の指揮命令の下、請負事業主の請け負った業務を行った場合は、発注者が派遣元事業主、請負事業主が派遣先となる労働者派遣に該当します。労働者派遣法に基づき適正に行われていない限りは違法となります。 なお、請負事業主では大量の注文に応じられないことから、従来の契約の一部解除や変更によって、請負事業主で処理しなくなった業務を発注者が自ら行うこととなった場合等は、変更等の手続が適切になされているのであれば、特に違法ではありません。

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Q6. 中間ラインで作業をする場合の取扱

 製造業務において、発注者の工場の製造ラインのうち、中間のラインの一つを請け負っている場合に、毎日の業務量は発注者が作業しているラインから届く半製品の量によって変動します。この場合は、偽装請負となりますか。

Q4. 管理責任者の兼任

 請負事業主の管理責任者が作業者を兼任する場合、管理責任者が不在になる場合も発生しますが、請負業務として問題がありますか。

Q5. 発注者の労働者と請負労働者の混在

 発注者の作業スペースの一部に請負事業主の作業スペースがあるときに、発注者と請負事業主の作業スペースを明確にパーテーション等で区分しないと偽装請負となりますか。 また、発注者の労働者と請負労働者が混在していると、偽装請負となりますか。

A 適切な請負と判断されるためには、業務の遂行に関する指示その他の管理を請負事業主が自ら行っていること、請け負った業務を自己の業務として相手方から独立して処理する

A 請負事業主の管理責任者は、請負事業主に代わって、請負作業場での作業の遂行に関する指示、請負労働者の管理、発注者との注文に関する交渉等の権限を有しているものですが、仮に作業者を兼任して通常は作業をしていたとしても、これらの責任も果たせるのであれば、特に問題はありません。 また、管理責任者が休暇等で不在にすることがある場合には、代理の者を選任しておき、管理責任者の代わりに権限を行使できるようにしておけば、特に問題はありません。 ただし、管理責任者が作業者を兼任しているために、当該作業の都合で、事実上は請負労働者の管理等ができないのであれば、管理責任者とはいえず、偽装請負と判断されることになります。 さらに、請負作業場に、作業者が1人しかいない場合で当該作業者が管理責任者を兼任している場合、実態的には発注者から管理責任者への注文が、発注者から請負労働者への指揮命令となることから、偽装請負と判断されることになります。

A 適正な請負と判断されるためには、請負事業主が、自己の労働者に対する業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行っていること、請け負った業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することなどが必要です。 これらの要件が満たされているのであれば、仮に両事業主の作業スペースがパーテーション等により物理的に区分されていることがなくても、それだけをもって偽装請負と判断されるものではありません。 また、同様に、上記の要件が満たされているのであれば、パーテーション等の区分がないだけでなく、発注者の労働者と請負労働者が混在していたとしても、それだけをもって偽装請負と判断されるものではありません。 ただし、例えば、発注者と請負事業主の作業内容に連続性がある場合であって、それぞれの作業スペースが物理的に区分されてないことや、それぞれの労働者が混在していることが原因で、発注者が請負労働者に対し、業務の遂行方法に必然的に直接指示を行ってしまう場合は、偽装請負と判断されることになります。

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ことなどが必要ですが、これらの要件が満たされているのであれば、発注者の工場の中間ラインの一つを請け負っていることのみをもって、偽装請負と判断されるものではありません。 具体的には、工場の中間ラインの一つを請け負っている場合であっても、一定期間において処理すべき業務の内容や量の注文に応じて、請負事業主が自ら作業遂行の速度、作業の割り付け、順番、労働者数等を決定しているのであれば中間ラインの一つを請け負っていることのみをもって、偽装請負と判断されるものではありません。 ただし、工場の中間ラインの一つを請け負っている場合で、一定期間において処理すべき業務の内容や量が予め決まっておらず、他の中間ラインの影響によって、請負事業主が作業する中間ラインの作業開始時間と終了時間が実質的に定まってしまう場合など、請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っているとはみなせないときは、偽装請負と判断されることになります。

Q7. 作業工程の指示

 発注者が、請負業務の作業工程に関して、仕事の順序の指示を行ったり、請負労働者の配置の決定を行ったりしてもいいですか。また、発注者が直接請負労働者に指示を行わないのですが、発注者が作成した作業指示書を請負事業主に渡してそのとおりに作業を行わせてもいいですか。

