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特集
デジタルトランスフォーメーションは必須の経営課題 デジタル化の潮流は、あらゆる産業、企業を飲み込もうとしています。 デジタル革新は、既存事業や製品の構造を破壊し、利用者の利便性を高める破壊的イノベーションをもたらしています。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2018」によると、ビジネスのデジタル化を実施・検討している企業は半数を超えました。ビジネスのデジタル化は、もはや一部の先進的な企業の取り組みでなく、すべての企業にとって必須の取り組みになっているのです。
【特集】 デジタルビジネス人材は3つの観点で育成! - 育成コースラインナップのご紹介 ー
デジタルビジネスを生み出す進め方とは では、どのようにデジタルビジネスを推進していけばよいのでしょうか? デジタルビジネスを生み出すためには、試す価値のある新しいアイデアを創出し、できるだけ速くサービスとして実装・リリースし、ユーザーや市場からのフィードバックを素早く受けるプロセスが必要になります。考え方はデザイン思考になり、進め方はアジャイルになります。
当社では、デジタルビジネス人材の育成をご支援するコースを多数ご提供しています。育成にぜひご活用ください。【デジタルビジネス人材の育成コースMAP】
社会・市場
観察・価値発見
アイデア創出
試作・価値検証
サービス実装
サービス改善
サービス提供
フィードバック
リリース
ユーザー
デジタル思考(デザイン思考)
デジタルプロセス(アジャイル開発)
デジタルテクノロジー
デジタル思考
デジタルテクノロジー
デジタルプロセス
UAF87L デザイン思考の基礎~ビジネス価値を見出すために~
UAF49L 価値の種を見つける!ユーザージャーニーマップの描き方
UAF48L サービス価値を描く!バリュープロポジションキャンバスの活かし方
UAI16L 体験!ディープラーニング(入門編) ~ Zinraiディープラーニングの利用~
UBU36L データ分析のためのデータ前処理実践トレーニング
UBS77L アジャイル開発はじめの一歩
UBS99L アジャイル開発手法によるシステム開発
UAQ69L デジタルビジネス時代に求められる価値創造プロセスのマネジメント
UAI15LAIを活用したサービスデザイン
ワークショップ
UAI21LAIプロジェクトの進め方~企画から運用の勘所~
顧客価値デザイン
顧客体験の可視化
バリュープロポジションキャンバスの活かし方
提供価値の可視化
ロボットAIPF
データ分析の
前処理
アジャイル全体像
アジャイル
疑似体験
AIサービス
デザイン
AIプロジェクトの勘所
価値実現の
マネジメント
UAF87L 改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版
UBU36L 改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版改版
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特集
【特集】 デジタルビジネス人材は3つの観点で育成! - 育成コースラインナップのご紹介 ー
求められる人材と、必要となる3つの観点は 当社では、デジタルビジネス時代に必要な人材が持つべき要素を、3つの観点(思考・プロセス・テクノロジー)で捉えています。1つ目は、デザイン思考などを駆使して、イノベーティブにビジネスやサービスをデザインできること、2つ目は、アジャイル開発などを用い、動くサービスを素早く作り、継続的改善のプロセスが実践できること、3つ目は、SMACSなどのデジタルテクノロジーを駆使できること、です。
当社では、デジタルビジネス人材の育成をご支援するコースを多数ご提供しています。育成にぜひご活用ください。
デジタル思考
イノベーティブにビジネスやサービスをデザインできる
デザイン思考・・・P.12
デジタルプロセス
動くサービスを素早く作り、継続的改善のプロセスが実践できる
アジャイル開発・・・P.13
デジタルテクノロジー
デジタルテクノロジーを駆使できる
クラウド技術・・・P.16
セキュリティ技術・・・P.17
データ分析(AI、Analytics)・・・P.14
