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真の父母経 第一篇 真の父母様の権限と真の父母時代
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真の父母経001

Jul 12, 2016

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Page 1: 真の父母経001

真の父母経

第一篇 真の父母様の権限と真の父母時代

Page 2: 真の父母経001

まえがき

神様は、人間を創造され、生育、繁殖、万物主管の三大祝福を下さいました。しかし、人間始祖の

堕落によって、三大祝福がこの地で実現できなくなり、人間創造に対する喜びを享受なさることがで

きなかったのです。

文鮮明先生は、アダムとエバの堕落によって失ってしまった真の父母の位置を復帰するため、あら

ゆる蕩減条件を立て、神様が準備された韓鶴子女史と、一九六○年、「小羊の婚宴」である聖婚祝福式

を挙行され、最初の理想夫婦として真の父母の位置に就かれました。そして、神様のみ言と愛によっ

て子女をお生みになり、神様を中心とした四位基台の理想を成し遂げ、善の人間始祖となることによ

って、創世以降、初めて天の家庭の伝統を立てられたのです。

真の父母様は、メシヤ、再臨主として、億万のサタンと闘い、地上と霊界ですべて勝利して復帰摂

理を完成、完結、完了し、神様と一心、一体、一念、一和を成し遂げて、神様の実体対象となられま

した。また、人類の真の父母、真の師、真の主人として真の愛を実践し、世界平和の道を築いて、つ

いに創造理想世界である天宙平和統一国、すなわち天一国を宣布されました。

このたび発刊する『真の父母経』は、三大祝福を実現することによって神様の恨を解こうと、生涯

を生きてこられた御夫妻の行跡を、み言を中心として十三篇に分類し、真の父母様の主要摂理の年表

を収録しました。み言は、その内容が広大無辺かつ千状万態であり、さながら空のように広く、海の

ように深く、到底、(全体像を)推し量るすべがありません。今回、その膨大なみ言を、真の父母様が

成就された業績を中心大綱に据え、縦横、前後から立体的に整理し、『真の父母経』という名称で集大

成することになりました。『真の父母経』は、真の父母様の聖誕と成長、召命、聖婚、そして人類救援

と平和世界実現のための多様な摂理的行跡など、感動的な生涯路程に関するみ言を、一目瞭然に整理

したものです。したがって、『真の父母経』は、真の父母様が残された血と汗と涙の戦勝記録であり、

摂理史の最終報告書であると言うことができます。

特に、真のお父様の聖和以降、真のお母様は、膨大なみ言を要約、集大成して「天一国三大経典」

を編纂することを強調されました。これは、千秋万代に伝えるべき経典であり、天一国の永遠の礎石

を据え、里程標を立てる非常に重大な聖業であると言わざるを得ません。こうして二〇一三年の天一

国基元節には天一国経典の『天聖経』、『平和経』を奉呈し、続いて二〇一五年の紀元節に『真の父母

経』を発刊することになりました。特に、『真の父母経』では、永遠に伝承する経典という観点から、

これまで多様に使われてきた真の父母様の呼称を、「お父様」、「お母様」、「父母様」に統一し、各篇に

添えた前文は、初版発刊時のものとして整理しました。

これから私たちは、真の父母様が残してくださったみ言を生活化し、真の愛の典型的な生涯路程を

手本として、天一国を完成する伝統の継承者、相続者にならなければなりません。それが、神様のみ

旨を実現するために、全生涯を捧げられた真の父母様の希望であり、願いであるからです。

『真の父母経』を下さった神様と天地人真の父母様に、賛美と栄光をお捧げし、心から感謝申し上

げます。この経典を読まれるすべての方に、大きな感動と恩恵が満ちあふれ、神様の祝福が永遠に共

にあることを願います。

天一国三年天暦一月十三日(二〇一五年陽暦三月三日)

