4 ⑴社会のきまりを守まもって⑵働はたらくことの大切さを知って⑶家か族ぞくみんなで協きょう力りょくし合って⑷協力し合って楽しい学校、学がっ級きゅうを⑸きょう土を愛あいする心をもって⑹伝でんとうと文ぶん化かを大切にみんなと関かかわって117 116
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Transcript
4⑴社会のきまりを守ま
も
って
⑵働は
たら
くことの大切さを知って
⑶家か
族ぞく
みんなで協き
ょう
力りょく
し合って
⑷協力し合って楽しい学校、学が
っ
級きゅう
を
⑸きょう土を愛あ
い
する心をもって
⑹伝で
ん
とうと文ぶ
ん
化か
を大切に
みんなと関か
か
わって
117 116
わたしたちの学校や家か
庭てい
、地いきには、いろいろな約束やきまりがあります。どうしてそのよ
うな約束やきまりはあるのでしょうか。
⑴社会のきまりを守ま
も
って
約やく
束そく
やきまりを大切にすること
�
約束やきまりはどうしてあるのでしょう。
�
みんなで気き
持も
ちよくくらすための約束やきまり
にはどのようなものがあると思いますか。
左の写し
ゃ
真しん
は、平へ
い
成せい
七（一九九五）年に六千人以い
上じょう
もの人がなくなるなど、大きなひ害が
い
をもたらした
﹁阪は
ん
神しん
淡あわ
路じ
大だい
震しん
災さい
﹂のときのひなん所じ
ょ
の様よ
う
子す
です。
ならんでいるのは、家がこわれたり、家か
族ぞく
がなくなったり、けがをしたりしている人がほとんどで
す。
このような苦く
る
しいときも、人々はきまりを作り、それを守って、助た
す
け合って生活できるようにした
のです。
平成二十三（二○一一）年の﹁東日本大震災﹂のときにも、苦しい中でも、順じ
ゅん
序じょ
を守ってならぶこ
とやルールを守ること、助け合うことなど、みんなのことを考えた行こ
う
動どう
が多く見られました。
また、各地から救き
ゅう
助じょ
の人やボランティアの人たちが集あ
つ
まり、ひ害にあった人たちを助け、勇ゆ
う
気き
付づ
け
ました。
119 118
社会のきまりを守って
気き
持も
ちよくすごすためのきまりやマナーを見み
付つ
けよう
見付けたこと
見付けたこと
見付けたこと
見付けたこと
見付けたこと
見付けたこと
�学校や地いきで、気持ちよく、楽しくすごすためのきまりやマナーには、
どのようなものがあるでしょうか。見付けてみましょう。
121 120
社会のきまりを守って
ぶらんこ復ふ
っ
活かつ
恵めぐみ
さんの学校では、ぶらんこでけがをする人が多く、先月から使し
用よう
禁きん
止し
になってしまいました。
ぶらんこ遊あ
そ
びが大だ
い
好す
きな恵さんは、遊べなくなってしまったので
とてもこまりました。
﹁校長先生、またぶらんこで遊びたいです。﹂
恵さんは、思い切って校長先生にお願ね
が
いしてみました。
校長先生はぶらんこの周ま
わ
りにさくを作
りましたが、まだ、心し
ん
配ぱい
です。
校長先生は、こう言いました。
﹁�
ぶらんこを復活させるには、けががな
いように使つ
か
うためのルールが必ひ
つ
要よう
です。
みんなもいっしょに考えてくれませんか。﹂
そこで、児じ
童どう
会の代だ
い
表ひょう
委い
員いん
にも、どうすれば、けがをしないで使
えるかを考えてもらうことにしました。
代表委員は、ぶらんこを復活させるために話し合
いました。
今では、みんなきまりを守ま
も
り、楽しく安あ
ん
全ぜん
にぶら
んこで遊んでいます。
「
待ま
っているときは、
さくの外にいよう
ね。」
「
こみ合う休み時間は、
低てい
学がく
年ねん
の人が先に使
えるようにしよう
よ。」
「
ぶらんこをしている
人がおりてから、次つ
ぎ
の人がさくの中に入
るようにしよう。」
こんな場ば
面めん
で
こんなきまりを
こんな場面で
こんなきまりを
�
学校や学が
っ
級きゅう
で、みんなが楽しく安全に
生活するためには、どのようなきまり
が必要でしょうか。
123 122
