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1 第 60 回関西 STOMA 研究会 第 60 回関西 STOMA 研究会開催にあたって 第 60 回関西 STOMA 研究会 当番世話人 滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科 清 水 智 治 この度、第 60 回関西 STOMA 研究会の当番世話人を拝命し、2018 年 6 月 2 日(土曜日)に、大 津市の「ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター」にて研究会を開催させていただくこととなりまし た。滋賀県での開催は、 2009 年に第 51 回関西 STOMA 研究会を栗東市の「栗東芸術文化会館さきら」 に於いて松尾隆志先生が主催されて以来 9 年ぶりとなります。滋賀医科大学外科学講座の教室員や皮 膚・排泄ケア認定看護師と伴に精一杯準備をしてまいりました。伝統のある関西 STOMA 研究会を 開催させていただきますことは、たいへん名誉なことであり、このような機会をお与えいただきまし た皆様に厚く御礼申し上げます。不慣れなため、行き届かないところが多々あると存じますが、ご容 赦頂けますようお願いします。 現在、総人口に占める 65 歳以上人口の割合(高齢化率)は 26.7%と報告されています。今後、さ らに人口の高齢化率は進んで行くことが予想されています。近年、80 歳以上の高齢者に対してストー マを造設することも稀ではなくなってきています。高齢者に対する医療では、病院での診療のみでな く在宅医療への地域連携が重要と考えられます。今回の研究会では、『三方よしのストーマケア』〜 患者よし 医療チームよし 地域よし〜をメインテーマとして、高齢者、在宅医療、地域連携などに 関するストーマケアの問題点、症例報告などの演題を広く募集し、ディスカッションをしていきた いと考えております。おかげさまをもちまして、19 題にもおよぶ演題申し込みを頂きました。また、 特別講演には、「地域包括ケアシステム時代におけるストーマケア」に関して、彦根市立病院 看護部 副看護部長(地域連携担当)皮膚・排泄ケア認定看護師 北川智美先生よりご講演を頂く予定となっ ております。 初夏の琵琶湖のほとりに位置するピアザ淡海で皆様をお待ちしております。活発なご討議を行って いただき有意義な研究会になることを祈念しております。皆様のご指導・ご協力をよろしくお願い申 し上げます。
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第60回関西STOMA研究会開催にあたってstoma60/_src/771/60STOMA_program4.pdf · 2018. 5. 29. · 1 第60回関西stoma研究会 第60回関西stoma研究会開催にあたって

Nov 12, 2020

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第 60回関西 STOMA研究会

第 60 回関西 STOMA研究会開催にあたって

第 60 回関西 STOMA 研究会 当番世話人

滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科

清 水 智 治

この度、第 60 回関西 STOMA 研究会の当番世話人を拝命し、2018 年 6 月 2 日(土曜日)に、大

津市の「ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター」にて研究会を開催させていただくこととなりまし

た。滋賀県での開催は、2009 年に第 51 回関西 STOMA 研究会を栗東市の「栗東芸術文化会館さきら」

に於いて松尾隆志先生が主催されて以来 9 年ぶりとなります。滋賀医科大学外科学講座の教室員や皮

膚・排泄ケア認定看護師と伴に精一杯準備をしてまいりました。伝統のある関西 STOMA 研究会を

開催させていただきますことは、たいへん名誉なことであり、このような機会をお与えいただきまし

た皆様に厚く御礼申し上げます。不慣れなため、行き届かないところが多々あると存じますが、ご容

赦頂けますようお願いします。

現在、総人口に占める 65 歳以上人口の割合(高齢化率)は 26.7%と報告されています。今後、さ

らに人口の高齢化率は進んで行くことが予想されています。近年、80 歳以上の高齢者に対してストー

マを造設することも稀ではなくなってきています。高齢者に対する医療では、病院での診療のみでな

く在宅医療への地域連携が重要と考えられます。今回の研究会では、『三方よしのストーマケア』〜

患者よし 医療チームよし 地域よし〜をメインテーマとして、高齢者、在宅医療、地域連携などに

関するストーマケアの問題点、症例報告などの演題を広く募集し、ディスカッションをしていきた

いと考えております。おかげさまをもちまして、19 題にもおよぶ演題申し込みを頂きました。また、

特別講演には、「地域包括ケアシステム時代におけるストーマケア」に関して、彦根市立病院 看護部

副看護部長(地域連携担当)皮膚・排泄ケア認定看護師 北川智美先生よりご講演を頂く予定となっ

ております。

初夏の琵琶湖のほとりに位置するピアザ淡海で皆様をお待ちしております。活発なご討議を行って

いただき有意義な研究会になることを祈念しております。皆様のご指導・ご協力をよろしくお願い申

し上げます。

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第 60回関西 STOMA研究会

目   次

当番世話人挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

会場へのアクセス・地図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

会場:ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター内ご案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

参加者ならびに演者の方々へのご案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

抄 録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

ご協力企業・団体一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

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第 60回関西 STOMA研究会

第 60 回関西 STOMA研究会

テ ー マ: 『三方よしのストーマケア』 ~患者よし 医療チームよし 地域よし~

当番世話人: 清水 智治(滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科)

会 期: 2018 年 6 月 2 日 ( 土 )

会  場: ピアザ淡海滋賀県立県民交流センター   〒520-0801 滋賀県大津市におの浜 1-1-20   TEL:077-527-3315 FAX:077-527-3319   URL:http://www.piazza-omi.jp/

受  付: 2階 ホワイエ(11:30~)

メイン会場: 2階 ピアザホール(13:00~)

展示会場: 2階 206 会議室、207 会議室(12:00~)

ドリンクコーナー: 2階 206 会議室、207 会議室(12:00~)

世話人会会場: 3階 303 会議室(12:00~)

第 60 回関西 STOMA研究会 事務局:滋賀医科大学 外科学講座(消化器外科) 清水智治・園田寛道・河田優子 〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町 TEL:077-548-2238 FAX:077-548-2240 E-Mail:[email protected]