世界平和統一家庭連合

第一篇 真の父母様の権限と真の父母時代

第一章 真の父母の復帰摂理史的意味

第一節 真の父母は人類の真の始祖

第二節 再臨主である真の父と聖霊の実体である真の母

第三節 真の父母は復帰摂理の完成者

第四節 真の父母は神様の実体

第二章 真の父母様の聖婚と真の父母時代

第一節 真の父母様の聖婚と「小羊の婚宴」

第二節 真の父母様の聖婚式

第三節 聖婚式後の七年路程と真の子女の誕生

第四節 真の父母時代と救援摂理の完成

第五節 真の父母様に倣い、真の父母となる道

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第一篇 真の父母様の権限と真の父母時代

人類の最初の先祖であるアダムとエバは、「善悪を知る木からは取って食べてはならない」(創世記

二・一七))と言われた神様の戒めを守り、成長期間を無事に通過して完成した人間になったのち、祝

福を受けて人類最初の夫婦となり、善なる人間始祖となるべきであった。

しかし、アダムとエバは、サタンの誘惑に勝てず、個性を完成する以前の成長期間である、長成期

完成級の段階で善悪の実を取って食べ、血統を汚すという罪を犯し、これが原罪となった。これによ

り、アダムとエバは善なる人類始祖になることができず、悪なる子孫を繁殖することにより、堕落し

た家庭、氏族、民族、国家、世界がつくられ、神様が願わない地上地獄と天上地獄が生じてしまった

のである。

神様は、堕落した人類を救うため、メシヤであると同時に第二アダムの使命者として、ひとり子で

あるイエス様をアダム以降四千年ののちに、選民として育ててきたユダヤ民族に送られた。もし彼ら

がイエス様を信じ、一つになっていたならば、イエス様はその中から第二エバを探し出し、新婦とし

て立て、聖婚式をして神様を中心とした夫婦になり、真の父母となって、人類の救援摂理歴史を完遂

したであろう。

第二アダムとして来られたイエス様のメシヤ路程が、選ばれた者たちの不信によって道半ばで挫折

するや、神様は再び、第三アダム、再臨のメシヤを送る摂理をされるようになった。復活されたイエ

ス様と聖霊の重生の役事(働き)を通した、キリスト教の霊的救援摂理の二千年史は、第三アダム、

再臨のメシヤを迎えるための基盤だったのである。

再臨のメシヤは、空中降臨ではなく、イエス様の時のように、女性の体を通して神様のひとり子と

して生まれるのであり、ユダヤ教団がイエス様をメシヤとして侍らなければならなかったように、キ

リスト教団は、再臨のメシヤを信じ、侍らなければならない。再臨のメシヤは、人間始祖が罪を犯し、

原罪をもつようになった背景をはじめとして、徹底的に究明することにより、サタンの正体を明らか

にして罪の根を抜き、霊界圈を相手に、生死を懸けた闘いに勝利し、最後にはサタンを自然屈伏させ、

数多くの教主と宗王から、「再臨のメシヤ、真の父である」という証言を受け取らなければならない。

これとともに、救援摂理の結実として準備されたひとり娘、聖霊の実体を探し出し、新婦として迎え

