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KEY WORDS:pre-adolescents/adolescents,liver transplantation,quality of life
Ⅰ.はじめに日本では,臓器移植法改正後も脳死移植の割合の増加は進まず生体肝移植が主である。そのため,移植時は家族内にドナーとレシピエントが存在し,子どもの生体肝移植では,ドナーの約9割が親である1)。子どもの肝移植後の生存率は,成人の移植に比して良好であり,長期生存が期待される2)。しかし,生活の主体が家庭から学校へと移行し,親中心の健康管理から子ども主体の健康管理に移行する時期にある,慢性疾患を抱える学童後期から思春期の子どもでは,不適切な療養行動3)やQOL低下4)の問題が指摘されている。さらに,肝移植後の子どもの療養生活には,子どもの過去の体験や疾患や治療,移植自体への捉えが療養行動に影響することも明らかになっている5)。親のQOLについては,慢性疾患患児の親は,子どもの症状のコントロール状況に影響を受ける6)ことや,小児臓器移植患者の親のQOL調査では,社会的健康が低かったことが指摘されている7)。しかし,生体肝移植後の子どもと親の生活や心理社会面を含むQOL向上を目指した看護援助につ
いては明らかにされていない。著者は,先行研究8)で生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOLの特徴として,4つのパターン(後述)を明らかにした。そこで,本研究では,一次調査,先行研究で得られたパターンおよび文献検討で得られた知見を統合して看護援助モデルの考案を目指した。
Ⅱ.研究目的本研究の目的は,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデルを考案することである。
Ⅲ.用語の定義学童後期:10歳から12歳(小学4年生から6年生)とした。思春期:13歳から18歳(中学生から高校生)とした。生体肝移植後の学童後期から思春期の子どものQOL:肝機能維持と年齢相応の成長発達が得られること,すなわち,それぞれの児の病状においてより良い肝機能を維持し,疾患管理においては自己管理への移行が進むこと,および二次性徴を含む成長発達がみられ,疾
受理:平成27年7月22日 Accepted : 11. 13. 2015.
原 著
生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデルの考案
藤 田 紋 佳(九州大学大学院医学研究院保健学部門)
本研究の目的は,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデルを考案することである。先行研究で明らかとなった,肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親の療養生活の特徴である4つのパターン(パターン1:移植自体について理解できていない学童のパターン,パターン2:移植後のプラスの体験から自分なりに対処しながら管理している思春期のパターン,パターン3:移植を否定的に捉えている思春期のパターン,パターン4:肝機能の悪化が進行し脳死肝移植登録をしているパターン)および文献検討をもとに,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上の概念枠組み,看護援助モデル,パターンごとの看護援助指針を導いた。看護援助モデルは,子どもに対する援助(子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助,子ども自身の移植後の身体状況理解への援助,移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助,移植後の療養生活の調整への援助),親に対する援助(子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する援助,親自身の健康維持への援助),親子に対する援助(移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助)の3つの側面から構成された。生体肝移植後の子どもと親のQOLに着目した看護援助を明らかにしたことが本看護援助モデルの独自性として考えられた。
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患管理や日常生活・学校生活・社会生活といった療養生活に対する子どもの知覚する生活の満足。
生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもの親のQOL:親が,生体肝移植のドナーとなったことに関わらず,自身の身体的・精神的・社会的機能を維持できること。また,生体肝移植後の子どもへの発達段階や子どもの特性に応じた適切な関わりを行うと共に,子どもや家族の問題に対処しながら過ごすといった身体的・精神的・社会的・経済的な側面および家族に対して親自身が知覚する満足。
