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∪.D.C.る21.313.333:534.833:534.231.3
低騒音誘導電動機開発への機械インピーダンス法
の応用Application of Mechanica11mpedance Methods to the
Development of Low Noiselnduction Motors
機械インピーダンス法による振動実験と騒音の分析から,低出力誘導電動機の騒
音は電磁強制力と電動機各部の固有振動数とが合致した機械的共振によって起こる
ことを明らかにした。この結果,電動機の騒音低減を図るには,各部の振動特性を
正確に把握し,強制力との共振を避けた設計を行なうことが,最も重要であるとの
結論を得た。日立製作所ではこのため,実測と計算によr)要素の機械インピⅦダン
ス特性を求め,その合成によI),全体の動特性を検討できる振動解析法を開発した。
更に,この機械インピーダンス合成法と実験的な振動,騒音分析法とを組み合わせ
た騒音低減手法を確立した。
この手法の活用により,0.2~11kWまでの種々の電動機の騒音を低i成することが
できた。
Il 緒 言
誘導電動機は安価,堅牢,保守が容易,商用電源で使える
など多くの長所を持っているため,各種機械類の動力さ原とし
て広く使われている。しかし,近年そグ)需要の伸びとともに
騒音の問題が取り上げられてきた。特に最近の一連の公害問
題との関連から,誘導電動機の騒吉は商品価値を決める重要
な要素の一つとなりつつある。
ニれらの背景から,日立製作所では/ト形の汎用誘導電動機
を対象に取り,騒音の発生機構を究明するとともに,騒音低
i成問題を設計の段階ででナ‡里的に進めるため,機械インピーダ
フアン 固定子コア
の
回転子コア
エンドブラケット
軸
\一-------一一
J
平田東助*
加賀万亀男*
島本紘さ台**
〃言γαfα mざ加んe
払gα 〃α丘io
5ん∫〝氾m()舌0 ∬むf
ンスで㌻成法を用いた振動特性解析法を開発した。吏に,この
機才戒インピーダンス合成法と実験的な振動,騒音分析法とを
組み介わせた騒音低減手法を確立し,この手法の活用により
種々の誘う尊電動機の騒音を低減することができたのでその概
要について述べる。
臣l 構 造
ここでは出力が11kW以下の小形誘導電動機を対象に検討を
進めた。匡= に構造の概要を示す。
ーー】固定子巻線
軸受
外わく
*日立製作所機械研究所
**日立製作所習志野工場
図l 誘導電動機の構造
開放形の構造を示Lたものである。
53
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760 日立評論 VO+.59 No.9(柑77】9)
70
60
慧 50
..ユ
ぞ
遠 40
榊
30
20
注:一通常運転時(電磁音+機械吾←風音)
--一通風なし(電磁書十機械音)
-…--電渾切断直後(横械普)
0 1k
周 波 数(Hz)
2k
図2 琶量書要因の影響度合 風音,機械音の影響はほとんどなく,電磁
的要因の影響が最も大きい。
田 騒音発生機構
3.1騒音発生要因
--一一般に誘導電動機の馬重吉発生の要因としては,電磁的要因,
機械的要因及び通気音による要因がある。図2にこれらの要
因の影響度合の実測例を示す。開放形小形電動機の場合,風
量が少ないため風音はほとんどなく,また,機械音も電磁音
に比べるとはるかに小さい。これらの結果から,騒音の主成
分は電磁的な原因によって起こる振動音(固体普)であるとい
える(全閉外扇形の場合は風音も無視できないが,主体は電磁
馬重吉である)。
3.2 電磁強制力
誘導電動機に作用する電磁強制力は,固定子と回転子の溝
数組合せによる高調波力と主磁束のひずみや磁気的偏心によ
つて発生する電源周波数の整数倍の力披である。このうち,
溝数組合せによる電磁強制力については数多くの研究があり,
