三菱 汎用 シーケンサ用リニューアルツール 変換アダプタ 形名 ERNT-ASQTD62 ユーザーズマニュアル 50CM-D180113-C(1604) ● 安全上のご注意 ● (ご使用前に必ずお読みください) 本製品のご使用に際しては,本マニュアルをよくお読みいただくと共に,安全に対して充分 に注意を払って,正しい取扱いをしていただくようお願いいたします。 本マニュアルで示す注意事項は,本製品に関するもののみについて記載したものです。シ ーケンサシステムとしての安全上のご注意に関しては,使用するMELSEC-QシリーズCPUユ ニットのユーザーズマニュアルを参照してください。 この「安全上のご注意」では,安全注意事項のランクを「警告」,「注意」として区別してあります。 警告 取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,死亡または重傷 を受ける可能性が想定される場合。 注意 取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や 軽傷を受ける可能性が想定される場合および物的損害だけの発生 が想定される場合。 なお, 注意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。 いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。 本マニュアルは必要なときに読めるよう大切に保管すると共に,必ず最終ユーザまでお届 けいただくようお願いいたします。 【ご使用前の注意事項】 注 意 ● MELSEC-AnSシリーズからMELSEC-Qシリーズへの置換えを行う際は,性能・機能・ CPUに対する入出力信号・バッファメモリアドレスなどの差異を確認するため,必ず MELSEC-Qシリーズの各ユニットのマニュアルを参照し,使用いただきますようお願い いたします。 【取付け上の注意事項】 注 意 ● 変換アダプタは,一般仕様の環境で使用してください。一般仕様の範囲以外の環境で 使用すると,感電,火災,誤動作,製品の損傷あるいは劣化の原因になります。 ● 変換アダプタの導電部分には直接触らないでください。システムの誤動作,故障の原 因になります。 ● 変換アダプタおよび取付金は,取付けネジにて確実に固定し,取付けネジは規定のト ルク範囲内で確実に締め付けてください。ネジの締付けがゆるいと,落下による変換 アダプタおよび取付金の破損の原因になります。ネジを締め過ぎると,ネジ,変換アダ プタ,取付金およびMELSEC-Qシリーズユニットの破損による落下,短絡,誤動作の 原因になります。 ● MELSEC-Qシリーズと変換アダプタの組合せが正しいことを必ず確認してください。異 なる組合せで使用した場合、ユニットの破損の恐れがあります。 ● 変換アダプタを取付けるときは,取付金に手などを引っかけないよう注意してくださ い。ケガの原因になります。 ● 変換アダプタを装着した MELSEC-Q シリーズユニットの着脱は,必ず製品を両手で持 ち行ってください。落下による破損の原因になります。 【配線上の注意事項】 警 告 ● 取付け,配線作業などは,必ずシステムで使用している外部供給電源を全相遮断し てから行ってください。全相遮断しないと,感電あるいは製品の損傷の恐れがあります。 ● 取付け,配線作業完了後,通電,運転を行う場合は,必ず端子台の端子台カバーを 閉めてください。端子台カバーを閉めないと,感電の恐れがあります。 【配線上の注意事項】 注 意 ● 変換アダプタの配線は,使用するユニットの仕様および端子配列を確認した上で正し く行ってください。定格と異なった電圧の入力や,電源を接続,誤配線すると,火災,故 障の原因になります。 ● MELSEC-AnSシリーズ端子台取付けネジ,端子ネジは,規定トルク範囲内で確実に締 め付けてください。ネジの締付けがゆるいと,短絡,火災,誤動作の原因になります。 ネジを締め過ぎると,ネジや変換アダプタの破損による落下,短絡,誤動作の原因に なります。 ● 変換アダプタおよびMELSEC-Qシリーズユニット内に,切粉や配線クズなどの異物が 入らないように注意してください。火災,故障,誤動作の原因になります。 【立上げ・保守時の注意事項】 警 告 ● 通電中は端子に触れないでください。感電または誤動作の原因になります。 ● 清掃や端子ネジの増し締めは,必ずシステムで使用している外部供給電源を全相遮 断してから行ってください。全相遮断しないと,感電,MELSEC-Qシリーズユニットの故 障や誤動作の恐れがあります。ネジの締付けがゆるいと,落下,短絡,誤動作の原因 になります。ネジを締め過ぎると,ネジ,変換アダプタ,取付金およびMELSEC-Qシリ ーズユニットの破損による落下,短絡,誤動作の原因になります。 注 意 ● 変換アダプタの分解,改造はしないでください。故障,誤動作,ケガ,火災の原因にな ります。 ● 変換アダプタおよび取付金を落下させたり,強い衝撃を与えないでください。破損の原 因になります。 【廃棄時の注意事項】 注 意 ● 製品を廃棄するときは,産業廃棄物として扱ってください。 EMC 指令・低電圧指令への対応 欧州域内で発売される製品に対しては,1996年から欧州指令の1つであるEMC指令への適 合証明が法的に義務づけられています。