神奈川県西湘海岸の特性 神奈川県西湘海岸の特性 第3回相模湾なぎさシンポジウム 第3回相模湾なぎさシンポジウム 2007.8.19 2007.8.19 (財)土木研究センター理事なぎさ総合研究室長 兼日本大学客員教授理工学部海洋建築工学科 宇多高明 撮影:東亜建設工業(株)
神奈川県西湘海岸の特性神奈川県西湘海岸の特性
第3回相模湾なぎさシンポジウム第3回相模湾なぎさシンポジウム
2007.8.192007.8.19
(財)土木研究センター理事なぎさ総合研究室長
兼日本大学客員教授理工学部海洋建築工学科
宇 多 高 明
撮影:東亜建設工業(株)
大磯港
相模川
酒匂川
早川
山王川
森戸川
中村川(押切川)
二宮漁港 N
葛川
平塚観測塔(水深20m):1996~2005年 波浮(水深50m):1996~2005年
平塚
波浮
衛星画像:メリーランド大学
GLCF(Global Land Cover Facility)ダウンロードリンク先
http://glcf.umiacs.umd.edu/index.shtml
波浪データ:独立行政法人
防災科学技術研究所 波浪データ:独立行政法人
港湾空港技術研究所
大磯港
相模川
酒匂川
早川小
田原漁港
山王川
森戸川
中村川(押切川)
二宮漁港
N
西湘南海岸
葛川
衛星画像:メリーランド大学
GLCF(Global Land Cover Facility)ダウンロードリンク先
http://glcf.umiacs.umd.edu/index.shtml
出典:神奈川県西湘海岸保全対策計画調査
概要版H11年3月
小田原漁港
早川
酒匂川
山王川
①
① 養浜:計9.4万㎥(2000~2006年)撮影:東亜建設工業(株)
小田原漁港海岸~小田原海岸(2005年9月撮影)
酒匂川
森戸川
撮影:東亜建設工業(株)
小田原漁港海岸~小田原海岸(2005年9月撮影)
小田原海岸~二宮海岸(2005年9月撮影)
森戸川
二宮漁港
中村川(押切川)
② 養浜:計3.9万㎥
(2001~2006年)
②
撮影:東亜建設工業(株)
二宮海岸~大磯海岸(2005年9月撮影)
二宮漁港
大磯港
梅沢川 ③
③ 養浜:計22.2万㎥
(1995~2006年)撮影:東亜建設工業(株)
大磯港(2005年9月撮影)
大磯港
撮影:東亜建設工業(株)
現地踏査:2007年7月2日
写真-1 早川河口左岸から御幸の浜の突堤を遠望
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-2 御幸の浜の突堤の西側隣接部における礫の堆積
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-3 御幸の浜の突堤上から東向きに海浜を望む
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-4 御幸の浜の突堤の東側区域におけるカスプの発達
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-5 捨石突堤
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-6 突堤上から東向きに撮影
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-7 盛土養浜により浜に置かれた砂
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-8 盛土養浜区間前面の汀線付近に形成された礫を主要材料としたカスプ
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-9 山王川河口の西側直近にある突堤の上手側に形成されたバーム
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-10 山王川河口の右岸導流堤先端部に形成されたノッチ
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-11 山王川河口に形成された河口砂州
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-12 山王川河口から酒匂川河口へと延びる凹状の海岸線
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-13 酒匂川河口にさらに接近した場所で見られた礫を主体としたカスプ
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-14 酒匂川河口左岸砂州上から東向きに望む
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-15 西湘バイパスが海に張り出した部分を守る消波工の東端部の海岸状況
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-16 西端の突堤上手側における砂礫の堆積
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-17 突堤のすぐ下手側の海岸状況
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-18 森戸川の右岸河口導流堤
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-19 河口砂州上から見た河口
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-20 射流状態で海に流れ込む洪水流
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-21 森戸川河口東側隣接部の海岸状況
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-22 さらに東側の海岸