偏心(機械的,電磁的)を考慮しないときの電磁強制力の発生
周波数に関しては次式で表わされることが分かっている1卜5)。
すなわち,固定子に加わる助振力の周波数は
′之=(鬼Z2(1-ざ)/p‡喜)′0‥・…‥…(1)
ここに,Z2:回転子の溝数,p:極対数,′。:電源周波数,
ざ:すべり,丘=±1,±2…‥…・
従来の研究では回転子の剛性が大きいことと,励振力が相
殺されるということから,回転子に加わる助振力は無視でき
ると考えられていた。しかし,幾何学的,電磁的な偏心があ
る場合には,回転子に励振力が作用し,これに起因する電磁
音が発生する。
偏心を考慮に入れた場合の回転子に発生する励振力の周波
数は二大のようになる。
′之=〔(1-2ノp)±jl-(6g±1)ぎ〕′。±∫。……・‥・(2)ここに,g=0,1,2‥‥・・
偏心周波数′亡は
静的偏心の場合/亡=0
動的偏心の場合 ′亡=′。/2…・
p=2(極数4)の場合は
54
(3)
軸
受
エンドブラケット
回 転 子
「‾‾■■`‾
I‾「
:電磁力【+--一丁---+
固 定 子
外 わ く
軸
受
エンドブラケット
注:-●一回転子振動伝達経路
●-■■固定子振動伝達経路
図3 電磁強制力の伝達経路 回転子と固定子との空隙に発生Lた電磁
強制力は電動機各部へ伝わる。
′之=(6g‡妻抑二/妄・…・…・(4)となる。
3.3 電磁強制力と電動機各部の機械インピーダンス特性との
関連
電磁強制力は固定イ・及び回転子を加振し,更に図3の経路
をたどって電動機各部へ伝わり振動騒音を発生させる。これ
らの強制力と電動機各部の振動特性との関連を明確に把握す
るため,各部の機械インピーダンス特性を測定し,更に振動,
騒音との関係も調べ,騒音発生機構の究明を行なった。図4
はそれらの関係を示す代表的な例である。
騒音のピークは500Hzと1,100Hzにあるが,この発生源をた
どってみると次のようになる。外わくの振動は図4から明ら
かなように,この周波数にピークがある。更に,回転子の国
有振動数は498Hz,固定子の固有振動数は1,168Hzであり,同
国から電磁強制力の優勢な成分も500Hz(回転子),1,100Hz(固
定子)とほぼ近くにあることが分かる。したがって,500Hzの
騒音は回転子が電磁強制力と共振し,その振動が外わくへ伝
わることによって発生しているものであり,1,100Hzの騒音は
固定子が共振して外わくを振動させることによr)発生してい
ることが分かる。ここで,優勢な電磁強制力のうち,1,100Hz
は溝数組合せによる助振力であり,500Hzは偏心による励振力
である。
以上の検討の結果,誘導電動機の騒音低減を図るには,各
部の振動特性を正確に把握し,電磁強制力との共振を避けた
設計を行なうことが最も有効であるとの結論を得た。
田 寺幾械インピーダンス合成法による動特性解析法6)
騒音低減を行なうには問題となる部品を変更すればよいが
部品変更による全体系の動特性の変化を設計段階で正確に予
測でき,電磁力との共振の可能性の有無を調べることができ
れば,合理的で有効な手段となり得る。このため,機械イン
ピーダンス合成法による動特性解析法を開発した。
4.1 原 理
構造物を個々の部分要素にその結合部で分解して,個々の
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低等量音誘導電動機開発への機械インピーダンス法の応用761
剛結合
60
50
40
3010
20
一
¶
(聖)ミて上世伽
(皿ヱ甫
螢
ー30
100
∩)
(∈U\∽・晋)ぺ八一軋-山人†雀撃
外わ〈
エンドブラケット
要素A
結合前
〃d
要素B
むム
′
ヽ 柔結合
ひdニ即ム
エ=-ム
注:ム,ム=力
〃8,〃ム=速度
かq
ム
ロム
ム
噸附,2
脚批
8
0
4
4
数
数
謂謂
駈醜
固定子から
外わくへの伝達
インピーダンス ′
>ノ
達ス
伝ン
らのダ
か
へ一
子くピ
転わ
ン
同【外イ
l1--11t
i月パ「.