Q8. 発注量が変動する場合の取扱

 発注する製品の量や作業量が、日ごと月ごとに変動が激しく、一定量の発注が困難な場合に、包括的な業務請負契約を締結しておき、毎日必要量を発注した上で、出来高での精算とすることは、偽装請負となりますか。また、完成した製品の量等に応じた出来高精算ではなく、当該請負業務に投入した請負労働者の人数により精算することは、偽装請負となりますか。

A 適切な請負と判断されるためには、業務の遂行に関する指示その他の管理を請負事業主が自ら行っていること、請け負った業務を自己の業務として相手方から独立して処理することなどが必要です。 したがって、発注者が請負業務の作業工程に関して、仕事の順序・方法等の指示を行ったり、請負労働者の配置、請負労働者一人ひとりへの仕事の割付等を決定したりすることは、請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っていないので、偽装請負と判断されることになります。 また、こうした指示は口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して文書等で詳細に示し、そのとおりに請負事業主が作業を行っている場合も、発注者による指示その他の管理を行わせていると判断され、偽装請負と判断されることになります。

A 請負事業主が発注者から独立して業務を処理しているとともに、発注される製品や作業の量に応じて、請負事業主が自ら業務の遂行方法に関する指示(順序、緩急の調整等)、労働者の配置や労働時間の管理等を行うことにより、自己の雇用する労働者を請負事業主が直接利用しているのであれば、包括的な業務請負契約を締結し、発注量は毎日変更することだけをもって、偽装請負と判断されるものではありません。 また、このように発注量が変動し、請負料金が一定しない場合に、完成した製品の個数等に基づき出来高で精算することだけをもって、偽装請負と判断されるものではありません。 ただし、製品や作業の完成を目的として業務を受発注しているのではなく、業務を処理

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Q9. 請負労働者の作業服

 請負労働者の作業服について、発注者からの指示があった場合は、偽装請負となりますか。また、発注者と請負事業主のそれぞれの労働者が着用する作業服が同一であった場合は偽装請負となりますか。

Q10. 請負業務において発注者が行う技術指導

 請負労働者に対して、発注者は指揮命令を行ってはならないと聞きましたが、技術指導等を行うと、偽装請負となりますか。

A 適切な請負と判断されるためには、請負事業主が、自己の労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと、業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することなどが必要です。 請負労働者に対して発注者が直接作業服の指示を行ったり、請負事業主を通じた関与を行ったりすることは、請負事業主が自己の労働者の服務上の規律に関する指示その他の管理を自ら行っていないこととなり、偽装請負と判断されることになります。 ただし、例えば、製品の製造に関する制約のため、事業所内への部外者の侵入を防止し企業機密を守るため、労働者の安全衛生のため等の特段の合理的な理由により、特定の作業服の着用について、双方合意の上、予め請負契約で定めていることのみをもって、偽装請負と判断されるものではありません。

A 適切な請負と判断されるためには、請負事業主が、自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用すること、業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することなどの要件を満たすことが必要となります。 発注者が、これらの要件を逸脱して労働者に対して技術指導等を行うことはできませんが、一般的には、発注者が請負労働者に対して行う技術指導等とされるもののうち次の例に該当するものについては、当該行為が行われたことをもって、偽装請負と判断されるものではありません。

[例]ア� 請負事業主が、発注者から新たな設備を借り受けた後初めて使用する場合、借り受けている設備に発注者による改修が加えられた後初めて使用する場合等において、請負事業主による業務処理の開始に先立って、当該設備の貸主としての立場にある発注者が、借り手としての立場にある請負事業主に対して、当該設備の操作方法等について説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(操作方法等の理解に特に必要となる実習を含みます)を受けさせる場合のものイ� 新製品の製造着手時において、発注者が、請負事業主に対して、請負契約の内容である仕様等について補足的な説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(資料等を用いて行う説明のみでは十分な仕様等の理解が困難な場合に特に必要となる実習を含みます)を受けさせる場合のものウ� 発注者が、安全衛生上緊急に対処する必要のある事項について、労働者に対して指示を行う場合のもの

