293 Ⅵ小便フラッシュバルブ 故障診断とメンテナンス方法
293
Ⅵ小便フラッシュバルブ故障診断とメンテナンス方法
294
症例 1:水が止まらない ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 297
STEP1. 状況の確認 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 295STEP2. 故障診断 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 297
症例 2:水勢が強い/弱い ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 297 症例 3:吐水時間が長い/短い ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 298症例 4:押ボタンから水漏れする ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 298
STEP3. 不具合対応方法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 299
④逆止弁部の掃除、または交換 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 302③チャッキスピンドル、または水勢調節スピンドルの調節 ‥‥‥‥ 301②ピストン部、またはダイアフラム弁の交換 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 300①ピストン部、またはダイアフラム弁の掃除 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 299
⑥調節スピンドルの調節 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 304
ページ
⑤定流量弁部の掃除、または交換 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 303
《参考 1》販売時期と交換部品一覧‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 307
⑦ワン皮パッキンの交換 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 305⑧押ボタン部の交換 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 306
295
STEP1 状況の確認
状況の確認
トイレの調子がおかしいの!
どんな不具合か状況を確認します。
《参考》フラッシュバルブは外観形状、販売時期により大きく 3 タイプに分かれます。不具合対応方法がタイプにより異なる場合がありますので、注意してください。
露出形
押ボタンから水漏れする
水が止まらない 水勢が強い/弱い 吐水時間が長い/短い
▶ P.298 へ▶ P.297 へ ▶ P.297 へ ▶ P.298 へ
’79 〜 ’03 ’03 〜 ’05 ’05 〜
丸みがある代表品番:UF-3 代表品番:UF-3V 代表品番:UF-3J
カバー形
直線的カバー(後)なし カバー(後)あり
296
状況の確認
露出形(品番:UF-3)の場合
本体カバー
調節スピンドル
《各部の名前》
チャッキスピンドル
カバー形(品番:UF-3V)の場合 カバー形(品番:UF-3J)の場合
カバー(前)
カバー(後)
水勢調節スピンドル
クリップリング
カバー下パッキン
ピストン部
スプリング
押ボタン部
クリップリングカバー
スプリング
ダイアフラム弁
フラッシュバルブ本体(下)押ボタン
スプリング
カバー
水勢調節スピンドル
クリップリング
クリップリングカバー
フラッシュバルブ本体(上)
スプリング
ダイアフラム弁
押ボタン
スプリング
フラッシュバルブ本体(下)
カバー固定リング
フラッシュバルブ本体
調節スピンドル
フラッシュバルブ本体(上)
調節スピンドル
STEP2 故障診断症例1 水が止まらない
①本体とピストン部の掃除
▶ P.299
止まった 止まらない
OK
297
症例1:水が止まらない 症例2:水勢が強い/弱い
症例2 水勢が強い/弱い
②ピストン部の交換
▶ P.300
③チャッキスピンドルの 調節
▶ P.301
露出形の場合
③水勢調節スピンドルの 調節
▶ P.301
カバー形の場合
良くなった 良くならない
OK
④逆止弁部の掃除、または交換
▶ P.302
良くなった 良くならない
OK
⑤定流量弁部の掃除、または交換
▶ P.303
※定流量弁付の場合のみ
露出形の場合 カバー形の場合
①ダイアフラム弁の掃除
▶ P.299
止まった 止まらない
OK
②ダイアフラム弁の交換
▶ P.300
298
症例3:吐水時間が長い/短い 症例4:押ボタンから水漏れする
症例3 吐水時間が長い/短い
症例4 押ボタンから水漏れする
⑥調節スピンドルの調節
▶ P.304
露出形の場合
⑥調節スピンドルの調節
▶ P.304
カバー形の場合
良くなった 良くならない
OK
①ダイアフラム弁の掃除
▶ P.299
良くなった 良くならない
OK
②ダイアフラム弁の交換
▶ P.300
良くなった 良くならない
OK
⑦ワン皮パッキンの交換
▶ P.305
良くなった 良くならない
OK
②ピストン部の交換
▶ P.300
⑧押ボタン部の交換
▶ P.306
299
本体とピストン部、またはダイアフラム弁の掃除1
