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Akamai TechWeek 2020 Japan 2020.6.23 Tue. 26 Fri. 最新技術動向とその詳細ーエッジ・クラウド・インターネットー 開催レポート ニーズの高まるライブ配信 「遅延の圧縮」と「インタラクティブ性」に注目 株式会社スプレッドオーバー 取締役 マーケティングセールス部 神岡 武吏 氏 日本の動画配信サービスは、2015年ごろから急速に規模を拡大してきました。今やユーザーにとってあた りまえのサービスで、5Gが普及していけば、市場はいっそう拡大し、より高品質で利便性が高いサービス、 インタラクティブなサービスも求められるようになります。新しい動画時代に向けて、ライブ配信の「集 客」や「遅延」といった課題をどう解決すべきか。スプレッドオーバーで取締役を務める神岡武吏氏が解説 しました。 急速に成長する 日本の動画配信市場 「集客」と「遅延」の問題は 技術とサービスで解決できる 日本の動画配信サービスの発展は、ブロードバンドサービ スと3G携帯が普及しはじめた2005年ごろからスタートしま した。当時はPCから視聴するコアユーザーのみでした。LTE がスタートしてスマートデバイスが普及しはじめた2010年 ごろには、現在でも主流の動画サービスが登場し、ライト ユーザーへと広まっていきました。 市場の伸びが加速したのは、スマートフォン普及率が7割 を超えた2015年ごろです。有料動画サービスも浸透して、 10年前には300億円規模だった市場は2019年には2700億 円超規模まで成長しました。5Gが本格的に普及すれば、いっ そう市場は拡大していくでしょう。 2020年現在で主流のライブ配信サービス/システムは、 大きく2つに分類できます。 1つは“双方向型(ユニキャスト/マルチキャスト) ”で提供 されるもので、Web会議システムが代表例です。利用者が遅 延なく相互に会話でき、資料なども簡単に共有できます。た だし、配信できるのは簡単なクリエイティブのみで、画質や 音質には限界があり、大規模配信にも向きません。代表的な 配信技術には「WebRTC」などがあります。 もう1つは“一方型(ブロードキャスト) ”、YouTubeなどの動 画配信サービス/システムです。リッチなクリエイティブを 大規模に安定して配信できるというメリットはあるものの、 遅延が大きくインタラクティブな会話は不可能です。また機 材や設定が複雑になりがちです。代表的な配信技術として は「HLS」や「MPEG-DASH」などがあげられます。 ブロードキャスト配信では、「集客」と「遅延」という課題が 無視できません。配信の認知が乏しい、視聴数が伸びないと 悩んでいる担当者も多いでしょう。また、遅延が大きいため に一方通行な配信しかできず、インタラクティブなコミュニ ケーションが難しいというシーンもよくあります。 「技術的な遅延対策には『Akamai Ultra Low Latency with CMAF』が有効です。1~5秒程度の“低遅延”ニーズに最 適で、ライブスポーツやライブニュース、セカンドスクリーン 視聴などを快適に提供できるようになります」と、スプレッ ドオーバーで取締役を務める神岡武吏氏は述べています。 同社は、最先端技術をベースに動画配信プラットフォーム や動画制作サービスなどを提供しています。その1つである インタラクティブ動画配信サービス「SOVE」は、ライブ配信 の効果を高めるのに役立ちます。 「SOVEでは、例えば動画のモデルが着ている服をタップ すると、該当する商品の紹介ページへジャンプさせることが 可能になります。またライブ配信では、FacebookやTwitter といったSNS発信や外部メディア広告などを組み合わせて、 情報拡散と集客を同時に強化することができます。認知度 アップやコンバージョンアップ、リード獲得など、さまざまな 効果を得られます」 (神岡氏)
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Oct 07, 2020

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Akamai TechWeek 2020 Japan2020.6.23 Tue. 26Fri.

最新技術動向とその詳細ーエッジ・クラウド・インターネットー

開催レポート

ニーズの高まるライブ配信「遅延の圧縮」と「インタラクティブ性」に注目

株式会社スプレッドオーバー取締役 マーケティングセールス部神岡 武吏 氏

日本の動画配信サービスは、2015年ごろから急速に規模を拡大してきました。今やユーザーにとってあたりまえのサービスで、5Gが普及していけば、市場はいっそう拡大し、より高品質で利便性が高いサービス、インタラクティブなサービスも求められるようになります。新しい動画時代に向けて、ライブ配信の「集客」や「遅延」といった課題をどう解決すべきか。スプレッドオーバーで取締役を務める神岡武吏氏が解説しました。

急速に成長する日本の動画配信市場

「集客」と「遅延」の問題は技術とサービスで解決できる

 日本の動画配信サービスの発展は、ブロードバンドサービスと3G携帯が普及しはじめた2005年ごろからスタートしました。当時はPCから視聴するコアユーザーのみでした。LTEがスタートしてスマートデバイスが普及しはじめた2010年ごろには、現在でも主流の動画サービスが登場し、ライトユーザーへと広まっていきました。 市場の伸びが加速したのは、スマートフォン普及率が7割を超えた2015年ごろです。有料動画サービスも浸透して、10年前には300億円規模だった市場は2019年には2700億円超規模まで成長しました。5Gが本格的に普及すれば、いっそう市場は拡大していくでしょう。 2020年現在で主流のライブ配信サービス/システムは、大きく2つに分類できます。 1つは“双方向型(ユニキャスト/マルチキャスト)”で提供されるもので、Web会議システムが代表例です。利用者が遅延なく相互に会話でき、資料なども簡単に共有できます。ただし、配信できるのは簡単なクリエイティブのみで、画質や音質には限界があり、大規模配信にも向きません。代表的な配信技術には「WebRTC」などがあります。 もう1つは“一方型(ブロードキャスト)”、YouTubeなどの動画配信サービス/システムです。リッチなクリエイティブを大規模に安定して配信できるというメリットはあるものの、遅延が大きくインタラクティブな会話は不可能です。また機材や設定が複雑になりがちです。代表的な配信技術としては「HLS」や「MPEG-DASH」などがあげられます。

 ブロードキャスト配信では、「集客」と「遅延」という課題が無視できません。配信の認知が乏しい、視聴数が伸びないと悩んでいる担当者も多いでしょう。また、遅延が大きいために一方通行な配信しかできず、インタラクティブなコミュニケーションが難しいというシーンもよくあります。 「技術的な遅延対策には『Akamai Ultra Low Latency with CMAF』が有効です。1~5秒程度の“低遅延”ニーズに最適で、ライブスポーツやライブニュース、セカンドスクリーン視聴などを快適に提供できるようになります」と、スプレッドオーバーで取締役を務める神岡武吏氏は述べています。 同社は、最先端技術をベースに動画配信プラットフォームや動画制作サービスなどを提供しています。その1つであるインタラクティブ動画配信サービス「SOVE」は、ライブ配信の効果を高めるのに役立ちます。 「SOVEでは、例えば動画のモデルが着ている服をタップすると、該当する商品の紹介ページへジャンプさせることが可能になります。またライブ配信では、FacebookやTwitterといったSNS発信や外部メディア広告などを組み合わせて、情報拡散と集客を同時に強化することができます。認知度アップやコンバージョンアップ、リード獲得など、さまざまな効果を得られます」(神岡氏)