1 物理学序論2 (電磁気学入門) 第10講 151204 電磁誘導
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物理学序論2 (電磁気学入門)
第10講 151204
電磁誘導
電磁誘導:ファラデーの法則
回路を貫く磁場が時間的に変化すると回路に起電力が生じる。
電磁誘導を起こす2つの実験
1)磁石を動かすと起電力発生
2)回路で磁場を発生させる.スイッチon-off 時に起電力発生
起電力が発生して誘導電流が流れる.
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FB と添え字 B を付ける理由は,電束F E = ∫D・dA= e0∫E・dA
と区別するため.なお電束に e0 を付加するのは歴史的経緯による 2
F = iL x B
マイケル・ファラデー(1791-1867) イギリスの化学者・物理学者(当時の呼称では自然哲学者).
電磁気学および電気化学の分野での貢献で知られる.
ファラデーは鍛冶屋の息子で高等教育を受けておらず、
高度な数学もほとんど知らなかったが、電磁気の基礎と
なっているほぼ全ての現象を発見,史上最も影響力のあった
科学者の一人として,また科学史上最高の実験家と見なされて
いる.場の概念を導入し電磁場の基礎理論を確立,
それを後にマクスウェルが発展させた。
アインシュタインは,居室の壁にニュートン,ファラデー,
マクスウェルの肖像画を掲げていたという.
良く引用される彼の言葉
国王に電磁誘導が一体何の役に立つのかねと聞かれて
生まれたての赤ん坊がなんのお役に立つでしょうか?
しかし将来、陛下は必ずやこれに税金をおかけになることを私は確信しています.
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境界線 C を持つ面で定義した磁束の値は
面の取り方に依存せず一定値を保つ.
証明: 磁場におけるガウスの法則∇・B = 0 を使う.
積分型は
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同じ境界線 C を持つ2つの面 S1, S2 を考え,両者を併せた
閉曲面 (S = S1 + S2)を境界に持つ体積V を考える.
磁場におけるガウスの法則により
すなわち,FB1 = FB2 が同じ境界 C を持つ任意の曲面で成り立つ 4
(ガウスの発散定理)
注: ここでは面積変数として,
A の代わりに S を使っている.
電気ギターの原理: 金属弦が磁石のそばに
置かれていて,金属弦自身も磁化している.
金属弦が振動すると磁石を巻いている
コイルの磁束が変化し誘導電流が生じる.
電流はアンプを通じスピーカーから
音声として発信される.
アコースティックギターに比べ,音の調整が
いろいろでき,好みの音を出せる.
.
レンツの法則 (Lenz’s law)
電流の流れる方向は,その電流により作られる磁束が
元の磁束の変化を妨げる方向(元の磁束が増加の時は減少させる). 電流がエネルギーを消費すれば,押し戻す力が発生する.
(押し戻す力に抗してする仕事がエネルギー源)
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U字型導体レールの上を、導体の棒(長さ l 断面積 S)を置き、
速度 v で走らせる。ループの面積 は A=l vt なので
磁束変化率は
電流は磁束を減らす方向,すなわち図の向きに流れる.
回路には正味 R だけの抵抗があるとすれば
電流の大きさは i = Bvl/R なので熱エネルギー消費率は
P=i2R=(Bvl)2/Rとなる.
このエネルギーはどこから供給されるか?
誘導電流が流れると, F=nlSqvx B=ilx B の力が,
導体にかかる.方向は導体を引き戻す向きなので
速度を維持するためには,同じだけの力で引かなければ
ならない.その仕事率は Fv=ilBv=(Bvl)2/R となり,
熱エネルギーとして消費される率と一致する.
vt
誘導とエネルギー移動
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前スライドの装置で,とりあえずレールが無いと考える.
導体の中には荷電粒子(電荷 q)があるので、速度 v で
動かせば,導体中の荷電粒子にローレンツ力が働く.
