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1 東アジアの国際分業構造の変化 一ーイ寸加価値の究極的配分一一ー j 度進隆俊・下回 充・藤川清史 1 東アジアの連携 2005 12 月に第 l 回東アジア首脳会議 (EastAsiaSummit:EAS) がクアラル ンプールで開催された。そこでは各国首脳により東アジアの将来と地域協力の あり方について大局的・戦略的に議論がなされ, EAS は,こ の地域における 共同体形成において, I 重要な役割 (significantrole) J を果たし得るとの見方を 共有しこれを盛り込んだ「クアラルンプール宣言」が採択された。同時に聞 かれた ASEAN+3(日中 i i 嘩)首脳会議でも ASEAN+3 協力が引き続き東ア ジア共同体形成の「重要な手段J であることも確認された。また, 2007 1 開催された第 2 EAS では「東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣 言」が,同年 11 月の 第 3 EAS では「気候変動,エネルギー及び環境に関す るシンガポール宣言」が採択された。 このように,東アジア地域においては, 経済的連携のみならず,エネルギーや環境政策をも踏まえた連携や協力関係強 化が今後ますます強まるものと思われる 。 日本にとっての東アジア地域は 部品供給と製品販路の両面で極めて重要な 地域とい える 。Made _ i n J apan 製品といえども,その生産過程が日本国内で 完結するのは極めてまれである 。例えばコンピュ ータや家電製品の部品・半製 品が輸入品である場合は多い。具体的には,コンピュータの基撚部分は中国製 で,その部品は ASEAN 製であ ったりする。このように現代の財は,原材料 から部品→半製品→製品と加工 される過程で,幾つかの国を通過するようにな った。それがまさに国際分業の進展であり,こうした分業に参加した地域では, 分業に応じた付加価値が発生する 。 21
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第1 東アジアの国際分業構造の変化 - 名古屋大学第1章 東アジアの国際分業構造の変化 一ーイ寸加価値の究極的配分一一ー j度進隆俊・下回

Aug 08, 2020

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第1章

東アジアの国際分業構造の変化一ーイ寸加価値の究極的配分一一ー

j度進隆俊・下回 充 ・藤川清史

1 東アジアの連携

2005年12月に第 l回東アジア首脳会議 (EastAsia Summit: EAS)がクアラル

ンプールで開催された。そこでは各国首脳により東アジアの将来と地域協力の

あり方について大局的・戦略的に議論がなされ, EASは,この地域における

共同体形成において, I重要な役割 (significantrole) Jを果たし得るとの見方を

共有しこれを盛り込んだ「クアラルンプール宣言」が採択された。同時に聞

かれた ASEAN+3(日中ii嘩)首脳会議でも ASEAN+3協力が引き続き東ア

ジア共同体形成の「重要な手段Jであることも確認された。また, 2007年 1月

開催された第 2回EASでは「東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣

言」が,同年11月の第3回EASでは「気候変動,エネルギー及び環境に関す

るシンガポール宣言」が採択された。このように,東アジア地域においては,

経済的連携のみならず,エネルギーや環境政策をも踏まえた連携や協力関係強

化が今後ますます強まるものと思われる。

日本にとっての東アジア地域は 部品供給と製品販路の両面で極めて重要な

地域といえる。Made_in J apan製品といえども,その生産過程が日本国内で

完結するのは極めてまれである。例えばコンピュータや家電製品の部品・半製

品が輸入品である場合は多い。具体的には,コンピュータの基撚部分は中国製

で,その部品は ASEAN製であったりする。このように現代の財は,原材料

から部品→半製品→製品と加工される過程で,幾つかの国を通過するようにな

った。それがまさに国際分業の進展であり,こうした分業に参加した地域では,

分業に応じた付加価値が発生する。

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第 I部東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

国際分業構造を鳥|敵するためには 国内経済と貿易関係の両方を産業別に見

る必要があるが,これらが統一基準で作製されている統計は少ない。 しかし幸

いな ことに, 日本貿易振興機構アジア経済研究所(以下アジア経済研究所と記す)

はア ジア太平洋地域の国際産業連関表の作成を継続 しており ,これまで(中国

が内生化されている表では)1985. 1990. 1995. 2000年の 4枚の表を公表してい

る。そこで我々は,この国際産業連関表を用いてアジア太平洋地域の国際分業

構造の変化を時系列でとらえることに した。

分析の結果,以下の事-実が明らかとなった。貿易商に着目すると,東アジア

諸国は,対米から対東アジア域内へとi愉出先をシフ トさせており,東アジア域

内経済の緊密化は進んでいると見るこ とができる。 しかし所得面から見ると

必ずしもそうではない。 日本とアメ リカは 自国への付加価値帰着率(国産化

率)は高 く,かなり 自己完結的な経済であるが, 東アジア諸国では,自国への

付加価値帰着率(国産化率)が低下する傾向が見られたO また,東アジア諸国

から国外へ漏出する付加価値の行先は,東アジア域内に向かうのではなく,そ

の他地域が多くなっている。つまり 所得が東アジア域内には残りにくくなっ

ているのである。こうした現状から判断すると,たしかに貿易相手としての連

携が強まっているのだか 東アジア地域が独立経済圏化している状況にあると

は,必ずしもいえないと考えられる。

2 東アジア地域の経済と貿易の状況

( 1) 1人当たりGDP

この研究で対象にしているアジア太平洋地域とは, 日本,アメリカ,中国,

アジア NIEs3地j或(韓国,h湾,シンガポール). ASEAN 4 (フィ リピン,マレ

ーシア,タイ,インドネ シア)の10カ国である。これらの地域での国際分業関係

を見る前に,各国/地域の経済状況を確認しておこう 。

図 1-1の折れ線グラフは l人当たり実質 GDPについて. 1985年を 1と

する指数に変換 して その推移を示した ものである。ブラジル (南米).ケニ

ア(アフ リカ)の他地域途上国も 比較例 として棒グラフで示した。1985年から

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第 量挙東アジアの国際分業構造の変化

2.6 (1985 = 1.0)

