海洋安全保障 海洋権益確保 新しい海洋産業の創出と振興 ～世界のエネルギー … · 海洋技術フォーラム パネルディスカッション ...

Photo from Gazprom Neft PJSC

2017年9月12日海洋技術フォーラム

パネルディスカッション

海洋安全保障-海洋権益確保-

新しい海洋産業の創出と振興～世界のエネルギー・資源等市場に参入するための道～

尾上 陽一日本海洋掘削株式会社 常務執行役員

日本マントル・クエスト社 代表取締役社長

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今日のはなし

• 様々な提言・意見の紹介

• 海洋での仕事、資源開発とは

• JDCの紹介

• 日本の強みと弱み：現状認識

• 提案

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貴重な意見書・提言

1. 総合海洋政策本部参与会議意見書（2017年3月）

2. 海洋産業研究会「第三期海洋基本計画の策定に向けた提言」（2017年3月）

3. 第三期海洋基本計画の策定に向けて総合海洋政策本部「参与会議」で検討（2017年4月）

4. 資源エネルギー庁「本邦周辺海域における資源開発の促進」(2017年5月）

5. 資源エネルギー庁「メタンハイドレート開発の今後の在り方について」(2017年6月）

6. 経団連「新たな海洋基本計画の策定に向けた提言」（2017年7月）

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2016年度参与会議意見書の骨子

• H31年度以降の「メタンハイドレート開発」の在り方について早期に検討、次期計画に反映、技術仕様のデファクトスタンダード化を目指す

• 海洋資源開発に関する技術情報共有のためのプラットフォームを創設

• 海洋産業による技術開発支援制度の検討

• 技術人材の維持・育成の推進

• 4つの分科会的会議体を設置

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海洋産業研究会の提言(2017年3月)

a. EEZ内石油・天然ガス田探鉱・開発の促進

b. メタンハイドレート・熱水鉱床など優先順位の明確化とロードマップの作成

c. 国産技術の使用奨励と国際競争力向上促進

d. 海洋再生可能エネルギー利用の本格推進

e. 海洋産業振興のための基盤整備（含む人材育成）

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経団連の提言(2017年7月)

a.メタンハイドレート

• 早期の商業化に向けて技術開発加速

b.石油・天然ガス

• 政府主導による基礎物理探査・基礎試錐継続

c.国内海洋鉱物資源開発

• 産官学一体での取り組み推進

d.海外の海洋資源の開発

• 資金援助及び政策金融による支援

e.海洋基本計画のフォローアップを政府全体で行う体制構築

f. 政府主導の下、官民一体で海外における資源開発推進

g.人材育成5

日本造船工業会の提言(2017年4月)

【提言】早期に海洋資源開発の産業化を図るためには、政府主導による官民オールジャパンが参加する推進主体を設立するなどの体制づくりが必要

（海洋資源技術に関するプラットフォームの発展系のイメージ）

■海外で海洋資源開発が産業化されている理由■

海外では、ノルウェーのスタットオイル社やブラジルのペトロブラス社など政府も出資している資源開発会社が推進主体となって、資源調査、権益確保、エンジニアリング、機器の開発、掘削及び生産、資源輸出を一手に担っているため、海洋資源開発が盛んに行われている。よって、自国企業のみならず、世界中から海洋開発を志す企業がこれらの国を目指して進出し、海洋資源開発の産業育成及び強化、企業集積が進展している。

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国営石油会社の役割

世界的に、国営石油開発会社(NOC)が技術を牽引、石油・天然ガス開発を推進している。

自国の権益を守る安全保障上の一歩である。

Malaysia : Indonesia :India : China : CNPCThailand : Vietnam : PetroVietnamBrazil : Mexico :Qatar : Taiwan : CPCKorea : Iran :Russia : Venezuela : PDVSASaudi Arabia : UAE :

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海洋での石油・天然ガス掘削・生産

(Source : Trelleborg at Rio Oil & Gas 2014 & Petrobras)8

海洋開発に必要なサービス、機材（例）

ポジショニング Drill Pipe, Casing Pipe類 坑口装置

ワークボート、タグボート 暴噴防止装置（BOP） 生産設備

ヘリコプター デリック製作 ハンドリング機器

気象予報 油圧装置 エンジン

セメンチング 汚水処理設備 ザク処理設備

電気検層 高圧コンプレッサー パイプライン敷設

泥水 高圧ホース 係留システム

泥水検層 圧力容器 空調設備

ケーシング・ランニング 高圧・低圧バルブ類 バルクタンク

コアリング 大型クレーン 吊具

ケータリング Top Drive System 巻上装置（Drawworks)