てこそ、再臨のメシヤのみ旨は、地上に着地できるのである。

神様は、このような再臨のメシヤの真の父母摂理を完成するため、この地に二人のお方を誕生させ

られた。それが、再臨のメシヤ、すなわち第三アダムとして来られた文鮮明・真のお父様と、第三エ

バ、すなわち聖霊の実体であり再臨のメシヤの新婦として来られた韓鶴子・真のお母様である。

御夫妻は、「弘益人間(ホンイクインガン=広く人間世界に利する)・在世理化(チェセイファ=世

を治め教え導く)」の開天・開国理念により悠久なる歴史と文化の伝統を備え、神様を敬い、平和を愛

好してきた韓半島に誕生された。一九二〇年、陰暦一月六日、平安北道(ピョンアンブクト)の定州

(チョンジュ)でお生まれになった真のお父様は、天の特別な摂理の役事によって幼少期を過ごす中、

十六歳(数え)になった年の復活節を迎える週に、イエス様を通して、「再臨の使命を受け継がなけれ

ばならない」という神様からの召命を受けられた。それから、真理探究のため、血のにじむ苦難の道

を歩まれ、ついに創造原理、人間の堕落と罪の根、人間の責任分担および蕩減復帰摂理の原理原則を

明らかにし、救援摂理の歴史過程に錯綜するあらゆる曲折を解かれたのである。

神様は、蕩減復帰摂理の中心主体として再臨主を地上に送られるとともに、その方の相対、配偶と

して来られる第三エバを復帰する摂理を進めてこられた。再臨主の誕生を前後して、韓半島に神霊運

動が大きく広がるとともに、真のお母様の家系も、その中に加わるようになる。このような摂理的背

景の中で、真のお母様は、一九四三年、陰暦一月六日、母方の実家のある平安南道(ピョンアンナム

ド)の安州(アンジュ)でお生まれになった。真のお母様は、再臨主の地上誕生を信じてきた外祖母

の趙元模(チョウォンモ)女史、洪順愛(ホンスネ)大母様(テモニム)、真のお母様へと続く三代の

ひとり娘の家庭で成長することにより、天の新婦として備えられた生活を出発された。そして、腹中

(ボクチュン)教の許浩彬(孝彬)(ホホビン)氏の母親が、六歳になった真のお母様に「天の新婦に

なられる方」と祝福をするなどの、霊的証があったのである。

一九四五年八月十五日、韓半島が光復とともに南北に分断される時、真のお父様は韓国でキリスト

教を中心として公式路程を出発された。しかし、予定されていた神霊教団の不信によって、北朝鮮の

平壌(ピョンヤン)に行かれて伝道活動をされたが、ここでもキリスト教団の嫉妬と共産党当局によ

る罪の捏造によって監獄での苦難を経験され、二度にわたり厳しい苦難の道を行かれなければならな

かった。真のお父様は、六・二五動乱によって興南(フンナム)監獄から出獄される時まで、霊肉共

に蕩減復帰の勝利的基台を立て、南に下ってついに一九五四年五月一日、ソウルで「世界基督教統一

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神霊協会」を創立された。これは、真のお父様が三十四歳になられた年の出来事であり、イエス様の

