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小学校外国語活動の円滑な実施に向けて小学校外国語活動の円滑な実施に向けて~小・中学校の英語教育の接続を視野に入れて~~小・中学校の英語教育の接続を視野に入れて~
◆本パンフレットの概要 東京都教育委員会では小学校外国語活動の実施状況を把握するために、平成24年7月に都内全公立小学校を対象に「小学校外国語活動に関する調査」を実施しました。その結果から、教員の英語力や評価の実際、教材の準備などについて課題とする小学校が多いことが分かりました。 そこで、学級担任を主たる指導者とした外国語活動の授業が、円滑に実施されることを目的として、授業をする際の基本的な留意点や教材等の情報をまとめた本パンフレットを作成しました。 また、本パンフレットには、各項目に「小中接続(連携)の視点」を掲載しています。各中学校においても、小学校外国語活動についての理解を深め、中学校での英語の授業に生かすことで、小・中学校における英語教育の円滑な接続が行われるよう御活用ください。
◆小学校外国語活動に関する調査の結果から●主に行っている活動の内容(複数回答)
英語を使ったゲーム 98.3%簡単な対話 97.2%歌やチャンツ 94.0%英語の発音の練習 71.3%発表活動 44.6%異文化に触れる活動 36.6%文字の指導 32.0%
●主に使用している学習教材の内容(複数回答)
Hi, friends! 88.1%文部科学省作成のデジタル教材 36.1%英語ノート 26.2%市販の教材 26.1%教育委員会作成の冊子形式教材 18.8%学校作成の冊子形式教材 15.3%教育委員会作成のデジタル教材 3.7%
●外国語活動の実施における課題(複数回答)
教員の英語力 56.7%評価の実際(評価場面、通知表への記入など) 55.3%教材の準備 40.2%評価計画の作成 37.5%ALTの活用 35.1%教材の開発 33.3%中学校との連携 30.8%
「英語を使ったゲーム」、「簡単な対話」、「歌やチャンツ」は、ほとんどの小学校で主に行われていることが分かりました。一方で、「発表活動」や「異文化に触れる活動」は少ないことが分かりました。
2・3ページ「外国語活動の活動内容」へ ○ 一単元における活動の構成 ○ 一単位時間の授業における活動の留意事項 ○ 単元における活動の設定例
「Hi, friends!」、「英語ノート」、教育委員会や学校で作成した冊子形式教材が多く使われており、デジタル教材を使用している小学校は半数以下であることが分かりました。
4・5ページ「外国語活動の教材」へ ○ Hi, friends! の活用 ○ 教材作成・管理の工夫 ○ 英語教育ポータルサイトの紹介
外国語活動の実施における課題として「教員の英語力」が最も多く、「評価の実際」、「教材の準備」、「評価計画の作成」と続いていることから、教員個人の英語力と外国語活動の評価について課題とする小学校が多くあることが分かりました。
6・7ページ「外国語活動の評価」へ ○ 外国語活動における評価の観点及びその趣旨 ○ 単元の具体的な評価規準の設定例 ○ 指導要録への記入例 など
平成25年3月東京都教育委員会
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1 一単元における活動の構成
Ⅰ 外国語活動の活動内容
児童が積極的に外国語を使ってコミュニケーションを図る活動に取り組むためには、設定された語彙や表現を使って、自分の思いや考えを表現したい、友達の思いや考えを聞いてみたいと思うように、語彙や表現に出会うことが大切です。そして、それらを何度も聞いたり話したりしているうちに自然と慣れ親しむようになることが大切です。 また、児童が自信をもって活動に取り組めるよう、まず、全体やグループで表現等の練習をし、児童がある程度慣れてから、個人での練習や発表を行うようにします。 この活動の流れを図示すると 左下 のようになります。また、 右下の図 は、Hi, friends! における四つの活動の構成です。
2 一単位時間の授業における活動の留意事項⑴ 本時の目標を意識する
単元の目標を踏まえ、児童の実態や教材の特色等に合わせて本時の目標を設定します。児童に身に付けさせたい力を明確にすることで、一単位時間の中にどのような活動をどのように配置すればよいかが確定します。
