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Waupaca Foundry, Inc. 概要 (2015年4月1日現在) 所 在 地 米国ウィスコンシン州 代 表 者 CEO Gary Gigante 事業内容 輸送機、農業機械、建設機械、その他産 業機械向け鉄鋳物の開発・製造・販売 売 上 高 1,735百万米ドル(2013年9月期) 設立年月日 1955年5月4日 乗用車用ブレーキローター 乗用車用ブレーキキャリパー 乗用車用ドライブラインの ディファレンシャルケース  電気モータ用モータハウジング Waupaca Foundry, Inc. 主要製品 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて 中期経営計画に基づく成長戦略の一つとして、日立金属は2014年11月、 世界最大の生産能力を持つ鉄鋳物メーカー、Waupaca Foundry, Inc. (以下 「Waupaca社」)を グループに迎えました。従来から日立金属グループの強みであった材料開発力・製品設計開発力に Waupaca社の優れた生産技術と強固な顧客基盤を加え、 グローバル市場でお客さまの期待に応える新たな製品やサービス・ソリューションを提供していきます。 世界最大の鉄鋳物メーカーとして グローバル市場で拡大する需要に応えていきます 特集 持続的成長への施策 1 9 日立金属グループ CSR報告書2015
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特集 持続的成長への施策 1 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄) ※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

Mar 03, 2021

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Page 1: 特集 持続的成長への施策 1 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄) ※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

日立金属グループの鉄鋳物事業

これまでの事業領域(高付加価値ニッチゾーン)

高級DCI※1市場(ハイグレード)

多量生産GI※2・DCI市場(ミドルレンジ)

Waupaca社事業領域(多量生産ゾーン)

※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄)※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

新体制で大幅に事業領域拡大

Waupaca Foundry, Inc. 概要 (2015年4月1日現在)

所 在 地 米国ウィスコンシン州

代 表 者 CEO Gary Gigante

事 業 内 容 輸送機、農業機械、建設機械、その他産業機械向け鉄鋳物の開発・製造・販売

売 上 高 1,735百万米ドル(2013年9月期)

設立年月日 1955年5月4日

乗用車用ブレーキローター 乗用車用ブレーキキャリパー

乗用車用ドライブラインのディファレンシャルケース 

電気モータ用モータハウジング

Waupaca Foundry, Inc. 主要製品

鉄鋳物事業の展望

鉄鋳物事業のグローバル成長に向けて

中期経営計画に基づく成長戦略の一つとして、日立金属は2014年11月、世界最大の生産能力を持つ鉄鋳物メーカー、Waupaca Foundry, Inc.(以下 「Waupaca社」)をグループに迎えました。従来から日立金属グループの強みであった材料開発力・製品設計開発力にWaupaca社の優れた生産技術と強固な顧客基盤を加え、グローバル市場でお客さまの期待に応える新たな製品やサービス・ソリューションを提供していきます。

世界最大の鉄鋳物メーカーとしてグローバル市場で拡大する需要に応えていきます 鉄鋳物事業は、日立金属の長年にわたる主力事業です。

特に高級ダクタイル鋳鉄製品は、日本・韓国・米国に生産拠点を展開、2014年4月にはインドの製造会社を子会社化する等、グローバルな供給体制を構築しています。さらなる成長に向けて事業領域を拡げ、グローバル市場で競争優位性を確保するために、Waupaca社をグループに迎えました。Waupaca社は、米国に6工場を有し、北米で輸送機、農業機械、建設機械その他産業機械向けに製品を供給しています。世界最大の生産規模と、優れた生産技術・生産管理、強固な顧客基盤を強みとし、安定した成長を続けています。日立金属グループが従来志向してきた高付加価値領域に、Waupaca社の競争力ある多量生産領域を加えることで、グローバルに事業展開するお客さまのさまざまなニーズに応えていくことができます。グループ一体での新たな価値創造に向けて、日立金属ではプロジェクトチームを設けて、経営理念や諸制度、技術・ノウハウの共有を進めています。今後、日本および韓国・米国・インドの生産拠点にWaupaca社の優れた生産技術を導入