するために費やす労働力(労働者の人数)に関して受発注を行い、投入した労働力の単価を基に請負料金を精算している場合は、発注者に対して単なる労働力の提供を行われているにすぎず、その場合には偽装請負と判断されることになります。

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Q11. 請負業務の内容が変更した場合の技術指導

 製品開発が頻繁にあり、それに応じて請負業務の内容が変わる場合に、その都度、発注者からの技術指導が必要となりますが、どの程度まで認められますか。

Q12. 玄関、食堂等の使用

 発注者の建物内において請負業務の作業をしていますが、当該建物の玄関、食堂、化粧室等を発注者と請負事業主が共同で使用することは違法となりますか。また、別個の双務契約を締結する必要はありますか。

Q13. 作業場所等の使用料

 発注者の建物内において請負業務の作業をしていますが、当該建物内の作業場所の賃貸料や光熱費、請負労働者のために発注者から提供を受けている更衣室やロッカーの賃借料についても、別個の双務契約が必要ですか。

A 請負業務の内容等については日常的に軽微な変更が発生することも予想されますが、その場合に直接発注者から請負労働者に対して変更指示をすることは偽装請負にあたります。一方、発注者から請負事業主に対して、変更に関する説明、指示等が行われていれば、特に問題はありません。 ただし、新しい製品の製造や、新しい機械の導入により、従来どおりの作業方法等では処理ができない場合で、発注者から請負事業主に対しての説明、指示等だけでは処理できないときには、Q10ア又はイに準じて、変更に際して、発注者による技術指導を受けることは、特に問題はありません。

A 食堂、化粧室等のように業務処理に直接必要とはされない福利厚生施設や、建物の玄関、エレベーターのように不特定多数の者が使用可能な場所・設備を、発注者と請負事業主が共同で使用することは差し支えありません。また、使用に当たって、別個の双務契約までは必ずしも要するものではありません。

A 適正な請負と判断されるためには、請負事業主が請け負った業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することなどが必要であり、単に肉体的な労働力を提供するものではないことが必要です。そのためには、①請負事業主の責任と負担で、機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除きます)又は材料若しくは資材を準備し、業務の処理を行うか、②企画又は専門的な技術若しくは経験で業務を処理するか、いずれかであることが必要です。 ①の場合に、請負業務の処理自体に直接必要とされる機械、資材等を発注者から借り入れたり、購入したりする場合は請負契約とは別個の双務契約が必要です。 他方、請負業務の処理に間接的に必要とされるもの(例えば、請負業務を行う場所の賃貸料や、光熱費)、請負業務の処理自体には直接必要とされないが、請負業務の処理に伴い、発注者から請負事業主に提供されるもの(例えば、更衣室やロッカー)については、別個の双務契約までは必要なく、その利用を認めること等について請負契約中に包括的に規定されているのであれば特に問題にないものです。

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Q14. 双務契約が必要な範囲

 発注者から、製造の業務を請け負った場合、請負事業主の責任と負担で、機械、設備若しくは器材又は材料若しくは資材を準備し、業務処理を行うことが必要であり、機械、資材等を発注者から借り入れ又は購入するのであれば、別個の双務契約が必要とのことですが、半製品への部品の組み込みや塗装、完成品の梱包の業務を請け負っている場合に、発注者から提供された部品、塗料、梱包材等について、一旦発注者から購入することが必要ですか。

A 発注者から、①半製品とそれに組み込む部品や仕上げのための塗料等を提供された上で半製品に部品を取り付けたり、塗装したりする業務を請け負っている場合、②完成品と梱包材を提供された上で完成品を梱包する業務を請け負っている場合に、半製品と部品や塗料、完成品と梱包材を、一旦発注者から請負事業主が「購入」し、取付・塗装や梱包の業務の完了後に、加工後の半製品や梱包後の完成品を請負事業主から発注者に「売却」するための双務契約までは必要ありません。 ただし、このような塗装、梱包等の業務であっても、当該組み込み、塗装、梱包等の業務に必要な機械、設備又は機材は、請負事業主の責任で準備するか、発注者から借り入れる又は購入するのであれば、別個の双務契約を締結することが必要になります。

Q15. 資材等の調達費用

 製造の業務を請け負っていますが、請負事業主が調達する原材料の価格が日々変動したり、発注量によって原材料の量も変動したりすることから、請負経費の中に原材料の費用を含めて一括の契約を締結することは困難です。原材料について、請負代金とは別に実費精算とした場合、偽装請負となりますか。