デザイン思考、ユーザー中心、バリュープロポジション・・・
アジャイル、スクラム、DevOps、自動化・・・
AI 、 Analytics、IoT、セキュリティ・・・
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UAF46L 体験!アイデアソン~チームで新しい価値を創り出す~ UAU53L ビジネスモデルの基本
UAF52L 体験!ハッカソン ~イノベーションの種をカタチにする~
UAF38L Business Co-Creating Workshop
UJS59L Web技術者のためのREST API開発(JS編)~構築から利用まで~
USA71Lサイバーセキュリティリスク分析基礎
UBU27L
UBU28LCI(継続的
インテグレーション)入門~ビルド・テストの自動化に向けて~
UHD41D【e講義動画】速習!RPA入門
UBU34L テスト駆動開発の基礎UHD43D 【e講義動画】
アジャイルから学ぶ働き方改革の進め方 ~組織や仕事のあり方を考える~
アイデア構想
ビジネスモデル
を描く
プロトタイプ
構築ビジネス創
出の実践
RESTAPI
サイバー
セキュリティ
リスク分析
アジャイル実践
ビルド・テスト
自動化 RPAとは
アジャイルに適した
テスト手法アジャイル型ワーク
※本ページは主要コースのみ掲載しています。デジタルビジネス人材育成のコースラインナップは、「デジタルビジネス」のコースマップをご覧ください。
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特集
デザイン思考
デジタル思考について 当社で考えるデジタルビジネス時代の人材に必要な要素の1つ「デジタル思考」は、デザイン思考などを駆使して、イノベーティブにビジネスやサービスをデザインできること、です。 デジタル思考という言葉はアナログ思考と対比されて使われることも多いですが、ここでは、デジタルビジネスやデジタルトランスフォーメーションを推進、実現するために必要な思考と捉えてください。 代表的なものとしてはデザイン思考があり、デジタル時代において、ベースとなる考え方といえるでしょう(詳細は以下参照)。また、イノベーティブにビジネスやサービスをデザインするために必要なユーザー中心の視点やビジネスモデルの可視化、共創時代に求められるオープンな取り組み・マインド(高いEQなど)も重要なデジタル思考と考えています。
デジタル技術は、良いビジネスも、悪いビジネスも、それぞれを大きく増幅させる影響力があります。デジタルビジネス時代は、まず良いビジネスをつくり、その後にデジタルを、という基本がいっそう重要になる時代だと言えます。現在、デザイン思考が注目されている大きな理由の一つは、デジタル・ビジネスのデザインも含めて、イノベーションを創出するうえで役に立つと見なされてきているからです。 デザインとイノベーションとはよく似ています。どちらも既存のものも含めた新しい組み合わせを活かすという特徴を持ち、それが価値あるものとして社会に広く受け入れられることを追求し(“芸術作品”や“発明”は必ずしもそうではありません)、デザイナーもイノベーターも自身の「直観」と「論理」の両方を活用しています。
「デザイン思考」とは、ビジネスにおいて様々なイノベーションを起こすことを目的として、デザイナーの思考・行動様式を応用できるように体系化したものです。 イノベーションを求めて客観的な情報やデータを収集・分析して新規企画を立案しても、「あなたは何がしたいのか?」と主観を問われて困惑したり、他社と似たり寄ったりの企画になってしまうことがよくあります。 しかし、「では、どうすればよいのか?」という方法論になると、具体的には分からず、結果的に従来型の客観的・分析型のアプローチに落ち着いてしまうことが少なくありません。 デザイン思考は、上記のような陥りがちな状況から脱し、客観的・分析的なアプローチからだけでは困難な、イノベーティブな価値を生み出す体系的な方法論を備えたスキルおよびマインドセットとして注目されています。
デザイン思考デジタル思考
デジタル思考(デザイン思考)を学び、実践する力を高めるコース 当社では、デジタル思考(デザイン思考)を体系的に学び、実践力を高めるコースを複数ご用意しています。
コースラインナップは、コースマップ「デジタル思考」をご覧ください。
今、なぜデザイン思考なのか?
