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米国の安全保障戦略と日米同盟 平成22年3月 資料2
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米国の安全保障戦略と日米同盟 - 首相官邸ホーム …...・Rebalancing The Force ・Taking Care Of Our People ・Strengthening Relationships ・Reforming How We Do

Jul 28, 2020

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米国の安全保障戦略と日米同盟

平成22年3月

防 衛 省

資料2

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目 次

1.米国の安全保障戦略

2.日米同盟

(1) 米国の安全保障・国防戦略(2) 米国の国家防衛戦略(3) 米国の4年毎の国防計画の見直し(QDR)の概要(4) 統合エアシーバトル構想(5) 米国の弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)報告書の概要

(1) 日米防衛協力の進展と課題(2) 16大綱における日米関係の記述

(3) 米軍再編経費(4) HNS

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1.米国の安全保障戦略

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国家軍事戦略(National Military Strategy (NMS))

・策定者は統合参謀本部議長・現行:05.3、前回:97.9、前々回:95.2・上位の戦略の実現に寄与するために米軍の採るべき指針的事項を示したもの

4年毎の国防計画の見直し

(Quadrennial Defense Review (QDR))・策定者は国防長官

・これまで06.2、01.10、97.5に発表・本年2月1日に新たなQDRが発表・中長期的な視点から、国防戦略、戦力構成、

即応態勢、戦力近代化計画等を提示

国家安全保障戦略(National Security Strategy (NSS))

・策定者は大統領・現行:06.3、前回:02.9、前々回00.1・米国の安全保障上の国益を守り、目標を達成するための政治、経済、軍事、外交政策等を包括的に示す文書

国家防衛戦略(National Defense Strategy (NDS))

・策定者は国防長官・現行:08.7、前回:05.3・国防省の戦略文書の枠組みを提示

核態勢見直し(Nuclear Posture Review (NPR))

弾道ミサイル防衛見直し(Ballistic Missile Defense Review (BMDR))

宇宙態勢見直し(Space Posture Review (SPR))

○今回のQDRはNPR、

BMDR、SPRと並行して

策定

○BMDRはQDRと同時

発表、NPRは今後数週間

のうちに発表予定

米国の安全保障・国防戦略文書の体系米国の安全保障・国防戦略文書の体系

1

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米国が直面する挑戦米国が直面する挑戦

米国の安全保障・国防戦略 : 概要米国の安全保障・国防戦略 : 概要

○長期的な課題・政府の統治能力欠如による非国家主体の活動・ならずもの国家(北朝鮮、イラン)による核兵器追求・中国、ロシア等の軍事力増強

○現在遂行中の闘い=過激主義との世界的な闘い(The Long War)

現在遂行中の、過激主義との世界的な闘い(アフガン、イラク)での勝利

他の緊急事態に備えた準備

反政府勢力対策・パートナー支援

伝統的分野における優位の維持

バランスを追求しつつ対応バランスを追求しつつ対応

米国一国では、これらの課題に対応できないことから、同盟国との一層の協力を志向米国一国では、これらの課題に対応できないことから、同盟国との一層の協力を志向

2

「国防省は、北東アジアにおいて、二国間・地域及び地球規模の包括的な同盟を構築し、戦力態勢を再編し、同盟の

役割及び能力を再構築し、集団的な抑止と防衛の能力を強化するための、合意された計画及び共有されたビジョンを

実行するため、主要な同盟国である日本及び韓国と緊密に協力している。」 (2010QDR p59)

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米国の国家防衛戦略(08.7)米国の国家防衛戦略(08.7)

【戦略環境】○ 見通しうる将来の戦略環境は、過激主義との世界的な闘い。他の脅威としては、非正規的挑戦(政府の統治能力欠如による非国家主体の活動)、ならず者国家(北朝鮮、イラン)による核兵器の追求、他国(中国、ロシア)の軍事力増強など。これらは長期的な脅威

【目標】①本土防衛、②過激主義者との長い戦争(The Long War)の勝利、③安全保障の促進(中露との協力関係の構築)、④紛争の抑止、⑤戦争における勝利(ならず者国家への対応)

【目標達成の方策】○ 主要国(中国、ロシア及びインド)の選択肢を形成○ 敵対者による大量破壊兵器の取得・使用を防止○ 同盟及びパートナーシップの強化拡大○ 戦略的アクセスの確保と行動の自由を保持○ 現在及び将来の課題には軍だけで対応困難。国防省の文官、軍需産業、その他の関係省庁、州政府、同

盟国、国際社会とともに活動する「新たな統合」が必要

【リスク管理】○ 長い戦争においては、パートナーにより貢献度が異なることから、パートナーに対する要求と効果・効率とのバランスが必要○ 作戦、将来の挑戦、戦力管理、組織に関するリスクを踏まえた政策決定が必要

3

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QDRの概要(1/2)QDRの概要(1/2)

○ 8年以上続くアフガニスタン・イラクでの戦争○ 中印の台頭、非国家主体の影響力増大、大量破壊兵器の拡散等による紛争の「ハイブリッド化」→脅威をもたらす主体とそれらが用いる手段の双方が複合化・多様化○ 脆弱国家が過激主義や急進主義の温床となるおそれ→国家の「強さ」ではなく「弱さ」に由来する脅威○ 国際公共財(グローバル・コモンズ:海、空、宇宙、サイバー空間)への侵害○ 米軍の展開を阻止するアクセス拒否・エリア拒否能力を有する国家の存在○ 米国は最も強力な主体であり続けるが、単独で安全保障上の課題全てに対処するのは不可能→同盟国及びパートナー国との一層の協力が必要

1 安全保障環境認識

○ 現在の戦争における勝利(Prevail)→イラク・アフガニスタンにおける勝利○ 紛争の予防(Prevent)と抑止→米国への直接攻撃からの防衛、潜在的敵国の抑止、地域的安全保障環境の安定化、グローバル・コモンズへのアクセスの確保○ 敵の打破及び多岐にわたる緊急事態での成功に向けた備え(Prepare)→抑止が失敗した場合の国益を擁護するための活動に備える必要○ 全志願兵制の維持(Preserve)と強化→現在の戦争に勝利するとともに将来に備えるため、全志願兵制度を維持する必要

2 戦略的優先事項

○ 米国の防衛及び国内における非軍事部門の支援→不測事態対処部隊、放射能・核物質探知能力、対簡易爆弾(IED)能力強化等○ 反乱鎮圧作戦、安定化作戦、対テロ戦での成功→情報・監視・偵察(ISR)用の有人・無人の飛行システム、特殊部隊のアセット等○ パートナー国家の治安能力構築→治安部隊支援能力、語学能力、地域及び文化に関する知識等○ アクセス拒否環境下における攻撃の抑止・打破→統合エアシーバトル構想、長距離攻撃能力、前方展開態勢、C4ISR能力等○ 大量破壊兵器の拡散阻止・対抗→WMD除去のための統合任務部隊司令部新設、核物質の防護等○ サイバー空間における効果的な作戦→包括的なアプローチ、指令機能の集約、他機関・外国政府との協力等

3 戦力強化が必要な6つの任務領域

・Introduction

・Defense Strategy

・Rebalancing The Force

・Taking Care Of Our People

・Strengthening Relationships

・Reforming How We Do Business

・A Defense Risk Management

Framework

・Conclusion: The Way Ahead

・Introduction

・Fighting The Long War

・Operationalizing The Strategy

・Reorienting Capabilities And

Forces

・Reshaping The Defense Enterprise

・Developing A 21st Century Total

Force

・Achieving Unity of Effort

2010QDRの構成 2006QDRの構成

4

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QDRの概要(2/2)QDRの概要(2/2)

○ 多岐にわたる作戦(※)を実施する能力を保有○ 2つの主権国家による攻撃への対処能力を保持

↓二つの大規模な地域紛争(2MRC:2Major Regional Conflicts)への対処を基に戦力構成を行うことはやめるが、2MRCに対処する能力自体は引き続き維持

4 戦力のバランスの修正(リバランス)

○ グローバルな及び地域における米国の防衛態勢の見直し→地域の特性に適合したアプローチを採用○ 兵力配備態勢を定める際には、前方展開・ローテーション展開兵力は引き続き有効かつ必要であること、アクセス拒否・エリア拒否等の戦略環境の変化に継続的に対応すること等の原則を考慮○ 中国の国際社会における役割の拡大は歓迎、軍事力増強や不透明性を懸念、米中関係には信頼関係を強化し誤解を低減するプロセス、不一致について議論する開かれたコミュニケーション・チャンネルが必要○ 北朝鮮、イランは新しい弾道ミサイルシステムを開発・配備、前方展開された米軍部隊の安全を脅かすおそれ○ ロシアと多くの利害を共有、STARTⅠ後継条約等で協力、ロシアからの地対空ミサイルの拡散は脅威○ アジア・太平洋では、日本・韓国への拡大抑止を含め地域安定のため必要となる米軍のプレゼンスを適応。在日米軍の長期的なプレゼンスを保証し、グアムを地域における安全保障に係る活動のハブにする二国間の再編ロードマップ合意の実施に向けて、日本とともに引き続き取り組む