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-23 遠方に二宮漁港の突堤を望む付近の海岸状況
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-24 二宮漁港の防波堤
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-25 二宮漁港の防波堤の天端まで堆積した礫
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-26 二宮漁港の防波堤の東側隣接部の海岸状況
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-27 大磯港の西側隣接部からの西側海浜の遠望
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-28 大磯港防波堤とその西側隣接部の海浜を東向きに撮影
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-29 大磯港防波堤に向かって伸びた礫堤
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-30 大磯港の防波堤上から西湘海岸を西向きに撮影
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-31 大磯港の防波堤上から港に隣接する岩礁帯の背後のトンボロ
撮影:(財)土木研究センター
現地踏査:2007年7月2日
写真-32 大磯港の東側隣接部の海浜状況
撮影:(財)土木研究センター
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
AB
C
海底谷への細粒土砂の損失
地形と底質の特性
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
A BC
A B
C
B
A
海底谷への細粒土砂の損失
地形と底質の特性
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
汀線変化
海底谷への細粒土砂の損失
A BC
A BC
-100
0
100
200
300
400
500
600
-3000 -2500 -2000 -1500 -1000 -500 0
Y(m)
x(m)
+4
-12
-30
-30
-12
-30
0
-10
海底谷
+40
-10
波向
A B
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
-100 0 100 200 300 400 500 600
z(m)
Y(m)
x=-1600m
x=-400m
▽
A B
平 面 断 面
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
数値計算:初期地形
海底谷への細粒土砂の損失
数値計算結果(100年後)
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
-100 0 100 200 300 400 500 600
初期地形 100年後
z(m)
Y(m)
x=-1600mx=-400m
▽
-100
0
100
200
300
400
500
600
-3000 -2500 -2000 -1500 -1000 -500 0
初期地形 100年後
Y(m)
x(m)
+4
-12
-30
-30
-12
-10
0
-30
0
-10
海底谷
A B
A B
平 面 断 面
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
海底谷への細粒土砂の損失
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
z(m)
細粒分の含有率 μ 1
x=-400m
x=-1600m
▽
細粒土砂の消失
-100
0
100
200
300
400
500
600
-3000 -2500 -2000 -1500 -1000 -500 0
初期地形 100年後
Y(m)
x(m)
+4
-12
-30
-30
-12
-10
0
-30
0
-10
海底谷
A B A B
平 面 細粒分の含有率
出典)芹沢真澄,宇多高明,三波俊郎,古池 鋼(2007):海底谷への細粒土砂の選択的損失の予測モデル,第32回海洋開発論文
集
数値計算結果(100年後)
海底谷への細粒土砂の損失
まとめ
現状1. 西湘海岸(早川~大磯港)の海浜材料は礫成分を主体とし,前浜勾配は急である.2. 礫は大磯港の西側直近まで広がっているが,大磯港を境に細砂海岸となる.3. 西湘海岸では森戸川河口沖のように海底谷が発達し,海底谷では土砂の落ち込みが報
告されている.4. 底質材料から見ると細粒土砂が海底谷を経て深海へと流出しているように見える.5. 等深線変化モデルによる数値計算によると,海底谷への土砂損失は砂の粒径ごとに定
まる平衡勾配と谷頭付近の海底勾配の大小関係から説明できる.細粒土砂は平衡勾配
が小さいため急斜面を流れ落ちる.6. 西湘海岸では通常時は東向きの沿岸漂砂が卓越しているが,一時的に東寄りの波が入
射すると,局所的に西向き漂砂となることもある.7. そのたびごとに細粒土砂は海底谷へと吸い込まれる.
何が大切か8. 神奈川県が推進している砂による海岸保全という観点からみると,当海岸においては,
礫分と細砂をどこに,どれだけ(量)投入すれば海浜を良好な姿で保つことができるか調
べることが大事である.9. この際,単に,細砂による養浜を行っても,前述したように,効果がでにくいことに注意が
必要である.10.一方,西湘海岸では礫が多く移動しているために短い突堤であっても沿岸漂砂の阻止
効果が著しく出る.このため沿岸漂砂の連続性を保つにはバーム高と天端高の関係をう
まく調整することも必要であろう.