藍澤證券株式会社 2021/1/20 審査番号:210120-A1 外国企業レポート 香港:241/Z3062 アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー 王 曦 Alibaba Health Information Technology Limited 業種:IT ● 中国の医薬品オンライン小売大手 アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー(以 下、同社)は、中国の医薬品オンライン小売大手。同社は元々 中信21世紀という社名で香港市場に上場していたが、2014 年にアリババ・グループに買収され、以降同グループ傘下の ヘルスケア部門として現社名に変更した。2020年4~9月の 事業別売上構成は、医薬品のオンライン販売(自社仕入れ・ 販売)が84.3%、医薬品販売プラットフォームの運営が 12.9%、オンライン診療や美容整形など医療健康サービスが 2.5%、医薬品の流通情報追跡システムなどその他が0.3%。 ● 2020年4~9月決算は黒字に転換 2020年4~9月(中間期)決算は、売上高が前年同期比 74.0%増の71.6億元、純損益が2.8億元の黒字に転換した (前年同期は763万元の赤字)。純損益から株式報酬や保有 金融資産の評価損益、関連会社の保有株売却に伴う損益を除 く調整後純損益は同3.9倍の4.4億元だった。主要事業の売上 高は、医薬品のオンライン販売が前年同期比75.7%増の 60.4億元、医薬品販売プラットフォームの運営が同71.4% 増の9.3億元、医療健康サービスが同43.3%増の1.8億元。医 薬品の取扱品目を拡充したことで売上高が急拡大したほか、 医薬品販売プラットフォームの総取扱高(GMV)は同49.7% 増の554億元、年間アクティブユーザー数は半年間で0.6億 人増の2.5億人と収益基盤も順調に拡大した。 ● 親会社が規制されるも、同社への影響は限定的か 昨年12月、中国政府はアリババ・グループに対して独禁法 調査を開始し、これに伴って子会社であるアリババ・ヘルス も規制懸念で株価が下落した。しかし、同社の売上高の8割 以上は自社仕入れ・販売が占めているため、中国政府が問題 視する「二者択一」(自社プラットフォームの出店業者に対 して、ライバル企業と取引しないように求める)行為の解消 による業績への打撃は限定的になりそうだ。また、オンライ ン薬局の利用が拡大すれば、高止まりする薬価の引き下げや 国民の負担軽減につながることから、時代の流れに即した同 社の存在意義と成⾧余地は大きいと言えよう。足元、親会社 に対する独禁法調査が同社株価の重石になっているものの、 中⾧期的な株価上昇トレンドは変わらないと見ている。 株式データ 2021/1/19 現在 株価 23.45香港ドル 売買単位 2000株 時価総額 3155億3362万香港ドル 予想 PER 612.48倍 ROE ―% 52 週高値 27.70香港ドル 52 週安値 9.80香港ドル 業績推移 【連結】 決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 '18/03 2,443 414.2% -107.0 赤字縮小 -1.16 0.00 '19/03 5,096 108.6% -81.9 赤字縮小 -0.74 0.00 '20/03 9,596 88.3% -6.6 赤字縮小 -0.06 0.00 単位:百万元、ただし 1 株利益と 1 株配当は元 ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2020年1月31日~2021年1月15日) [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともにブルームバーグ 等、アイザワ証券作成] その他 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を本資料の 2 ページに記載させていただきました。