A chance favors a prepared mind.miwalab.cog.human.nagoya-u.ac.jp/cogsciclass2013s/...1! 洞察! A chance favors a prepared mind. ! by Louis Pasteur! セレンディピティ •...

1

洞察

A chance favors a prepared mind.

by Louis Pasteur

セレンディピティ�

• 科学におけるひらめき • 偶然に基づく発見

– the natural ability to make interesting or valuable discoveries by accident　

(Longman Dictionary of contemporary English)

2

日本人ノーベル賞受賞者 (2000年以降)

•  白川英樹 (2000年化学賞) ‒  導電性高分子の発見と発展

•  野依良治 (2001年化学賞) ‒  キラル触媒による不斉反応の研究

•  小柴昌俊 (2002年物理学賞) ‒  天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献

•  田中耕一 (2002年化学賞) ‒  生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発

•  下村脩（2008年科学賞） ‒  緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と生命科学への貢献

•  南部陽一郎・小林誠 ・益川敏（2008年物理学） ‒  CP対称性の破れ。それに基づくクオーク世代の予言。

科学の発展�

時間・データの蓄積 時間・データの蓄積

漸進性 飛躍性

一般問題解決 洞察問題解決

洞察問題解決の特徴�

•  インパスの存在 •  飛躍的解決 •  重要なデータの無視 •  失敗事例からの学習不可能性 •  感情的体験の随伴 •  洞察前後の問題表象の転換

！

3

9点問題�(Wickelgren, 1974)

1

2

3

4

5

3本

4本

5本

6本 以上

不成立

594人中

人数分布�

制約の緩和�

5本 □の枠内という制約

4本 点の制約

3本 線の制約，面の制約

1本�

4

問題空間の切り替え �

• チェッカーボード問題�(Kaplan & Simon, 1990)

手がかり情報の操作�

結果�

0

500

1000

1500

2000

2500

不可能 パリティ 証明

Blank

Color

Black & Pink

Bread & Butter

5

類推の利用�

あなたは胃に腫瘍のある患者を持つ医者です．患者は体力がなく手術ができないため，放射線によって治療を行わなければなりません．強力な放射線を腫瘍に向けて照射すれば，腫瘍を破壊できます．しかし，腫瘍は体内にあるため，健康な組織も同時に破壊されてしまいます．どのようにすればうまく腫瘍だけを破壊することができるでしょうか？�

X線問題　

洞察に関わる3つのプロセス�

BHS (Blocking Hypothesis Space)

(3) 類推の利用

(2) 問題空間の切り替え

Target Space (1) 心的制約の緩和

！

準備された心とは？�

• 飛躍性 vs. 漸進性

• 顕在意識 vs. 潜在意識

6

ブロック仮説空間

ブロック仮説

ターゲット空間

ターゲット

横

縦

Task BH

BHS

制約緩和・問題空間の切り替え �

• 眼球運動の測定 • 発話プロトコル

BHS(Blocking Hypothesis Space)

Target Space

水平方向の探索

垂直方向の探索

発話プロトコル（発見群）

1 6 11 16 21 26

Trials

I1 I2 I3 I4 I5

Target

縦仮説

縦+横仮説

BHS仮説

BH

7

Responses to anomalous data

• 無視 (ignore) • 排除 (reject) • 例外 (exclude) • 保留 (hold in abeyance) • 再解釈 (reinterpret) • 仮説微修正 (peripheral change) • 仮説修正 (change)

(Chinn & Brewer, 1992)

Responses to anomalous data

• 白亜紀末の大量絶滅 – Meteor Impact Theory

無視 排除 保留 再解釈 微修正 修正

0(%) 57 3 0 6 11

0(%) 54 1 0 2 18

データ 対応

強制約 弱制約

生成仮説�

0

1

2

3

4

5

平均BHS内仮説数

発見群未発見群

BHS BH 飛躍的FB

BH 漸進的FB制約なしnothing BHS BH(G) BH(S)

8

眼球運動�

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

試行数

眼球運動の割合

横縦３列目

負のフィードバック直後3試行

発見直前 ３試行

Aha!

発見試行(発見前後 ２分割)

発見直後 3試行

Aha! あれっ？

制約緩和・問題空間切り替え �• 飛躍性 vs. 漸進性

眼球運動

プロトコル

Blocking Hypothesis Space Target Space BHS(Blocking Hypothesis Space)

Target Space

あれっ？ Aha!

Analogy

パフォーマンス 仮説

Base未提示 提示 Base未提示 提示

9

Analogy Correlated

0 2

7

8 7 0

2 0

8

8 1 0

0 6

11

- - -

0 4

4

3 1 2

Positive Negative Story

想起

方法

目標

メカニズム

Virus Task

Other sources

20人中

実験条件�ツ イ ウ

サ ク カ

キ シ エ

ヒント教示なし

ヒント教示あり

ダミー課題条件

○

○

×

ヒントあり

ヒントなし

ー

正答率�

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

統制 ヒント教示なし ヒント教示あり

誤答

正答

6 5 12

61312

各条件有効データ18名

ヒントを明示的に知らせたときのみ，正答率が上昇

ダミー課題

10

平均正答試行数�各条件有効データ18名

ヒント教示なしでもソース課題を行うと成績が向上

ダミー課題

類推の利用�

ツ イ ウ

サ ク カ

キ シ エ

ソース課題 ターゲット課題

× （ダミー課題）

平均正答試行数�各条件有効データ18名

ヒント教示なしでもソース課題を行うと成績が向上