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ユーザー事例 課題 JRTTは、東北新幹線の八戸から新青森間約82キロ内にある八甲田トンネル(全長26.455キロ)を 現在建設中です。このトンネルは、複数断面の陸上トンネルとして世界で有数の長距離トンネルで、平成 22年度の開業を目指しています。 トンネル内では従来の有線(インターホン)方式による連絡網の構築は可能でしたが、それでは通信先に 制限があるため迅速に緊急連絡がとれませんでした。 また、トンネルの建設工事は一時的なものにも かかわらず、通常の建設費用に加え撤去費用も考慮する必要があったため、コスト低減が難しくコスト効 率の良いシステムが必要でした。さらに、カーブのあるトンネルの構造は、屋外での電波伝搬条件とは大 きく異なるため、マルチパスによる通信障害を想定していました。そこで、JRTTはこれらの問題点を克 服可能なトンネル内全域をシームレスに接続できるネットワークを探していたのです。 ソリューション JRTTは、アルバリオンの無線ネットワークを、アルバリオンの販売代理店株式会社理経、および理経の 販売代理店日東通信株式会社および株式会社ニシヤマから購入しました。そして、2007年1月の正月 休み後、アルバリオンのBreezeACCESS VL製品ライン(5GHz帯)を使用し、トンネル内でどの程 度の距離の通信が可能か伝播調査を実施しました。 ネットワーク構成は、八甲田トンネルの入口に基地局を 1局、陸上移動中継局を2局、そして移動局を14局(移 動車両13局、固定1局)でした。第一中継局は、入口の 基地局装置から10キロ程入ったところに、第二中継局 はさらに10キロ程入ったところに設置しました。また、 八甲田トンネル入口に設置したIP-PBXに公衆回線を 引き込み、そのIP-PBXは基地局と接続されています。 ユーザー側は、加入者局装置とWiFi無線LANアクセス ポイントを組み合わせて陸上移動局(軌道車両)を形成 しています。車両周辺や車両上で工事を行う作業員に 携帯型IP電話を持たせる事により、トンネル内とトンネ ル外の建設事務所との通話、トンネル内作業員間、トン ネル内から事務所経由で外線接続、また外線からの通 話をトンネル内へと転送しています。 (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 26.455kmの長大トンネル内を 無線ブロードバンドアクセスシステムでIP化し、 保安連絡用通話を携帯型IP電話で使用可能に アルバリオンの製品は、設置が容易で堅牢性に優れ、 トンネル内の厳しい条件下でも受信電波や通話品質が良く 大変満足しています。 鉄道建設本部 電気部 電気管理課 西村 隆正氏 八甲田トンネルにおける建設工事作 業員の安全と音声通信を、コストを 低減しながら向上させること アルバリオンのBreezeACCESS VL 製品ラインをベースとした無線IP ネットワーク ・ 長大トンネル建設工事作業員の 安全面が向上 ・ 長大トンネルの内部と外部の音声 通話が可能に ・ 長大トンネル内の厳しい条件下に もかかわらず優れた接続性 無線なのでネットワークの拡張が容易 ・ コスト低減が実現 株式会社理経 〒163-0535 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル TEL:03-3345-2150(代) http://www.rikei.co.jp/ ソリューション 結果 販売代理店 顧客名: 独)鉄道建設・ 運輸施設整備支援機構(JRTT) 所:〒105-0011 東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー) ソリューション: BreezeACCESS VL ® アプリケーション:無線IPネットワーク上の 音声通信 課題 陸上移動局 (軌道車両)
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BreezeACCESS VL (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 · 2016-03-17 · Alvarion® and all names, product and service names referenced herein are either registered

Apr 20, 2020

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Page 1: BreezeACCESS VL (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 · 2016-03-17 · Alvarion® and all names, product and service names referenced herein are either registered

ユーザー事例

課題JRTTは、東北新幹線の八戸から新青森間約82キロ内にある八甲田トンネル(全長26.455キロ)を現在建設中です。このトンネルは、複数断面の陸上トンネルとして世界で有数の長距離トンネルで、平成22年度の開業を目指しています。

トンネル内では従来の有線(インターホン)方式による連絡網の構築は可能でしたが、それでは通信先に制限があるため迅速に緊急連絡がとれませんでした。 また、トンネルの建設工事は一時的なものにもかかわらず、通常の建設費用に加え撤去費用も考慮する必要があったため、コスト低減が難しくコスト効率の良いシステムが必要でした。さらに、カーブのあるトンネルの構造は、屋外での電波伝搬条件とは大きく異なるため、マルチパスによる通信障害を想定していました。そこで、JRTTはこれらの問題点を克服可能なトンネル内全域をシームレスに接続できるネットワークを探していたのです。

ソリューションJRTTは、アルバリオンの無線ネットワークを、アルバリオンの販売代理店株式会社理経、および理経の販売代理店日東通信株式会社および株式会社ニシヤマから購入しました。そして、2007年1月の正月休み後、アルバリオンのBreezeACCESS VL製品ライン(5GHz帯)を使用し、トンネル内でどの程度の距離の通信が可能か伝播調査を実施しました。

