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2019/2/27 現在 宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」 宇宙アセット一覧 1. みちびき(準天頂衛星システム) ............................................................ 1 2. 衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」 ........................................ 2 3. IoT x 衛星データ新規事業 PoC(コンセプト実証)用プラットフォーム (株式会社サウマネジメント) ............................................................ 3 4. 衛星通信サービスと利用アプリケーション(スカパーJSAT 株式会社)................. 4 5. 宇宙で麻酔(ストーニー) ............................................................ 6 6. 低価格な宇宙用コンピュータ(合同会社 Space Cubics) ................................. 7 7. パスコの宇宙アセット(株式会社 パスコ) ................................................. 9 8. 安全な衛星運用と、衛星データ利用を支える富士通の技術(富士通株式会社) ....... 12
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宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019 · 宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」 宇宙アセット一覧

Aug 26, 2020

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2019/2/27 現在

宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」

宇宙アセット一覧

1. みちびき(準天頂衛星システム) ............................................................ 1

2. 衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」 ........................................ 2

3. IoT x 衛星データ新規事業 PoC(コンセプト実証)用プラットフォーム

(株式会社サウマネジメント) ............................................................ 3

4. 衛星通信サービスと利用アプリケーション(スカパーJSAT 株式会社) ................. 4

5. 宇宙で麻酔(ストーニー) ............................................................ 6

6. 低価格な宇宙用コンピュータ(合同会社 Space Cubics) ................................. 7

7. パスコの宇宙アセット(株式会社 パスコ) ................................................. 9

8. 安全な衛星運用と、衛星データ利用を支える富士通の技術(富士通株式会社) ....... 12

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1. みちびき(準天頂衛星システム)

みちびき(準天頂衛星システム)は、センチメータ級の高精度位置情報(CLAS)を提供する人工衛

星です。サブメータ級の位置情報(SLAS)、正確な時間、地震・津波などの防災関連情報の提供など

も行っています。みちびきに対応した受信端末・チップを用いることにより、誰でも利用が可能です。

また、アジア・オセアニア地域向けのセンチメータ級の位置情報(MADOCA)の提供も行っていま

す。

みちびきの高精度3次元位置情報や正確な時間などを活用することで、Society5.0 の目指す「超ス

マート社会」の実現に向けた革新的なサービス、新たな産業の創出が期待されています。

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2. 衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」

「Tellus」は、産業利用を目的とした日本初の衛星データプラットフォームです。衛星データとその

利用に必要なクラウドコンピュータを、民間企業をはじめ研究機関から、大学、個人まで、誰もが気

軽に、無料で利用することが可能です。

具体的には、JAXA 衛星をはじめとする政府衛星データに加え、人流などの地上データも搭載され

ており、それらを閲覧したり、重ね合わせたりする機能や、重ね合わせたデータを分析・解析する環

境が整備されております(詳細は以下参照)。

こうした Tellus の提供するデータや解析環境をもとに、様々な産業分野から、宇宙由来のデータ

を活用したビジネスが創出されることを期待しています。

搭載データ

・衛星データ:ALOS-2、ASNARO1、ASTER GDEM 等

・地上データ:人流、気象情報 等

機能

・データの検索・閲覧・重ね合わせなどの基本の機能

・重ね合わせたデータを分析・解析し、アプリケーションの開発が可能な環境

※S-Booster では、Tellus に搭載されている日本の衛星データに限り利用可能とする。

※いずれも現時点(2018/3/1)バージョン。今後、Tellus の搭載データや機能や随時更新されてい

く予定。

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3. IoT x 衛星データ新規事業 PoC(コンセプト実証)用プラットフォーム

(株式会社サウマネジメント)

IoT(Internet of Things)の進展により地上のさまざまなデバイス/センサーデータの収集が可能

となってきていますが、これらのデータと広域の地球観測衛星データ/特定地域をより精密に観測可

能な UAV(ドローン等)センシングデータをうまく組合せて融合し、さらに衛星測位サービスを活

用して観測地点の位置情報をベースに分析することでこれまでに無かった新たな付加価値サービス

を創出できる可能性があります。

新たなコンセプトやアイデアの実現可能性を検証するためには、簡便かつ最小限の投資により実用化

への道筋を確認することが重要であり、本プラットフォームは PoC(Proof of Concept:コンセプト

実証)を可能とするサービス(各種データの取込み/データ格納・管理、データ分析基盤、ユーザイ

ンタフェース等)を提供するものです。

サウマネジメントは、豊富な IT インテグレーション実績に基づいた PoC 実施環境の提供により、「共

創」による新事業開発を推進します。

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4. 衛星通信サービスと利用アプリケーション(スカパーJSAT 株式会社)