三十三年の受難の生涯を蕩減復帰する条件を立てられた土台の上で、キリスト教団に代わってアベル

型教団を立てて新しく出発されたのである。

協会創立以降、真のお父様が発表する原理のみ言に感動し、数多くのキリスト教徒たちが押し寄せ

るようになると、これに脅威を感じた一部のキリスト教団が、真のお父様をより一層、迫害し、(真の

お父様が)投獄されるという事態にまで至った。しかし、従う弟子たちが真のお父様を再臨されたメ

シヤとして、それまで以上に固く信奉するようになり、長成期完成級に復帰する勝利的条件を探して

立てるようになった。

これにより、光復後、公式路程の十四年を経た一九六〇年四月十一日、ついに天が特別に聖別し、

大切に育てて準備してこられた聖霊の実体である真のお母様を新婦に迎え、天の祝福により、「真の父

母様聖婚式」が挙行された。再臨のメシヤが準備された聖霊の実体である新婦を迎え、真の夫婦とな

る聖婚儀式を意味するヨハネの黙示録第十九章の「小羊の婚宴」が、ついに成し遂げられたのである。

太初に天地を創造された神様の創造理想が実現する関門が開かれ、創造本然のアダムとエバが、真の

父母として顕現される歴史的な日を迎えた。ついに人類は、霊肉共に原罪を完全に清算できる重生の

恩賜を受けられるようになったのである。

真の父母様は、真のお父様が「世界基督教統一神霊協会」を創立してから四十年となる一九九四年、

これに代わって「世界平和統一家庭連合」の創立を宣布された。人類の真の父母である御夫妻が一つ

となり、サタンを屈服させるためのあらゆる条件を蕩減復帰されたため、「世界平和統一家庭連合」を

共同で創立なさることができたのである。これは、復帰された人類の真の始祖として来られた真の父

母様を中心とした理想家庭を、全世界的に拡大して成し遂げられる世界こそが、理想世界であること

を意味する。

真の父母様は、二〇〇一年一月十三日の「神様王権即位式」と、二〇〇六年六月十三日の「天正宮

(チョンヂョングン)博物館入宮式および天宙平和の王真の父母様戴冠式」を通して、神様の恨を解

怨成就することにより、神の国がこの地に安着できる土台を築かれ、二〇一三年天暦一月十三日を天

宙平和統一国(天一国)の基元節と定められた。真のお父様は、聖和(二〇一二年、天暦七月十七日、

陽暦九月三日)される二十一日前、地上の生涯における最後の公式宣布報告を通して、救援摂理の

「最終完成の完結」を宣言され、すべての祝福家庭が国家を代表する氏族(的)メシヤとなれという

祝福とともに、「すべて成し遂げた!」と宣布された。

真の父母様こそ、無形の神様の二性性相を、有形の実体として完成された真の人間の原型であり、

真の父母様がその人生と行跡を通して立てられた伝統と教えは、人類が手本とし、学ばなければなら

ない模範である。絶対、唯一であり、あとにも先にも現れることのない真の父母様は、人類歴史にお

いて、永遠に神様の愛と真理の光を照らす根源であられるのである。

第一篇 真の父母様の顕現と真の父母時代

第一章 真の父母の復帰摂理史的意味

第一節 真の父母は人類の真の始祖

真の父母は、完成したアダムとエバ

神様は、永遠に喜びを享受するために人間を創造された。人類の始祖として造られたアダムとエバ

は、神様の絶対的な真の愛の対象である。人類はただ一双の始祖から始まるため、この一男一女以外

に、他の真の愛の血統がつくられることはない。もし、アダムとエバが神様の絶対愛を通して完成し、

善なる子孫を栄えさせていたならば、創造主であられる神様を縦的な無形の真の父母としてお迎えし、

完成したアダムとエバは、地上の横的な実体の真の父母となり、理想家庭が実現したはずである。ま

た真の家庭を根源として繁栄したアダムとエバの一族が民族、世界へと拡大し、「生めよ、ふえよ、地

に満ちよ、地を従わせよ」と言われた神様の三大祝福を完成した世界が成し遂げられていたはずであ

る。その世界がすなわち、神様が地上で実現しようとされた理想天国である。

1 神様が男性性稟と女性性稟を併せ持っていらっしゃるということは、神様のかたちに造られたと

いうアダムとエバを見て、知ることができます。それが一つになって、アダムとエバを創造したとい

うのです。それゆえ、神様の位置で、主体と対象の人間、すなわち完全な男性と女性が一つにならな

Page 5: 真の父母経001

ければなりません。

神様がアダムとエバを創造されたのと同じ愛を中心として、そこから初めて息子、娘が生まれるの

です。神様が創造した最高の傑作である人間も、結論として、人間(自身)が創造したという位置に

立ててあげるために、男性と女性を造ったというのです。ここから、夫婦が完全に一つになることに

よって生まれる息子、娘は、神様がアダムとエバを造って喜ばれた喜びの偉業までも、相続すること

ができるのです。

