2 3 広報こまつ[2013.1] INTERVIEW 曳山子供歌舞伎の上演では、演技の状況を説明する語りとして、大変重要な役割を担っている義太夫。「音楽には楽譜がありますが、義太夫の語りにはそういったものがありません。人から人へと、まさに語り継がれてきたものです」。こう話すのは、歌舞伎の人材育成を目的に設立された「こまつ歌舞伎未来塾(以下未来塾)」で、義太夫語りの会の指導方を務める角野康夫さん。昭和62 年に市が主催する浄瑠璃教室に参加して以来、25 年以上にわたって義太夫として地道な活動を重ねてきました。「塾生を指導するようになって、改めて人に教えることの難しさと責任を感じています」と歌舞伎に対する真摯な姿勢が伝わってきます。今年の目標は、未来塾の対象を小学生にまで広げること。「小さい頃から歌舞伎文化に触れる機会を増やすことで、その中から将来を担う人材が出てきて欲しい。こまつ曳山交流館が完成すれば、より身近に歌舞伎を楽しんでもらえるようになりますので、一層精進していきたいと思います」ふるさとの伝統文化を愛する心は、確実に次の世代へと受け継がれていくことでしょう。こまつ歌舞伎未来塾義太夫語りの会指導方 角野 康夫さん 未来へとつながる文化の懸け橋となりたいINTERVIEW 誰かのために役立ちたい小松市消防本部 白野 友梨奈さん 小松市消防本部に4人いる女性消防士の一人、白野友梨奈さんは昨年10 月に現場に配属されたばかりの新人消防士。日頃は厳しい訓練をこなしていますが、制服を脱げばトップスイマーとしての顔も。消防本部に採用が決まった4月からの半年間、消防学校で全寮制の研修を受けながら、9月に行われた国体では、リレーで7位の成績を打ち立てました。水泳を始めたのは5歳の時。体が弱かった事を心配した両親の勧めでした。個人競技と思われがちな水泳ですが、白野さんを支えてきたのは「仲間意識」でした。数多くのレースをこなしてきた彼女にとって一番思い出深かったのは「大学卒業前の先輩と組んだリレー。最後に入賞することができて本当に良かった」と話してくれました。人生を模索していた大学4年生の春、東日本大震災が起き「水泳で鍛えた自分の体力を人のために生かしたい」という思いから現在の道へ。命を懸けた過酷な24 時間勤務でも笑顔の絶えない白野さんの今年の抱負は「一人でも多くの人の役に立つこと」。優しさにあふれた表情には、消防士としての使命感が秘められています。年女 年男 長〜い人生みんな元気で末長〜く♪木田 弘之「宝守巳神」 特集 特集でつなぐ者・モノ・もので つなぐ者・モノ・もの 明けましておめでとうございます。今年も、皆さんにとって白山から望む曙光のように明るい一年となることを願っています。特集では、干支にちなんで「巳」を様々な角度からご紹介します。しょこうえと