デザイン思考とは
価値の種を見つける!ユーザージャーニーマップの描き方ビジネスの価値を見出すために、ユーザーによる製品やサービスの一連の利用経験に潜むニーズを、ユーザージャーニーマップを描くことで追体験し、ユーザーのインサイト(行動や態度の根底にある本音)を見出すスキルを高めます。
デザイン思考の基礎 ~ビジネス価値を見出すために~「デザイナーがデザインする時のように」頭と手を動かし、直観と論理を活かしながら、イノベーティブな新しいビジネス価値を見出すスキルを高めます。
UAF87L UAF49L
ビジネスモデルの基本ビジネスモデルを検討するための思考ツール、表現ツールを学び、ワークショップを通じて、特徴のある企業のビジネスモデルを題材に、ビジネスを俯瞰する力を身につけます。
UAU53L
サービス価値を描く!バリュープロポジションキャンバスの活かし方ユーザー体験から得られたインサイト(行動や態度の根底にある本音)をもとにバリュープロポジションキャンバスを描き起こし、ビジネス価値の描き方(仮説の立て方)を学びます。
UAF48L
EQ(感情能力)を高める~共創時代における人間関係構築に向けて~共創ビジネスをはじめとした新しい価値を生み出すインフラであるステークホルダーとの良好な人間関係を構築するために、感情をうまく扱うスキルを磨きます。
UAF82L
Business Co-Creating Workshop(BCCワークショップ)様々な思考ツールを活用し、 異業種の参加者とともに新しいビジネスやサービス・商品を企画、創出する一連のプロセスを体験できます。
UAF38L
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特集
アジャイル開発
デジタルビジネス時代においては、市場の変化が早く、そのスピードに合った対応が求められています。 これまでの開発スタイルは、システムを作り始めてからリリースまでの期間が長く、ようやく完成しても「思っていたものと違うのですが…」と言われることも多く発生しています。また、早い段階で要件を決定できず、とりあえず必要そうな要件・機能が盛り込まれ、開発メンバーが苦労して作成したにも関わらず、その機能が利用者に使われていない実態も発生しています。 このような流れの中で、動くサービスを素早く作り、継続的改善のプロセスが実践できる手法として、「アジャイル開発」に注目が集まっています。
アジャイル開発では、お客様が必要と思う、今使いたいものから提供していきます。 短い間隔で、継続的に、動くソフトウェアをリリースし、提供したものを利用者に使っていただき、フィードバックを得ることで満足度の高いシステムを作成していきます。 アジャイル開発は、短い間隔で小さなものを素早く作り、利用者の反応を見ながら大きく育てることができます。 まさにデジタルビジネス時代にあった開発スタイルではないでしょうか。
アジャイル開発の手法の中では「スクラム」が圧倒的に人気です。 スクラムでは、役割(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発メンバー)、イベント(デイリースクラム、スプリントプランニングなど)、作成物(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)が定義されています。しかし、いざ開発を行うと、うまく進まないことが多くあります。アジャイル開発は開発メンバーだけでなく、お客様を含め、チーム全員が理解することが必要です。チームで協調し、改善を繰り返して成長していくことで、開発を成功へ導きます。アジャイル開発の手法を演習やワークショップで実際に体験すると、より実践的なスキルが身につきます。
アジャイル開発デジタルプロセス
デジタルプロセスについて 当社で考えるデジタルビジネス時代の人材に必要な要素の1つ「デジタルプロセス」は、アジャイル開発などを用い、動くサービスを素早く作り、継続的改善のプロセスが実践できること、です。 デジタル時代においては、従来型の開発プロセスのように要件や仕様を固めてからスタートすることが難しくなっています。仮にできたとしても、受発注の契約に基づくディフェンシブかつスピード感のない開発となることでしょう。だからこそ、デジタル時代に適したプロセスが必要なのです。 デジタルプロセスの代表的なものとしては、アジャイル開発があり、企画・開発・運用まで含めたビジネス駆動型の手法として注目されています(詳細は以下参照)。また、デジタルプロセスを実現するためのビルドやテストの自動化も重要な要素となります。 「デジタル思考」、つまりユーザー視点でビジネスやサービスをデザインできたとしても、それが本当に価値あるものかは提供してみなければ誰もわかりません。小さく作って、ユーザーからフィードバックをもらう「デジタルプロセス」があってこそ、デジタルビジネスが動き出します。デジタル思考とデジタルプロセスの両輪で推進することが重要なのです。
