Top Banner
56 ㍿タウンニュース社 ☎045-227-5050㈹ FAX045-227-5051 中区・西区編集室・〒231-0033横浜市中区長者町2-5-14セントラルビル2F http://www.townnews.co.jp 発行責任者/宇山 知成 長/清田 義知 西10 10 姿25 10 10 10 姿25 姿30 18 10 調沿姿大藪 順子 さん 1971年 大阪生まれ。フォトジャーナ リスト。米国の新聞社専属写真家を経 て2002年よりフリーに。プロジェクト 「STAND:性暴力サバイバー達の素 顔」が反響を呼び全米で講演会と写 真展を展開。14年に帰国、中区在勤。 角野 渉 さん 1983年 山手町生まれ。一級建築 士/博士(建築学)。一級建築士事 務所「角野デザインノード」代表。 「 横 浜 山 手 やってみよう会 」コー ディネーター、NPO法人「Hama Bridge濱橋会」の理事を務める。 吉野 次郎 さん 1965年 本牧 小港町生まれ。総合型 地域スポーツクラブNPO法人「 Y.S.C.C. (横浜スポーツ&カルチャー クラブ)」の理事長。運営するサッカー チームはJ3リーグに所属。子ども向け のサッカースクールなども展開する。 100 右から吉野さん、大藪さん、角野さん 29 90 “シビックプライド”を胸に 中区制90周年・開港記念会館100周年 10 90 12 90 11 12 100 90 10 90 19 19 90 50 10 89 未来へ向けて中区全体で盛り上がる1年に 吉田新田完成 350 周年 現在の中区中心部の礎となったのが「吉田新田」。350年前に釣鐘状の 入海を石材木材商・吉田勘兵衛が埋め立てた。横浜が開港の地となったのも、 この新田があったからこそ。今年は完成350周年を振り返り、これから のまちづくりを考える契機として、様々なイベントが企画されている。 馬車道 150 周年 1867(慶応3)年に 60 フィート(約 18.3m)の計画道路が整備 されたのが馬車道の始まり。開港後、現在の関内周辺は外国人の居留地 となり、外国人の要請を受けてつくられた。馬車が通るようになると「馬 車道」と呼ばれるように。昨年、馬車道商店街協同組合主催で「記念ロゴ」 コンペを実施するなど 150 周年に向け盛り上がりをみせている。 詳細は ys350 検 索 10年後を語る三上区長
1

“シビックプライド”を胸に56 タウンニュース社045-227-5050 F045-227-5051 中区・西区編集室・〒21-00浜市中区長者2-5-14セントラルビ2F 発行責任者

Aug 19, 2020

Download

Documents

dariahiddleston
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: “シビックプライド”を胸に56 タウンニュース社045-227-5050 F045-227-5051 中区・西区編集室・〒21-00浜市中区長者2-5-14セントラルビ2F 発行責任者

56㍿タウンニュース社 ☎045-227-5050㈹ FAX045-227-5051 中区・西区編集室・〒231-0033横浜市中区長者町2-5-14セントラルビル2F http://www.townnews.co.jp 発行責任者/宇山 知成編 集 長/清田 義知

広告・記事のお問い合わせは☎045・227・5050

中区・西区編集室へ

スポーツ振興・多文化共生・NPOによる地域活

動と、それぞれ異なるフィールドで活躍する3人が

集い10年後の中区制100周年に向けたまちづくり

について語り合った。議論からは主体的にものごと

に関わる大切さがみえてきた。(本文・敬称略)