神様は、息子、娘を生んで愛することができる愛まで、人間に下さいました。言い換えれば、絶対

的な神様がもっているすべてのものを、愛する息子、娘の立場にいる人間に、そっくりそのまま賦与

されたというのです。

2 本来のアダムとエバは、神様の体です。実体をまとった神様として現れるための存在が、人類の

善なる始祖だったというのです。神様が彼らの心の中に入ってきて、体と一つになり、与えて、また

与えたいと思うので、回るようになります。そうして、発動機が回るように回り、さらに回って、完

全に統一されるのです。そのような種を蒔いたとすれば、そのような種の実を結ぶようになるので、

その種はいくら裂いてみても、そのような内容を備えた種にならざるを得ません。

しかし、堕落したので、造り直さなければなりません。神様を再びお迎えし、種を改良しなければ

ならないというのです。神様は、共に生命を分かち合い、共に愛するために、天地を創造しました。

ですから、男性と女性は、無形の神様を永遠に愛の実体として登場させるのです。愛の中心実体とし

て登場させるのが、人類の善なる先祖、真の父母です。

1 アダムとエバは、真の父母です。家庭を中心として見るときは、父母が中心なので、家庭の王で

あり、王妃です。その息子、娘は、未来の王、王妃になり得る後継者です。堕落していない本然のア

ダムとエバを中心として見るとき、祖父は神様の王権を私たちの家庭に運んできてくれた立場であり、

父母は万国に広がる家庭を代表した家庭の王です。本来の家庭の王です。その次に、息子、娘は未来

の王孫(王位継承者の長子)として、王権を受け継ぐ王子、王女の立場です。

4 人間始祖の堕落によって、神様が経綸し、神様が創造理想として立てようとされた人類の真の先

祖を失ってしまいました。いくら立派で何不自由なく暮らしている人がいて、天下をすべて動かす人

がいるとしても、彼らは堕落した先祖の血統を受けて生まれました。これが、最も痛恨なことです。

堕落した始祖をもった人類は、サタンの地獄に向かって猛進しているので、これを遮り、真の先祖と

して来て、真の子女として抱いてくれる本然の主人、本然の父母を求めてさまよってきたのが人類の

歴史です。

そのため、神様は、四千年の歴史を通して復帰の道を歩み、また歩んで、堕落前のアダム、エバと

同じ立場の位置を訪ねてくるのです。

5 堕落していないアダムとエバは、人類の真の先祖です。真の父と真の母です。体をまとった人類

の真の父母です。そのアダムとエバが堕落したため、人類がサタンの子孫になったのです。アダムと

エバが堕落せずに、本然の神様の心情に通じて、神様が喜ばれる中で、善男善女として聖婚式を執り

行い、人類の真の父母になったとすれば、万物はアダム、エバと和動しながら、喜んでその家庭に必

要とされるものになったでしょう。

アダムとエバが幸福を謳歌し、神様を永遠の父として、侍ることができる人類の真の父母となり、

人類の標本となる真の夫婦となり、神様のみ前には真の子女となったならば、誰も、彼らを奪ってい

くことはできないというのです。それは、主人が一人だからです。心情の主人も一人であり、愛の主

人も一人です。そのようなお方が神様であられます。

6 堕落がアダム家庭から始まったので、本然の姿に帰っていく復帰の目的は、アダム家庭の復帰完

成にあります。神様は、世界と国を求める前に、民族と教会を求める前に、御自身の相対を求め、一

つの中心家庭を求めるのです。

神様は、歴史を通して、御自身の理想的な対象になり得る真の家庭を求めてこられました。この真

の家庭は、私たちが習慣的に生活してきた家庭とは、内容が根本的に異なります。神様を中心とした

理想的な真の家庭を探し出すことができなければ、理想的な国も世界も探し出せません。本然の真の

家庭を先に立てなければならないという原則がここにあるのです。ですから、個人が救いの目標では

なく、真の家庭が救いの基本単位となります。

Page 6: 真の父母経001

堕落しなかったならば、アダムとエバは真の愛による理想的な真の夫婦になり、さらには真の父母

となって、その子孫と全人類の真の先祖になったでしょう。アダムとエバを真の父母として繁栄した

人類は、一つの大家族をつくり、アダム文化圏の平和世界を成し遂げたでしょう。

7 神様の復帰摂理歴史は、悲しい歴史です。神様がアダムとエバを失ってしまったことが悲しいの

です。それだけではなく、アダムとエバを失ってしまうと、その二人でとどまるのではありません。

アダムとエバを失ってしまったということは、アダムとエバの一族を失ってしまったことになるの

です。その一族が拡大されて民族になり、一つの国家を形成し、一つの世界に拡大されていたはずな

のですが、すべて失ってしまったというのです。ですから、アダムとエバを失ってしまうことによっ

