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ダクト計算から機種選定までの手順 1 円形ダクトの場合 (1)ダクト抵抗は次の式により求めます。 直管ダクトに空気が流れるときの圧力損失ΔPを求めるには、一般に次の 式が使われる。 λ ダクトの管摩擦係数(0.01~0.25) ρ :空気の密度(kg/m 3 )=353/(273+T)≒1.20kg/m 3 T:空気の温度(℃)   ダクト長さ(m) ダクト直径(m) ダクト内風速(m/sec) v= × :風量(m 3 /h) ここで、λ=0.02(亜鉛メッキ鋼管)を代入すると、 ●主なダクトの摩擦抵抗係数(参考値) 等圧法による計算 ダクト用換気扇やレンジフード(圧力タイプ)は全て、ダクトにて排気します。そ の時の換気風量はダクトの長さや、曲りの数、屋外取付部材等の圧力損失 を正確に計算し、適切な換気風量を求める必要があります。 ρ V 2 2 ダクト抵抗ΔP(Pa)=λ×--×-- L d Δ P(Pa)= 0.02 ×--×-- となります。  ダクトの材質 アルミフレキシブルダクト 塩化ビニール管 亜鉛メッキ鋼管 λ 0.03~0.04 0.01~0.02 0.016~0.025 (2) 「ダクトの摩擦抵抗線図」によって求める方法 ■円形ダクトの摩擦損失計算図表(部分) <亜鉛メッキ鋼管、内面粗さε=0.18mm> 〈図表の見方〉 (条件)●使用換気扇は天井埋込形換気扇 ●必要換気風量:300m 3 /h ●ダクト直径: φ15cm ●ダクト長さ :5m ①ダクト直径d(15cm)とダクト内を流れる風量Q(300m 3 /h)との交点 を求めます。 ② 点を垂直におろして、 点を求めます。 ③ 点の目盛(今の場合2.2Pa/m)を読みとり、ダクト長さ(5m)を乗じて算 出し11Paとなります。 図12-3 風量Q(m 3 /h) 風速ν(m/s) 300 0 2.2 d=15(cm) 摩擦損失率〔Pa/m〕 簡略法 等圧法 必要換気風量計算 ダクト設計(ダクト径、ダクトの種類、配管経路、長さ、曲り) 直管部の圧力損失を 「摩擦抵抗線図」 より求める 局部の圧力損失を 「局部損失係数」 より求める ダクト系全体の圧力損失 を求める 部材の直管相等長表を 用いてダクト系全体の 「直管相等長」を求める 得られた圧力損失に10~20%の余裕を加味し、必要静圧とする 「静圧-風量特性曲線」より特性を満たす機種を選択する 「静圧-風量特性曲線」に 「損失抵抗曲線」を記入し 交点を求める 図12-1 図12-2 Q d 2 4 3600π 摩擦損失率 [Pa/m]亜鉛メッキ鋼管 ダクトの摩擦抵抗線図 B A A B B d=500cm 400 350 300 250 200 180 160 140 120 100 90 80 70 60 50cm 45 40 35 30 20 18 16 14 12 10 9 8 7 直径 V =50.0m/s 40.0 30.0 20.0 15.0 風速=10.0m/s 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 d =5 6 25 0.04 0.1 0.2 0.4 1.0 2.0 6.0 10 20 40 60 80 0.04 0.1 0.2 0.4 1.0 2.0 6.0 10 20 40 60 80 1000000 800000 600000 400000 200000 100000 80000 60000 40000 20000 10000 8000 6000 4000 2000 1000 800 600 400 200 100 80 60 40 20 10 風量Q[m 3 /h] アエン 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 3 4 2 5 4.5 2.5 3.5 6 ρ V 2 2 L d A 設計資料編 ダクト換気による圧力損失計算 7 652 資料編 20
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設計資料編 7 ダクト換気による圧力損失計算ダクト計算から機種選定までの手順 1 円形ダクトの場合...