社会のきまりを守って
今き
ょ
う日は、お母か
あ
さんといっしょに、おばさんの家に出かけ
る日です。ところが、朝から雨がふっています。よし子さ
んは、少しつまらなくなりました。家を出るときには、雨
はいっそう強くなり、おまけに風もふいてきました。おみ
やげが入っている紙ぶくろにも、大つぶの雨がどんどんふ
りかかります。
バスの停留所では、バスを待ま
つ人たちが、たばこ屋や
さん
ののき下で雨あ
ま
宿やど
りをしています。のき下に入っても、雨は
よし子さんの長ぐつや紙ぶくろにふきつけます。雨宿りを
している人たちは、バスが来る方を時々見ています。
遠くの方に、小さくバスが見えました。
よし子さんは、雨の中へタッタッとかけ出すと、停留所
で一番先頭にならびました。バスが来たことを知った人た
ちは、ぞろぞろと停留所に向む
かって歩き始は
じ
めました。
その時です。
後ろの方で、お母さんの声が聞こえ
たような気がしました。よその人の声
も聞こえたように思いました。どしゃ
ぶりの雨なので、よし子さんは別べ
つ
に気
にもしませんでした。
バスが止まりました。
よし子さんがかさをすぼめようとし
た時、かたが強い力で後ろの方にぐい
と引かれました。かたをしっかりつか
んだ、ものすごく強い力でした。びっ
くりしてふり返か
え
ると、お母さんの手で
した。よし子さんは、はっとしました。
それでもお母さんは何も言わないで、
よし子さんをお母さんがならんでいた
雨のバス停て
い
留りゅう
所じ
ょ
で
125 124
社会のきまりを守って
所ところ
まで連つ
れていきました。いつものお母か
あ
さんの
顔とちがって、とてもこわい顔でした。
バスに乗の
る人たちの列れ
つ
が、動う
ご
き始は
じ
めました。
よし子さんは首を横よ
こ
に出して、ならんでいる人
の数を数えました。よし子さんは、前から六番
目でした。一ひ
と
り人一人がかさをすぼめてバスに乗
るので、いつもとちがって時間がかかります。
（�
前の人たちは、どうして早く乗ってくれない
のだろう……。）
よし子さんは、こんなことを考えながら、少
しじりじりした気き
持も
ちで前へ進す
す
みました。
バスに乗りました。でも、もう席せ
き
は空いてい
ませんでした。
（ほら、ごらんなさい。）
と言うつもりで、よし子さんは横に立っている
お母さんの顔を見上げました。そんなよし子さ
んに知らぬふりをして、お母さんはだまったまま、まど
の外をじっと見つめています。
いつもなら、やさしく話しかけてくれるお母さんです。
でも、今き
ょ
う日のお母さんは、いつもとは全ぜ
ん
然ぜん
ちがうのです。
そんなお母さんの横顔を見ていたよし子さんは、自分
がしたことを考え始めました。バスのまどには、大つぶ
の雨がしきりにふきつけていました。
127 126
社会のきまりを守って
みんなが集あ
つ
まってくらす上で、一ひ
と
り人一人が守らなくては
ならないきまりがあります。
どうしてきまりを守らなくてはならないのか、相あ
い
手て
の立
場に立って考えてみましょう。
一
人をきず付つ
けない。
一
人の物も
の
をぬすまない。
一
うそを言わない。
一
弱い者も
の
いじめをしない。
一
ひきょうなことをしない。
みんなが守らなくてはならないきまり
みんなが守ま
も
らなくてはならないきまりがある
他ほ
か
にもあるかな。
どのようなことがあるかを
考えてみましょう。
人をきず付けてはいけません。
人の物をとっては
いけません。
ごまかしたり、
うそをついたり
してはいけません。
ひきょうなことを
してはいけません。
弱い者いじめをしてはいけません。
129 128
いろいろな場ば
所しょ
でいろいろな仕し
事ごと
をしている人がいます。
人はなぜ働くのでしょうか。働くことの大切さについて考えてみましょう。
工場で働く人
消しょう
防ぼう
士し
⑵働は
たら
くことの大切さを知って
あなたがしたい仕事を書い
てみましょう。
4年 3年
人々や町の
安あん
全ぜん
を守ま
も
る仕事は、
せきにんもあるし、
やりがいも
あります。
日本の