にコブラジル 亡コケニア2.4ト..jベトイ ンドネシア ベ〉ーマレーシア

2.2ト--1→ト フィリピン 「 針 タ イ

1 1-ー中国 屯ー韓国2.0卜---j

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図1_ 1 1人当たり実質 GDPの推移

(/1l所) Penn-World Table (http : //pw t. econ. lIpenn.edll/php_site/pwl61_form.php) より ~i't者作成。

2000年の問で,特に伸びが大きかったのは,中国 (2.5倍),韓国 (2.4倍)で,

2000年時点のデータは存在しないが 台湾もこれとほぼ同等の伸びを示してい

る。成長の時間的な変化に注目すると,韓国と台湾は1980年代から成長を続け

てきたのに対して 中国は1990年代に入ってからの成長が特に著しいことがわ

かる。

また,中国やアジア NIEsほどではないにせよ,タイ,マレーシア,インド

ネシアの l人当たり GDPの伸びはそれぞれ, 2.1倍, l.8倍, l.6倍で,

ASEAN諸国も順調に成長しているといえZ。こうした中で,フ ィリピンだけ

がl.2倍の成長にとどま っていて,他の ASEAN諮問に水を開けられていた。

先進地域であるアメリカと日本もl.4倍程度の成長であるので,フィリビンの

状況は深刻といえよう 。

しかしながら,ブラジルとケニアを見ると印象は多少異なる。図 1-1のア

ジア諸国の中で GDPの伸びが最も低いのはフィリビンであるが,両国はフィ

リピンの水準にすら達していない。逆にいえば,この時期のアジア地域の経済

成長がいかに高かったかがわかる。

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

表 1-1 輸出から見たアジア太平洋地域の貿易マトリクス

1985年 (単位.百万ドル)

元?と アメリカ 日 本 EU25 アジア NIEsASEAN4 国 世界

アメリカ 22,631 52,201 16,462 4,563 3.856 213,146 EI 本 66,684 23,526 22,594 7,368 12,590 177,189 I EU 25 71,026 8,916 431,965 11,172 5.142 6,322 729,603 アジアNIEs 39,667 11,428 13,198 9,544 8,524 8,190 113,951 I ASEAN4 9.070 14.203 5,589 9,262 2,043 597 45,741

医| 2,336 6,091 2,743 9,211 741 27,329

2000年 (単位:百万ドル)

与トごと アメリカ 日 本 EU25 アジア NTEsASEAN4 中 国 f止 界

アメリカ 64,538 167,831 82.015 28,523 15,964 771,991 日 本 144,009 80,544 113.421 45,381 30,356 478.179

EU 25 218,837 41,785 1,618,920 62,815 22.030 23,523 2,409,040 アジアNIEs 143,595 58,664 98,406 95,924 67,652 97.793 660,064

ASEAN 4 54.762 42,968 40,745 68,331 18,803 9,265 267,420 月ヨ 医l 52,162 41,654 40,783 67,174 9,335 249,195

拡大率 (1ji位:情)

元pご:アメリカ 日 オミ EU25 アジア NIEsASEAN4 国 界

アメ リカ 2.9 3.2 5.0 6.3 4.1 3.6

日 本 2.2 3.4 5.0 6.2 2.4 2.7

EU 25 3.1 4.7 3.7 5.6 4.3 3.7 3.3

アジア NIEs 3.6 5.1 7目5 10.1 7.9 1l.9 5.8

ASEAN 4 6.0 3.0 7.3 7.4 9.2 15.5 5.8

|釆| 22.3 6.8 14.9 7.3 12.6 9.1

(注) rアジア NIEsJ はi玲|五| ・ 向的 ・ 件泌 ・ シ ンプ'f ;l~ー ル. r̂SE八N4Jはマ レーシア ・タイ ・フ ィリピン ・イ ン

ドネシア。

(ll'tf9f) JETRO rlll:界貿劫マ トリ クスJ(hLlp: / /www.jclro.go.jp/biz/world/internalional/slals/)より紙背作成。

( 2 )アジア太平洋地域での貿易額の推移

ここでは, ]ETROが Webで公表している『世界貿易マトリクスjを用い

て,各国聞の貿易の相互依存関係を見ょう。

表 1-1は各国・地域開の輸出から見た貿易マトリクス (1985年と2000年)で

ある。下段の表には1985年から2000年の15年間拡大の倍率を示し,その値が8

倍以上のものには網をかけた。 15年間で 8倍とは年平均15%以上の拡大を意味

する。中医1, アジアNIEs.ASEAN 4の輸出の倍率は大きく ,特にアジア地域

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第1章東アジアの国|際分業構造の変化

表 1-2 アジア太平洋諸国・地域の輸出先の推移(単位 :%)

よ~ アメリカ 日 本 EU25 アジア NIEs ASEAN 4 国

1985 10.6 24.5 7.7 2.1 l.8

アメ リカ1990 12.4 26.5 10.3 2.7 l.2 1995 11.0 21.6 12.6 4.1 2.0 2000 8.4 2l.7 10.6 3.7 2.1

1985 37.6 13.3 12.8 4.2 7.1

日 本1990 3l.7 20.7 19.4 7.7 2.1 1995 27.5 16.1 24.7 12.1 5.0 2000 30.1 16.8 23.7 9.5 6.3

1985 9.7 l.2 59.2 1.5 0.7 0.9

EU 25 1990 7.0 2.1 66.8 2.1 0.9

1995 6.5 2.1 66.1 3.1 l.5 0.9 2000 9.1 l.7 67.2 2.6 0.9 l.0

1985 34.8 10.0 11.6 8.4 7.5 7.2

アジア NIEs1990 26.7 11.2 16.9 11.3 8.6 7.8 1995 20.6 9.4 14.1 14.9 11.1 13.1 2000 2l.8 8.9 14.9 14.5 10.2 14.8

