GeneSpring GX11.0.2 ビギナーズガイド Agilent 1色法 2条件の比較 繰り返し実験あり 適用 ・薬剤非投与と投与の解析 ・Wild typeとKnock outの解析 ・正常細胞と病態細胞の解析 など ビギナーズガイドは、様々なマイクロアレイの実験デザインがあるなかで、実験デザインの 種類ごとに適切なデータ解析の流れを、実例とともに紹介するガイドブックです。 ご自分の実験デザインに適合したガイドをお使いください。
GeneSpring GX11.0.2ビギナーズガイド
Agilent 1色法2条件の比較繰り返し実験あり
適用
・薬剤非投与と投与の解析
・Wild typeとKnock outの解析
・正常細胞と病態細胞の解析
など
ビギナーズガイドは、様々なマイクロアレイの実験デザインがあるなかで、実験デザインの
種類ごとに適切なデータ解析の流れを、実例とともに紹介するガイドブックです。
ご自分の実験デザインに適合したガイドをお使いください。
生理食塩水投与 エストラジオール投与
コントロール群 薬剤投与群
24時間後、子宮組織からTotal RNA抽出
エストラジオール投与による子宮組織の遺伝子発現はどのように変化するだろうか?
解説用のデータについてこのガイドではNCBI GEOのGSE23072を使用しています。
解析手順とグラフイメージ
エクスペリメントの作成
• データインポート
• ノーマライズ
QCとフィルタリング
• 低品質サンプルの除去
• 低品質プローブの除去
発現差解析
• 統計検定
• 平均値の変化
生物学的な解釈
• GO解析
プロジェクトの作成
• Projectメニュー/New projectから新しいプロ
ジェクトを作ります。作成したプロジェクトにはアレイプラットフォーム、生物種に関係なくエクスペリメントを作成することができます。
プロジェクト名を入力
プロジェクト
エクスペリメント
アレイ1
アレイ2 アレイ3
エクスペリメント
アレイ4
アレイ5
アレイ6
データの階層構造の概念図
エクスペリメントの作成
• プロジェクトの作成後、下記のウィンドウが開きます。または、ProjectメニューのNew experimentからも同様の操作ができます。
エクスペリメント名の入力
プラットフォームの選択Agilent Single Color
ワークフローの選択Advancedを選択
フラグの設定
• 各プローブに付加されたFEのQC情報を基に各プローブにPresent・Marginal・Absentの評価を行います。
• デフォルトがAgilent推奨です。
シグナル検出できないプローブはMarginal
データの品質が悪いプローブはAbsent
ノーマライズオプション
• アレイ間の誤差を補正するノーマライズの設定を行います。
整数で1以下の値は全て1に補正します
ノーマライズ法を選択Agilentでは75Percentileで
Percentile Shiftを推奨しています。
ノーマライズの概要Percentile shiftとは
• 各サンプルの75パーセンタイルを揃えることで、アレイ間の誤差を補正します。
• 補正後は75パーセンタイルが0になります。
75パーセンタイル
各サンプル
各サンプルの75パーセンタイル値を揃える
各サンプル
ノーマライズ前 ノーマライズ後
ベースライン補正
• 2条件の比較の場合は、ベースライン補正を使用しないほうが、元データに近い値を閲覧できます。
• Do not perform~にチェックしてください。
• その後、Finishをクリックするとエクスペリメント作成が始まります。
ここでは使用しませんが、ベースライン補正の詳細はベーシックトレーニングテキスト等をご参照ください。http://www.chem.agilent.com/ja-JP/general/pages/generic35455.aspxGeneSpringGX11/ドキュメント以下にあります。
初めて解析する際の注意
• GeneSpringGXで初めてアレイ解析をする際
はテクノロジーのダウンロードが必要です。下記のポップアップが表示された場合は、「はい」をクリックしてダウンロードを行ってください。
• ダウンロードにはネットワークの速度により、時間がかかる場合があります。
※テクノロジーとは、アレイに搭載されているプローブの遺伝子名や染色体の位置情報等をまとめたデータです。
実験条件の入力エクスペリメントグルーピング
• どのアレイがコントロールサンプルで、どのアレイが薬剤投与サンプルかを入力します。
Samples Treatment type
GSM568946_US22502532_251486821582_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_1.txt Control
