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8.フラクタルと次元 8.1 縮小写像と反復関数系 (1)縮小写像(Contraction Map) *次のような写像  を縮小写像という F F : R 2 ! R 2 for " v , " w , F( v) # F( w) < v # w *縮小写像の例 F k ( v) ! F k ( w) = 1 2 v ! w < v ! w , ( k = 1,2, 3) したがって、        は縮小写像である F k , ( k = 1,2, 3) F 1 x y ! " # $ % & = x 1 y 1 ! " # # $ % & & = 1 2 0 0 1 2 ! " # # # # $ % & & & & x y ! " # $ % & F 2 x y ! " # $ % & = x 2 y 2 ! " # # $ % & & = 1 2 0 0 1 2 ! " # # # # $ % & & & & x y ! " # $ % & + 1 2 0 ! " # # $ % & & F 3 x y ! " # $ % & = x 3 y 3 ! " # # $ % & & = 1 2 0 0 1 2 ! " # # # # $ % & & & & x y ! " # $ % & + 1 4 8 4 ! " # # # # $ % & & & &
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8.フラクタルと次元 - Bonryu8.3 ストレンジ・アトラクター ★Peter Grassberger, Itamar Procaccia, Measuring the strangeness of strange attractors, Physica 9D

May 29, 2020

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8.フラクタルと次元

8.1 縮小写像と反復関数系(1)縮小写像(Contraction Map)

  *次のような写像  を縮小写像という

F

F :R2!R

2

for "v,

"w, F(v) # F(w) < v #w

*縮小写像の例

Fk(v) ! F

k(w) =

1

2v !w < v !w , (k =1,2,3)

したがって、        は縮小写像である

Fk, (k =1,2,3)

F1

x

y

!

"#

$

%& =

x1

y1

!

"##

$

%&&=

1

20

01

2

!

"

####

$

%

&&&&

x

y

!

"#

$

%&

F2

x

y

!

"#

$

%& =

x2

y2

!

"##

$

%&&=

1

20

01

2

!

"

####

$

%

&&&&

x

y

!

"#

$

%& +

1

2

0

!

"

##

$

%

&&

F3

x

y

!

"#

$

%& =

x3

y3

!

"##

$

%&&=

1

20

01

2

!

"

####

$

%

&&&&

x

y

!

"#

$

%& +

1

4

8

4

!

"

####

$

%

&&&&

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(2)反復関数系(Iterated Function System)

K

F

:  の有界集合の集まり:次のような写像(縮小写像の組、反復関数系)

R2

F

(A) = F1(A)!F

2(A)!F

3(A) (A ! )K

例による説明

          が  上の有界閉集合なので、これらの和である    も  上の有界閉集合であるF

R2

R2

! "

#

$

[1]   の任意の有界集合  を一つ選ぶ。例として    をx軸上の単位区間[0,1]を底辺にもつ正三角形とする

[2] 任意のn に対して[3]        はシェルピンスキーガスケット  (Sierpinski Gasket)である

A

(n )(A)!

(n +1)(A)FF

!n!1

(n )(A)F

F1(A), F

2(A), F

3(A)

(A)

複数の縮小写像を使って点列を構成するアルゴリズム

A

R2

一般化

F1(A), F

2(A), F

3(A) :  上で定義された縮小写像

R2

F :   上の任意の有界閉集合について定義された次の写像

R2

(A) = F1(A)!F

2(A)!"!F

n(A)F

AF

= (AF)F       となるような唯一の有界閉集合  が存在する。

  を  のアトラクターと呼ぶ   

AF

AF F

! 例で与えた反復関数系のアトラクターはシェルピンスキーガスケットである  例では、初期条件として三角形を与えたが、任意の初期条件から始めても同  じアトラクターに到達する

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Waclaw Sierpinski(1882-1969)★http://en.wikipedia.org/

Karl Menger(1902-1985)

1D Cantor Set

2D Sierpinski Carpet

3D Menger Sponge

★http://en.wikipedia.org/

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8.2 フラクタル次元(1)フラクタル(Fractal)① 図形の分類*特徴的な長さを持つ図形(滑らかさのある形) 特徴的な長さより小さな変化を滑らかに近似しても特徴が保存するような図形*特徴的な長さを持たない図形 いくら拡大しても滑らかにならないような図形② 自己相似性  特徴的な長さを持たない図形の特徴  自己相似性を持つ図形の例  Koch曲線(Helga von Koch)、雲、海岸線、山の起伏、河川の形③ フラクタル ・特徴的な長さを持たない図形、構造、現象等の総称 ・Mandelbrot により1975年に提唱された ・厳密な定義はない