生産テスト Heave Compensator Riser Tensioner

フィッシング・サービス Mud Pump Centrifugal Pump

チューブラー検査 ボイラー DPS, Thrusters, GPS

Radio機器、無線設備 Satellite system Lifeboat, Life raft

ブイ アンカー、チェーン ワイヤーロープ

バルブ Water Maker 冷却・冷凍設備

居住区 厨房設備 警報設備

消火設備 ガス探知機 救命装置

油水分離機 溶接設備 工具類

LNG船 FPSO など 9

石油・ガス開発サービス会社

Source : Website. Numbers are revenues in 2015

$27.16bn

$18.28bn

$14.1bn

$7.8bn

$22.9bn(2013)

$11.86bn$32bn(merged in 2016)

More than 10,000 companies in USA (API website)

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どういう装置で掘削するのか（掘削リグ）

ジャッキアップ型

水深150M

セミサブ型

水深50M – 3000M

ドリルシップ型

水深1000M – 3000M

バージ型

水深数M

ランドリグ

海洋リグ数 : 904+ 新造150

120 156 546 89 2,110

(Source : IHS-Petrodata, Baker Hughes) 11

JDC操業リグの現在位置

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イラン Eni Iran* National Iranian Drilling Co

(NIDC)* Pars Oil & Gas* Petroiran Development Co

(PEDCO)* Petroleum Engineering and

Development Statoil Iran* Total Sirri Total South Pars

中国 華南石油開発* 日中石油開発* ACT Operators Group* Esso China* JHN Oil Operating Company* Nanhai East Oil Co* Occidental Eastern* Shell Exploration*

台湾 Chinese Petroleum Conoco Taiwan

タイ Tenneco Thailand

日本 出光石油開発 出光日本海石油開発 磐城沖石油開発 北日本大陸棚石油 新西日本石油開発 新日本海石油開発 新日本石油開発 石油資源開発 帝国石油 ニッポンオフショア石油 日本海洋石油資源開発 日本原燃 日本ﾒﾀﾝﾊｲﾄﾞﾚｰﾄ調査 北海石油開発 三井石油開発 Esso Abukuma Gulf Oil Co JX日鉱日石開発 Union Oil Far East

Alcorn Philippines AMOCO Philippines Japex Philippines Petronas Carigali Overseas* Phillips Petroleum Co St. Joe Petroleum Philippines Total Exploration Philippines

フィリピン

ベトナム 日本ベトナム石油 AEDCベトナム石油開発 BP Exploration Ope Co Conson Joint Ope Co* ONGC Videsh Petro Canada Petronas Carigali Overseas* PetroVietnam Drilling & Well

Services Corporation Plains Vietnum Premier Oil Vietnam South BV TNK Vietnam B.V. Total Oil &Gas International

マレーシア JTO Operating MDC Oil & Gas Petronas Carigali* Texaco Exploration Panyu WMC Petroleum

ミャンマー アラカン石油開発 Daewoo International Petronas Carigali Myanmar*

バングラデシュベンガル石油開発

ブルネイ Fletcher Challenge Energy Borneo

エジプト エジプト石油開発 Belayim Petroleum Compagnie Orientale des

Petroleos D’Egypte Gulf of Suez Petroleum The General Petroleum Total Proche Orient

アラブ首長国連邦 Abu Dhabi Marine Operating

Co* Amerada Hess Oil Co* Bunduq Co* Dana Gas Exploration FZE Umm Al Dalkh Development

Co*

アンゴラ Cabinda Angola Cabinda Guｌｆ Ranger Angola Shell Angola Exploration Sonangol Texaco Angola Texaco Exploration Angola

Sumbe

カタール Occidental Petroleum of

Qatar* Qatar General Petroleum Co Qatar Liquefied Gas Qatar Petroleum* Qatar Shell Ras Gas NOC