⑵ 場面を設定する単元で設定されている語彙や表現に初めて出会う活動では、それらに自然に出会うような場面を設
定します。設定する場面は、児童の遊びや生活から選択することも大切です。
⑶ 聞く・話す必然性があるかを吟味する単元に設定された表現を機械的に繰り返し聞いたり言ったりすることだけでは、体験的なコミュニケー
ションとは言えません。例えば、「注文をする」という表現を扱うときに、レストランの場面を設定し、メニューを用意したり、料理の絵(写真)をプリントしたカードのやり取りをさせたりするなど、外国語を使って聞いたり話したりする必然性が外国語活動の活動には必要です。
単元の活動の流れ
語彙や表現との出会い・自分の思いや考えを伝えたい。
・相手の思いや考えを聞きたい。
語彙や表現への慣れ親しみ・語彙や表現を繰り返し話したり聞いたりして、自信をもつ。
慣れ親しんだ語彙や表現を使ったコミュニケーション活動
Activity
Hi, friends! の活動の構成
Let’�s Listen
Let’�s Play
Let’�s Sing / Chant
・設定された語彙や表現を繰り
返し聞き、外国語に慣れ親しむ。
・日本(語)と外国(語)の共通点
や相違点から、様々な見方や
考え方があることや、言葉の
面白さや豊かさに気付く。
・設定された語彙や表現を繰り返し聞いたり、言ったりして外国語に慣れ親しむ。
・日本(語)と外国(語)の共通点や相違点から、様々な見方や考え方があることや、言葉の面白さや豊かさに気付く。
・友達と慣れ親しんだ語彙や表現を使って、コミュニケーションを図る。
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3 単元における活動の設定例(Hi, friends! 1 Lesson 9 を基に作成)
単元の目標・欲しいものについて丁寧に積極的に尋ねたり答えたりしようとする。・欲しいものについての丁寧な表現の仕方に慣れ親しむ。・世界の料理に興味をもち、欲しいものを尋ねたり言ったりする際、丁寧な表現があることに気付く。
目標と主な活動時
<参考> 文部科学省から平成22年8月に配布された「小学校版 新学習指導要領に対応した外国語活動及び外国語科の授業実践事例映像資料」及び平成24年10月に配布された「小学校版 新学習指導要領に対応した外国語活動及び外国語科の授業実践事例映像資料2」には、授業での具体的な活動事例が掲載されています。
単元計画
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2
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丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりする表現を知る。【L 1】「さくらとたくのフルーツパフェはどれか、考えよう」*「ビンゴゲーム」:果物でビンゴゲームをする。【P】「友達とフルーツパフェを作ろう」【L 2】「誰が何を注文したのか、考えよう」
丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりする表現に慣れ親しむ。【L 2】「誰が何を注文したのか、考えよう」【C】“What would you like?”*「ビンゴゲーム」:食べ物でビンゴゲームをする。*「仲間さがしゲーム」:食べ物の絵カードの中から各自5枚を選び、教 室内を自由に動きながら、友達とカードのやり取りをする。
世界には様々な料理があることを知り、丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり言ったりする表現に慣れ親しむ。【C】“What would you like?”【A 1】「ランチメニューを作ろう」【A 2】「どこの国の給食か、□に番号を書こう」
相手意識をもって、丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり答えたりしようとする。【C】“What would you like?”【A 2】「オリジナルの給食を作り合おう」*「スペシャルランチを作ろう」:店員と客に分かれ、やり取りをしてラン チを作る。
【L】Let’�s Listen【P】Let’�s Play 【C】Let’�s Chant【A】Activity* “Hi, friends!”の紙面を使わずに行う活動
小中接続の視点!