1985 19.8 3l.1 12.2 20.2 4.5 1.3 1990 19.3 24.3 16.9 22.2 4.2 2.1

ASEAN 4 1995 19.6 17.4 15.4 25.6 5.6 2.8 2000 20.5 16.1 15.2 25.6 7.0 3.5

1985 8.5 22.3 10.0 33.7 2.7

司1 匡|1990 8.5 14.7 10.2 47.7 2.9

1995 16.6 19.1 13.6 32.9 3.7

2000 20.9 16.7 16.4 27.0 3.7

(注) rアジア NIEsJは斡11<1・台湾 ・芥i巷 ・シンガポー jレ,r ASEAN 4. Jはマ レーシア ・タイ ・フィリ ピン ・イン

ドネシア。

(11'.所) JETRO rw界'f~易マ トリ ク スJ (http://www.jctro.go・jp/biz/world/i n tcrna tional/ slats/)より自主者作成。

内での貿易の拡大が 目立つ格好になっている。こうした観察結果は,アジア諸

国の輸出の拡大 (中医|は別として,特にアジア域内での輸出の拡大)が経済成長に

繋がっていること の一つの状況証拠を与えている。

表 1-2は,同じ貿易マ トリ クスを用いて,輸出仕向け先の推移を構成比で

示 したも のである。 この表からは,以下のような ことが読み取れる。

-日本 :対米輸出シェアは1985年の約 4割から2000年では3割へと l割分の

減少。一方で,対アジア NIEs.ASEAN 4への輸出のシェアが上昇傾向0

・アジアNIEs:対米輸出シェ アは低下。一方,アジア NIEs内,ASEAN 4

2ラ

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

および中国への輸出シェアが上昇傾向。

. ASEAN 4 :.対日車命出シェアは低;下しているカt,アジア NIEs,ASEAN 4

内への輸出シェアは上昇傾向。対米輸出シェアは横ばい。

-中国 :対米輸出のシェアが上昇傾向にある一方 日本およびアジア NIEs

へのシェアは横ばいか低下傾向。

全体を概説すれば,中国を別として日本やアジア NIEsは,輸出先をかつて

の対米輸出から対アジア NIEs,ASEAN諸国へとシフトさせているといえる。

また,ASEAN諸国もアジア NIEs,ASEAN諸国内での輸出シェアを上昇させ

ている。さらに,アジア NIEsおよびASEANからの対中輸出も緩やかな上昇

傾向にある。つま り 東アジア諸国は 対米から対東アジア域内へと輸出先を

シフトさせており 貿易面に関しては 東アジア域内経済の緊密化は進んでい

ると見ることができる。

3 データとモデル

( 1 )アジア国際産業連関表

アジア国際産業連関表はアジア経済研究所がアジア太平洋諸国の統計当局と

協力して作成してきたもので,これまで1985,1990, 1995, 2000年の表が公表

されている。その対象地域 (内生国)は, インドネシア,マレーシア,フィ リ

ピン,シンガポールタイ 中国台湾韓国 日本 アメ リカの10カ国/地

j或である。

図 1-2にアジア国際産業連関表の表章形式を示す。この産業連関表を行方

向に読むと,生産された財がどの国/地域にどれだけ販売されたかがわかる。

中間需要部門は,上記のようにインドネシア,マレーシア, ・・・・・, 日本, アメ

リカの}II買に国別に並び さらにその右に最終需要が並ぶ。右端の列がこれらの

合計,つま り国内生産額合計である。通常の一国の産業連関表では,中間財も

最終財もいったん当該財が国境を越えれば I!愉出Jとして最終需要扱いになる。

しかし国際産業連関表で、は,内生国向け中間財輸出は内生部門の一部に扱わ

れ, I内生国向け最終財輸出」と「外生国向け輸出」のみが「最終需要」とし

26

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

て計上されるという特徴がある。一方,産業連関表を列方向に見れば,財の生

産のためにどの国/地域からどれだけの投入があったかがわかる。上記のよう

にインドネシア, マレーシア,・・・・・・, 日本, アメ リカの}II買に国別に並び, その

下に「付加価値」が計上される。最下行がこれらの合計である生産額合計であ

る。ただ,アジア経済研究所の表では,国際運賃と!愉出保険は, どの国/地域

からのサービス提供なのかが判別できないということで,別枠で計上されてい

る。

( 2 )総合付加価値係数と総合輸入係数

本章では,国際分業を「付加価値を国々で分配すること」と考えている。こ

の国際分業率の考え方は,産業連関分析での「総合付加価値係数」および「総

合輸入係数」を応用したものである。そこでまず,この二つの係数の意味につ

いて説明する。

総合付加価値係数とは最終需要 1単位に含まれる究極的な付加価値額で,総

合輸入係数とは最終需要 l単位に含まれる究極的な輸入品額のことである。 非

競争輸入型の産業関連表では,国産品と輸入品で、次の二つの需給一致式が成立

している。

x=Adx+fd

lu=AlTIx+flll

(1-1)

(1-2)

ただし, ベクトル xとmはそれぞれ国内生産と輸入で,AdとA

m はそれぞ

れ国産品とil輸入品の投入係数行ヂIj, f dとfIl1は, I主|産品と輸入品の最終需要ベ

クトルである。(1-1)の需給一致式を国内生産量 xについて解けば,次の均

衡生産量決定式が得:られる。

x = (1 -Ad)ーlfd (1-3)

(1-3)式右辺の左側の行列はレオンチェフ逆行列で,(1-3)式での最終需要

を1 (単位行列)と想定 して,付加価値率ベク トル vをレオ ンチェフ逆行列の

前にかければ, 最終需要 1単位から究極的に誘発される付加価値額が計算され

る。

τ【1= v(I -Ad)ー l (1-4)