Ⅳ.看護援助モデルの考案手順1.学童後期から思春期の子どもとその親(9組)の療養生活と移植の体験(一次調査)の二次分析によるパターンの抽出とパターン毎の様相の記述一次調査は,10歳から18歳の子どもとその親を対象とし,子どもに対しては,日常生活や療養行動,生活の満足度についての質問紙および移植の体験に関する面接,親に対しては健康関連QOLについての質問紙および移植前後の体験について面接を行った。分析は,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもの療養生活の実態,子どもの移植に対する体験,療養生活に対する親の認識と関わり,親の移植に対する体験についてコード化したデータおよび質問紙の回答について類似性のある内容を整理し,質的帰納的に行った。調査は,所属施設の倫理審査委員会の承認(承認番号:23-15)を得た後,子どもの承認および親の同意を得て実施した。なお,一次調査のデータの二次利用にあたっては,一次調査の際にデータの二次利用の同意を得るとともに,データの二次利用について,再度所属施設の倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:24-225)。看護援助モデル作成のため,ケースごとに「子どもの日常生活・学校生活・疾患管理に対する認識と実際および生活の満足度」,「子どもの移植の体験」,「療養生活に対する親の認識と関わりおよび親の健康関連QOL」,「親の移植に対する体験」の関係性をみながら二次分析を行った。この結果より,療養生活の認識や実際,体験の類似性,相違性に着目して分析し,関係性が似ているものを集めパターンを抽出し,様相を記述した8)。導かれたパターンは,パターン1:幼児期に移植を受けずっと親の管理下で問題なく過ごしているが,移植自体については理解できていない学童のパターン,パターン2:移植したことで体調が改善したことを自覚し,自分なりに対処しながらそれなりに管理している思春期のパターン,パターン3:移植を否定的に捉えたり,小さい頃に行った移植を覚えておら
ず,内服に対する不満や効果への疑問をもっている思春期のパターン,パターン4:肝機能の悪化が進行し現在再移植のための脳死肝移植登録をしているパターンの4つであった。2.生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上の概念枠組みの作成生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上の概念枠組みを作成することを目的として,文献検討を行った。肝移植後の子どもと親に関する文献は,術後合併症や免疫抑制剤の服薬状況,拒絶反応といった身体管理や,親の生体ドナーとしての評価に関する内容が中心であった5)。そこで,慢性疾患を持つ学童・思春期の子どもの認識や療養行動,親の認識や関わりを文献検討に加えた。文献検索は,PubMed,MEDLINE,CINAHL,医中誌を用い,“Liver Transplantation”“Pediatric”“慢性疾患”“生体肝移植”“小児or子ども”“看護”をキーワードとして,1998年~2013年の15年間について行った。文献検討は,臓器移植後の子どもの療養生活,慢性疾患をもつ学童・思春期の子どもの病気の捉え,療養行動,学童・思春期の慢性疾患をもつ子どもの親の病気の捉えと関わりの視点より結果を導いた。さらに,この結果および1.に示した一次調査とその二次分析結果8)を統合し,概念枠組みを作成した。3.生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上のための看護援助モデル・パターン毎の看護援助指針の考案上記1,2より得られた知見および文献検討から得られた看護援助の知見を統合して,看護援助モデルと,パターン毎の看護援助指針を考案した。文献検討は,慢性疾患を持つ学童・思春期の子どもに対しては,PubMed,MEDLINE,CINAHL,医中誌を用い,“Liver
Transplantation”“Pediatric”“慢性疾患”“生体肝移植”“小児or子ども”“看護”をキーワードとして,1998年~2013年の15年間について文献検索を行った。肝移植後の看護援助に関する文献検討は,PubMed,MEDLINE,CINAHL,医中誌を用い,“Liver Transplantation”“Pediatric”“intervention”“生体肝移植”“慢性疾患”“小児or子ども”“看護援助or看護介入or看護支援”をキーワードとして,1998年~2013年の15年間について文献検索を行った。4.真実性の確保全過程を通して,小児看護学研究者のスーパーバイズを受け,真実性の確保に努めた。