A 請負業務の処理に必要な資材等については、請負事業主の責任により調達することが必要ですが、必要となる資材等の価格が不明確な場合で、予め契約を締結することが困難な場合は、請負業務にかかる対価とは別に、精算することとしても特に問題はありません。

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労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関するQ&A(第2集)

Q1. 通信回線の新規導入の営業の請負業務の中で、請負事業主が雇用する労働者(以下「請負労働者」といいます)が、新規契約取得のための顧客開拓を行っています。請負労働者が、回線工事のスケジュールの情報を発注者に確認すると、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

Q2. 車両運行管理の請負業務の中で、発注者の社用車の運転を請負労働者が行っています。発注者の労働者が社用車に乗車後、請負労働者に、用務先での停車位置や待機場所、用務先からの出発時間を直接伝えると、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

A 請負(委任及び準委任を含みます。以下同じ)の業務では、請負事業主が自ら業務の遂行方法に関する指示を行う必要があります。ただし、例えば、通信回線導入の営業業務を行う請負労働者から、請負業務に必要な範囲で、工事スケジュールについての問い合わせを受け、発注者が情報提供することに限られるのであれば、それ自体は発注者からの指揮命令に該当するとは言えないため、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。 一方、発注者が、工事スケジュールの情報提供に加えて、顧客への営業上の対応方針等を請負労働者に直接指示している場合は、労働者派遣事業と判断されることとなります。

A 請負業務では、請負事業主が自ら業務の遂行方法に関する指示を行う必要があるので、車両運行管理業務の請負では、通常、発注者が、あらかじめ定められた様式(運行計画)等により配車時間・用務先等を請負事業主に依頼し、請負事業主によって指名された請負労働者はその運行計画に基づき発注者の労働者を乗車させ用務先まで移動させることが求められています。  一方で、車両運行管理業務の性質上、用務先での停車位置や待機場所、用務先からの出発時間は、当日の交通事情や天候、用務先の状況により予測できず、運行計画にあらかじめ正確に記載することが社会通念上困難な場合も多いと考えられます。このため、運行計画であらかじめ指定された範囲内で発注者の労働者が詳細な停車位置や待機場所を特定しても、発注者からの指揮命令に該当するとは直ちに判断されません。 また、用務先からの出発時間に関しても、用務先に到着してからの概ねの待機時間が運行計画に明示されており、それに逸脱しない範囲で業務が遂行されていれば、発注者の労働者から請負労働者に用務先からの出発時間を直接伝えても、発注者からの指揮命令に該当するとは直ちに判断されません。 ただし、例えば、運行計画における用務先が市町村名のような幅広い区域を記しているような場合であって、運行の都度、発注者の労働者が直接、請負労働者に番地や建物名といった具体的な用務先を示したり、用務先からの出発時間のめどが全く立てられず、待機時間が発注者により請負事業主の了解なく拘束される場合など、請負事業主による請負労働者の労働時間管理等に影響を与えるような運用は、発注者からの指揮命令に該当し、労働者派遣事業と判断されることとなります。

●発注者からの情報提供等

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Q5. 建設作業で、複数の請負事業者が同じ現場に入場している場合や、製造業等におい……………て親企業の構内に複数の構内下請事業者が入構している場合、労働安全衛生法第29条に基づき、元請事業者が下請の作業員に安全衛生のために必要な事項を直接指示すると、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

Q3. 災害時など緊急の必要により、請負労働者の安全や健康を確保するため、発注者が請負労働者に対して直接指示を行った場合、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

Q4. 車両運行管理の請負業務の中で、発注者の社用車の運転を請負労働者が行っています。発注者から請負事業主に当初依頼していた行先以外にも、発注者側で緊急に別の用務先に行く必要が生じたため、別の用務先へも立ち寄るよう、発注者の労働者から請負労働者に直接依頼した場合、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

A 労働安全衛生法第29条では、元請事業者が講ずべき措置として、関係請負人及び関係請負人の労働者が、労働安全衛生法令の規定に違反しないように必要な指導や指示を行うことが同法上の義務として定められています。 これらの指導や指示は、安全確保のために必要なものであり、元請事業者から下請事業者の労働者に対して直接行われたとしても、業務の遂行に関する指示等には該当しません。