5 他国との関係

○ 兵士の重視等:兵士の負担を考慮した持続可能なローテーション、兵士・家族の福利厚生○ 調達改革、産業基盤の強化○ 気候変動対策

6 その他

○ 特殊部隊や無人機等を強化する一方、不要な調達の中止・削減(F-22戦闘機等)

ゲイツ国防長官

・・・二つの大規模正面における作戦という考え方は時代遅れだ・・・我々は既に二つの大規模な軍事作戦を行っている・・・二つの戦争を戦うというコンセプトが生まれた1990年代前半よりも現在の世界は遙かに複雑なのである。 (QDR発表時のブリーフィング(2月1日))

※検討されたシナリオの例

・大規模安定化作戦+1つの敵対者の抑止・打破+国内の

非軍事部門支援

・2つの敵対者の抑止・打破+米国及び周辺の警戒体制強化

・大規模安定化作戦+遠隔地での長期間の抑止+中規模な

反乱鎮圧作戦+国内の非軍事部門支援

5

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統合エアシーバトル構想統合エアシーバトル構想

背景

○米軍の展開を阻止するアクセス拒否能力を有する国家の存在

・北朝鮮・イランは新しい弾道ミサイルシステムを開発・配備、前方

展開された米軍部隊の安全を脅かすおそれ

・中国は大量の先進的な弾道ミサイル、巡航ミサイル、攻撃型潜水

艦、電子戦能力、コンピュータ・ネットワーク攻撃能力、対宇宙シス

テム等を開発・配備

統合エアシーバトル構想

○空軍と海軍が新しい統合エアシーバトル構想を創造

→洗練されたアクセス拒否能力とエリア拒否能力を有する敵対者を打破するため

○空軍と海軍が全ての作戦領域(空、海、陸、宇宙、サイバー空間)をまたいでどのように能力を統合させていくか

を規定

○本構想は、効果的なパワープロジェクションに必要な将来の能力発展の指針を付与

QDR関係者の発言

「我々は統合エアシーバトル構想を創り出している。これは

70年代にまでさかのぼるエアランドバトル構想の新世代の

後継者である。」フロノイ国防次官の講演(2月2日)

「多岐に及ぶ作戦におけるアクセス拒否能力に対抗するため、

我々は海軍と空軍は一緒になって能力を出し合うべきだと考えて

いた。・・・「相乗効果」(synergy)こそ我々が欲しているものを一

番良く言い当てている言葉だ。・・・詳細については、話すにはま

だ早すぎる。」バーク海軍少将(2月4日)

資料源:Aerospace Daily & Defense Report

「この構想はかつての冷戦中に米国がソ連に対して発展させた

エアランドバトル構想に起源を有するものだ。」

ヒックス国防副次官の記者会見(2月4日)

アクセス拒否能力を有する国家に対応する必要

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<弾道ミサイル脅威>

○ 弾道ミサイル脅威は、質と量の両面で拡大。

○ 米国本土に対する大陸間弾道弾(ICBM)の脅威としては、北朝鮮とイランの動向に注目。

ロシアと中国による米国本土への弾道ミサイル攻撃の可能性は極めて低く、米国のBMD

の重点ではない。

○ 一方、北朝鮮、イラン、シリアなどによる、他の地域における米軍及び同盟国・友好国を攻撃

できる短・中距離の弾道ミサイルの開発は進展しており、明白な脅威。

○ また、中国の弾道ミサイル能力の発展による中台の軍事バランスの傾斜や、非国家主体

によるWMD・ミサイルの拡散等を懸念。

<戦略的・政策的フレームワーク>

○ 限定的なICBM攻撃の脅威から米国本土を防衛。

○ 他の地域において短・中距離弾道ミサイル攻撃の脅威から米軍及び同盟国・友好国を防衛。

○ 試験での検証、財政面での長期的な持続可能性、脅威の変化に対応可能な柔軟性を重視。

○ 国際的なBMD協力の拡大を追求。

<国際協力の強化>

○ 各地域において、開発・調達・配備・運用にわたる国際的なBMD協力の強化を図る。- 東アジア:日本は最も重要な国際的BMD協力のパートナーであり、日米のBMD協力は、米国が追求する

協力関係の極めて優れた例。なかでも、SM-3ブロックⅡAの日米共同開発は、最も重要な協力。韓国・豪州とも協力を追求。

- ロシアともBMD協力を追求。ただし、米国のBMDが制約を受けることは拒絶。- 中国とは戦略的対話を追求。

米国の弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)報告書の概要(Ballistic Missile Defense Review Report)(2010年2月1日公表)

米国の弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)報告書の概要(Ballistic Missile Defense Review Report)(2010年2月1日公表)

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2.日米同盟

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日米協力の進展と課題日米協力の進展と課題

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冷戦期→冷戦後→9/11後と、環境変化に応じ、日米協力の範囲は拡大

主な協力分野・課題○ 政策協議○ 計画検討○ 情報共有・情報保全○ 共同訓練○ ミサイル防衛○ 人道支援・災害救援○ 装備・技術協力○ 新たな分野における協力の検討○ 米軍再編○ 在日米軍駐留経費負担

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16大綱における日米関係の記述(1/2)16大綱における日米関係の記述(1/2)

Ⅱ 我が国を取り巻く安全保障環境(安全保障上の課題への対応)○ 唯一の超大国である米国は、テロとの闘いや大量破壊兵器の拡散防止等の議題に積極的に対処するなど、引き続き、世界の平

和と安定に大きな役割。

(日米安保体制の役割)○日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重

要な役割。

Ⅲ 我が国の安全保障の基本方針1 基本方針(日米安保体制の充実)○日米安全保障体制を基調とする米国との緊密な協力関係を一層充実。

(3つのアプローチ)○我が国自身の努力、同盟国との協力及び国際社会 との協力を総合的に組み合わせ。

(核抑止)○核兵器の脅威に対しては、米国の核抑止力に依存。○核兵器のない世界を目指した現実的・漸進的な核軍縮・不拡散の取組において積極的な役割を果たす。

3 日米安全保障体制(日米同盟の役割)○米国との安全保障体制は、我が国の安全確保にとって必要不可欠。○米国の軍事的プレゼンスは、依然として不透明・不確実な要素が存在するアジア太平洋地域の平和と安定を維持するために不可

欠。○日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、テロや弾道ミサイル等の新たな脅威や多様な事態の予防や対

応のための国際的取組を効果的に進める上で重要な役割。

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16大綱における日米関係の記述(2/2)16大綱における日米関係の記述(2/2)

(戦略目標と米軍再編)○我が国は、新たな安全保障環境とその下における戦略目標に関する日米の認識の共通性を高めつつ、・ 日米の役割分担・ 在日米軍の兵力構成を含む軍事態勢等の安全保障全般に関する米国との戦略的な対話

に主体的に取り組む。

○ その際、米軍の抑止力を維持しつつ、在日米軍施設・区域に係る過重な負担軽減に留意。

(具体的な施策)○以下の施策を積極的に推進することを通じ、日米安全保障体制を強化。・ 情報交換、

・ 周辺事態における協力を含む各種の運用協力、・ 弾道ミサイル防衛における協力、・ 装備・技術交流、・ 在日米軍の駐留をより円滑・効果的にするための取組等の施策

4 国際社会との協力(アジア太平洋地域)○我が国としては、米国との協力と相まって、この地域における安定した安全保障環境の構築に向け、適切な役割を果たす。

Ⅳ 防衛力の在り方

※ 本項以降では、米国関連の記述は、弾道ミサイル攻撃への対応において、「核兵器の脅威については、米国の抑止力と

相俟って、このような取組みにより適切に対応」との記述のみ。

10

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次期防における自衛隊の体制整備

(単位:億円)

防衛関係費と米軍再編関係経費(地元負担軽減分)

21.1 米国 オバマ政権発足21.2 グアム移転協定署名

経費の合理化・効率化のほか、円高、原油価格の下落等により名目伸び率ゼロ以下(骨太2006)に収まる

今 後

72

191602

48,297

▲46347,903

▲39447,815

▲ 88 47,426

▲389 47,028

▲398

909

46,826

▲202

予算案

11

注:資料中の「防衛関係費」には、SACO関連経費及び米軍再編関係経費(地元負担軽減分)は含まれていない。

対前年度比で約162億円の増

45,000

45,500

46,000

46,500

47,000

47,500

48,000

48,500

49,000

49,500

50,000

17年度18年度19年度20年度21年度22年度

防衛関係費 SACO関係経費 米軍再編関係経費

米軍再編関係経費(地元負担軽減分)