していく計画です。また、技術開発や資材調達等を共同で行うことで、グループのスケールメリットを活かした効率的な事業活動を実践していきます。強化した新たな事業体制のもと、日立金属グループは

「Global No.1」をビジョンに、鉄鋳物事業において生産能力のみならず、売上高、収益性、そして成長性においても他を凌駕する、真のグローバルNo.1をめざします。

ビジョンは「Global No.1」

特集 持続的成長への施策 1

109 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015

Page 2: 特集 持続的成長への施策 1 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄) ※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

日立金属グループの鉄鋳物事業

これまでの事業領域(高付加価値ニッチゾーン)

高級DCI※1市場(ハイグレード)

多量生産GI※2・DCI市場(ミドルレンジ)

Waupaca社事業領域(多量生産ゾーン)

※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄)※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

新体制で大幅に事業領域拡大

Waupaca Foundry, Inc. 概要 (2015年4月1日現在)

所 在 地 米国ウィスコンシン州

代 表 者 CEO Gary Gigante

事 業 内 容 輸送機、農業機械、建設機械、その他産業機械向け鉄鋳物の開発・製造・販売

売 上 高 1,735百万米ドル(2013年9月期)

設立年月日 1955年5月4日

乗用車用ブレーキローター 乗用車用ブレーキキャリパー

乗用車用ドライブラインのディファレンシャルケース 

電気モータ用モータハウジング

Waupaca Foundry, Inc. 主要製品

鉄鋳物事業の展望

鉄鋳物事業のグローバル成長に向けて

中期経営計画に基づく成長戦略の一つとして、日立金属は2014年11月、世界最大の生産能力を持つ鉄鋳物メーカー、Waupaca Foundry, Inc.(以下 「Waupaca社」)をグループに迎えました。従来から日立金属グループの強みであった材料開発力・製品設計開発力にWaupaca社の優れた生産技術と強固な顧客基盤を加え、グローバル市場でお客さまの期待に応える新たな製品やサービス・ソリューションを提供していきます。

世界最大の鉄鋳物メーカーとしてグローバル市場で拡大する需要に応えていきます 鉄鋳物事業は、日立金属の長年にわたる主力事業です。

特に高級ダクタイル鋳鉄製品は、日本・韓国・米国に生産拠点を展開、2014年4月にはインドの製造会社を子会社化する等、グローバルな供給体制を構築しています。さらなる成長に向けて事業領域を拡げ、グローバル市場で競争優位性を確保するために、Waupaca社をグループに迎えました。Waupaca社は、米国に6工場を有し、北米で輸送機、農業機械、建設機械その他産業機械向けに製品を供給しています。世界最大の生産規模と、優れた生産技術・生産管理、強固な顧客基盤を強みとし、安定した成長を続けています。日立金属グループが従来志向してきた高付加価値領域に、Waupaca社の競争力ある多量生産領域を加えることで、グローバルに事業展開するお客さまのさまざまなニーズに応えていくことができます。グループ一体での新たな価値創造に向けて、日立金属ではプロジェクトチームを設けて、経営理念や諸制度、技術・ノウハウの共有を進めています。今後、日本および韓国・米国・インドの生産拠点にWaupaca社の優れた生産技術を導入

していく計画です。また、技術開発や資材調達等を共同で行うことで、グループのスケールメリットを活かした効率的な事業活動を実践していきます。強化した新たな事業体制のもと、日立金属グループは

「Global No.1」をビジョンに、鉄鋳物事業において生産能力のみならず、売上高、収益性、そして成長性においても他を凌駕する、真のグローバルNo.1をめざします。

ビジョンは「Global No.1」

特集 持続的成長への施策 1

109 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015

Page 3: 特集 持続的成長への施策 1 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄) ※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

Waupaca社は、自動車をはじめ農業、建設、マテリアルハンドリング等の産業分野向けに各種鋳鉄製品を製造しています。国際的な品質基準であるISO9001およびISO/TS 16949認証等を全社で取得し、ブレーキ部品等の重要保安部品も多く供給しています。溶解から鋳造、仕上げまで一貫した世界最大規模の生産技術を有し、高品質の製品を常に安定供給できることがWaupaca社の強みです。Waupaca社の製品は、独自の生産工程と生産技術、造型機、自動仕上げシステムにより、高い耐久性と信頼性を備えています。さらに、仕上がり精度の高さから、後工程の機械加工を最小限にでき、お客さまの製造コスト削減に貢献しています。