(2)次元とは

① 経験による常識 ・経験的には、独立に選べる空間変数の数(自由度)を「次元」と言うことが多い  したがって、常識的な意味での次元は整数である ・具体例   点:   0次元   直線:  1次元   平面:  2次元   生活空間:3次元

② 次元の拡張   一般の自由度を「次元」と考えるならば、整数n について「n 次元」が考えられる

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③ 平面充填曲線  ペアノ曲線:正方形を埋め尽くす連続な曲線

正方形の1辺の長さを半分にした正方形で反復的にもとの正方形を埋めていくと一筆書きの曲線でもとの正方形の内部を埋め尽くすことができる。この操作を無限回行なってできた曲線をペアノ曲線と呼ぶ。

:最初の正方形の辺上の点の集合

X0

X1

= fA (X0)! fB (X0

)! fC (X0)! fD (X0

)

fA, fB, fC, fD :正方形の辺の長さを半分にして、左下、左上、右下、右上に移す縮小写像

問題点ペアノ曲線では、平面内の1点、3次元空間内の1点の位置が1つのパラメータによって表せる。則ち、1次元ということになる。

次元の概念を再考する必要がある

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(3)相似次元(Similarity Dimension)

*「ある図形が、長さを  にした相似図形   個で構成されている時、 その図形は  次元図形である」という。このように定義される次元を相 似次元という。

1/a

aD

D

例1線分 正方形 立方体

2 = 21

4 = 22

8 = 23

1次元 2次元 3次元

① 相似次元とは  *図形の自己相似性(Self-Similarity)に着目して定義した次元。

例2 例3

例4:ペアノ曲線

4 = 22

2次元

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② 相似次元の計算法自己相似性を持つ図形: 全体を   にした図形 個から成り立つ。したがって、

1/a

b

aD

= b

D loga = logb

! D =logb

loga

例1:コッホ曲線(Koch Curve) Helge von Koch (1870-1924)

 自己相似性を持つ図形を描くには無限回の操作が必要なので、厳密に描くことはできないが近似的には次の図のように描ける。コッホ曲線はもとの図形を1/3 (a=3)

した図形4個 (b=4) からできている。

D =log4

log3=1.2618....

例2:カントール3進集合

! "

!##########"$%#######&$%########"$'#####################################&$'#######($%#######)$%###########"

*"" *"&

*&" *&& *&' *&+

*'" *'& *'' *'+ *', *'- *'( *')

[0,1]に含まれる実数のうち、3進展開した時どの桁にも「1」を含まない数の集合。幾何学的には下図のような操作を無限回行なって得られる。

全体を1/3 (a=3) にした図形2個 (b=2) でできる。

D =log2

log3= 0.630929753

0.1 0.2 1.0

0.100.020.01 1.00.220.21

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(4)容量次元 (Box-Counting Dimension)「相似次元」の適用範囲は、規則的な自己相似性がある人工的な「規則的フラクタル図形」にかぎられている。 自然界の図形のように厳密な自己相似性のなりたたない図形にまで相似次元を拡張して「容量次元」が定義される。

① 集合  の容量次元とは

S

S! Rn

n =1,2,3

 次元の箱:閉区間(n=1)、正方形(n=2)、立方体(n=3)

n

N(!) :任意の    に対して、1辺の長さ の 次元の箱で集合 を完全に覆うのに必要な箱の数

!(> 0)

!

n

S

N(!) " C1

!#

$ % &

' (

D

lnN(!) " D ln1

!+ lnC

D "lnN(!)ln(1/!)

)lnC

ln(1/!)"lnN(!)ln(1/!)

そこで、容量次元  を次のように定義する。

DB

DB! lim

"#0

lnN(")

ln(1/")

! =1

3

! =1

9

N(1/3) = 8

N(1/9) = N((1/3)2) = 8

2

N((1/3)n) = 8

n

DB

= limn!"

ln8n

ln3n

=ln8

ln3=1.892789264...

② 計算例:シェルピンスキー・カーペット

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!ある図形Sの容量次元(相似次元)が存在し、それが整数でない時、「Sはフ ラクタル次元を持つ」と言う。

図形 a b Dカントール3進集合 3 2   ln2/ln3=0.630929753...

コッホ曲線 3 4   ln4/ln3=1.261859507...

シェルピンスキー・ガスケット 2 3   ln3/ln2=1.584962501...

シェルピンスキー・カーペット 3 8   ln8/ln3=1.892789264...

ペアノ曲線 2 4   ln4/ln2=2

メンガー・スポンジ 3 20   ln20/ln3=2.72683308...