コースラインナップは、コースマップ「デジタルプロセス」をご覧ください。
システム開発手法に変革が求められる時代へ…
広まるアジャイル開発
知識とノウハウ
運用テストリリース 1
設計・製造・品質保証要件定義
月→→→→金
プロダクトバックログ
フィードバック
システム化企画
要件定義
要件定義
システムテスト
月→→→→金
要件定義
システムテスト
運用テストリリース 2
運用・保守
‥
設計製造
単体テスト
結合テスト
設計製造
単体テスト
結合テスト
業務要件システム要件
開発メンバースクラムマスター
プロダクトオーナー
プロダクトバックログ スプリント
バックログ 24時間ごと
出荷可能な製品機能のインクリメント
デイリースクラム
スプリントレビューミーティング
スプリントレトロスペクティブ
スプリントスプリントプランニング
‥
小さく作り、大きく育てる
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特集
データ分析(AI 、 Analytics)デジタルテクノロジー
ビッグデータの利活用は近年の技術革新により、急速な進化を遂げており、「データ」は「ヒト」、「モノ」、「カネ」と並ぶ重要な経営資源となっています。従来のヒトが入力したデータを蓄積するだけでなく、センサーなどが埋め込まれたモノからネットワークを介してデータを収集する、いわゆる「IoT」により多種、多様なビッグデータを収集、蓄積することが可能になっています。 また、収集したビッグデータを分析した結果をモデル化し、そのモデルを適用したAI(人工知能)搭載の製品やサービスが次々とリリースされており、今後も様々な分野でビッグデータの利活用が進んでいくことが予想されます。
IoT現在、すべてのモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代が到来しています。企業は顧客の身の回りや製造現場に溢れるあらゆる“モノ”にセンサーを設置し、絶えずデータ収集を行うようになりました。IoTをとりまく市場は今後急速な成長が見込まれる分野であり、多くの企業が参入/活用計画を検討しています。また、民間企業のビジネスだけでなく政府の重点政策として、経済産業省や総務省などでも議論されている分野です。
人工知能に関するニュースがメディアを賑わせており、毎日のように「人工知能を使った製品」や「人工知能を搭載したシステム」がリリースされています。人工知能、機械学習、ディープラーニングなどの用語が紙面を飾り、今まさに人工知能の分野は大きなブームとなっています。しかし、現状、人間のような知能を持つ人工知能は存在せず、人間の知的な作業の一部を実現しているに過ぎません。人工知能という技術を過大に評価せず、正しく適用するためにも、今、人工知能で実現できていることを理解しておく必要があります。
AI
データ収集 データ蓄積・処理
分析
BigDataセンサーデバイスやアプリケーションログなど、大量に生成されるデータを分析し、ビジネスに活用する必要がある場合、ビッグデータ処理のICT技術を身につける必要があります。大量データの蓄積技術としては分散ファイルシステムとNoSQLデータベース、大量データの処理技術としてはApache HadoopやApache Sparkが活用されています。
「機械の故障を予測したい」「お客様が求めている商品を予測してレコメンドしたい」
予測の力をビジネスに活用するにはアナリティクスが必要不可欠です。正確に予測できる機械学習モデルを構築することが求められる場合は、統計ソフトウェアなどが活用されます。Pythonなどの統計機能を備えられるプログラミング言語でモデルを作成することで、データの予測を自動化することができます。ビジネスユーザーがデータドリブンなアクションを行う必要がある場合は、可視化を即座に行えるBIツールが活用されます。
Analytics
Apache HadoopApache Sparkなど
分散ファイルシステムNoSQLなど