28

Page 9: 第1 東アジアの国際分業構造の変化 - 名古屋大学第1章 東アジアの国際分業構造の変化 一ーイ寸加価値の究極的配分一一ー j度進隆俊・下回

第 1章 東アジアの国際分業構造の変化

説明の都合上,(1-4)式のベク トル vを付加価値率に関する対角行列奇と

集計ベクトル tの積であらわし,次のように書き換えておく 。

、、E

,,,

AU A

YE-

〆ft、

V,Eν 一一、、,J

JA

YEA

ftk

EEEB3laEEEBEES-e,J

O

引川

O

FBilli--llL

11J

1Eム

tEi

FI--」一一JU τ

(1-5)

(1-5)式が, I総合付加価値係数Jである。一方,付加価値率の代わりに輸

入投入係数をレオンチェフ逆行列にかければ,最終需要 1単位から究極的に誘

発される輸入量が計算されることになる。それを集計したものが (1-6)式で,

これが「総合輸入係数」となる。

τ111= [1 ・・ ・1JNn(I -Ad) -[ = LAII1(I -Ad

)一1 (1-6)

ただし,Amは,輸入係数行列である。総合付加価値係数と総合輸入係数の

合計は必ず1.0になる。 両者の和が必ず1.0になるということは,当初の最終財

の価額が,完全に付加価値部分と輸入部分に分けられる ことを意味している。

これは次のように説明すればわかりやすい。一般に ある最終財の生産工程

で用いられる投入物は, 国産品中間財 輸入品中間財 付加価値部分の三つに

大別される。しかし, そこで用いられる国産品中間財を生産するためには,や

はり国産品,輸入品,付加価値の三つが必要になる。このような 3分割を永遠

に行っていくと,財価値は究極的には付加価値と輸入とのこつに分割される。

そこで,本章では,総合付加価値係数を「国産化率」と呼ぶことにする。

( 3 )国際分業率

「国際分業率」とは前項で述べた総合付加価値係数と総合輸入係数の考え方

を国際産業連関表に応用したものである。前項で国産化率を付加価値が究極的

に自国に帰着する比率として定義した。一国を対象とした産業連関表で、は,付

加価値の帰着先は,自国か海外かという 二者択一であったが,複数の国を対象

とする国際産業連関表を用いれば付加価値の帰着先を国別に求めることがで

きる。そのような国別の付加価値の獲得率が 我々が以下で定義する 「付加価

値基準の国際分業率Jとなる。

いま, 部門数を n, 内生地域数をァとする国際産業連関表を考える。この場

合,内生地域についての国際分業率は次のように定義される。

29

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

T=予(1-A)一I (1-7)

r Vl 0 0 1 ただし予=I 0 ・ o1, Vk = [V~ ... v~J (k = 1,・・,r)

L 0 0 V. J

行列 Tは,ァ行 nr列で,各行が当該行の国の分業比率を表す。国際産業連

関表では,投入係数行列 Aは,海外からの輸入投入や海外への輸出投入を含

めた,nr行 nr列の大きな正方行列になる。寺は各国の付加価値率を表した行

列であり,各国の付加価値率ベクトルを対角に並べたものである。

次に, 外生部門である ROW(その他世界)の分業率 τRは次の式で表される。

ただし aRはROWからの投入係数行ベク トルである。

τR = aR(1 -A)ー I (1-8)

この式は ROWに漏出する付加価値率を表している。(1-7)式と(1-8)式

で定義される国際分業率は,総合付加価値係数と総合輸入係数の関係と同じよ

うに,各列における要素の合計がちょうど 1になる。これは,ある国で生産さ

れた最終財の価額は 完全に付加価値として各国に配分されることを意味して

いる。次節で示す国際分業率は,(1-7)式および (1-8)式に基づいて計算さ

れたものであか行列 Tの対角部分が当該国の国産化率となる。

4 推計結果

ここでは,アジア太平洋地域の国際分業率の推計結果を示す。 本章の実証分

析では,アジア経済研究所が作成した1985,1990, 1995そして2000年の「アジ

ア国際産業連関表」を利用した。

( 1) 1部門表による国際分業率

表 1-3は,産業連関表を 1部門に統合して計算 した 「付加価値基準の国際

分業率」を示したものである。繰り返しになるが 付加価値基準の国際分業率

とは,財サービスの生産で発生する付加価値が,最終的に各国に帰着する比率

である。つまり ,ここで「医|産化率Jとは付加価値の自国帰着率を意味する。

日本と アメリカの国産化率を見ると アメリカはわずかに低下しているもの

30

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第 1主主 東アジアの国際分業構造の変化

表 1-3 付加価値基準の国際分業率(1部門表) Uii.f立:%)