(5)ハウスドルフ次元(Housdorff Dimension)

① ハウスドルフ測度集合  を、直径が    より小さい可算個の球によって覆う。各球の直径を       とする。

E

!(> 0)

この時、D次元ハウスドルフ測度は次のように与えられる。

MD(E) ! lim

"#0infd

k<"

dk

D

k=1

K

$

d1, d

2,.....d

K

集合  について、Dを0から順次増やしていくと、  の値は最初  であるが、あるところで0になる。この境界のDがハウスドルフ次元  である。則ち、

E

② ハウスドルフ次元

!

DH

DH = sup D :MD (E) = !{ } = inf D :MD (E) = 0{ }

!ハウスドルフ次元は半径 以下の球で覆う。容量次元は一定の大きさ の 立方体で覆う。

!

!

Felix Hausdorff1868-1942

http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/Mathematicians/Hausdorff.html

M

D

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例1:線分

長さ1の線分を長さdの区間K個で覆う。

d ! K =1

MD

= limd"0

K ! dD

= limd"0

dD#1

=$ (D <1)

0 (D >1)

%

&

'

例2:コッホ曲線

DH

=1

 回目の反復で、長さ  の線分が  本できる。⇨ この時、直径    の円で覆うためには  個の円が必要である。

k

3!k

4k

d = 3!k

4k

したがって、

MD

= limk!"

4k(3

#k)

D= lim

k!"

4k$ 3

#kD

4k

= ek ln 4

3#kD

= e#kD ln 3

% MD

= limk!"

ek(ln 4#D ln 3)

MD

=! (D < ln4 /ln3)

0 (D > ln4 /ln3)

"

#

$

% DH

=ln4

ln3

8.3 ストレンジ・アトラクター★Peter Grassberger, Itamar Procaccia, Measuring the strangeness of strange attractors, Physica 9D (1983) 189-208.

★O.E. Lanford, In Hydrodynamic Instabilities and the Transition to Turbulence, Springer-Verlag, New York, Chapter 2 (1981)

(1)アトラクター散逸のあるシステム ・散逸+駆動力 ⇨ 動的あるいは静的なある状態=アトラクター ・相空間の散逸流れが、十分時間が経過してから落ち着く、相空間次  元より小さな次元の部分空間であるが、必ずしも、一般的にうけ入  れられている定義はない。数学的な定義(by O.E. Lanford)

A ! V ! Rn

f :V "Rn

次の条件を満たす時、 を写像    のアトラクターという。1)  は  の閉じた不変部分集合である。2)  が  にあれば、写像をくりかえすことで、必ず      となる      の近傍  が存在する。すなわち、3)  は、上の条件を満たす部分集合にはわけられない。

A

V

s

U

f (t,s)! A

A

A

f (t,s)

U

U = s | f (t,s)! A, for t>"T{ }

A

f (t,s):相空間の点 を始点としたと きの 時間後の相空間中の位 置(状態)。

s

t

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(2)ストレンジ・アトラクター

シンプル・アトラクター ポイント・アトラクター:減衰振動等 リミット・サイクル:非線形強制振動、自励振動等 リミット・トーラス

ストレンジ・アトラクター、カオス・アトラクター アトラクターが非整数次元をもっていたり、カオス的な時 エノン・アトラクター、レスラー・アトラクター ローレンツ・アトラクター等

・ストレンジ・アトラクター:アトラクターが非整数リヤプノフ次元を持つ・カオス・アトラクター:アトラクターが正のリヤプノフ指数を持つ  これらは普通一致するが、一致しないこともある(Strange NonChaotic Attractor)

(3)ストレンジ・アトラクターの特徴量

① リヤプノフ指数(Lyapunov Exponents)相空間内の無限小球 ⇨(時間発展)⇨ 楕円体

ストレンジ・アトラクター:散逸系アトラクター            ⇩・F次元相空間内の部分空間・アトラクター近傍はアトラクターに吸引されるので、体積は「0」になる・ただし,体積要素は全ての方向について「0」になるのではない・有限領域に収まるために、体積要素は折り畳まれる(Folding)・別の方向には引き伸ばされる(Stretching)

!i(t) " !

i(0)e

#it

(i =1,2,...F)

!i

#i

#i

i=1

F

$ < 0

:主軸:リヤプノフ指数

(体積⇨0 であるから)

ストレンジ・アトラクターでは、少なくとも一つのi について:

!i

> 0

「   」はStretchingについてのみ表しており、Foldingについては言及していない

!i

> 0

これを実験的に確認するのは難しい

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② フラクタル次元(Box Counting Dimension)この呼び方は少しあいまいであるが、ここでは、とりあえず、このように呼んでおく。

d!次元相空間の中にアトラクターが存在する(当然、dは整数)1辺 の立方体でアトラクターを覆う時必要な立方体の数を   とする     として、      となる。

!

N(!)