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第 60回関西 STOMA研究会

会場までの交通案内

Pびわ湖ホール

大津警察署

琵琶湖文化館

大津港 NHK

びわこ浜大津

京阪

京津線

島ノ関

石場

アヤハディオびわ湖ホール駐車場

西武大津

Oh!Me大津テラス

至石山

至彦根

至京都

至京都

大津 IC国道 1号線

名神高速道路

JR琵琶湖線

京阪石坂線京阪膳所

膳所大津県庁

信号左折

信号左折

→→←←

↑↑

↑↑↓↓

↑↑

ピアザ淡海地下駐車場

びわ湖ホール駐車場出口

湖岸道路

NHK

びわ湖ホール

Oh!Me大津テラス

大津警察署

正面玄関

なぎさ公園

1Fロビーへ

1F駐車場へ1F駐車場へ

びわ湖ホール駐車場

1F連絡通路

入口

入口

ピアザ淡海地下駐車場

駐車場のご 案 内

各交通機関ご利用案内

琵琶湖

鉄道をご利用の場合●JR大津駅からタクシー約5分●JR膳所駅から徒歩12分●京阪電車石場駅から徒歩5分

車をご利用の場合●名神大津インターから7分

個人でのご負担をお願いします。

※ピアザ淡海地下駐車場または びわ湖ホール駐車場をご利用 ください。(有料)

駐車料金について

●1~4時間 …1時間ごとに210円●5時間以降 …+110円ずつ追加料金発生

ピアザ淡海

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第 60回関西 STOMA研究会

会場案内図

3F

吹抜吹抜

世話人会会場

ピアザ淡海

会議室303

展示会場ドリンクコーナー

メイン会場ピアザホール

ピアザ淡海

会議室206

会議室207

2F

①座長・演者PC受付②事務局の受付

一般受付

ピアザホール内での飲食はお控え願います。

②①

1Fホテルピアザびわ湖

ホテルフロント

1F正面玄関

パスポートセンター

レストラン エスカレーターをお上がり下さい

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第 60回関西 STOMA研究会

参加者ならびに演者の方々へのご案内

Ⅰ . 参加者の皆様へ1.参加受付は当日 11:30 より開始致します。

2. 受付にて参加費 1,500 円を納入し、参加証をお受け取りください。

参加証に所属と氏名を記入し、会場では必ずご着用ください。

3.世話人の先生方は、受付で世話人会のご出席の旨お伝えください。

4. 関西 STOMA 研究会の会員の方は、事前に郵送します抄録集を当日ご持参ください。非会員

の方には抄録集を 1 冊 500 円にて販売します。なお、数に限りがございますので、売り切れの

際はご容赦ください。

5. 関西 STOMA 研究会入会希望の方は当日受付にて手続きをさせていただきます。年会費は

2,000 円となっておりますので、同時にお納めください。なお当日入会された方には入会受付

時に抄録集をお渡しします。

6. 雑誌「STOMA」を受付にて 1 冊 500 円で販売しております。

7. 企業展示は、2 階の会議室 206 および 207 にて開催しています。

展示時間は 12:00 〜 16:00 です。時間にご注意ください。

8. ドリンクコーナーを企業展示室に設けておりますので、ご利用ください。

9. ホール会場内では携帯電話の電源をお切りください。

10. ホール会場内での飲食はご遠慮ください。

11. 優秀演題選考を行います。参加証に投票用紙が付随しております。受付に投票所を設けます

ので、投票時間内に皆様が最も優秀と思われる演題に〇印を付けていただき、参加証から切

り離してご投票ください。ご協力をお願いいたします。

Ⅱ.演者の方々へ1. 本研究会は口演のみで、Power Point による PC 発表とさせていただきます。

スライドおよびビデオによる発表はできませんのでご注意ください。

2. 発表は原則として研究会側が準備した PC で行います。対応する OS は、Windows 7/8/10

のみです。Macintosh をご使用の場合は、各自のコンピュータをご持参ください。念のため

VGA アダプタもご持参下さい。

3. 発表データは、USBフラッシュメモリーに保存して、発表の 30 分前までに会場の PC 受付に

ご提出ください。

4. 演題は一般・主題ともに、発表時間 5 分、 質疑・応答時間 2 分 とします。

*座長の進行に従い、時間厳守でお願いします。

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第 60回関西 STOMA研究会

5. 利益相反(COI の開示)について

医学研究の公正・公平さを維持し、学会発表での透明性、社会的信頼性を保持するため、筆

頭演者には、利益相反の開示をお願い致します。詳細は日本医学会「医学研究の COI マネー

ジメントに関するガイドライン」36 ページをご参照ください。

http://jams.med.or.jp/guideline/index.html

利益相反の自己申告スライドは、最初または最後にお願いします。

6. 動画をご使用になる場合には、当日、動作確認を行いますが、念のためご自分の PC をご持参

ください。外部出力用 RGB コネクタのある PC に限ります。音声再生には対応していません。 

7. お預かりした発表データは研究会終了後に事務局が責任を持って消去します。

Ⅲ.討論・質問・追加発言について1. 発表演題に対する活発な質疑・応答をお願いします。

2. 質問のある場合、挙手後、速やかにマイクスタンドにお越しいただき、座長の指示に従い、発

言してください。次の質問者は、マイクスタンドの近くで順番をお待ちください。

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第 60回関西 STOMA研究会

Ⅳ.世話人会のご案内

1. 研究会当日、世話人会を開催いたします。世話人の方々には、お忙しい折、お手数をお掛け致

しますがよろしくお願い申し上げます。

2. 日時:2018 年 6 月 2 日(土)12:00 〜 12:50

3.会場:ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター 3階 303 会議室

Ⅴ.演者の方々へのSTOMA誌投稿のお願い第 60 回関西 STOMA 研究会

発表者各位

この度は、第 60 回関西 STOMA 研究会へご発表頂きましてありがとうございます。

ご発表内容を多くの会員とともに共通の財産として残して行きたいと考えております。

つきましては、全ての発表者の方々に当研究会発刊誌「STOMA wound & continence」(Vol.26,

No.1, 2019 予定)へご投稿頂きたく存じます。

投稿規定および投稿チェックシート(研究会ホームページ投稿案内ページに掲載)を参考にされ、

2018 年 8 月 25 日(土)までに E-mail(添付ファイル)または郵送(簡易書留など)のいずれかの方

法にてご投稿をお願い申し上げます。

関西STOMA研究会

代表世話人 西口 幸雄

編集委員長 上川 禎則

郵送にてご投稿の場合 ※可能な限り、メール配信にてご投稿下さい

 〒 534 -0021  都島本通二郵便局留

大阪市淀川区野中北 2-12 -27 大阪市立十三市民病院 外科内

関西 STOMA 研究会 宛

投稿に関するお問い合わせ先 〒 532 -0034  大阪市淀川区野中北 2-12 -27

大阪市立十三市民病院 外科内

関西 STOMOA 研究会

TEL&FAX:06-6167 -7186 E-mail:[email protected]