A 発注者が、災害時など緊急の必要により、請負労働者の健康や安全を確保するために必要となる指示を直接行ったとしても、そのことをもって直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。

A 労働者派遣でなく請負と判断されるためには、発注者でなく請負事業主が自ら労働者に対して業務の遂行方法に関する指示を行う必要があります。車両運行管理業務の場合、発注者が、運行計画により配車時間・用務先等を請負事業主に依頼する必要があり、発注者が請負労働者に直接このような依頼をすることは、原則としてできません。 一方で、車両運行管理業務の性質上、日時、場所等を指定した発注となるため、当該日時、場所等の変更の状況によっては、すべて運行計画により請負事業主に依頼することが社会通念上、困難となる場合があり得ます。 例えば、発注者が出発時までに予測できず、乗車中に運行計画に当初予定されていなかった用務先に行く必要が急遽生じることもあり得ます。このような場合、発注者が直接、請負事業主の了解を取ることが基本ですが、これに代えて、発注者の労働者が請負労働者に対して用務先の追加や変更を伝えたとしても、例えば、請負労働者が直ちに当該注文の変更を車内から携帯電話等で連絡し請負事業主の了解をとるなどして、請負事業主が自らの労働力を直接利用していると認められる限り、発注者からの指揮命令に該当するとは判断されません。 ただし、用務先の変更等が、請負事業主の了解無く行われたり、又は請負労働者の労働時間管理その他労働条件に影響を及ぼしたりするような場合は、労働者派遣事業と判断される可能性が高くなります。

●法令遵守のために必要な指示

●緊急時の指示

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Q6.… 学校給食調理業務の発注者が「調理業務指示書」を作成し、献立ごとの材料、調理方法、温度設定等を請負事業主に示すことは問題がありますか。

Q7.… マネキン(商品実演販売)の業務請負に当たり、請負事業主に対して日時、場所、労働時間、人数等が指定されて発注され、料金は労働者の人数に比例する形で決定されています。このような発注や精算の形態は、請負業務として問題がありますか。

Q8. 請負労働者が発注者の事業所で1人で請負業務を処理しています。そこには、請負事業主の管理責任者は常駐しておらず、請負労働者や発注者との連絡調整のため、必要に応じて巡回して業務上の指示を行っていますが、請負業務として問題がありますか。

A 学校給食調理業務の場合、「学校給食衛生管理基準」等に基づき、発注者から「調理業務指示書」が示されたとしても、請負事業主が作業ごとの労働者の配置等の決定を行っており、実際の作業の指揮命令も請負事業主によってなされる場合には、労働者派遣事業と直ちに判断されることはありません。 ただし、「調理業務指示書」の内容が、献立ごとの労働者数を特定したり、作業の割付まで示したりしている場合は、請負労働者の配置の決定や業務遂行に関する指示を発注者が実質的に行っていると認められるので、労働者派遣事業と判断されることになります。

A 労働者派遣事業又は労働者供給事業と判断されないためには、請負事業主が労働者の配置等の決定を自ら行わなければなりません。 一方で、マネキンを含め、販売、サービス又は保安等、「仕事を完成させ目的物を引き渡す」形態ではない請負業務では、当該請負業務の性格により、請負業務を実施する日時、場所、標準的な必要人数等を指定して発注したり、労働者の人数や労働時間に比例する形で料金決定したりすることに合理的な理由がある場合もあります。このような場合には、契約・精算の形態のみによって発注者が請負労働者の配置決定に関与しているとは言えず、労働者派遣事業又は労働者供給事業と直ちに判断されることはありません。 なお、上記の判断の前提として、請負事業主が自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するとともに、契約の相手方から独立して業務を処理していることが必要となります。

A 請負業務を行う労働者が1人しかいない場合、当該労働者が管理責任者を兼任することはできず、当該労働者以外の管理責任者又は請負事業主が、作業の遂行に関する指示、請負労働者の管理、発注者との注文に関する交渉等を行う必要があります。しかし、当該管理責任者が業務遂行に関する指示、労働者の管理等を自ら的確に行っている場合には、多くの場合、管理責任者が発注者の事業所に常駐していないことだけをもって、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。 なお、労働者派遣事業と判断されないためには、管理責任者の不在時であっても、請負事業主が自己の雇用する労働者の労働力を自ら利用するものであること及び請け負っ

