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6 第2章 八王子市の地域福祉 1 人口等 (1) 少子高齢化の進展 ① 人口の推移 本市の総人口は、増加し ており、この状況は、平成 32 年頃まで続いていくと 考えられます。 年齢別人口で見ると、0 ~14 歳の年少人口は微減 で推移しています。また、 15~64 歳の生産年齢人口 は減少傾向にあり、65歳以 上の老齢人口は増加して います。こうした状況から、 確実に高齢化が進んでい ることがわかります。 78,558 72,977 72,184 71,631 72,084 69,420 64,099 58,022 42,899 56,175 74,468 96,210 119,429 143,907 155,140 158,675 466,347 503,363 536,046 560,012 580,053 591,101 592,615 588,056 371,359 373,376 342,804 373,978 388,821 388,967 383,213 377,774 69.5 66.1 63.9 63.0 63.2 20.6 24.3 26.2 27.0 9.9 10.8 11.7 12.4 12.8 13.5 14.5 16.8 72.5 74.3 73.5 17.2 13.9 11.2 9.2 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 (人) (%) 老年人口割合(65歳以上) 生産年齢人口割合(15~64歳) 年少人口割合(0~14歳) 老年人口(65歳以上) 生産年齢人口(15~64歳) 年少人口(0~14歳) を取り巻く現状 第3図 総人口及び年齢3区分別人口の推移 推計値 27 22 づく
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第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

Nov 14, 2020

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Page 1: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

6

第2章 八王子市の地域福祉

1 人口等

(1) 少子高齢化の進展

① 人口の推移

本市の総人口は、増加し

ており、この状況は、平成

32 年頃まで続いていくと

考えられます。

年齢別人口で見ると、0

~14 歳の年少人口は微減

で推移しています。また、

15~64 歳の生産年齢人口

は減少傾向にあり、65 歳以

上の老齢人口は増加して

います。こうした状況から、

確実に高齢化が進んでい

ることがわかります。

78,558 72,977 72,184 71,631 72,084 69,420 64,099 58,022

42,899

56,17574,468 96,210 119,429 143,907 155,140 158,675

466,347

503,363

536,046560,012

580,053591,101 592,615 588,056

371,359373,376342,804 373,978 388,821 388,967 383,213 377,774

69.5

66.163.9 63.0 63.2

20.6

24.326.2 27.0

9.910.811.712.412.813.5

14.516.8

72.574.373.5

17.213.9

11.2

9.2

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

800,000

平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

(人) (%)

老年人口割合(65歳以上)

生産年齢人口割合(15~64歳)

年少人口割合(0~14歳)

老年人口(65歳以上)

生産年齢人口(15~64歳)

年少人口(0~14歳)

を取り巻く現状

第3図 総人口及び年齢3区分別人口の推移

推計値

資料:国勢調査 (平成 27 年以降は平成 22 年国勢調査に基づく推計値)

Page 2: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

7

② 合計特殊出生率

本市の合計特殊出生率*は、

平成 17 年以降は上昇傾向に

あり、平成 22 年は 1.24 とな

っていましたが、平成 23 年

は 1.20 に減少しています。

(2) 対象者の推移

① 障害者手帳所持者数

本市の身体障害者手

帳、愛の手帳、精神障害

者保健福祉手帳所持者

数の推移をみると、いず

れも増加の傾向にあり、

平成 24 年では、身体障

害者は 14,992 人、知的

障害者は 3,491 人、精神

障害者は3,395人となっ

ています。

1.40

1.22 1.211.07

1.24 1.20

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

平成2年

平成7年

平成12年

平成17年

平成22年

平成23年

(人)

第4図 合計特殊出生率

第5図 障害者手帳所持者数

資料:統計八王子(各年4月)

資料:東京都人口動態統計

(愛の手帳) (身体障害者手帳) (精神障害者保健福祉手帳)

※精神障害者保健福祉手帳は、2年ごとの申請のため、 前年度の申請数を合せた数になっている。

14,125 14,47013,718

14,796 14,992

2,923 3,043 3,209 3,345 3,491

2,255 2,444 2,668 3,130 3,395

0

4,000

8,000

12,000

16,000

平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年

身体障害者 知的障害者 精神障害者

(人)

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② 要支援・要介護認定者数

本市の要支援・要介護認

定者数は年々増加し、平成

20 年度では 17,613 人でし

たが、平成 24 年度は、

21,280 人となっており、お

よそ 20%の増加となって

います。

③ 生活保護 被保護世帯・人員

本市の生活保護*状況は、

被保護世帯、被保護人員と

もに増加しており、平成 24

年では、8,145 世帯、11,784

人となっています。

2,644 2,780 3,241 3,331

2,861 2,648 2,597 2,501 2,653

2,507 3,037 3,624 4,073 4,8093,177 3,214 3,222

3,3183,4382,540 2,488 2,353

2,2962,283

2,080 2,186 2,2212,157

2,2511,959 2,117 2,378

2,4902,515

17,61318,334

19,17520,076

21,280

2,4890

4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

24,000

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度

(人)