1個の粒子に働く力は F= qvx B, その数密度を n とすると,
導体全体では F=nlSqvxB の力を受ける。
電子の電荷は負なので、電子が受ける力は図の -E の方向であり,導体中の導体内の電子は
その方向に移動し 残された正電荷との間に電場が生じ,
起電力が生じる.
電子は電気力 eE と磁気力 evB と釣り合うまで累積するので (ホール効果)
eE=evB, 電位差は El= Blv となる.
ここで,レールをにつなげてループを構成すれば,矢印方向に電流が流れるので,
ファラデーの電磁誘導法則を再現する.すなわち,
ファラデーの電磁誘導法則はローレンツ力にあると考えて良さそうである. 本当か?
これだけならば,ファラデーの法則は何ら新しい法則と追加していることにならない.
実はここに上げた例は,磁場は時間的に変化しないが,物体を動かすことにより
見かけ上磁束変化が生じた結果の起電力である.
しかし,起電力は磁場が動かなくても時間的に変化するだけでも発生する.
すなわち,ファラデーの法則の本質は、物質が動かなくても磁束が時間的に変化すれば
起電力が発生することにある.
新しい事実は,導体リングなどの物体が無くても (真空中でも) 電場が誘導されることにある.
vt
誘導電場
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レンツの法則とファラデーの法則の適用例:Exercise
(a) 長さ l, 幅 w, 抵抗 R を持つ長方形ループが
外力を受けて等速度 v で、一様な磁場のある
領域 (幅 3w) を右に移動している。
ループ内の磁束、誘導起電力、速度を一定に
維持するための外力をループの先頭位置の
関数としてプロットしなさい。
(b) 磁束の変化: ループが入口と出口で
磁束が変化する。磁場中では一定
(c) 磁束が変化しているときのみ起電力が発生。
磁束が増加しているときと減少している時では
符号が逆。
(d) 誘導起電力の大きさは –Blv, 外力の大きさは F = ilB = (Blv/R)lB = (Bl)2v/R
一様な磁場が,半径 R 内に限定されていて,磁場の強さが時間的に変化する場合
(a) 同じ中心軸を持つ導体リングがある特別な場合の起電力 = - dFB/dt
(b)導体リングを仮想リングで置き換える.対称性から誘導電場は,
リング上で一様かつ接線方向のはず (放射状分布は軸上に電荷があることを意味するので除外)
(c) 半径 R は特別な経路ではないので,誘導電気力線は同心円状に存在する.
このような起電力が発生していることは任意の2点の電位差の測定を行えば
裏付けることができる.
(d) 同じ面積を囲む4つの閉回路を考察する.
経路1と2では同じ起電力,経路3は一部磁場を外れるので相対的に小さな
起電力.経路4は磁場を含まないので起電力はゼロ.
電荷 q0 の粒子が (b) のように円運動していれば,一周する間に起電力のする
仕事は q0 ,一方,その仕事を別の数式で表せば
したがってファラデーの法則は次のように表せる.(円経路は任意の C に拡張できる)
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1)電荷による電場: 電気力線は端点(電荷)を持つ。電位が定義できる。
2)誘導電場 : 電気力線はループ。 電位が定義できない
電荷qがループを一周すると , 電場はW=q の仕事をするので電位はq だけ高いはず.
しかし,そこは出発点と同じ場所なので,同じ地点で2つの電位を持つことになり矛盾.
[数学的には,電位が定義できるための条件 =
ところが ∇・E ≠ 0 なので条件が成立しない]
電荷による電場と磁束変化による誘導電場の違い。
ファラデーの法則:積分型と微分形。
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直流を作るにはブラシに切り込みを入れればよい.
ただし, V = |wBAsin wt | の脈流となる.
多極化などの工夫で平らな形に近づける
磁場の中をループが回転すると
磁場に垂直な面積は、Acoswt で変化する.