て、天の国の王権を中心としたその王国を失ってしまい、天の国の民族を失ってしまい、天の国の氏

族を失ってしまい、天の国の家庭を失ってしまったのです。天の国の男性と女性、ひとり子とひとり

娘を失ってしまったのです。

ですから、救いの歴史である復帰摂理歴史は、これを取り戻す歴史です。

アダムとエバが堕落していなければ、子孫が繁栄し、今日、数十億の人類がすべて天の国に登録さ

れ、家庭がそのまま天国に入っていくようになっているのです。

8 人類始祖が堕落することによって、人類は真の先祖をもつことができず、真の子孫になれません

でした。神様も真の神様の位置に立つことができませんでした。神様を中心とした真の家庭、民族、

国家を形成しようとした、そのすべてのことが成し遂げられなかったというのです。そのため、私た

ちは、再び真の根を求めなければならず、真の家庭が住める国を求めなければなりません。

ですから、神様は、救援摂理を通して希望の世界、真の平和の世界、愛の世界、統一の世界、一つ

の世界を追求してきたのです。それを成し遂げるために、神様は救世主を送ってくださるのです。真

の父母がこの地に来て、個人的な中心、家庭、氏族、民族、国家、世界の中心を教えてあげることに

よって、全人類を本然の世界に戻そうというのが摂理歴史です。

9 再び来られる主が、空中から雲に乗って来て、霊的に、妄想的な国家を創設するというのが、神

様の願いではありません。その方が再び来られるのは、この地を足場として、神様のありったけの愛

を受けることができる一人の新婦を迎え、人間の先祖が六千年前に人類の真の先祖になれず、偽りの

先祖となることによって失ってしまったものを、取り戻す役事(働き)をするためです。

それゆえ、神様の愛と一致し得る位置に立てる完全な男性と、神様の愛に通じ得る位置に立てる完

全な女性が、歴史時代に必ず現れなければなりません。

今この時が、新郎として来られる主を迎える新婦として立つことができる時です。ですから、この

位置は、エデンの園でアダムとエバが愛を受けた、それ以上の位置であり、アダムとエバを祝福して

くださった、それ以上の位置です。地上にそのような基点が生じてこそ、サタンが侵犯できません。

人間始祖アダムとエバが、そのような勝利の位置に立つようになったとすれば、天使長はサタンにな

らず、完全なる僕の位置で人間に侍る立場に立ったでしょう。これが創造原則です。このような位置

を失ってしまった人類は、孤児です。ですから、このような位置を取り戻すことができる人類の真の

父母が、この地上に現れなければなりません。

10 本来のアダムは、個人であると同時に、家庭の中心であり、国家の中心であり、世界の中心です。

文化も、アダムの文化です。そこから言葉が始まり、すべての関係が広がります。真の父母を中心と

して結ばれた関係から始まる歴史も、新しい文化創造の起源になり得るのです。ここから初めて、人

類の真の歴史が始まるというのです。真の家庭と、真の社会、民族、国家、世界が顕現するのです。

その伝統的思想が、いつにおいても中心になります。

今までの歴史においては、未来に希望の世界を求めてきましたが、これからは未来を見つめて進む

のではありません。ここにおいて築かれたその思想を中心に、それを手本として歴史が発展していく

のです。それが中心になります。このように、過去、現在、未来の中心を決定し得るものが、国を中

心として設定されます。その国が成立すれば、その国の文化が過ぎ去っていくことは、永遠にありま

せん。その国の文化は、世界的に連結され、生き生きと栄え続け、文化的源泉として残るのです。統

一です。始めと終わりが同じだというのです。

真の父母は真のオリーブ

聖書の創世記に出てくる、エデンの園の生命の木と善悪を知る木は、完成した父と母を象徴する。

Page 7: 真の父母経001

そして、堕落せずに完成した人間始祖アダムとエバを根とした人類は、本来、地上天国で生き、死後

には天上天国に行って、永遠に生きるようになるのである。神様の創造目的は、人類が神様を中心と

した家庭を築き、同じ兄弟、同じ親族になることである。

堕落した人間は野生のオリーブであるため、真のオリーブである真の父母により接ぎ木され、真の

人間に生まれ変わらなければならない。それにより、神様の創造理想世界、すなわちエデンの園にお

いて出発しなければならなかった永遠の理想天国が成し遂げられるのである。人類の願いは、真の父

母を迎え、神様を中心とした善なる家法を代々伝授し、一つの言語、一つの文化、一つの天の主権を

中心に統一世界をつくることである。

11 真の父母は、絶対的な神様の愛と血統と完全に一つになった方です。そのような真の父母が結婚

して築いた家庭を真のオリーブの家庭とするならば、堕落した世界の人々は、野生のオリーブだとい