「ものづくり」の
ぎじゅつは、
すぐれて
いますよ。
野や
菜さい
の味あ
じ
をよくするように
がんばりました。
ぜひ、食べてください。
みなさんのくらしが、
便べん
利り
になるように
工く
夫ふう
しています。
かん者じ
ゃ
さんが元気になると、
わたしたちも
元気をもらえます。
子どもたちの
日々の成せ
い
長ちょう
が、
わたしの喜よ
ろこ
びです。
かんごし
教きょう
師し
き業ぎょう
で働く人
農のう
家か
の人
働くことの大切さ
働くことの大切さについて考えてみましょう。
131 130
働くことの大切さを知って
していること
地いきでの仕事（ボランティア活か
つ
動どう
、リサイクル活動
など）
思っていること、がんばっていること
学校や学が
っ
級きゅう
でみんなのためにできること
家や地いきでみんなのためにできること
家や地いきでしている仕事を、どのようにやっていますか。
していること
家での仕事（せんたくものたたみ、食し
ょっ
器き
ならべ
など）
思っていること、がんばっていること
学校や学級でしている仕し
事ごと
を、どのよ
うにやっていますか。
〈していること〉
●
教室を、きれいにほうきではきます。
〈思っていること、がんばっていること〉
★
みんなが気き
持も
ちよくすごせるように、すみのご
みなどをていねいにはいています。
そうじ当番
〈していること〉
●
おかずをつぎ分けて給食のじゅんびをします。
〈思っていること、がんばっていること〉
★
おかずをこぼさないように気を付つ
けています。
早くじゅんびをすませて、みんなで楽しく給食
を食べたいと思っています。
給きゅう
食しょく
当番
していること
思っていること、がんばっていること
先生や友と
も
達だち
からの一言
家か
族ぞく
からの一言
学校や学級での仕事
仕事をしてよかったと思ったことを書いて
みましょう。
133 132
働くことの大切さを知って
人じん物ぶつのコラム
大正時代はほとんどの女
の人が着物を着ている時代
でした。わたしは、外国か
ら伝つ
た
わった洋服を見て、
「�
人々の体に合ったすてき
な洋服をつくって、着た
人が喜よ
ろこ
ぶ顔を見たい。」
という夢ゆ
め
をもちました。
そのころは、女の人が男
の人と同じように仕事を続つ
づ
けるのは大た
い
変へん
なことでした。
しかしそれでも、わたし
は当時めずらしかったミシンを買うことができまし
た。それで百ひ
ゃっ
貨か
店てん
の店て
ん
員いん
やかんごしの制せ
い
服ふく
などを考
え、洋服をつくって、少しずつですが仕事をふやし
ていきました。
わたしは、
電子機き
器き
の会
社をつくりま
した。そして、
人々の生活が
ゆたかで便べ
ん
利り
になるよう、
だれもやらな
いことにちょ
う戦せ
ん
して、今
までにない新
しい電機製品
を開発してき
ました。
わたしは、自分の仕事に生きがいを
感かん
じることは、幸こ
う
福ふく
なことだと思います。
天あま
野の
篤あつし
（一九五五〜）
心ぞう外げ
科か
医い
一年間に約やく
五〇〇件けん
も手しゅ
術じゅつ
をこなし、多
くの経けい
験けん
を生かしてむずかしい心ぞうの手
術も成せい
功こう
させてきた人です。
小こ
篠しの
綾あや
子こ
（一九一三〜二○○六）
ファッションデザイナー
多くの人が着き
物もの
を着てい
た大たい
正しょう
時じ
代だい
に、人々が活かつ
動どう
しやすいように洋よう
服ふく
づくり
の仕事にはげんだ人です。
井い
深ぶか
大まさる
（一九〇八〜一九九七）
技ぎ
術じゅつ
者しゃ
、実じつ
業ぎょう
家か
トランジスタラジオをは
じめ、生活をゆたかにする
新しい電でん
機き
製せい
品ひん
を開かい
発はつ
し、
日本けいざいの成せい
長ちょう
にこう
けんした人です。
心ぞうの手術は、医い
者しゃ
が途と
中ちゅう
で「もうできない」と
思ったとたんに、かん者じ
ゃ
の生せ
い
命めい
が失う
しな
われてしまいます。
このため手術の前には、何な
ん
度ど
も手術の様よ
う
子す
を思いうか
べて、細かく対た