事 業 活 動 に 伴う環 境 負 荷を低 減していくた め に 、Waupaca社では2020年までの目標を設定し、諸施策を実行しています。

■ エネルギー廃熱の利用や省エネ機器の導入等、コスト削減にもつながるさまざまな省エネルギー策を各工場で実施しています。

例えば、第1工場では鉄溶解炉からの廃熱を利用して、冬季に工場で使う温水の全てと暖房の70%を賄っています。

■ 汚染防止大気汚染防止のため、Waupaca社では集塵・空気濾過による最先端の汚染防止装置を各工場に設置しています。また、高度な装置監視システムを導入。塵埃漏れを検出する高精度のプローブを排気制御装置に設置して、装置の適正な稼働を監視しています。

■ 廃棄物Waupaca社における主な廃棄物の一つが、鋳造プロセスで砂型造型に使用した後の廃鋳物砂です。その埋め立て処分を減らすため、砂の使用量削減とともに、廃鋳物砂の有効利用を推進。政府機関と協力して、高速道路の路盤材や地盤の盛り土等の一般建設用途に再利用しています。

■ 水水使用量の削減に向けて、クローズドループ水冷却システムを設置し、水を循環利用しています。すでに複数の工場で稼働しており、例えば第4工場では、冷却水の使用量が、年間の季節変動はあるものの30~95%減っています。

Waupaca社のものづくり

地域社会との良好な関係の維持

独自の生産技術による品質管理

製造工程での環境負荷低減

Waupaca社は、本拠地とする米国ウィスコンシン州で、学校への機器の寄贈、地域社会の防災・救難活動および環境管理の支援、地域活動への積極的な参加・協賛等、さまざまな地域貢献活動をしています。例えば、2012年から、ウィスコンシン州ワウパカにある「スワンパーク」の建設に協力しています。「スワンパーク」は、冬用・夏用のレクリエーション設備を備えた複合型施設で、とりわけ高さ42フィート(約13m)のそりの丘は、冬に家族で楽しめる場所となっています。建設に際し、Waupaca社

Waupaca社は、本拠地とする米国ウィスコンシン州で、学校への機器の寄贈、地域社会の防災・救難活動および環境管理の支援、地域活動への積極的な参加・協賛等、さまざまな地域貢献活動をしています。例えば、2012年から、ウィスコンシン州ワウパカにある「スワンパーク」の建設に協力しています。「スワンパーク」は、冬用・夏用のレクリエーション設備を備えた複合型施設で、とりわけ高さ42フィート(約13m)のそりの丘は、冬に家族で楽しめる場所となっています。建設に際し、Waupaca社

地域の一員としてさまざまな活動をサポート は地元の3工場から約20万立方ヤード(約15万m3)分の廃鋳物砂と金属スラグを盛り土として提供しました。製造工程で生じる副産物の有効利用にもつながり、施工主である自治体にとっては建設材料のコスト削減に役立ちました。このほか、工場で退役軍人向けの企業説明会を開催し、地域での雇用機会を継続的に提供しています。また、2014年には地域のアートイベント「“Tell Your Story in the Tiles”

(タイルにあなたのストーリーを)プロジェクト」に協力し、参加者一人ひとりの鉄のタイル制作を指導しました。

は地元の3工場から約20万立方ヤード(約15万m3)分の廃鋳物砂と金属スラグを盛り土として提供しました。製造工程で生じる副産物の有効利用にもつながり、施工主である自治体にとっては建設材料のコスト削減に役立ちました。このほか、工場で退役軍人向けの企業説明会を開催し、地域での雇用機会を継続的に提供しています。また、2014年には地域のアートイベント「“Tell Your Story in the Tiles”