料理の絵カードを渡す側ともらう側に分かれ、気持ちよく渡したりもらったりできるよう、相手のことを考えて欲しいものを尋ねたり答えたりする。
音声教材の聞き取りやチャンツなどを繰り返し行う。丁寧な言い方で欲しいものを尋ねたり答えたりする表現を言ったり聞いたりすることで、それらの表現に慣れ親しむ。
ペア活動やグループ活動などの相手がいる活動では、どのようにすれば相手に自分の考えや思いを伝えられるかを互いに考えさせ、「相手意識」をもった活動をすることが大切です。
フルーツパフェ作りをしている音声を聞き、外来語とそのもととなる英語との違いに気付く。
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1 Hi,friends!の活用
Ⅱ 外国語活動の教材
文部科学省作成の Hi, friends! 及びデジタル教材を活用する際には、それぞれの教材の特徴を理解して活用することが大切です。
<Hi, friends! の紙面の特徴>○ 児童や指導者が外国語活動のイメージをもちやすいように、授業の場面を合計で5場面掲載しています。
(右図参照:Hi, friends!1 Lesson 5)
○ 児童がインタビューした内容や音声教材から聞き取ったことを紙面に書き込むことができるようになっており、児童一人ひとりが、「自分」のHi, friends! を作ることができます。
○ 音声中心の外国語活動では文字を読んだり書いたりすることはほとんどないため、絵を見て歌やチャンツを口ずさめるようになっています。
<デジタル教材の特徴>
<参考>えいごネットhttp://www.eigo-net.jp
平成24年7月から、文部科学省の協力の下、英語教員等に対する情報提供を目的として一般財団法人英語教育協議会(ELEC)により運営が開始された英語教育ポータルサイトです。
<主なコンテンツ> ○ 教材・素材を探す → 「外国語活動の教材」、「映像教材」、「聞く活動の教材」などが、小学校・中学校・高等学校 の校種別に分類されて紹介されています。 ○ 事例・指導案を探す → Hi, friends!を活用した事例や、学校独自の事例・指導案が紹介されています。
上記の他にも「教育のいまを知る」では、教科調査官や専門家へのインタビュー、また、いくつかの県や市の教育委員会における英語教育に関する取組などが紹介されています。
<動画> 世界の様々な国の子供たちの様子、学校生活の様子、世界の様々な地域の生活の様子を収録しています。
<スキット実写版> 同年代の子供たちがスキットを演じている動画を収録しています。スキットを聞いたり、映像に合わせてパート練習やペア練習をしたりすることができます。
<ネイティブ・スピーカーの口元の拡大映像> ネイティブス・ピーカーが来校できない場合などに活用できます。
<歌・チャンツ> それぞれの歌とチャンツの速度について、「ふつう」「ゆっくり」の二段階を設定しています。また、カラオケバージョンも収録しています。
<ワークシート、絵カード> 絵カード(600枚)は、文字入り、文字なし、白抜きなど様々な様式が設定されています。
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2 教材作成・管理の工夫
<デジタル機材を使った教材の作成(例)>○ 映像教材 → 他の学年・学級の担任や専科教員に、「好きなもの」、「行きたい国」、
「できることの紹介」など、単元に合った内容についてインタビューをし、その映像を使って聞く活動やクイズなどの活動を行います。
○ プレゼンテーションソフトを使用した教材 → 児童が外国語活動で作成した作品を画像として取り込み、プレゼン
テーションソフトを使って提示することで、紹介やクイズなどの活動を行います。
小中接続の視点!
<中学校の英語科の授業の教材を外国語活動で活用する>○ 中学生の「自己紹介」や「将来の夢」についてのスピーチをビデオに撮り、「好きなものを伝える」、「夢について話す」などの授業の中で児童に見せることにより、英語の表現に慣れさせるとともに、中学校での英語の授業への関心を高めさせることができます。
○ 「道案内」や「レストランでの注文」など、中学校の授業で使うワークシートを活用することにより、様々な表現にふれたり、外国語活動で学んだことが中学校の授業につながっていることを実感させることができます。
<外国語活動の教材を中学校の英語の授業で活用する>○ 外国語活動で使った絵カードなどの教材を中学校で活用したり、外国語活動で使った単語や表現を中学校の英語の授業で使ったり、例文として示したりすることで、単語や表現の定着を図ることができます。
○ 外国語活動で児童が作成した作品(「オリジナルTシャツ」や「夢の時間割」など)を中学校に引き継ぎ、英語の授業で、第1学年では「Whose T-shirt is this?」「It’s ○○’s T-shirt.」、第3学年では「This is the T-shirt which ○○ made.」など、クイズなどの活動や文法事項を指導する際に活用します。
<教材の作成・整理> 提示用のピクチャーカードやフラッシュカード、児童がゲームで使用する教材などは、単元ごとや活動内容ごとなどで分類し、まとめて保管しておくと、学年を越えて共有できます。 また、新たに作成した教材を追加していくことで、授業のバリエーションを増やすことができます。
