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第8章 キャリア教育・進路指導
各学校では、キャリア教育の全体計画や年間指導計画が整備され、各教科、道徳教育、総合的な学
習の時間及び特別活動等と有機的に関連付け展開されている。「4領域8能力」から「基礎的・汎用
的能力」への転換についても、徐々に計画の見直しが図られてきている。今後も平成23年度那須地区
教育の概要p.86~88を参考に見直しを図る必要がある。
なお、見直しに当たっては、新しいことを立ち上げるということではなく、各学校の蓄積を生かす
ことが何より重要である。これまで不十分だった点を改善し、キャリア教育の充実を図る機会として
捉えてほしい。
1 見直しが図られた全体計画
キャリア教育は、特定の活動や指導
方法に限定されるものではなく、様々
な学校教育全体の活動を通じて体系的
に行われるものである。各学校におい
ては、児童生徒や地域の実態に応じて、
キャリア発達上の課題、育成すべき能
力や態度を明確に把握し、焦点化・重
点化して、全体計画の作成・見直しに
当たっていくことが望まれる。
A小学校では、学校の教育目標を踏
まえつつ、学校教育全体の中における
キャリア教育の在り方に視点を当てた
見直しが図られている。
また、B中学校区では、小学校と中
学校とで連携し、継続性のある計画作
成に取り組んでいる。
【 B中学校区で小中連携を図った計画の例↓ 】 【 A小学校全体計画の例↑】
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2 キャリア教育を推進するための特色ある取組
家庭との連携を図った取組 ~C小学校のマイワーク活動~
小学校段階では、遊びや家での手伝い、学校での係活動、清掃活動、勤労生産的な活動や地域で
の活動等の中で、自分の役割を果たそうとする意欲や態度を育てていくことが重要である。
C小学校では、児童の社会的・職業的自立に向けて必要な意欲・態度や能力を育成するために、
各自で課題を設定してマイワーク(家族や学校の一員として仕事を行うこと)を実施し、効果を上
げている。
家庭でのマイワーク(児童が保護者と相談して内容決定)
マイワーク 長期休業中のマイワーク(課題に沿って児童が保護者と相談して内容決定)
学校でのマイワーク(児童が担任と相談して内容決定)
学期末に児童がマイワークを振り返り、それらを学校だよりで紹介することで啓発に努めている。
マイワークを継続することで以下のような
変容がみられた。
①マイワークは自分の仕事だという責任感が
育成された。
②マイワーク以外の仕事に取り組むなどの自
主性が育成された。
③家族との団らんや話題が増えた。
④自分で気付き、行動できる判断力がついた。
今後も家庭への啓発や連携を深めながら継
続して取り組んでいきたい。
【 C小学校の担当者から 】 【 家庭でのマイワークの様子 】
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3 労働基準関係法令における児童生徒労働等に関する保護規定について
労働基準関係法令では、満15歳に
達した日以後の最初の3月31日が終
了するまでの児童生徒について、製
造業、建設業、運輸交通業などの工
業的事業で労働者として使用するこ
とを禁止し、工業的事業以外の非工
業的事業においても、所轄労働基準
監督署長の許可を受けた場合を除い
て禁止している。
学校の管理下で、学校の教育課程
の一部に位置付けて行う職場体験活
動や不登校児童生徒が学校復帰に向
けて行う学校外の学習活動等と、修
学時間内の就労のような義務教育を
受ける機会を妨げる活動とは、明確
に区別されるべきものである。また、
就学の機会を妨げる労働への従事は、
賃金を受け取るか否か等に関わらず、
容認され得ないものである。
さらに、就労等は、保護者が学齢
児童生徒を就学させないことについ
ての「正当な事由」となり得ないこ
とを確認しておきたい。
【 栃木労働局ホームページより 】
各学校においては、法令遵守の意識を高くもつとともに、児童生徒の健康及び福祉を確保してい
かなければならない。
4 参考資料
キャリア教育を「デザイン」する キャリア教育を創る 中学校 キャリア教育の手引き 小学校 キャリア教育の手引き
(平成24年8月 文部科学省) (平成23年11月 文部科学省) (平成23年3月 文部科学省) (平成22年1月 文部科学省)
・キャリア発達にかかわる諸能力の育成に関する調査研究報告書 (平成23年3月 文部科学省 国立教育政策研究所)
・キャリア教育って結局何なんだ? (平成21年11月 文部科学省 国立教育政策研究所)
・自分に気付き、未来を築くキャリア教育 (平成21年3月 文部科学省 国立教育政策研究所)
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