国産化率 ROWへの漏出率

1985 1990 1995 2000 1985

インドネシア 90.9 88.6 89.3 84.4 5.2

マレーシア 75.0 77.3 66.0 56.7 14.2

フィリピン 89.7 82.7 80.8 72.2 5.4

シンガポール 52.6 5l.1 56.6 52.8 24.9

タ イ 84.9 78.6 77.5 72.6 8.9

国 92.4 90.5 86.6 85.7 4.8 」1=.、i i 惑巧2 76.1 76.3 74.6 74.1 14.5

韓国 78.6 8l.2 8l.6 78.4 11.8

13 本 9l.2 93.4 94.9 94.1 6.0

アメリカ 95.3 94.8 93.7 93.0 3.7

(注) 京アジアとは,アメリカを除いた 9カ図のこと。

( 11¥所) rアジア国際産業述附表」より鈴者計算。

1990 1995 2000

7.3 6.6 10.4

10.7 15.0 17.8

9.4 9.7 13.6

24.5 16.6 26.3

10.5 10.5 13.8

6.4 8.4 8.0

12.9 13.3 12.5

9.9 10.0 12.9

4.5 3.3 3.9

4.2 4.8 5.6

東アジア域内への残留率

1985 1990 1995 2000

93.6 9l.9 92.5 88.5

83.6 86.9 80.9 76.0

92.6 88.3 87.7 82.8

71.0 69.5 77.7 68.9

89.9 87.4 87.0 83.5

94.5 92.6 90.5 90.9

81.6 83.0 83.1 84.2

84.4 86.5 87.1 84.3

92.8 94.5 95.9 95.3 -ーーーー-

ー一一一一一ーー

の,両国は全期間を通じて90%以上の高い国産化率で推移している。中国とイ

ンドネシアは,80%台半ばから90%台前半の国産化率を維持しており,アメ リ

カと日本に次ぐ高い国産化率となっている。この理由として考えられるのは,

両国ともに比較的天然資源に恵まれ,輸入原材料の購入による生産物の価値の

海外漏出が少ないことである。中国については,期間の前半は90%台の高い国

産化率を維持していたが,後半では86%程度に下げている。これは, 90年代以

降の急速な外資導入による輸入増加が背景にあると思われる。

これらの国々に次いで国産化率が70%から80%台の中位グループとして,フ

ィリピン,タイ ,台湾そして韓国がある。マレーシアでは, 85年と90年では70

%半ばの国産化率で、あったが, 9511三では66%,2000年では57%と大11I日な低下と

なっている。また シンガポールは 国産化率が50%台と,全期間を通じて最

も低く推計されている。マレーシアとシンガポールは,輸出および輸入の

GDP比率が極めて高い。シンガポールは,貿易中継地として輸出 ・輸入とも

にその GDP比率がほぼ100%を超える貿易依存度の高い国である。また, マ

レーシアでは,輸出および輸入の GDP比率が年々高くなってきている。アジ

アNIEsに続く輸出志向的開発政策を採用してきたマレーシアは,たしかに高

いGDP成長を実現したものの,付加価値が国内に残留しにくい経済構造にな

っている。

31

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第 I部東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

