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第7章 安全で良質な水をお届けするために 安全で良質な水を重視する傾向は、平成30年に水道局が実施した「水道に関するお客さま意識調査」 にも見られるように、今後も続くと見込まれます。 このためには、水道水の源である水源環境の保全を図ることが重要です。水道局では、水源水質を改 善するため、エアレーション装置や植物浄化施設による相模湖・津久井湖の富栄養化対策の実施、道志 村の生活排水処理事業や市民ボランティアとの協働による森林整備等を行っています。 また、お客さまが管理している給水装置について、直結給水の拡大を推進しています。 直結給水に切り替えることで、お客さまにより安全で良質な水を御利用いただけるとともに、受水槽 スペースの有効利用、受水槽・ポンプ設備の維持管理費用や電気代の節減にもつながります。 しかし、受水槽を設置した建物については直結給水への切り替えが進んでいないため、お客さまによ り一層安全で良質な水を御利用いただけるよう、直結給水への切り替えの積極的な広報及び指導、助言 等を行っています。 また、14年度から実施していた鉛管改良促進事業(22年度で事業終了)に加え、16年10月から宅地内 鉛管改良工事への助成制度(27年度で事業終了)を創設し、さらに19年度から水道メーター前後に使用 されている鉛製給水管を対象に鉛溶出量の低減を図る簡易的な工法としてパイプイン・エコ工法(水道 メーターの検定満期に伴う取替えの際に行っている作業は、26年度で事業終了)を導入し、道路内分岐 部から蛇口までのすべての鉛製給水管の早期解消に努めてきました。今後は、お客さまからのご要望に よるパイプイン・エコ工法の実施、漏水修理の際の取替えなどを継続し、お客さまの個々のケースに応 じて、できる限り早期解消に努めていきます。 一方、水道水を作る工場である浄水場等では、ISO9001 *1 の認証を取得し、水道水の品質管理について の国際的な信頼性を得ています。また、水質課では、水道水質検査優良試験所規範(水道GLP *2 )を取 得することで、水質検査の精度管理についても高い信頼性の保証を得ています。さらにお客さまの意見 を取り入れた「水質検査計画」を策定し、検査結果をウェブサイトに公表するとともに、水質検査を依 頼されたすべてのお客さまに、判定結果だけでなく、項目の数値や基準とその説明を記載した「水質診 断書」を発行しています。 また、原水に含まれる「かび臭」等異臭味対策を強化するため、浄水処理過程における活性炭の有効 利用方法の研究を行っています。このほかにも、将来にわたってお客さまに安全で良質な水をお届けす るために様々な調査研究に取り組んでいます。 これらの施策の推進により、水道水質の向上を図り、今まで以上に安全で良質な水をお客さまに供給 していきます。 *1 ISO9001:品質マネジメントシステムの国際規格。責任と権限を明確にするとともに、マニュアル に基づいて業務が行われていることが第三者機関の認定により保証されるものです。 *2 水道 GLP:日本水道協会が定めた規範で、水道事業体の水質検査部門及び登録検査機関が行う、水 道水質検査結果の精度と信頼性保証を確保するものです。適用範囲は水質基準 51 項目です。 91
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Jul 09, 2020

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第7章 安全で良質な水をお届けするために

安全で良質な水を重視する傾向は、平成30年に水道局が実施した「水道に関するお客さま意識調査」

にも見られるように、今後も続くと見込まれます。

このためには、水道水の源である水源環境の保全を図ることが重要です。水道局では、水源水質を改

善するため、エアレーション装置や植物浄化施設による相模湖・津久井湖の富栄養化対策の実施、道志

村の生活排水処理事業や市民ボランティアとの協働による森林整備等を行っています。

また、お客さまが管理している給水装置について、直結給水の拡大を推進しています。

直結給水に切り替えることで、お客さまにより安全で良質な水を御利用いただけるとともに、受水槽

スペースの有効利用、受水槽・ポンプ設備の維持管理費用や電気代の節減にもつながります。

しかし、受水槽を設置した建物については直結給水への切り替えが進んでいないため、お客さまによ

り一層安全で良質な水を御利用いただけるよう、直結給水への切り替えの積極的な広報及び指導、助言

等を行っています。

また、14年度から実施していた鉛管改良促進事業(22年度で事業終了)に加え、16年10月から宅地内

鉛管改良工事への助成制度(27年度で事業終了)を創設し、さらに19年度から水道メーター前後に使用

されている鉛製給水管を対象に鉛溶出量の低減を図る簡易的な工法としてパイプイン・エコ工法(水道

メーターの検定満期に伴う取替えの際に行っている作業は、26年度で事業終了)を導入し、道路内分岐

部から蛇口までのすべての鉛製給水管の早期解消に努めてきました。今後は、お客さまからのご要望に

よるパイプイン・エコ工法の実施、漏水修理の際の取替えなどを継続し、お客さまの個々のケースに応

じて、できる限り早期解消に努めていきます。

一方、水道水を作る工場である浄水場等では、ISO9001*1の認証を取得し、水道水の品質管理について

の国際的な信頼性を得ています。また、水質課では、水道水質検査優良試験所規範(水道GLP*2)を取

得することで、水質検査の精度管理についても高い信頼性の保証を得ています。さらにお客さまの意見

を取り入れた「水質検査計画」を策定し、検査結果をウェブサイトに公表するとともに、水質検査を依

頼されたすべてのお客さまに、判定結果だけでなく、項目の数値や基準とその説明を記載した「水質診

断書」を発行しています。

また、原水に含まれる「かび臭」等異臭味対策を強化するため、浄水処理過程における活性炭の有効

利用方法の研究を行っています。このほかにも、将来にわたってお客さまに安全で良質な水をお届けす

るために様々な調査研究に取り組んでいます。

これらの施策の推進により、水道水質の向上を図り、今まで以上に安全で良質な水をお客さまに供給

していきます。

*1 ISO9001:品質マネジメントシステムの国際規格。責任と権限を明確にするとともに、マニュアル

に基づいて業務が行われていることが第三者機関の認定により保証されるものです。

*2 水道 GLP:日本水道協会が定めた規範で、水道事業体の水質検査部門及び登録検査機関が行う、水

道水質検査結果の精度と信頼性保証を確保するものです。適用範囲は水質基準 51 項目です。

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(1) 水質改善対策

ア 相模湖及び津久井湖に係る環境整備事業及び維持管理事業

平成5年度から神奈川県が相模湖及び津久井湖に係る環境整備を一部国庫補助事業とし

て実施しており、両湖を水源とする関係利水者も水源水質の改善に効果があることから同

事業に参加することになりました。(水道事業者は、昭和60年度から平成4年度までは

「相模湖エアレーション事業」として参加。)