い
応おう
のかくにんをします。こうすると、
手術中に何かあっても次つ
ぎ
の方ほ
う
法ほう
が思いうかぶので、落お
ち着つ
いて行こ
う
動どう
ができます。
ぎりぎりまで自分のできることに全ぜ
ん
力りょく
をつくすこと
が、かん者さんの命い
のち
を救す
く
うことにつながっています。
働はたら
くすがたが、かがやいている人たち
様さま
々ざま
な分野で活やくする人たちの仕し
事ごと
に対た
い
する思いから、働くことについて考えてみましょ
う。
135 134
働くことの大切さを知って
⑶家か
族ぞ
く
みんなで協き
ょう
力りょく
し合って
次つぎ
のようなとき、家族はどんなことを思ったのでしょうか。家族に聞いて書きましょう。
わたしが病び
ょう
気き
になったとき
わたしが小学校に入るとき
・楽しく学校に通ってね。
・友と
も
達だち
をたくさんつくってね。
わたしが生まれたとき
・生まれてきてくれてありがとう。
・元気に育そ
だ
ってね。
・早くよくなってね。
・夜もねむれないくらい心し
ん
配ぱい
したよ。
わたしをしかるとき
・
最さい
後ご
まであきらめずにがんばる人になっ
てほしい。
・やさしい人になってほしい。
わたしの成せ
い
長ちょう
を温あ
たた
かく見み
守まも
り続つ
づ
けてくれる人……家族
137 136
家族みんなで協力し合って
大切な家か
族ぞく
あなたも自分の家族のことをまとめてみましょう。
あなたにとって家族とは、どのような人たちですか。
あずささんは、次つ
ぎ
のようにまとめてみました。
139 138
家族みんなで協力し合って
元気がないとき、はげ
まして、おうえんしてく
れる。
おばあちゃん
こまっているときは、
いつもいっしょになやん
でくれる。
おじいちゃん
わたしたちのために仕事をがんばっている。
食しょく
事じ
の用よ
う
意い
やせんたくをしてくれる。しか
られることもあるけど、何でも話せる。
お母か
あさん
わたしたちのために仕し
事ごと
をがんばってく
れている。いろいろな遊あ
そ
びを教えてくれる。
お父さんが作ってくれる料り
ょう
理り
はおいしいよ。
お父と
うさん
勉べん
強きょう
や遊びを教えてくれる。けんかもす
るけど、いっしょに遊ぶととても楽しい。
お姉ね
えちゃん
あずさ
あなたが家族に伝つ
た
えたい気持ちを書いてみ
ましょう。
家族のために、がんばりたいことはどのよ
うなことですか。
家族がいっしょにいられること
いつも元気な弟がとつぜん高こ
う
熱ねつ
を出しました。何日も続つ
づ
いたある日、祖そ
父ふ
と祖そ
母ぼ
が学校にわたしをむかえにきました。わたしはとても不ふ
安あん
になりまし
た。祖母から、弟が入に
ゅう
院いん
したこと、わたしと父は祖父の家でくらすことを聞
きました。
母とは毎日少しだけ電話で話しました。さみしかったけれど、弟のために
わたしもがんばろうと思いました。
弟の退た
い
院いん
が決き
まって、父と二ふ
た
り人で病び
ょう
院いん
にむかえにいくとき、うれしくて、
早く会いたくて、むねがドキドキしました。
病びょう
室しつ
に着つ
くと、母が「よくがんばったね。ありがとう。」と、ギューッと
だっこしてくれました。心の中がやさしい気き
持も
ちでいっぱいになりました。
弟とけんかして、母におこられることもあるけれど、家族が元気で、いっ
しょにいられるということはすごく幸し
あわ
せなことだと感か
ん
じています。
（小学三年生の作さく
品ひん
）
４年 ３年
家か
族ぞく
への思い
141 140
家族みんなで協力し合って
ある朝、ブラッドレーが二階か
い
からおりて朝食
のテーブルについたときのことです。
ポケットから、一まいの紙を出すと、お母か
あ
さ
んのお皿さ
ら
の横よ
こ
に置お
きました。
お母さんは、それを開ひ
ら
きました。
けれども、お母さんは、その紙に書かれてい
ることを本当だと信し
ん
じることができませんでし
た。
ブラッドレーの置いた紙は、次つ
ぎ
のようなせい
求書だったのです。
お母さんは、にっこりと笑わ