(A=ab) 磁束は FB = BA coswt で変化する
したがって誘起される電圧は
V = wBAsin wt
すなわち時間的に変化する交流である。
交流発電機。
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注: モーターの絵を借用したので,
この絵では電流が逆向きになっている.
各自,符号を確認してください.
渦電流 (eddy current)
。
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(a) 導体ループを動かすと誘導電流が生じる
(b) 導電ループを導電性の板で置き換えても誘導電流が生じる
ただし,導体の各地点で渦電流が生じる.
(c)(d) 同じ原理で導体が磁場中を運動すると渦電流が発生する。
渦電流の回転方向は,レンツの法則より磁場の増減を妨げる方向。
渦電流はオームの法則によるジュール熱を発生する。
このエネルギーは減衰力を発生する.
力の向きは振動と反対方向。 渦電流を減らす方法。渦を小さくする
(a) (b) (c) (d)
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渦電流の応用:
新幹線100,300系
家庭用積算電力計
家庭用調理器
電車のブレーキ
IH= Induction heating
電場におけるキャパシター(コンデンサー)に対応する概念
典型的な電場が2枚の平行導体極板で自在に作れるように
典型的な磁場はソレノイドコイルで作ることができる.
しかし,コンデンサーと違い,電流を切れば消えてしまうので’蓄磁器’みたいな言葉は使えず
インダクター (= induce :引き起こす,誘導するの派生語) を使う.
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回路に電流 i が流れる 磁場が発生する。
全磁束 FB は電流 i に比例するので、その係数を L と書きインダクタンスと名付ける。
コイル一巻きの磁束を FB と書くと全磁束は NFB
NFB = Li ←→ (Q=CV に対応する関係式)
次元:
インダクタンスはコイルの形状や大きさに依存する.
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ソレノイドのインダクタンス 十分長いソレノイドコイル内の磁束密度は、巻き線密度を n として B = m0ni
長さ l のソレノイドは全巻き数 N = nl のコイルである. コイル内の
全磁束は (nl)FB = BAx nl=(m0n2Al)i ≡ Li したがって
L=m0n2Al *
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なお,これから m0 の次元は とも書けることに留意する.
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インダクターとインダクタンス
いかなるコイルも、中を流れる電流が変化すると
誘導起電力が生じる。
直接つながってはいないが、磁気的に結合
(磁束を共有)している回路に電流が流れる時
磁束変化に伴い起電力が生じる。
インダクターの持つ磁束 FB = Li
ファラデーの法則から
(自己誘導起電力)
誘導起電力の大きさは 電流の変化率に依存し、 電流の大きさには無関係。
誘導起電力の向きは 電流の向きと変化率の符号に依存する。
インダクターの内部では電位を定義できないが、
インダクターの両端では電位 VL が定義できて、 VL =
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自己誘導 相互誘導起電力 自己誘導起電力
スイッチオン時の電流と起電力
相互誘導
インダクターの記号
インダクターの働き: スイッチを入れた瞬間は,
電流が変化するので、逆起電力 ( = - ) が発生する.
すなわちR の両端の電位差はゼロで電流は流れない.
時間が経つと定常電流になるので起電力は発生せず
単なる導線のようにふるまう。
定量的取り扱い: ある時刻で流れる電流を i とする。
1) x 地点での電位は ,
2) y 地点では抵抗 R により DV= - iR の電圧降下
3) コイルを流れる電流は下向きで増加中。
逆電圧 = - Ldi/dt が発生する.