(ア) 令和元年度全体事業費(予算)

(事業別内訳) (単位:千円)

事 業 名 事業費 事 業 内 容

相 模 湖

維持管理事業 53,099 第2送気所受電設備更新工事

環境整備事業 ―

小 計 53,099

津久井湖

維持管理事業 66,042 湖水環境調査及び植物浄化施設の効果検証委託 自動水温(深層)測定装置修繕工事 三井送気所コンプレッサ更新工事

環境整備事業 ―

小 計 66,042

合 計 119,141

(イ) 年度別実績(国庫補助金を含まず) (単位:千円)

年 度 H27 H28 H29 H30

県 土 木 部 54,385 52,397 51,670 52,132

利水者

計 54,385 52,397 51,670 52,132

うち横浜市 14,145 14,226 13,588 14,009

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イ 相模湖取水口におけるアオコフェンスの設置

目 的 相模湖の富栄養化に伴い、夏期に大量発生するアオコ等藻類の原水への流入抑止。

内 容 アオコの流入抑止の応急対策として、取水口上流側の水面下にフェンスを展張。

年度別維持管理費用内訳表(実績)

年 度 H 27 H 28 H 29 H 30

総 額(千円) 439 335 335 346

うち横浜市分(千円) 91 70 70 72

設置・維持管理費用分担率

事 業 者

神 奈 川 県

横浜市 川崎市 横須賀市 合 計 水 道 電 気 合 計

水量比(%) 5.9 53.3 59.2 ※20.9 19.7 0.2 100.0

※横浜市の上水・工水の負担割合

(ア) 河水統制分:19.7% 上・工水の水利権比負担

上水 工水

(イ) 高度利用分:1.2% 上水負担のみ

394,000 86,000 480,000 480,000

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ウ 相模湖・津久井湖周辺の相模川流域下水道に係る利水者負担

平成元年度から相模湖・津久井湖周辺の水源地域で、流域下水道整備事業が進められて

おり、本市を含む利水者は、水源水質保全の立場から地元負担相当分を助成し、事業の促

進を図っています。当事業は助成対象である水源地域下水道事業計画の第1期分における

根幹的施設の建設完了に伴い、平成24年度(助成支出は平成25年度)をもって完了しまし

た。

(ア) 上流1市に係る流域下水道事業費

269億円 115億円

(国 費)

154億円 110億円

(地方費) (県費 2/3)

44億円 ※横浜市負担 16億円(水量比等)

(利水者助成 1/3)

(イ) 執行状況 (単位:千円)

区 分 H2~24 H 25 計

利 水 者 全 体 4,431,978 5,348 4,437,326

うち横浜市

水 道 事 業 会 計 1,027,757 1,394 1,029,151

工 業 用 水 道 事 業 会 計 536,862 729 537,591

計 1,564,619 2,123 1,566,742

(注)利水者と負担割合 横浜市(37.8%)神奈川県(17.9%)川崎市(34.3%)横須賀市(10.0%)

エ 道志村生活排水処理事業への助成

(ア) 助成金の支出意義

道志村では、平成13年度から生活排水を処理するため、合併処理浄化槽を住居等に設

置する事業を開始しました。本市は、道志川の水質保全を図るため本事業に助成を行っ

ています。 なお、道志村が過疎化対策として移定住事業の充実をするなかで、設置予定

基数の増・期間延長のため平成30年度に事業計画の見直しを行い、横浜市に計画変更の

協議依頼があり、調整の結果了承しました。

(イ) 生活排水処理事業の計画概要(平成30年度計画変更)

事 業 年 度 平成13年度~令和5年度(23か年)

建 設 費 14億8,337万円(財源ベース……16億1,833万円)

浄化槽設置基数等 626基(別荘を除く全施設)H18年度からは高度処理型を設置

(ウ) 生活排水処理事業の経過

区 分 H13~28 H 29 H 30 計 R元(予算)

設置基数(基) 542 12 12 566 12

助成額(千円) 523,614 39,311 37,526 600,451 53,075

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オ 活性炭注入による水質改善

小雀、西谷及び川井浄水場では、油流入等の水質汚染事故時および臭気等の水質悪化時

に粉末活性炭を注入することで水質改善を図っています。

(ア) 施設諸元

浄水場名 貯留施設 貯留方式 注入能力 注入方式

小 雀 浄 水 場 65 m3×2槽 ドライ

大 200kg/h

( 微 粉 炭 )

大 800kg/h

( 原 料 炭 )

活性炭計量

後水で溶解

西 谷 浄 水 場 6 m3×4槽 50%ウェット

大 600kg/h

小 30kg/h

(50%ウェット)

活性炭計量

後水で溶解

川 井 浄 水 場

セ ラ ロ ッ カ360kg×7袋(50%ウェット)

大 73.8kg/h

小 29.4kg/h

(50%ウェット)

1%濃度

微粉炭溶液

麻 溝 活 性 炭

施 設

25m3×2槽 ドライ

大 36 kg/h

小 3.6kg/h

(ドライ)