ガーナ Nuevo Energy Company Nuevo Ghana

カメルーン Parenco Cameroon

ナイジェリア Exxon Mobil Mobil

ナミビア Norsk Hydro Namibia Shell Namibia

コンゴ Elf Congo

チュニジア Eni Tunisia BG Tunisia

オーストラリア Ampolex Hadson Energy Mobil Exploration &

Producingtion Australia West Australian Petroleum Western Mining Co

日韓大陸棚 帝国石油 日本石油開発 Hamilton Brothers-Korea

Sdad

ロシア サハリン石油開発協力 Gazpromneft-Sakhalin

ブラジル Petrobras （注）

メキシコ PEMEX

（注） Petrobras向けドリルシップ建造のエンジニアリングを監督「ETESCO TAKATSUGU J」エクィティ参加*印 ： 現地合弁会社によるサービス提供先

インド ONGC OAO Gazprom

スリランカ Cairn Lanka

スペイン UTE ACS COBRA CASTOR

顧客一覧（2017年8月現在）

インドネシア インドネシア石油 国際石油開発 Amoseas Indonesia Atlantic Richfield Indonesia BG Exploration and

Production Bow Valley Exploration British Gas Canadian Petroleum Esso Exploration & Production

Natuna Joint Operating Body Kodeco Energy Lasmo Cumi-Cumi Marathon Petroleum Indonesia Mobil Oil Indonesia Oceanic Exploration Premier Oil Natuna Sea B.V. Salamander Energy (Bontang) Sceptre Resources Sumatra Gulf Oil Total E&P Indonesie Union Oil Co of Indonesia

スリナム Teikoku Oil (Suriname)

Co., Ltd.

総坑井数： 国内140以上、海外1,000以上延べ掘進長： 2,500km以上

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(Source : Douglas-Westwood)

世界で掘削されている海洋坑井数

2006年と2016年、10年間の比較

2006 2016

石油･ガスの坑井数 93,355 45,444

石油・ガスの産出量 1兆3400億boe/day 1兆5400億boe/day

海洋掘削坑井数 2,379(2.5%) 2,257(5%)

海洋からの産出量 30% 30％

• 海洋石油・天然ガス市場規模：30兆円(Quest Offshore)

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(Source : IHS-Petrodata, JDC分析)

日本で建造されたリグ

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1958

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1965

1966

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1972

1973

1974

1975

1976

1977

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1979

1980

1981

1982

1983

1984

1985

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

Drillship

Jackup

Semisubmersible

Total 109 rigs

39

3

156

89

6 23

19

05

10152025303540

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造船会社別

日本の海洋で掘削された坑井

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12

14

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

JDC JDC以外

基礎試錐、民間による試掘坑井数：187坑

Source : 天ガス鉱業会、JDC加工・作成16

現状認識

1. 国内に市場がない

どのような技術が必要なのか知らない

参入障壁が高い

継続性がない

商業化しにくい

2. 海外の技術に依存

挑戦となりリスクが高い

しかし、潜在的技術力は十分にある

しかも、日本の製品・技術・サービスは高品質

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海洋開発産業活性化のアイデア

政府主導による探鉱・試掘活動の活性化

国内企業の優先的採用

海外での探鉱投融資プロジェクトでの日本企業の積極的関与

日本技術の積極的提供による海外との協同開発

舶用工業用品の積極的マーケティング

産業の米と言われた「鉄」を武器に欧米機器メーカーに再アプローチ

造船技術の多様化、海外造船所とのコラボ

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国の海洋開発政策・計画への要望

利用しやすいファイナンス・債務保証・優遇税制・補助金

金融支援

ロードマップの見直し

情報共有

産業・人材育成

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国プロジェクトの具体的な成果までの計画見直しメタンハイドレートプロジェクト-国内における海洋産出試験の継続促進、早期技術確立

プロジェクト情報の早期共有、民間とのコミュニケーション活性化、海洋資源開発技術プラットフォームの活用

海洋開発産業の育成・産官学連携による人材育成（日本財団他）、活躍の場確保(国内外)

民間である我々ができること

啓蒙活動・人材育成

技術力向上

情報共有他

• 「海洋開発とは何か」海洋開発産業の啓蒙活動 （日本財団）• エンジニアの海外企業への派遣、技術習得• 各種セミナー参加、トレーニングへの派遣、教材充実

• 産油国での契約確保、欧米石油・天然ガス会社との共同開発• 欧米企業との技術交流、タイアップ• エンジニアの海外企業への派遣、技術取得、相互交流

• 海外技術動向のモニタリング• 国とのより密接なコミュニケーション• 海洋資源開発プラットフォームの有効活用

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ご静聴ありがとうございました。

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