--1~渋り--
電磁強制力
V▼′-1一_■一一■
I.-._風定子の共振点
100 200 500 1,000 2,000
周、波 数(Hz)
図4 電磁強制力一機1戒インピーダンスー=振動【馬蚤音の関係
電磁強制力の周波数と固有振動数とが一致した周波数で振動.等量書とも大きく
なっている。
部分要素につし、て機械インピーダンスを求め,そのインピー
ダンスを用いて要素を再結合したとき,着目Lている入出力
点間のイ ンピーダンス特性を計算する方法について述べる。
全体構造の運動方程式は部分構造のインピーダンス行列を
用いて表わすと次式のようになる。
j即F=〔y(∫,J)〕け卜・‥‥…………・
∫,J=1,2,…‥・,乃
(5)式を着目点とそれ以外の点に分けて書き直すと
(;;)=〔吉苦言一手一言苦言〕(か==…=…
・(5)
(6)
のようになる。ほとんどの場合,け♪Eは励振力が作用する一た
の力,1γ♪‡は振動が問題となる点の適度,げ。‡,†むヴ㌢は結合
点の力及び速度である。部分要素の結合の仕方には二通りあ
る。すなわち,
(1)刷結合‥…・結合される要素間に相対運動がない場ぞ「
(2)柔結合……結合される要素がばねやダンパを介して結合
されており,要素間に相対運動がある場合
である。図5にこれらの結合部の取扱い方を示す。
各部分要素間の結合条件を用いて,(6)式中の着目一任以外の力
ム ム
ム=-ム=c(む。-γぁ)十舟(γ。-む占)/ノ山
国5 結合部分の取扱い 結合部は,結合部材間に相対的な動きがある
場合とない場合とで取扱い方が異なる。
けマi,と速度‡即。‡を消去すると,着日点の力け♪‡と速度j野♪ぎ
との関係は次式のようになる6)・7)。
壬即♪i=〔〔y〃月(∫,J)〕
+〔y〟S(J,J)〕〔〔y〟Q(ム,Jl)〕‾1
〔y〟月(∫2,J2)〕〕〕け♪卜‥‥…・……‥……‥‥(7)J,J,ム=1,2,・・‥‥,m ム,Jl,ム=1,2,…・‥,J
となる。(7)式右辺の〔〕中の各行列はすべて部分要素のインピ
ーダンスから成る行列である。よって着目している入出力点間
のインピーダンス特性が個々の要素の特性だけを用いて求まる。
周波数を変えて(7)式の計算を行なえば,インピーダンス特
性が周波数特性の形で得られる。また,着目する入出力点の
数を増せば,より正確な振動モードを求めることができる。
数式中の記号説明
乃:仝座標数
J:結合部の総数
げぎ,‡即‡:全体系の力及び速度行列
け♪‡,jかpi:着目している入出力′卓二の力及び速度行列
m:着目している入出力点の総数
け。E,‡即。‡:着目点以外の力及び速度行列
ZiJ:機械インピーダンス=力(ノ点)/速度(g点)
取ノ:モビリティ(=1/ZどJ)
〔y〕:全休構造のインピーダンス(モビリティ)行列
Z。ナノ:結合部のインピーダンス
4.2 計算法の確認
計算法の妥当性を確認するため,実際の電動機の回転子か
ら外わくへの伝達インピーダンスを計算し,実測値との比較
を行なった。
電動機を回転する部分と回転しない部分の二つの要素に分
割し,座標は図6に示すようにとった。部分要素のインピー
ダンスはすべて実測により求めた。図7(a)に部分要素の実測
例を示す。なお,軸′安部はばね及びダンパとみなし,定数は
モデル実験により求めた。これら実測により求めた部分要素
のインピーダンスを,(1¢)式により合成して求めた伝達インピ
ーダンスと各要素を実際に組み立てた状態で実測した伝達イ
ンピ”ダンスとの比較を同図(b)に示す。両者は最も重要な共
振点付近はもちろん,全体的にもよく一致している。
55
Page 4
762 日立評論 VO+.59 No.9=977-9)
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一
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0(喜\∽・g)K八も-山人†濯準
′▲山
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Zcl O -Zc.