――まず、中区の10年後

のあるべき姿について、そ

れぞれの考えや思いをお聞

かせください。

吉野「子どもたちに夢を与

える地域主体のサッカーチ

ームをつくりたいと、19

86年にYSCCを立ち上

げた。そして、25周年の時に、

子どもも高齢者も一緒に活

動できる施設の実現を掲げ

て今に至る。土地の有効活

用としても、10年後にはス

ポーツを通して誰もが笑顔

で1日を終われる場所があ

ればと思う。そこが起点と

なってコミュニティーも生

まれると考えている」

角野「1990年代ごろま

では経済成長する社会状況

であり、横浜もそのような

経済状況を背景にまちづく

りが行われてきた。しかし、

パラダイムシフト(考え方

や価値観の変化)が起こり、

これまでのやり方での発展

は難しくなってきた。市民

一人ひとりがまちづくりに

対する意識レベルを上げて

議論し、行動する時代だ。

そこで10年後に向け、開港

の地である中区として、国

際的な存在感・サスティナ

ビリティ(持続可能性)・多

様なチャンス、この3つの

要素についてそれぞれのレ

ベルをいかに上げていくか

が問われる。区民が将来に

向けた共通したイメージを

持ってまちづくりに取り組

んでいるのが10年後の理想

の姿だと考えている」

大藪「米国に25年住み3年

前に帰国したが、帰国後に

感じるのが人権意識の希薄

さだ。外国につながる住民

が1割を占める中区におい

て、私たちが人権意識を高

め、一人ひとりが大切にさ

れる社会の実現をめざすべ

きだと思う。また、人権意

識を育てていくためには、

子どもたちが自尊心をしっ

かりと持てるような『居場

所』が必要。それはPLA

CE・場所という意味だけ

でなく、大人が子どもとし

っかり向き合うことで生ま

れる心の拠り所でもある。

この取り組みは個人レベル

でもできることだと思う」

問題意識持ち

地道に活動

――あるべき姿を実現す

るために、どのような取り

組みが必要でしょうか。

吉野「地域のサッカークラ

ブとして、子どもたちが着

の身着のままで参加できる

サッカースクールも開いて

いる。そこには、外国につ

ながる子ども、学校生活が

うまくいかず転入してきた

子どもなど、参加者は多様。

つまり、居場所になってい

る。このような取り組みを

着実に続けていきたい。課

題は、活動をしっかり継続

するための場所がないこと。

30年活動してきたが施設面

の環境は変化していない」

角野「自分のまちは自分で

つくろうという『市民』意

識をつくっていく必要があ

る。まちづくりを一部の人

に任せて、サービスの消費

者のままではいけない。私

が関わっているNPO法人

『濱橋会』は、そもそも隣

町の祭を知らないのはいか

がなものか、という問題意

識から地域同士の橋渡しを

進めようと始まっている。

周りの地域に関心を持ち、

そこから地域づくり、まち

づくりに関心を持っていく

のも1つの方法だと思う」

大藪「18歳で渡った米国は

個人を尊重し受け入れてく

れる土壌があった。もちろ

ん単純な比較はできない

が、外国につながる人が多

い中区においては、もっと

受け入れる環境をつくって

いく必要があると感じる。

この現状を改善するには同

じコミュニティーの一員と

いう意識を、時間をかけて

醸成していくしかない。10

年間は短いが、それを地道

に続けていくことが大切だ」

――実践していることは

なんでしょうか。

吉野「人に優しいまちであ

って欲しいというのが私の

願い。サッカースクールで

は多様なバックグランドを

持つ子どもたちと接してき

た中で、相手を理解しよう

と努め信頼関係を築くこと

を大切にしている」

角野「濱橋会で、生活に密

接した大岡川と中村川の水

質調査をするなど水質改善

に向けた取り組みを進めて

いる。また、2つの川を通

り水上交通の可能性を模索

する運河パレードは4回実

施。昨年は、川沿いの商店

街と連携し船上ウェデイン

グも試みるなど、新たなビ

ジネスとして発展できる可

能性も生まれてきた」

大藪「外国につながる子ど

もたちが撮影した横浜の写

真展を今年1月に初めて開

催した。彼らが見ている世

界を写真というかたちで客

観的に知ることで

彼らが

何に関心を持ち、どのよう

な問題意識を持っているの

かを読み取って相互理解に

つなげていきたい」

――中区の魅力は。

吉野「横浜開港の地として

の歴史の深さ。それを学び、

自分が住むまちとして発信

できることは喜び」

大藪「古いものの価値をし

っかり認識し、これからも

大切にしていこうという姿

勢が魅力」

角野「都市性と村性の共存。

これからは生産性重視の都

市性と直接的な人間関係で

動く村性のバランスをいか

に最適化して、サスティナ

ビリティを担保していくか

が問われると思う」

全ての子どもに居場所を

大藪 順子さん1971年 大阪生まれ。フォトジャーナリスト。米国の新聞社専属写真家を経て2002年よりフリーに。プロジェクト

「STAND:性暴力サバイバー達の素顔」が反響を呼び全米で講演会と写真展を展開。14年に帰国、中区在勤。

角野 渉さん1983年 山手町生まれ。一級建築士/博士(建築学)。一級建築士事務所「角野デザインノード」代表。

「横浜山手やってみよう会」コーディネーター、NPO法人「Hama Bridge濱橋会」の理事を務める。

吉野 次郎さん1965年 本牧 小港町生まれ。総合型地 域ス ポーツクラブN P O 法 人「 Y.S.C.C.(横浜スポーツ&カルチャークラブ)」の理事長。運営するサッカーチームはJ3リーグに所属。子ども向けのサッカースクールなども展開する。