活性炭計量

後水で溶解

※麻溝活性炭施設は道志川系統、相模湖系統それぞれに活性炭注入が可能である。

(イ) 注入実績

年 度 区 分

25 26 27 28 29 30

小 雀 浄 水 場

回 数 34回

(181日間) 43回

(151日間) 44回

(132日間) 43回

(123日間) 52回

(177日間) 24回

(239日間)

注 入 量 (ドライ)kg

314,535 208,305 168,215 170,835 243,890 130,030

西 谷 浄 水 場

回 数 7回

(171日間) 14回

(220日間) 11回

(210日間) 6回

(196日間) 4回

(148日間) 10回

(158日間)

注 入 量 (ドライ)kg

168,634 118,209 137,993 149,125 182,678 162,631

川 井 浄 水 場 セ ラ ロ ッ カ

回 数 - 0回 11回

(52日間) 7回

(77日間) 6回

(150日間) 5回

(45日間)

注 入 量 (ドライ)kg

- 0 1,975 18,399 34,345 5,727

麻 溝 活 性 炭 施 設

※1

回 数 111回

(111日間) 11回

(23日間) 19回

(57日間) 18回

(178日間) 13回

(197日間) 11回

(157日間)

注 入 量 (ドライ)kg

川井 13,400 青山 4,500 麻溝 11,400

青山 5,440

麻溝 103,092

青山 1,320

麻溝 172,770

青山 432

麻溝 93,678

青山 29,870

※1平成25年度の活性炭注入実績は川井浄水場における実績を、平成26~30年度は仮移設先

の青山水源事務所における注入実績を含む。また、平成30年度、新たに青山水源事務所に簡

易型活性炭注入設備を設けた。

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カ 西谷浄水場水処理実験

相模湖における藻類の異常繁殖に伴う水質障害に対応するとともに、より安全で良質な

水をつくるため、これまで新しい凝集剤やろ材、代替消毒剤等の新たな浄水技術の検討を

行いました。さらに臭気物質除去に対し、粉末活性炭より長期間使用する場合に経済的

で、常時安定した水質が期待できる粒状活性炭を使用した実験も行っています。併せて、

浄水処理の実験施設として、水道技術者の育成・研修を行うことを目的とします。

実験施設 運転方式 自動連続運転

処理方式 凝集、沈でん(横流式傾斜板付)、急速ろ過

大処理水量 100m3/日×2系列

急速ろ過池 3種(単層、複層、三層)

洗浄方式 表面洗浄・逆洗、空気洗浄

薬注系統 硫酸、次亜、PAC、鉄系凝集剤、高分子凝集剤×2系列

二酸化塩素

実験期間 平成14年度~

施設建設費 1億6,468万円

◎西谷浄水場水処理実験施設のフロー(2系列設置)

急 速 緩 速 傾斜板付 ろ過塔1 撹拌槽 撹拌槽 沈でん槽 (単層)

ろ過塔2

(複層)

原水槽 粒状活性炭

(上向流)

急 速 緩 速 傾斜板付 ろ過塔1 撹拌槽 撹拌槽 沈でん槽 (単層)

ろ過塔2

(複層)

ろ過塔3

(三層)

西谷浄水場水処理実験施設全景

西谷 排水処理施設へ 浄水槽

西谷 排水処理施設へ 浄水槽

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キ クリプトスポリジウム対策(濁度管理対策)

厚生労働省の「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」に基づき、クリプトス

ポリジウムによる感染症を防止するため、浄水処理における濁度管理や検査体制の強化な

ど、水質管理の徹底を図ります。

施設や機器の整備、調査研究等は平成20年度までに完了しました。以降も適切な運転管理や

水質監視により、クリプトスポリジウム対策を行っています。

設置費用 (単位:千円)

事 業 所 名 設 置 費 (平成9年度~20年度)

西 谷 浄 水 場 741,471

川 井 浄 水 場 465,891

小 雀 浄 水 場 1,614,624

水 質 課 45,054

計 2,867,040

浄水処理

の徹底

沈でん池の

適正管理

ろ過池の

管理強化

検査機器の整備

水質監視の強化

調査研究の推進

検査体制の強化

◦ 沈でん池の改良*

◦ 凝集剤の適正注入

◦ 凝集沈でん処理時の pH 管理

◦ 高感度濁度計の設置*

◦ ろ過池の適正運転管理方法確立(スローダウン、スロース

タート等) *

◦ ろ過池の改良・改造*

◦ 落射蛍光顕微鏡*

◦ 走査型電子顕微鏡*

◦ 調査用精密濁度計・粒子計*

◦ 水源は大腸菌、大腸菌群、腸球菌、嫌気性芽胞菌検査、

原水は大腸菌、嫌気性芽胞菌検査

◦ 水源、原水のクリプトスポリジウム等の定期検査

◦ 二酸化塩素等による消毒効果の検討*

◦ 浄水処理工程における粒子分布実態調査の実施*

◦ ろ過材及び適正な粒子構成の実験*

◦ 職員の研修等による専門知識及び検査技術の習得*

他局との連絡体制の整備、広報体制の整備(県、市の衛生環境部局及び相水協構成事業体)

(注)*は、完了しているもの。その他は実施中。

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(2) 水質基準の構成と水質項目

水道法に基づく水質検査

水質基準項目 (51 項目) (水道法施行規則第 15 条第1項第1号ロに定める定期の水質検査)

1 日 1 回以上行う水質検査(3項目)(水道法施行規則第 15 条第1項第1号イに定める定期の水質検査) 項

1 日 1 回行う検査項目

検査計画頻度

(回/年)

給水栓*

1 色 366

2 濁り 366

3 消毒の残留効果(残留塩素) 366

備考 *:水道計測設備(43 箇所)で連続測定します。また、浄水委託を受けている小雀浄水場では、責任分界点である1、2号配水池で色を手分析により測定し、

濁り及び消毒の残留効果(残留塩素)を連続計器により測定します。

№ 水質基準項目 水質基準値

過去3年間

最高値

(mg/L)

