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DAP/DNA®-TalOS
DAP/DNA®-TalOS Real-Time OS
Datasheet
Oct.2002
Ver.0.2
Fusion o
アイピーフレックス社が提供する DAP/DNA®-TalOS は、DAP/DNA プ
µITRON4.0 準拠のリアルタイム OS です。DAP/DNA プロセッサを採用する技
高く使いやすいマルチタスク環境をお届けします。
DAP/DNA®-TalOS は、DAP/DNA プロセッサの採用を検討されているユー
ることを目的に開発されました。API は組み込みシステム分野で広く普及して
おり、ユーザーソフトウェア資産の利用容易性を図っています。また、将来、
RTOS が DAP/DNA に対応した時の移行容易性もµITRON4.0 に準拠の理由
OSコンフィグレーションについては、GUIベースのコンフィグレータが準備さ
動作条件を設定することにより、ブートプログラムのソースコードやカーネル A動生成されます。また、メモリなどのリソース制約の厳しい環境に対しては、アプ
ーネントを詳細に指定することで RAM/ROM の使用量を最小限に抑えることが
DNA 部の利用については、様々なデータプロセッシング向けコンフィギュレ
であり、これらを DAP/DNA-TalOS から容易に利用可能とします。
例えば画像処理で iDCT を実行する場合、DAP/DNA®-TalOS のもとで iDブラリを使用すると操作は以下の二つに簡易化されます。
① iDCT をコンフィギュレーションするライブラリをコールする。
DAP/DNA プロセッサはその瞬間、ハードウェア構造を iDCT 処理用に組
② データプロセッシングをスタートする。
DAP/DNA プロセッサは iDCT 処理用に生成したハードウェア構造で iD
DAP/DNA®-TalOS は組み込みソフトウェア技術者にリコンフィギュラブル
する窓口となります。
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f Software and Hardware
ロセッサ向けに設計された
術者に、高性能で信頼性が
ザ様の評価作業を円滑化す
いるµITRON4.0 に準拠して
豊富な実績のある他の商用
です。
れており、DAP/DNAの各種
PI インターフェースなどが自
リケーションに必要なコンポ
可能です。
ーションライブラリを提供予定
CT コンフィギュレーションライ
替えます。
CT 処理を実行します。
ハードウェアの高性能を開放
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目次
1. 特長および利点 ..............................................................................................................................3
2. システムコール ...............................................................................................................................6
2.1. タスク管理機能 ........................................................................................................................6
2.2. タスク同期機能 ........................................................................................................................7
2.3. タスク例外機能 ........................................................................................................................7
2.4. セマフォ機能............................................................................................................................8
2.5. イベントフラグ機能 ...................................................................................................................8
2.6. データキュー機能.....................................................................................................................9
2.7. メールボックス機能 ..................................................................................................................9
2.8. ミューテックス機能 .................................................................................................................10
2.9. メッセージバッファ機能 ...........................................................................................................10
2.10. 固定長メモリプール機能 .....................................................................................................11
2.11. 可変長メモリプール機能 .....................................................................................................11
2.12. システム時刻管理機能 .......................................................................................................11
2.13. 周期ハンドラ機能 ...............................................................................................................12
2.14. システム管理機能 ..............................................................................................................12
2.15. 割り込み管理機能..............................................................................................................13
3. 動作環境 ......................................................................................................................................13
4. 応用システム ................................................................................................................................14
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1. 特長および利点 µITRON4.0仕様準拠(*) •
•
•
TalOS は、µITRON4.0 仕様に準拠したリアルタイムオペレーティングシステムカーネルであり、システ
ムコールレベルでの互換性が高く、ソフトウェア資産の移行が容易です。
GUI ベースの容易なコンフィギュレーション
TalOS には、自動コンフィギュレーションツールである TalOScfgが準備されています。これを使用する
ことでターゲットアプリケーションにあわせたきめ細かな設定を行うことができます。このツールはユー
ザー設定にあわせてシステムブートプログラムのソースコードを生成するとともに、ユーザーが指定した
OS 機能のみを含むカーネルモジュールを生成します。たとえば、ターゲットアプリケーションで使用しな
いサービスコールについては、オブジェクトを生成しませんので、メモリの使用量を最小限に抑えること
ができます。
様々なデータプロセッシング向けコンフィギュレーションライブラリを提供(開発中)
*µITRON とは
TRON(The Real-time Operating system Nucleus)は東京大学坂村健博士が提唱したコンピュータアー
キテクチャです。ITRON プロジェクトは組み込み機器制御用のリアルタイム OS などに関するプロジェクトで、
Industrial TRON の略であり、TRON プロジェクトのサブプロジェクトに位置付けられています。
図 1-A に TalOScfg の概念図、 、 に TalOS コンフィギュレータの操作画面を示します。 図 1-B 図 1-C
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taloscfg
Configuration File xxx.cfg
boot.s svcapi.s kernel_cfg.s
dapcc
dapld
boot.obj svcapi.obj kernel_cfg.obj
Kernel Obj Files
C source files User App.