Mar 20, 2020

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Page 1: 設計資料編 7 ダクト換気による圧力損失計算ダクト計算から機種選定までの手順 1 円形ダクトの場合 (1)ダクト抵抗は次の式により求めます。直管ダクトに空気が流れるときの圧力損失ΔPを求めるには、一般に次の

ダクト計算から機種選定までの手順

1 円形ダクトの場合

(1)ダクト抵抗は次の式により求めます。直管ダクトに空気が流れるときの圧力損失ΔPを求めるには、一般に次の式が使われる。

λ : ダクトの管摩擦係数(0.01~0.25)ρ : 空気の密度(kg/m3)=353/(273+T)≒1.20kg/m3

T : 空気の温度(℃)  L : ダクト長さ(m)d : ダクト直径(m)v : ダクト内風速(m/sec)

v=ー×

Q : 風量(m3/h) ここで、λ=0.02(亜鉛メッキ鋼管)を代入すると、

 

●主なダクトの摩擦抵抗係数(参考値)

等圧法による計算

ダクト用換気扇やレンジフード(圧力タイプ)は全て、ダクトにて排気します。その時の換気風量はダクトの長さや、曲りの数、屋外取付部材等の圧力損失を正確に計算し、適切な換気風量を求める必要があります。

ρV2

2ダクト抵抗ΔP(Pa)=λ×--×--Ld

Δ P(Pa)= 0.02 ×--×--

となります。 

ダクトの材質

アルミフレキシブルダクト

塩化ビニール管

亜鉛メッキ鋼管

λ

0.03~0.04

0.01~0.02

0.016~0.025

(2)「ダクトの摩擦抵抗線図」によって求める方法

■円形ダクトの摩擦損失計算図表(部分)

 <亜鉛メッキ鋼管、内面粗さε=0.18mm>

〈図表の見方〉(条件)●使用換気扇は天井埋込形換気扇   ●必要換気風量 : 300m3/h   ●ダクト直径 : φ15cm   ●ダクト長さ : 5m

①ダクト直径d(15cm)とダクト内を流れる風量Q(300m3/h)との交点  を求めます。② 点を垂直におろして、 点を求めます。③ 点の目盛(今の場合2.2Pa/m)を読みとり、ダクト長さ(5m)を乗じて算出し11Paとなります。

図12-3

風量Q(m3 /h)

風速ν(m/s)

300

0 2.2

d=15(cm)

摩擦損失率〔Pa/m〕

簡略法等圧法

必要換気風量計算

ダクト設計(ダクト径、ダクトの種類、配管経路、長さ、曲り)

「ダクトの摩擦抵抗線図」によって求める方法

「直管相等長」による簡略法

直管部の圧力損失を「摩擦抵抗線図」より求める

局部の圧力損失を「局部損失係数」より求める

ダクト系全体の圧力損失を求める

部材の直管相等長表を用いてダクト系全体の「直管相等長」を求める

得られた圧力損失に10~20%の余裕を加味し、必要静圧とする

「静圧-風量特性曲線」より特性を満たす機種を選択する

「静圧-風量特性曲線」に「損失抵抗曲線」を記入し交点を求める

図12-1 図12-2

Qd2

43600π

摩擦損失率 [Pa/m]亜鉛メッキ鋼管ダクトの摩擦抵抗線図

BA

A

B

B

d=500cm

400

350

300

250

200180160140

120

100 90 80

70

60

50cm

45 40

35

30

20 18 16

14

12

10 9 8

7

直径

V =50.0m

/s

40.0

30.0

20.0

15.0 風速=10.0m

/s9.08.07.06.05.04.03.0

2.01.81.61.41.21.0

d =5

6

25

0.04 0.1 0.2 0.4 1.0 2.0 6.0 10 20 40 60 80

0.04 0.1 0.2 0.4 1.0 2.0 6.0 10 20 40 60 801000000 800000 600000 400000

200000

100000 80000 60000 40000

20000

10000 8000 6000 4000

2000

1000 800 600

400

200

100 80 60

40

20

10

風量Q[m3 /h]

アエン

0.90.80.70.60.5 3

4

2

54.5

2.53.5

6

ρV2

2 Ld

A

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