法定の

検査頻度

検査計画頻度

(回/年)*1 分類

給水栓*2 浄水場

出口*3

1 一般細菌 100 CFU/mL 以下 1 CFU/mL 未満 月 1 回以上

12 - 微生物

2 大腸菌 検出されないこと 不検出 12 -

3 カドミウム及びその化合物 0.003 mg/L 以下 0.0001 未満

3箇月に 1 回

以上

4 -

無機物質

4 水銀及びその化合物 0.0005 mg/L 以下 0.00005 未満 - 4

5 セレン及びその化合物 0.01 mg/L 以下 0.0005 未満 4 -

6 鉛及びその化合物 0.01 mg/L 以下 0.0007 4 -

7 ヒ素及びその化合物 0.01 mg/L 以下 0.0005 未満 4 -

8 六価クロム化合物 0.05 mg/L 以下 0.001 未満 4 -

9 亜硝酸態窒素 0.04 mg/L 以下 0.004 未満 4 -

10 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01 mg/L 以下 0.001 未満 4 -

11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10 mg/L 以下 1.43 4 -

12 フッ素及びその化合物 0.8 mg/L 以下 0.12 - 4

13 ホウ素及びその化合物 1.0 mg/L 以下 0.02 - 4

14 四塩化炭素 0.002 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

有機物質

15 1,4-ジオキサン 0.05 mg/L 以下 0.001 未満 - 4

16 シス-1,2-ジクロロエチレン

及びトランス-1,2-ジクロロエチレン0.04 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

17 ジクロロメタン 0.02 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

18 テトラクロロエチレン 0.01 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

19 トリクロロエチレン 0.01 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

20 ベンゼン 0.01 mg/L 以下 0.0001 未満 - 4

21 塩素酸 0.6 mg/L 以下 0.14

3箇月に 1 回

以上

12 -

消毒副生成

22 クロロ酢酸 0.02 mg/L 以下 0.002 未満 4 -

23 クロロホルム 0.06 mg/L 以下 0.017 4 -

24 ジクロロ酢酸 0.03 mg/L 以下 0.010 4 -

25 ジブロモクロロメタン 0.1 mg/L 以下 0.0021 4 -

26 臭素酸 0.01 mg/L 以下 0.001 未満 4 -

27 総トリハロメタン 0.1 mg/L 以下 0.0249 4 -

28 トリクロロ酢酸 0.03 mg/L 以下 0.015 4 -

29 ブロモジクロロメタン 0.03 mg/L 以下 0.0064 4 -

30 ブロモホルム 0.09 mg/L 以下 0.0002 4 -

31 ホルムアルデヒド 0.08 mg/L 以下 0.005 4 -

32 亜鉛及びその化合物 1.0 mg/L 以下 0.008 4 -

無機物質

33 アルミニウム及びその化合物 0.2 mg/L 以下 0.04 4 -

34 鉄及びその化合物 0.3 mg/L 以下 0.02 4 -

35 銅及びその化合物 1.0 mg/L 以下 0.008 4 -

36 ナトリウム及びその化合物 200 mg/L 以下 9.0 4 -

37 マンガン及びその化合物 0.05 mg/L 以下 0.001 未満 4 -

38 塩化物イオン 200 mg/L 以下 11 月 1 回以上 12 -

39 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300 mg/L 以下 71 3箇月に 1 回

以上

4 -

40 蒸発残留物 500 mg/L 以下 152 4 -

41 陰イオン界面活性剤 0.2 mg/L 以下 0.004 未満 - 4

有機物質

42 ジェオスミン *4 0.00001 mg/L 以下 0.000003 月 1 回以上

12 -

43 2-メチルイソボルネオール *5 0.00001 mg/L 以下 0.000003 12 -

44 非イオン界面活性剤 0.02 mg/L 以下 0.008 未満 3箇月に 1 回

以上

- 4

45 フェノール類 0.005 mg/L 以下 0.0005 未満 - 4

46 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3 mg/L 以下 1.0

月 1 回以上

12 -

47 pH値 5.8 以上 8.6 以下 7.01-7.57 12 -

基礎的性状

48 味 異常でないこと 異常なし 12 -

49 臭気 異常でないこと 異常なし 12 -

50 色度 5 度以下 0.5 度 12 -

51 濁度 2 度以下 0.1 度 12 -

備考 *1:数値は年間の測定回数(12:月1回、4:3箇月に1回測定)を示しています。

*2:公園・事業所等(15 箇所)で採水した水に加えて、朝比奈分水池及び小雀浄水場1、2号配水池の水で検査しています。

*3:浄水場出口から給水栓まで濃度が上昇しない項目(13 項目)については、水道法施行規則第 15 条第1項第2号に基づき、浄水場出口で検査を行います。

*4:正式名:(4S,4aS,8aR)-オクタヒドロ-4,8a-ジメチルナフタレン-4a(2H)-オール

*5:正式名:1,2,7,7-テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール

- 98 -

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横浜市が独自に行う水質検査 (水源の水質管理や浄水場の工程管理等を目的とした水質検査)

水質基準項目 (51 項目)