処
理
蓄
積
機械学習 BI
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特集
IoTで利用するデバイスはセンサーを搭載していますが、新規サービス検討時などのデバイスのプロトタイプ作成、トレンドであるIoTを自分の手で触りたいなどの興味、その他教育用途の目的で活用されるボードコンピュータとして「Raspberry Pi」があります。これ自体は小型コンピュータであり、microSDカードに「Windows 10 IoT Core」や「Raspbian(Debian系Linux)」のOSを入れることで利用できます。ブレッドボード上にセンサーを搭載した回路を構築し、Raspbian上にセンサー値を取得するプログラムを配置することで、簡易的にデバイスを構築することが可能です。 また、ITベンダー各社はIoTソリューションを展開しており、富士通ではすぐに活用できる価値あるデータを提供するIoTパッケージである「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE」があります。例えば、位置情報を取得できるデバイス「ロケーションバッジ」を使用して人や物の位置情報を把握し、業務の効率化・安全管理を実現するなど、デバイスを活用した様々なソリューションを提供しています。
IoTシステムでは、多数のIoTデバイスから発生する大量のデータを確実に蓄積し、高い冗長性や安定性を保持したまま、これらを高速に処理することが求められます。そのため、データの蓄積・分析・フィードバックにはクラウドで提供されるIoTプラットフォームを活用することが一般的です。IoTプラットフォームとは、IoTシステムの構築に必要なIoTデバイスの接続・管理機能やデータの蓄積や分析機能などをクラウドで包括的に提供するサービスの総称で、富士通をはじめ、MicrosoftやAmazon Web Servicesなど代表的なクラウドベンダから提供されています。なお、上記に挙げた機能はクラウドベンダによっては、IoTシステム以外での利用を想定してIoTプラットフォームとしてではなく個別にサービスとして提供している場合もあります。
IoTで活用されるデバイスとプラットフォーム
データ分析(AI 、 Analytics) コースラインナップは、コースマップ「デジタルテクノロジー」をご覧ください。
AIブームを牽引するディープラーニングとは
様々な分析アプローチにおけるAIの位置づけ
AIブームを牽引している技術が2010年代に入り注目を集めている『ディープラーニング』です。では、なぜ今ディープラーニングが注目されているのでしょうか。 従来の機械学習では、どのデータに注目すべきかを考え、学習項目を選択する「特徴量の設計」を人間が行う必要がありました。 例えば、過去データから商品の売上を予測するには、「曜日」 「天気」「気温」「近隣でのイベント有無」が重要だろうと捉え、その項目の過去データをコンピュータに学習させるといった作業です。この作業は非常に難解で、かつ試行錯誤が必要なため、大きな労力を伴うものでした。
ディープラーニングをはじめとしたAI技術は、分析アプローチの一つに該当します。データ活用の目的によっては、AI以外の分析アプローチを選択することも重要です。
ディープラーニングでは、この特徴量の設計を、コンピュータ自身がデータを元に自動的に行います。そのため、これまで人間が特徴量の設計を行うのが困難であった「画像認識」や「音声認識」といった分野で実用が進んでおり、既に人間の目の精度を超える画像認識に成功している事例もあります。 コンピュータに目や耳の一部の機能をもたらしたディープラーニングが、ビジネスの世界に大きなブレークスルーをもたらしていると言っても過言ではありません。
BIツール
機械学習統計学ディープラーニング
解釈しやすい(直観的)
解釈しにくい
コンピュータによる意思決定(自動化)
人による意思決定の支援
= 1 1 + 2 2 + …+ + +
人工知能 Artificial Intelligence 機械学習
Machine Learning
ディープラーニング Deep Learning
1950’s 1980’s 2010’s
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特集
デジタルビジネス時代におけるクラウドの動向