(タイルにあなたのストーリーを)プロジェクト」に協力し、参加者一人ひとりの鉄のタイル制作を指導しました。

特集 持続的成長への施策 1

クローズドループ水冷却システム仕上げ工程 スワンパーク全景

造型機 自動仕上げ工程

項目 進捗状況2020年までの目標エネルギー原単位※を2009年比で25%削減※ 出荷製品1トン当たり百万Btuで測定

2009年から2013年にかけて、全6工場で14%以上エネルギー原単位を削減エネルギー

最先端の汚染防止技術を維持 米国環境保護庁や州の関連規制当局が「利用可能な最善策」と考える大気汚染管理システムを全工程で100%継続使用汚染防止

廃鋳物砂の発生量を2010年比で30%削減 鋳物製造に使う砂の再利用率70%以上。2014年は合計40万トンを再利用廃棄物

水使用量を2010年比で80%削減 2014年は全6工場で2010年比17%以上削減水

Waupaca社における環境活動の目標と2014年実績

1211 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015

Page 4: 特集 持続的成長への施策 1 鉄鋳物事業の グローバル成長に向けて※1 DCI:Ductile Casting Iron (球状黒鉛鋳鉄) ※2 GI:Gray Iron(片状黒鉛鋳鉄)

Waupaca社は、自動車をはじめ農業、建設、マテリアルハンドリング等の産業分野向けに各種鋳鉄製品を製造しています。国際的な品質基準であるISO9001およびISO/TS 16949認証等を全社で取得し、ブレーキ部品等の重要保安部品も多く供給しています。溶解から鋳造、仕上げまで一貫した世界最大規模の生産技術を有し、高品質の製品を常に安定供給できることがWaupaca社の強みです。Waupaca社の製品は、独自の生産工程と生産技術、造型機、自動仕上げシステムにより、高い耐久性と信頼性を備えています。さらに、仕上がり精度の高さから、後工程の機械加工を最小限にでき、お客さまの製造コスト削減に貢献しています。

事 業 活 動 に 伴う環 境 負 荷を低 減していくた め に 、Waupaca社では2020年までの目標を設定し、諸施策を実行しています。

■ エネルギー廃熱の利用や省エネ機器の導入等、コスト削減にもつながるさまざまな省エネルギー策を各工場で実施しています。

例えば、第1工場では鉄溶解炉からの廃熱を利用して、冬季に工場で使う温水の全てと暖房の70%を賄っています。

■ 汚染防止大気汚染防止のため、Waupaca社では集塵・空気濾過による最先端の汚染防止装置を各工場に設置しています。また、高度な装置監視システムを導入。塵埃漏れを検出する高精度のプローブを排気制御装置に設置して、装置の適正な稼働を監視しています。

■ 廃棄物Waupaca社における主な廃棄物の一つが、鋳造プロセスで砂型造型に使用した後の廃鋳物砂です。その埋め立て処分を減らすため、砂の使用量削減とともに、廃鋳物砂の有効利用を推進。政府機関と協力して、高速道路の路盤材や地盤の盛り土等の一般建設用途に再利用しています。

■ 水水使用量の削減に向けて、クローズドループ水冷却システムを設置し、水を循環利用しています。すでに複数の工場で稼働しており、例えば第4工場では、冷却水の使用量が、年間の季節変動はあるものの30~95%減っています。

Waupaca社のものづくり

地域社会との良好な関係の維持

独自の生産技術による品質管理

製造工程での環境負荷低減

Waupaca社は、本拠地とする米国ウィスコンシン州で、学校への機器の寄贈、地域社会の防災・救難活動および環境管理の支援、地域活動への積極的な参加・協賛等、さまざまな地域貢献活動をしています。例えば、2012年から、ウィスコンシン州ワウパカにある「スワンパーク」の建設に協力しています。「スワンパーク」は、冬用・夏用のレクリエーション設備を備えた複合型施設で、とりわけ高さ42フィート(約13m)のそりの丘は、冬に家族で楽しめる場所となっています。建設に際し、Waupaca社

Waupaca社は、本拠地とする米国ウィスコンシン州で、学校への機器の寄贈、地域社会の防災・救難活動および環境管理の支援、地域活動への積極的な参加・協賛等、さまざまな地域貢献活動をしています。例えば、2012年から、ウィスコンシン州ワウパカにある「スワンパーク」の建設に協力しています。「スワンパーク」は、冬用・夏用のレクリエーション設備を備えた複合型施設で、とりわけ高さ42フィート(約13m)のそりの丘は、冬に家族で楽しめる場所となっています。建設に際し、Waupaca社