は水道法に基づく水質検査で実施しています。

項目

№ 水質基準項目 水質基準値

検査計画頻度(回/年)*3

設定理由等 浄水 原水

浄水場

出口*4

浄水場

入口*4 水源*5

1 一般細菌 100 CFU/mL 以下 51 12 12 適正な浄水処理を行うため、水源及び浄水場入口で

は月 1 回、浄水場出口では週 1 回検査を行います。 2 大腸菌 検出されないこと 51 12 12

3 カドミウム及びその化合物 0.003 mg/L 以下 4 4 4

浄水処理上、特に留意する必要がある亜硝酸態窒

素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、アルミニウム及

びその化合物、鉄及びその化合物、マンガン及びその

化合物、塩化物イオン、カルシウム、マグネシウム等は

浄水場の入口及び出口で、月 1 回検査を行います。

4 水銀及びその化合物 0.0005 mg/L 以下 - 4 4

5 セレン及びその化合物 0.01 mg/L 以下 4 4 4

6 鉛及びその化合物 0.01 mg/L 以下 4 4 4

7 ヒ素及びその化合物 0.01 mg/L 以下 4 4 4

8 六価クロム化合物 0.05 mg/L 以下 4 4 4

9 亜硝酸態窒素 0.04 mg/L 以下 12 12 4

10 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01 mg/L 以下 4 4 4

11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10 mg/L 以下 12 12 4

12 フッ素及びその化合物 0.8 mg/L 以下 - 4 4

13 ホウ素及びその化合物 1.0 mg/L 以下 - 4 4

14 四塩化炭素 0.002 mg/L 以下 - 4 4

15 1,4-ジオキサン 0.05 mg/L 以下 - 4 4

16 シス-1,2-ジクロロエチレン

及びトランス-1,2-ジクロロエチレン0.04 mg/L 以下 - 4 4

17 ジクロロメタン 0.02 mg/L 以下 - 4 4

18 テトラクロロエチレン 0.01 mg/L 以下 - 4 4

19 トリクロロエチレン 0.01 mg/L 以下 - 4 4

20 ベンゼン 0.01 mg/L 以下 - 4 4

21 塩素酸 *1 0.6 mg/L 以下 12 - -

22 クロロ酢酸 0.02 mg/L 以下 4 4 -

23 クロロホルム 0.06 mg/L 以下 4 4 -

24 ジクロロ酢酸 0.03 mg/L 以下 4 4 -

25 ジブロモクロロメタン 0.1 mg/L 以下 4 4 -

26 臭素酸 0.01 mg/L 以下 4 4 -

27 総トリハロメタン 0.1 mg/L 以下 4 4 -

28 トリクロロ酢酸 0.03 mg/L 以下 4 4 -

29 ブロモジクロロメタン 0.03 mg/L 以下 4 4 -

30 ブロモホルム 0.09 mg/L 以下 4 4 -

31 ホルムアルデヒド 0.08 mg/L 以下 4 4 -

32 亜鉛及びその化合物 1.0 mg/L 以下 4 4 4

33 アルミニウム及びその化合物 0.2 mg/L 以下 12 12 4

34 鉄及びその化合物 0.3 mg/L 以下 12 12 4

35 銅及びその化合物 1.0 mg/L 以下 4 4 4

36 ナトリウム及びその化合物 200 mg/L 以下 4 4 4

37 マンガン及びその化合物 0.05 mg/L 以下 12 12 4

38 塩化物イオン 200 mg/L 以下 12 12 4

39 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300 mg/L 以下 12 12 4

40 蒸発残留物 500 mg/L 以下 4 4 4

41 陰イオン界面活性剤 0.2 mg/L 以下 - 4 4

42 ジェオスミン 0.00001 mg/L 以下 51 51 12 通年検出されたことがあるため、週 1 回検査を行いま

す。 43 2-メチルイソボルネオール 0.00001 mg/L 以下 51 51 12

44 非イオン界面活性剤 0.02 mg/L 以下 - 4 4 法令に基づく水質検査と同じ頻度で検査を行います。

45 フェノール類 0.005 mg/L 以下 - 4 4

46 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3 mg/L 以下 51 51 12

適正な浄水処理を行うため、浄水場の入口及び出口

で、味及び臭気については毎日、有機物(全有機炭

素(TOC)の量)、pH 値、色度及び濁度については週 1

回検査を行います。

47 pH値 *2 5.8 以上 8.6 以下 51 51 12

48 味 異常でないこと 366 - -

49 臭気 異常でないこと 366 366 12

50 色度 5 度以下 51 51 12

51 濁度 *2 2 度以下 51 51 12

備考 *1:塩素酸は消毒用の塩素剤に含まれる物質であるため、浄水場入口及び水源では検査を行いません。

*2:pH 値及び濁度は、浄水場において自動水質計器による連続測定を行います。

*3:数値は年間の測定回数(366:毎日、51:週1回、12:月1回、4:3箇月に1回測定)を示しています。

*4:川井浄水場については、PFI 事業により運転管理を行うウォーターネクスト横浜株式会社が独自の検査を行うため、横浜市水道局では一部この表より頻度

を下げて検査します。

*5:5事業者が共同で使用している水源の原水は、広域水質管理センターが水源水質検査実施計画に基づき検査します。

(参照 URL: https://www.kwsa.or.jp/suishitsu/taisei1.html)

- 99 -

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ア水

源の

水質

検査

地点

(3)水

質検

査の

計画

及び

結果

津久

井湖

沼 本 ダ ム

相 模 ダ ム

相模

道志

ダム

宮ケ

瀬湖

青山

沈で

ん池

城山

ダム

宮ケ

瀬ダ

飯泉

取水

ぜき

津久

井分

水池

三保

ダム

丹沢

沼本

調整

企業

山中

神ノ

道志

桂川

神奈

川県

検査

実施

機関

広域

水質

管理

セン

ター

横浜

市水

道局

下九

沢分

水池

寒川

取水

ぜき

上大

島接

合井

川 井 浄 水 場

西 谷 浄 水 場

相模

大ぜ

寒川

取水

事務

道志

川系

相模

湖系

相模

玉川

恩曽

小鮎

荻野

鳩川

河口

相模

原沈

でん

小雀

浄水

- 100 -

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イ 市内水質検査地点

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ウ 水質経年変化(ア) 水源(相模湖系、馬入川系、道志川系)