また,1997年から欧州指令の1つである低電圧指 令への適合も法的に義務づけられています。 EMC指令および低電圧指令に適合していると製造者が認めるものは,製造者自ら適合宣 言を行い,“CEマーク”を表示する必要があります。 EU域内販売責任者 EU域内販売責任者は下記のとおりです。 会社名:Mitsubishi Electric Europe BV 住 所:Mitsubishi-Electric-Platz 1, 40882 Ratingen, Germany 1.概要 本マニュアルは,三菱汎用シーケンサ用リニューアルツールの変換アダプタERNT-ASQTD62 について説明したものです。変換アダプタは,MELSEC-AnSシリーズとMELSEC-Qシリーズの ピンアサインの相違を変換する製品です。 実際にMELSEC-AnSシリーズからMELSEC-Qシリーズへの置換えを行う際は,性能・機能 などの差異を確認するため,必ずMELSEC-Qシリーズの各ユニットのマニュアルを参照し,使 用いただきますようお願いいたします。 開封後,下記製品が入っていることを確認してください。 品 名 個 数 変換アダプタ本体 1 取付金 1 取付金固定ネジ(M2.6×4) 2 固定台取付けネジ(M3×8) 1 端子台カバー 1 短絡片(予備品) 1 2.一般仕様 項目 仕 様 使用周囲温度 0~55℃ 保存周囲温度 -25~75℃ 使用周囲湿度 5~95%RH,結露なきこと 保存周囲湿度 耐振動 JIS B 3502, IEC 61131-2 に適合 周波数 定加速度 片振幅 掃引回数 断続的な振動が ある場合 5~8.4Hz - 3.5mm X,Y,Z 各方向10回 8.4~150Hz 9.8m/s 2 - 連続的な振動が ある場合 5~8.4Hz - 1.75mm - 8.4~150Hz 4.9m/s 2 - 耐衝撃 JIS B 3502,IEC 61131-2 に適合(147m/s 2 ,XYZ 3方向各3回) 使用雰囲気 腐食性ガスがないこと 使用標高 *1 0~2000m 設置場所 制御盤内 オーバボルテージ カテゴリ *2 Ⅱ以下 汚染度 *3 2 *1:標高0mの大気圧以上に加圧した環境で使用または保存しないでください。 *2:その機器が公衆配電網から構内の機械装置にいたるまでの,どこの配電部に接続されていることを想定しているかを示します。 カテゴリⅡは,固定設備から給電される機器などに適用します。 *3:その機器が使用される環境における導電性物質の発生度合を示す指標です。 汚染度2は,非導電性の汚染しか発生しません。ただし,偶発的な凝結によって一時的な導電が起こりうる環境です。 3.製品仕様 仕様比較表に掲載されていない詳細仕様に関しては,ご使用になるMELSEC-Qシリーズユニットのユーザーズマニュアルを参照してください。なお,MELSEC-AnSシリーズとMELSEC-Qシリーズ で仕様が異なる部分は,置き換える上で仕様的な制限を受けるところです。接続機器の仕様をご確認ください。 また三菱電機(株)発行の「MELSEC-AnS/QnS(小形)からQシリーズへの置換えの手引き(インテリジェント機能ユニット編):L(名)08208」を参照されることをお勧めいたします。 変換アダプタ形名 MELSEC-AnS シリーズ形名 チャンネル数 MELSEC-Q シリーズ形名 変換 アダプタ 質量(g) ERNT-ASQTD62 A1SD62 2 チャンネル QD62 110 A1SD62E 2 チャンネル QD62E 端子番号 信号名 TB1 TB2 TB3 TB4 TB5 TB6 TB7 TB8 TB9 TB10 TB11 TB12 TB13 TB14 TB15 TB16 TB17 TB18 TB19 TB20 TB20 TB18 TB16 TB14 TB12 TB10 TB8 TB6 TB4 TB2 TB19 TB17 TB15 TB13 TB11 TB9 TB7 TB5 TB3 TB1 A1SD62 A1SD62E 端子台 QD62 QD62E コネクタ ERNT-ASQTD62内部配線図 12/24V 0V C H 1 C H 2 C H 1 C H 2 設定ピン 24V φB 12V 5V 24V 12V 5V 24V 12V 5V PRE φA F ST 24V 12V 5V (注)1 24V φB 12V 5V 24V 12V 5V 24V 12V 5V PRE φA F ST 24V 12V 5V 端子番号 信号名 B3 B4 B5 B6 B7 B8 B9 B10 B11 B12 B13 B14 B15 B16 B17 B18 B19 B20 A3 A4 A5 A6 A7 A8 A9 A10 A11 A12 A13 A14 A15 A16 A17 A18 A19 A20 B1 B2 A1 A2 A19 A20 A17 A18 A15 A16 A13 A14 A11 A12 A9 A10 A7 A8 A5 A6 A4 A2 A3 A1 B19 B20 B17 B18 B15 B16 B13 B14 B11 B12 B9 B10 B7 B8 B5 B6 B4 B2 B3 B1 アキ アキ アキ アキ 12/24V 0V 