被保護人員 被保護世帯

8,5699,575

10,99811,702 11,784

5,8126,517

7,4557,971 8,145

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年

(人・世帯)

第6図 要支援・要介護認定者数

第7図 生活保護 被保護世帯・人員

資料:介護保険事業報告(各年度 9月)

資料:東京都福祉衛生行政統計月報(各年 4月)

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2

要介護3 要介護4 要介護5

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

9

(3) 世帯構造の変化

① 世帯数と世帯人員

本市の世帯数は増加し、

25 万世帯に達しようとし

ています。一方、1世帯あ

たりの人員は減少しており、

平成 22 年で 2.26 となって

います。

② 家族類型別世帯の状況

本市の「ひとり暮らし

世帯」と「核家族世帯(夫

婦のみ、夫婦と子ども、

ひとり親と子どもからな

る世帯)」は、夫婦と子ど

もからなる世帯を除き、

増加傾向にあります。平

成2年と平成22年の比較

では、「ひとり暮らし世

帯」は約 2.0 倍、「夫婦の

みの世帯」は約 2.3 倍にな

っています。

94,657

79,805

70,210

60,768

40,609

34,744

27,323

19,783

73,062

73,077

73,647

71,414

68,08347,082

45,379 20,245

17,468

14,542

12,067

10,078

0 40,000 80,000 120,000 160,000 200,000 240,000 280,000

平成22年

平成17年

平成12年

平成7年

平成2年

(世帯)

第8図 一般世帯数と1世帯あたりの世帯人員

第9図 一般世帯の家族類型別世帯数(単独世帯・核家族世帯)

資料:国勢調査

資料:国勢調査

ひとり暮らし世帯(単独世帯) 夫婦のみの世帯

夫婦と子どもからなる世帯 ひとり親と子どもからなる世帯

核家族

161,694188,470

210,037227,804

249,512

2.602.48

2.37

2.80

2.26

0

40,000

80,000

120,000

160,000

200,000

240,000

280,000

平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00(世帯) (人)

世帯数 1世帯あたりの世帯人員

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③ 高齢世帯の状況

本市の 65 歳以上の「高

齢単身世帯」及び「高齢

夫婦世帯(夫 65 歳以上、

妻 60 歳以上の夫婦)」の

状況をみると、いずれも

増加傾向が顕著です。平

成2年から平成22年にか

けて「高齢単身世帯」は

約 5.2 倍、「高齢夫婦世帯」

は約 3.7 倍となっています。

20,123

14,075

9,070

5,846

3,837

18,606

13,507

9,090

6,456

23,680

0 9,000 18,000 27,000 36,000 45,000

平成22年

平成17年

平成12年

平成7年

平成2年

(世帯)

第 10 図 一般世帯の高齢単身世帯及び高齢夫婦世帯数

資料:国勢調査

※高齢夫婦世帯の定義は、平成2年の調査では、夫と妻の いずれかが 65 歳以上の夫婦のみの世帯、となっている。

高齢単身世帯 高齢夫婦世帯

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

11

2 地域

(1) 地域活動団体の状況

① NPO法人数

本市のNPO*法人数は、

増加傾向にあり、平成 23

年度は232法人となってい

ます。

② ボランティア団体数

本市のボランティア

団体数は、減少傾向にあ

り、平成 23 年度は 97

団体となっています。

資料:庁内資料(各年度末時点)

第 11 図 NPO法人数

第 12 図 登録ボランティア団体数

資料:社会福祉協議会資料(各年度末時点)

171188 197

218232

0

50

100

150

200

250

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

(団体)

115 115104 101 97

0

50

100

150

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

(団体)

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12

③ 地域交流サロン活動支援団体数

本市のふれあい・いき

いきサロン*支援団体数

は増加傾向にあり、平成

23 年度は 81 団体となっ

ています。

また、子育てサロン支

援団体数も徐々に増え、

13 団体となっています。

(2) 地域生活での問題

① 高齢者あんしん相談センター (地域包括支援センター)

における相談件数

本市の高齢者あんしん

相談センター*における

相談件数は、年々増加し

ています。また、権利擁

護*(成年後見制度*等)

や高齢者虐待に関する相

談についても年々増加し

ています。

4252

6575

8110

12

12

1213

0

25

50

75

100

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

ふれあい・いきいきサロン支援団体 子育てサロン支援団体

(団体)

第 13 図 地域交流サロン活動支援団体数

資料:社会福祉協議会資料(各年度末時点)

資料:庁内資料

第 14 図 高齢者あんしん相談センターにおける相談件数

※高齢者あんしん相談センターとは、八王子市における 介護保険法で定められた地域包括支援センターのこと。

高齢者虐待に関すること

権利擁護(成年後見制度等)に関すること

介護保険その他の保険サービスに関すること

10,84412,325

16,394

11,808

13,630

17,871

825

715

487

652

590

477

0

5,000

10,000

15,000

20,000

平成21年度 平成22年度 平成23年度

(件)