Assembler files User App.
obj files User App.
dapas
xxx.ddx Target Executable Object File
図 1-A TalOScfg概念図
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図 1-B TalOS コンフィギュレータ操作図面(1)
図 1-C TalOS コンフィギュレータ操作図面(2)
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2. システムコール
2.1. タスク管理機能
タスクの状態を直接操作したり、参照したりする機能です。 関数名 機能
cre_tsk タスク生成
icre_tsk 割り込みルーチンからのタスク生成
acre_tsk タスク生成、ID自動割付
del_tsk タスク削除
act_tsk タスク起動
iact_tsk 割り込みルーチンからタスク起動
can_act タスク起動要求のキャンセル
sta_tsk タスク起動、起動コード指定
ext_tsk 自タスク終了
exd_tsk 自タスクの終了と削除
ter_tsk 他タスク強制終了
chg_pri タスク優先度の変更
get_pri タスク優先度の参照
ref_tsk タスクの状態参照
ref_tst タスクの状態参照(簡易版)
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2.2. タスク同期機能
タスク自身が持つタスク間同期機能です。 関数名 機能
slp_tsk 自タスクを起床待ち状態へ移行
tslp_tsk 自タスクを起床待ち状態へ移行(タイムアウト付き)
wup_tsk 待ち状態タスクを起床
iwup_tsk 割り込みルーチンからの他タスクの起床
can_wup タスクの起床要求を無効化
rel_wai 他タスクの待ち状態解除
irel_wai 割り込みルーチンから他タスクの待ち状態解除
sus_tsk タスクを強制待ち状態へ移行
rsm_tsk 強制待ち状態のタスクを再開
frsm_tsk 強制待ち状態のタスクを強制再開
dly_tsk 自タスクを時間待ち状態へ移行
2.3. タスク例外機能
タスクに発生した例外事象の処理を、タスクのコンテキストで行うための機能です。 関数名 機能
def_tex タスク例外処理ルーチンの定義
ras_tex タスク例外処理要求
iras_tex 割り込みルーチンからタスク例外処理要求
dis_tex タスク例外処理禁止
ena_tex タスク例外処理許可
sns_tex タスク例外処理禁止状態の参照
ref_tex タスク例外処理状態の参照
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2.4. セマフォ機能
タスクとは独立した同期、通信機能です。 関数名 機能
cre_sem セマフォ生成
acre_sem セマフォ生成、ID自動割付
del_sem セマフォ削除
sig_sem セマフォ資源の返却
isig_sem 割り込みルーチンからセマフォ資源の返却
wai_sem セマフォ資源獲得
pol_sem セマフォ資源獲得(ポーリング)
twai_sem セマフォ資源獲得(タイムアウト付き)
ref_sem セマフォ状態参照
2.5. イベントフラグ機能
タスクとは独立した同期、通信機能です。 関数名 機能
cre_flg イベントフラグ生成
acre_flg イベントフラグ生成、ID自動割付
del_flg イベントフラグ削除
set_flg イベントフラグをセット
iset_flg 割り込みルーチンからイベントフラグのセット
clr_flg イベントフラグのクリア
wai_flg イベントフラグ待ち
pol_flg イベントフラグ待ち(ポーリング)
twai_flg イベントフラグ待ち(タイムアウト付き)
ref_flg イベントフラグ状態参照
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2.6. データキュー機能
タスクとは独立した同期、通信機能です。 関数名 機能
cre_dtq データキュー生成
acre_dtq データキュー生成、ID自動割付
del_dtq データキュー削除