URL:http://kansaistoma.org

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第 60回関西 STOMA研究会

プログラム

13:00〜13:05  開会の挨拶 清 水 智 治(第 60 回当番世話人)

滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科

13:05〜13:50  一般演題1座長:済生会千里病院     竹 村 実 紀

長浜赤十字病院 外科  塩 見 尚 礼

1.  ストーマ周囲皮膚潰瘍に対して薄型フォームドレッシングを使用して油性基剤の外用薬の使用が可能となった症例

大阪赤十字病院  遠 藤 麻 子

2.  Edwardsiella tarda によるストーマ周囲軟部組織感染の一例

公立那賀病院 看護部  玉 地 康 二

3.  セルフケアチェックシートを使用したストーマケア指導

医療法人洛和会 洛和会音羽病院  木 戸   茜

4.  当院のストーマサイトマーキングの現状と課題

長浜赤十字病院 看護部  松 室 夕 妃

5.  結腸双孔式人工肛門脱とその再発に対して自動縫合器を用いて修復術を行った 1 例

滋賀医科大学 外科学講座  村 本 圭 史

6.  ハルトマン・リバーサルにおける腹腔鏡の有用性

堺市立総合医療センター 大腸肛門外科  西   秀 美

13:50〜 14:35  一般演題 2座長:京都橘大学 看護教育研修センター  宇 野 育 江

市立豊中病院 外科       能 浦 真 吾

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第 60回関西 STOMA研究会

7.  一時的回腸人工肛門造設術における outlet obstruction 発生に関する検討

ベルランド総合病院  伊 藤   文

8.  Outlet obstructionとhigh output syndrome を生じた一時的回腸ストーマの一例

健生会 土庫病院 奈良大腸肛門病センター  稲 垣 水 美

9.  多量の食物残渣による管理困難な high-output stoma〜採便袋の見直しが有用であった一例〜

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院  加 藤 好 美

10.  巨大な腹壁欠損を NPWT にシューレース法を併用して閉鎖し得た 1 例

堺市立総合医療センター  鄧   傑 之

11.  小腸瘻に至った腹部開放創に対して行った局所陰圧閉鎖療法に小腸瘻への間欠吸引を行った症例

長浜赤十字病院 外科  東 口 貴 之

12.  創内持続陰圧洗浄療法によって QOL の向上が図れた終末期患者の 1 例

医療法人春秋会 城山病院 消化器センター 看護部  森 本   梓

14:35〜14:50  休  憩(展示会)

14:50〜15:40  主題演題座長:大津市民病院        大 津 陽 子

大阪暁明館病院 泌尿器科  松 下 千 枝

13.  術後せん妄を発症した認知症高齢者への難渋するストーマケア指導

市立伊丹病院  佐 野 一 成

14.  短縮化される入院期間中にストーマセルフケアの自立を支援する当院の試み

社会福祉法人恩賜財団 済生会京都府病院  野 生 須 智 宏

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第 60回関西 STOMA研究会

15.  ストーマケアの統一に向けた看護手順作成とクリティカルパス導入

地方独立行政法人奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター 看護部  小 栁 友 花

16.  SIUP が目指す三方よしのストーマケアの変遷

特定非営利活動法人ストーマイメージアッププロジェクト  渡 邉 光 子

17.  ストーマケア経験のない施設への退院支援の一症例

独立行政法人国立病院機構 東近江総合医療センター 看護部  続 宗 敬 子

18.  ストーマ管理における退院支援と地域との連携

滋賀医科大学医学部附属病院 看護部  河 田 優 子

19.  当院における退院後訪問指導の現状

高島市民病院  伊 庭 治 代

15:40〜15:50  休  憩

15:50〜16:50  特別講演

『地域包括ケアシステム時代におけるストーマケア』座長:滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科  清 水 智 治

滋賀医科大学 看護部          河 田 優 子

演者:彦根市立病院 看護部 副看護部長(地域連携担当)

皮膚・排泄ケア認定看護師  北 川 智 美 先 生

16:50〜 16:55  優秀演題表彰 清 水 智 治

第 60 回関西 STOMA 研究会 当番世話人

(滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科)

16:55〜 17:00  閉会の挨拶 松 下 千 枝

第 61 回関西 STOMA 研究会 当番世話人

(大阪暁明館病院 泌尿器科)

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第 60回関西 STOMA研究会

2. �Edwardsiella�tarda によるストーマ周囲軟部組織感染の一例

公立那賀病院 看護部 1) 診療部 2)

○玉地 康二 1)、久保 乃英 1)、椿原 秀明 2)

【目的】Edwardsiella tarda(以下、E. tarda) によるストーマ周囲軟部組織感染を呈した症例について報告する。

【症例】60歳代、女性。切除不能進行直腸がんによる消化管閉塞に対してS状結腸人工肛門造設術を行った。アバスチンⓇを含むがん化学療法施行中であった術後 42 日目、ストーマ 3 〜 6 時に皮膚潰瘍が出現し、この時水様便であった。潰瘍は最大 100㎜× 70㎜まで拡大し、潰瘍より E. tarda が検出された。術後 82 日目、右上腹部へ横行結腸双孔式人工肛門造設術を行った。