●業務手順の指示

●発注・精算の形態

●管理責任者の不在等

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Q9. 発注者との打ち合わせ会議や、発注者の事業所の朝礼に、請負事業主の管理責任者だけでなく請負労働者も出席した場合、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

Q11. 請負業務の実施に当たり、発注者側の作業効率化や施設管理の必要上、発注者の就業時間・休日、服務規律、安全衛生規律と同等の内容で、請負事業主が自己の労働者を指揮命令することは、請負業務として問題がありますか。

Q10. 発注者からの依頼メールを請負事業主の管理責任者に送付する際、管理責任者の了解の下、請負労働者にも併せて(ccで)送付した場合、請負でなく労働者派遣事業となりますか。

A 発注者・請負事業主間の打ち合わせ等に、請負事業主の管理責任者だけでなく、管理責任者自身の判断で請負労働者が同席しても、それのみをもって直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。 ただし、打ち合わせ等の際、作業の順序や従業員への割振り等の詳細な指示が行われたり、発注者から作業方針の変更が日常的に指示されたりして、請負事業主自らが業務の遂行方法に関する指示を行っていると認められない場合は、労働者派遣事業と判断されることになります。

A 請負業務では、請負事業主は自己の就業規則、服務規律等に基づき、労働者を指揮命令して業務を遂行する必要があります。 ただし、例えば、請負事業主の業務の効率化、各種法令等による施設管理や安全衛生管理の必要性等合理的な理由がある場合に、結果的に発注者と同様の就業時間・休日、服務規律、安全衛生規律等となったとしても、それのみをもって直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。

A 発注者から請負事業主への依頼メールを、管理責任者の了解の下、請負労働者に併せて送付したことのみをもって、直ちに労働者派遣事業と判断されることはありません。 ただし、メールの内容が実質的に作業の順序や従業員への割振り等の詳細な指示が含まれるものであったり、作業方針の変更が日常的に指示されたり、あるいは発注者から請負労働者に直接返信を求めている場合など、請負事業主自らが業務の遂行方法に関する指示を行っていると認められない場合は、労働者派遣事業と判断されることになります。 なお、請負事業主から発注者に請負労働者の個人情報を提供する際には、個人情報保護法等に基づく適正な取扱(例えば、請負労働者のメールアドレスの提供に先立ち請負労働者本人の同意を得る等)が求められます。

た業務を自己の業務として相手方から独立して処理するものであることが担保される必要があり、例えば、発注者と請負事業主の管理責任者との確実な連絡体制をあらかじめ確立しておくことや、請負労働者の出退勤管理を含む労働時間管理等労働者の管理や業務遂行に関する指示等を請負事業主自らが確実に行えるようにしておくことが必要です。

●打ち合わせへの請負労働者の同席等

●請負事業主の就業規則・服務規律

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Q12. 発注者の社内セキュリティー規定により、発注者の施設内に入場する請負労働者の氏名をあらかじめ請負事業主から提出させ、発注者が確認することは問題がありますか。

A 請負業務では、請負事業主が労働者の配置等の決定や変更を自ら行うことが必要です。ただし、当該決定・変更を請負事業主自らが行っている限り、施設の保安上の理由や企業における秘密保持等、発注者の事業運営上必要な場合に、従事予定労働者の氏名をあらかじめ発注者に提出しても、そのことのみをもって発注者が請負労働者の配置等の決定及び変更に関与しているとは言えず、直ちに労働者派遣事業又は労働者供給事業と判断されることはありません。 なお、請負事業主から発注者へ請負労働者の氏名等の個人情報を提供する際には、個人情報保護法等に基づく適正な取扱(例えば、あらかじめ請負労働者本人の了解を得る等)が求められます。

●発注者による請負労働者の氏名等の事前確認

Q13.… 請負業務の実施に当たり、情報漏洩防止のため、発注者が、請負労働者から請負事業主あての誓約書を提出させ、その写しを発注者に提出するよう求めることは可能ですか。