周年へ

100

座 会談

人づくり

まちづくり

右から吉野さん、大藪さん、角野さん

■2017年(平成29年)2月

中区制90周年

特別号

られた日 の中 作 を進 て りま 、校 は 則 2 ま さい い おり 3 回目以 校 は なる 合 ご いま ◉締

ま に 載内 定しない場合 発行 の 面 掲載 きません指定期 ま ずご返送く さい 願い し げま 。 印刷作業

りま と内 の 正 せ な ッ い します

掲載日2017/0 23 中区区制 90 周年特別号

れ、ご署名の上期日ま 返送ください

“シビックプライド”を胸に中区制90周年・開港記念会館100周年

横浜の中心に位置する中区は、今年10月1日に

区制90周年を迎える。また、開港記念会館も7月

に100周年とあって、今年は中区にとっては節

目。記念事業実行委員会(平山正晴委員長)では、

様々な取り組みを予定しており、中区全体で盛り

上がりをみせる1年となりそうだ。

区民をはじめ地元企業や

各種団体で一昨年12月に立

ちあがった中区制90周年・

開港記念会館100周年記

念事業実行委員会では、「シ

ビックプライド(中区に対

する誇りや愛着)の高揚」

と「未来志向」を目的に掲

げ、3月11日と12日の「三

塔の日」をスタートに、1

年を通して様々な記念事業

を企画している。

100周年への契機に

実行委では、区役所(行

政)だけでなく、中区に関

わるすべての団体・機関・

企業・施設などが一緒にな

って90周年を祝い、記念事

業に関わっていくことで、

中区に対する意識を高めて

いくとともに、〝地域愛〟お

よび協働・自治意識を醸成

させ、10年後の区制100

周年に向けた契機にしたい

としている。

また、これからの時代を

になう子どもたちが、未来

に夢や希望をもてるように

と、90周年に関わる事業に

思いを込める。

区民提案

19事業も

実行委が手がける記念事

業だけでなく、区民や中区

で活動する団体からの19に

およぶ提案事業も、この1

年を通して区内の各所で行

われる。

その1つで1月末に関内

ホールで公演された吉田新

田完成350周年の歴史を

たどる市民ミュージカル「お

さん伝説」は、大盛況となり、

記念すべき90周年の幕開け

を演出した。

そのほかにも、まち歩き

ツアーや中区の歴史をジャ

ズや貴重な今昔映像などで

振り返るイベントなど、主

催団体の個性が光る事業が

盛りだくさんだ。

〝存在〟が大切な財産

100周年を迎える開港

記念会館は、その名の通り

横浜開港50周年を記念し、

市民の寄付金で創建され

た。横浜を代表するこの建

物は中区の公会堂の役割も

になう。その趣は、開港の

歴史を今に伝える語り部の

よう。訪れる人に横浜、そ

して中区の魅力を伝えると

ともに、区民の大切な財産

でもある。実行委では、記

念事業を通して一人でも多

くの区民にこの「大切な財

産」を伝えたいとしている。

区民の協力が必要

今年は、横浜の礎となっ

た吉田新田が350周年、

馬車道150周年、中区英

町出身の小説家・大佛次郎

生誕120周年と、様々な

周年が重なる。実行委では、

これらの周年と連携しなが

ら相乗的な盛り上がりを期

待する。中区連合町内会長

連絡協議会会長で、記念事

業実行委員会の委員長を務

める平山さんは「中区をあ

げて盛大にお祝いをしてま

いりましょう」と話し、「区

民の皆さま、お勤めの皆さ

ま、学ぶ皆さま、中区に関

わる全ての皆さまのご協力

をお願いいたします」と呼

びかけている。

中区は1927(昭和2)

年10月1日、横浜市の区制

施行により誕生した5区

(鶴見・神奈川・中・保土ケ

谷・磯子)のうちの1つ。

横浜大空襲や戦後の接収な

どを乗り越え、観光地・商

業地として横浜の発展を支

え、現在にいたる。開港記

念会館は関東大震災や接収

などの危機を乗り越え、89

(平成元)年に国の重要文

化財に指定されている。

未来へ向けて中区全体で盛り上がる1年に

歴史語り継ぐ

周年の紹介

吉田新田完成 350周年現在の中区中心部の礎となったのが「吉田新田」。350年前に釣鐘状の入海を石材木材商・吉田勘兵衛が埋め立てた。横浜が開港の地となったのも、この新田があったからこそ。今年は完成350周年を振り返り、これからのまちづくりを考える契機として、様々なイベントが企画されている。

馬車道 150周年1867(慶応3)年に 60 フィート(約 18.3m)の計画道路が整備

されたのが馬車道の始まり。開港後、現在の関内周辺は外国人の居留地となり、外国人の要請を受けてつくられた。馬車が通るようになると「馬車道」と呼ばれるように。昨年、馬車道商店街協同組合主催で「記念ロゴ」コンペを実施するなど 150周年に向け盛り上がりをみせている。詳細は ys350 検 索

ください

送 日 成 年 月 日

株式会 タウンニ ース社

Tel 04 -2 7-50 Fax 0 5 -5 1田 義区・ 編集室

面外 0 2 m 2

広聴強化と住民参画推進を

中区

三上

章彦区長

区制100周年

に向け区は、防災

・福祉・子育てな

ど住民生活に関わ

る課題に横断的に

対応する機能がよ

り一層求められていく。

その機能強化のために、

区民との多様なチャンネル

を持ち、区民の声に耳を傾

け、それらの声に対する説

明責任を果たしていく必要

がある。また、区民の声を

くみ取り、区の政策に反映

していく機能も求められて

いく。さらには、このよう

な広聴機能を強化したうえ

で、区民が区政に参画でき

るような仕組みを整えるこ

とも重要だろう。2017

年度は、介護・医療・生活

支援など地域包括ケアシス

テム構築の推進や区マスタ

ープラン(まちづくり基本

方針)の素案策定に着手す

る重要な1年だ。一番身近

な総合行政機関として区民

の視点に立った区政運営に

努めるとともに、区民の区

政参画も進めていきたい。 10年後を語る三上区長