【結果】人工肛門再造設術後、潰瘍は 65㎜× 30㎜に縮小した。【考察】ストーマ粘膜皮膚接合部と E. tarda を含む水様便との接触が感染の原因であったと考えられた。アバスチンⓇの血管新生阻害作用によるストーマ創への影響が考えられた。

【結語】人工肛門造設術後、特にがん化学療法施行中においては、排泄物との接触によるストーマ周囲軟部組織感染に留意が必要である。利益相反なし。

一般演題1

1. ストーマ周囲皮膚潰瘍に対して薄型フォームドレッシングを使用して油性基剤の外用薬の使用が可能となった症例

大阪赤十字病院 看護部 1) 皮膚科 2)

 遠藤 麻子 1)、安藤 嘉子 1)、八木 洋輔 2)、立花 隆夫 2)

ストーマ周囲皮膚潰瘍(以下潰瘍)には、皮膚保護材を貼付する特性からローション剤やドレッシング材の使用が通例である。今回、肉芽が過形成で滲出液が多く軟膏療法が必要と判断した潰瘍に対し、薄型フォームドレッシグを併用し奏功した症例を経験した。

70 歳代男性、膀胱全摘回腸導管術後 1 年頃からストーマ傍ヘルニアを発症。2 年 10 ヵ月頃に、凸面部分とヘルニア突出の圧迫が要因と思われる潰瘍が発生した。柔らかい凸面装具へ変更し用手形成皮膚保護材や銀含有ハイドロファイバーを用いたが、1.5cm 大の創は浮腫状で改善しなかった。皮膚科医と相談し、本事例の潰瘍にはステロイド軟膏と亜鉛華軟膏が適切と判断した。また、軟膏の上に薄型フォームドレッシングで被覆し面板を装着したところ、1 週間後に創は速やかに縮小、3 週間後には軟膏を終了できた。以降は用手形成皮膚保護剤での創保護とヘルニアベルトの併用で創は治癒した。

創に対し適切な外用薬を使用できるよう、薄型フォームドレッシングを併用することは有効であった。ドレッシング材の特性を理解した上で、潰瘍であっても軟膏の薬効と基剤の特性を生かした外用療法を行い、装具装着を行うことは可能である。

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第 60回関西 STOMA研究会

4. 当院のストーマサイトマーキングの現状と課題

長 浜赤十字病院 看護部 1) 外科 2) 松室 夕妃 1)、大音 博美 1)、坪井 明花 1)、藤原 美幸 1)、竹倉 佑香 1)、 泊 敦美 1)、 中川 祐子 1)、東口 貴之 2)、谷口 正展 1) 、丹後 泰久 1)、 張 弘富 1)、中村 一郎 1) 、中村 誠昌 2) 、塩見 尚礼 2)、下松谷 匠 2)

【はじめに】ストーマの位置は患者の今後の生活に大きく関わるため、術前のサイトマーキング(以下マーキング)はとても重要である。当院では皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC)や関西ストーマケア講習会を修了したスタッフがマーキングを行っている。今年度ストーマ造設術を受けられた患者 52 名を後ろ向き調査したので報告する。

【対象と方法】対象は平成 29 年 4 月から平成 30 年 2 月までの間に当院外科でストーマ造設術を施行された患者52 名。緊急 OPの有無、マーキング実施者、術後管理困難の有無、管理困難の内容について後方視的に検討した。

【結果】ストーマ造設術 52 件中 49 件にマーキングを実施。スタッフによるマーキングは 32 件、WOCとスタッフと共に実施、または WOC のみで実施したマーキングは 17 件であった。スタッフのみでの実施はなかった。緊急手術は 27 件で、管理困難症例は 22 件であった。管理困難の原因は円背が有り位置不良、装具選択が難しい、漏れ、交換間隔の相談、スキントラブル、その他として創に近く貼付困難などであった。

【考察】円背による位置不良以外の管理困難はなく、マーキングの意義を満たしているといえた。しかし、開放創による管理困難やスタッフで装具選択ができないなどが多かった。このことよりスタッフへ装具選択に関する知識を教育していく必要があり、病棟での今後の課題の 1 つと考えられた。また開放創の症例に対しては手術創と装具の装着位置を考慮したマーキングが必要であると考えられた。

【まとめ】今回の検討より、スタッフのみのマーキングでも大きな位置不良による管理困難症例はなかった。しかし開放創への対応、装具に関する知識を増やすなど、新たなスタッフへの教育課題が明らかとなった。

3. セルフケアチェックシートを使用したストーマケア指導

医 療法人洛和会 洛和会音羽病院  ○木戸 茜、榮谷 祥子、屋部 鈴仁、伊藤 洋子、 佐藤 ひとみ、堀井 寿美子

当病棟は消化器外科・泌尿器科の病棟であり、ストーマを造設するケースが多い。これらの患者の中には、緊急入院による手術や術後の合併症でストーマ造設を余儀なくされる患者もいる。緊急でストーマを造設した患者は、ボディイメージの変化に戸惑いながら、高度な手術侵襲からの回復過程において、ストーマセルフケア能力の確立を求められる。

今回、上行結腸癌術後にイレウスや縫合不全を繰り返し、緊急ストーマ造設となった患者のストーマケアのセルフケア指導を経験した。患者は長期入院を強いられ、ストーマケアのセルフケアに強い不安や恐怖感を示していた。そこで、再手術や長期治療に対する精神的支援と並行してセルフケアの確立を促進するため、ストーマセルフケアチェックシートを作成した。このシートの活用により、看護師からの一方的な評価ではなく、患者の到達度に合わせて、段階的にセルフケアの指導を促進していくことが出来た。また、患者のストレスや不安、恐怖感の緩和を図りながら、ストーマケアの受容状況に合わせて、看護チーム全体で評価を共有し、指導することができたので、そのプロセスを報告する。

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第 60回関西 STOMA研究会

6. ハルトマン・リバーサルにおける腹腔鏡の有用性

堺市立総合医療センター 大腸肛門外科 1) 看護部 2)