年 度 H26~30年

系統 平均値

相模湖系 10 56 55 17 29 33

大 腸 菌 馬入川系 530 440 250 610 180 400

道志川系 80 150 96 160 92 120

相模湖系 1.00 0.99 0.96 0.98 0.92 0.97

硝 酸 態 窒 素 及 び 亜 硝 酸 態 窒 素 馬入川系 1.21 1.11 1.10 0.99 0.91 1.06

道志川系 0.63 0.58 0.51 0.45 0.46 0.53

相模湖系 0.041 0.043 0.033 0.032 0.034 0.037

マ ン ガ ン 及 び そ の 化 合 物 馬入川系 0.017 0.030 0.014 0.045 0.011 0.023

道志川系 0.0021 0.0063 0.0037 0.014 0.002 0.0055

相模湖系 4.8 4.3 4.7 5.2 4.5 4.7

塩 化 物 イ オ ン 馬入川系 4.7 4.4 5.0 5.2 4.4 4.7

道志川系 2.3 2.0 2.0 1.9 2.0 2.0

相模湖系 55 53 54 56 53 54

カルシウム、マグネシウム等(硬度) 馬入川系 59 59 63 58 62 60

道志川系 43 41 43 41 46 43

相模湖系 115 108 114 113 107 111

蒸 発 残 留 物 馬入川系 115 122 118 142 115 122

道志川系 82 79 79 93 82 83

相模湖系 0.9 0.92 0.92 0.87 0.83 0.9

有機物(全有機炭素(TOC)の量) 馬入川系 1.0 1.0 1.2 1.2 1.1 1.1

道志川系 0.6 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6

相模湖系 8.00 7.73 7.89 7.94 7.82 7.88

pH 値 馬入川系 7.84 7.79 7.84 7.80 7.82 7.82

道志川系 7.94 7.79 7.86 7.78 7.86 7.85

相模湖系 5.6 21 3.7 7.6 5.7 8.7

濁 度 馬入川系 4.9 10 4.8 12 6.5 7.7

道志川系 0.7 1.6 2.6 4.0 1.1 2.0

相模湖系 0.03 0.03 0.02 0.02 0.02未満 0.02

ア ン モ ニ ア 態 窒 素 馬入川系 0.03 0.01 0.01 0.03 0.01未満 0.02

道志川系 0.02 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

相模湖系 0.7 - - - - 0.7

生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 (BOD) 馬入川系 0.6 0.9 0.8 1.1 0.8 0.8

道志川系 0.3 0.3 0.4 0.3 0.3 0.3

相模湖系 1.12 1.3 1.2 1.2 1.0 1.2

全 窒 素 馬入川系 1.39 1.23 1.23 1.21 1.08 1.23

道志川系 0.75 0.72 0.57 0.48 0.51 0.61

相模湖系 0.08 0.080 0.081 0.088 0.085 0.08

全 リ ン 馬入川系 0.04 0.07 0.05 0.06 0.03 0.05

道志川系 0.01未満 0.01 0.01 0.01 0.01未満 0.01未満

相模湖系 0.06 0.070 0.068 0.067 0.075 0.07

リ ン 酸 態 リ ン 馬入川系 0.02 0.03 0.03 0.02未満 0.02未満 0.02未満

道志川系 0.02未満 0.02未満 0.02未満 0.02未満 0.02未満 0.02未満

・各数値は当該年度における平均値を表示。・相模湖系は沼本調整池弁天橋、馬入川系は寒川取水口、道志川系は青山ずい道出口の結果。

H26 H27

・平成27年度から相模湖系(弁天橋)データは、広域水質管理センターの「相模湖A(理化学)」の試験結果から年平均を算出して掲載。有効桁数及び定量下限値は広域水質管理センターの記載要領に準ずる。

単位:大腸菌は(MPN/100mL)

濁度は(度)、その他は(mg/L)

試 験 項 目 H29H28 H30

- 102 -

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(イ) 原水(相模湖系、馬入川系、道志川系)年 度 H26~30