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

13

② 障害に関する相談件数

本市の障害に関する相談

件数は、毎年増加していま

す。また、身体・知的障害

における相談窓口は平成

21 年度に1か所から3か

所に増設し、さらに平成 22

年度からは4か所となっ

ています。精神障害につい

ては1か所となっていま

す。

③ ドメスティック・バイオレンス 相談件数

本市のドメスティッ

ク・バイオレンス*相談件

数は、年々減少傾向にあ

りましたが、平成 23 年度

の相談件数は前年と比べ

わずかに増え 580 件とな

っています。

2,5035,236

7,473 8,346

12,38413,513

11,92813,170

16,284

19,857

21,859

2,198

9,73010,667

11,048

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

身体・知的 精神

(件)

第 16 図 ドメスティック・バイオレンス相談件数

第 15 図 障害に関する相談件数

資料:庁内資料

資料:庁内資料

799 754642

572 580

0

250

500

750

1,000

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

(件)

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14

④ 児童虐待対応件数

本市の児童虐待対応件数

の推移をみると、平成 20

年度から増加傾向にあり、

平成 21年度から平成 22年

度にかけて急増しています。

平成 23 年度は 288 件とな

っています。

⑤ 孤独死の発生件数

(平成 23 年度)

本市において、平成 23 年度、

167 件の孤独死*が発生して

います。このうち、65 歳以上

が 111 件となっており3分の

2を占めています。

第 17 図 児童虐待対応件数

資料:庁内資料(子ども家庭支援センターでの対応件数)

第 18 図 孤独死の発生件数

資料:八王子、南大沢、高尾警察署提供

※本計画における孤独死の定義は、東京都監察医務院が平成22年12月に発行した『東京都 23 区における孤独死の実態』を参考に、「異状死(全ての外因死<外傷、災害、中毒、自殺など>や原因不明死など)」の内、自宅で亡くなられた一人暮らしの方とする。

30歳未満

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

75~79歳

80~84歳

85~89歳

90歳以上

152

85116

263288

0

100

200

300

平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度

(件)

95

9

16 1720

2420

25

139

0

10

20

30

40

歳 歳

(件)

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

15

3 第1期計画の評価

(1) 第1期計画における取組みの状況

第1期計画に記載している取組みについて、主な事業を中心に、実施状況を整理しま

す。

① だれもが活き活き暮らせるまちをつくるために

○ ノーマライゼー

ション*の推進

・車いす等体験活動は、平成 23 年度末実績で、実施校は延

62 校、参加人数は 5,158 名と、いずれも平成 19 年度末実

績の3倍となっています。また、福祉まつり、手作り作品

展、ふれあい運動会等の実施により、高齢者・障害者等と

交流する場を提供し、地域交流を促進しています。

・平成 24 年4月には、「障害のある人もない人も共に安心し

て暮らせる八王子づくり条例*」を施行し、障害のある人に

対する理解を深め、障害に対する差別をなくす取組みを推

進しています。

○ ユニバーサルデ

ザイン*のまち

づくりの推進

・西八王子駅周辺は、バリアフリー*化工事と案内サインの設

置を行い、ハード*・ソフト*両面から整備を進めています。

また、だれでもトイレ*は計画策定後の4年間で、公共施設

12 か所に設置し、今後も計画的な整備を進めていきます。

・平成 22 年には、市独自の取組みである思いやり駐車スペー

ス*を、本庁舎駐車場をはじめとした公共施設に整備し、平

成 23 年度末実績で、30 か所に整備しました。今後は民間

施設への普及を検討していきます。

・情報バリアフリー*化については、広報紙、ホームページな

どの庁内統一的なガイドラインを設け、わかりやすい情報

提供に努めています。また、近年、増加している外国人に

対しては、英語や中国語でモバイル版ホームページを作成

するなど、利用者の状況に応じた情報提供を行っています。

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16

② 共に生き、支えあうまちをつくるために

○ 支えあいの仕組

みづくり

・主な取組みとした災害時要援護者*支援体制の構築では、庁内外の検討、モデル地区での成果を踏まえ、地域での共助の取組み方を示した実施マニュアルを平成 24 年3月に作成しました。支援組織の主な担い手と期待される民生・児童委員*、町会・自治会への説明を経て、地域での体制構築を推進していきます。 ・高齢者の見守り、児童虐待防止、ドメスティック・バイオレンス*被害者支援を、それぞれ主体となる機関のもとネットワーク体制の構築を進めており、問題の発生防止や相談体制の充実を図っています。 ・社会福祉協議会*が展開するうぃずサービス*(在宅福祉サービス)は、年間活動件数が伸びている一方、協力会員は230 名前後で推移しています。民間事業者が参入してきている中、住民ニーズを把握し、どういった役割を担うべきか検討していく必要があります。

・主な取組みとした地域交流サロン活動の推進は、平成 18 年度 45 団体であった高齢者サロンが、81 団体に増えています。今後は対象者を限定しない交流を検討しながら、地域のコミュニティの醸成を図ります。