  西 秀美 1)、大原 信福 1)、中田 健 1)、森本 伸一郎 2)、 南部真里恵 2)、山本恵美子 2)、辻江 正樹 1)

ハルトマン術後のストーマ閉鎖は、肛門側の断端同定の難しさに加え、初回手術で生じた癒着剥離を要するため、侵襲度および術後合併症の発生率も高い手術である。

当院でも従来、開腹でのストーマ閉鎖を行って来たが、2013 年 4 月以降は積極的に腹腔鏡でのストーマ閉鎖を導入してきた。2012 年 4 月 1 日- 2018 年 3 月 31 日の 6 年間に 18 例のハルトマン・リバーサルを行い、7 例が腹腔鏡で完遂、3 例が腹腔鏡からの開腹移行、8 例が開腹手術で行っていた。腹腔鏡開始例は併存症の少ない患者に限定して行った。完遂例では開腹(移行)群と比べて、手術時間が短く、出血量が少なく、術後合併症発生率が少ない傾向にあった。また、開腹移行例においても、腹腔鏡下での癒着剥離を先行することで、開腹後の操作の安定化に繋がっていた。一方、腹腔鏡手術では器械吻合が主体となるが、肛門側の腸管の脆弱性や周囲組織との関係性から術前の評価や前処置、術中の手技的な工夫が必要である。

ハルトマン・リバーサル自体の手術適応に限りがあるものの、腹腔鏡の積極的使用により、侵襲度の軽減とより安全な手術が可能になることが期待される。

5. 結腸双孔式人工肛門脱とその再発に対して自動縫合器を用いて修復術を行った1例

滋 賀医科大学 外科学講座  村本 圭史、三宅 亨、園田 寛道、清水 智治、 植木 智之、谷 眞至

【はじめに】人工肛門脱は人工肛門造設術後約 2.4 〜 26% の頻度で発生し、双孔式は単孔式に比較し頻度が多く、双孔式では肛門側が脱出することが多い。

【症例】70 歳代、男性。【既往歴】高血圧、アルコール性肝障害。直腸癌 (T1b N0 M0 Stage I)に対し腹腔鏡下括約筋間直腸切除術を行った。

【現病歴】直腸癌術後 3 年目に直腸吻合部狭窄に伴う腸閉塞に対し、横行結腸に双孔式人工肛門造設術を行った。人工肛門造設術後 2 ヶ月で人工肛門の肛門側結腸の脱出を認めた。

【手術所見】手術は全身麻酔下で行った。肛門側結腸を 11cm 引き出し、超音波検査で脱出腸管に小腸の介在がないことを確認した。自動縫合器を用いて腸間膜付着側を 12 時として 3、9 時方向で腸管の長軸方向に 2 ヶ所縫合切離した後、自動縫合器で切開した脱出腸管を短軸方向に口側腸管と同じ高さになるように切離した。術後明らかな合併症なく、術後 8 日目で退院となった。修復術術後 2 ヶ月に結腸人工肛門の口側結腸の脱出を 15 cm 認めた。前回と同様に人工肛門修復術を行った。術後明らかな合併症なく、術後 12 日目で退院となった。現在、術後 4 ヶ月目で人工肛門脱の再発を認めていない。

【結語】人工肛門脱とその再発に対し、自動縫合器を用いることで、非開腹下に修復し得た1例を経験したので報告する。

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8. �Outlet�obstruction と high�output�syndromeを生じた一時的回腸ストーマの一例

健生会 土庫病院 奈良大腸肛門病センター  稲垣 水美、吉川 周作、山岡 健太郎、横尾 貴史、稲次 直樹

【症例】70 代男性【経過】直腸癌に対し腹腔鏡補助下低位前方切除術・一時的回腸ストーマ造設術を行った。手術翌日には NG チューブより 3600ml/ 日の排液が認められた。CT では小腸全体の著明な拡張があり、ストーマ直下での通過障害も疑われたため、術後 2 日目にホーリンカテーテルをストーマから挿入した。その後も high output の状態が続いたが、小腸の拡張は改善しなかった。術後 19 日目にイレウス管を挿入したが、イレウス管を自己抜去されたため、ストーマより経鼻内視鏡ガイド下にプリーツドレーンを挿入した。以降は小腸の拡張も改善した。

【考察】ストーマより示指を挿入すると、腹壁部分での狭窄と屈曲が認められ、outlet obstruction が生じていた。加えて、手術翌日から high output の状態が続いたことで、ストーマからの排液があったにも関わらず回腸の拡張が改善せず、ストーマ直下での通過障害を悪化させた可能性がある。ホーリンカテーテルでは便がつまりやすいため、太いプリーツドレーンを挿入するのに経鼻内視鏡を使用したが、この方法は有効であった。

一般演題2

7. 一時的回腸人工肛門造設術における outlet�obstruction 発生に関する検討

ベ ルランド総合病院 伊藤 文、川崎 誠康、奥村 哲、豊田 翔、安田 洋、山本 堪介、 水村 直人、庾 賢、土橋 洋史、小川 雅生、亀山 雅男

回腸人工肛門は直腸癌などの手術の際に、縫合不全のリスクを考慮して一時的人工肛門として造設されることが多い。しかし、回腸人工肛門による合併症のリスクもあり、outlet obstruction もそのひとつである。

当科では 2015 年 1 月から 2017 年 12 月までの 3 年間に 37 例の一時的回腸人工肛門造設術を行った。年齢は平均 67.4 歳、男女比が 24:13 であった。そのうち 13.5% にあたる 5 例で outlet obstructionを経験した。5 例全てが直腸癌に対する手術と同時に行われ、開腹手術が 4 例、腹腔鏡手術が 1 例であった。平均手術時間は 220 分であった。発症時期は術後 2 から 5 日目の早期と、術後 21 から 29 日の後期に 2 分された。全ての症例で人工肛門からのチューブ留置を行った。治療期間は 3 日から 50 日と幅があったが全て保存的に軽快した。術後退院後に発症した 1 例を除いた術後入院日数は平均 61 日であった。