snd_dtq データキューへデータ送信
psnd_dtq データキューへデータ送信(ポーリング)
ipsnd_dtq 割り込みルーチンからデータキューへデータ送信(ポーリング)
tsnd_dtq データキューへデータ送信、タイムアウト付き
fsnd_dtq データキューへ強制データ送信
ifsnd_dtq 割り込みルーチンからデータキューへ強制データ送信
rcv_dtq データキューからの受信
prcv_dtq データキューからの受信(ポーリング)
trcv_dtq データキューからの受信(タイムアウト付き)
ref_dtq データキュー状態参照
2.7. メールボックス機能
タスクとは独立した同期、通信機能です。 関数名 機能
cre_mbx メールボックス生成
acre_mbx メールボックス生成、ID自動割付
del_mbx メールボックス削除
snd_mbx メールボックスへメッセージ送信
rcv_mbx メールボックスからメッセージ受信
prcv_mbx メールボックスからメッセージ受信(ポーリング)
trcv_mbx メールボックスからメッセージ受信(ポーリング)タイムアウト付き
ref_mbx メールボックス状態参照
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2.8. ミューテックス機能
共有資源を使用する際にタスク間で排他制御を行うための機能です。 関数名 機能
cre_mtx ミューテックス生成
acre_mtx ミューテックス生成、ID自動割付
del_mtx ミューテックス削除
loc_mtx ミューテックスロック
ploc_mtx ミューテックスロック(ポーリング)
tloc_mtx ミューテックスロック(タイムアウト付き)
unl_mtx ミューテックスロック解除
ref_mtx ミューテックス状態参照
2.9. メッセージバッファ機能
タスクとは独立した同期、通信機能のうち高度な機能を持つものです。 関数名 機能
cre_mbf メッセージバッファ生成
acre_mbf メッセージバッファ生成、ID自動割付
del_mbf メッセージバッファ削除
snd_mbf メッセージバッファへ送信
psnd_mbf メッセージバッファへ送信(ポーリング)
tsnd_mbf メッセージバッファへ送信(タイムアウト付き)
rcv_mbf メッセージバッファから受信
prcv_mbf メッセージバッファから受信(ポーリング)
trcv_mbf メッセージバッファから受信(タイムアウト付き)
ref_mbf メッセージバッファ状態参照
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2.10. 固定長メモリプール機能
ソフトウェアによって、メモリプールの管理やメモリブロックの割り当てを行う機能です。 関数名 機能
cre_mpf 固定長メモリプール生成
acre_mpf 固定長メモリプール生成、ID自動割付
del_mpf 固定長メモリプール削除
get_mpf 固定長メモリブロック獲得
pget_mpf 固定長メモリブロック獲得(ポーリング)
tget_mpf 固定長メモリブロック獲得(タイムアウト付き)
rel_mpf 固定長メモリブロックの返却
ref_mpf 固定長メモリプール状態参照
2.11. 可変長メモリプール機能
ソフトウェアによって、メモリプールの管理やメモリブロックの割り当てを行う機能です 関数名 機能
cre_mpl 可変長メモリプール生成
acre_mpl 可変長メモリプール生成、ID自動割付
del_mpl 可変長メモリプール削除
get_mpl 可変長メモリブロック獲得
pget_mpl 可変長メモリブロック獲得(ポーリング)
tget_mpl 可変長メモリブロック獲得(タイムアウト付き)
rel_mpl 可変長メモリブロックを返却する
ref_mpl 可変長メモリプール状態参照
2.12. システム時刻管理機能
システムクロックの設定や参照を行う機能です。 関数名 機能
set_tim システム時刻設定
get_tim システム時刻参照
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2.13. 周期ハンドラ機能
時間をきっかけに起動されるタイマハンドラを扱う機能です。 関数名 機能
