株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 ENEX2015 Energy Design Competition 振り返り 大和田 茂 (萌家電パパ)
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ざっくり言うと
• スマートメーター情報を用いたアプリ制作コンペについてのレポート
• 作品集めにクラウドソーシングの利用、Webデザイン学校でのフォローアップなどの取り組みを紹介
• 今後の課題として、デザイナーの参入の重要性を挙げている
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経緯
• 神奈川工科大学 HEMS認証センターから、ENEX2015で出展するので電力アプリ公募をやってほしいとの依頼
• 難しい依頼と思われたので断りかけたが最終的には受けることにした – 1か月しかない – 応募作品で会場の機器を動かしてほしいとのこと
• 2015年はスマートメーター(スマメ)元年であり、今後電力を利用したアプリが重要になってくるのは確か
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スマートメーターとは?
•最初に日本の全世帯に導入される ネットワーク機器
電力会社が設置してくれるので何もする必要なし。 東京電力は2020年までに、全国でも2024年には設置が完了。
東芝製 第一号のスマートメーター
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スマートメーターで何ができるのか?
• 電力会社が検針に来なくてよくなる
• 頻繁に電力を計測できるため、時間帯や地域電力のひっ迫度に応じた変動料金が可能になる
• 変動料金を生かした電力プランが増えることで、生活スタイルに合わせた契約ができる
• 家電と連携して、電気代が高い時間は消費を抑えるなどより効率的節電が可能に
• 遠隔の生活見守りができる
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電力データの応用
• 見える化 – 自分の生活パターンの理解、効果的な節電方法の理解 – 宅配サービス
• 遠隔見守り
– お年寄りが倒れていないか?不審者が侵入していないか?がある程度わかる
• 電気代が高い時間に合わせた地元商店街連携
• 家電の不具合認識・サポートサービス
• などなど…
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電力情報の流れ
• スマートメーターと直接通信するネットワークをBルートという
– IPv6, Wi-SUNなど
– 他にAルート,Cルートが存在
• HEMSゲートウェイを介して家電ネットワーク(HAN)に接続
– 通常はIPv4, WiFi, Ethernetなど
• 間に位置するHEMSゲートウェイは、今後電力がらみのサービスを実現する拠点として業界から注目されている
図は東京電力HP「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)の試験実施について」より http://www.tepco.co.jp/smartmeter/broute-j.html
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電力情報の流れ
• スマートメーターと直接通信するネットワークをBルートという
– IPv6, Wi-SUNなど
– 他にAルート,Cルートが存在
• HEMSゲートウェイを介して家電ネットワーク(HAN)に接続
– 通常はIPv4, WiFi, Ethernetなど
• 間に位置するHEMSゲートウェイは、今後電力がらみのサービスを実現する拠点として業界から注目されている Bルート
HAN
図は東京電力HP「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)の試験実施について」より http://www.tepco.co.jp/smartmeter/broute-j.html
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今回のセットアップ
• NTTの光ボックス(Android機)がHEMS GWに • その上でECHONET Liteコントローラ・APIサーバとしてKadecotが動作 • その先にブラウザでWebアプリが動作(ここが募集対象)
図はNTT西日本プレスリリースより https://www.ntt-west.co.jp/news/1501/150127b_1.html
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何を集めるのか?
• 「ハッカソンをやってほしい」という依頼だったが、 電力情報を用いて今までにないサービスのアイデアを 考案するのは困難だと判断
• むしろサービス内容はだいたい決めておき、どう見せるかというユーザーインターフェースやデザインが重要であると考えた – 見える化 – 宅内電力ひっ迫時に節電へ誘導 – デマンドレスポンス応答時に節電へ誘導 – オプションで帰宅・外出時
• 実際、既存の電力見える化アプリはUI/デザインの面で 困難に直面している
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課題
• いかにもな数値やグラフを用いた既存の見える化では、最初の一か月程度しかユーザーに情報を見てもらえないと言われている
• デザインが退屈?
• 何をしたらどの程度電力を消費するか、だんだんわかってきてしまうからかも。
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仮説
• データを読まされている感じがしないもの
• あまり注意を妨げないこと
• それでいて、あるとちょっと心地よいもの
このようなものが、見える化には求められて いるのではないか?
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クラウドソーシングの利用 • 以前CrowdWorksでロゴ募集をやったところ、多数のデザイナーに見てもらえた
• 採択対象・件数を広くとることでかなり盛り上がっている他の募集もあった
• ただし主に予算上の制約から、以下のようにした – 最優秀賞・優秀賞に加え、 できるだけ佳作を出すことに。 ほぼ参加賞
– 既発表作品可 – 利用権を作者に留保 – ビデオのみ・企画書のみ の応募も可
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実動アプリをどう作ってもらう?
• 全てではなくてもよいが、コンペ作品で極力ENEX会場で展示する実機器を動作させてほしいとのこと
• デザイナーを対象にする以上、プログラミングに関するサポートが必要と予想された
• 最初から機能が実装されたエミュレータの提供
• アプリ部分のソースコードを書き換えることなく、エミュレータライブラリの置き換えのみで実動機器が動くようにした(日新システムズのエンジニアに依頼)
• さらに、開発をサポートするイベント開催
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インターネットアカデミーとのコラボ
• Webデザインを学んでいる生徒さんを対象にコンペ向けのワークショップとフォローアップを開催(12/20, 1/9, 1/16
• 応募を増やす上で効果的だった
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なんとか展示にこぎつけた
• 実装・ビデオつき
–節電時計 [優秀賞]
–エコクエ [優秀賞]
– smart meter [最優秀賞]
• 提案のみ
– もにゅちゃん [来場者特別賞]
– E power to E fish. [佳作]
– TiCoS118 [佳作]
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振り返り
• クラウドワークスでは1000回以上閲覧してもらえたので、私にハンドリング可能な場としてはまあ悪くなかったのではと思われる
• 応募数も多かったとは言えないが、準備期間一か月ということを考えるとよくやった方なのではないかな…
• 投票頂いた方に無料でドリンクサービスするなどKAITのコミットが素晴らしく、投票数も300を越え、来場者には十分楽しんで頂けたと考えられる
• 最初は死ぬほど大変な仕事なのではと思ったが、ふたを開けてみたらNTT西日本/コムウェア、インターネットアカデミー、日新システムズ、東芝などの方に非常に助けていただき、無理な作業も特になく楽しいコラボになった。
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デザインが重要
• IoT / エネルギーマネージメントは普及段階に
• 同じサービスを提供するにも、デザインの巧拙が普及を分けるのでは
• 昔から言われているように、デザインとエンジニアリングの融合が必要
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私の活動としては
• ハッカソンとデザインソン(?)を融合させたい
• ただし、コラボにはかなり高いハードルがあると思われる – ユーザー目線に立てば、デザインが優位であるべき
– しかし、ハッカーは自分が作りたいものを作りに来ている。
• うまくお互いのやりたいところを尊重できる仕組みが必要
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まずはFBから
https://www.facebook.com/groups/1576540305894901