系統 平均値

相模湖系 14.9 15.3 15.3 15.0 15.6 15.2

水 温 馬入川系 16.0 16.2 16.4 16.6 16.3 16.3

道志川系 14.4 14.9 14.9 14.7 14.9 14.7

相模湖系 10 13 6.2 4.9 8.5 8.7

大 腸 菌 馬入川系 210 240 71 160 140 160

道志川系 66 2.3 55 5.6 10 28

相模湖系 0.90 0.90 0.85 0.99 0.89 0.91

硝 酸 態 窒 素 及 び 亜 硝 酸 態 窒 素 馬入川系 1.06 1.09 1.04 1.01 0.93 1.03

道志川系 0.61 0.48 0.45 0.53 0.46 0.50

相模湖系 0.25 0.35 0.35 0.39 0.41 0.35

鉄 及 び そ の 化 合 物 馬入川系 0.58 0.27 0.20 0.33 1.3 0.53

道志川系 0.10 0.08 0.07 0.07 0.03 0.07

相模湖系 0.022 0.026 0.026 0.031 0.031 0.027

マ ン ガ ン 及 び そ の 化 合 物 馬入川系 0.029 0.018 0.015 0.023 0.050 0.027

道志川系 0.004 0.002 0.002 0.006 0.005 0.004

相模湖系 4.0 4.1 4.4 5.0 4.4 4.4

塩 化 物 イ オ ン 馬入川系 4.4 4.6 4.8 5.4 4.5 4.7

道志川系 2.4 1.7 1.9 2.2 2.0 2.0

相模湖系 51 53 52 57 54 53

カルシウム、マグネシウム等(硬度) 馬入川系 60 62 64 64 62 63

道志川系 44 40 40 45 43 42

相模湖系 1.0 1.1 1.2 1.2 1.0 1.1

有 機 物 ( 全 有 機 炭 素 (TOC) の 量 ) 馬入川系 1.0 0.9 1.0 1.1 1.1 1.0

道志川系 0.6 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6

相模湖系 8.03 7.97 8.09 8.01 7.96 8.01

p H 値 馬入川系 7.79 7.85 7.86 7.85 7.81 7.83

道志川系 7.77 7.86 7.89 7.85 7.87 7.85

相模湖系 2.8 3.0 2.6 3.3 3.1 3.0

色 度 馬入川系 2.3 2.0 1.9 2.3 2.5 2.2

道志川系 1.5 2.3 2.0 1.7 2.1 1.9

相模湖系 8.2 9.3 8.2 14 11 10

濁 度 馬入川系 6.5 6.0 3.3 9.5 12 7.4

道志川系 1.5 1.7 1.6 2.3 0.7 1.6

相模湖系 0.01 0.01 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

ア ン モ ニ ア 態 窒 素 馬入川系 0.01 0.01未満 0.01 0.02 0.01 0.01

道志川系 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

相模湖系 14.1 14.3 14.6 14.6 14.2 14.3

電 気 伝 導 率 馬入川系 15.5 15.7 16.0 16.1 15.1 15.7

道志川系 10.6 10.8 10.8 11.0 11.3 10.9

・ 各数値は当該年度における平均値を表示。・「相模湖系」は西谷浄水場原水、「馬入川系」は小雀浄水場原水、

「道志川系」は川井浄水場原水。

色度・濁度は(度)、電気伝導率は(mS/m)、その他は(mg/L)

試 験 項 目 H29

単位:水温は(℃)、大腸菌は(MPN/100mL)

H27 H28H26 H30

- 103 -

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(ウ) 浄水 (相模湖系、馬入川系、道志川系、朝比奈分水池) 電気伝導率は(mS/m)、その他は(mg/L) 年 度 H26~30

系統 平均値

相模湖系 15.5 15.8 15.9 16.1 16.7 16.0

馬入川系 17.0 17.2 17.3 17.2 17.6 17.2

道志川系 15.0 15.4 15.5 14.7 15.1 15.1

分水池 16.1 15.8 16.7 16.5 16.9 16.4

相模湖系 0.90 0.90 0.85 0.98 0.89 0.91

馬入川系 1.05 1.06 1.00 0.99 0.90 1.00

道志川系 0.66 0.52 0.51 0.58 0.55 0.56

分水池 1.20 1.07 1.01 0.97 0.90 1.03

相模湖系 0.0053 0.0047 0.0040 0.0047 0.0041 0.0045

馬入川系 0.0074 0.0073 0.0063 0.0063 0.0071 0.0069

道志川系 0.0055 0.0053 0.0039 0.0034 0.0041 0.0044

分水池 0.0092 0.0094 0.0101 0.0105 0.0106 0.0099

相模湖系 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

馬入川系 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

道志川系 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

分水池 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.01未満

相模湖系 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満

馬入川系 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満

道志川系 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満 0.001未満

分水池 0.00008未満 0.00016 0.00015 0.001未満 0.001未満 0.001未満

相模湖系 7.4 7.9 8.1 8.4 8.1 8.0

馬入川系 7.6 8.0 7.9 8.3 7.4 7.8

道志川系 4.5 4.0 4.4 5.1 4.3 4.5

分水池 8.0 8.3 8.3 8.5 7.6 8.1

相模湖系 51 52 51 57 55 53

馬入川系 60 61 62 64 59 61

道志川系 49 43 43 48 47 46

分水池 64 58 61 61 60 61

相模湖系 106 111 111 109 108 109

馬入川系 107 107 105 110 93 104

道志川系 98 99 100 99 96 98

分水池 125 106 119 121 127 119

相模湖系 0.5 0.5 0.6 0.6 0.5 0.5

馬入川系 0.5 0.5 0.5 0.6 0.5 0.5

道志川系 0.3 0.3未満 0.3未満 0.3未満 0.3未満 0.3未満

分水池 0.5 0.5 0.6 0.7 0.6 0.6

相模湖系 7.31 7.32 7.29 7.28 7.27 7.29

馬入川系 7.23 7.22 7.22 7.24 7.23 7.23

道志川系 7.20 7.27 7.30 7.32 7.35 7.29

分水池 7.24 7.28 7.28 7.30 7.31 7.28

相模湖系 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満

馬入川系 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満

道志川系 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満

分水池 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満

相模湖系 0.73 0.69 0.70 0.69 0.71 0.70

馬入川系 0.66 0.65 0.66 0.71 0.68 0.67

道志川系 0.65 0.67 0.66 0.64 0.65 0.65

分水池 0.72 0.74 0.78 0.75 0.76 0.75

相模湖系 14.9 15.2 15.4 15.6 15.1 15.2

馬入川系 16.3 16.4 16.7 16.9 15.9 16.5

道志川系 13.2 13.3 13.1 13.3 12.9 13.1

分水池 16.9 16.7 17.1 17.1 15.9 16.7

 各数値は当該年度における平均値を表示。

「相模湖系」は西谷浄水場2号配水池水、「馬入川系」は小雀浄水場2号配水池水、

「道志川系」は川井浄水場5号配水池水、

「分水池」は朝比奈分水池水。

塩 化 物 イ オ ン

試 験 項 目

 朝比奈分水池は、笠間幹線内面補強工事のため、平成25年6月から平成26年6月まで試験を実施 していない。

蒸 発 残 留 物

電 気 伝 導 率

H27H26

硝 酸 態 窒 素 及 び 亜 硝 酸 態 窒 素

残 留 塩 素

水 温

p H 値

濁 度

マ ン ガ ン 及 び そ の 化 合 物

鉄 及 び そ の 化 合 物

総 ト リ ハ ロ メ タ ン

カルシウム、マグネシウム等(硬度)

有 機 物 ( 全有 機炭 素( TOC) の 量 )

H28 H30H29

単位:水温は(℃)、濁度は(度)