○ 地域活動の推進

・はちおうじ志民塾*や、市民活動支援センター*による講座等を通し、地域課題の解決策としてのコミュニティビジネス*の普及啓発や団塊の世代*などの地域参加促進を図っています。また、市民企画事業への補助金の交付、インキュベーション施設*の整備等により地域活動を支援しています。 ・民生・児童委員は、平成 22 年 12 月に定数 407 名から 445名に増員し、体制強化に努めました。一方で目標に定めた民生・児童委員協力員*48 名の採用は、業務の制限、不明確さなどにより 23 名にとどまっています。今後、制度の効果や問題点について検証する必要があります。

・ボランティア活動は、ボランティアセンター*及びボランティアセンター南大沢分室の運営により活動支援を行っていますが、団体数は減少傾向で、活動者数も 4,200~4,300 名で推移しています。担い手の拡充やボランティア支援を行う団体間の連携による事業の効率化が必要です。

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

17

○ 福祉教育の推進

・社会貢献的な精神で後見業務に当たる社会貢献型後見人*

を養成し、平成 25 年1月現在、4名が後見人業務を行って

います。

・地域福祉活動の担い手となり得る団塊*・シニア世代の人材

育成、また、ボランティア活動の推進役となるボランティ

アリーダー*の育成を、講習会や研修会を通して行っていま

す。

③ 保健医療・福祉の充実のために

○ サービス利用援

助体制の充実

・主な取組みとした、平成 22 年度開設の八王子駅南口総合事

務所の整備では、高齢者支援課、障害者福祉課、子育て支

援課の窓口を設置し、サービスの向上に努めています。

・認知症*や障害などにより判断能力の不安がある人に対し、

社会福祉協議会*を中心に、適切な福祉サービスの利用や、

成年後見制度*の利用相談、財産保全・管理サービスの活用

など、総合的な支援を実施しています。

○ サービスの質の

向上

・市職員の研修会への参加や、情報共有により、職員の資質

の向上を図っています。また、認知症高齢者グループホー

ムや小規模多機能型居宅介護事業、認証保育所*に対して、

福祉サービス第三者評価*の受審費や改善取組費を助成し、

利用者の判断に寄与する情報提供を行っています。

Page 13: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

18

○ 連携によるサー

ビスの充実

・大横保健福祉センターと保健センター機能を併せた施設の

建設をめざしています。また、平成 23 年6月以降、3つの

保健福祉センターが圏域区分を持ち、各センターにおいて

講座や健診のサービスを受けられる体制を構築し、市民が

サービスを利用しやすい環境を整備しています。

・地域福祉の行動・推進分野を担う社会福祉協議会*と、調整

会議を定期的に開催し、情報や課題を共有しています。ま

た、平成 22~25 年度を計画期間とする「いきいきプラン八

王子 八王子市地域福祉推進計画」は、地域福祉計画と理

念や取組内容を共有、補完しながら策定しました。

○ 生活関連サービ

スとの連携

・ふれあい収集や、家具転倒防止器具等配布事業を通じて、

声かけや安否確認など、在宅での生活支援を行っています。

今後は各サービス事業者を含めた見守りの輪を広げていく

必要があります。

・商工会議所との連携のもと、地域内の豊富な資源の活用を

めざす、サイバーシルクロード八王子*を活用し、市内事業

者へ「ビジネスお助け隊*」による経営支援を行っています。

また、大学コンソーシアム八王子*を通じて、地域の大学と

の連携を強化し、学生の意向や地域ニーズを把握しながら、

学生ボランティアの参加を促進しています。

Page 14: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

19

(2) アンケート調査結果からみた現状

平成 23 年度に実施したアンケート調査(P.5参照)から、平成 18 年度調査との比較

等を含めた地域福祉に関わる八王子市の現状を整理します。

① 身近な地域での暮らしについて

○ 地域での暮らしやすさ

「かなり満足している」と「まあ満足している」

をあわせた人の割合をみると、「隣近所などとのお

つきあい」、「総合的な暮らしやすさ」で約 5割と

なっています。

平成 18 年度調査と比較すると、平成 23 年度調

査では、「子どもが安心して暮らせる環境」で満足

している人の割合が高くなっています。一方、「隣

近所などとのおつきあい」、「病院など医療機関の

対応」で満足している人の割合が低くなっていま

す。

第 19 図 地域での暮らしやすさ

平成23年度

平成18年度

平成23年度  N = 1247平成18年度  N = 940 %

隣近所などとのおつきあい

自治会・町内会やボランティアなどの地域活動

地域の防犯体制

地域の防災体制

病院など医療機関の対応

総合的な暮らしやすさ

高齢者が安心して暮らせる環境

障害者(児)が安心して暮らせる環境

子どもが安心して暮らせる環境

健康に関する相談体制

52.6

35.9

33.2

30.8

26.1

15.4

35.1

17.7

50.9

59.9

36.0

34.3

28.1

27.8

17.0

29.8

21.5

42.2

47.8

33.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

Page 15: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

20

○ 日頃の隣近所とのつきあ

い方と今後のつきあい方

の希望

日頃の隣近所とのつきあい方については、「会え

ばあいさつをかわす程度」の割合が 38.7%と最も

高く、次いで「たまに立ち話をする程度」の割合