在沖海兵隊のグアム移転(真水のみで28億ドル(約3,000億円))、普天間飛行場移設、空母艦載機移駐、再編交付金など

装備品の近代化、運用維持経費の確保、国際活動体制の充実等

18.5 ロードマップ合意

48,297

▲46347,903

▲39447,815

▲ 88 47,426

▲389 47,028

▲39846,826

▲202

909602191

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在日米軍駐留経費負担(HNS)

○包括的な見直しにおいて、より効率的で効果的な経費負担の形を実現することが課題○国民の理解が得られる負担とすることが最低限必要

1980年代の急激な円高と巨額の米国財政赤字を背景に、地位協定の経費負担原則の特例的な暫定措置として開始されたもの1987年度から駐留軍等労働者の諸手当の負担を開始し、1991年度からは基本給及び光熱水料等、1996年度からは訓練移転費についても日本側が負担

特別協定の経緯

日米両政府は、現特別協定の対象期間中(2008年4月~2011年3月)、より効率的で効果的な在日米軍駐留経費負担にするために、包括的な見直しを行うことで合意し、既に見直し作業を開始

包括的な見直し

これまでの国会・部会での議論

総 論 ○ 在日米軍駐留経費負担の水準は、既に国民の理解の範囲を超えている。○ 駐留米軍に対する日本の負担は諸外国と比べ余りにも多すぎる。

労務費 ○ バーテンダー、クラブマネージャー等娯楽性の高い職種の人件費を日本側が負担することが、日米同盟の発展にどう関係するのか。このような負担は納税者から理解が得られない。米側負担とすべき。

光熱水料等 ○ 光熱水料等は、日本以外の諸外国は負担をしていない。なぜ日本だけが光熱水料等の負担をする必要があるのか。

○ 住宅でのエネルギー需要について、一般的に日本に比べて米国のライフスタイルのほうがエネルギー使用量が多いのは事実だが、日本側負担は、普通の日本の家庭の水準までとし、それを超える分は米側負担という方法に変えるべき。

FIP ○ 日本側がFIPで提供している家族住宅は、平均的な日本人の暮らしから見れば非常に豪華であるが、このような支出は国民の理解が得られない。 12

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(参考資料)

(1) QDRの概要

(2) アフガニスタン戦略見直し等

(3) 海洋、宇宙、サイバー空間の利用に関する米国の懸念

(4) サイバー戦の動向

(5) 2010QDRにおける気候変動に関する記述

1.米国の安全保障戦略関連 2.日米同盟関連

(1) 日米安保体制の位置づけ(2) 指針に示された日米両国の役割並びに協力及び調整の在り方(3) 同盟の基盤(4) 同盟の意義・必要性(5) 各国との条約上の相互防衛規定(6) 日米防衛協力の範囲の変化(7) 日米安保共同宣言以降の戦略目標の変化(8) 日米防衛協力の進展(9) 米軍再編:ロードマップに至る経緯(10) 「共通戦略目標」(第1段階)(11) 「役割・任務・能力」(第2段階)(12) 在日米軍の兵力態勢の再編(第3段階)(13) 弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発の概要(14) 能力向上型迎撃ミサイルの必要性(15) オバマ政権における欧州ミサイル防衛のための4段階アプローチ(16) 在日米軍駐留経費負担の経緯(17) 在日米軍駐留経費負担の具体的内容(18) 在日米軍駐留経費負担の推移(19) 在日米軍関係経費(平成22年度予算案)(20) 米国の情勢認識-グローバルトレンド2025(21) 米国の日本関連認識-グローバルトレンド2025(22) 米国の軍事力と経済力

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1 安全保障環境○ 8年以上続くアフガニスタン及びイラクにおける戦争○ 中印の台頭、非国家主体の影響力増大、大量破壊兵器(WMD)の拡散等により、安全保障環境はより複雑、不確実に→紛争が様々な性格を有するハイブリッドなものに

○ 米国は最も強力な主体であり続けるが、平和と安定を維持するためには同盟国及びパートナー国との一層の協力が必要

○ 国際公共財(グローバル・コモンズ:海、空、宇宙、サイバー空間)への侵害、アクセス拒否を行う国家の存在

○ 脆弱国家は過激主義や急進主義の温床となるおそれ

2 戦略的優先事項○ 現在の戦争における勝利(Prevail)○ 紛争の予防(Prevent)と抑止○ 敵の打破及び多岐にわたる緊急事態での成功に向けた備え(Prepare)○ 全志願兵制の維持(Preserve)と強化

3 戦力強化が必要な任務領域○ 米国の防衛及び国内における非軍事部門の支援⇒不測事態対処部隊、放射能・核物資探知能力、対簡易爆弾(IED)能力強化等○ 反乱鎮圧作戦、安定化作戦、対テロ戦での成功⇒情報・監視・偵察(ISR)用の有人・無人の飛行システム、特殊部隊のアセット等○ パートナー国家の治安能力の構築⇒治安部隊支援能力、語学能力、地域及び文化に関する知識等○ アクセス拒否環境下における攻撃の抑止・打破⇒統合空海戦闘構想(エアシーバトル)、長距離攻撃能力、前方展開態勢、C4ISR能力等○ 大量破壊兵器(WMD)の拡散阻止・対抗⇒WMD除去にあたる統合任務部隊司令部、脆弱な核物資の防護、新しい検証技術等○ サイバー空間における効果的な作戦⇒包括的なアプローチ、サイバー活動の指令機能の集中化、他機関・外国政府との協力等

4年毎の国防計画の見直し(QDR)の概要(1/2)(Quadrennial Defense Review)(2010年2月1日公表)

4年毎の国防計画の見直し(QDR)の概要(1/2)(Quadrennial Defense Review)(2010年2月1日公表)

「2010QDR」の構成

1 序文(Preface)

2 要約(Executive summary)

3 序論(Introduction)

4 国防戦略(Defense

strategy)

5 戦力のバランスの修正

(Rebalancing the force)

6 兵士のケア(Taking care

of our people)

7 関係の強化

(Strengthening

Relationships)

8 業務改革(Reforming How

we do business)

9 国防危機管理枠組み

(A defense risk

management framework)

10 結語:今後へ

(Conclusion:The way

ahead)

参-1

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4 戦力のバランスの修正(※)○ 本土防衛から非軍事部門への支援、現在もしくは将来の戦争に至る、多岐にわたる

作戦を実施する能力を保有○ 2つの主権国家による攻撃への対処能力を保持○ 特殊部隊や無人機等を強化する一方、不要な調達の中止・削減(F-22戦闘機等)

5 他国との関係

○ 同盟国、友好国との関係重視、協力的かつ状況に応じた防衛態勢○ 将来の防衛態勢を決定する際、前方配置及びローテーション展開される米軍部隊が引き続き有効かつ必要であること、国外における恒久的プレゼンスの必要性と緊急事態等に対応する柔軟な能力の必要性をバランスすること等を考慮○ 中国の国際社会における役割の拡大は歓迎、軍事力増強や不透明性を懸念、米中関係には信頼関係を強化し誤解を減らすプロセス、不一致について議論する開かれたコミュニケーション・チャンネルが必要○ 北朝鮮・イランは新しい弾道ミサイルシステムを開発・配備、前方展開された米軍部隊の安全を脅かすおそれ○ ロシアと多くの利害を共有、STARTⅠ後継条約等で協力、ロシアからの地対空ミサイルの拡散は脅威○ アジア・太平洋では、日本・韓国への拡大抑止を含め地域安定のため必要となる米軍のプレゼンスを適応。在日米軍の長期的なプレゼンスを保証し、グアムを地域における安全保障に係る活動のハブにする二国間の再編ロードマップ合意の実施に向けて、日本とともに引き続き取り組む

6 その他○ 兵士の重視:負傷兵士のケア、持続可能な派遣テンポ、家族への支援○ 他国の治安能力向上のための支援を重視○ 調達改革、産業基盤の強化○ 気候変動やエネルギー問題に対する戦略を発展

※ 2010年QDRの

戦力構成について

○現在の弾道ミサイル防衛シス

テム、戦略核兵器について

はそれぞれ「弾道ミサイル防

衛見直し(BMDR)」、「核態勢

見直し(NPR)」で規定される

ため、今回のQDRでは言及

無し。

○現在戦っている戦争と将来に

対する備えの「バランス」を

唱えた「2008年国家防衛戦

略」が今回のQDRの戦略的

基礎。

○喫緊ではない兵器調達プロ

グラムの中止等を求めた10

年度国防予算の方針を踏襲。

記者会見するゲーツ長官とマレン統合参謀本部議長(1日、国防省)

4年毎の国防計画の見直し(QDR)の概要(2/2)(Quadrennial Defense Review)(2010年2月1日公表)

4年毎の国防計画の見直し(QDR)の概要(2/2)(Quadrennial Defense Review)(2010年2月1日公表)

参-2

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アフガニスタン戦略見直し等アフガニスタン戦略見直し等

オバマ大統領によるアフガニスタン戦略見直し(2009年12月1日発表)(概要)● 目 的・アフガン及びパキスタンにおいてアルカイダを分断、解体、打破すること・将来アルカイダが米国及び同盟国に脅威を与えうる能力を保有することを防止