このように, 日本以外の東アジア諸国においては 天然資源に恵まれたイン

ドネシアと国産化率が極端に低いシンガポールを除いては,総じてこの15年間

で国産化率を低下させてきていることが明らかとなった。

次に, iROW (その他世界)への漏出率Jを見ょう 。これは,各国で生み出

された付加価値が産業連関表の内生地域(東アジア諸国とアメリカ)に留まらず,

例えばヨーロ ッパや中近東などに漏出した付加価値の比率のことである。

本章の推計では, 日本とアメリカは ROWへの漏出が約 4%から 6%程度の

比較的低位安定した結果となった。日本は,中近東への石油依存が高いので,

ROWへの漏出が大きいように思われるが その影響は限定的である。

これに対 し,他の東アジア諸国では,上昇傾向を伴った高い漏出が推計され

た。特に高い漏出率を示していたのはシンガポールである。シ ンガポールでは,

期間の前半では25%程度,1995年で17%程度に低下するが, 2000年では再び26

%程度に戻っている。マレーシアでも,期間の後半で,15%から18%程度の高

い付加価値漏出となっている。インドネシア フィ リピン タイは 5%から14

%へ上昇傾向にある。台湾と韓国では 必ずしも上昇傾向にあるとはいえない

ものの, 10%から15%程度であり 日本に比べて高い漏出と推計されている。

次に,独立した東アジア経済圏成立の可能性を検証するため,自国外に流出

した付加価値が東アジア域内の国々に帰着する比率を求めた。その結果を表 l

-3中の 「東アジア域内への残留率Jに示 している。 1985年から2000年の状況

を見ると,東アジ、ア域内への残留率が増えているのは,台湾と 日本のみで,韓

国はほぼ横ばいであった。 他の東アジア諸国は,の きなみ低下傾向にあ り,特

にフィ リピンでは1985年から2000年で約10%ポイントも低下していた。つまり,

「東アジア域内への残留率」を見る限り ,東アジア域内に付加価値が残ると い

う状況, 言い換えれば 東アジア地域が独立した経済圏として成立していると

は言い難い状況にある。

(2) 3部門表による国際分業率

国際分業率の推計は 産業部門が複数存在する場合でも可能である。近年の

東アジア諸国は, 多かれ少なかれ工業製品の輸出を原動力として経済成長を笑

32

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第1章東アジアの国際分業構造の変化

現してきた。そこでここでは, 先に示した4枚のアジア国際産業連関表を第 1

次産業,第2次産業,第3次産業の3部門に統合し,3部門表で国際分業率を

計算 した。 以下では, 3部門表を用いた計算結果の中から,第2次産業におけ

る付加価値率の動向に焦点を当てる。

表 1-4は, 第 2次産業(以下,工業部門と記す)に関するアジア太平洋地域

における相互依存関係を示 したものである。この表は横に読むと,行の固から

列の国への付加価値の帰着率がわかる。 例えばアメ リカ行,アメリカ列の2000

年では86.32%とあるが,これは2000年のアメ リカからアメ リカへの付加価値

の帰着率,すなわち国産化率を意味する。表では,国産化率の部分を太枠で囲

っている。 同じくアメ リカ行で日本列の2000年の数字は1.22%であるが,これ

はアメ リカの付加価値が日本に1.22%帰着 したと いう意味である。言い換えれ

ば,アメ リカの付加価値が1.22%日本に漏出したことになる。

つまり,この表からは, Iどの国からどの国へどの程度工業部門の付加価値

が漏出したかJがわかる。 上述したように, 2000年のアメ リカでは,医l産化率

は約86%であったが,その他世界への漏出は約11%と自国以外への漏出のほと

んどがROWである。事実,アメ リカ行方向の数字を見ていくと,そのほとん

どが 1%未満で, 1.33%の日本への漏出 (1995年)が最大である。これより ,

アメリカの工業部門は東アジア諸国へ付加価値を帰着させていないことがわか

る。アメ リカの場合,カナダとメキシコの NAFTA地域への付加価値の流出

が大きいと考えられるが,これは本章ではROWの一部に含まれる。

表 }-4では, 付加価値の漏出が一貫して上昇傾向にあるものに網をかけて

いる。日本の行方向で見ると, (網のかかっている)韓国とタイを例外として,

この15年間で, 日本から他の東アジア諸国へ漏出する付加価値率は上昇してい

ない。その一方で,日本からアメ リカへの付加価値率の漏出率は2%弱, 日本

から ROW について約 5 ~ 8% と低位ではあるが 東アジア諸国への漏出と比

較すれば大きい。 したがって,日本の工業部門の付加価値は 東アジア域内へ

の残留を強めているというよりは 依然として高いレベルでアメ リカや ROW

へ移動していると考えられる。

東ア ジア諸国に関しては,いくつか興味深い点が観察される。

33

Page 14: 第1 東アジアの国際分業構造の変化 - 名古屋大学第1章 東アジアの国際分業構造の変化 一ーイ寸加価値の究極的配分一一ー j度進隆俊・下回

w

4込

表1-4

付加

価値

基準

の国

際分

業率

(3部

門表,工業部門

)(単

位:%)

よ;