地域の一員としてさまざまな活動をサポート は地元の3工場から約20万立方ヤード(約15万m3)分の廃鋳物砂と金属スラグを盛り土として提供しました。製造工程で生じる副産物の有効利用にもつながり、施工主である自治体にとっては建設材料のコスト削減に役立ちました。このほか、工場で退役軍人向けの企業説明会を開催し、地域での雇用機会を継続的に提供しています。また、2014年には地域のアートイベント「“Tell Your Story in the Tiles”

(タイルにあなたのストーリーを)プロジェクト」に協力し、参加者一人ひとりの鉄のタイル制作を指導しました。

は地元の3工場から約20万立方ヤード(約15万m3)分の廃鋳物砂と金属スラグを盛り土として提供しました。製造工程で生じる副産物の有効利用にもつながり、施工主である自治体にとっては建設材料のコスト削減に役立ちました。このほか、工場で退役軍人向けの企業説明会を開催し、地域での雇用機会を継続的に提供しています。また、2014年には地域のアートイベント「“Tell Your Story in the Tiles”

(タイルにあなたのストーリーを)プロジェクト」に協力し、参加者一人ひとりの鉄のタイル制作を指導しました。

特集 持続的成長への施策 1

クローズドループ水冷却システム仕上げ工程 スワンパーク全景

造型機 自動仕上げ工程

項目 進捗状況2020年までの目標エネルギー原単位※を2009年比で25%削減※ 出荷製品1トン当たり百万Btuで測定

2009年から2013年にかけて、全6工場で14%以上エネルギー原単位を削減エネルギー

最先端の汚染防止技術を維持 米国環境保護庁や州の関連規制当局が「利用可能な最善策」と考える大気汚染管理システムを全工程で100%継続使用汚染防止

廃鋳物砂の発生量を2010年比で30%削減 鋳物製造に使う砂の再利用率70%以上。2014年は合計40万トンを再利用廃棄物

水使用量を2010年比で80%削減 2014年は全6工場で2010年比17%以上削減水

Waupaca社における環境活動の目標と2014年実績

1211 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015

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日立金属MMCスーパーアロイ(株)概要(2015年4月1日現在)

所 在 地 埼玉県桶川市上日出谷1230番地代 表 者 代表取締役 取締役社長 岡 勉 (兼 日立金属(株) 高級金属カンパニー 航空機・エネルギー統括部長)事 業 内 容 特殊耐熱・耐食・耐摩耗合金、 特殊銅合金の製造、販売売 上 高 17,790百万円(2014年3月期)設立年月日 2010年7月1日

リテーナー

溶着棒(ビシライト®)

日立金属MMCスーパーアロイ(株)主要製品

伝統に裏付けられた高い品質と地域との共生

特集 持続的成長への施策 2

製造工程で多くのエネルギーを消費することから、いち早く大容量電力貯蔵システム(NAS電池)を導入する等、効率的なエネルギー使用に努めています。このほか、資源リサイクルや廃棄物の発生抑制、化学物質管理、汚染防止等の環境負荷低減活動を続けています。

HMSAの本社工場は、多くの方が住む住宅地に隣接しています。開かれた工場として、地域社会とのコミュニケーションを重視した事業活動を実践しています。例えば、地域の方々のスポーツやレクリエーションのために、敷地内の体育館やテニスコート、グラウンドを日常的に開放しています。また、お祭り等の地域行事へ積極的に参加したり、工場周辺の美化活動も定期的に実施しています。

地域の方々に身近な工場として

環境に配慮した事業活動HMSAは、三菱マテリアル(株)桶川製作所から70年にわたる事業経験を承継した超合金メーカーです。航空機・産業用ガスタービン・自動車等の基幹産業向けに、特殊耐熱合金・耐食合金、特殊銅合金等の高機能製品を生産しています。原材料の溶解・鋳造から塑性加工、機械加工、試験・検査に至るまで一貫して手掛けるだけでなく、新合金開発、新プロセス開発、リサイクルにも注力しており、特に製造プロセスに関するシミュレーションや材料開発等の技術に高い評価を得ています。世界の顧客ニーズに高品質で応えるために、ISO9001

