3-3 脂質の機能と種類 • 食事で摂取する主要な脂質は中性脂肪(トリアシルグ リセロール、Triacylglycerol)。その他にコレステ ロールやリン脂質。 • 主要な機能:エネルギー源/9kcal/g。炭水化物やたん ぱく質よりも高エネルギー。 • コレステロールとリン脂質は細胞膜の主要な構成成 分。 •リン脂質の脂肪酸がプロスタグランディンなどの生理 活性物質になる。 •コレステロールは、胆汁酸、性ホルモン、副腎皮質ホ ルモン、ビタミンDの前駆体。 • 脂質:ビタミンB1節約作用がある。炭水化物がエネル ギーを生産するときはB1が必要だが、脂質では必要な いため)。 • 摂取目標量:30~69歳ではエネルギー比で20~25% /成長期は30%まで。 •リポたんぱく質として血中を輸送される。 • リポたんぱく質の分類:キロミクロン(食事性脂肪・ 外因性脂肪)、VLDL(Very L o w D e n s i t y Lipoprotein、超低密度リポたんぱく質)、LDL(Low Density Lipoprotein、低密度リポたんぱく質)、 HLD(High Density Lipoprotein、高密度リポたんぱ く質)。 • 脂肪酸:炭素(C)数と不飽和結合の数と位置によって 分類/炭素数6個(C6)までを短鎖脂肪酸、C8~12 を中鎖脂肪酸、C14以上を長鎖脂肪酸/食事中の中性 脂肪のほとんどの脂肪酸はC16~20。 • 食品中及び体内に最も多いのは、飽和脂肪酸のパルミ チン酸(C16:0)/C16:0は炭素数が16で不飽和結合 が0であることを表す。 • 体内で余剰のエネルギーが脂肪酸に合成されるときに は、先ずパルミチン酸ができた後、炭素鎖が伸長して ステアリン酸(C18:0)ができ、さらに不飽和結合を 一つもつオレイン酸(C18:1)が合成される。 • 多値不飽和脂肪酸は不飽和結合を複数もつ/体内では 合成できないものが必須脂肪酸と呼ばれる/摂取が不 足すると皮膚炎などの欠乏症状が現れる/n-3系とn-6 系がある/n-6系脂肪酸(アラキドン酸)からは炎症を 起す作用の強いプロスタグランディンやロイコトリエ ンが産生されるので、多量摂取は避けるのが望まし い。 •n-3系は植物油(α-リノレン酸)、魚油(EPAや DHA)から供給される/血中中性脂肪の低下、血栓生 成防止などの作用がある。 • 日本人のn-3系脂肪酸の摂取量は欧米諸国よりも多い。 6 栄養素の機能と代謝 3-3脂質の機能と種類 21 糖鎖 脂質 末梢 たんぱく質 構築 たんぱく質 細胞膜の構造