カードなどの教材はラミネート加工をすると、繰り返し利用することができます。
ワークシートやデジタル教材などのデータも、単元や活動内容ごとにフォルダを作り、整理しておくことで、教材を共有することができます。
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1 外国語活動における評価の基本的な考え方
Ⅲ 外国語活動の評価
⑴ 外国語活動の評価は、学習指導要領の目標の三つの柱に基づいて行います。 ○ 外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深める。 ○ 外国語を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る。 ○ 外国語を通じて、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませる。 ⑵ 外国語活動では数値による評価は行いません。
2 外国語活動における評価の観点とその趣旨
3 評価の進め方
小中接続の視点! 評価の観点「外国語への慣れ親しみ」は、中学校外国語科における評価の観点「外国語表現の能力」、「外国語理解の能力」につながります。 しかし、外国語活動においては、体験的に「聞くこと」、「話すこと」を通して、音声や表現に慣れ親しむことが求められています。 そのため、多くの表現を覚えたり、細かい文の構造などに関する抽象的な概念について理解させたりすることを目標とはしていません。
コミュニケーションに関心をもち、積極的にコミュニケーションを図ろうとする。
活動で用いている外国語を聞いたり話したりしながら、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しんでいる。
外国語を用いた体験的なコミュニケーション活動を通して、言葉の面白さや豊かさ、多様なものの見方や考え方があることなどに気付いている。
コミュニケーションへの関心・意欲・態度 外国語への慣れ親しみ 言語や文化に関する気付き観
点
趣 旨
学習指導要領「外国語活動」 外国語活動の目標・内容
児童の実態
各学校の教育目標評価の観点及びその趣旨の明確化
育てたい児童像の明確化
単元の目標、単元の観点別評価規準の設定
指導と評価の計画
指導計画の作成・児童の活動・教材、教具・指導体制
評価計画の作成・評価の観点・具体的な評価規準・評価方法
次のページにそれぞれの具体例を示します。
一つ一つの単元で身に付けさせたい力の積み重ねが、年間で身に付けさせたい力となります。 このことを踏まえ、各単元が年間指導計画のどこに位置付くのかを常に意識して、単元の目標及び観点別評価規準を設定します。
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4 単元の具体的な評価規準の設定例(Hi, friends! 1 Lesson 5 を基に作成)
5 指導要録への記入例
単元の評価規準 ・好きなものについて、積極的に尋ねたり答えたりしている。 ・色や形を聞いたり、言ったりしている。 ・好きなものは何かを尋ねたり答えたりしている。 ・日本語と英語の音の違いに気付いている。
単元によっては、第1時において、目標に向けての指導は行うが、評価の結果を記録しないことも考えられます。
目標と主な活動【L】Let’�s Listen 【C】Let’�s Chant 【P】Let’�s Play 【A】Activity時 評 価
コ 慣 気 評価規準<方法>
日本語と英語の音の違いに気付き、色や形の言い方を知る。【L 1】音声教材を聞いて、どのTシャツか考える。【L 2】音声教材を聞いて、誰がどのTシャツが好きかを考える。○「ポインティングゲーム①②」【C】“What color do you like?”
色や形の言い方に慣れ親しみ、好きなものは何かを尋ねる表現を知る。○「ポインティングゲーム③④」○「ミッシングゲーム」【C】“What color do you like?”○「ラッキーカードゲーム」
色や形の言い方や、好きなものは何かを尋ねる表現に慣れ親しむ。【C】“What color do you like?”【L 3】「さくらとたくのTシャツは何番か、考えよう。」
【P】「友達にTシャツを作ろう」○「カテゴリー分け」
好きなものについて、積極的に尋ねたり答えたりしようとする。【C】“What color do you like?”○「ラッキーカードゲーム」【A】「友達に何が好きか、インタビューしよう。」 ○
○
○
○
○
○
・日本語と英語の音の違いに気付いている。<行動観察・ 振り返りカード分析 >
・色や形を聞いたり、言ったりしている。<行動観察・振り返りカード点検>・色や形を聞いたり、言ったりしている。<行動観察・ 振り返りカード点検 >
・色や形を聞いている。<行動観察・振り返りカード点検>・好きなものは何かを尋ねたり答えたりしている。<行動観察・振り返りカード点検>
・進んで好きなものを尋ねたり、答えたりしている。<行動観察・振り返りカード点検>
振り返りカードに児童が記入した内容を分析することで、「気付き」の評価を行います。
振り返りカードへの記入を基に、「慣れ親しみ」の評価を行います。