● 目 標・アルカイダに聖域を与えず、タリバンの勢いを押し戻す。・アフガン治安部隊及び政府の能力を強化し、将来のアフガンにおける責任を主導することを可能とする。⇒以下の3つの方法によりこれらの目標を達成①タリバンの勢いを断ち切りアフガン政府の能力を18ヶ月で向上させる軍事戦略を追求・反政府勢力への対応等のため3万人の追加部隊派遣(2010年の前半に展開)(注)

・2011年7月にアフガンから撤収を開始

② パートナーと協働してより実効的な民生戦略を追求③ パキスタンとの実効的なパートナーシップの強化

●本戦略の初年(FY2010)の戦費は300億ドル

(注)米軍兵力の推移(米国防省資料等)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21

10年夏までに増派完了後、約10万人

2006年1月

2008年1月

2005年1月

2007年1月

2009年1月

アフガニスタンに関するロンドン国際会議(2010年1月28日)(成果概要)●全般

・アフガン政府は、安全を維持し、主権を行使し、政府を提供し、経済繁栄の条件を作り出すとともに、領域全般において建設的な役割を果たす必要がある。

●合意事項

・2010年末/2011年初頭から、段階的にアフガン政府への権限の移譲を開始する。・2011年10月までに、アフガン軍を171,600名、警察を134,000名まで増加させる。(09年12月時点において、アフガン軍は100,130名、警察は96,380名)・国際社会が、米軍30,000名、その他ISAF等貢献国等9,000名を含み135,000名まで軍事的貢献を増加させる。・「高等監督事務所」、「監視・評価ミッション」を設立し、汚職の撲滅に取り組む。・新たな文民代表の任命を含み、文民のアフガンへの派遣を増加させる。・地方政府の強化に取り組む。・「復興信託基金」、「平和再統合プログラム」を通じ、アフガン政府を支援する。・テロ及び麻薬取引と戦うため、及び、文化交流の促進、アフガン難民の帰還条件の創造のため、近隣地域協力を促進する。

参-3

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○ 過去60年間以上、米国は国際公共財(グローバルコモンズ)の安全を確保。

○ グローバルな繁栄は、思想、物資、サービスの自由な流れの上に成立。

・ 航空機または船で輸送される物資、海底や宇宙空間を経由して伝達される情報が、その目的地に安全に到達するとの基本的信用なくしては不可能。

○ アクセス拒否技術及び戦術の発展及び拡散は、この信用を脅かすもの。

○ 国家安全保障上のニーズを満たすため、グローバルコモンズにおける行動の自由と、世界の重要地域への戦略的アクセスが必要。

海洋、宇宙、サイバー空間の利用に関する米国の懸念海洋、宇宙、サイバー空間の利用に関する米国の懸念

国家防衛戦略(National Defense Strategy (NDS)) 2008.7

○ 最近の一連のトレンドは、グローバルコモンズの安定性への挑戦の増大を示唆。

・ 海外におけるサイバー空間への攻撃や国内におけるネットワークへの侵入

・ 海賊の増加

・ ASAT実験と宇宙を利用する国家の増加・ 基地、海空アセット、それらを支援するネットワークといった戦力投射の手段にとっての脅威となるシステムに投資を行う国家の存在

QDR(4年毎の国防計画の見直し) 2010.2

とりわけ、海上交通路、サイバー空間、宇宙の利用の阻害に対する懸念の増大

参-4

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サイバー戦の動向サイバー戦の動向

●ネットワークへの不正アクセスによる機能不全、情報窃取

● マルウェア(コンピュータ・ウィルス、スパイウェア等の「悪意のこ

もった」ソフトウェア)の使用によるコンピュータやネットワークの破壊、

情報窃取

●上記を組み合わせた例としてDDOS(Distributed Denial of Service Attack, 分散型サービス拒否攻撃)による機能不全

CNA及びCNEの主な形態

米国防省はサイバー戦を「コンピュータ・ネットワーク作戦(CNO: Computer Network Operations)」と呼称、CNOを以下の3つに分類。●コンピュータ・ネットワーク攻撃(CNA: Computer Network Attack):コンピュータやコンピュータ・ネットワークに存在する情報、またはコンピュータやネットワーク自体を妨害、否定、劣化、破壊することを目的とした、コ

ンピュータ・ネットワークの使用を通じて取られる行動

●コンピュータ・ネットワーク防衛(CND: Computer Network Defense):情報システム及びコンピュータ・ネットワーク内での不正活動を防止、監視、分析、検出するために取られる行動

●コンピュータ・ネットワーク活用(CNE: Computer Network Exploitation):標的または敵対者の自動化された情報システムまたはネットワークからデータを収集するために、コンピュータ・ネットワークの使用を通じて取

られる行動

サイバー戦とは(参考)日本政府によるサイバー攻撃の定義「情報通信ネットワークや情報システムを利用した電子的な攻撃」(平成17年12月1日情報セキュリティ政策会議決定「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る行動計画」より)

● 時間的・地理的な制約が無い

●攻撃者にとってのリスクが小さい

● コストが小さい

●成功した場合の社会的被害、影響が甚大

軍事とサイバー戦

CNA及びCNEの特徴

●中国、北朝鮮等がサイバー攻撃部隊を強化● 2007年、イスラエルはシリアの原子炉爆撃前にサイバー攻撃● 2008年のロシアのグルジアに対するサイバー攻撃は軍事侵攻と連動『2008韓国国防白書』、『2009年中国の軍事力に関する年次報告書(米国防省)』

等による

サイバー攻撃が軍事の一構成要素として確立されつつある

20,547 18,827 69,107 113,025

140,690

624,267

1,656,227

0

200000

400000

600000

800000

1000000

1200000

1400000

1600000

1800000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

新たに探知された悪意あるマルウェア数

出典:Symantec Global Internet Security Report

DDOS攻撃機能不全

標 的

攻撃指令DoS攻撃

防御が難しい!

より悪質!ボットネット

数千・数万の踏み台コンピュータ

参-5

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○気候変動の位置付け気候変動及びエネルギーは、将来の安全保障環境形成上重要な役割を担うことになる2つの主要な問題。

○気候変動がもたらす影響①作戦環境、役割及び任務を形成・ 気候変動は、飢餓、環境悪化、脆弱な政府の弱体化、食料・水不足、伝染病、大量移民発生の要因となる可能性・ 気候変動単独では紛争の原因にはならないが、不安定な状態や紛争を加速させうる可能性・ 軍による人道支援、災害対処への需要増大・ 20~30年後には北極圏での交易・運輸が可能に

②軍の施設及び能力に対する影響・ 即応性は訓練施設等へのアクセスに左右されるが、30以上の軍施設が海面上昇による危機に直面

○米国防省による取組・国防省は、気候変動の影響を評価・適応・軽減する取組を促進・ 気候変動による安全保障への影響に対処するため、国防省は、全政府的な取組を通じて、伝統的な同盟国及び新たな

パートナーと協同する必要・ 北極圏における通信・捜索救難、環境調査等に取り組む。

(参考:エネルギー対策)○エネルギーの効率性は、戦場における部隊の移動範囲及び持続性を増加。エネルギー補給線の防護兵力の減少を可能とし、戦力を増強する役割を担うことが可能○国防省は、運用効率を向上させるため、再生可能エネルギーの使用を増加させるとともに、エネルギー需要を減少。米国による気候変動への取組を支援するため、温室効果ガスの排出を減少。また、国防省はエネルギー価格変動の影響を低減○各軍による取組の例・ 陸軍:500台のハイブリッド車を含む7万台の非戦闘車両の更新・ 海軍:電気駆動機関搭載艦船の就役を含め2016年までにバイオ燃料と原子力を用いた「グリーン」空母打撃群を展開・ 空軍:2016年までに国内で使用する航空燃料の50%を代替燃料化

2010QDRにおける気候変動に関する記述2010QDRにおける気候変動に関する記述

参-6

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日米安保体制の位置づけ日米安保体制の位置づけ

国防の基本方針(昭和32年閣議決定)

防衛政策の基本(昭和62年閣議決定等)

防衛計画の大綱(平成16年閣議決定)

○ 安全保障基盤の確立○ 適切な防衛力整備○ 日米安全保障体制を基調○ 国連等を含む外交努力

○ 専守防衛○ 軍事大国とならない○ 日米安保体制の堅持○ 文民統制の確保○ 非核三原則○ 節度ある防衛力整備

○ わが国自身の努力○ 同盟国との協力→日米安保体制の強化

○ 国際社会との協力

わが国の防衛・安全保障政策における日米安保体制の位置付け

日米安保体制の意義・役割

1.我が国の安全確保 2.アジア太平洋地域の平和と安定の確保 3.国際的な安全保障環境の改善

日米安保条約(1960年1月19日署名、6月23日発効)の主要規定

第5条 武力攻撃に対する措置

第6条 施設、区域の提供

日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。

参-7

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→→ より効果的かつ信頼性のある日米協力を行うための堅固な基礎を構築→→ 日米両国の役割並びに協力及び調整の在り方についての一般的な大枠及び方向性を提示