… … また、請負事業主の業務遂行能力の確認のため、請負労働者に職務経歴書を求めたり事前面談を行ったりすることは可能ですか。

A 請負事業主が、請負業務に従事する労働者の決定を自ら行っている場合は、発注者が請負事業主に対し、情報漏洩防止のため、請負労働者の請負事業主あての誓約書の写しを求めても、そのことのみをもって労働者派遣事業又は労働者供給事業と判断されることはありません。 一方、発注者が請負労働者の職務経歴書を求めたり事前面談を行ったりする場合は、一般的には当該行為が請負労働者の配置決定に影響を与えるので、労働者派遣事業又は労働者供給事業と判断されることがあります。特に、職務経歴書の提出や事前面談の結果、発注者が特定の者を指名して業務に従事させたり、特定の者について就業を拒否したりする場合は、発注者が請負労働者の配置等の決定及び変更に関与していると判断されることになります。 なお、請負事業主から発注者へ請負労働者の個人情報を提供する際には、個人情報保護法等に基づく適正な取扱(例えば、誓約書の写しの提供に先立ち請負労働者本人の同意を得る等)が求められます。

Q14.… デパートや美術館等の受付案内業務は、37号告示にいう「自らの企画又は自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」と言えますか。

A 請負業務では、請負事業主が契約の相手方から独立して業務を処理することなどが必要であり、①自己の責任と負担で準備し、調達する機械・設備、材料・資材により業務を処理するか、②自ら行う企画又は自己の有する専門的技術・経験に基づき業務を処理するか、いずれかであることが必要です。

●自らの企画又は専門的技術・経験に基づく業務処理

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Q15. 車両運行管理業務は、37号告示にいう「自らの企画又は自己の有する専門的な技術・経験に基づく業務処理」と言えますか。

A 車両運行管理業務の内容が、運転者の提供のみならず、車両の整備、修理全般、燃料、備品、消耗品等の購入、車両運行管理のための事務手続及び事故処理全般等車両運行管理全体を請け負うものである場合は、多くの場合、請負事業主が自らの企画又は専門的技術・経験に基づき業務が処理されているものと判断できます。この場合、請負事業主が自己の責任と負担で調達する機械等により業務を処理する必要は必ずしもありませんので、車両の整備・修理費用等を発注者が負担しても、特に問題はありません。 なお、発注者が所有・管理する車両を、発注者が指定する目的地まで運転するのみの業務(運転者を提供するのみの業務)は、単なる労働力の提供と認められ、労働者派遣事業と判断される可能性が高まります。 また、労働者派遣事業と判断されないためには、上記のように車両運行管理全体を請け負うだけでなく、請負事業主が請負労働者に対して業務遂行に関する指示その他の管理を自ら行うこと等が必要となります。

 デパートや美術館などの受付案内業務のように、「仕事を完成させ目的物を引き渡す」形態ではない請負業務は、①のような自己負担すべき設備や材料等がなく、②に該当する場合もあると考えられます。これに関しては、例えば、様々な場所の受付における来客対応、案内の方法、様々な客層に対する接遇手法やトラブル発生時の対応等のノウハウを蓄積し、これを基に業務対応マニュアル等を自ら作成した上で、労働者に対する教育訓練を自ら実施し、かつ、当該業務が的確に行われるよう自ら遂行状況の管理を行っているような場合は、請負事業主が自らの企画又は専門的技術・経験に基づいて業務処理を行っていると判断できます。 一方、例えば、発注者から、来客への対応マナーや応答ぶり等をすべて事前に文書等で詳細な指示を受けており、トラブルが発生した場合にはその都度発注者に対応方針の指示を仰ぐこととされているなど、契約上の業務内容に請負事業主の裁量の余地がない場合は、単なる労働力の提供と認められ、労働者派遣事業と判断される可能性が高まります。

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労働基準法等の適用について

○� 労働基準法、労働安全衛生法など労働関係法については、原則として派遣元事業主が雇用主として責任を負いますが、派遣先が責任を負う事項があります。労働基準法、労働安全衛生法など労働関係法の主な適用関係は次表のようになります。

○� なお、請負の形式による契約に基づいていても、労働者派遣と判断される場合には、同様の責任分担となります。

派遣元事業主 派 遣 先 双   方 備   考

労働基準法

・賃金・年次有給休暇・災害補償 等

・労働時間・休憩・休日・時間外/休日労働等

※派遣元の36協定の範囲内で時間外/休日労働が可能

・均等待遇・申告を理由とする不利益取扱い禁止

・強制労働の禁止 等

・派遣元の使用者は、派遣先の使用者が労働者派遣契約に定める就業条件に従って派遣労働者を労働させたならば、労働基準法に抵触することとなる場合においては、当該労働者派遣をしてはならない。