回腸人工肛門造設術後の outlet obstruction は人工肛門からのチューブ留置によって保存的に軽快することも多いが、手術を必要としたという報告もある。長期の治療や入院期間の延長につながり、患者の QOL 低下や癌の治療経過にも影響を与えると考えられる。原因となる因子を検索し、対策が求められる。

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10. 巨大な腹壁欠損をNPWTにシューレース法を併用して閉鎖し得た1例

堺市立総合医療センター 外科 1) 救急外科 2) 看護局 3)

  鄧 傑之 1)、中田 健 1) 、森本 伸一郎 3)、南部 真里恵 3)、 山本 絵美子 3)、臼井 章浩 2)、辻江 正樹 1)

【背景】巨大な腹壁欠損の閉鎖に関して、未だ確立した手段はない。我々は巨大腹壁欠損症に対して局所陰圧閉鎖療法(以下 NPWT)に工夫を凝らし、創部を閉鎖できた症例を経験したため報告する。

【症例】76 歳女性。小腸穿孔、急性汎発性腹膜炎で第 0 病日に小腸部分切除術、左側腹部に小腸ストマ造設術を行った。第 17 病日にストマが皮膚から脱落したため、再度開腹してストマ閉鎖術、小腸吻合術を行った。しかし、第 28 病日に小腸縫合不全を起こし、開腹して小腸部分切除術、右上腹部に小腸ストマ造設術を行なった。繰り返す開腹手術とストマ閉鎖で縦 20cm、横 15cm と大きな腹壁欠損が残った。そこで、NPWT にゴム製血管テープを用いたシューレース法を併用して創を縮小させ、第 42 病日に外腹斜筋腱膜と皮下脂肪の間を剥離して皮弁を形成し、真皮縫合で皮膚を閉鎖した。その後、皮膚は離開せず経過している。

【まとめ】シューレース法と NPWT を組み合わせる目的は、シューレース法で皮膚を水平方向に引き寄せ創を縮小し,NPWT で主に垂直方向に引き寄せ、全体的に創を縮小させることである。NPWT のみよりも早期に創を閉鎖する方法として今後も検討を重ねる予定である。

9. 多量の食物残渣による管理困難な high-output�stoma〜採便袋の見直しが有用であった一例〜

宇治徳洲会病院 看護部1)、外科3)

【はじめに】今回、多量の食物残渣と high-output stoma により既存の採便袋では排便管理が継続できず管理困難となった事例を経験した。採便袋の検討を行ったので報告する。

【事例】60 代、女性、日常生活自立度 C-2、小腸イレウスを繰り返していた。今回、小腸切除術後、縫合不全により双孔式回腸人工肛門造設術となる。

【看護の実際】術後、経口摂取が進まず経管栄養を継続していた。術後 6 ヶ月、果物など嗜好品のみ経口摂取が可能となり、食物残渣混りの水様便(3000~6000ml/ 日)が増加した。採便袋と排液バックの接続部や面板からの便漏れが続き、大容量イレオストミー用採便袋に変更後、ストーマケアは安定した。術後 9 ヶ月、食事摂取量が増加し、多量の食物残渣と水様便による採便袋の破損が続いた。採便袋を灌注排便管理用品に変更後、ストーマケアは安定した。

【考察】患者の日常生活においては、既存の採便袋の使用が適切である。しかし、食物残渣の多いストーマは、排液バックへの接続部分で目詰まりすることが多い。また、high-output stoma では、多量の水様便に対応できるだけの容量が必要となる。灌注排便管理用品は、多量の食物残渣と多量の水様便に対応できる採便袋として有用であった。

近江草津徳洲会病院 外科2)

加藤 好美1)、田和 勢津子1)、梶原 正章2)、久保田 良浩3)

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12. 創内持続陰圧洗浄療法によってQOLの向上が図れた終末期患者の1例

医療法人春秋会 城山病院 消化器センター 看護部 1) 外科 2)

○森本 梓 1)、新田 敏勝 2)、太田 将仁 2)、河野 恵 1)、 石橋 孝嗣 2)、村井 真由美 1)

【症例】40 代男性。【経過】2016 年 11 月進行胃癌にて胃全摘術後、TS-1 による補助化学療法を施行していた。翌年 4 月通過障害にて入院し、保存的に改善が見られなかったため、同年 6 月癌性腹膜炎の診断にて、バイパス術、腸瘻造設術を施行した。その後、再発に化学療法を施行したが、小腸穿孔を認め、術後 16 日目に人工肛門造設術を施行した。

【創の状態】SSI を発症し、創の上部と下部が離解し、胃の穿孔部から胃液の流出があり、日に何度もガーゼ交換を行っていた。術後 18 日目に開創し、創部に送水と吸引チューブを置き、ポリウレタンフォームで被覆し、J-VAC を経由した壁吸引を使用した創内持続陰圧洗浄療法を試み、徐々に創が縮小した。緩和ケアチームの介入もあり、患者は亡くなる前日まで車椅子で売店に行ったり、食べたいものを食べたりすることができた。