STEP3 不具合対応方法症例1 水が止まらない
①ピストン部、またはダイアフラム弁の掃除
●露出形の場合 ●カバー形の場合
チャッキスピンドル
本体カバー
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる③外す
逆の手順で取り付けます。注 1
ピストン部
カバー(前)
フラッシュバルブ本体(上)
ダイアフラム弁
水勢調節スピンドル
重要ストレーナーはブラシで、小孔は針金(直径 約 0.4mm) な どで掃除してください。
④掃除
⑤ゆるめる
⑥掃除
⑤ゆるめる⑥外す
⑧一旦開けて 本体掃除する
⑦掃除
③外す
②下げる
逆の手順で取り付けます。
重要ダイアフラム弁に変形・損傷がないことを確認し、小孔に息を吹きかけてゴミを取り除きます。
UF-3V タイプ
小孔
注意:作業が完了したらチャッキ(水勢調節)スピンドルを元の位置まで開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
注 1:ワン皮パッキンが変形しないように、回転させながらピストン部を入れてください。
カバー下パッキン
①閉める 回転数を 覚えておく
ストレーナーが白い場合
ストレーナーが白い場合
小孔
ワン皮押えワン皮パッキン
ストレーナー小孔
小孔ストレーナーがないタイプ
ストレーナーが白いタイプ
ストレーナーが黒いタイプ
小孔
小孔
スプリング
⑦一旦開けて 本体掃除する
②ゆるめる
③ツメを 外す
UF-3J タイプ④外す
ストレーナーが黒い場合
300
②ピストン部、またはダイアフラム弁の交換
ピストン部、またはダイアフラム弁の交換2●露出形の場合 ●カバー形の場合
チャッキスピンドル
本体カバー
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる③外す
カバー(前)
フラッシュバルブ本体(上)
水勢調節スピンドル
④交換
⑤ゆるめる⑥外す⑦交換
③外す
②下げる
UF-3V タイプ
カバー下パッキン
①閉める 回転数を 覚えておく
スプリング
②ゆるめる
③ツメを 外す
UF-3J タイプ④外す
♦ : 交換部品
交換部品 ピストン部(P.307 参照)
♦ピストン部
逆の手順で取り付けます。注 1,2
注 1:ゴミかみがある場合は、チャッキスピンドルを少し開け、ゴミを洗い流してください。
注 2:ワン皮パッキンが変形しないように、回転させながらピストン部を入れてください。
交換部品 ダイアフラム弁(P.308 参照)
♦ : 交換部品
♦ダイアフラム弁
逆の手順で取り付けます。注 1
注 1:ゴミかみがある場合は、水勢調節スピンドルを少し開け、ゴミを洗い流してください。
注意:作業が完了したらチャッキ(水勢調節)スピンドルを元の位置まで開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
301
③チャッキスピンドル、または水勢調節スピンドルの調節
チャッキスピンドル、または水勢調節スピンドルの調節3症例2 水勢が強い/弱い
チャッキスピンドル、または水勢調節スピンドルを全開にしても水勢が弱い場合は、水圧不足が考えられます。器具変更・配管手直しなど大がかりな対策が必要です。
小便器洗浄には適正な水勢が必要です。節水目的などでスピンドルを絞りすぎないでください。
チャッキスピンドル
1.押ボタンを押しながら、チャッキスピンドルの開度を適度な水勢に調節します。
チャッキスピンドル
押ボタン
弱くなる 強くなる
①回して調節する
●露出形の場合 ●カバー形の場合
水勢調節スピンドル
1.押ボタンを押しながら、水勢調節スピンドルの開度を適度な水勢に調節します。
水勢調節スピンドル押ボタン
弱くなる 強くなる
①回して調節する
302
④逆止弁部の掃除、または交換
逆止弁部の掃除、または交換4
カバー(前)
フラッシュバルブ本体 水勢調節スピンドル
⑥回す
⑦外す
⑩掃除、または交換
③外す
②下げる
逆の手順で取り付けます。
UF-3V タイプ
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる
③ツメを 外す
UF-3J タイプ④外す
交換部品 逆止弁部(P.308 参照)
♦ : 交換部品
♦逆止弁部
逆止弁固定リング
クリップリングカバー
クリップリング
パッキン
ナット
⑧外す
⑤ゆるめる ⑨外す
注意:作業が完了したら水勢調節スピンドルを元の位置まで開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
303
定流量弁部の掃除、または交換(定流量弁付の場合)5
カバー(前)
フラッシュバルブ本体 水勢調節スピンドル
⑥回す
⑦外す
⑩掃除、または交換
③外す
②下げる
逆の手順で取り付けます。注 1
UF-3V タイプ
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる
③ツメを 外す
UF-3J タイプ④外す
交換部品 定流量弁部(P.308 参照)
♦ : 交換部品
♦定流量弁部
Oリング
クリップリングカバー
クリップリング
パッキン
ナット
⑧外す
⑤ゆるめる
⑨外す
⑤定流量弁部の掃除、または交換
水圧が弱く常に水勢が弱めの場合は、定流量弁を取り除くことで水勢を強くできます。
定流量弁は、密集した住宅地区で発生し易い使用時間帯による圧力変動の
トラブルを防止します。
定流量弁
注 1:常に流量が少なすぎる場合は、定流量弁部を取り除いてください。
注意:作業が完了したら水勢調節スピンドルを元の位置まで開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
304