指針の目的

→→ 日米両国政府が各々所要の防衛態勢を維持

○情報交換及び政策協議

○安全保障面での種々の協力

・ 安全保障対話・防衛交流

・ 国際的な軍備管理・軍縮

・ 国連平和維持活動及び 人道的な国際救援活動

・ 緊急援助活動

○日米共同の取組み

・ 共同作戦計画についての検討等に関する共同作業の実施

・ 共同演習・訓練の強化

・ 緊急事態における調整メカニズムの構築

→→ 日米防衛協力の中核的要素

○日本に対する武力攻撃に際しては、

自衛隊が主体となって防勢作戦を実施

米軍は、これを支援するとともに、自衛隊の能力を補完(打撃力の使用を伴う作戦を含む。)

○ 航空侵攻対処、海域防衛及び海上

交通保護、着上陸侵攻対処のための作戦を共同で実施するとともに、

・ ゲリラ・コマンドウ攻撃

等その他の脅威にも密接に協力

○自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。

→→ 日米は、事態の拡大の抑制のためのものを含め、適切な措置をとるとともに、相互支援を行う

○日米両国が各々主体的に行う活動における協力・ 救援活動及び避難民への対応

・ 捜索・救難

・ 非戦闘員退避活動

・ 国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動

○米軍の活動に対する日本の支援

・ 施設の使用

・ 後方地域支援(補給、輸送、整備、衛生、警備、通信、その他)

○運用面における日米協力

・ 警戒監視 ・ 機雷除去

・ 海・空域調整

平素から行う協力 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等

周辺事態における協力

指針に示された日米両国の役割並びに協力及び調整の在り方指針に示された日米両国の役割並びに協力及び調整の在り方

※ 現行の指針は、96年4月の「日米安全保障共同宣言」を踏まえ、78年の「日米防衛協力のための指針」の見直しを進め、これに代わるものとして97年9月23日に公表。

参-8

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同盟の基盤同盟の基盤

【同盟の評価】○ 日米関係:歴史上最も成功している(最も成熟した)二国間関係の一つ○ 世界の平和と地域の安定並びに繁栄に深甚かつ積極的な貢献。

【 同盟の基盤-価値観と利益の共有 】○ 深遠な共通の価値:自由の維持、民主主義の追求及び人権の尊重○ 共通の脅威に対処。自由、人間の尊厳及び人権、民主主義、市場経済、法の支配といった普遍的価値観

○ 同盟関係がもたらす平和と繁栄の利益○ テロとの闘いにおける勝利、地域の安定と繁栄の確保、市場経済の理念・体制の推進、人権の擁護、シーレーンを含む公海・通商の自由の確保、地球的規模のエネルギー安全保障の向上といった利益を共有

同盟の基盤

(出典:日米安保共同宣言(96年)、「新世紀の日米同盟」(06年))

参-9

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○ 同盟関係は、(アジア太平洋)地域の力強い経済成長の土台○ 「世界の中の日米同盟」が一貫して建設的な役割○ 共通の安全保障上の目標を達成するとともに、21世紀に向けてアジア太平洋地域において安定的で繁栄した情勢を維持するための基礎・日本の防衛のための最も効果的な枠組みは、日米両国間の緊密な防衛協力。米国の抑止力は引き続き日本の安全保障の拠り所・米国が引き続き軍事的プレゼンスを維持することは、アジア太平洋地域の平和と安定の維持のために不可欠。(同盟は)地域における米国の肯定的な関与を支える重要な柱の一つ

同盟の意義

(出典:日米安保共同宣言(96年)、「新世紀の日米同盟」(06年))

○ 今日の国際社会において、国の平和と独立を確保しようとすれば、あらゆる事態に対応できる隙のない防衛態勢を構築する必要。○我が国が独力でこのような態勢を保持することは、国力の観点から容易でない。また、我が国の政治的姿勢として適切なものといえず、必ずしも地域の安定に寄与するものではない。○このため、米国との同盟関係を構築し、米国の強大な軍事力による抑止力を有効に機能させることで、自らの適切な防衛力の保持と合わせて隙のない態勢を構築。・相手国は、自衛隊のみならず、米国の有する強大な軍事力とも直接対決する事態に陥ることを覚悟しなければならなくなるため、我が国に対する侵略を躊躇せざるを得ず、侵略は未然に防止される。

同盟の必要性

(出典:「日本の防衛」(平成20年版))

同盟の意義・必要性同盟の意義・必要性

参-10

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各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなす

ことに同意する。したがって、締約国は、そのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が、国際連合憲章第五十一条の規定によって認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。

各締約国は、現在それぞれの行政的管理の下にある領域又はいずれか一方の締約国が他方の締約国の行政的管理の下に適法に置かれることになったものと今後認める領域における、いずれかの締約国に対する太平洋地域における武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

各締約国は、太平洋地域におけるいずれか一方の締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

各当事国は、太平洋地域におけるいずれかの当事国に対する武力攻撃を、自国の平和及び安全を危うくするものと認め、かつ、自国の憲法上の手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

日米安全保障条約第5条

北大西洋条約第5条

米韓相互防衛条約第3条

米比相互防衛条約第4条

アンザス条約第4条

各国との条約上の相互防衛規定各国との条約上の相互防衛規定

参-11

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【平素から行う協力】

○日米が各々所要の防衛態勢を維持

○地域的及び地球的規模の諸活動を促進するための日米協力・安保対話、軍備管理・軍縮、PKO 等

○共同作戦計画、周辺事態に際しての相互協力計画、調整メカニズムの構築 等

【対日本武力攻撃への対処行動】

○引き続き日米防衛協力の中核

○ゲリ・コマ攻撃(自衛隊:排除作戦を主体的に実施。米軍:適切な支援)。弾道ミサイル対応(自衛隊・米軍:協力、調整。米軍:情報提供、打撃力使用)

【周辺事態における協力】

○日米が各々主体的に行う活動

・救援活動、捜索・救難 等

○米軍の活動に対する日本の支援

・施設の使用、後方地域支援

○運用面における日米協力

・自衛隊:警戒監視、機雷除去

・米 軍:平和・安全の回復のための活動

日米防衛協力の範囲の変化日米防衛協力の範囲の変化

【侵略を未然に防止する態勢】

○日本:防衛力保有、施設・区域の使用確保

○米国:核抑止力保持、前方展開・来援兵力保持

○日本防衛のための共同作戦計画の研究

【対日本武力攻撃への対処行動】

○自衛隊:限定的かつ小規模な侵略を独力で排除。主として防勢作戦を実施。

○米 軍:自衛隊を支援。自衛隊の機能補完のための作戦(打撃力等)を実施。

【極東における事態での協力】

○随時協議

○米軍に対する便宜供与のあり方を研究

以下の二つの分野に重点を置いて日米間の役割・任務・能力を検討

【日本の防衛・周辺事態への対応】

○これまでの日米間防衛協力における重要事項を確認

【国際的な安全保障環境改善】

○国際的な安保環境を改善する上での二国間協力は、同盟の重要な要素

○迅速・実効的な対応のため、柔軟な能力を必要とし、日米二国間協力・政策調整から利益。定期的な演習により、かかる能力を向上

○他国との協力を強化

冷戦期(前「指針」(78年)) 冷戦後(現「指針」(97年)) 9/11後(「2+2文書」(05年))

○ 日米同盟は、冷戦期→冷戦後→9/11後と、環境変化に応じ、防衛協力の範囲を拡大(我が国防衛中心⇒周辺事態への対応⇒国際的な安全保障環境の改善)

参-12

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○ 「2+2」共同発表 (05年2月)(いわゆる共通戦略目標)

日米安保共同宣言以降の戦略目標の変化日米安保共同宣言以降の戦略目標の変化

○ 日米は、「日米安保共同宣言」以降、より幅広い戦略目標を共有

○ 地域に関しては、朝鮮半島、中国に関し、より詳細な目標を設定

○ グローバルな問題に関しては、不拡散、テロを新たな問題として目標設定

地域地域

世界世界

参-13

・日本の安全/地域の平和と安定・朝鮮半島の平和的統一、北朝鮮に関連する諸問題の平和的解決・中国の責任ある建設的役割を歓迎し協力関係を発展、台湾海峡を巡る問題の平和的解決、中国の軍事分野での透明性向上・ロシアの建設的関与等

・国際社会での民主主義等の基本的価値推進・国際平和協力活動等における協力・大量破壊兵器不拡散、テロ防止・根絶・国連安保理の実効性向上等

○ 「日米安保共同宣言」(96年4月)