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Ⅴ.結 果1.生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上の概念枠組み1)概念枠組み作成のための文献検討文献検討の結果,Taylorらによって作成された肝移植後の青年期の子どもに用いるQOL概念モデルについての研究9)があったが,焦点は子どものみであったことや,海外とは異なり生体肝移植が中心である日本の移植医療の背景の違いより,本研究で定義したQOLの説明には内容が不足していた。そこで,慢性疾患の学童・思春期の子どもの認識や療養行動,親の認識や関わりにも着目して検討した。Taylorら9)の青年期の移植後の子どものQOL概念枠組みを参考にし,慢性疾患の学童・思春期の子どもと親に関する文献検討結果および一次調査,先行研究6),8)より,生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上のための概念枠組みを作成した(図1)。QOLには,身体状況および子どもの疾患や治療,体調に関する捉えおよび疾患管理や日常生活,学校生活や社会生活などの療養生活状況が含まれる。学童・思春期の子どもの自己管理には,子どもの望む生活と子どもの疾患理解・療養行動のギャップの大きさが影響する10)~12)
ことから,療養生活状況は,子どもの自己の捉えに影響を受け,逆に,身体状況の悪化や療養生活の変化が自己の捉えに影響する。また,現在の子どもの疾患や治療,体調に対する捉えは,療養生活状況を通じて身体状況に影響を与える。さらに,適切な療養行動維持には,親しい人からの程よい気遣いや支援など,周囲からのサポート状況が影響する13),14)こと,子どもの疾患の捉えには,自覚症状や制限,内服薬の有無だけではなく,親や周囲の人の関わりの影響を受ける15)ことから,子どもの移植や治療・療養生活,体調に関する捉えには,周囲の関わりや親の関わりが影響を与える。親に対しては,一次調査より,親の健康状態や親自身の健康に関する認識が子どもへの関わりに影響を与えうるケースがあった。親の子どもへの関わりには,親の受け止め,疾患や治療に対する子どもの反応に対する親の認識と子どもに対する感情,子どもの体調変動に関する親の認識,子どもの病状や治療などが影響する16),17)ことから,親側の概念として,子どもの療養生活に対する認識,子どもの療養生活に対する関わり,健康状態,親の自分の健康に関する認識を含めた。2)一次調査と二次分析結果の統合一次調査より,親の背景として,ドナー経験や親の年齢が,親の認識や健康状態,子どもへの関わりに影響していたことから,ドナー経験の有無や年齢,家族状況も
親の現在の状況に含めた。(図1)。
2.生体肝移植後の子どもと親のQOL維持・向上のための看護援助モデル・パターン毎の看護援助指針の考案1)生体肝移植後の看護援助に関する文献検討肝移植後の子どもと親のQOLに焦点を当てた看護援助に関する介入研究はなかった。海外では,免疫抑制剤のアドヒアランスの改善に着目した介入研究18)はあったが,教育的視点の関わりが主であった。また,対象は子どものみであり,親に対しての視点はなかった。評価の視点は,免疫抑制剤の血中濃度や受診頻度であった。先行研究6)では,移植後の子どもに対する看護援助には,身体管理だけではなく,子どもの過去の体験や疾患や治療,移植そのものへの捉えを理解し,子どもに応じた関わりの必要性を示唆している。また,幼少期に移植を受け,現在は,他の子どもと変わらない生活を送っている子どもの場合,発達段階や子どもの体験を踏まえ,子ども自身が自己管理できるような働きかけの必要性が示された。慢性疾患の学童・思春期の子どものQOLや自己管理に着目した介入研究では,慢性疾患の学童・思春期患者の自己管理およびその捉え方の枠組みを発展させ作成された金丸ら19)の看護援助モデルがあった。このモデルでは,疾患とともに生きることの捉え方やセルフマネジメント,周囲の人との関わりの構成要素が含まれており,上記1で作成した,概念枠組みの【現在の子どもの疾患や,治療,体調に対する捉え】や【疾患管理】【周囲との関わり】といった要素と重なる部分が多く,肝移植後の子どもの援助を導く上で参考とした。2)看護援助の抽出および看護援助モデルの作成看護援助は,文献検討結果および上記1の概念枠組み
より,子どもに対して,親に対して,親子双方に対する視点から抽出した。抽出された看護援助は,【 】で示す。
図1 生体肝移植後の子どもと親のQOL 維持・向上の概念枠組み
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子どもに対する看護援助は,【子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助】【子ども自身の移植後の身体状況理解への援助】【移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助】【移植後の療養生活の調整への援助】である。【子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助】は,移植の背景や現在の子どもの疾患や治療,体調に対する捉えを把握し,子どもの疾患や治療,体調に対する理解を促す援助である。子どもの移植に対する認識は,移植時期や現在の発達段階,移植の体験によって異なる6)。したがって,この援助は,子どもの疾患や治療,体調に対する捉えを確認し,認識や知識が不足している場合に特に必要となる。【子ども自身の移植後の身体状況理解への援助】は,受診毎の検査結果も踏まえて,子どもの身体状況の理解を促す援助である。学童後期から思春期の子どもは,生活の主体が家庭から学校へと移行し,親中心の健康管理から子ども主体の健康管理に移行する重要な時期にある。したがって,子どもが自分自身の移植後の身体状況を子どもなりに理解することは,子ども自身の自己管理に影響を与えるだけではなく,長期的視点でのQOL維持の上でも自己の状況を把握することが欠かせない。【移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助】は,免疫抑制剤内服を中心とした,必要な疾患管理を継続するための援助である。肝移植後において,特に免疫抑制剤の継続的な内服は,生涯に渡り欠くことのできないものである。それと同時に,長期的な合併症についての管理が必要となる。【移植後の療養生活の調整への援助】は,療養生活状況の確認,子どもが望む生活を送ることができ