が 32.6%となっています。

今後のつきあい方の希望については、「困った時

には相談したり、助け合ったりしている」を望ん

でいる人の割合が 29.8%と最も高く、次いで「た

まに立ち話をする程度」を望んでいる人の割合が

25.0%となっています。

第 20 図 日頃の隣近所とのつきあい方と今後のつきあい方の希望

【平成 23 年度調査】

【平成 18 年度調査】

N =

日頃、隣近所とのつきあい方

1247

今後の隣近所とのつきあい方の希望

1247 29.8

8.7

16.8

8.0

25.0

32.6

15.6

38.7

1.8

8.9

11.0

3.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

N =

日頃、隣近所とのつきあい方

940

今後の隣近所とのつきあい方の希望

940

10.3

25.6

9.1

21.2

34.3

24.5

37.8

18.7

7.7

1.3

0.9

8.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

困った時には相談したり、助け合ったりしている

たまに立ち話をする程度

つきあいがほとんどない

一緒にお茶を飲んだり、留守のときに声をかけあう程度

会えばあいさつをかわす程度

無回答

Page 16: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

21

○ 安心して暮らすために必

要なこと

「地域での見守りや助け合い」の割合が 44.4%

と最も高く、次いで「防犯・防災体制の充実」の

割合が 32.6%、「高齢者支援の充実」の割合が

32.3%となっています。

第 21 図 安心して暮らすために必要なこと

*

*

*

N = 1247 %

地域での見守りや助け合い

防犯・防災体制の充実

高齢者支援の充実

地域医療体制の充実

見守りや助け合いなど、小さい頃からの福祉教育の充実福祉サービスの情報提供の充実

子育て支援の充実

道路や施設のバリアフリー化の推進

福祉施設の整備

生涯学習・生涯スポーツ、生きがいづくり・社会参加の促進

健康づくりや介護予防の充実

ボランティア・NPO活動の充実や人材の育成

障害者(児)への支援の充実

福祉サービスの質を評価するための仕組みづくり

その他

無回答

44.4

32.6

32.3

26.0

22.6

17.2

16.2

13.6

12.1

11.4

9.1

8.7

6.9

5.5

1.4

5.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

Page 17: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

22

② 助けあい・支えあいの意識等について

○ 生活課題に対する住民相

互の協力

「かなり必要だと思う」と「まあ必要だと思う」

をあわせた協力関係が必要だと思う人の割合が

73.4%となっています。

平成 18 年度調査と比較すると、平成 23 年度調

査で「かなり必要だと思う」の割合が低くなって

います。

第 22 図 生活課題に対する住民相互の協力

N =

平成23年度調査 1247

平成18年度調査 940 28.0

20.7

48.3

52.7

17.1

20.9

3.5

3.0

1.0

0.6

2.2

2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

かなり必要だと思う まあ必要だと思う

どちらともいえない あまり必要だと思わない

ほとんど必要だと思わない 無回答

Page 18: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

23

○ 生活が不自由なときに地

域にしてほしいこと、でき

ること

生活が不自由なときに地域の人にしてほしいこ

とは、「安否確認の声かけ」の割合が 55.1%と最も

高く、次いで「具合が良くない時に、医療機関な

どに連絡する」の割合が 37.7%、「ちょっとした買

い物やゴミ出し」の割合が 30.6%となっています。

自分自身ができることは、してほしいこと同様

に「安否確認の声かけ」、「具合が良くない時に、

医療機関などに連絡する」、「ちょっとした買い物

やゴミ出し」の順に割合が高くなっています。

第 23 図 生活が不自由なときに地域にしてほしいこと、できること

【平成 23 年度調査】

【平成 18 年度調査】

※平成 18 年度調査では、自分自身ができることの設問はない。

地域の人にしてほしいこと

自分自身ができること

N = 1247 %

安否確認の声かけ

ちょっとした買い物やゴミ出し

食事を作ったり、掃除や洗濯の手伝い

通院の送迎や外出の手助け

子どもの預かり

話し相手や相談相手

具合が良くない時に、医療機関などに連絡する

その他

特にない

無回答

55.1

30.6

17.0

26.9

8.3

28.5

37.7

2.9

13.6

1.9

70.6

41.9

7.5

15.1

10.2

34.2

53.3

2.0

8.3

2.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

N = 940 %

安否確認の声かけ

ちょっとした買い物やゴミ出し

食事を作ったり、掃除や洗濯の手伝い

通院の送迎や外出の手助け

子どもの預かり

話し相手や相談相手

具合が良くない時に、医療機関などに連絡する

その他

特にない

無回答

53.5

28.2

16.7

27.2

9.0

28.0

34.0

2.3

14.9

1.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