ら
って何も言
いませんでした。
そして、お昼の時間のとき、お母さん
はブラッドレーのお皿の横に、四ドルの
ブラッドレーのせい求き
ゅう
書
ブラッドレーのせい求書
お使つ
か
いちん
１ドル
おそうじした代だ
い
２ドル
音楽のけいこに行ったごほうび
１ドル
合
計
４ドル
143 142
家族みんなで協力し合って
これを読んだブラッドレーの目は、なみだでいっぱ
いになりました。
そしてお母さんの所と
ころ
へかけて行き、
「
お母さん、このお金は返か
え
します。そして、お母さん
のために、ぼくにも何かさせてください。」
と言いました。
お金を置お
きました。
ブラッドレーはそれを見て、自分の取と
り引きがうまくいったと考えて、喜よ
ろこ
びました。
けれども、そこには、お金といっしょに、一まいの小さなせい求き
ゅう
書がありました。
それには、次つ
ぎ
のように書かれていました。
お母か
あ
さんからのせい求書
親切にしてあげた代だ
い
０ドル
病びょう
気き
をしたときのかん病代
０ドル
服ふく
や、くつや、おもちゃ代
０ドル
食しょく
事じ
代と部へ
屋や
代
０ドル
合
計
０ドル
145 144
家族みんなで協力し合って
みきたの家には、お父と
う
さんとお母か
あ
さん、そしてベルナが
います。みきたのお父さんとお母さんは、目が不ふ
自じ
由ゆう
でし
たが、お母さんのもうどう犬ベルナといっしょに、家か
族ぞく
は、
いろいろなことを乗の
りこえて、幸し
あわ
せにくらしていました。
みきたが、赤ちゃんのころに、あぶない場ば
所しょ
に行こうと
すると、決き
まって、ベルナがお母さんの所と
ころ
に行って、鼻は
な
の
先で足をつついて「お母さん、みきたくんがあぶないよ。」
と知らせてくれました。ベルナは、お母さんの生活を助た
す
け
るパートナーであり、みきたのお姉ね
え
さんのようなそんざい
でした。
ところが、みきたが小学三年生のころのことです。年を
とって、白は
く
内ない
しょうという視し
力りょく
が落お
ちてしまう病び
ょう
気き
になっ
ていたベルナは、とうとうもうどう犬の仕し
事ごと
ができなく
なってしまったのです。もうどう犬の仕事ができなくなれ
ば、ベルナは、もう、みきたたちとはいっしょにいられな
くなります。
お母さんは、なやみました。ベルナとは、これまでずっ
といっしょに、苦く
る
しいことやつらいことを乗りこえてきま
した。お母さんは、ベルナを自分の子どものように思って
いました。ベルナの目が見えなくなったからといって、手て
放ばな
すことはできないと思いました。けれども、お母さんに
とっては、生活を助ける役や
く
わりをしてくれるもうどう犬が
必ひつ
要よう
です。お父さんもお母さんのことを心し
ん
配ぱい
して、ベルナ
を手放して、別べ
つ
のもうどう犬と生活していこうとすすめま
した。
ある日の夕食のときです。どうしたらいいのかとずっと
なやんでいたお母さんは、とうとう泣な
き出しました。
みきたは、お母さんの様よ
う
子す
を見て、自分がベルナの目に
なるからと言いました。自分がベルナの目になって、ベル
ナを助ければ、ずっとみんなでくらしていけると思ったか
らです。
みきたの言こ
と
葉ば
を聞いたお母さんの目からは、ますますな
みだがこぼれ、声をふるわせて「ありがとう。」と言うの
がやっとでした。
この話に出てくる「お母さ
ん」は、「郡ぐ
ん
司じ
ななえ」さんとい
います。
ななえさんは、「盲も
う
導どう
犬ベルナ
のお話の会」を開ひ
ら
いて、様さ
ま
々ざま
な
こんなんを乗りこえながら、も
うどう犬と共にくらしてきた経け
い
験けん
を多くの人に伝つ
た
えています。
共とも
に助た
す
け合って生きる
もうどう犬
目の不自由な人が行きたい
場所へ出かけられるように、安あ
ん
全ぜん
に歩くための手助けをします。
目の不自由な人といっしょ
に電車やバスに乗り、お店な
どに入ることもできます。
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