衛星通信は、赤道上空 36,000km の静止軌道上に打ち上げられた衛星に向けて送信局から膨大な情

報を送信(アップリンク)し、地球にある受信局に向けて一斉配信(ダウンリンク)する通信システムで

す。限りなく数多くの拠点に向けて大容量の情報をリアルタイムに届けたい時、衛星通信は最も理想

的な手段です。

衛星通信を使ったコミュニケーションには、「広域」「同報性」「柔軟性」そして「大容量」といった特

長があります。また自然災害時におけるネットワークの確保という「耐災害性」の観点からも、その優

位性を発揮します。

利用アプリケーションとしては、Direct-to-Home (DTH)サービス、Satellite News Gathering

(SNG)、映像配信、コンテンツ配信(CDN)、企業内ネットワーク、携帯電話バックホール、インタ

ーネット・バックボーン、電力・ガス・採掘場などのネットワーク構築、海洋・航空ネットワークの

構築などがあります。

なかでも、地上の通信システムでは接続が困難な海洋上でのサービスとして海洋ブロードバンドサー

ビス(Ocean BB plus)が昨今注目されています。OceanBB plus は、船舶向け高速インターネット接

続サービスです。船上に設置した船舶用衛星通信システムとインターネット網を、衛星通信およびス

カパーJSAT 横浜管制センター内の HUB 局を介して接続するもので、下り(陸→船)回線速度最大

10Mbps、上り(船→陸)回線速度最大 3Mbps を実現します。

スカパーJSAT の通信衛星がカバーするインド洋、アジア、オセアニア海域に加え、海外事業者(米

国 KVH Industries, Inc.)との提携により、太平洋、大西洋、地中海、カリブ海等の海域でのロー

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ミング接続を提供することで、グローバルなサービスエリアを実現しています。 エリアごとの気象

情報や水路情報、寄港地情報など、安全な運航を支援する情報のインターネットからの取得、陸上拠

点からの配信も容易です。

詳しくは HP をご覧ください。

スカパーJSAT の衛星の衛星通信

https://www.jsat.net/jp/satelliteCommunications.html

海洋ブロードバンドサービス OceanBB plus

https://www.jsat.net/jp/satellite/oceanbb_plus/index.html

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5. 宇宙で麻酔(ストーニー)

宇宙には未だ麻酔器がありません。将来の有人宇宙活動では、無補給かつ狭小なスペース、通信遅延

の状況下で医療行為を行わなければならず、簡単に扱えてコンパクトな麻酔関連機器や、現地調達可

能な薬剤による麻酔法の確立が急務でした。この問題を解決する『嗅ぎ注射器』は、宇宙船に搭載可

能な超小型簡易吸入麻酔システムです。動力に電気を要さず、3D プリントも可能なので、地球から

どんなに離れた所でも、瞬時に送り届けて命を救う事が出来ます。この技術は、S-Booster2017 に

て ANAHD 賞、2018 年には Aerospace Medical Association にて R&D Innovation 賞を受賞しま

した。

現在私たちは、麻酔ガスリサイクル装置を群馬県と共同開発中ですが、完成すれば手術時の痛みの心

配が無くなる事は勿論、人工冬眠が本当に現実のものとなるでしょう。

安全で快適な宇宙ミッションを 1 日でも早く実現するため、私たちと一緒に研究しませんか?

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6. 低価格な宇宙用コンピュータ(合同会社 Space Cubics)

(概要)

Space Cubics は、宇宙で数多くの使用実績を持つ民生コンピュータの設計者と、国際宇宙ステーシ

ョン(ISS)での多くの開発・運用経験を持つ JAXA エンジニアがタッグを組み、「JAXA ベンチャー」

として信頼性の高い宇宙用コンピュータを安価に提供します。

Space Cubics の製品は、すでに宇宙産業に参入している企業・団体だけではなく、宇宙開発の経験

がない企業や団体でも簡単に使うことができます。

(コスト削減と信頼性)