GSM568947_US22502532_251486821582_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_2.txt Control
GSM568948_US22502532_251486821582_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_3.txt Control
GSM568952_US22502532_251486821583_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_3.txt Estradiol
GSM568953_US22502532_251486821583_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_4.txt Estradiol
GSM568954_US22502532_251486821584_S01_GE1-v5_95_Feb07_1_1.txt Estradiol
インタープリテーションの作成
• 各アレイにはマウスの個体差や実験誤差が含まれるので、各条件の繰り返し実験を平均値化してから薬物投与の効果を評価します。
• 繰り返し実験があると統計検定が可能になります。繰り返しが無いと統計検定ができません。
インタープリテーションとは
• 繰り返し実験があれば同じ群で平均値化するなどして、ユーザーが解析したいデータを表示する設定項目です。
コントロール群 薬剤投与群
インタープリテーションの設定
アレイ1
アレイ6
アレイ5
アレイ3アレイ2
アレイ4
平均値 平均値比較
数値の表示について
• GeneSpringGXで通常表示される数値は全てLog2の値です。
• このデモデータの場合Percentile shiftした値が0になります。
75 Percentile
スキャッタープロットの表示
• 横軸にコントロール、縦軸に薬物投与のデータをプロットします。中心線から大きく離れた点が大きく変動した遺伝子になります。
高い
低い
薬剤投与群
の発現量
コントロール群の発現量
低い 高い
薬剤投与して発現量が上がった遺伝子
薬剤投与して発現量が下がった遺伝子
このライン上は発現変動なし
3D PCA• 3D空間でX軸を見た場合に、コントロール群と
薬剤投与群が左右に分かれていれば、サンプルへの影響は薬剤投与が一番大きいということになり、良いデータだと言えます。
• 実験誤差や、個体差の影響が薬剤投与よりも大きい場合は、影響の大きい要因がX軸に表示されます。
Ctrlキーを押しながらドラッグすると、3Dの方向を変えられます。
X軸を水平にする
コントロール群
薬剤投与群
Quality Control Metrics Plot• QCの情報をプロットした図です、全てのサンプ
ルが似たようなプロットになっていれば問題ないといえます。
• 3DPCAの情報とあわせて判断して下さい。
信頼できないサンプルがあった場合
• 3D PCAやQC Metricsで信頼できないサンプルがあった場合は除去できます。
サンプルを左に移してOKボタ
ンを押すと、エクスペリメントから削除されます。
低発現プローブの除去 1
フィルタをかけるリストを選択
Raw Dataを選択
Filter by Percentileを選択
6サンプル中1サンプルでも20Percentile以上ならフィルタ通過させます。
悪いフラグの除去 1
許容できるフラグを設定Present:シグナル検出Marginal:シグナル非検出Absent:データの質が悪い
6サンプル中1サンプルでも上記のフラグ設定値以上ならフィルタ通過
フィルタをかけるリストを選択
変動遺伝子の抽出
フィルタをかけるリストを選
択する。
Treatment typeを選択する。
Condition1にEstradiolCondition2にControlを選択
T-Test unpairedを選択する
要注意!!
結果の閲覧
減少 増加
平均値の差
P値
P値とは
コントロール群と薬剤投与群の発現量が同じ確率を表す。低い方がよい。
低い
高い
増加減少
フィルタを通過した数
数が多すぎる場合などChange cut-offからカットオフ値を変更できます。今回は、p<0.01、平均値3倍以上で設定しました。
遺伝子リストをテキストファイルにエクスポートする
エクスポートしたいリストを右クリック
エクスポートしたい値にチェックを入れる
エクスポートしたいアノテーションを右側に移動する
OKをクリックすると指定した場所にテキストファイルが保存されます。
ジーンオントロジー(GO)解析
• GO解析は、自分がピックアップした遺伝子リストとGOコンソーシアムが定義した機能別リスト
の間で遺伝子の内訳がよく似ているリストを検索します。
注意:アノテーションの有無によりGO解析ができないアレイも存在します。
GeneSpringGX GOの機能別リスト
GOのresponse to stimulusと似ている!