12/24V 0V 5/12/24V COM PRST 5/12/24V CTRL COM FUNC 5/12/24V PRST 5/12/24V CTRL COM FUNC 5/12/24V EQU1 EQU2 EQU1 EQU2 A相 5/12/24V COM B相 5/12/24V COM A相 5/12/24V COM B相 C H 1 C H 1 C H 2 AB COM CTRL COM EQU1 EQU2 EQU1 EQU2 A相 24V A相 12V A相 5V B相 24V B相 12V B相 5V PRST 24V PRST 12V PRST 5V FUNC 24V FUNC 12V FUNC 5V C H 2 AB COM CTRL COM A相 24V A相 12V A相 5V B相 24V B相 12V B相 5V PRST 24V PRST 12V PRST 5V FUNC 24V FUNC 12V FUNC 5V <仕様比較> 形名 仕様 MELSEC-AnS シリーズ MELSEC-Q シリーズ A1SD62 A1SD62E QD62 QD62E 計数速度切換設定 設定ピンによる切換え インテリジェント機能ユニットスイッチ設定による切換え 100k側 10k側 200k (100k~200kPPS) 100k (10k~100kPPS) 10k (10kPPS 以下) チャンネル数 2 チャンネル カウント 入力信号 相 1 相入力,2 相入力 1 相入力(1 逓倍/2 逓倍),2 相入力(1 逓倍/2 逓倍/4 逓倍),CW/CCW 入力 信号レベル(φA,φB) DC5/12/24V 2~5mA カウンタ 計数速度 (最高) 1 相入力 100kPPS 10kPPS 200kPPS *1 100kPPS *1 10kPPS *1 2 相入力 100kPPS 7kPPS 計数範囲 24 ビットバイナリ (0~16777215) 32 ビット符号付きバイナリ (-2147483648~2147483647) 型式 UP/DOWN プリセットカウンタ+リングカウンタ機能 最小カウント パルス幅 (デューティー比 50%) 10μs 5μs 5μs (1,2相入力) 100μs 50μs 50μs (1相入力) 142μs 71μs 71μs (2相入力) 5μs 2.5μs 2.5μs 2相入力時 最小位相差1.25μs 10μs 5μs 5μs 2相入力時 最小位相差2.5μs 100μs 50μs 50μs 2相入力時 最小位相差25μs 一致出力 比較範囲 24 ビットバイナリ 32 ビット符号付きバイナリ 比較結果 設定値<カウント値, 設定値=カウント値, 設定値>カウント値 外部入力 プリセット DC5/12/24V 2~5mA ファンクションスタート 形名 仕様 MELSEC-AnS シリーズ MELSEC-Q シリーズ A1SD62 A1SD62E QD62 QD62E 外部出力 一致出力 トランジスタ(シンクタイプ)出力 2 点/チャンネル DC12/24V 0.5A/1 点 2A/1 コモン トランジスタ(ソースタイプ)出力 2 点/チャンネル DC12/24V 0.1A/1 点 0.4A/1 コモン トランジスタ(シンクタイプ)出力 2 点/チャンネル DC12/24V 0.5A/1 点 2A/1 コモン トランジスタ(ソースタイプ)出力 2 点/チャンネル DC12/24V 0.1A/1 点 0.4A/1 コモン 入出力占有点数 32 点 16 点 接続方式 20 点端子台 40 ピンコネクタ 内部消費電流(DC5V) 0.1A 0.30A 0.33A 上表の 部分は,MELSEC-Qシリーズのユニット仕様が接続する機器・設備の仕様を満たすことを確認してください。 *1:計数速度はパルスの立上がり,立下がり時間(t)に影響されます。カウント可能な計数速度は下表のとおりです。 立上がり,立下がり時間の大きいパルスをカウントすると,誤カウントになる恐れがあるため注意が必要です。 計数速度切換設定 立上がり、立下がり時間 1 相入力,2 相入力共通 200k 100k 10k t=1.25μs 以下 200kPPS 100kPPS 10kPPS t=2.5μs 以下 100kPPS 100kPPS 10kPPS t=25μs 以下 - 10kPPS 10kPPS t=500μs - - 500PPS プログラム上の注意 (1) A1SD62/A1SD62E と QD62/QD62E では,入出力信号(X,Y)およびバッファメモリアドレスの割付けが異なりますので,シーケンスプログラムの変更が必要です。 (2) A1SD62/A1SD62E において設定ピンで行っていた計数速度設定は,QD62/QD62E ではインテリジェント機能ユニットスイッチ設定にて行います。 配線上の注意 各信号( φA,φB,PRE,F ST)の設定ピンを,入力電圧に合せて設定してください。 なお,工場出荷時はすべての信号が 24V(24V 側)になっています。 24V 入力時:24V 側に設定 12V 入力時:12V 側に設定 5V 入力時:5V 側に設定 また,設定ピンで設定した電圧より高い電圧を入力すると,MELSEC-Q シリーズユニ ットの故障の原因となります。 (注)1 t t