O Zc2 0
_Z冒2〕
仏圭=(三卜=(;三)注:〔什肘〕は結合部のインピーダンス行列
t■■■-■■t■-■t■■■-■一■■■●■-■■■■■■
I
l
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・l
l
l
ヽ、、/・/・一・
z64、二寄女、㌃、.・七′・、、、
ノ■
′′J■
Zc】
Z11
lll
100 200 500 1,0001.500
周 波 数(Hz)
(a)要素特性
(冨三甲単
09一
Og・十
0
(∈0\∽・普)K八払-山人†賛馨
図6 要素分割と座標 回転
する部分と回転Lない部分に分割し,
回転子から外わくへの伝〕妻インピー
ダンスを計算する。
計算値
値測実
Z61
▲-′
50 100 200
周 波 数(Hz)
(b)要素結合時の特性
図了 計算値と実測値の比較 要素の特性を合成Lて計算Lた値と実測値との比較を示す。両者はよく一
致Lている。
同 等邑音低減手法
機械インピーダンス合成法による振動解析法を主体にし,
実験的な振動騒音分析法と組み合わせた合理的な騒音低減手
法を確立した。手法の流れ図を図8に示す。
56
500 1,000
振動騒音の分析結果と機械インピーダンス実験から,騒音
要因の調査と騒音源の摘出を行なうとともに,変更すべき部
品を決定する。次に種々の制約条件を考慮に入れて部品の設
計変更を行ない,変更部品の振動特性を機械インピーダンス
特性の形で計算,又は実測により求める。変更部品の特性を
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低騒書誘導電動機開発への機械インピーダンス法の応用 763
加振機
頻動ピックアップ
マイクロホン
振動・騒音分析
要因の調査
))))))
速度
機械インピーダンス実験
力
電磁強制力
の 計 算
∩)
∩)
0
0
0
6
5
4
3
0
(m石)上「てユ坦伽
200V,50Hz
開放形,4極
ヽ
機械音の検討
流体音の検討
判 定
yeS
最 終 確 認
音 源 の 決 定
変 更 部 品 の 決 定
変更部品の機械インピー
ダンスの計算,又は実測
機械インピーダンス
合成による動特性解析
振 動 騒 音 の 予測
図8 等量音低減法;売れ国 主要部は音源を決定することと,機械インピ
ーダンス合成三去を用いて最適な部品の仕様を決定することである。
H一卜、て、全体系の動特惟解析を行ない,別途計算した電イ滋強
制力の周波数と照合して共振の可能性を調べる。共振の可能
性がなければ設計完了となるが,共振の可能性があるときに
は,再度部品の変更を行ない全体系の劫特性解析を行なう。
共振の可台巨性がなくなるまでこの過程を繰I)返す.〕
la 騒音低≦成例
この手法のi苗用により種々の電動機の騒音を低減したので,
その真簸つかの例を二大にホす。
(1)軸系の剛性変更による低i成例
図9は,軸系の固有振動数と電磁強制力(1q′。)とがほぼ一致
したために軸が共振し,その振動が外わくへ伝わって500Hz帯
士或の騒音が増大した電動機の例である。この場合,軸の剛性
を種々変えたときの軸単体の機械インピーダンス特性を伝達
マトリックス法により計算し,機械インピーダンス合硬法により,本体へ組み込んだときの動特性を計算により求め,電
子滋力と共振しにくい軸系の諸九を決めた。軸系の変更により
固有振動数が変わr),強制力の帯域とずれて共振しにく くな
っただけでなく,外わく/\の伝達インピーダンス値も大きくなり振動しにく くなった。この結果,500Hz千削或の騒斉はほ
とんどなくなI)、0verallレベル(A特性)で4~6dB低一成で
きた。
0
(∈0\の・望)代入′払-〕八†潜蜜
■-、ヽ
ヽ
変更前
ヽ
l
l
1f山rゴllll一
後更変
固定子乗数:48
回転数素数:40
電磁強制力
● ●●
00 200 500 1,000 2,000
周 波 数(Hz)
図9 馬毒舌低減例(I) 軸系の剛性変更により,騒音を低減Lた例である。