労働安全衛生法

・雇入れ時の安全衛生教育

・一般健康診断 等

・安全管理者、安全委員会

・危険防止等のための事業者の講ずべき措置等

・危険有害業務就業時の安全衛生教育

・作業環境測定・有害な業務に係る健康診断 等

・総括安全衛生管理者

・衛生管理者、衛生委員会

・作業内容変更時の安全衛生教育

・健康診断実施後の作業転換等の措置

・労働者死傷病報告 等

・派遣元の事業者は、派遣先の事業者が労働者派遣契約に定める就業条件に従って派遣労働者を労働させたならば、労働安全衛生法に抵触することとなる場合においては、当該労働者派遣をしてはならない。

※派遣先は労働基準監督署に提出した労働者死傷病報告の写しを派遣元の事業主に送付しなければならない。

男女雇用機会均等法

(右記以外の規定) - ・妊娠/出産等を理由とする不利益取扱い禁止

・職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置

・妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

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Page 129: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

【派遣元事業主の皆さまへ】

来る令和2年4月1日より、平成30年に改正さ

れました改正労働者派遣法が施行されることとなっ

ております。この度の法改正における改正点の一つ

としましては、派遣労働者に対する同一労働同一賃

金の実現が、新たに派遣元事業主に求められていま

す。派遣労働者に対する同一労働同一賃金の実現と

は、何を行えばよいのか、戸惑われる派遣元事業主

もいらっしゃることかと思います。

そこで、この冊子では、I にて、平成30年に改正

した労働者派遣法の内容を纏めています。具体的に

は、派遣労働者の待遇を決定する際の二つの方式の

違い、均等・均衡を図るために必要となる情報の収

集・検討及び待遇の決定に関する実務面の手順等、

改正労働者派遣法について参考となる資料を纏めた

ものです。併せて、II では改正法に対応した書類の

記載例を、III では参考資料を纏めています。

皆さまの業務のご参考にお役立ていただければ幸

いです。

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○労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示(昭和六十一年四月十七日 労働省告示第三十七号)(改正 平成二十四年九月二十七日 厚生労働省告示第五百十八号)

第�一条 この基準は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「法」という。)の施行に伴い、法の適正な運用を確保するためには労働者派遣事業(法第二条第三号に規定する労働者派遣事業をいう。以下同じ。)に該当するか否かの判断を的確に行う必要があることにかんがみ、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分を明らかにすることを目的とする。

第�二条 請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させることを業として行う事業主であつても、当該事業主が当該業務の処理に関し次の各号のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とする。

 一� 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するものであること。

  イ� 次のいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。

  (1)労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。  (2)労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。  ロ� 次のいずれにも該当することにより労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行う

ものであること。  (1�)労働者の始業及び終業の時刻、�休憩時間、�休日、休暇等に関する指示その他の管理

(これらの単なる把握を除く。)を自ら行うこと。  (2�)労働者の労働時間を延長する場合又は労働者を休日に労働させる場合における指示

その他の管理(これらの場合における労働時間等の単なる把握を除く。)を自ら行うこと。

  ハ� 次のいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うものであること。

  (1)労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。  (2)労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。 二� 次のイ、ロ及びハのいずれにも該当することにより請負契約により請け負つた業務を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること。

  イ� 業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ、支弁すること。

  ロ� 業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負うこと。

  ハ� 次のいずれかに該当するものであつて、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。

  (1�)自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。

  (2�)自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。

第�三条 前条各号のいずれにも該当する事業主であつても、それが法の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたものであつて、その事業の真の目的が法第二条第一号に規定する労働者派遣を業として行うことにあるときは、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れることができない。

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Page 130: 労働者派遣法のあらまし - mhlw...P72 P74 P78 P90 P105 I 同一労働同一賃金について ~労働者派遣事業編~ ・各事業主において以下の2点を徹底することが肝要です。①

労働者派遣法のあらまし ~同一労働同一賃金の実現に向けて~

大阪労働局 需給調整事業部

改正法に

対応!!

(令和元年10月)