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Japanese guidelines for the treatment of hip fractures in the elderlyTomoyuki Nodaa*, Toshifumi OzakibaDepartment of Orthopaedic Surgery, Okayama University Hospital, bDepartment of Orthopaedic Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
状態が手術に耐えうる症例に保存療法は行わない方がよいとされ,骨接合術の内固定材料にはハンソンピン,cannulated cancellous screw,sliding hip screw(CHS タイプ)が推奨される.骨接合術後の早期荷重については,非転位型では推奨,転位型でも良好な固定性が得られれば試みてもよい.骨接合術の骨癒合率については,非転位型の骨癒合率は85~100%,転位型の骨癒合率は60~96%と報告されている.骨接合術後のMRI による骨頭壊死発生率は非転位型で4~21%,転位型で46~57%で,LSC 発生率が非転位型0~8%で,転位型26~41%と報告されている.内固定材料の抜去については,無症状の高齢者では内固定材料は抜去しないことが推奨され,疼痛などにより内固定材料抜去の必要がある場合では内固定材料抜去後に一定期間の免荷を設ける. 人工物置換術を選択する場合,活動性が高い症例には人工股関節全置換術が推奨され,全身状態が悪い症例や高齢で活動性が低い症例には人工骨頭置換術が推奨される.セメント使用とセメント非使用の選択については症例に応じていずれを用いて
も良い.人工骨頭置換術において活動性の高い症例ではバイポーラー使用が推奨され,良好な初期固定性が得られれば早期荷重が推奨される.人工骨頭置換術の合併症として,術中突然死(0.075%,多くがセメント使用例),セメント使用時の心拍出量の低下・血圧の低下・術中心停止,大腿骨近位部骨折(2.3%),術後脱臼(2~7%,後方アプローチに多い),インプラント周囲骨折(1~3%),異所性骨化(約20%)が報告されている.2. 大腿骨転子部骨折 手術治療,保存治療の適応について,転位のある大腿骨転子部骨折では骨接合術が推奨,転位のない大腿骨転子部骨折では保存的治療も可能であるが骨接合術が推奨され,転位のない大転子部のみの骨折では保存的治療が推奨される.本骨折は関節外骨折であり,LSC の発生率は0.3~1.2%と低く,一般的には骨折型に関わらず骨接合術を選択する(図7). 内固定材料については,sliding hip screw(CHS タイプ,図7a)またはshort femoral nail(gamma nail タイプ,図7b)が推奨されている.大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折
の中間に位置するとも言える頚基部骨折(関節包内外にまたがる骨折)では,頚部骨折とは異なりスクリュー固定だけでは十分な固定性が得られないため,sliding hip screw(CHSタイプ)を使用して骨頭の回旋を防止する. 術中合併症として,sliding hip screw において固定時の骨幹部骨折は0.4~0.5%であり,short femoral nail では,骨幹部骨折(約2%),骨折部の離開(1.6~13%),ネイルの引っ掛かり(1.6~4.8%)などがある.重篤な術後合併症の一つで再手術の原因として最も多いカットアウトを予防するためのラグスクリュー至適刺入位置は,ラグスクリューを正面像で骨頭中心かそれより遠位に,側面像で骨頭幅の中1/3に刺入してスクリュー先端を軟骨下骨近傍まで十分に刺入することが重要である.偽関節発生率は sliding hip screwと short femoral nail との間に差はなく,0.5~2.9%である.内固定材料の抜去については大腿骨頚部骨折と同様,無症状の高齢者では内固定材料は抜去しないことが推奨され,疼痛などにより内固定材料抜去の必要がある場合では内固定材料抜去後に一定期間の免荷を設ける.
a b
図7 大腿骨転子部骨折に対する内固定法a:Sliding hip screw(CHSタイプ)b:Short femoral nail(Gamma nail タイプ)
3) Garden RS:Low-angle fixation in fractures of the femoral neck. J Bone Joint Surg Br (1961) 43B, 647-663.
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