うのです。その野生のオリーブの枝を切ってしまい、真のオリーブの枝と芽を接ぎ木すれば、それが

のちに真のオリーブの家庭になるのです。そこに、神様の真の愛、真の生命、真の血統、真の良心が

再び連結され、それが完成すれば、地上天上天国が広がります。

神様は、三代目となる孫と孫娘をもつことができませんでしたが、サタンは孫と孫娘をもち、氏族

をもちました。それが繁殖し、数多くの国家をつくり上げたというのです。今まで神様は、完成した

一人の男性をもつことができませんでした。完成した一人の女性ももつことができませんでした。そ

の完成した男性として来られる方が、メシヤです。メシヤがやって来て、真の父母の位置を立てなけ

ればなりません。その次に、本然の家庭を復帰することができるのです。

12 アダムとエバが人類の真の先祖になっていれば、救い主も必要なく、宗教も必要ありません。宗

教が必要ない善なる世界は、神様が喜ばれる世界です。神様は、地上にそのような世界がつくられる

ことを願われるのですが、地上にそのような世界はつくられませんでした。

堕落とは、一つになれなかったことです。そうして、真の父母になれず、偽りの父母になったので

す。ですから、私たちは、悪なる父母の血統をすべて消してしまい、真の父母の血統を受けて、天に

帰らなければなりません。皆さんは、野生のオリーブとして生まれました。真のオリーブにならなけ

ればならないのに、野生のオリーブになったので、これを切ってしまい、真のオリーブの木を接ぎ木

されなければならないのです。

13 天の真のオリーブとして来られる方は、皆さんを再び生んでくださる真の父母です。生命は、必

ず父母を通して受けるのが天理だからです。真の父母は、天の真の愛、真の生命、真の血統の根をも

ってこの地に顕現されます。サタンの偽りの愛を根として生まれた人類を、きれいに根元から切って

しまい、真の愛の芽を接ぎ木する使命を果たすために来られる方が、正に真の父母です。このように、

私たち人類が求めるべき真のオリーブの根は、神様の真の愛の根です。その根は、真の父母からのみ

出発し得るのです。

14 真の父母は、真の愛と真の血統をもって来ます。偽りの父母は、偽りの愛と偽りの血統をつなぎ

合わせてきました。堕落していない本然の世界では、神様を中心として真の家庭を築かなければなり

ません。真の息子、娘の家庭を築こうとすれば、真の血統が連結されなければならないのです。真の

父母の子女になろうとすれば、真の父母と血統が連結されなければなりません。

「父母」や「子女」という言葉、「父」または「子」という言葉は、血統が連結されなければ、絶対

に成立しません。それは、神様も引き離すことができません。サタンも引き離すことができないので

す。

ですから、成約時代を迎え、真の父母様による祝福結婚を通して、旧約時代と新約時代の失敗を蕩

減復帰することができるのです。本然の基準である神様の真の血統につながれて、野生のオリーブ畑

であっても真のオリーブ畑にならなければならず、真の愛を中心として、真の父母様と一体、一心、

一念にならなければなりません。

15 真の父母とは、完成したアダムとエバのことを言います。そのアダムとエバから家庭、氏族、民

族、国家、世界、地上天国と天上天国が連結され、神様まで解放されなければなりません。真の父母

は、すべてのことを完成できる立場にいます。神様が地上に送られた最も貴い方です。その真の父母

に絶対信仰、絶対愛、絶対服従で従っていけば、自動的にすべてのことを克服していけるのです。父

母は、愛、生命、血統を相続させます。その愛、生命、血統を相続するのが、息子、娘です。すべて

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の宗教の目的も、地上に真の父母の完成基盤を築くことです。

人類を救う唯一の方法は、真の愛、真の生命、真の血統を連結させることなのです。偽りの父母が

それとは異なる愛、生命、血統を連結させて堕落した世界になったので、地獄に落ちるようになりま

した。それを一八〇度転換させるために、真の父母が現れて、真の愛、真の生命、真の血統を連結す

るのです。祝福を通して神様の真の愛を連結し、真の生命を連結し、真の血統を連結するのです。野

生のオリーブに真のオリーブを接ぎ木するのが祝福です。

16 真の父母は、この世界の偽りの子女、野生のオリーブのような子女たちに真のオリーブを接ぎ木

して、堕落していない実として収穫し、天の国の倉庫に再び入庫しなければなりません。これが、こ

の地上でメシヤが果たすべき責任です。メシヤは、真の愛を中心として、真の息子、娘の種をもって

来るというのです。

堕落することによって、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統の因縁を通して、神様が願わない怨讐