るための援助である。これは,子どもが,子ども自身の望む生活と疾患管理を続けながらの療養生活との間で,うまく折り合いをつけて過ごせる6)ように援助することである。親に対する看護援助は,【子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する援助】【親自身の健康維持への援助】である。【子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する親への援助】は,親の子どもの療養生活に対する認識の確認や子どもの療養生活に対する関わり方を確認し,親の抱える不安や困難に沿った援助を行うことである。また,子どものセルフケアが促進するように,親の子どものセルフケアに対する理解を促す援助も含む。【親自身の健康維持への援助】は,親自身の健康状態の把握と親自身の健康に対する困難や不安に対する援助である。親のQOLは,一次調査の結果よりドナー経験の有無だけではなく,親自身の加齢に伴う問題や,子どもの疾患以外に関する問題など,移植や疾患管理以外の問題の影響も起こりうる。したがって,親自身の健康維持への援助も含めた。親子双方に対する看護援助は,【移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助】である。【移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助】は,子どもの自己管理への移行がスムーズに進むよう,親子の関係性に対しての援助である。子どもの自己管理には,一次調査より子ども側だけではなく,親側の認識も影響する。3)パターン毎の看護援助指針の作成看護援助は,外来通院中である生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親に対して継続的に行う。パ
図2 生体肝移植後の子どもと親のQOL 維持・向上のための看護援助モデル
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ターンごとの達成目標の設定および具体的援助は,看護援助モデルおよびパターンの様相8)から検討した。パターンごとの看護援助指針については,表1~表2に示す。看護援助の評価は,本研究で定義したQOLの状態が維持あるいは向上したかの視点で行う。具体的には,パターン毎に設定した目標に対する達成度,QOL維持・向上のための概念をもとにした観察結果の変化あるいは
改善の有無より,実施した看護援助の評価を行う。評価後は,評価内容を踏まえて,パターンの目標の設定や援助内容の修正を行う。次の看護援助の際は,各パターンの目標の達成状況や子どもや親の状況の変化を考慮しながら,援助の頻度や重み付け,順序性についても検討しながら看護援助を展開する。
表1 パターン1・2の看護援助指針パターン1 パターン2
目 標
幼少期に受けた移植について理解しておらず,また現在特に制限も自覚症状もない生活を送っている子どもが,自分の病気や治療,体に関心を示し,現在の身体状況や自己管理を認識し,周囲のサポートを得ながら,適切な療養行動を維持する。親は,子どもの管理をしながらも,少しずつ子どもにケアを移行することを認識し,行動に移すことができる。
制限のない日常生活および肝機能維持のために,適切な療養行動を継続できる。また,自分の身体状況や治療状況に関心を持ち,治療の目的や理由を理解したうえで自己管理の範囲が拡大し,問題に対する対処が行える。親は,子どもの特性に合わせ,子ども自身の管理へと少しずつ移行できるとともに,時には見守る姿勢をとることができる。また進学や就職など特別な変化の際に相談できる。思春期の子どもと親のコミュニケーションが図られる。
子どもの目標
・肝移植がどういうものであるか述べることができる。・外来受診の際,自分の検査データを知ることができる。・自分の体調について述べることができる。・内服している薬について述べることができる。・自分の意見や考えを親・医療者に伝えられる。・疾患・治療に関連したセルフケアについて述べることができる。・体調の不調があるときや薬を飲み忘れた時に,親や医療者に伝えることができる。・療養行動を守りながら,日常生活・学校生活・社会生活を困難なく過ごすことができる。
・療養生活(内服管理,受診,自己の体調管理・調整)維持のための行動を継続できる。
・疾患の増悪症状や免疫抑制剤の副作用について述べることができる。・病気・治療に関連したセルフケアについて家族の手助けなしに行える。・外来受診時に検査データを確認できる。・わからないことや援助について医療者に相談できる。・体調に合わせて生活の調整をすることができる。