【考察】数回 / 日のガーゼ交換がなくなったことで、身体的・精神的苦痛を緩和できた。多職種で介入することで最期まで患者の希望を叶えることができた。

【結語】創内持続陰圧洗浄療法は創状態の改善だけでなく、患者の QOL の向上にも有効であった。

11. 小腸瘻に至った腹部開放創に対して行った局所陰圧閉鎖療法に小腸瘻への間欠吸引を行った症例

長 浜赤十字病院 外科  東口 貴之、塩見 尚礼、長門 優、谷口 正展、丹後 泰久、 張 弘富、中村 一郎、中村 誠昌、下松 谷匠

術後創感染による腹部開放創に消化管瘻が生じた症例においては、持続的に瘻孔から排泄される消化液による創部汚染の管理に難渋し、創傷治癒遅延に至ることが多い。今回、創部に対する局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy: NPWT)に、小腸瘻への T チューブ留置を行い、NPWT に小腸瘻への間欠的ドレナージ療法を併用することで、創傷治癒を促した症例を報告する。症例は 69 歳の男性で、十二指腸乳頭部癌に対し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した患者。創感染により術後 7日目に正中創を開放創とし創洗浄を行っていた。術後 14日目に開放創内の小腸瘻を確認したため、術後 15日目よりNPWTを開始したが小腸瘻からの食物残渣によるドレナージ不良を認めた。透視検査により空腸 - 空腸吻合部の損傷と診断され、術後 19日目に小腸瘻に T チューブを挿入し Thopaz デジタル胸腔ドレナージシステム(Medela)にて間欠吸引を行いつつ、NPWTを再開した。NPWT 再開後は小腸瘻周囲の肉芽の発育を認め、良好な経過であったが、NPWT 器機の適応期間である4 週間を越えたため、小腸瘻の T チューブは自然滴下、Thopaz によるNPWTに変更したが、良好な肉芽の発育を認めた。初回手術後 58日目に小腸瘻に対し小腸部分切除術を行った。再手術後、創感染を認め開放創としたが創洗浄のみで治癒傾向を認め、再手術後 23日目に退院に至った。

消化管瘻を伴う腹部開放創への NPWT に対し、消化管瘻に対する間欠的ドレナージ療法を併施することが創傷管理の選択肢一つになりうると考えられた。また、Thopaz は NPWT に使用可能であった。

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14. 短縮化される入院期間中にストーマセルフケアの自立を支援する当院の試み

社会福祉法人恩賜財団 済生会京都府病院  野生須 智宏、廣谷 かな江、新井 絵梨、富樫 瑞貴、檀野 由美、高野 京子

【背景】DPC の導入、腹腔鏡手術の増加に伴い患者の入院期間は短縮化する傾向にある。同時に、ストーマ造設患者のセルフケア指導の期間も短縮している。一方で高齢患者が増加し、装具交換の手順を理解する為に繰り返し指導を必要とする場合も多い。この現状を解決する為に、入院中の患者指導の方法を検討した。

【目的】ストーマ造設患者が自信をもって退院できる様に入院中の指導の方法を検討する。【方法の実際】1. 術後、看護師の装具交換を見学する様になった時点で装具交換の手順書を渡し、看護師と一緒に確認する。2. 装具交換を実施しない日は、ストーマモデルを使用した装具交換の練習を行う。3. 患者にアンケートを実施し、成果を確認する。

【結果】1. 装具交換の手順を示したパンフレットを用いることは、患者が装具交換のイメージを掴み手順を覚えることに繋がる。2. 装具交換日以外に、ストーマモデルを使用した装具交換の実施は患者のストーマセルフケアの習得について指導の満足度を高め患者の自信に繋がる。

【結論】今後もストーマの装具交換日だけでなく、ストーマセルフケアの指導を繰り返し行うことは必要である。

主題演題

13. 術後せん妄を発症した認知症高齢者への難渋するストーマケア指導

市立伊丹病院 佐野 一成、黒田 星香、永岡 勤佐、當座 康弘、川上 潤子、 平木 将之、鈴木 玲、田中 伸夫

【はじめに】認知症高齢者の緊急ストーマ造設後のセルフケア指導に難渋した症例について報告する。【症例】軽度認知症を有する 80 代女性、認知症の夫と 50 代の息子の 3 人暮らし。【経過】大腸癌にて右半結腸切除術を施行、術後にせん妄を発症。術後 9 日目に縫合不全による汎発性腹膜炎の為、回腸ストーマが造設された。術直後より腹部離開創、ストーマの保護のため介護服を着用した。術後 2 日目にせん妄を発症、装具交換時にストーマを見て触れたが、次回の交換時にはストーマの存在を忘れていた。術後 17 日にせん妄は改善し介護服の着用を終了した。検温や便排除の時にはストーマの存在について繰り返し説明した。術後 19 日目から便排除の指導を開始、術後 21 目には自己で便排除の手技が可能となったが、ストーマ袋内への意識が不十分であり便排除のタイミングを繰り返し説明する必要があった。装具交換は記銘力や手指巧緻性低下、家族背景から難しいと判断した。社会資源を導入し、術後 76 日目に在宅看護に移行した。

【考察】社会背景や術後せん妄、認知症の存在によってストーマセルフケア指導が難しいと考えられる場合、個別性を考慮して目標を設定することが重要と考えられた

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16. �SIUPが目指す三方よしのストーマケアの変遷

特定非営利活動法人ストーマイメージアッププロジェクト  渡邉 光子、土田 敏恵、安藤 嘉子、片岡 ひとみ、

三富 陽子、松原 康美、酒井 透江

【はじめに】私達は 2006 年に「一般社会・家族・医療従事者においてストーマが正しく認知される」ことを目的に活動を始めた。12 年間の学術調査の結果から得たよりよいストーマケア、医療の方策を報告する。● ストーマ保有者は正しくストーマを理解してもらいたいと思っているか全国調査では 90% 以上の

人が正しく理解してもらいたいと回答した。その中で、WOC ナースのケアを受けた方はストーマ局所管理以外の病気の予後への不安や社会貢献への意識が高く、ストーマは正しく理解されていると感じていた。

● 一般社会への啓発ストーマ啓発リーフレットは効果があった。しかし、物語的な生活場面に限定したため、更なる啓発のためには様々な生活上の工夫などの情報提供が必要であった。

●医療者への啓発ストーマケア経験の有無が正しい知識に影響していた。● ストーマ関連事業所の関わりストーマ保有者が相談先として利用しており、よく話を聞き対応して

いた。また民間と医療行政との連携を求めていた。これらの調査で得たストーマ保有者が経験した困ったこととその対処法の調査結果を生活場面ごとにデータベース化し、ホームページで公開した。

15. �ストーマケアの統一に向けた看護手順作成とクリティカルパス導入

地 方独立行政法人奈良県立病院機構 奈良県総合医療センター 看護部 1) 外科 2)

小栁 友花 1)、山内 愛子 1)、天内 陽子 1)、向川 智英 2)、

石川 博文 2)、高済 峯 2)、渡辺 明彦 2)