宇宙機器の開発では、予算が限られているため、安価な汎用コンピュータを採用することがあります

が、放射線が非常に強い宇宙空間での動作に対する信頼性に不安が残るかもしれません。信頼性を高

めるためには、放射線耐性が高い部品が搭載されたコンピュータを採用する選択肢がありますが、こ

れらの製品は高価格であり、かつ製品を購入するだけでは宇宙でのミッションで起こる全てのトラブ

ルを解決できるわけではありません。

Space Cubics は、低コストでありながら、宇宙機器に必要な高い信頼性を持つ製品を提供します。

(耐障害性)

一般に、ほとんどの高信頼性コンピュータには耐障害性機能が標準で備わっていません。

たとえ放射線耐性が高い部品が搭載されているコンピュータでも、強い放射線によって引き起こされ

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る障害(記憶されているデータが化けてしまうなど)が起こることがあります。宇宙機器の場合、ハ

ードウェアに障害が発生しても部品交換はできず、またソフトウェアの問題でも地上から復旧は困難

です。

Space Cubics の製品は障害は必ず起こるものだという前提のもと、障害からの速やかな復旧が重要

だと考えに基づき、多くの耐障害性機能を備えています。

例えば、コンピュータを複数台同時に稼働・連携することで冗長性を持たせたり、データ異常が発生

することを想定して同じデータを複数個所に保存し、多数決でデータの正当性を判定する機能を備え

ているので、障害が発生したコンピュータやデータを自動で復旧することができます。

(使いやすさ)

Space Cubics の製品の最も良いところは、自分たちのミッションに必要な機能の開発だけに専念す

ることができることです。我々の製品には、耐障害性機能以外にも、宇宙機器でよく使用されるミド

ルウェアやプロトコル(ISS 互換ネットワークプロトコル、TTEthernet、cFS など)や、宇宙以外の

分野でよく使われている ROS(Robot Operating System)などもサポートします。また、ソフトウ

ェアやハードウェア(CPU ボード、FPGA)のカスタム開発やコンサルティングも承ります。

Space Cubicsは低価格な宇宙用コンピュータと宇宙開発に関するトータルサポートを提供すること

で、宇宙開発への参入を手軽にし、日本はもとよりアジアを中心とした民間の宇宙産業発展に貢献し

ます。

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7. パスコの宇宙アセット(株式会社 パスコ)

株式会社パスコでは様々な宇宙アセットをご用意しています。11 種類のアセットから新しいビジネ

スを創出してみませんか?

【ASEAN 人口推計】

衛星画像と AI 技術を用いて世帯数、人口等を推計する手法を構築しました。撮像された衛星画像か

ら建物の密集度を判読し、住居と非住居を判別します。判別は 100m メッシュ単位で実施し、本解

析結果から取得されたデータは販売する製品、販売促進並びに出展計画等のマーケティング分析に有

効です。

【ASNARO 衛星群】

ASNARO 1 衛星は 50 ㎝の地上分解能を有する高解像光学衛星です。地上の 50 ㎝以上の地物が判読

できる 8 バンドの光学衛星で、光学衛星が本来撮像可能な昼間の時間帯に加え夜間観測モードを使

うことで夜景の撮影も可能となります。また、2018 年に打ち上げられた後継機の ASNARO 2 は X

バンドの合成開口レーダー衛星で昼夜を問わず、全天候型の撮像が可能です。火山の噴火時に煙が火

口を覆う状況でも煙を透過して火口表面の状況を撮影する事も可能です。

【SAR 衛星による山間部の地殻変動監視】

SAR 衛星により、広範囲の地盤の変動を面的に且つ継続的に見ることで、大規模な災害が起きる前

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に地すべり等の予兆を監視します。衛星画像の利用と従来の観測手法を組み合わせることにより、制

