臨床研究を実施される方へ ~やることリスト~ 介入研究 または 追跡調査を伴う観察研究 滋賀医科大学臨床研究開発センター Ver.1.0
臨床研究を実施される方へ~やることリスト~
介入研究または
追跡調査を伴う観察研究
滋賀医科大学臨床研究開発センターVer.1.0
「やることリスト」の使い方
• 詳細は資料参照してください各項目の意味、内容、具体的な方法論など、詳細やわからない言葉については添付の資料、その他倫理審査室や臨床研究開発センターのHP、資料・情報をご確認ください。【添付資料】・臨床研究を実施される方へ(基本事項について)
• 取捨選択してください。ここに書いてある項目すべてを実施する必要はありません。研究内容に応じて取捨選択してください。
• このリストがすべてではありません逆に、ここに書いていないからやらなくてよいと言うことではありません。
• 計画書等のひな形・申請書倫理審査室HPで確認してください。
• ロードマップを作りましょうこのリストを最後まで見通した後、本研究のロードマップを作ってみてください。リスク管理も考えてください。
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0.研究実施に必要なもの
研究計画書同意説明文書・同意書症例報告書
実施手順書(マニュアル、SOP)症例登録票、調査票、質問紙など検査機器、検査資材など解析計画書、モニタリング計画書、監
査計画書
人、組織資金ロードマップ【添付の例参照】
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必須文書
研究実施に必要な資材・文書
研究環境
1.研究計画
□漠然としたクリニカルクエスチョンからリサーチクエスチョンを構築。
□あらすじを考える
1)今、何が問題なのか(背景)
2)それはなぜなのか(何がわかっていて、何がわかっていないのか)(背景)
3)そこで、今回何をどうする(目的・方法)
4)それをすることで、どんなよいことがあるのか(目的・意義)
このあらすじに肉付けして、研究計画書の背景に記載。
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1-1. なぜ研究計画書が必要なのか
研究計画書がないと
• いつ誰が何をするのかわからない。抜けが生じる。
• 研究に関わる人それぞれが勝手なことをしてしまう。
• 何をしたのか、あとから証明できない。
• 倫理委員会の審査を受けられない。
よい計画書とは誰がやっても、同じ対応ができる誰がやっても研究を再現できる
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2.研究計画段階
研究デザインの検討 対象集団の検討 介入方法、観察項目、観察スケジュールの検討 データの収集方法
□症例報告書作成 □EDC □エクセルに直接入力 統計解析方法の検討(主要評価項目・副次的評価項目)
→解析計画書作成に着手
割り付け方法の検討 研究対象者の目標症例数の見積もり 研究期間の検討 対象者登録、インフォームドコンセント、研究実施、
有害事象発生時の対応など手順の確認 個人情報保護(匿名化の方法) 問題症例の定義とその取り扱いの規程
研究資金 研究組織、人の配置 必要物品 補償保険 契約 臨床試験登録の要否 ロードマップ作成
・研究計画書の作成・説明文書・同意書の作成・その他必要書類の作成*倫理審査室HP参照【ひな形】
http://www.shiga-med.ac.jp/hqrec/1.%20apply.html
研究計画書・説明文書・症例報告書・データベースの
整合性確認
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研究内容の検討
「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
↓必要な対応を別途確認
研究環境の検討
3.倫理委員会申請
• 教育・研修の受講(Ct-Potalで確認)
• 申請書の入力□CT-Portlへ入力
• 審査対象となる資料□研究計画書
□滋賀医大別紙(他機関を主管とする多施設共同研究用)
□説明文書・同意書□利益相反自己申告書□症例報告書□補償に関する資料□代理審査依頼書□代表施設の審査結果通知書(写し)□企業や共同研究機関との契約書(案)
□モニタリング計画書(および監査計画書)□試験薬・医療機器の添付文書□手順書、マニュアルなど
□倫理審査室HPで必要書類・手続きを確認http://www.shiga-med.ac.jp/hqrec/1.%20apply.html
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実施すること
準備する資料
4.研究実施準備~倫理委員会承認後~
*必要に応じて取捨選択してください。
説明文書・同意書の印刷
症例報告書の印刷 or EDC完成
研究対象者の症例ファイルを作成(症例管理のため)
データベースのセットアップ、データマネジメントプラン作成
検査キットなどの準備(検査部・検査会社等との相談)名前シール、匿名化番号シール、採血スピッツなど
電子カルテに「検査オーダーセット」を作成
研究対象者の来院スケジュール管理のツール作成(症例管理のため)
割り付け作業の準備
スクリーニング名簿・匿名化する場合の対応表
倫理委員会承認の計画書・説明文書の版管理~これが承認された計画書・説明文書だとわかるように~
研究組織で計画書・手順書等共有
補償保険の契約
共同研究契約の締結
研究資金の確認
研究組織・医局会等での研究実施の説明
外来、病棟スタッフへの説明
臨床試験データベースへの登録8
資料・資材の準備
実施すること
5.研究実施中①診察
研究対象者のスクリーニング、
リクルート、同意説明、同意取得
同意書の保管
研究対象者のスケジュール管理
投薬量、検査項目、観察項目の欠測がないか確認*検査オーダーは検査セットを利用すると便利
データ収集
有害事象情報の収集→
研究対象者の同意撤回、脱落、不来院について記録
カルテに記録を残す
カルテに記録を残す
計画書は外来診察室に置いておく。些細なこともカルテに記録を残す。
計画書:研究スケジュール確認
計画書:観察項目確認
計画書:有害事象への対応確認
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インフォームドコンセント
計画書に沿ったデータ収集
情報収集
5.研究実施中①診察・付記
カルテに記録すべき事項
有害事象が生じた場合
□事象名
□発現日
□転帰(転帰確認日)
(回復・軽快・未回復・後遺症・死亡・不明)
□予測可能性
(計画書に書いてあるか否かが判断基準。添付文書も可)
□研究実施との因果関係
(あり・おそらくあり・おそらくなし・関係なし)
□研究対象薬・医療機器の措置
(中止・変更せず・減量・増量など)
プロトコールでデータを求められる観察項目は
必ず記載
同意撤回・脱落等
その日付と理由がわかればその理由10
5.研究実施中②書類作成・記録
症例報告書へのデータ転記
研究計画からの逸脱→記録を残す
モニタリング(モニタリング担当者)「滋賀医科大学における臨床研究のモニタリングに関する標準業務手順書」参照(センターHP)
変更申請:計画の変更や人事異動、研究期間の延
長など→倫理委員会に申請・承認→研究計画書や説明文書の版管理は確実に!