地域地域

地球的規模地球的規模

・地域における諸問題の平和的解決・朝鮮半島の安定、韓国と緊密に協力

・中国の肯定的かつ建設的な役割の重要性を踏まえ、中国との協力を深化

・ロシアにおける改革プロセスへの協力、日露関係の完全な正常化

・国際平和協力活動等における協力・軍備管理及び軍縮等の問題についての政策調整及び協力・国連及びAPECにおける協力等

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日米防衛協力の進展日米防衛協力の進展

参-14

平成

西暦

政権

米政権

○イラク、クウェート侵攻 ○米朝合意 ○北朝鮮弾道ミサイル発射 ○9.11テロ ○イラク戦争 ○北朝鮮弾道ミサイル発射(90年8月) (94年10月) (98年8月) (01年9月) (03年3月) (06年7月)○湾岸戦争 ○米兵少女暴行事件 ○能登半島不審船 ○米英軍アフガン攻撃 ○北朝鮮核実験(91年1月) (95年9月) (99年3月) (01年10月) (06年10月)○ソ連崩壊 ○中台緊張 ○米ABM脱退 北朝鮮ミサイル発射○(91年12月) (02年6月) (09年4月)

北朝鮮核実験○(09年5月)

22

2010

鳩山(09.9-

オバマブッシュ

主要事象

安倍(06.9-07.9)

ブッシュ クリントン

福田(07.9-08.9)

村山(94.6-96.1)

橋本(96.1-98.7)

海部(89.8-91.11)

宮沢(91.11-93.8)

日米安保関係

枠組実績

細川(93.8-94.4)

羽田(94.4-6)

14

2002

小渕(98.7-00.4)

森(00.4-01.4)

小泉(01.4-06.9)

12 13

2000

19

2003 2004 2005 2006 2007

15 16 17 1810 11

1998 1999 2001

08 09

1996 1997

06 07

1994 1995

04 05

1992 1993

麻生(08.9-09.9)

21

2009

20

2008

02

1990

03

1991

96年4月 「日米安保共同宣言」・日米安保関係が、地域の安定と繁 栄の基礎であることを再確認・米国の軍事的プレゼンス維持は、 地域の平和と安定に不可欠

02年12月「2+2」共同発表・9.11後の新たな安全保障環 境における問題を協議・両国間の安全保障に関する 協議を強化

05年2月~06年5月米軍再編協議・共通戦略目標・役割・任務・能力・兵力態勢再編の合意

06年6月 日米首脳会談

91.4 掃海艇ペルシア湾派遣

92.8 国際平和協力(PKO)法

96.4 ACSA署名

96.12 SACO最終報告

97.9 新ガイドライン

99.5周辺事態安全確保法等

00.11 船舶検査活動法

01.11 警護出動

01.11-07.11 テロ対策特措法

01.12 PKO法凍結解除

03.6 武力攻撃事態対処法等3法

03.8-09.7 イラク特措法

04.6 ACSA改正

04.6 米軍行動支援法等

06.5 再編の実施のための日米ロードマップ 07.5 再編特措法

08.1-10.1 補給支援特措法

10年1月 「2+2」共同発表・日米安保条約署名50周年に当 たり、日米同盟の深化に係る 取組を強化

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米軍再編:ロードマップに至る経緯米軍再編:ロードマップに至る経緯

安全保障環境の変化に対応するため、防衛・安全保障に関する戦略について協議を実施

○ 「ロードマップ」に示された再編案は統一的なパッケージとなっており、これらを着実に進めていくとの方針は、これまで日米両国間で累次にわたり確認。

○ 「ロードマップ」策定以降、再編案の実現に向け、日米間で緊密な連携を維持。再編のプロセスは、計画段階から実施段階へと移行しつつある。

共通戦略目標(第1段階)の確認:05年2月19日「2+2」(注)共同発表

地域:日本の安全/地域の平和と安定、北朝鮮関連問題の平和的解決、中露の建設的役割等世界:国際平和協力活動における協力、大量破壊兵器の不拡散推進、テロの防止・根絶等

役割・任務・能力(第2段階)の検討のとりまとめ:05年10月29日「2+2」文書

○ 第1段階で確認された共通戦略目標を達成するため、自衛隊及び米軍の役割・任務・能力について検討。 → 「日米同盟:未来のための変革と再編」

○ 兵力態勢の再編の指針として、「自らの防衛について主導的な役割を果たすこと」等を設定

在日米軍の兵力態勢の再編(第3段階)のとりまとめ:06年5月1日「2+2」共同発表

○ 第2段階における検討を踏まえ、これらを具体化するために必要な在日米軍及び関連する自衛隊の態勢について検討。

○ 「抑止力の維持」と「地元の負担の軽減」を基本的な考え方として検討。○ 具体的な施策を としてとりまとめ。「再編の実施のための日米ロードマップ」

(注)「2+2」:日米安全保障協議委員会(Security Consultative Committee. 外務大臣・防衛大臣+米国務長官・米国防長官) 参-15

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○ 共通の戦略目標

○ 安全保障環境を確認(テロ・大量破壊兵器等の新たな脅威、アジア太平洋地域における不透明性・不確実性の継続等)

地域地域

○ 以下の共通の戦略目標を、各々の努力、日米安保体制の実施、同盟関係を基調とする協力を通じて追求していくことを確認

・日本の安全を確保し、アジア太平洋地域における平和と安定を強化するとともに、日米両国に影響を与える事態に対処するための能力を維持する。・朝鮮半島の平和的な統一を支持する。・核計画、弾道ミサイルに係る活動、不法活動、北朝鮮による日本人拉致といった人道問題を含む、北朝鮮に関連する諸懸案の平和的解決を追求する。・中国が地域及び世界において責任ある建設的な役割を果たすことを歓迎し、中国との協力関係を発展させる。・台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す。・アジア太平洋地域におけるロシアの建設的な関与を促す。・北方領土問題の解決を通じて日露関係を完全に正常化する。・平和で、安定し、活力のある東南アジアを支援する。・地域メカニズムの開放性、包含性及び透明性の重要さを強調しつつ、様々な形態の地域協力の発展を歓迎する。・不安定を招くような武器及び軍事技術の売却及び移転をしないように促す。・海上交通の安全を維持する。

・国際社会における基本的人権、民主主義、法の支配といった基本的な価値を推進する。・世界的な平和、安定及び繁栄を推進するために、国際平和協力活動や開発支援における日米のパートナーシップを更に強化する。・NPT、IAEAその他のレジーム及びPSI等のイニシアティブの信頼性及び実効性を向上させること等を通じて、大量破壊兵器及びその運搬手段の削減と不拡散を推進する。・テロを防止し、根絶する。・現在の機運を最大限に活用して日本の常任理事国入りへの希望を実現することにより、国連安全保障理事会の実効性を向上させるための努力を連携させる。・世界のエネルギー供給の安定性を維持・向上させる。

「共通戦略目標」(第1段階)「共通戦略目標」(第1段階)

参-16

世界世界

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「役割・任務・能力」(第2段階)「役割・任務・能力」(第2段階)

1. 基本的な考え方1. 基本的な考え方

(1) 日本の防衛・周辺事態への対応

(2) 国際的な安全保障環境の改善への取組

○ 共通の戦略目標の達成のため、国際的な安全保障環境を改善する上での日米協力は、同盟の重要な要素に。

この目的のため、日米は、それぞれの能力に基づいて適切な貢献を行うとともに、実効的な態勢を確立するための

必要な措置を実施。

○ 迅速かつ実効的な対応には柔軟な能力が必要であり、緊密な二国間協力・政策調整は、そのような対応に資す

る。定期的な演習(第3国とのものも含む)は柔軟な能力を向上。

○ 自衛隊・米軍は、国際的な安全保障環境を改善するための国際的な活動に寄与するため、他国との協力を強化。

○ 二国間の防衛協力は、日本の安全と地域の平和と安定にとって引き続き死活的に重要。○ 日本は、新たな脅威や多様な事態(弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略等含む)への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応。

○ 米国は、日本の防衛、周辺事態の抑止・対応のため、前方展開兵力を維持し、必要に応じてこれを増強。米国は日本の防衛のために必要な全ての支援を提供。

○ 日本の防衛、周辺事態への対応に際しての日米の活動は整合を図る。○ 日本は米軍施設・区域を含む接受国支援(HNS)を引き続き提供するとともに、米軍の活動に対して、事態の進展に応じ切れ目のない支援の提供など適切な措置を実施。日米は、在日米軍のプレゼンス・活動に対する安定的な支持を確保するために地元と協力。

○ 米国の打撃力・核抑止力は、日本の防衛を確保する上で、引き続き日本の防衛力を補完する不可欠のものであり、地域の平和と安全に寄与。

参-17

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● 防空 ● 弾道ミサイル防衛

● 拡散阻止活動(PSI 等) ● テロ対策

● 海上の交通の安全を維持するための機雷掃海、海上阻止行動等 ● 捜索・救難活動

● 情報・監視・偵察活動(ISR)(無人機(UAV)や哨戒機によるものを含む)