--

-_

と|イ

ンドネシア

マレ

ーシア

フィ

リピン

シンガポ

ール

タイ

中国

台湾

韓国

日本

自国を

除く

アメリカ

RO

W

東アジア域内

1985

84.67

0.13

0.04

0.38

0.06

0.39

0.30

0.24

3.25

4.79

2.13

8.41

インドネシア

1990

81.67

0.32

0.05

0.27

o.ω

0.46

0.51

0.51

3.19

5.39

1.33

11.60

1995

84.13

0.26

0.02

0.30

0.13

0.46

0.38

0.66

2.76

4.98

1.52

9.38

2000

78.71

0.53

0.04

0.31

0.37

0.94

0.44

0.81

2.51

5.95

1.67

13.66

1985

0.60

65.42

0.35

1.90

0.86

0.93

0.59

0.57

6.43

12.22

3.46

18.90

マレーシア

1990

0.48

67.72

0.13

1.98

0.46

0.80

1.22

0.70

7.17

12.94

3.45

15.88

1995

0.72

58.97

0.19

1.85

0.73

0.97

1.29

1.37

10.48

17.58

4.83

18.62

2000

1.23

46.29

0.85

3.44

1.85

1.95

2.34

2.01

10.48

24.15

7.94

21.62

1985

0.53

0.89

84.20

0.10

0.13

1.02

0.36

0.39

1.30

4.72

3.20

7.87

フィリ

ビン

1990

0.36

0.72

75.00

0.39

0.20

0.30

1.05

0.87

3.69

7.57

3.32

14.11

1995

0.78

0.70

71.87

0.50

0.23

0.82

1.40

1.25

3.98

9.67

3.76

14.70

2000

0.81

0.89

6 1.58

1.09

0.75

1.00

1.32

2.05

7.02

14.92

5.14

18.37

1985

3.64

5.07

0.35

39.68

0.56

6.36

1.10

0.58

6.49

24.15

5.55

30.63

シンガポー

ル1990

0.98

4.52

0.33

38.49

0.87

1.94

1.50

1.24

12.95

24.33

8.05

29.13

1995

1.55

3.65

0.53

44.93

2.34

1.36

1.40

2.79

13.82

27.43

7.33

20.31

2∞o

1.11

3.82

0.21

40.78

1.26

2.34

1.23

1.56

10.14

21.66

6.64

30.91

1985

0.18

1.56

0.07

0.37

79.13

0.45

0.46

0.33

3.60

7.02

1.58

12.26

タイ

1990

0.27

1.17

0.08

0.72

70

.52

1.01

0.98

0.81

7.04

12.07

3.03

14.38

1995

0.37

1.19

0.25

0.75

69.28

0.88

0.94

0.91

7.69

12.98

3.40

14.33

2000

0.82

1.15

0.27

0.83

61.79

1.84

1.10

1.16

7.59

14.77

3.59

19.84

1985

0.15

0.07

0.03

0.02

0.08

89.36

0.17

0.01

2.44

2.97

0.97

6.71

中国

1990

0.24

0.20

0.02

0.07

0.09

87.67

0.38

0.16

1.57

2.72

1.29

8.33

1995

0.29

0.21

0.03

0.13

0.14

83.33

0.42

0.95

2.82

4.98

1.41

10.28

2000

0.32

0.24

0.09

0.17

0.19

82.45

1.20

1.33

2.60

6.13

1.32

10.10

1985

0.70

0.60

0.14

0.16

0.13

0.07

68.00

0.16

5.56

7.52

5.41

19.07

台湾

1990

0.63

0.54

0.12

0.28

0.17

0.05

67.19

0.59

7.57

9.96

6.00

16.85

1995

0.89

0.79

0.19

0.45

0.33

1.10

62.24

1.20

8.86

13.80

5.70

18.26

2000

0.91

0.92

0.56

0.61

0.54

1.49

60.31

1.98

8.99

16.00

5.12

18.57

1985

0.98

1.20

0.11

0.11

0.15

0.06

0.29

70.43

5.54

8.44

5.16

15.98

韓国

1990

0.65

0.60

0.07

0.11

0.14

0.03

0.37

75.22

5.41

7.38

4.70

12.70

1995

0.71

0.43

0.09

0.17

0.14

1.23

0.34

75.02

4.92

8.03

3.98

12.97

2000

0.97

0.55

0.19

0.25

0.21

1.58

0.56

69

.12

4.72

9.04

4.06

17.78

1985

1.05

0.38

0.09

0.06

0.08

0.58

0.15

0.21

86.62

2.60

1.94

8.85

日本

1990

0.55

0.22

0.06

0.05

0.09

0.34

0.19

0.26

90.30

1.77

1.56

6.37

1995

0.38

0.19

0.06

0.06

0.12

0.40

0.16

0.30

92.03

1.66

1.33

4.98

2000

0.48

0.25

0.10

0.06

0.14

0.57

0.29

0.36

89.88

2.25

1.39

6.48

1985

0.21

0.06

0.04

0.03

0.03

0.08

0.16

0.12

0.90

1.63

91.77

6.60

アメリカ

1990

0.08

0.07

0.03

0.05

0.04

0.10

0.19

0.14

0.92

1.63

91.08

7.29

1995

0.08

0.16

0.08

0.10

0.09

0.22

0.23

0.26

1.33

2.55

88.73

8.73

2000

0.09

0.14

0.10

0.09

0.10

0.44

0.30

0.32

1.22

2.80

86.32

10.88

(出所

)iア

ジア

国際

産業

連関

表J

より筆者計算。

苦海 日 時 一 山 w 向 , 刈 刊 L ,, 刈 3 詩 蕗 滞 期 什 常 一 何 言 説 ぃ 亙 致 3 州 内 定

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第 1章 東アジアの国際分業構造の変化

①1985年と2000年の国産化率を比較すると,シンガポールと日本を除く東ア

ジア諸国で国産化率は低下 している。この2点聞の低下Illiを計算すると,

インドネシアは約 6%ポイント,マレーシアは約19%ポイント,フィ リピ

ンは約23%ポイン ト,タ イは約17%ポイン ト, 中国は約 7%ポイント 台

湾は約 8%ポイント,韓国は約 1%ポイン トであった。国産化率が上昇し

たシンガポールや日本の上昇Illiはそれぞれ約 1%ポイン ト, 3 %ポイント

と4盃めてイ、さい。

② ROWへの漏出を見ると,直近 (1995i!三から2000年)にかけては, 中国と台

湾でほぼ横ばいであるものの, 他の東アジア諸国では上昇傾向にある。こ

の間の上昇幅は, インドネシアは約 4%ポイン ト, マレーシアは約 3 %ポ

イン ト, フィ リビンは約 4%ポイン ト,シンガポールは約11%ポイント,

タイは約 6%ポイント,韓国は約 5%ポイン ト,日本は約 2 %ポイント で

ある。

③自国を除く 東アジア域内への付加価値の帰着率は マレーシアとシンガポ

ールでは12%から27%の高率で,タ イ, フィリピンそ して台湾では最高で、

十数%の率であるが,その大半は対日本であった。他の国では,わずかな

がら上昇傾向にあるといえるが, 帰着率の水準および上昇111高もせいぜい数

%である。また,日本やアメ リカが依然として高い水準で東アジア諸国か

らの付加価値帰着先となっている。

④ 日米に次ぐ付加価値の帰着先と しては, アジア NIEsの代表的存在である

韓国が挙げられる。韓国では, 全期間を通 じて, 日米を含むアジア太平洋

地域からの帰着率が増加傾向にある。

①シンガポールに関しては,他の東アジア諸国よ りマレーシアへの帰着が高

い。これは地理的要因が大き いであろう 。

⑥ 日本に関しては,東アジア諸国から多くの付加価値を受け取っているもの

の, 反対に東アジア域内にはそれほど多く の付加価値を提供 していないと

いう非対称的な構造になっている。

韓国のよう に東アジア域内からの付加価値の受け皿とな りつつある国がある

ものの,全体の傾向としては, 多くの国がROW やアメリカへの漏出を高めて

3う

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

表 1-5 東アジア域外への付加価値漏出率の変化 (工業部門)

インド マレー フイリ シンガタ イ I~I 」Iコ~ .いz缶ラ、 韓国 日本不シア シア ピン ポーjレ

1985-1990 ーー・ --+ l'

"" 合 ー... 惨

"" "" 1990-1995 曾""

F司令 l' ーー・ -岨4炉 _,砂

1995-2000 曾 l' 曾 合 曾 ーーφ ーー・

' ーー砂

u主) 含:t~加I (+ 49oポイント以上) ↑:ややi判加 (+2 %ポイント-+4%ポイン卜)

→:横ばい(-2 %ポイント-2%ポイント)

↓-やや減少(-4 %ポイント ~ー2%ポイン ト).... 減少(-49oポイント以下)

いるといえる。 表 1-5は表 1-4に基づいて東アジア域外 (ROW+アメリカ)

