所沢市立教育センターが ESD 調査研究協議会を立ち上げたの は平成 22 年 5 月、小中学校の校長・教頭と教諭 4 名、指導主事 1名で出発した。この ESD 調査研究協議会(以下 ESD ゼミ)は、 「ESD とは何か」という問いへの応答を求めて、今行っている授 業をどう変えれば ESD の授業になるのか、という問いを抱えなが ら、一貫して授業改善の視点での調査研究を行ってきた。当初、 ESD ゼミに参加した先生方の頭も心も身体も「モヤモヤ感」で包 まれ、「ワカラナイ」ことだらけだった。しかし、問いを抱えなが らも、互いに授業を見合い、実践し合い、振り返り合う 8 年間を 過ごしてきた。ESD ゼミのメンバーは入れ替わったり、戻ってき たりしながらも、その実践研究は蓄積・継承され、こうすればESD の授業になるのではないか、という 3 つ「仮説」が見えてきた。 8 年間伴奏し続けてきた筆者は、ESD の授業研究を意味づける ために難解な概念を使いまくった。ホリスティック・アプローチ? 本質で根源的な問い?省察と観察の架橋・往還?カリキュラムの 逆向き設計?理解の 6 側面?ALACT モデル?・・・。 様々な概念に出会ってきた ESD ゼミのメンバーが、実践の中で ようやくたどり着き、しかも自分たちの言葉で語ることができる ようになったのが、3 つの「仮説」、否、3 つの「手立て」だった。 ・ 「つながりへの気づき」 本時・本単元・本教科を越え横断・縦断するつながり ・ 「永続的な問い」 つながりへの気づきを引き出す深くて永く続く問いの発見 ・ 「深いふりかえり」 学習者の直観と論理をつなぐ「学びの履歴」の言語化・可視化 所沢市には、ユネスコスクールが1 校もなく、いわゆる ESD の ホールスクールアプローチは行っていない。しかし、次世代を担 い、「持続可能な社会の創り手となる」子どもたちの学びをどう呼 び起こし引き出すのか、ESD の授業研究を行い続けてきた。 この所沢市立教育センターESD 調査研究協議会 ESD ゼミの徹 底した ESD 授業改善アプローチは、全国的に見ても類例がなく、 特筆に値する。 所沢市内の先生方はもちろん、全国ユネスコスクールの先生方、 ユネスコスクールでもない学校の先生方も、ぜひ、このリーフレッ トをご覧になり、3 つの「手立て(仮説)」を意識して、ESD の授 業実践を試してほしい。 学校法人 自由学園最高学部 成田 喜一郎 ESD って何だろう? 〜あなたにもできる ESD〜 所沢版 ESD 実践リーフレット 平成31年3⽉ 所沢市⽴教育センター ESD 調査研究協議会 ESD とは Education for Sustainable Development の略で「持続可能な開発のための教育」 と訳され、持続可能な社会を創造し続けるための価値観や⾏動を⽣み出す学習や活動を推進する教育です。 平成 30 年度 ESD 調査研究協議会委員 西富小学校 校長 佐藤 佳岳(委員長) 三ケ島小学校 校長 大舘 直美(副委員長) 宮前小学校 教諭 木下 智実 美原中学校 教諭 菅原 久寿 北野中学校 教諭 山口 翠 所沢小学校 教諭 渡利 晶 明峰小学校 教諭 幸喜 郁枝 所沢市立教育センター 指導主事 岡﨑 秋世 【指導者】 学校法人自由学園最高学部 特任教授 成田 喜一郎 ※下線のあるものは、カーソル を合わせて、Ctrl キーを押し ながらクリックするとペー ジにつながります。