親の目標
・子どもの治療や移植に対する捉えを理解する。・子どものセルフケアについて理解し,少しずつ子どもに移行することができる。・子どもの言動を見守る姿勢・態度をとることができる。(内服,外来受診での発言)
・子どもの服薬管理やケアについて,少しずつ子どもに移行することができる。・子どもの言動を見守る姿勢・態度をとることができる。・子どもの将来の生活について,子ども本人・家族,医療者と話をすることができる。
看護援助
[子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助]・子ども自身がまず現在の身体状況について関心を持ち,自分自身の受けた肝移植がどういうものであり,どのような自己管理や対処が必要となるかの理解を促進する。
[子ども自身の移植後の身体状況理解への援助]・身長・体重などを数値で示すとともに,表を用いて,経時的な変化も視覚的にも理解しやすい援助を行う。・ 検査データも,同様に視覚的なアプローチを行う。特に肝機能といった受診毎に必ずチェックする項目についても意識できるように伝えていく。・子どもの体調に関する捉えは,簡便な質問紙を用いて,自覚症状の有無等を確認する。確認の際は,子ども自身が意見や考えを医療者に伝えられるようにする。
[移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助]・免疫抑制剤の内服については,質問紙を用いて,内服状況を詳細に確認する。内服の有無だけではなく,内服できていない場合の背景も含めて質問紙および面接を通して把握する。
[移植後の療養生活の調整への援助]・受診ごとの子どもの生活状況や心理面への変化の有無,内服状況をアセスメントし,子どもの状況に合わせた援助を行う。
[子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する親への援助]・親の認識や行動,健康状態などケースごとの影響要因や特徴を考慮し,具体的な個別の達成目標に沿って計画を立案,実施する。
[移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助]・疾患管理において親の関わりが大きい学童期の特徴を踏まえ,親の子どもへの関わりの状況や親子の関係性の確認あるいは見守りを行う。親の思いを聞くなど疾患管理の子どもへの移行に向けて親の思いを聞き,状況により親子が話しあう場を設定する。
[親自身の健康維持への援助]・親自身の健康に対する訴え,症状の有無の確認を行う。
[子ども自身の移植後の身体状況理解への援助]・外来受診毎に数値を視覚的に示し,理解を促す。[移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助]・免疫抑制剤の内服については,質問紙を用いて内服状況を詳細に確認する。免疫抑制剤の飲み忘れがある場合は,内服の有無だけではなく背景も含めて確認する。・免疫抑制剤の飲み忘れに対する対処等確認を行い,改善が必要な場合は改善方法を一緒に考える。
[移植後の療養生活の調整への援助]・子どもが現在実践している療養行動を生活状況の変化に合わせて,うまく組み込めるよう,進級や進学,就職など節目の時期には,生活状況の確認や本人の疾患管理への捉え,親の関わりや認識を再度捉え支援を行う。
[子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する親への援助]・親の子どもの療養生活に対する捉えや関わり方を把握し,親の抱える困難や不安に沿った援助を行う。・子どものセルフケアが促進するよう親への理解も促す援助を行う。・子どもの発達や環境の変化に合わせて,看護師に相談するあるいは親子で話し合う。
[移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助]・子どもの発達や環境の変化に合わせて,看護師に相談するあるいは親子で話し合う。
[移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助]・思春期は,親子間の葛藤が病状や療養行動に影響する時期でもあるため,親,子どもそれぞれの考えを踏まえ,疾患管理の主体が親から子どもに移行できるように援助する。・外来受診の際は,親と子を別々に面接するなど,個々の考えを表出しやすいようにし,それぞれの思いのギャップの拡大を避けるよう,親子間の関係性調整の援助を行う。
[親自身の健康維持への援助]・親自身の健康に対する訴え,症状の有無の確認を行う。
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表2 パターン3・4の看護援助指針パターン3 パターン4
目 標
子どもは,免疫抑制剤による治療や移植そのものに対する否定的な捉えが軽減し,自分の身体に関心をもつようになる。また,移植や治療に対する正しい知識を得て適切な療養行動をとることができる。親は,否定的な捉えをもつ子どもに気づき,移植や自己管理について話し合うことができ,子どもの管理に注意を払いながらも,子どもが適切な療養行動がとれるよう関わることができる。