(JISQ9001)のほか、航空宇宙産業の特殊工程に関するNadcap※認証、さらに製品評価のための試験・校正能力に関するJISQ17025認定を取得・維持しています。また、今後、航空機・エネルギー材料市場は、環境性能向上をキーワードにさらなる発展が見込まれており、日立金属グループも積極的な設備投資でスピーディーにニーズに対応しチャンスをとらえていきます。※ National Aerospace and Defense Contractors Accreditation

Programの略

LPTシャフト

シンクロナイザーリング用素材本社工場全景

高い要求性能に応える生産技術

航空機・エネルギー材料分野を事業の新たな柱へ高度な専門技術と優良な顧客基盤を強みに加え、航空機・エネルギー材料事業のグローバル成長をめざします日立金属は、世界規模で成長する航空機・エネルギー材料分野を自動車、エレクトロニクス、産業インフラに続く第4の柱と位置付け、積極的な投資を進めています。事業拡大を加速するため、2014年7月に日立金属MMCスーパーアロイ(株)※(以下「HMSA」)が連結子会社になりました。航空機部材の技術力と生産能力を高め、世界で拡大する需要に応えていきます。※ 2014年7月1日、三菱マテリアル(株)から発行済株式の51%相当を譲受して連結子会社化し、MMCスーパーアロイ株式会社から社名変更

航空機・エネルギー材料事業の展望日立金属は高純度の製鋼技術と先駆的な材料技術・材料開発力を活かして、航空機ジェットエンジン向けの特殊鋼をグローバルに生産・供給してきました。日本の航空機産業発展の一翼を担うべく、2011年には日本エアロフォージ

(株)(以下「Jフォージ」)を共同設立、世界最大級の油圧式型打鍛造プレスへの投資に参画しています。航空機・エネルギー材料分野に強みを持つHMSAが連結子会社になったことで、日立金属は、この分野での専門的な技術ノウハウと高付加価値の製品群、そして長年の信頼に裏付けられた優良な顧客基盤を獲得。日立金属が従来持つ大規模な生産インフラと投資力、Jフォージの大型鍛造能力を合わせて、グローバル市場での存在感をさらに高めて

いきます。2014年10月には航空機・エネルギー統括部を設置し、航空機・エネルギー材料事業を第4の柱として成長させていく体制を整えました。強化した新体制のもと、日立金属は、欧米の有力メーカーに並ぶ競争力を獲得していくための施策を次々と実行に移しています。HMSAでは大型リングミルを導入、2015年度中に稼働予定です。また、海外においてプロフェッショナル人材を獲得しグローバルな拡販体制を構築するほか、事業領域拡大に向けてさらなる投資も検討しています。今後、HMSA、日立金属、Jフォージが三位一体となってそれぞれの強みを発揮し、航空機・エネルギー材料事業で2025年に売上高500億円をめざします。

(c) MIXA CO., LTD. /amanaimages

製品の化学分析工程 工場周辺の美化活動押出パイプ水浸超音波探傷

1413 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015

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日立金属MMCスーパーアロイ(株)概要(2015年4月1日現在)

所 在 地 埼玉県桶川市上日出谷1230番地代 表 者 代表取締役 取締役社長 岡 勉 (兼 日立金属(株) 高級金属カンパニー 航空機・エネルギー統括部長)事 業 内 容 特殊耐熱・耐食・耐摩耗合金、 特殊銅合金の製造、販売売 上 高 17,790百万円(2014年3月期)設立年月日 2010年7月1日

リテーナー

溶着棒(ビシライト®)

日立金属MMCスーパーアロイ(株)主要製品

伝統に裏付けられた高い品質と地域との共生

特集 持続的成長への施策 2

製造工程で多くのエネルギーを消費することから、いち早く大容量電力貯蔵システム(NAS電池)を導入する等、効率的なエネルギー使用に努めています。このほか、資源リサイクルや廃棄物の発生抑制、化学物質管理、汚染防止等の環境負荷低減活動を続けています。