クラウドサービス/APIにおける当社の豊富なラインナップ デジタルビジネス時代において、提供される各クラウドサービスそのものを理解することも重要ですが、提供サービスを活用し、新規サービス開発のスピードアップや、変化対応力向上のため、APIを使いこなすことが重要と考えます。当社では、パブリッククラウドを学習するコースを豊富なラインナップで提供するとともに、プライベートクラウドを実現する技術や、クラウドにおける開発・運用手法、API活用などのクラウド共通技術まで、幅広いコースを提供しています。 パブリッククラウドについては、世界的にクラウドのリーダーとして各所から認められている、「Amazon Web Services」、「Microsoft Azure」 、「Salesforce」はもちろん、国産クラウドである富士通のクラウドサービス「 」や「ニフクラ」についても、実際の環境を操作し、体験しながら習得いただけるコースを数多く提供しています。 またクラウド共通技術として、各サービスの連携に必須となる「API」についても、体験を通してAPIの使い方を学習するコースから、実践的なアプリケーションを開発するコースまで提供しています。
デジタルビジネス時代において、新しい価値を提供するためにはクラウドの活用は欠かせません。パブリッククラウドを活用することで、最新のテジタルテクノロジーを早期に活用でき、新しいサービスをスピーディーに提供できるようになります。 デジタルビジネス時代の技術者として、従来のICTスキルをベースに、代表的なクラウドサービスの特性を理解し、要件から最適なクラウドを選定したり、組み合わせたりする(クラウドサービスインテグレーション)スキルが求められるとともに、クラウドの特長を活かした開発の進め方を推進する必要があります。
クラウド技術デジタルテクノロジー コースラインナップは、コースマップ「デジタルテクノロジー」をご覧ください。
【クラウド関連技術体系】
◆従来からの ICTスキル
◆デジタルビジネス時代に強化すべきスキル
セキュリティ
アプリケーション
ミドルウェア
OS
ハードウェア
ネットワーク
【共通】・従来のICTスキルを基に、クラウド技術の概要・クラウド選定のポイントを知る。・パブリック/プライベートにかかわらず、クラウド時代に必要な開発・運用手法を知る。
【パブリッククラウド】・パブリッククラウドの各サービスを利用したシステムを構築する手法を知る。
【プライベートクラウド】・サーバ/ネットワーク仮想化技術やプライベートクラウドを実現するソフトウェアを知る。
クラウド技術基礎 プロジェクトマネジメント
クラウド選定
for VMware
Salesforce
Salesforce Platform
ネットワーク仮想化VMWare
サーバ仮想化VMwarevSphere
MicrosoftHyper-V
LinuxKVM
クラウド環境構築ソフト クラウド運用管理ソフトSystem Center
Amazon Web ServicesAmazon EC2Amazon S3
ニフクラ仮想サーバー
オブジェクトストレージ
Microsoft Azure
Web AppsVirtual Machines
API
クラウドセキュリティ
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特集
セキュリティ技術デジタルテクノロジー コースラインナップは、コースマップ「デジタルテクノロジー」をご覧ください。
サイバーセキュリティ人材育成の基本コンセプト
CYBERIUM(サイベリウム)/Shinagawa(学びの場のご提供)
注目のサイバーセキュリティコース
デジタルビジネスを加速させるサイバーセキュリティ人材とは? 当社が考えるサイバーセキュリティ人材育成の基本コンセプトは、多様化するサイバー攻撃に対する高い専門性を持った「セキュリティ技術者」の育成と、普段、基盤構築、アプリ開発、運用などを行っている自社の技術者が、自分の業務範囲にかかわるセキュリティ技術を身に付け、実践することができる「セキュリティがわかる技術者」の育成の2本柱の推進です。セキュリティの専門家である「セキュリティ技術者」は育成だけでなく、雇用、外部専門業者との連携によって補うこともできますが、自社の業務に精通した「セキュリティがわかる技術者」は、自社内での育成が急務となっています。当社では、両方の人材育成に必要なスキルを習得いただくために、レベル別、人材・役割別など幅広い研修ライナップをご提供しておりますので、活用をご検討ください。
