藍澤證券株式会社 2020/07/13 審査番号:200713-A1 アリババ・グループ・ホールディング 王 曦 Alibaba Group Holding Limited. 業種:IT ● 中国最大のEコマース企業 アリババ・グループ・ホールディング(以下同社)は、中 国最大のEコマース企業。米国市場と香港市場に上場。同社 は小売通販サイトの「タオバオ」と「Tモール」、卸売通販サ イトの「アリババ」を運営しているほか、コンテンツ配信や クラウドサービスも手掛けている。このうち小売通販サイト の年間流通総額は世界最大規模を誇る。2020年3月期本決算 の売上構成は、中核商取引(通販サイトの広告料、手数料な ど)が85.6%、クラウド・コンピューティングが7.9%、デ ジタルメディア&エンターテイメント(動画配信など)が 5.3%、イノベーション&その他が1.3%。 ● 2020年1~3月決算は増収減益も事業自体は好調 2020年1~3月決算は、売上高が前年同期比22.3%増の 1143.1億元、純利益が同87.8%減の31.6億元と増収減益。 減益になった主な要因は、実店舗の展開加速でコストが膨ら んだことと、新型コロナ禍に伴う投資先企業の株価下落で投 資評価損が生じたことが考えられる。ただ、同社の事業自体 は非常に好調で、1~3月の事業別売上高は、主力の中核商取 引が前年同期比19.0%増と好調だったほか、新型コロナ禍を 背景にクラウド・コンピューティング(同58.1%増)やイノ ベーション&その他(同89.6%増)も高水準の成⾧を維持し た。また、注目指標である小売サイトの年間取扱高(GMV) は前年比36.7%増の6.6兆元、年間アクティブ・バイヤー数 は同11.1%増の7.3億人と事業規模が着実に拡大した。 ● 「618商戦」の取扱高が過去最高を更新 今年6月、中国では大型ネットセールである「618商戦」が 開催された。その中でアリババの取扱高は6982億元(約10.6 兆円、5月25日~6月18日の合計)と過去最高を更新し、新 型コロナ禍による消費低迷懸念を払しょくした。足元、中国 の経済や株価が回復していることを考慮すると、アリババの 主な収益源であるネット通販事業は年末に向けて再び成⾧ が加速するだろう。また、新型コロナ禍をきっかけに、同社 の日用品・食品通販、クラウドサービス、動画配信サービス、 遠隔ワークソフトに対する需要も高まっており、中⾧期に見 ればこれらの事業の成⾧余地は大きいと見ている。 外国企業レポート 香港: 9988/Z8924 株式データ 2020/7/10 現在 株価 255.40香港ドル 売買単位 100株 時価総額 5兆5262億香港ドル 予想 PER 30.64倍 ROE 23.93% 52 週高値 263.80香港ドル 52 週安値 167.60香港ドル 業績推移 【連結】 決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 '17/12 250,266 58.1% 63,985 46.5% 25.06 0.00 '18/12 376,844 50.6% 87,600 36.9% 33.95 0.00 '19/12 509,711 35.3% 149,263 70.4% 56.82 0.00 単位:百万元、ただし 1 株利益は元、1 株配当は香港ドル ※1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2019年11月29日~2020年7月10日) [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともにブルームバーグ 等、アイザワ証券作成] その他 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を本資料の 2 ページに記載させていただきました。