HMSAの本社工場は、多くの方が住む住宅地に隣接しています。開かれた工場として、地域社会とのコミュニケーションを重視した事業活動を実践しています。例えば、地域の方々のスポーツやレクリエーションのために、敷地内の体育館やテニスコート、グラウンドを日常的に開放しています。また、お祭り等の地域行事へ積極的に参加したり、工場周辺の美化活動も定期的に実施しています。

地域の方々に身近な工場として

環境に配慮した事業活動HMSAは、三菱マテリアル(株)桶川製作所から70年にわたる事業経験を承継した超合金メーカーです。航空機・産業用ガスタービン・自動車等の基幹産業向けに、特殊耐熱合金・耐食合金、特殊銅合金等の高機能製品を生産しています。原材料の溶解・鋳造から塑性加工、機械加工、試験・検査に至るまで一貫して手掛けるだけでなく、新合金開発、新プロセス開発、リサイクルにも注力しており、特に製造プロセスに関するシミュレーションや材料開発等の技術に高い評価を得ています。世界の顧客ニーズに高品質で応えるために、ISO9001

(JISQ9001)のほか、航空宇宙産業の特殊工程に関するNadcap※認証、さらに製品評価のための試験・校正能力に関するJISQ17025認定を取得・維持しています。また、今後、航空機・エネルギー材料市場は、環境性能向上をキーワードにさらなる発展が見込まれており、日立金属グループも積極的な設備投資でスピーディーにニーズに対応しチャンスをとらえていきます。※ National Aerospace and Defense Contractors Accreditation

Programの略

LPTシャフト

シンクロナイザーリング用素材本社工場全景

高い要求性能に応える生産技術

航空機・エネルギー材料分野を事業の新たな柱へ高度な専門技術と優良な顧客基盤を強みに加え、航空機・エネルギー材料事業のグローバル成長をめざします日立金属は、世界規模で成長する航空機・エネルギー材料分野を自動車、エレクトロニクス、産業インフラに続く第4の柱と位置付け、積極的な投資を進めています。事業拡大を加速するため、2014年7月に日立金属MMCスーパーアロイ(株)※(以下「HMSA」)が連結子会社になりました。航空機部材の技術力と生産能力を高め、世界で拡大する需要に応えていきます。※ 2014年7月1日、三菱マテリアル(株)から発行済株式の51%相当を譲受して連結子会社化し、MMCスーパーアロイ株式会社から社名変更

航空機・エネルギー材料事業の展望日立金属は高純度の製鋼技術と先駆的な材料技術・材料開発力を活かして、航空機ジェットエンジン向けの特殊鋼をグローバルに生産・供給してきました。日本の航空機産業発展の一翼を担うべく、2011年には日本エアロフォージ

(株)(以下「Jフォージ」)を共同設立、世界最大級の油圧式型打鍛造プレスへの投資に参画しています。航空機・エネルギー材料分野に強みを持つHMSAが連結子会社になったことで、日立金属は、この分野での専門的な技術ノウハウと高付加価値の製品群、そして長年の信頼に裏付けられた優良な顧客基盤を獲得。日立金属が従来持つ大規模な生産インフラと投資力、Jフォージの大型鍛造能力を合わせて、グローバル市場での存在感をさらに高めて

いきます。2014年10月には航空機・エネルギー統括部を設置し、航空機・エネルギー材料事業を第4の柱として成長させていく体制を整えました。強化した新体制のもと、日立金属は、欧米の有力メーカーに並ぶ競争力を獲得していくための施策を次々と実行に移しています。HMSAでは大型リングミルを導入、2015年度中に稼働予定です。また、海外においてプロフェッショナル人材を獲得しグローバルな拡販体制を構築するほか、事業領域拡大に向けてさらなる投資も検討しています。今後、HMSA、日立金属、Jフォージが三位一体となってそれぞれの強みを発揮し、航空機・エネルギー材料事業で2025年に売上高500億円をめざします。

(c) MIXA CO., LTD. /amanaimages

製品の化学分析工程 工場周辺の美化活動押出パイプ水浸超音波探傷

1413 日立金属グループ CSR報告書2015 日立金属グループ CSR報告書2015