子どもは,肝機能のさらなる増悪症状や薬剤の副作用等の症状の変化について,親や医療者に伝えることができる。また,再移植まで現在の治療を継続し,肝機能の急激な悪化を回避しながら自分の体調に合わせた生活を過ごしつつ,再移植の準備を整えることができる。親は,子どもの体調の確認をしながら,子どもの状況に応じて家族の調整ができる。また,親も周囲のサポートを得ながら自分の体調管理や再移植に向けた準備ができる。
子どもの目標
・移植や治療,移植を受けた自分に対する気持ちを表出できる。・移植や治療に対する否定的な捉えが軽減する。・自分の身体に関心を示し,体調の変化に気づくことができる。・疾患・治療について,理由と共に理解することができる。・疾患の増悪症状や免疫抑制剤の副作用を述べることができる。・内服薬の管理や飲み忘れたときの対処を行うことができる。・外来受診時に検査データを確認できる。・わからない事や援助について医療者に相談できる。・体調に合わせて,生活の調整をすることができる。
・現在の疾患状況や症状,検査データを外来受診時に確認できる。・疾患の増悪症状や免疫抑制剤の副作用について述べられる。・倦怠感や黄疸の増強など,体調や現在ある症状の変化を親や医療者に伝えることができる。・内服薬の管理を行うことができる。・症状悪化を防ぐまたは現状維持のための治療を受けられる。・わからないことや援助について医療者に相談できる。また,今の生活で子どもが望むことを親や医療者に伝えることができる。・親や医療者の支援を受けながら体調にあった生活の調整ができる。
親の目標
・子どもが移植や治療に対し,否定的な捉えをもっていることに気づくことができる。・子どもと病気や移植について,お互いに考えていることを話すことができる。・子どもの知りたいことに合わせ,病気や治療について説明することができる。・薬の内服確認等管理への注意や,肝機能悪化に対する注意を継続することができる。・子どもの言動を見守る姿勢・態度をとることができる。・子どもの将来の生活について,子ども本人・家族,医療者と話をすることができる。
子どもが再移植のために脳死肝移植登録をしている状況であり,親自身も身体的,精神的にも負担の大きい状況である。子どもの疾患管理に注意しながらも,親自身および家族を含めた調整を行いながら過ごすことができる。また親の抱える困難や不安等を周囲に話すことができ,サポートを得られる。・子どもの体調確認ができる。 ・子どもの言動を見守る姿勢・態度をとることができる。・子ども・家族と現在の状況,再移植のことについて話し合える。・子どもの状況に応じて,他の家族を含めた生活の調整ができる。・親自身の不安(子どもの体調,ドナーの有無,家族のこと等)等医療者に相談できる。
看護援助
[子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助]・子どもが疾患管理や移植に対して否定的に捉えている部分に対し,子ども自身の思いや考えを確認し,受け止める。・子ども自身が実践している療養行動を肯定し,移植や適切な療養行動をとらないことによる弊害などへの理解もあわせて促す。
[子ども自身の移植後の身体状況理解への援助]・外来受診毎に,子どもに対して数値や表を示し,現在の自分の体の状況理解を促す。
[移植後の療養生活の調整への援助]・生活状況の変化に合わせたその子なりの療養生活が送れるよう,生活状況の把握と親・子各々の思いを受け入れ継続した援助を行う。・子どもが今の生活をどのように感じているのか,また周囲の関わりをどのように感じているのかなど,子どもが良いと捉える療養生活を確認し,それに近づけるように調整・援助を行う。
[移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助]・免疫抑制剤の内服については,質問紙を用いて内服状況を詳細に確認する。内服の有無だけではなく,免疫抑制剤の飲み忘れがある場合は背景も含めて確認する。・免疫抑制剤の飲み忘れに対する対処等確認を行い,改善が必要な場合は改善方法を一緒に考える。
[子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する親への援助]・子どもは,親の関わりにより疾患管理が行えている。親には,親の関わりや認識を踏まえ,子どもが自立していけるよう,一緒に子どもに関わる姿勢で支援する。また,子どもの将来について親がどのように考えているか,親自身の健康状態等も含めて援助を行う。・事前に親と子どもそれぞれの考えや思いを確認した上で,親子で話をできる場を設定する。
[移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助]思春期は,親子間の葛藤が病状や療養行動に影響する時期であるため,親と子それぞれの考えを踏まえ,疾患管理の主体が親から子どもに移行できるように援助する。外来受診の際は,親と子を別々に面接するなど,子どもの考えを聞く機会を外来受診毎に作り,個々の考えを表出しやすいようにし,それぞれの思いのギャップの拡大を避けるよう親子間の関係性調整の援助を行う。[親自身の健康維持への援助]・親自身の健康に対する訴え,症状の有無の確認を行う。