度の向上が図られまた、コストも削減できます。この手法は山間部以外でも埋立地や盛り土箇所、地

下埋設物等の地盤沈下の監視にも利用可能です。

【SAR 衛星による地下工事時の地盤沈下を監視】

SAR 衛星で撮像した画像を解析する事により、地下の工事の際に地盤が沈下していないか変動を監

視する事が可能です。衛星画像による解析のため、現地調査が困難な住宅地や商業地域でも継続的に

観測ができます。この手法では地表の面的な沈下状態の把握もでき、更に沈下の単位をミリ単位の精

度で判読する事も実証されています。

【SAR 衛星による都市化度合判読】

SAR 衛星と AI 技術により土地被覆を水域、草地、森林、人口物、裸地に分類します。解析には人口

物の差分を抽出することにより、地域別に増加の割合を算定します。この手法は地域毎の都市化度合

や都市化速度の把握をするのに有効な解析方法となります。

【リモートセンシングサービス】

当社は世界中で様々なリモートセンシングサービス分野でのプロジェクトを実施して参りました。こ

れらのサービスには「市場と技術調査」、「フィージビリティースタディー」、「プロジェクト開発」の

コンサルティングサービスがあり、データ分析としてはデータの取得、処理、判読、付加価値データ

生成などが含まれます。当社のリモートセンシングサービスは空間データ情報技術を利用することに

より幅広い社会問題を解決致します。

【機械学習画像セット】

AI 技術に用いる学習データを準備するのには膨大な時間とコストが掛ります。光学及び SAR 衛星画

像のセットの画像チップを学習データとして提供することにより AIの利用用途に応じた学習データ

を作成する事が可能となります。利用する AI ツールは各社に固有のものから、市販のものやフリー

で入手できるものなど様々なツールを利用して持続可能な学習データを創出します。

【建物変化判読】

2 時期の衛星画像と AI 技術により建物の変化を判読します。人間の目で変化を判読するのに比べ、

人件費と時間の大幅な節約が可能となります。することにより AI の利用用途に応じた学習データを

作成する事が可能となります。建物の変化は新築、建替え、滅失、あるいは変化無し等のカテゴリー

に自動抽出されます。当社が開発したこの手法は 2018 年度の世界的に権威のある CVPR(コンピュ

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宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」

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ータビジョンパターン認識会議)に於いて優勝しました。

【森林域や樹種の判読】

衛星画像と AI 技術により、森林域や樹種を自動で判読します。従来は人間が目視で判読していた作

業であったため、大幅な省力化、コスト削減が可能となります。この手法を用いて適切な林業の施業

や治山、その他の防災にも有効なデータが得られます。

【農地利用常用調査】

光学衛星を利用した画像解析により農地の利用状況を判読します。耕作物の耕期により、撮影された

画像を採用し、正確な農地の利用状況を把握します。また、地域ごとの都市化度合や都市化速度の把

握も可能となります。

【ALOS 衛星群 (ALOS 2, ALOS 3))

JAXA が 2014 年に打ち上げた国産衛星 ALOS 2 は合成開口レーダー(SAR)衛星であり、昼夜を問

わず地表面を撮像する事が可能です。同衛星は L バンドと言う波長帯で観測するため、植生で覆わ

れた土地の地表面を撮影する事も可能です。2020 年には後継機として光学の衛星 ALOS 3 の打ち上

げも予定されています。ALOS 3 衛星は分解能 80 ㎝の高解像度を有し、バンド数は 8 バンドで 70

㎞の撮影幅を持つ先進光学衛星と位置付けられています。

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8. 安全な衛星運用と、衛星データ利用を支える富士通の技術(富士通株式会社)

①人工衛星の軌道決定技術

人工衛星を地上からコントロールするために、衛星がどこにいてどのくらいの速さで進んでいるか把

握する必要があります。当社の軌道決定技術では、地上からの観測や GPS の情報に基づき、人工衛

星の飛行経路を把握し、衛星が進む将来の軌道(道筋)を予測します。

②人工衛星の追跡管制技術

地球の周りを飛ぶ人工衛星の機器の状態を把握したり、衛星が所定の軌道を飛ぶように指令を出す技

術です。また衛星が宇宙空間に広がるスペースデブリとぶつからないよう、お互いの位置を把握する

技術も含まれます。

③宇宙と地球をつなぐ通信技術

遅延耐性/途絶耐性ネットワーク(DTN:Delay/Disruption Tolerant Networking)という技術を用い

て、宇宙空間と地球のデータ通信を確実につないでいます。本技術はバケツリレー方式の通信のため、

送り手と送り先が同一時間に接続されなくても、データを送ることができるという特徴があります。

④ミッション運用技術

人工衛星がいつ、どこで、どんな観測を行うのか計画を立てて、衛星に指示を出す技術です。観測し

たデータを地球に届けて保存し、ユーザに提供することも行っています。

⑤大量データの処理技術

HPC(high performance computer)を用いて大量データを高速に処理することで、衛星等から取得

したデータの分析に役立てます。