への付加価値漏出率の変化の傾向を表したものである。

これによれば. 1995年以降は,すべての東アジア諸国で,域外への付加価値

漏出が増加もしくは横ばいとなっていることがわかる。長谷部 (2002)は,

1995年までを対象とする分析を行い,東アジア諸国の経済構造は必ずしも自立

的な方向に変化していないとする結論を導いている。我々の分析によれば,独

立した 「東アジア経済圏Jの形成は.1995年以降もそれまでの傾向と同様,求

心的方向には向いていないといえる。

5 東アジア経済圏形成に向けた課題

これまで見たように 1980年代以降,東アジア諸国は,工業化の進展や日本

を始めとする先進工業国からの直接投資の受け入れなどにより,高い経済成長

を実現してきた。ただし アジア諸国の「付加価値の帰着Jという観点で見た

国産化率は. 1::1本やアメ リカに比べて高くないこと,また,東アジア域内とい

うよりむしろアメリカや ROW への依存を高めていることが確認された。

現在,日本政府は,積極的にイ ニシアティフゃを取って東アジア経済圏の確立

に向けた対外政策を採っている。この背景には, FTA. EPA締結などの経済

連携によ って,自国の経済構造の改革と活性化を図り,さらには,東アジア経

済閣でのリーダー的存在となる目論見があると考えられる。

たしかに,東アジア経済の発展のためには, この地域での相互依存関係をよ

36

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第 1章 東アジアの国際分業構造の変化

り緊密化するような経済圏を確立することは重要であるが,その実現性につい

ては,必ずしも楽観できる状況にあるとはいえない。本章の推計結果からも,

東アジア域内での付加価値が残留する「相互依存関係」が強く観察されてはい

ない。東アジア域内の国々では,国産化率を低下させ,同時に付加価値をわず

かしか域内に残留させていないとなれば,東アジア地域が一つの独立した経済

圏として成立しうる状況であるとは直ちにはいえないであろう 。

現在, ASEANや AFTAの枠組みで,東アジアの経済統合とさらなる経済

発展について検討されているが,この実現にはいくつかの課題があど。青木

(2003)は, ASEAN経済における持続的成長の課題として,技術革新能力の

向上を指摘している。またそのために,投資効率と生産効率の改善を強調して

いる。 浦田 (2004)は,東アジア経済の持続的高成長に向けた課題として,投

資資金の有効活用, ITの活用,さらには安定的な為替制度の実現を挙げてい

る。かつて,クルーグマンは,東アジア経済の成長は「要素投入型(資源総動

員型)Jであり ,このタイプの経済成長が長続きしないことを指摘した (Krug-

man, 1994)。青木 (2003)や浦田 (2004)の指摘は,この点を踏まえ,東アジア

経済の持続的な成長には「要素投入型」から「生産性向上型Jへの転換が重要

である点を示唆しているといえる。これまでの東アジア経済は「要素投入型」

の経済構造であったため,本章で示 したような「域外に付加価値を多 く漏出す

る」経済成長方式となっていた。 したがって「域内に付加価値を帰着させる」

経済成長方式となるよ うな「生産性向上型Jへの経済構造転換が,東アジア経

済の持続的成長にとって重要な諜題であると考えられる。

最後に,本研究の今後の課題について簡単に述べておこう。 本章では, I貿

易マ トリ ックスから見ると,東アジアの経済的緊密化は進んでいるように見え

るが,付加価値(所得)で見ると, 必ずしもそうとはいえないJという結論を

得た。本章は,日米アジア地域の国際分業構造の計測に焦点を当てた分析であ

るので,なぜ上述のょっな結論となったのか, さらにはこの背後にある要因の

考察まで踏み込んではいない。今後は このような国際分業のメカ ニズムを踏

まえた分析を進める必要がある。

[付記] 本章は下回 ・渡溢 (2005)および藤川 ・下回 ・渡溢 (2006)に加筆,修正を行った

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第 I部 東アジアの経済発展と相互依存関係の変化

改訂版である。

(1) 東アジア首脳会議の経緯は外務省の Webサイト (http://www.mofa.go.jp/mofaj/

area/ eas/index.html)に詳しく掲載されている。最近ではFTA(自由貿易協定)に加え,

EPA (経済連携協定)についても議論が盛んである。日本のFTAや EPAへの取り組み

に関し ては,経済産業省対外経済政策総合サイト (http://www.meti.go.jp/policy/

trade_policy /index. html)や 日本貿易振興会の Webサイト (http://www.jetro.go.jp/

theme/wto-fta/) に詳しい解説がある。なお. ASEANでは,すでに 1993年に AFTA

(ASEAN Free Trade Area: ASEAN自由貿易地域)をスター トさせている。

(2) Penn-World Table (http://pwt.econ.upenn.edu/php_site/pwt61_form.php)で 2000

年までのデータが得られる国のみ掲載。

(3) ただしアジア通貨危機が発生した1997年から1998年にかけては, 多くの国々で成長に

ブレーキがかかり,特に韓国,タイ,インドネシアでは,この影響はi呆刻であった。

(4) ]ETROの「世界貿易マト リク スJは.http://www.jetro.go.jp/world/statistics/で公

表されている。

(5) 貿易マト リックスを用いた各国間の相互依存関係を論じた研究は,多くの蓄積がある。

例えば, 山田 (2007)は,日本,中匡1.アジア NIEs.ASEANの東アジア地域を中心と

したlit界9カ国 ・地域を分析対象とし 20部門分類の商品別貿易マ トリ ックスを用いて,

各国の競争力変化と相互貿易の発展傾向を示している。

(6) 詳細は松村-・藤川 (1998)第4章注6を参照されたい。

(7) 長谷部 (2002)は「総投入基準Jと呼ばれる我々とは異なるタイプの国際分業率を提案

している。「総投入基準」は,各生産の過程で直接・間接に投入される中間財に焦点を当

て,その出身地による構成比を国際分業率として定義している。ここでは,付加制li値は

「投入jの一部とは扱われていない。それに対して,本章での 「付加価値基準Jでは,医|

|僚ItJな付加価値の帰着先が国際分業率として定義されており,付加価値は,生産の工程に

おける重要な投入嬰素としてみなされている。

(8) ここでの「東アジア域内への残留率」は,東アジア 9カ国(自国を含む)の付加価値残

留率合計,すなわち. 1100%一アメ リカへの漏出率一ROWへの漏出率」にて計算してい

る。

(9) ただし. 2000:'c1三でのシンガポールから韓国への付加価値帰着率が若干低下 している。

(10) 特に,機械, 金属製品,化学製品部門で、日本,アメリカ. ROWに依存する傾向が強ま

っていることを示している。

(11) AFTAでの問題点については,例えば川旺I(2002) を参照されたし、。また,桑森

(1999)では,産業連|喝表を用いた ASEAN域内経済協力や経済統合の分析が示されてい

る。

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第1章 東アジアの国際分業構造の変化

参考文献

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