[子ども自身の移植後の身体状況理解への援助]受診毎の子どもの身体状況の確認及び子ども自身の自覚症状などを確認する。予測されうる症状については,子どもと一緒に確認する。また,他のパターン同様,検査結果について数値や表を示し,現在自分の体の状況の事実を理解してもらう。状態悪化時は,その都度身体状況や検査結果,必要な治療等について説明する。[移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助]免疫抑制剤の内服については,質問紙を用いて,内服状況を詳細に確認する。また,その他治療状況に合わせた子どもの理解状況と管理状況を確認する。疾患管理において不安なことやわからないことはないか,治療状況に応じて確認する。[移植後の療養生活の調整への援助]肝機能悪化に伴い,治療中心の生活の中に,学校生活など,子ども自身の望む生活が少しでも組み込めるよう,調整や体調悪化時の対処等への援助が必要である。[子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する親への援助]親・家族にとって,子どもの悪い状況に対する精神的負担も大きいと考えられる。子どもへの関わりや管理だけではなく,親・家族状況に併せて,親自身の健康状態の把握等親への援助も行う。[移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助]外来受診では,親・子を別々に面接するなど,親・子それぞれの思いを表出できる場を作る。また,それぞれの思いのギャップの拡大を避けるよう,親子間の関係性調整の援助を行う。[親自身の健康維持への援助]・親自身の健康に対する訴え,症状の有無の確認を行う。・親の不安の軽減のため,相談にのる等,精神的援助を行う。
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Ⅵ.考 察本研究では,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL向上のための看護援助モデルを考案した。看護援助モデルの独自性および看護援助モデルの有用性と看護援助モデルに沿った看護援助の展開における課題について考察する。1.看護援助モデルの独自性これまで,肝移植後の子どもと親のQOLの維持・向上のための看護援助については全く示されていない。そこで,肝移植後の子どもと親の看護援助モデルを考案したことの意義は大きいと考える。今回考案した看護援助モデルでは,特に肝移植後の子どもと親のQOLの維持・向上に焦点を当てたことが独自性といえる。また,概念枠組みは,先行研究9)では,子どものQOLに対してのみ焦点が当てられていたが,本研究では,一次調査,先行研究結果8)より,親のQOLの視点および親子や周囲の人との関係性を追加した点は新たな視点といえる。これまで親の調査は,ドナー経験の親にのみ焦点が当てられていたが5),一次調査結果および文献検討結果より,ドナー経験の有無に限らず,子どもの主たる養育者である親に焦点を当てたことも独自性といえる。移植後の看護に関する文献は限られていたが,看護援助の抽出では,慢性疾患をもつ学童・思春期の看護援助の文献より発達段階に関連した問題を参考にしたこと,また一次調査の結果を用いることで,肝移植後の子どもと親の特徴に合わせた援助を導くことができたと考える。さらに,先行研究結果8)で得た,パターン及びパターンの様相は,パターン毎の看護援助指針を導いた。過去,このような指針については明らかにされておらず,本看護援助モデルを用いた援助を行う際の重要な視点として位置づけられる。したがって,本研究で考案した生体肝移植後の子どもと親のQOLに着目した看護援助モデルは,過去示されておらず,本研究の独自性といえる。2.看護援助モデルの有用性と看護援助モデルに沿った看護援助の展開における課題本看護援助モデルは,生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親のQOL維持・向上に焦点を置いた。看護援助モデルの展開においては,先行研究から得られたパターンおよびパターンの様相を用いることで,対象の理解を促すと考える。また,看護援助モデルを用いた具体的な援助の実践では,パターンごとの具体的な子どもと親の達成目標および看護援助内容を示した看護援助指針が役立つと考える。看護援助モデルおよび看護援助指針は,今後の看護援助モデルに沿った看護援助の展開における事例の積み重ねと継続した記録を残し,看護援
助の焦点を定め,より質の高い看護援助を行うこと,および,長期的な視点で肝移植後の子どものQOLや療養生活のエビデンスを得ることが課題といえる。また,パターン毎の看護援助の有用性や援助の順序性,重み付けの検討,および生体肝移植のみならず,脳死肝移植後の子どもと家族への適応についての検討が課題である。
Ⅶ.結 論生体肝移植後の学童後期から思春期の子どもと親の
QOL維持・向上のための看護援助モデルを考案した。看護援助モデルは,子どもに対する援助(子どもの移植の体験を受け止め理解を促す援助,子ども自身の移植後の身体状況理解への援助,移植後の免疫抑制剤内服を中心とした疾患管理継続への援助,移植後の療養生活の調整への援助),親に対する援助(子どもの肝機能維持のためのセルフケアを促進する援助,親自身の健康維持への援助),親子に対する援助(移植後の疾患管理における親と子の関係性への援助)の3つの側面から構成された。