4) 閉回路におけるキルヒホッフの法則より
並べ替えて
5) 並べ替えて
6) 初期条件 t = 0 で i = 0 を入れれば, A = - / R
7) 十分時間がたった後(t =∞)
コイルはただの導体になるので, i = /R 16
RL回路
R=2000W, L=4.0H, = 10V
RL回路:スイッチオン時は、逆起電力が働き電流はゆっくり増加する。
定常状態では、i=e /R の定常電流が流れるが、コイル両端子間の電圧VL=0。
RC回路:スイッチオン時は、電流がコンデンサーに流れ込み、
電圧はゆっくり増加する。定常状態では、電流が流れない。
コンデンサー両端子間の電圧 VC=q/C。 オームの法則を適用すれば
RL 回路 RC 回路
L 回路は電流で考える。 C 回路は電荷で考える。
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t=0 にスイッチオンしたときの、RL回路とRC回路の応答曲線
時定数 t=L/R 時定数 t=RC
t=t t=t 18
抵抗の両端の電圧
コンデンサー両端の電圧
コイル両端の電圧
VC=Q/C
VL = Ldi/dt
V=iR
回路にコイルがある場合
直流でも電流が流れる。
ただし,
起電力はオンオフの瞬間だけ
回路にコンデンサーがある場合
交流ならば電流が流れる
直流でもオンオフの瞬間は
電流が流れる
ただし、電極板の間隙には
実電流はない
RL 回路
RC 回路
I
V
時定数が比較的短い場合。
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回路を流れる電流が変化したときの誘導逆起電力は
ファラデーの法則より
逆に外から起電力を与えて電流を流すときは、逆起電力に見合う起電力を
与えなければならない。したがって
微小時間 Dt の間に動く電荷は Dq=iD t であるから、
外部起電力のする仕事は DW=D qVex(t)=Vex(t)i(t)D t
起電力を時刻 t=0 から与え、 時刻 t に電流が i になったとする。
起電力のした仕事は
この回路が先のソレノイドコイルだったとしよう。巻き線密度 n, 断面積を A, 長さを l とする。
ソレノイドのインダクタンス L は、 FB = NBA = (nl)(m0ni)A ≡ Li より、L= m0n2Al
エネルギーは磁場にあると考えると、この式を体積で割って
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磁場の持つエネルギー
すなわち、磁場は単位体積あたり だけのエネルギー密度を持つ。
注: 電場は単位体積あたり だけのエネルギー密度を持つ。
コンデンサーの持つ
電気エネルギー
WE = CV2/2 に対応
同軸ケーブルは,2つの同心状 (半径 a と b)の薄い導電性
円筒で作られている.内側円筒には定常電流 i が流れており,外側円筒は電流の復路と
なっている.電流により2つの円筒の間に磁場が形成される.
ケーブルの長さ l の部分に蓄えられるエネルギーを求めよ
キーアイデア
1) 磁場の全エネルギー UB は,磁場のエネルギー密度
uB = B2/2m0 から計算できる
2) 磁場 B はアンペールの法則により計算できる.
アンペールループを同心の円に設定し半径を r とする.
軸対称性から 磁場はループ上で一様であり接線方向を向くから Bs = B
r < a と r > b ではループ内の電流はゼロとなるから,磁場は a < r < b のみに存在する.
