『 乾式吹付耐震補強工法 』 ㈱クリテック・ジャパン
『 乾式吹付耐震補強工法 』
㈱クリテック・ジャパン
はじめに
現在、古い耐震基準に基づいて設計・建設された道路橋において耐震補強が進められている。
国土交通省をはじめとして各自治体においても、数年前から道路橋の耐震補強プログラムを実施し、被災時に甚大な被害を受けないよう、橋脚等の耐震補強を進めてきた。
東日本大震災を受け、道路橋橋脚の耐震補強は増々、喫緊の課題となってきている。
RC巻立て工法
鋼板巻立て工法 炭素繊維巻立て工法
PCM巻立て工法
橋脚の耐震補強の例
現 況 ①
標準的な道路橋橋脚の耐震補強工法は、 RC(鉄筋コンクリート)巻立て工法
既設の橋脚周囲に補強鉄筋を配置し、型枠を組み立てコンクリートを打設する工法。
巻立て厚 250㎜程度
現 況 ②
河積阻害や建築限界などの問題で、巻立て厚をRC巻立て工法よりも薄く抑える必要がある橋脚が多い。
巻立て厚の薄い耐震補強工法
鋼板巻立て 工法
繊維材(シート)巻立て工法
ポリマーセメント モルタル巻立て工法
RC巻立て工法
鋼板巻立て工法 炭素繊維巻立て工法
PCM巻立て工法
橋脚の耐震補強の例
主な橋脚の耐震補強工法
耐震補強工法
RC巻立て工法
PCM巻立て工法
鋼板巻立て工法
繊維材巻立て工法
左官塗り
湿式吹付
乾式吹付
乾式吹付耐震補強工法
補強鉄筋を設置し、ポリマーセメントモルタル(PCM)を乾式吹付けにて巻立てることで、巻立て厚を薄く抑えた耐震補強が可能。
耐久性に優れたPCMを、型枠を使用せず高速度の吹付により巻立てるため、巻立て厚を抑えられる。
補強鉄筋を(SD345)D22とD16にした場合
高速度の吹付けにて締め固めを行うことから、コンクリートを充填するためのあきを設ける必要がなく、接触配筋に出来るため巻立て厚を薄くできる。
250㎜ 54㎜
既設RC橋脚
既設RC橋脚
SD345 D22
SD345 D16
PCM吹付 コンクリート打設
耐久性が高いためかぶり厚は最小
RC巻立て工法 乾式吹付 耐震補強工法
乾式吹付耐震補強工法 動画
<乾式吹付システム 概要>
乾式吹付け ノズル先端部の状況
時速 約200㎞
乾燥 ポリマーセメント
水
W/C 約40%
粉 体
圧縮空気
水とミキシングされたポリマーセメント
固 体
W/C 約55%
湿式吹付け ノズル先端部の状況
乾式吹付耐震補強工法の特徴(品質)
高速度の吹付けにより鉄筋裏など狭所への充填性、既存コンクリートとの付着性に優れる。
単位水量が抑えられるため、中性化や塩害、凍害などの劣化要因に対する耐久性に優れる。
プレミックスモルタルのため、均一な品質が得られる。
高密度・高品質な断面形成が可能なため耐久性に優れ、既設橋脚の長寿命化が図れる。
( 圧縮強度:62.5 N/mm2、付着強度:2.2 N/mm2 )
母材との界面の状況
左官工法
母材との界面に空隙が視られる。
母材との界面に空隙が全く視られない。
乾式吹付工法
乾式吹付耐震補強工法の特徴(施工)
乾燥材料のため圧送ホース内の抵抗が少なく、長距離搬送(水平200m、垂直150m以上)が可能。また、管内閉塞も生じにくい。
プライマーが不要で、一層50㎜(部分的に最大100㎜)の厚付けが可能。
型枠が不要で、吹付けで様々な形状に仕上げることができる。また、コテによる仕上げも可能。
施工性が良く、日当たり施工量が多いため工期の短縮が可能である。また、施工コストも抑えられる。
<乾式吹付システム 概要>
乾式吹付耐震補強工法 動画
まとめ
充填性や付着力に優れ、また単位水量が抑えられる。
⇒既設橋脚に補強鉄筋を接着させ、密な配筋になっ
ても高密度・高品質な断面形成が可能。
長距離搬送、厚付けが可能
⇒広範囲施工が可能で、施工スピードが早いことか
ら、工期の短縮やコストの縮減が可能。
巻立て厚を抑えた橋脚の耐震補強に最適な工法
ご清聴ありがとうございました。