地域の人にしてほしいこと

Page 19: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

24

○ 地域活動への参加状況

「はい」の割合が 53.0%、「いいえ」の割合が

45.8%となっています。

平成 18 年度調査と比較すると、平成 23 年度調

査で「はい」の割合がわずかに低くなっています。

地域活動へ参加していない理由については、「機

会がないから」の割合が 32.0%と最も高く、次い

で「仕事が忙しくて余裕がないから」の割合が

31.5%、「活動の内容や方法がわからないから」の

割合が 29.9%となっています。

第 24 図 地域活動への参加状況

第 25 図 地域活動に参加していない理由

平成23年度 N = 571平成18年度 N = 375

機会がないから

仕事が忙しくて余裕がないから

活動の内容や方法がわからないから

時間がないから

自分の生活で精一杯だから

自分の趣味や余暇活動を優先したいから

興味や関心がないから

やりたい活動がないから

現在の活動内容に不満だから

その他

特にない

無回答

32.0

31.5

29.9

29.6

28.4

19.4

15.1

8.9

1.2

7.7

3.9

0.7

36.3

23.7

26.4

23.5

26.4

12.8

14.4

9.6

0.3

10.4

4.5

2.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

はい いいえ 無回答

N =

平成23年度調査 1247

平成18年度調査 940

53.0

57.0

45.8

39.9

1.2

3.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平成23年度

平成18年度

Page 20: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

25

③ 相談相手について

○ 悩みや不安がある時の相

談相手

「家族」の割合が 78.2%と最も高く、次いで「知

人・友人」の割合が 55.4%、「親戚」の割合が 17.0%

となっています。一方で、「市の相談窓口」、「民生

委員・児童委員」、「社会福祉協議会*」といった公

的機関の相談窓口は5%未満となっています。

第 26 図 悩みや不安がある時の相談相手

※平成 18 年度調査では、「家族」、「親戚」の選択肢は分かれておらず、「家族・親戚」となっているため、「家族」に一括して記載。また、「かかりつけ医」、「高齢者あんしん相談センター」の選択肢はない。

家族

知人・友人

親戚

職場の人

かかりつけ医

近所の人

市の相談窓口

高齢者あんしん相談センター

民生委員・児童委員

民間の電話相談

社会福祉協議会

ボランティア

その他

誰もいない

誰にも相談したくない

無回答

78.2

55.4

17.0

16.5

13.4

7.1

3.1

2.0

0.6

0.4

2.0

2.8

3.2

1.5

80.3

46.8

8.7

7.1

3.7

0.5

0.7

1.4

0.5

2.2

4.4

3.9

2.1

0.1

1.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

平成23年度  N = 1247平成18年度  N = 940

平成23年度

平成18年度

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26

④ 保健・福祉サービス等について

○ 保健・福祉サービスを充

実させていくうえでの行政

と住民の関係について

「行政も住民も協力し合い、ともに取り組むべ

きである」の割合が 47.2%と最も高く、次いで「行

政の手の届きにくい課題については、住民が協力

していくべきである」の割合が 18.8%、「まず家庭

や地域で助け合い、できない場合に行政が援助す

べきである」の割合が 15.1%となっています。

第 27 図 保健・福祉サービスを充実させていくうえでの行政と住民の関係

N =

平成23年度調査 1247

平成18年度調査 940

4.3

6.8

18.8

16.7

47.2

49.0

15.1

17.4

1.4

1.1

9.6

6.0

3.8

3.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

保健・福祉サービスを実施する責任は行政にあるので、住民は特に協力することはない

行政の手の届きにくい課題については、住民が協力していくべきである

行政も住民も協力し合い、ともに取り組むべきである

まず家庭や地域で助け合い、できない場合に行政が援助すべきである

その他

わからない

無回答

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

27

○ 福祉にかかわる制度や言

葉について 「知っている」人の割合は、「バリアフリー*」

が 85.0%と最も高く、次いで「成年後見制度*」

の 38.4%、「だれでもトイレ*」の 32.3%となって

います。また、「知っている」と「聞いたことがあ

る程度」をあわせた認知率では、「ユニバーサルデ

ザイン*」でも5割を超えています。

平成 18 年度調査と比較すると、いずれにおいて

も、平成 23 年度調査が上回っています。

第 28 図 福祉にかかわる制度や言葉について

38.4

6.4

7.6

28.2

16.7

85.0

32.3

21.9

3.1

5.2

23.3

12.8

72.6

14.7

020406080100

平成23年度(N=1247)

平成18年度(N=940)