ネットワーク構成は、八甲田トンネルの入口に基地局を1局、陸上移動中継局を2局、そして移動局を14局(移動車両13局、固定1局)でした。第一中継局は、入口の基地局装置から10キロ程入ったところに、第二中継局はさらに10キロ程入ったところに設置しました。また、八甲田トンネル入口に設置したIP-PBXに公衆回線を引き込み、そのIP-PBXは基地局と接続されています。ユーザー側は、加入者局装置とWiFi無線LANアクセスポイントを組み合わせて陸上移動局(軌道車両)を形成しています。車両周辺や車両上で工事を行う作業員に携帯型IP電話を持たせる事により、トンネル内とトンネル外の建設事務所との通話、トンネル内作業員間、トンネル内から事務所経由で外線接続、また外線からの通話をトンネル内へと転送しています。

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構26.455kmの長大トンネル内を無線ブロードバンドアクセスシステムでIP化し、保安連絡用通話を携帯型IP電話で使用可能に

アルバリオンの製品は、設置が容易で堅牢性に優れ、トンネル内の厳しい条件下でも受信電波や通話品質が良く大変満足しています。鉄道建設本部 電気部 電気管理課 西村 隆正氏

八甲田トンネルにおける建設工事作業員の安全と音声通信を、コストを低減しながら向上させること

アルバリオンのBreezeACCESS VL製品ラインをベースとした無線IPネットワーク

・ 長大トンネル建設工事作業員の安全面が向上

・ 長大トンネルの内部と外部の音声通話が可能に

・ 長大トンネル内の厳しい条件下にもかかわらず優れた接続性

・ 無線なのでネットワークの拡張が容易・ コスト低減が実現

株式会社理経〒163-0535 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビルTEL:03-3345-2150(代)http://www.rikei.co.jp/

ソリューション

結果

販売代理店

顧客名:(独)鉄道建設・ 運輸施設整備支援機構(JRTT)住 所:〒105-0011 東京都港区芝公園2-11-1 (住友不動産芝公園タワー)ソリューション:BreezeACCESS VL®

アプリケーション:無線IPネットワーク上の 音声通信

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課題

陸上移動局(軌道車両)

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アルバリオン株式会社〒105-0014 東京都港区芝3-6-9 芝公園プラザビル6階TEL:03-5419-8321 FAX:[email protected] www.alvarion.jp

Australia: [email protected]

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North America HeadquartersTel: +1.650.314.2500Email: [email protected]

結果ネットワークは、2007年5月初めに稼働しました。上下左右が閉ざされ、カーブや勾配変更点があるトンネル内にもかかわらず素晴らしい結果を示しました。また、BreezeACCESS VLネットワークはOFDM方式をベースとしているので、マルチパスの問題も克服でき、マルチパス環境下においても高速スループットを実現することができました(NLOS:見通し外通信)。 さらに、無線ネットワークにおける給電は、第一中継局と第二中継局の2局のみで済むため、有線方式で必要となる十数か所と比べ大幅にコスト削減ができました。

今ではトンネル外部の建設事務所同様、トンネル内の建設工事作業員同士での通信が可能となり、トンネル内の作業員は緊急時等の避難指示を、一斉同報として建設事務所から伝達されることが可能になり、トンネルの安全性が向上しました。さらに、建設工事が進むにつれ、費用効率がよい無線ネットワーク設備により、迅速で簡単な拡張が可能になりました。また、画像伝送、ファイル転送、テレビ電話等の追加アプリケーションが将来必要になった時、無線ネットワークは柔軟性が高いので拡張が容易になります。

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構について(以下JRTT)鉄道・運輸機構は、平成13年12月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」に基づき、平成15年10月1日付けで日本鉄道建設公団と運輸施設整備事業団が統合して設立された独立行政法人です。鉄道・運輸機構は、鉄道の建設や、鉄道事業者、海上運送事業者などによる運輸施設の整備を促進するための助成などの支援を行うことを通じて、大量輸送機関を基幹とする輸送体系の確立等を図るとともに、運輸技術に関する基礎的研究を行うことにより、陸上運送、海上運送及び航空運送の円滑化を図ることを目的としています。

株式会社理経について理経は1957年に設立された東証2部上場の会社で、情報技術関連の各種パーツ/コンポーネント、製品及びシステムの主要サプライヤーで、ユーザーが満足するような最新のソリューションをユーザーに提供しております。 他社に先駆けて、FTTH時代の到来を感じ取り、弊社は光通信関係の通信装置や光デバイスを日本の通信キャリアに供給することに専念しています。

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アルバリオンについてアルバリオンは、あらゆる周波数帯を対象に固定系・移動系のソリューションを取りそろえ、お客様の長期的な成功を確かなものにする世界最大のWiMAX専門ベンダーです。OPEN WiMAX戦略に基づき、戦略パートナー各社との協力体制の下、卓越した無線ブロードバンドインフラやオールIPを標榜する優れた技術のエコシステムを形成しています。アルバリオンは全世界で225を超える商用WiMAX環境を実現しています(www.alvarion.com)。

アルバリオンの無線ブロードバンドアクセスシステムを導入することで、トンネル内建設工事の安全面が向上しました。鉄道建設本部 電気部 電気管理課 西村 隆正氏“

”第一中継局 基地局

PSTN

第二中継局

陸上移動局 陸上移動局 陸上移動局 IP

八甲田トンネル - 26.455Km

建設事務所

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ネットワーク構成図

八甲田トンネル内の中継局