単元の活動は、初めに「言語や文化への気付き」、「外国語への慣れ親しみ」のための活動を行い、児童が表現に十分に慣れ、自信をもって活動できるようになったところで「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」の活動を行います。評価はこの流れに合わせて行います。
「関心・意欲・態度」については、授業中の児童の行動観察によって評価することを原則とし、振り返りカードに記載された児童の自己評価の内容を次時の指導に生かします。
外国語活動の記録については、評価の観点に照らして、児童の学習状況に顕著な事項について、その特徴を記入する等、児童にどのような力が身に付いたかを文章で記入します。
英語の挨拶や授業中に習った表現を使って積極的にALTや友達に話しかけていた。
英語の歌やチャンツのリズムが気に入り、一生懸命歌ったり、楽しそうにチャンツをしたりしていた。
外国の文化に興味をもち、ALTに対して出身国の衣装や食べ物などについて質問をしていた。
英語を使ったゲームや活動の場面では、自分の思いや考えを相手に分かるように伝えようと工夫していた。
英語の発音に慣れようとALTの発音の仕方をまねして何度も繰り返し練習していた。
世界にはいろいろな文字があることを知り、身の回りにアルファベットやその他の文字がないか探していた。
外 国 語 活 動 の 記 録5 6
コミュニケーションへの関心・意欲・態度
外国語への慣れ親しみ
言語や文化に関する気付き
1
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4
学校で観点を追加する場合に使用します。その際、観点は小学校学習指導要領に示された外国語活動の目標に照らして妥当であるものを設定します。
学年観点
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観点
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「小学校外国語活動に関する調査(平成24年7月)」の結果から
Ⅳ 外国語活動に関する校内研修
調査の結果から、平成24年度における外国語活動の校内研修については、一度も実施していない小学校が 24.5%であること、年間に1~ 3 回の研修を実施している学校が71.2%であること、そして、年間に 4 回以上実施している小学校が 4.3%であることが分かりました。 第5学年及び第6学年の学級担任や外国語活動の担当となったときに、誰もが外国語活動の指導及び評価を適切に行うことができるよう、外国語活動についての校内研修は、担当学年の教員だけではなく全ての教員が参加して実施することが大切です。
7回以上1.5% 0回
24.5%
4~6回2.8%1~3回
71.2%
1 校内研修の実施回数(計画含む)
2 校内研修の内容(複数回答) 小中連携の視点!
小学校と中学校の教員が合同で研修を行うことにより、それぞれの指導や学習活動の実態が分かります。相互に授業を参観し、意見交換をすることで、英語の指導の流れについて共通理解することが大切です。0% 10% 20% 30% 40% 50%
中学校の英語科教員と連携した研修
評価(評価計画)に関する研修
研究授業
教材の開発に関する研修
指導計画に関する研修
教員同士の外国語活動の授業参観
ALTの活用に関する研修
教員の英語力向上に関する研修
教材の活用に関する研修
調査の結果から、外国語活動の校内研修の内容としては、「教材の活用に関する研修」が 42.0%で最も多く、「教員の英語力向上に関する研修」の 29.5%、「ALTの活用に関する研修」の 23.8%、「教員同士の外国語活動の授業参観」の19.2%と続いています。一方で、「中学校の英語科教員と連携した研修」については、6.7%の実施にとどまっていることが分かりました。 外国語活動の校内研修において、全ての教員の参加の下、継続的に研修を進めていく内容の例として、以下のものが考えられます。 ○ 教材の作成・改善・点検 ○ 年間指導計画の改善・指導案の作成 ○ 新しい教材の活用についての研修 ○ 評価についての研修
平成24年3月発行のリーフレット「小学校外国語活動の充実に向けて」では、外国語活動の評価についての校内研修例を紹介していますので、併せて御活用ください。
東京都教育委員会作成資料*詳しくは東京都教育委員会ホームページの「学び応援ページ」の中の「外国語活動」を御覧ください。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/gaikokugo.htm 東京都教職員研修センターで実施している研修など ○教科等・教育課題研修(専門性向上研修) ○授業研究ヘルプデスク(授業づくりのための相談対応・資料提供) *詳しくは東京都教職員研修センターホームページを御覧ください。 http://www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.jp/
参 考
6.7%
10.3%
11.3%
15.2%
29.5%
42.0%
19.2%
23.8%
17.6%
東京都教育委員会印刷物登録 平成24年度 第198号編集・発行 東京都教育庁指導部義務教育特別支援教育指導課
「小学校外国語活動の円滑な実施に向けて」