● 人道救援活動 ● 復興支援活動

● 平和維持活動及び他国の平和維持の取組に対する能力構築

● 重要インフラ(在日米軍施設・区域等)の警護

● 大量破壊兵器による攻撃への対応(大量破壊兵器の廃棄及び除染を含む)

● 相互の後方支援活動(補給〈洋上補給・空中給油を含む〉、整備、輸送〈航空輸送、高速輸送艦(HSV)

によるものを含む海上輸送〉等)

● 非戦闘員退避活動(NEO)のための輸送、施設の使用、医療支援等

● 港湾・空港、道路、水域・空域及び周波数帯の使用

2.二国間の安全保障・防衛協力において向上すべき活動の例2.二国間の安全保障・防衛協力において向上すべき活動の例

日米間の協力の更なる向上のための鍵となる分野として、以下の15分野を列挙。

(ただし協力分野はこれに限定されない。)

参-18

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(1) 緊密かつ継続的な政策及び運用面の調整 米軍-自衛隊間の共通運用画面の共有、防衛当局と他の関係当局と

の緊密な協力

「指針」の下の各種メカニズムの実効性向上

(2) 計画検討作業の進展 有事法制を反映(自衛隊と米軍による空港、港湾の利用)、関係省庁・

地方公共団体との調整、空港・港湾の詳細な調査

(3) 情報共有及び情報協力の向上 共有情報を関係省庁との間で保護するための追加的措置

(4) 自衛隊と米軍の相互運用性の向上 特に司令部レベルにおける相互運用性の向上

(5) 日本及び米国における訓練機会の拡大 日本における日米共同訓練、自衛隊のグアム等での訓練の拡大

(6) 自衛隊及び米軍による施設の共同使用 (兵力態勢の再編において具体的に記述)

(7) 弾道ミサイル防衛(BMD) 不断の情報収集、情報共有、即応性と相互運用性維持

米国は、適切な場合、日本及びその周辺に補完的な能力を展開

3. 二国間の安全保障・防衛協力の態勢を強化するための不可欠な措置3. 二国間の安全保障・防衛協力の態勢を強化するための不可欠な措置

4. 今後の取り組み4. 今後の取り組み

二国間協力の実効性を確保するため、

○ 役割・任務・能力の検討を深化。

○ 「指針」の下での二国間協力の実効性の強化、改善。

(適切な場合には 、「指針」に示されていない分野も対象。)

二国間の安全保障・防衛協力の態勢を強化するために平時からとり得る措置として、以下を特定。

参-19

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在日米軍の兵力態勢の再編(第3段階)在日米軍の兵力態勢の再編(第3段階)

○ 司令部間の連携向上や相互運用性向上は、日本及び米国にとって決定的に重要な中核的能力。○ 在日米軍司令部が二国間の連携を強化する上で引き続き重要。○ 定期的な訓練及び演習や、これらの目的のための施設・区域の確保は、兵力の即応性、運用能力及び相互運用性を確保する上で不可欠。○ 訓練の分散により、訓練機会の多様性を増大し、訓練が地元に与える負担を軽減することが可能。○ 自衛隊及び米軍の施設・区域の軍事上の共同使用は、二国間協力の実効性の向上と効率性を高める上で有意義。○ 施設・区域には十分な収容能力が必要。平時における日常的な使用水準以上の収容能力は、緊急時の所要を満たす上で決定的に重要かつ戦略的な役割。○ 施設・区域の収容能力は、災害救援や被害対処の状況など、緊急時における地元の必要性を満たす上で不可欠かつ決定的に重要な能力を提供。○ 米軍施設・区域が人口密集地域に集中している場所では、兵力構成の再編の可能性について特別の注意が払われる。○ 米軍施設・区域の軍民共同使用を導入する機会は、適切な場合に検討される。このような共同使用は、軍事上の任務・運用上の所要と両立するものでなければならない。

兵力態勢の再編における指針となる考え方の概要(05年10月29日「日米同盟:未来のための変革と再編」)

再編案の関係(06年5月1日「再編の実施のための日米ロードマップ」)

○ 個別の再編案は、統一的なパッケージとなっている。○ 全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。○ 特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。

○ 沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かって いる。

参-20

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○ 能力向上型迎撃ミサイル:従来脅威への対処能力の向上とともに、高性能・多様化する将来の弾道ミサイル脅威に対処可能とするため、SM-3 ブロックIA型誘導弾の後継となる能力向上型迎撃ミサイル(SM-3 ブロックIIA)の日米共同開発(SCD)を2006年度より実施。

○ 開発経費: 日米開発分担をまず議論し、分担部位を実現する上で必要な経費を負担。(開発着手時の当初経費見積もりでは、日本側10~12億ドル、米国側11~15億ドル程度と試算。)

○ 開発期間: 9年間(2006年度~2014年度)

SCD: SM-3 Block IIA Cooperative Development

SM-3 ブロックⅡA

(日米共同開発の対象)

クラムシェル型21インチノーズコーン→目標探知信頼性の向上

21インチキネティック弾頭

-2波長シーカ→識別能力の向上→目標捜索範囲の拡大

-21インチDACS→運動性能の向上

21インチロケットモータ→推進能力の増大

キネティック弾頭

・1波長赤外線シーカ

・13.5’’DACS

13.5’’ロケットモ-タ

Pitch & Ditch(脱頭)式ノーズコーン

SM-3ブロックⅠA(米国開発)

能力向上

弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発の概要弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発の概要

参-21

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○○ 従来脅威への対処能力の向上(従来脅威への対処能力の向上(防護範囲の拡大、撃破能力の向上防護範囲の拡大、撃破能力の向上))我が国に飛来する弾道ミサイルに対しては、日本防衛に万全を期すため、防護範囲の拡大、撃破能力の向上が重要であり、能力向上型迎撃ミサイルにより、より確実に防護

SM-3ブロック IAによる防護 能力向上型迎撃ミサイルによる防護

2隻で防護1隻による防護も

可能

対処能力の向上

○○ 将来脅威への対応将来脅威への対応将来(2010年代)予測される迎撃回避手段(例:おとり)や飛翔軌道の多様化(ロフテッド軌道)などをとる弾道ミサイルの迎撃を可能とする迎撃ミサイルを開発し、我が国国民の安全・安心を確保する必要

迎撃回避手段

ミニマムエナジー軌道:効率的に飛しょうし、射程を最も大きくする軌道

ロフテッド軌道:ミニマムエナジー軌道より高い軌道を取ることにより、最大射程よりも短い射程となるが、落下速度を速くする軌道

ミニマムエナジー軌道

ロフテッド軌道

能力向上型迎撃ミサイルの必要性能力向上型迎撃ミサイルの必要性

参-22

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第1段階(2011年頃まで)

第2段階(2015年頃まで)

第3段階(2018年頃まで)

第4段階(2020年頃まで)

対象脅威 •欧州及び展開された米国の要員とその家族に対する地域的な弾道ミサイル脅威

•短・準中距離ミサイル脅威(防護範囲を拡大)

•短距離・準中距離・中距離ミサイル脅威

•準中距離・中距離ミサイル脅威

•米国に対する将来のICBM脅威

アセット • SM-3 ブロックⅠA(海上配備型)

•海上配備型イージス武器システム、

• AN/TPY-2レーダー

• SM-3 ブロックⅠB(海上/陸上配備型)

• より発展的なセンサー

• SM-3 ブロックⅡA(開発中)

• SM-3 ブロックⅡB(開発予定)

条件 今後2年間で導入可能な実証されたミサイル防衛システムを配備

適切な試験の終了後 開発と試験の終了後 開発と試験の終了後

資料源:米国ミサイル防衛政策についてのファクトシートFact Sheet on U.S. Missile Defense PolicyA “Phased, Adaptive Approach” for Missile Defense in Europe(The White House, Office of the Press Secretary, 17 Sep.2009)

現在のBMDの技術的向上と欧州に対するイランの脅威を再評価した結果を踏まえ、欧州におけるBMD体制を、以下の4つのフェーズで構築詳細は将来の技術発展及び脅威変化により変更があり得る

オバマ政権における欧州ミサイル防衛のための4段階アプローチオバマ政権における欧州ミサイル防衛のための4段階アプローチオバマ政権における欧州ミサイル防衛のための4段階アプローチ

参-23

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調整手当等全額まで

調整手当等半額まで

光熱水料等 光熱水料等光熱水料等

基本給等44項目

基本給等44項目

基本給等44項目

訓練移転費 訓練移転費訓練移転費

光熱水料等

基本給等43項目

:地位協定上の我が国の義務

:地位協定上、我が国が負担可能

:地位協定上は米側が負担義務を負うが、特別協定により我が国が負担

土地の借料、周辺対策費等(注5)

提供施設整備(FIP)

労務費の一部(格差給、語学手当等) (注4)

労務費の一部(福利費、管理費)

S53

労務費 特別協定

改正

議定書

特別協定

(5年間)

特別協定

(5年間)

