病棟でのRCA分析の実践 浜松赤十字病院 ◎半塲公義 石野妙子
病棟でのRCA分析の実践
浜松赤十字病院
◎半塲公義
石野妙子
1 分析用紙
浜松赤十字病院 提供
KYT分析用紙 事例検討会 (KYTを使って)
発生日 年 月 日( )
事例
リーダー: メンバー:
現状把握(どんな問題があるか)推測を含めて関連のあると思われる状況を5~7項目書く
本質追求1(これが問題のポイントだ) 重要な項目○(合意不要)、重要項目◎(全員合意)赤でアンダーライン
1
2
3
4
5
6
7
8
9
本質追求2(問題のポイントの背景)
1
2
3
4
5
6
対策立案(あなたならどうする)問題のポイント○を解決するための具体的・前向きなアイデアを出し合う
目標設定(私たちはこうする)重要項目を絞り込み*印・アンダーライン、チーム行動目標を設定する
具体策
1
2
3
4
【チーム行動目標】
【指指し呼称項目】
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RCA分析とは
下垂体腺腫術後に使用する代謝異常症治療薬(デスモプレッシン)を指示の2PUSHを3PUSHしてしまった投与量ミス
患者紹介:患者T 50代 女性
下垂体腺腫術後。入院生活は自立。
スタッフステーションで冷所保存している
デスモプレッシンを、ベッドサイドへ持参し、
患者自身で噴霧していた。
※下垂体腺腫術後は尿崩症になる可能性が高いため、代謝異常治療薬のデスモプレッシン(抗利尿作用)の噴霧が必要となる。
出来事流れ図(参考資料①)
スタッフルームには患者Tのチームメンバーがいなかったため、他チームの看護師C(10年目)が冷蔵庫からデスモプレッシンの薬袋を取り出し、記載されていた噴霧量を確認し、Tに渡した。T
は3プッシュ施行した。
AはBにデスモプレッシンを施行したのか確認した
AはCにデスモプレッシンの噴霧について聞くと「本人が取りに来て実施した」と言った
Aは減量して実施したのか疑問に思い薬袋を確認し、薬袋に書かれている修正前の噴霧量が施行されてしまったことに気付いた
患者Tがスタッフルームへデスモプレッシンを取りに来る
14:10 14:30
日勤のチームリーダーA(9年目)が、患者Tの前日の尿量がDr.Call値であったためDr.Call
Bはインチャージの紙をファイルに挟み、時間で行うおむつ交換に
回った
8:518:50
日勤のチームリーダーAは、印刷した用紙を受け持ち看護師B(1年目)に「受け持ちがやるものだから、14時に減量してやってね」と言って渡し
た
Aは、主治医よりデスモプレッシンの噴霧量を2-3-3から2-2-3へと口頭指示とインチャージを受け、指
示の印刷を行った
浜松赤十字病院 提供
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分析結果の詳細
8:50
日勤のチームリーダーA(9年目)が、患者Tの前日の尿量がDr.Call値で
あったためDr.Call
Aは、主治医よりデスモプレッシンの噴霧量を2-3-3から2-2-3へと口頭指示とインチャージを受け、指示の印刷を行った
なぜ受け持ちが指示を受ける規則になっているのにAが指示を受けたのか
指示は受け持ちが受ける規則が徹底されていないから
その場にいたから
なぜ徹底されていないのか なぜAは口頭指示を受けBに指示を
PCから拾わせなかったのか
それぞれが多忙で近くにいたものが受けるということが日常になって
いたから
リーダー業務と受け持ち業務の分担が徹底されていないから
1 業務の規則が徹底されていない風土がある 浜松赤十字病院 提供
分析の様子
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明確になった問題点
ご清聴ありがとうございました
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