Gairon_Togo_2011_2 2011/10/12 1 消費者余剰と生産者余剰 2011年10月12日 東郷 賢 1 前回の復習 2 前回は、需要曲線と供給曲線の話と、その応用として豊 作貧乏、税金の負担の話をしました。 今回はその復習を少しして、「余剰(surplus)」の話をした いと思います。
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消費者余剰と生産者余剰 2011年10月12日
東郷 賢
1
前回の復習
2
前回は、需要曲線と供給曲線の話と、その応用として豊作貧乏、税金の負担の話をしました。
今回はその復習を少しして、「余剰(surplus)」の話をしたいと思います。
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2
Q:どちらの需要が価格に対して弾力的か?
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\100
\200
300 1100
D
\100
\200
300 900
D
(a) (b)
Q:どちらの供給が価格に対して弾力的か?
4
S
\100
\200
300 500
S
\100
\200
300 900
(a) (b)
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Q:Dは需要量、Sは供給量、pは価格を表しているとき、以下の問いに答えなさい。
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(1) 均衡価格、需要量・供給量を求めよ。
(2) この財に消費税が10だけ課されたら、均衡価格、需要量・供給量はいくらになるか?
(3) 消費税の負担は生産者と消費者にどのように転嫁されるか?
𝐷 = 100 − 𝑝 𝑆 = 3𝑝
伊藤(2009)、p.37
1.経済全体の需要曲線
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経済全体の需要曲線は、個々人の需要曲線を足し合わせたものと考えることができる。
伊藤(2009)、p.54
図2-7 需要曲線の分解
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2.消費者余剰
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一週間ベースで見たビールの需要量。
一週間に一本のビールを飲む喜びは2,000円に匹敵する。
つまり、一本目には2,000円まで出しても良いと思っている。
もし、市場でビール一本300円であれば、払っても良いと考えていたのは5,500円、実際に支払ったのは1,500円となり、4,000円の消費者余剰(consumer’s surplus)を得る。
図2-8 需要と効用
伊藤(2009)、p.55
3.社会全体の供給曲線
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需要曲線と同じように、個々の企業の供給曲線を足しあげたものが、社会全体の供給曲線となる。
限界費用とは、追加的に1単位生産するときのコスト。
企業の限界費用は生産量に従って、増加すると考えられる。
各企業の限界費用曲線が供給曲線となる。
図3-5 個別の供給と市場の供給
伊藤(2009)、p.82
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4.生産者余剰
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市場で𝑝1の価格がついたとき、A者は𝑋𝐴だけ生産します。
このとき、𝑍𝐴で示された部分はA社の収入から費用を引いた部分であり、これが企業の利潤となる。
これを生産者余剰(producer’s surplus)と呼ぶ。
図3-5 個別の供給と市場の供給
伊藤(2009)、p.82
5.総余剰
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消費者余剰(B)と生産者余剰(A)の部分
を足しあげたものが、総余剰となる。
図3-6 需要と供給の均衡
伊藤(2009)、p.82
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6.市場メカニズムに任せるとなぜ良いか?
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市場メカニズムに任せたとき(a)と、政府が価格を150円に決めたとき(b)と、どちらが総余剰が多いか?
S
\100
300 900
D
S
D
\150
600
(a) (b)
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<テキスト>
伊藤元重(2009)、『入門 経済学 第3版』、日本評論社。