したがって uB = B2/2m0 = (m0i/2p r)2/2m0 = m0 i2/(8p 2r2) であるので,これを 円筒内の
体積について積分してやればよい. r ~ r + dr の微小帯の体積がdV = 2pr l dr である
ことを使えば,
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磁場の持つエネルギー計算例01 (教科書p204例題31-8)
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相互インダクタンス
ファラデーが最初に気づいたように、
磁束を共有する二つのコイルは相互作用をする。
片方のコイルに電流が流れて磁束が発生すると
その磁束の影響を受けて他方のコ イルにも
誘導起電力が発生する。一つのコイルで発生する
自己誘導と区別して相互誘導と呼ぶ。
コイル1に電流 i1 が流れるとき、コイル2に誘導
される全磁束を F21 と書いて、
相互インダクタンス M21 を次式で定義する。
F21 = M21 i1
同様に、コイル2に電流が流れるとき、コイル1に
誘導される起電力は
常に M12 = M21 = M が成り立つ (証明略)
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相互インダクタンス計算例 1
同一平面上にある二つの円形コイル: R1 >> R2
コイル1:巻き数 N1, 半径 R1、面積 A1
コイル2:巻き数 N2、半径 R2、面積 A2
小コイルの作る磁場は磁気双極子で近似できるが
複雑になるので今は考えない。
大コイルの作る磁場は中心付近でほぼ一様と仮定できる。
そこで、大コイル電流による小コイルの誘起磁束 F21 を考察する
N2F21 = M i1,
大コイル一巻きが中心に作る磁場は(既出)
B1 = N1m0 i1 /2R1
N2F21 = N2B1A2 = N2(N1m0 i1/2R1) (pR22) = N1N2m0 pR2
2i1 /2R1
M = N2F21 /i1 = (m0 /2)pR22(N1N2 /R1)
2個の同軸ソレノイドコイルの相互インダクタンス
小ソレノイドコイル: 全巻き数 N1, 半径 R1, 長さ l1
大ソレノイドコイル: 全巻き数 N2, 半径 R2, 長さ l2, R2 > R1, l2 >> l1 とする。
ソレノイドの内部磁場は一定でコイル2に電流 i2 を流すと、磁場の強さは
B2 = m0n2i2 = m0 N2i2/l2 (n2 は巻き線密度)
l2 >> l1 なので, 端部の磁場の乱れはコイル1に
影響しないと仮定する。 コイル1の断面積 A1 は
A1 = pR12 であるので、コイル1を貫く磁束 F12 は
N1F12 = N1A1 m0 n2 i2 = Mi2
M = N1A1 m0 n2 = m0A1N1N2 /l2 = m0pR12 N1N2 /l2
コイル1に外部から起電力 V1 を加えたときの、コイル2に誘起される起電力を求める。
ただし、コイル1の自己インダクタンスを L1 とし、コイル1の抵抗は無視できるものとする。
コイル1に流れる電流 i1 は、 V1 = L1 di1 /dt により決まる。
一方、コイル2の起電力は、 V2 = - M di1 /dt により決まる。
故に V2 /V1 = - (M/L1)
L1 はソレノイドコイルの自己インダクタンスであり (L1 = m0n12A1l1 :既出)
したがって、 V2 /V1 = (m0A1N1N2 /l2)/(m0 n12A1l1) = n2 /n1
これが変圧器の原理である。
もし、l1 =l2 で磁場の漏れがないとすれば n2 /n1 N2 /N1
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相互インダクタンス計算例02
起電力の比:
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実際の変圧器
実際の変圧器は磁気的結合を大きくするために、
ソレノイドコイルの中に大きな透磁率を持つ導体(鉄など)を入れて
磁場の強度を上げ、閉円形にして磁束の漏れがないようにする
またヒステリシス(後述)をなくすために軟鉄を使う。
渦電流によるエネルギー損失を避けるため薄い鉄板の重ね合わせを使う。
変電所の変圧器
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非接触ICカード
カードリーダー(上図)が磁場を発生(半径10cm程度)。
カード内のコイルが磁気誘導により電流を発生。
カード内のICチップが読み取る
太陽表面でフレアという爆発現象が起きると、
地球上空に磁気嵐が発生し、オーロラ活動が盛んになる(右上図) オーロラ電流が地面に大きな誘導電流を発生させる(右中図)。
地磁気誘導電流はアースを通して発電所や変電所に流れ込み
1989年3月9日:カナダのケベック州発電所変電所の機器を損傷、
大停電を起こした(右下図) この時のオーロラの発生は短波長域での電波障害を引き起こし、
アメリカでは、気象衛星であるGOESとの通信が断絶し、
気象データが失われた。さらには、ラジオ・フリー・ヨーロッパと
ラジオ・リバティーからソビエト連邦へのラジオ放送も突然に断絶した。
初めは、ラジオ電波がソビエト政府によって妨害されたと信じられていた。
相互誘導の用途例と相互誘導により生じた災害例
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数学的補遺(続)
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