特別協定

(5年間)

特別協定

(2年間)

(注1) 「在日米軍駐留経費負担」には「SACO関係経費」及び「米軍再編関係経費」の下での訓練移転費は含まれない。

(注2) 歳出ベースの金額。

(注3) 在日米軍駐留に関連する総経費には試算額や推計額も含まれる。

(注4) 格差給等(格差給、語学手当、退職手当の一部)については、平成20年度から廃止になり、現給保障等の所要額を計上。

(注5) 土地の借料、周辺対策費のほか防衛省以外の他省庁分(基地交付金等)や提供普通財産借上試算を含む。

平成21年度予 算

「特別協定」

「在日米軍駐留経費負担」

訓練移転費

光熱水料等

基本給等43項目

特別協定

(3年間)

6億円 5億円(注1)

1,160億円 1,140億円

1,415億円小計 1,395億円

小計

合計(注3)

249億円 249億円

219億円 206億円(注2)

279億円

1,881億円

293億円

1,928億円

3,766億円

5,694億円S54 S62 S63 H3 H8 H13 H18 H20 H23

平成22年度予 算 案

N/A億円

N/A億円

在日米軍駐留経費負担の経緯在日米軍駐留経費負担の経緯

参-24

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【【提供施設整備費提供施設整備費】】 (1979年度から)・ 隊舎、家族住宅、消音装置、汚水処理施設、管理棟等(個々の施設ごとに我が国の自主的判断により措置)

・ 地位協定第24条第2項に基づく提供施設の整備に係る案件採択基準⇒ 一層効率的な実施 (娯楽性・収益性が高い施設は、新規採択を控え、整備を効率化)

【【労務費労務費】】

(地位協定の範囲内) ・ 福利費等 (1978年度から)

・ 格差給等 (1979年度から)※ 2008年度から廃止。但し激変緩和として経過措置を講じている

(特 別 協 定) ・ 調整手当等8手当 (1987年度から)

・ 基本給等43項目 (1991年度から)

(1995年度から上限労働者数の範囲内で全額を負担)

【【光熱水料等光熱水料等】】 (1991年度から)・ 特別協定に基づき、公用のため調達する電気、ガス、水道、下水道及び暖房用等の燃料の料金又は代金を負担 (1995年度から上限調達量の範囲内で全額を負担)

【【訓練移転費訓練移転費】】 (1996年度から)

・ 特別協定に基づき、日本側の要請に基づく在日米軍の訓練の移転に伴う追加的経費を負担

在日米軍駐留経費負担の具体的内容在日米軍駐留経費負担の具体的内容

参-25

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(歳出ベース)

労務費特別協定

改正

議定書特別協定(5年間)

特別協定

(5年間)

特別協定

(5年間)

特別協定

(3年間)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

53' 54' 55' 56' 57' 58' 59' 60' 61' 62' 63' 1' 2' 3' 4' 5' 6' 7' 8' 9' 10' 11' 12' 13' 14' 15' 16' 17' 18' 19' 20' 21' 22'

訓練移転費

光熱水料等

労務費(基本給等)

労務費(福利費等)

提供施設の整備

億円11年度:2,756億円

ピーク時

○福利費等(地位協定)

○格差給、語学手当等○提供施設整備費

(地位協定)

○労務費(8手当)(特別協定締結)

○労務費(基本給等)○光熱水料等(特別協定締結)

○訓練移転費(特別協定締結)

○光熱水料等の上限調達量引き下げ(特別協定締結)

(特別協定締結)

○光熱水料等の上限を金額ベースで固定(特別協定締結)

22年度予算案:1,881億円ピーク時に比べ

△876億円(△31.8%)

特別協定

(2年間)

※契約ベースのピークは9年度

在日米軍駐留経費負担の推移在日米軍駐留経費負担の推移

参-26

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・周辺対策 536億円・施設の借料 933億円・リロケーション 12億円・その他(漁業補償等) 255億円

計:1,737億円②

・提供施設整備(FIP) 206億円

・労務費(福利費等) 279億円

計:486億円

・労務費(基本給等)1,140億円・光熱水料等 249億円・訓練移転費(NLP) 5億円

計:1,395億円

在日米軍の駐留に関連する経費(防衛省関係予算:3,617億円①+②)

在日米軍駐留経費負担(1,881億円①)

・土地返還のための事業119億円

・訓練改善のための事業12億円

・騒音軽減のための事業2億円

・SACO事業円滑化事業26億円

計:159億円

・訓練移転費 9億円(訓練改善のための事業の一つ)・104号線越え射撃訓練・パラシュート降下訓練

・在沖米海兵隊のグアムへの移転 472億円・沖縄における再編のための事業 53億円・米陸軍司令部の改編に関連した事業 12億円・空母艦載機の移駐等のための事業 271億円・訓練移転のための事業(現地対策経費) 1億円・再編関連措置の円滑化を図るための事業 93億円

計:901億円

・訓練移転のための事業8億円

特別協定による負担 (1,412億円)

SACO関係経費(169億円)

米軍再編関係経費(909億円)

注:1 特別協定による負担のうち、訓練移転費は、在日米軍駐留経費負担に含まれるものとSACO関係経費及び米軍再編関係経費に含まれるものがある。

2 SACO関係経費とは、沖縄県民の負担を軽減するためにSACO最終報告の内容を実施するための経費、米軍再編関係経費とは、米軍再編事業のうち地元負担の軽減に資する措置に係る経費である。他方、在日米軍駐留経費負担については、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保していくことは極めて重要との観点から我が国が自主的な努力を払ってきたものあり、その性格が異なるため区別して整理している。

3 在日米軍の駐留に関連する経費には、防衛省関係予算のほか、防衛省以外の他省庁分(基地交付金等:378億円、21年度予算)、提供普通財産借上試算(1,648億円、21年度試算)がある。

参-27

在日米軍関係経費(平成22年度予算案)在日米軍関係経費(平成22年度予算案)

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○新興勢力(中国、インド等)の台頭

○経済のグローバル化

○経済力の西洋から東洋への移動

○非国家主体の影響力増大

全般

2025年までに国際システムは多極化

米国の情勢認識-グローバルトレンド2025米国の情勢認識-グローバルトレンド2025

歴史的に、多極世界への移行期は二極及び一極世界よりも不安定

○2025年までの間、もっとも強力なアクター

○相対的なパワーは軍事力を含め低下、影響力は限定

○中東及びアジアでは、重要なバランサーとしての役割

○国際テロ対処のため軍事力を行使する際には依然として重要な役割

米国

参-28

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○日本は2025年までに人口減少や政治変動により、内政・外交の大きな方針変更を迫られる

○日本は上位中級国家の地位は維持

○日本の選択肢は中国と米国の政策に影響され、以下の4つのシナリオが考えられる

○日本は中国に遅れをとらないよう、地域における政治・安全保障面での役割を増大しようとする可能性

○日本は2025年には、より安全保障上の不安を感じている可能性

米国の日本関連認識-グローバルトレンド2025米国の日本関連認識-グローバルトレンド2025

①中国の軍事力・影響力が増大⇒ 日本は米国に接近し、MD、対潜能力を強化②中国が経済成長に失敗、より敵対的になる⇒ 日本は軍事力強化。米国の支持を前提として、中国に対抗すべく地域フォーラムを形成

③米国の対日安保コミットメントが弱体化⇒ 日本は中国に接近し、究極的に中国との安保協定検討④米中協力が深化、米国は地域での中国の軍事プレゼンスを許容、米軍を再配置・撤退⇒ 日本は中国に接近

(注)上記シナリオは、将来を予測したものではなく、起こりうる要素を列挙しつつ、好ましい方向へ導くための政策立案を促すことを目的としたもの。

参-29

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0

500

1000

1500

2000

米国 ソ連 中国 日本 EC0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

米国 ロシア 中国 日本 EU

0

1

2

3

米国 ソ連 中国 日本 EC0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

米国 ロシア 中国 日本 EU

軍事力(国防支出)

冷戦期(1979年) 冷戦後

(2008年)

経済力(GDP) 兆ドル

冷戦期(1979年)(GNP)

冷戦後(2008年)(GDP)

(ミリバラ80~81)

億ドル

億ドル

兆ドル

(ミリバラ2010)

(ミリバラ80~81) (ミリバラ2010)

11.4

17.015.9

(注:表中の数字は、日本を1としたときの各国の国防支出の比率)

9.7

10.9

12.0

1.3

5.7

(注:表中の数字は、日本を1としたときの各国のGDP(又はGNP)の比率)

0.3

1.1

2.3 2.3

10.90.3

2.9

3.8

※ 米国の軍事費が世界総額に占める割合(SIPRI年鑑による)

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 200836% 43% 47% 47% 48% 46% 45% 42%

※ 米国のGDPが世界総額に占める割合(IMFによる)2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 200831% 30% 28% 26% 24% 23% 21% 19%

米国の軍事力と経済力米国の軍事力と経済力

参-30」