CYBERIUM/Shinagawaは、富士通のセキュリティ人材育成ノウハウなど実践的な内容を盛り込んだ研修を最新のテクノロジーとともに学べ、様々な価値観を持った人と意見をぶつけ合い解決策を考え抜くためのリアルな場や、実際にサイバー攻撃の脅威を体験し、訓練を通じて新ビジネス創出のチャンスに変えてゆくための発想力を養う場をご提供します。 CYBERIUM/Shinagawa では、仮想環境(CYBERIUM※)上に実際の業務データの流れを構築し、攻撃側と防御側に分かれて疑似体験できるコンテンツを豊富にご用意しています。 ※CYBERIUM:富士通が開発したサイバーレンジ(仮想演習環境)
セキュリティ技術者育成サイバーセキュリティ対策に必要な、マルウェアの典型的な攻撃パターンや、システム侵入テストの手法について、講義と演習を交えて学習します。
サイバーレンジによる実践的防御演習基礎水飲み場攻撃や標的型メール攻撃に代表されるサイバー攻撃に対し、内部への侵入を前提としたセキュリティ対策について、講義と演習を交えて学習します。
フォレンジック入門インシデント対応で必要となる保全やフォレンジック、ログ管理等の概念について、講義と演習を交えて学習します。
サイバー攻撃手法と攻撃検知手法実際の攻撃者、防御側の立場を体験することにより、セキュリティマインド、検知/防御技術の向上に役立てることができます。
サイバー攻撃におけるインシデント対応~疑似環境を用いた解析~実際に行われているサイバー攻撃手法を学び、サイバー攻撃を受けた場合のインシデント対応方法を学習します。
サイバーレンジによる実践的インシデント訓練セキュリティインシデント発生時における初動対応を実現するために、簡易的な調査や分析方法を学習します。
セキュリティ技術者なら知っておきたいの基礎
サイバー攻撃で狙われるWindows OSの仕組みについて短期間で学習します。
サイバーセキュリティインテリジェンス実践膨大なインターネット上の情報から、サイバー攻撃の脅威に関する情報を導き出し、利活用するためのスキルを習得できます。
UAZ07L
UAZ01L
USA73L
USA61L
UAZ03L
USA60L
USA70L
USA57L
CYBERIUM開催
CYBERIUM開催 CYBERIUM開催
CYBERIUM開催
セキュリティがわかる技術者の育成(自社技術者)
セキュリティ技術者の育成(セキュリティ専門家)
入
門
応
用
CYBERIUM/Shinagawaの様子 サイバー攻撃の状況はダッシュボードで可視化されます。視覚的に理解しながら取り組むことが可能です。
※「New」(新規コース)は開発中のため、内容が変更になる可能性があります。
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特集
デジタルビジネスの推進をご支援するコースの中から、新規コースや改版(リニューアル)したコースをご紹介します。
新設&改版コースのご紹介
デザイン思考の基礎 ~ビジネス価値を見出すために~ コースコード:UAF87L 学習期間:2日間現状の仕事を新しく捉え直し、より大きな価値づくりを実現したい方におすすめ!
現在、「デザイン」という概念は製品から、サービスやデジタル・ビジネスにまで拡張されつつあります。本コースでは、幅広い視野からイノベーションを創出する方法論として注目されている「デザイン思考」について、[観察→直観や内省によるコンセプトづくり→実現のためのモデル化]という基本プロセスを学び、身の回りに潜んでいるビジネス価値を見出すスキルを高めます。
デジタル思考改版改版改版改版改版改版改版改版改版
AIプロジェクトの進め方 ~企画から運用の勘所~ コースコード:UAI21L 学習期間:1日間システム開発のプロジェクト経験がある方で、今後、AIを活用したシステム開発を行う方におすすめ!
機械学習をはじめとする人工知能を活用したシステムやサービスが注目される中、AIならではのプロジェクトの進め方が必要とされています。本コースではAIプロジェクトの全体像や必要なリソース、各フェーズにおけるAIプロジェクトならではの注意点やポイントについて講義と演習をとおして学習します。
デジタルプロセスデジタルテクノロジー
データ分析のためのデータ前処理実践トレーニング コースコード:UBU36L 学習期間:2日間人工知能プロジェクトをはじめとしたデータ分析プロジェクトに携わるシステムエンジニアの方におすすめ!