症例 3 吐水時間が長い/短い
調節スピンドルの調節6
押ボタンを操作して水勢を確認し、弱すぎたり強すぎたりする場合は、チャッキ(水勢調節)スピンドルで水勢を調節してください。
事前チェック
調節スピンドル
短くなる 長くなる
①回して調節する
●露出形の場合 ●カバー形の場合
※10 秒程度を目安としてください。
カバー(前)
調節スピンドル
②外す
①下げる
UF-3V タイプ
①ゆるめる
②ツメを 外す
UF-3J タイプ③外す
フラッシュバルブ本体(上)
短くなる 長くなる
④回して調節する
※スプレッダー式小便器の場合は約 8〜 10秒間、リム式小便器の場合は約 16〜 20秒間を目安としてください。
⑥調節スピンドルの調節
305
⑦ワン皮パッキンの交換
ワン皮パッキンの交換7●ストレーナーが白い、またはない場合 ●ストレーナーが黒い場合
チャッキスピンドル
ワン皮押え
本体カバー
逆の手順で取り付けます。注 1,2
ピストン部
チャッキスピンドル
本体カバー
ピストン部
注意:作業が完了したらチャッキスピンドルを開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
症例3 吐水時間が長い/短い
注 1:ゴミかみがある場合は、チャッキスピンドルを少し開け、ゴミを洗い流してください。
注 2:ワン皮パッキンが変形しないように、回転させながらピストン部を入れてください。
♦ : 交換部品
交換部品 ワン皮パッキン(ワン形パッキン)(P.307 参照)
♦ワン皮パッキン (ワン形パッキン)
交換部品 ワン皮パッキン(Uパッキン)(P.307 参照)
♦ : 交換部品
♦ワン皮パッキン (U パッキン)
⑤交換
ストレーナー
カバー下パッキンカバー下パッキン
ストレーナー
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる ③外す
④ゆるめる
⑤交換
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる ③外す
逆の手順で取り付けます。注 1,2
注 1:ゴミかみがある場合は、チャッキスピンドルを少し開け、ゴミを洗い流してください。
注 2:ワン皮パッキンが変形しないように、回転させながらピストン部を入れてください。
306
⑧押ボタン部の交換
押ボタン部の交換8症例4 押ボタンから水漏れする
●露出形の場合 ●カバー形の場合
チャッキスピンドル
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる
カバー(前)
水勢調節スピンドル
⑤ゆるめる
⑥外す
⑦交換
③外す
②下げる
UF-3V タイプ
①閉める 回転数を 覚えておく
②ゆるめる
③ツメを 外す
UF-3J タイプ④外す
♦ : 交換部品
交換部品 押ボタン部(P.307 参照)
逆の手順で取り付けます。
交換部品 押ボタン部(P.308 参照)
♦ : 交換部品
逆の手順で取り付けます。注 1
注 1:強く締めすぎないでください。破損する恐れがあります。
注意:作業が完了したらチャッキ(水勢調節)スピンドルを元の位置まで開け、小便器洗浄して不具合のないことを確認してください。
♦押ボタン部
♦押ボタン部
③外す④交換
307
《参考1》販売時期と交換部品一覧ここでは主なフラッシュバルブの販売時期と交換部品の詳細を掲載しています。発注する部品の品番を間違えないようにしてください。
《参考1》販売時期と交換部品一覧
表示価格は 2008年 4月現在のメーカー希望小売価格です。表示価格には消費税は含まれておりません。別途消費税相当額の負担をお願いいたします。
商品名 代表品番発売時期75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
露出形フラッシュバルブ UF-3
カバー形フラッシュバルブUF-3VUF-3J
フラッシュバルブ
品 名 露出形フラッシュバルブ品 番 UF-3(1979 〜 1991) UF-3(1991 〜 2003)
外観形状
ピストン部
品 名 ピストン部品 番 A-520
外観形状
ワン皮パッキン
品 名 ワン皮パッキン(ワン形パッキン) ワン皮パッキン(U パッキン)品 番 50-73-4(1P) 50-853(1P)
外観形状
押ボタン部
品 名 押ボタン部品 番 A-521
外観形状
φ17.7 価格:1,800 円
φ36.7価格:240円※断面:L字形状
価格:240円※断面:U字形状
価格:1,430 円
φ36.7
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《参考1》販売時期と交換部品一覧
表示価格は 2008年 4月現在のメーカー希望小売価格です。表示価格には消費税は含まれておりません。別途消費税相当額の負担をお願いいたします。
商品名 代表品番発売時期75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
露出形フラッシュバルブ UF-3
カバー形フラッシュバルブUF-3VUF-3J
フラッシュバルブ
品 名 カバー形フラッシュバルブ品 番 UF-3V(2003 〜 2005) UF-3J(2005 〜 )
外観形状
ダイアフラム部
品 名 ダイアフラム弁品 番 A-4317
外観形状
押ボタン部
品 名 押ボタン部品 番 A-4496
外観形状
逆止弁部
品 名 逆止弁部品 番 A-4501
外観形状
定流量弁部
品 名 定流量弁部品 番 A-4340
外観形状
価格:880円
価格:720円
価格:990円
価格:770円
※カバー形の場合はダイアフラム弁がピストン部に該当