! " 0

:フラクタル次元

アトラクターは散逸が駆動力に勝った時に生じるので、必ず相空間体積の減少をもたらす。この時、最終状態がポイント・アトラクターやリミット・サイクルの時には次元の減少は整数であるが、相空間体積の縮小の仕方によっては次元の減少量が非整数になる(フラクタル次元)。

フラクタル次元  は容量次元  である。

DB

DC

DB

= lim!"0

lnN(!)ln(1/!)

#

$ %

&

' (

N(!) ~ !"D

B

③ リヤプノフ指数とストレンジ・アトラクターの次元★E.A. Jackson, Perspective of Nonlinear Dynamics II (Cambridge Univ. Press, 1991).

1)2次元相平面内の1辺が1の正方形の内部にあるアトラクターを考える。2)1辺を    倍して、他の辺を    倍する2次元写像を考える。  ここで、    とする。したがって、相平面面積は減少する。3)この図形を、元の正方形の中にはめ込む(馬蹄形図形:面積が小さいので可能  である)。ストレンジ・アトラクターは、この折り畳んだ図形の中にある。この  図形は1辺が  の正方形で覆うことができ、その数は       である。

L1(>1)

L2(<1)

L1L2

<1

L2

N(L2) ! L

1/L

2

ストレンジ・アトラクターと同じ性質を持つ集合を平面上の写像により作り出す。

Smale変換、馬蹄形力学馬蹄形アトラクター

2倍に引き伸ばし:初期値鋭敏性

面積が小さくなる:散逸性

正方形内の全ての点がアトラクターに吸引される

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4)写像を繰り返す。写像でできた図形は馬蹄形に変形して、前のステップの馬蹄形  図形の中に折り畳まれる。ストレンジ・アトラクターはこの図形の中に存在し  て、1辺の長さが  の正方形で覆われ、その数は       である。5)このプロセスを 回繰り返すと、ストレンジ・アトラクターは、1辺が  の  正方形で覆われ、その数は        となる。

L2

2

N(L2

2) ! (L

1/L

2)2

L2

k

N(L2

k) ! (L

1/L

2)

k

容量次元  は     であたえられるので、   としてを  について解いて、ストレンジ・アトラクターの容量次元として次式が得られる。

DC

N(!) " !#D

C

! = L2

k

N(L2

k) = (L

1/L

2)

k! (L

2

k)"D

C

DC

DC

=1+lnL

1

lnL2

k

リヤプノフ数  からリヤプノフ指数  に直して(    )次式を得る。

Lk

!k

Lk

= e!

k

DC

=1+!1

!2

高次元への一般化(Kaplan-Yorke予想)★J.L. Kaplan, J.A. Yorke, Preturbulence: a regime observed in fluid flow model of Lorenz, Commun. Math. Phys.

67 (1979) 93-108.

1)リヤプノフ指数を次のように順序付けする。

2)次式を満たす最大の整数を  とする。

!1" !

2"! " !

m

j

!k

k=1

j

" # 0

すなわち、 は次式を満たす。

j

L1L2!Lj !1

3)Kaplan-Yorke次元を次のように定義する。

DKY = j +

!k

k=1

j

"

!j +1

多くの場合、

DKY

= DC

Kaplan-Yorke次元はリヤプノフ指数を使って計算するので、リヤプノフ次元という人もいる。

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④ 一般化次元★A. Renyi, On a new axiomatic theory of probability, Acta Mathematica Hungarica, 6 (1955) 285-335.

1)一般化エントロピー(q!次エントロピー)

:通常の離散確率分布のエントロピー

2)類推:一般化次元

D0 = limr!0

ln(N)

ln(1/r)

D1 = limr!0

S1ln r

D2 = limr!0

ln pi2

i=1

N

"

ln r

:情報量次元

:相関次元

:容量次元

Sq=

1

1 ! qln p

i

q

i=1

M

"

S1= lim

q#1

Sq= ! p

ii=1

M

" ln pi

Dq= lim

r!0

Sq

ln(1/r)= lim

r!0

1

q " 1

ln pi

q

i=1

N

#

ln r

pi

q= exp(q ln p

i)

S1 = limq!1

Sq= lim

q!1

1

q " 1ln p

i

q

i=1

N

#

= limq!1

1

1

pi

q ln pi

i=1

N

#

pi

q

i=1

N

#= p

iln p

ii=1

N

#

⑤ 相関次元

Xi , i =1,2,...N{ }

C(!) = limN!"

Number of Pairs (i, j) | Xi # Xj < !{ }C(!) ~ !$

$

:アトラクター上の点

:相関次元

一般に、また、 は   よりも計算が簡単である

D !" !#

!

D,!

例:ロジスティック写像

xn +1 = ax

n(1! x

n)

a = a"

= 3.5699456...

0.5376 < D < 0.5386

# = 0.517097

0.4926 < $ < 0.5024

a = 4

D = # = $ =1