成年後見制度

地域福祉権利擁護事業

福祉サービス第三者評価制度

ユニバーサルデザイン

ノーマライゼーション

バリアフリー

だれでもトイレ

62.8

22.4

23.3

50.5

35.0

92.4

46.3

40.8

14.2

15.6

43.2

32.1

83.1

28.1

0 20 40 60 80 100

「知っている」割合 「知っている」と「聞いたことがある程度」を あわせた認知率

*

*

*

Page 23: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

28

○ 福祉サービスや制度等の

わかりやすさ 「かなりわかりやすい」と「まあわかりやすい」

をあわせた人の割合が 9.9%となっています。一

方、「ややわかりにくい」と「かなりわかりにくい」

をあわせた、しくみがわかりにくいと感じる人の

割合が 50.8%となっています。

平成 18 年度調査と平成 23 年度調査の比較で

は、わかりにくいと感じる人の割合にあまり変化

はありませんが、「かなりわかりにくい」の割合が

高くなっています。

第 29 図 福祉サービスや制度等のわかりやすさ

N =

平成23年度調査 1247

平成18年度調査 940

1.5

1.4

6.4

8.5

33.9

31.7

30.7

22.9

22.4

27.9

5.0

7.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

かなりわかりやすい まあわかりやすい どちらともいえない

ややわかりにくい かなりわかりにくい 無回答

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

29

⑤地震や災害があったときの対応等について

○ 東日本大震災後の生活で

頼りにした相手

「家族」の割合が 77.1%と最も高く、次いで「知

人・友人」の割合が 27.6%、「親戚」の割合が 22.7%

となっています。

第 30 図 東日本大震災後の生活で頼りにした相手

*

*

*

N = 1247%

家族

知人・友人

親戚

近所の人

職場の人

市の相談窓口

かかりつけ医

高齢者あんしん相談センター

ボランティア

民生委員・児童委員

社会福祉協議会

民間の電話相談

その他

頼りにする人がいない

頼りにする必要はなかった

無回答

77.1

27.6

22.7

18.1

13.2

3.8

2.9

1.8

1.7

1.3

0.8

0.2

2.0

1.4

12.4

3.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

Page 25: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

30

○ 大規模災害等に対する地

域で支えあうしくみの必要

「かなり必要だと思う」と「まあ必要だと思う」

をあわせた、しくみが必要だと感じる人の割合が

93.6%となっています。

第 31 図 大規模災害等に対する地域で支えあうしくみの必要性

○ 大規模災害等に備えた

個人情報の共有の必要性

「かなり必要だと思う」と「まあ必要だと思う」

をあわせた、共有することが必要だと感じる人の

割合が 68.7%となっています。

第 32 図 大規模災害等に備えた個人情報の共有の必要性

N =

1247 25.5 43.2 23.7

3.4 2.6

1.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

N =

1247 62.9 30.7

3.5 0.6 0.3

2.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

かなり必要だと思う まあ必要だと思う

どちらともいえない あまり必要だと思わない

必要だと思わない 無回答

かなり必要だと思う まあ必要だと思う

どちらともいえない あまり必要だと思わない

必要だと思わない 無回答

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第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