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エ 水質概要

(ア) 相模湖系の水質

相模湖は、神奈川県北部の相模原市に位置する人造湖である。山梨県の山中湖及び忍野湧水群

を水源とする桂川が約 50 km 流下して相模湖に流入している。相模湖系は相模ダム下流の沼本取水

ぜきから取水し、相模原沈でん池を経て、西谷浄水場へ導水される。

昭和 22 年の相模ダム完成以来、家庭排水などの影響で富栄養化が進み、夏季にアオコが発生す

るなどの問題が生じている。相模湖は、湖沼A類型及び湖沼Ⅱ類型に分類されるが、全窒素及び全

リンについて、「生活環境の保全に関する環境基準」(表-1参照)を大幅に超過している*。平成

30 年度の沼本調整池弁天橋の最大値は、全窒素 1.2mg/L、全リン 0.13mg/L であった。両水質項目

については、令和2年度までの暫定目標(全窒素 1.2mg/L 、全リン 0.080mg/L)が設定されてお

り、目標達成に向けた努力が不可欠である。

同年同地点における年平均値は、全窒素 1.0mg/L、全リン 0.085mg/L、pH 値 7.82 であり、その

他の水質項目を含めて過去5年間で大きな変化は見られなかった(図-1参照)。なお、平成 27 年

度以降の沼本調整池弁天橋のデータは、広域水質管理センターの「相模湖A(理化学)」の試験結

果の年平均値を掲載した。

* 水源水域の環境基準は、環境基本法の規定に基づき、「水質汚濁に係る環境基準について」(昭

和 46 年 12 月 28 日 環境庁告示第 59 号別表1および別表2)が適用される。環境基準は「人

の健康の保護に関する環境基準」及び「生活環境の保全に関する環境基準」により構成され

る。「人の健康の保護に関する環境基準」については、全ての水域に同一の基準が適用され、

設定後直ちに達成、維持されなければならない。一方、「生活環境の保全に関する環境基準」

については、水域を特定して適用され、水質汚濁の状況等によって、基準値が異なる類型に

指定される。「生活環境の保全に関する環境基準」として、相模川(桂川を含む)は、山梨

県都留市の柄杓流川しゃくながれがわ

合流までは河川AA類型、そこから寒川取水口までは河川A類型に指定

されている。また、相模湖及び津久井湖は湖沼A類型・湖沼Ⅱ類型に指定されている。

(イ) 馬入(相模)川系の水質

馬入川系は、相模川の河口から約7km 上流に位置する寒川取水口から取水し、小雀浄水場へ導

水される。

平成 30 年度の寒川取水口における年平均値は、生物化学的酸素要求量(BOD)0.8mg/L、pH 値

7.82 であった(図-1参照)。

相模川流域は、都市化が進んだ影響で、現在の下水道普及率は 95%以上であるが、一方で水質

汚染に繋がる可能性のある事故の発生件数が比較的多い。水質汚染に際して早急に対応できるよう

水素イオン濃度(pH値)

生物化学的酸素要求量(BOD)

化学的酸素要求量(COD)

浮遊物質量(SS)

溶存酸素量(DO)

大腸菌群数

河川AA 水道1級・自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの 6.5以上8.5以下 1mg/L以下 - 25mg/L以下 7.5mg/L以上 50MPN/100mL以下

河川A 水道2級・水産1級・水浴及びB以下の欄に掲げるもの 6.5以上8.5以下 2mg/L以下 - 25mg/L以下 7.5mg/L以上 1,000MPN/100mL以下

湖沼A 水道2、3級・水産2級・水浴及びB以下の欄に掲げるもの 6.5以上8.5以下 - 3mg/L以下 5mg/L以下 7.5mg/L以上 1.000MPN/100mL以下

全窒素 全リン

湖沼Ⅱ水道1、2、3級(特殊なものを除く。)水産1種・水浴及びⅢ以下の欄に掲げるもの

0.2mg/L以下 0.01mg/L以下

基準値  項目

類型

利用目的の適応性

表-1 生活環境の保全に関する環境基準(抜粋)

- 105 -

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に、今後も監視体制を維持することが重要である。

(ウ)道志川系の水質

道志川は、山梨県の山伏峠付近が源流点であり、約 45 km 流下して津久井湖に流入している。

道志川系は津久井湖流入前の鮑子取水ぜきから取水し、青山沈でん池を経て、川井浄水場へ導水さ

れる。

平成 30 年度の青山ずい道出口における年平均値は、生物化学的酸素要求量(BOD)0.3mg/L、pH

値 7.86 であり、その他の水質項目を含めて過去5年間で大きな変化は見られなかった(図-1参照)。

道志川系は、他水系と比較すると水質が良好であるが、平成 28 年度以降、かび臭物質の 2-MIB が

検出されるようになったため、監視体制を強化するとともに浄水処理工程を最適化する必要性が高

まっている。

図-1 各水系における水質項目の推移

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

H21 H23 H25 H27 H29

生物

化学的酸素要求量(BOD)

(mg/L)

年度

0.00

0.02

0.04

0.06

0.08

0.10

H21 H23 H25 H27 H29

全リン

(mg/L)

年度

0.0

0.4

0.8

1.2

1.6

2.0

H21 H23 H25 H27 H29

全窒

素(mg/L)

年度

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

H21 H23 H25 H27 H29

硝酸

態窒素及び亜硝酸態窒

(mg/L)

年度

0.00

0.02

0.04

0.06

0.08

H21 H23 H25 H27 H29

リン酸

態リン

(mg/L)

年度

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

H21 H23 H25 H27 H29

アンモニア態窒素

(mg/L)

年度

7.6

7.7

7.8

7.9

8.0

8.1

H21 H23 H25 H27 H29

pH値

年度

0

0.3

0.6

0.9

1.2

1.5

H21 H23 H25 H27 H29

全有

機炭素(T

OC)(m

g/L)

年度

□:道志川系(青山ずい道出口)〇:相模湖系(沼本調整池弁天橋)△:馬入川系(寒川取水口)

※ 黒塗りのマークは定量下限値未満であることを表す。

※ 相模湖系のBOD測定は平成26年度で終了。

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