cre_cyc 周期ハンドラ生成
acre_cyc 周期ハンドラ生成、ID自動割付
del_cyc 周期ハンドラ削除
sta_cyc 周期ハンドラ起動
stp_cyc 周期ハンドラ停止
ref_cyc 周期ハンドラ状態参照
2.14. システム管理機能
システム全体の環境を設定したり参照したりする機能です。 関数名 機能
rot_rdq タスク優先順位を回転
irot_rdq 割り込みハンドラの中でタスク優先順位を回転
get_tid 実行状態のタスクIDを参照
iget_tid 割り込みハンドラの中で実行状態のタスクIDを参照
loc_CPU CPU ロック状態へ移行
iloc_CPU 割り込みハンドラの中で CPU ロック状態へ移行
unl_CPU CPU ロック状態を解除
iunl_CPU 割り込みハンドラの中で CPU ロック状態を解除
dis_dsp ディスパッチを禁止
ena_dsp ディスパッチを許可
sns_ctx コンテキストを参照
sns_loc CPU ロック状態を参照
sns_dsp ディスパッチ状態を参照
sns_dpn ディスパッチ保留状態を参照
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2.15. 割り込み管理機能
外部割り込みに対するハンドラの定義、外部割り込みの禁止、許可などを行う機能です。 関数名 機能
def_inh 割り込みハンドラを定義
ena_int 割り込みの許可
dis_int 割り込みの禁止
3. 動作環境 関数名 機能
OS Windows 2000
Windows XP
Linux*
マシン IBM-PC/AT 互換機
CPU Pentium Ⅲ 500MHz 以上 (推奨)
メインメモリ 128MB以上(推奨)
供給形態 CD-ROM
*Redhat7.2 において動作確認済み
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4. 応用システム TalOS を利用して開発する応用システムには以下のものが考えられます。
AV機器、家電 •
•
•
•
•
テレビ、ビデオ、デジタルカメラ、セットトップボックス、オーディオ機器、電子レンジ、炊飯器、エアコン、
洗濯機
個人用情報機器、娯楽、教育機器
PDA、電子手帳、カーナビ、ゲーム機、電子楽器
パソコン周辺機器、OA機器
プリンタ、スキャナ、ディスクドライブ、CD-ROMドライブ、コピー、FAX、ワープロ
通信機器
留守番電話機、ISDN電話機、携帯電話、PHS、ATMスイッチ、放送機器/設備、無線設備
工業制御、FA機器、設備機器、その他
プラント制御、工業用ロボット、エレベータ、自動販売機、業務用データ端末
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ご 注 意
1. 本データシートは、アイピーフレックスの DAP/DNAⓇアーキテクチャを用いた製品の基本的な情報を述べたものです。本
データシートに記載された情報に関して、弊社もしくは第三者の特許権、著作権その他の知的財産権等の権利に関する
保証または実施権の許諾を行うものではありません。また、本データシートに記載された情報をご使用になったことにより
第三者の知的財産権にかかわる問題が生じた場合、弊社はその責を負いませんので予めご了承ください。
2. 本データシートに記載された情報は、「外国為替および外国貿易法」等の輸出関連法規により輸出規制されている技術に
該当しますので、国外への提供・持出には日本国政府の許可が必要です。
3. 本データシートに記載された情報を、特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命を脅かしたり
人体に危害を及ぼす恐れのある機器(原子力制御装置、航空宇宙機器、輸送機器、交通信号機器、燃料制御、医療機
器、各種安全装置など)に使用することについて、保証はなされていません。
4. 本データシートの掲載内容は、予告なしに変更することがあります。
5. 本データシートの全部または一部を、アイピーフレックスの文書による承認なくして転載または複製することはかたくお断
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