謝 辞本論文は,千葉大学大学院看護学研究科における博士学位論文の一部を加筆修正したものである。また,この研究は,JSPS科研費(24792500,26463414)の助成を受けた。深謝致します。
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DEVELOPMENT OF A NURSING INTERVENTION MODEL TO
IMPROVE THE QUALITY OF LIFE IN PREADOLESCENTS/ADOLESCENTS
AND THEIR PARENTS AFTER LIVING DONOR LIVER TRANSPLANT
Ayaka Fujita
Department of Health Sciences Faculty of Medical Sciences Kyushu University
KEY WORDS :
pre-adolescents/adolescents, liver transplantation, quality of life
We developed a nursing intervention model to improve the quality of life (QOL) in living donor liver transplant
recipients and their parents.
A prior study revealed that pre-adolescents/adolescents after living donor liver transplant can be categorized into
four distinct patterns: (i) pre-adolescents who underwent transplantation during infancy, who had no understanding
of the transplant procedure, and whose care was managed by the parent(s) with no problem post-transplant; (ii) adolescents who were aware that their physical condition had improved because of the transplantation and managed
and dealt with the situation independently; (iii) adolescents who perceived transplantation as a negative experience
(iv) an adolescent whose liver function deteriorated post-transplant and registered for re-transplantation. A conceptual
framework of transplanted children and their parents QOL improvement, a nursing intervention model and nursing
intervention guidelines were constructed. The nursing intervention model was composed of three major interventions:
intervention to children: nurses understood the experience of the children post-transplant, promoting understanding of
the child's disease, to understand their post-transplant physical status, for disease management continuity, i.e., taking
medicine, and for the adjustment to daily life post-transplant; intervention to the parent(s): to promote liver function
maintenance and self-care of children, for the health maintenance of the parent(s), and the dyad; and intervention
for the relationship between parent and child in the post-transplant disease management. It revealed that intervention
focused on improving the quality of life in pre-adolescents/adolescents and their parents after living donor liver
transplant was a unique aspect of the nursing intervention model.