31

(3) 現状を踏まえた評価・課題

第1期計画の取組みの実施状況やアンケート調査結果を踏まえ、第1期計画の評価と

今後の課題について整理します。

① だれもが活

き活き暮ら

せるまちを

つくるため

高齢者・障害者等との交流活動や「障害のある人もない人も共

に安心して暮らせる八王子づくり条例*」の施行などノーマライ

ゼーション*を推進し、「ユニバーサルデザイン*」や「ノーマラ

イゼーション」、「バリアフリー*」などの言葉は、平成 18 年度

に比べ認知率が高くなっています(第 28 図)。ハード*・ソフト*両面からのまちづくり推進と併せ、一定の効果があったと考え

ます。

また、生活課題に対する住民相互の協力については、協力関係

が必要だと思う人の割合が、平成 18 年度の調査以降7割を超え

ています(第 22 図)。本市における地域福祉に関する意識は、

醸成されつつあることがわかります。

しかし、高齢者や、障害のある人が増加する中で、「高齢者が

安心して暮らせる環境」や「障害者(児)が安心して暮らせる環

境」に満足している人の割合が低くなっています(第 19 図)。

今後、認知症*高齢者や知的・精神障害のある人など判断能力が

十分でない方が増加することが想定されます。権利擁護*事業を

推進し、成年後見制度*の普及・啓発を図るとともに、近年増加

している消費者被害等の犯罪に対し、見守り等の防犯対策が求め

られます。

② 共に生き、

支えあう

まちをつく

るために

東日本大震災の発生から防災意識が高まっており、大規模災害

等の備えとして、地域で支えあうしくみを必要だと感じる人の割

合が9割以上と多く(第 31 図)、個人情報の共有の必要性を感

じる人も、7割近くに及びます(第 32 図)。本人同意のもと、

地域においては、避難支援プラン(個別計画)*の作成を進め、

行政としても、地域実施マニュアルの周知を行うなど全市的に防

災体制を強化していく必要があります。

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32

災害時等の緊急時の対応については、日ごろからの地域でのか

かわりが重要となります。「近所の人」という切り口で見た場合、

悩みや不安の相談相手では、7.1%であるのに対し(第 26 図)、

震災後に頼りにした相手では、18.1%となっています(第 30 図)。

また、生活が不自由なときに地域にしてほしいこと、できること

では、「安否確認の声掛け」、「具合が良くない時に、医療機関な

どに連絡する」について、できることの回答が、してほしいこと

を大きく上回っており(第 23 図)、意識の根本には、近隣の方

を思い、緊急時には役に立ちたいと考えている様子がうかがえま

す。さらに、日頃の隣近所とのつきあい方は「困った時には相談

したり、助け合ったりしている」の割合が1割未満となっていま

すが、今後のつきあい方の希望については、約3割となっていま

す(第 20 図)。以上から、震災後、地域での助け合いを望んで

いる状況が見え、助け合いのしくみや交流の促進を図る必要があ

ります。

地域活動への参加状況を見ると、平成 18 年度に比べて減少し

ています(第 24 図)。参加しない理由として、「機会がない」は

減少しているものの、「仕事が忙しく余裕がない」、「自分の趣味

や余暇活動を優先したい」、「活動の内容や方法がわからない」が

増加しています(第 25 図)。仕事と生活の調和を図りながら、

余暇活動を地域活動に変える動機付けが必要になります。活動内

容の周知、情報提供の充実など参加しやすい環境づくりや、サロ

ン活動などに継続して取組みやすくするための体制整備、市民セ

ンター等の活動拠点の活用を図り、さらなる地域活動参加促進へ

の取組みが求められます。

一方で、本市では、地域において、高齢者の見守り、児童虐待

防止、ドメスティック・バイオレンス*被害者支援に関わるネッ

トワークや、「うぃずサービス*」やサロン等の活動が展開され

ており、行政を含めた住民相互による見守りや支えあいを行って

います。こうした状況下でも、孤独死*など地域とのつながりを

もたないことを一因とする問題が発生しています。安心して暮ら

すために必要なことでは、「地域での見守りや助け合い」の割合

が一番高く、44.4%と示す通り(第 21 図)、引き続き、地域にお

ける見守り体制の強化が求められます。

Page 28: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状

33

③ 保健医療・

福祉の充実

のために

日常生活における不安や悩みの相談相手としては、「家族」、「知

人・友人」、「親戚」が上位を占め、個人的なつながりを基盤とし

たものが中心となっています(第 26 図)。自助の意識は重要で

はありますが、問題が起こった際、自分達だけで抱え込まないよ

う、適切な支援に結びつけることが重要です。

一方で、「市の相談窓口」、「民生委員・児童委員*」、「社会福

祉協議会*」といった公的な相談機能の利用は、1割未満となっ

ています。相談窓口の周知を図るとともに、初期相談体制の充実

を図り、必要に応じて専門的な相談機関につなげる体制の強化が

求められます。保健・福祉サービスを充実させていく上では、「行

政も住民も協力し合い、ともに取り組むべきである」の割合が約

5割となっており(第 27 図)、地域、公的機関や民間企業、そ

して行政が連携していくことが大切です。

近年、福祉に関わる法律や制度が大きく変化する中で、福祉サ

ービスや制度等のわかりやすさについては、わかりにくいと感じ

る人が過半数を超えています(第 29 図)。現在もさまざまな手

段で情報提供を行っていますが、支援を必要とする人が、適切な

サービスを受けることができるよう、さらに情報提供の充実を図

る必要があります。

地域福祉の担い手については、近所、町会・自治会や老人クラ

ブ、民生・児童委員などのように地域に根ざした活動を行う団体、

また、各事業所、事業者、ボランティア、NPO*、対象者別支

援団体のように、地域をまたいで活動を行う団体もあります。さ

らに、本市の特徴でもある大学・短大等の地域資源があり、さま

ざまな地域福祉活動を推進しています。今後は、これらが単独で

支援に当たるのではなく、団体間を横断し、また、団体内でも連

携を強化していく必要があります。

Page 29: 第2章 八王子市の地域福祉 を取り巻く現状 - Hachioji...第2章 八王子市の地域福祉を取り巻く現状 7 ② 合計特殊出生率 本市の合計特殊出生率*は、

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4 地方分権の進展

本市市民が、個性豊かに、安心して、地域で生きていくためには、市民の最も身近な行

政である市が主体となり、地域住民の意向を反映した意思決定、本市の特徴を生かしたサ

ービス展開をしていくことが不可欠です。現在、国と地方の役割を見直し、地方でできる

ことは地方でという国から地方への権限移譲や、国の地方への関与を縮減する義務付け・

枠付けの見直しなどの流れが進んでいます。多摩地域の中心的な役割を担う本市において

は、この流れをしっかりと受け止めていきます。

本市における地方分権の取組みの第一歩は、平成 19 年4月に、東京都から移管を受け

保健所政令市となったことです。これにより、母子保健事業など身近で利用頻度の高い保

健サービスと、保健所が実施する専門的業務を一元的・総合的に実施できるようになりま

した。また、福祉施策、保健医療施策の総合的な実施も可能になりました。

国の地域主権改革に伴い、平成 25 年度には、社会福祉法人*の認可、検査、業務停止命

令等が市の事務に加わります。市に移譲されたメリットを市民に還元できるよう、体制強

化に努めます。

そして、本市に認められた裁量を一層拡大するため、大都市の特殊性に対応した制度の

一つである中核市*を目指しています。中核市への移行により、市民生活と密接に関わり

のある事務を市民に身近な市で行えるようになります。例えば、現在東京都が行っている

民生委員の定数、推薦を市が自らの判断により決定できるようになります。また、特別養

護老人ホームなど社会福祉施設の設備や運営の基準を独自に定めることができるように

なり、地域の実情を反映した施設運営が実現します。

以上のように、これまでの経過と今後の展望を踏まえ、地方分権の諸制度を活用し、本

市の自己決定できる度合いを高め、本市自らの責任と判断のもと、地域性、実態に見合っ

た施策・サービスが展開できるよう努めていきます。