人工肛門(以下ストーマとする)造設した患者は、排泄口の変更によるボディイメージの変化という現実と向き合わなければならない。それに加えて、新たにセルフケアの習得をしなければならない。当病棟では、看護師によって指導のばらつきがあり、セルフケア確立ができず入院期間が延長することがあった。ストーマケアの確立は、円滑な社会復帰への第一歩であり、患者・家族の受容に大きな影響を与えると示唆される。私は退院後も安心してストーマケアができるようチームで連携し、統一した援助をしたいと考えた。そこで今回、ストーマ造設決定から退院に向けての看護手順を作成し、看護師間で情報共有することができた。今後は看護師だけでなく、医師・理学療法士・作業療法士を含めたチーム間での統一する必要があると思い、新たにストーマ造設患者用のクリティカルパスを作成した。患者・家族に対して、ストーマケアの統一を図るための取り組みを行なったので報告する。

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18. �ストーマ管理における退院支援と地域との連携

滋賀医科大学医学部附属病院 看護部  河田 優子、片山 育子、倉田 順子、河村 光子、八軒 美由紀

【はじめに】病院完結型から地域完結型へ移行し、在院日数の短縮が推進されているなかで、高齢者においても、患者教育や退院調整は限られた期間で行われる。患者が住み慣れた場所で安心して生活するには、その人に合った退院支援が不可欠である。今回、当院でストーマ造設術を受けた患者に対して、病院間の連携が有用であった高齢者の 2 事例について報告する。

【症例】2 事例ともに 80 歳代、入院前の日常生活動作は自立。ストーマケアの支援者はなし。【要約】入院直後より病棟の看護師は受け持つ担当が変わる中で、生活状況、セルフケア能力、サポート体制について情報収集を行い、造設後に患者が希望する生活のイメージを共有した。そこで、早期より社会資源の説明を行い、退院調整看護師、皮膚排泄ケア認定看護師と連携を行った。退院後は治療に合わせ、双方のストーマケア外来や訪問看護を利用している。

【結語】高齢者で術後ストーマケアの支援者がいない場合には、術前から退院後の生活イメージを本人、家族、多職種すべてが共有することが、患者の生活の質を向上させる支援方法である。

17. �ストーマケア経験のない施設への退院支援の一症例

独立行政法人国立病院機構 東近江総合医療センター 看護部 1) 外科 2)

○ 続宗 敬子 1)、太田 裕之 2)、小島 正継 2)、 赤堀 浩也 2)、全 有美 2)、目片 英治 2)

【はじめに】高齢化社会が進む中で、高齢者のストーマ造設件数も増加している。高齢者はセルフケア習得が困難でセルフケアを他者に委ねるケースが多い。今回、看護師不在でオストメイトの介護経験が無い施設の介護スタッフにストーマケア指導を行ったので報告する。

【症例】89 歳女性認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ b。サービス付き高齢者住宅に入所中。直腸癌に対しハルトマン術、S 状結腸ストーマ造設術を施行した。

【経過】患者はセルフケア習得が困難であり、ストーマケアや管理について入院中から施設との調整を密に行った。患者の退院時は同行し、施設の介護スタッフ 8 名にパンフレットを用いて便破棄や緊急時の対応について指導を行った。その後、ストーマ外来でフォローしているが問題なく管理できている。

【考察】複数の職員がケアにかかわる施設において退院時に同行し、個々のレベルに合わせた指導ができ効果があった。術後早期から関りを持つことで施設のスタッフも安心して介護でき、患者も住み慣れた環境で穏やかに過ごせることにつながったと考える。

【まとめ】高齢者のストーマ造設患者は、術後早期から退院後の療養環境を見据えた介入が重要である。

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19. �当院における退院後訪問指導の現状

高 島市民病院

伊庭 治代

【はじめに】診療報酬改定により、ストーマ造設患者に退院後訪問指導として居宅訪問が可能になった。当院でのストーマ造設患者に実施した退院後訪問指導(以下訪問)の現状と課題について報告する。

【方法】2016 年 5 月から 2018 年 3 月の 2 年間に訪問を施行した症例について平均年齢、自立度、在宅療養環境、指導内容、指導対象者などから有効点、課題について検討を行った。

【結果】訪問件数 15 件 算定外訪問 3 件 訪問場所 居宅 12 件 施設 3 件訪問指導は主に本人、家人、介護施設の看護師・ヘルパー、訪問看護師に行った。関係者からはストーマケアについて自信が持て、相談できることが安心に繋がった。ネットでの連絡はタイムリーなケアに役だったなどの意見を頂いた。

【考察】ストーマケアは、個別性があり、不慣れなケア担当者の不安は大きい。患者が生活する場所に出向き、直接、担当者に指導できることはケア提供者に安心、技術向上をもたらし、強いては患者本人の生活の安寧につながっていると思われる。ストーマ生活は生涯であり、算定期間外の訪問を今後の課題としていたが、今年度の診療報酬改定でストーマ保有者への在宅訪問看護が可能となり、さらなる安心を提供できると考える。  

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第 60回関西 STOMA研究会

ご協力企業・団体一覧

日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会関西 STOMA研究会

アルケア株式会社 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社エチコン事業部

日本イーライリリー株式会社 スリーエムジャパン株式会社

エーザイ株式会社 大鵬薬品工業株式会社

MSD株式会社 武田薬品工業株式会社

株式会社大塚製薬工場 中外製薬株式会社

科研製薬株式会社 株式会社ツムラ

グラクソ・スミスクライン株式会社 テルモ株式会社

コヴィディエンジャパン株式会社 株式会社ホリスターホリスター事業部

コロプラスト株式会社 株式会社ホリスターダンサック事業部

コンバテックジャパン株式会社 株式会社マイ・ケアー

サノフィ株式会社 株式会社増田医科機械

村中医療器株式会社

第 60 回関西 STOMA 研究会 事務局清水智治、園田寛道、河田優子

(滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科)

第 60 回関西 STOMA 研究会開催にあたり、前記企業・団体の皆様からご協力、ご協賛をいだきまし

た。ここにご芳名を記し、深く感謝の意を表します。

(五十音順)