重篤な有害事象*診療上のインシデントレポートに当たる場合は病院の手順に従う。*副作用報告制度の対象となる場合は規制当局への報告も必要。
安全性情報
指針からの逸脱→逸脱報告書
年次報告書11
学長(倫理委員会)に報告必要な事項
実施すること
倫理委員会に申請必要な事項
5.研究実施中③研究進捗の管理
症例登録状況の管理研究期間と目標症例数の達成見込みを常に意識して→達成困難なら研究期間の延長、適格基準の再検討、共同研究機関を追加など対策を相談→変更申請
症例報告書(データ)の収集状況
の管理
疑義のあるデータの確認・問い合
わせ→修正履歴を残す
研究資金の管理
物品の管理・発注
共同研究機関との情報共有(ニュースレター、研究会など)
臨床試験登録の内容更新12
データマネジメント
実施すること
6.観察(追跡)期間終了後
症例報告書(データ)がそろっているか
確認→未回収データの回収
登録症例の確認登録数、割付数、脱落数、逸脱数、完遂数をフローチャートに
データクリーニング
症例固定→データ固定
症例検討会(問題症例の取扱規程がここで必要)
関連データの追加、計算処理、キーオー
プンなど
処理前と処理後のデータを保管
固定報告書(データマネージャー→研究
責任者)
監査を行う場合は監査(監査担当者)
記録を残す
記録を残す
記録を残す
その過程を記録に残す
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※この順番で実施
7.解析
解析を始める前に、解析計画書を確定する
解析計画書に基づき解析(解析担当者)
解析報告書(解析担当者)
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8.研究の終了研究結果の公表
研究組織で、著者、公表方法の検討
論文作成CONSORTのコンテンツを参考に作成(観察研究はSTROBE)
知的財産権対応
臨床試験登録への結果登録
研究機関の長(倫理委員会)へ終了報告・結果報告
研究対象者へ結果報告
記録・文書の保管データ、研究資料、研究関連文書の保管は公表後10年間→保管場所の確保
残余検体の保管計画書の記載に基づき、保管または破棄 15
論文作成
実施すること
保管
当学のサポート機能
• 研究相談臨床研究開発センター
担当:坪井・川島Mail address:[email protected]内線:3619 PHS:8080(坪井)又は7898(川島)
• 臨床研究サポート研究グループ情報共有システム(電子カルテ)・実施計画書等閲覧文書登録機能・当該臨床研究参加被験者状況共有機能・掲示板機能・重篤な有害事象抽出機能(死亡・入院の時アラート配信)・モニタリグ対応(共通テンプレート機能)
• 安全性データ用医薬用語集(MedDRA)(センターHP )
• ヒト・ゲノム研究匿名化支援システムヒト・ゲノム研究の個人情報保護の手順、管理システムを提供
• 業務手順書ひな形
• 文書管理システム:Credits
• 研究者支援システム:APS-Cloud 16
サポートに関するお問い合わせ
臨床研究開発センター(内線3619)
提供可能資料・資材
臨床研究開発センター
有料の支援例
• 研究計画書立案(統計解析等を含む)
同意説明文書作成
• 症例報告書見本作成、EDC構築、
登録、割付[研究支援クラウドシステム]
• 各種手順書の作成
• スタディーマネージメント
(研究スケジュール管理、リスク管
理、体制等コーディネーション)
• 各種手続き支援(倫理委員会、先進医療、再生医療関連等)
• 研究出口/薬事戦略支援
• 臨床研究コーディネーター業務
• モニタリング業務
• データマネージメント業務 17
研究実施関連支援
業務支援