データ分析の精度は「前処理」で決まると言われるほど、分析結果に大きな影響を与えます。本コースでは、主にPythonを使った、数値、文字、テキストの前処理について学習します。
デジタルテクノロジー改版改版改版改版改版改版改版改版改版
CI(継続的インテグレーション)入門 ~ビルド・テストの自動化に向けて~ コースコード:UBU28L 学習期間:2日間ビジネスやシステムの変化に対応するために、新たにアジャイル開発やDevOpsに取り組もうとする開発者の方におすすめ!
アジャイル開発やDevOpsの実践に欠かせない手法であるCI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)を、短期間で学習する入門コースです。構成管理、自動ビルド、自動テスト、プロジェクト管理などの継続的インテグレーションに必要な要素を、スタンダードなOSSで構成された実習環境で体験します。(実習環境では開発言語としてJavaを使用)
デジタルプロセスデジタルテクノロジーNewNewNewNewNewNewNewNewNew
【e講義動画】速習!RPA入門 コースコード: 標準学習時間:1時間これからRPAの導入を検討され、RPAの概要を知りたい方におすすめ!
「働き方改革」「生産性向上」を実現するツールとして、定型的なパソコン操作を自動化するRPAが注目を浴びています。本コースではRPAでできることや、導入時の注意点をはじめとする、RPAの概要について学習します。
デジタルプロセスデジタルテクノロジーNewNewNewNewNewNewNewNewNew
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特集
企画中の注目コース
新設&改版コースのご紹介
チームから組織へ
エンタープライズアジャイルを適用するためには…
ご存知の通り「ウォーターフォール開発」は大規模だけでなく、小規模まで幅広く適用することができます。一方「アジャイル開発」は小規模開発向きと思っている方も多いのではないでしょうか。 確かに小規模で行っているケースは多く存在します。しかし、近年では1チームではなく、複数チームで開発を行うことも増えてきています。 このような流れの中、「エンタープライズアジャイル」というキーワードが最近注目を集めています。エンタープライズアジャイルは、大企業がアジャイルを導入すること、大規模プロジェクトをアジャイルで行うこと、組織や企業をアジャイルで運営することなど、様々な解釈で使われています。 多様な人々が関わり合い、幅広い知識なども必要とされるなど、これまでとはスケールが異なります。企業がアジリティを高め、顧客価値を向上させるためには、組織の文化そのものを大きく変える必要があります。
このようにエンタープライズアジャイルを適用するには、組織文化の大きな変革を伴います。経営層から末端の部門まで一人ひとりがアジャイルマインドを持ち、アジャイルな振る舞いを実践できるようになる必要があるのです。 これには大きなエネルギーと時間がかかります。
富士通ラーニングメディアでは、このエンタープライズアジャイルを組織に取り入れるための、人材育成、研修の面からご支援するコースを企画していきます。 コースの詳細が確定したら、当社Webサイトなどでご紹介します!
※標準学習時間は、最初から最後まで一通り学習を終わらせるのに必要な時間です。 繰り返し学習された場合の時間は含まれていません。
エンタープライズアジャイル
Coming Soon!
【e講義動画】アジャイルから学ぶ働き方改革の進め方 ~組織や仕事のあり方を考える~ コースコード: 学習期間:2時間全ての社会人におすすめ!
アジャイル開発の考え方や手法、特徴を理解した上で、働き方改革につながる組織や仕事のあり方を検討する際のポイントを学習します。
デジタルプロセスNewNewNewNewNewNewNewNewNew
テスト駆動開発の基礎 コースコード: 学習期間:1日間これからアジャイル開発に取り組もうとするプロジェクトのリーダ/メンバーの方におすすめ!
前半ではテキストに沿ってハンズオン形式でテスト駆動開発を体験します。後半ではペアプログラミングと組み合わせて、プログラミングの課題に挑戦することで理解を深めます。
デジタルプロセスNewNewNewNewNewNewNewNewNew
エンタープライズアジャイル
多い↑
【同時開発人数】↓少ない
数百名
(数十チーム)
数十名
(数チーム)
数名
(1チーム)
ウォーターフォール
1チームでの
アジャイル
複数チームでの
アジャイル
デジタルプロセス