(2)軸系支持部の剛性変更による低減例
騒音の発生状況は前例とほぼ同じで,軸系の固有振動数と
電磁強制力(1之/。)とが共振Lて騒音を発生した電動機の例で
ある〔,この場合,回転子から外わくへの振動伝達を悪くする
(インピーダンスを大きくする)ことによ r)馬蚤宵を下げること
にし,l由】転こ十支持郎(.軸′安部)の支持条件の変更を種々試みた。
このため,支持部の等価モデルを作り,種々の支持条件のと
きの支持部の剛性を実測した。次に支持条件を変えて凶転J′一
から外わくへの伝達インピーダンスを機械インピーダンス合
成によI)求め,外わくへの振動伝達量が一拉も少なくなる支持
条件を選んだ。図10に支持条件を変えたときの伝達インピー
ダンスと騒音分析の結果を示す。この結果をもとに,過当な
支持条件を選び,3~5dIiの騒音低減を行なった。
(3)外フアンの共振による騒音発生の予測
図11は全閉外扇形誘導電動機の外フアンの仕様変更に際し
て,騒音の発生を計算により予測した例である。この場合,
あらかじめ特性の分かっているフアンのインピーダンスと実
測により求めた軸系のインピーダンスとを合成して,フアン
を軸端主に取り付けたときのフアンの振動特性を推定した。フ
アンβにすると900Hzで電イ滋強制力と共振し,騒音を発生する
ことが予想され,フアンAにすると騒音は問題にならないこ
とが分かった。
57
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764 日立評論 VO+.59 No.9(1977-9)
60
50
40
30
20
∞
(翌)■ミてユ雌柵
0
言Q\∽・豊)ぺ入札-山人†聾輩
l●▼l
八
..人
\
l
OHZ鳩5
,
糾脚
ヽ一、
固定子素数:36
回転子素数:44
一支持条件 A
-■■■支持条件B
…一-t支持条件C
′l■
∧●L
電磁強制力
r<一丁\
100
図10 等量書低減例(2)
た例である。
10
(∈○\∽・豊)代人軋-山人†渾挙
200 500 ㌔000
周 波 数(Hz)
回転子支持部の剛性変更により,室遺書を低;成し
フアン A
_+_
.体
B
単・血H
ン
古干
アフ
ヽ
ヽ
300 500 1,000
周 波 数(Hz)
(a)単体時特性
1,500
l】 結 言
以上,小形誘導電動機の騒音は電動機各部の固有振動数と
電磁強制力とが合致した機械的共振によって起こることを明
らかにした。この結果,電動機の騒音低減を図るには,各部
の振動特性を正確に把握し,強制力との共振を避けた設計を
行なうことが最も重要であることが分かり,機械インピーダ
ンス合成法を用いた振動解析法を開発した。更に,この機械
インピーダンス合成法と実験的な振動・騒音分析法とを組み
合わせた騒音低減手法を確立し,この手法の活用によr)種々
の電動機の騒音を低減することができた。
しかし,今回開発した手法では,騒音レベルの絶対値まで
も正確に予測することは困難である。騒音レベルを設計段階
で正確に予測できるようにするためには,電磁強制力を定量
的に把握できるようにする必要があり,今後は,この方面の
研究を進める考えである。
参考文献
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ger血sches von k畠figl血fermotoren,ETZ71,491(1950)
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7)吉村:電子計算機による構造物の動特性解析法,精密機械,
36,212(1970)
10
(∈○\の・望)ぺ八′軋-〕八†賓輩
ヽ
ヽヽ
ヽヽ
ヽヽ
/ファン B
電磁強制力
\.アフ
-′′/Aン
300 500
臥l騒音低減例(3) 全閉外扇型誘導電動機の外フアンの共振による騒音の発生を予測Lた例である。
58
1,000 1月00
周 波 数(Hz)
(b)結合疇特性