の子女となりました。このように、血統的に偽りの愛の因縁が結ばれたので、救援摂理を通してきれ

いにするのです。

第二節 再臨主である真の父と聖霊の実体である真の母

真の父母になるべきひとり子とひとり娘

神様の願いは、アダムとエバが創造本然の姿のまま成長、完成し、真の家庭を築くことであった。

神様は、絶対愛によって精誠を尽くし、御自身のすべての願いを懸けて、ひとり子アダムとひとり娘

エバを造られた。しかし、堕落が起きたため、神様は彼らに代わる存在として、まずひとり子である

イエス様を送られた。創造の順序に従い、本然のアダムを先に復帰されたあと、そのアダムを通して

エバを復帰しようとされたからである。したがって、本然のアダムに代わる、後のアダムとして来ら

れたイエス様は、本然の後のエバを探し出し、夫婦になることによって、人類の善なる始祖である真

の父母にならなければならなかった。

1 イエス様の思想の中で最も偉大なことは、神様が自分の父であり、自分は神様のひとり子である

と主張したことです。ひとり子ということは、父なる神様の初愛を占有しているということです。初

愛を受けられる立場に立ったというのです。

神様がキリスト教を世界的な宗教にせざるを得なかった理由は、イエス様が「私は神様のひとり子

である」と主張する立場に立ったからです。ひとり子というのは、神様の愛を強調した言葉です。ひ

とり子は、神様の初愛と結ばれた個人なのです。

2 エデンの園のアダムは、神様のひとり子です。エバは、神様のひとり娘です。彼らが成長し、春

の日になって花が咲くとき、二人が互いに春の歌を歌いながら、「あなたは私のお兄さんではないです

か」、「あなたは私の妹ではないですか」と言えば、神様はどのようにするでしょうか。明るく咲いた

花が香りを漂わせるようになれば、神様が(二人を)結んでくださったでしょう。

神様が結婚式をしてあげることによって成し遂げようとしていた創造の最高の理想が、アダムとエ

バを中心として成し遂げられるのです。彼らがひとり子とひとり娘としてよく育ち、思春期まで行こ

うとすれば、期間が必要なのです。

3 イエス様は、「私は神様のひとり子だ」と言いました。ひとり子に必要なのは、ひとり娘です。イ

エス様がこの地上で世界を救うために出発しようとすれば、一人ではできません。家庭の土台を整え

なければなりません。

ひとり子だと主張したイエス様の目的は、世界を統一して号令することです。それをする前に家庭

をつくらなければならないのです。イエス様は、家庭をつくることができませんでした。ですから、

この地上の人間たちを救おうとすれば、「このようにしなければならない」と言える家庭が出てこなけ

ればなりません。一つのモデル家庭が出てこなければならないのです。

イスラエルの国を救う前に、家庭をつくらなければなりません。もしイエス様が、神様のひとり子

としてひとり娘に出会って結婚式をするとすれば、その結婚式の主礼は、間違いなく神様がしてくだ

さるのです。救援摂理の最高の目的は、神様が愛する一つの家庭をつくることです。それで、神様の

愛を中心として、ひとり子とひとり娘の立場で成長し、神様を父としてお迎えできる場で祝福を成し

遂げ、人類の真の先祖の基盤を整えるのです。その場を失ってしまったので、再び取り戻さなければ

Page 9: 真の父母経001

なりません。

4 イエス様が地上に来られることによって、初めてひとり子という名をもつようになりました。神

様が失ってしまった歴史時代、アダムとエバの失敗した歴史時代に、初めて神様の愛を受けることが

できる血統的内容を中心として、地球星にひとり子が生まれたのです。しかし、ひとり子は生まれま

したが、ひとり娘はいませんでした。

神様は、四千年間の救援歴史を通して、完成したアダムを再び創造したのと同じです。神様は、ア

ダムに似せてエバを造りました。アダムの相対になることができるように、アダムを造られた原則、

その青写真に基づいて造ったのです。聖書を見ると、男性のあばら骨を取って女性を造ったと記録さ

れています。それは、骨子をまねて造ったということです。ですから、完成したアダムは、この地で

失ってしまったものを取り戻すことができるひとり子です。

神様は、直系の真の愛の血統を通してアダムを取り戻しましたが、エバは取り戻すことができませ

んでした。エバを取り戻そうとすれば、今までの堕落以降の歴史を、家庭から再び復活させ、接ぎ木

して国をつくらなければなりません。そのために準備しておいたのが、ヤコブからのイスラエル民族

の十二支派です。選民思想を中心として、ヤコブの十二人の息子が着地し、世界に勝利の版図を拡大

させたものが、イエス様が来られる時までの二千年間のイスラエルの国とユダヤ教なのです。

5 イエス様が堕落した人間たちに対して、神様の息子、娘であることを示したことや、「私は神様の

息子だ。神様のひとり子だ」と語った事実は、偉大なことです。そして、「ひとり子」という名が地上

に現れたという事実は、神様が数千年の蕩減歴史を経てくる中で、吉報中の吉報です。それで、ひと

り子を中心として、ユダヤの国とユダヤ教、カインとアベルを入れ替え、血統を入れ替えなければな

りません。

しかし、イエス様は、ひとり子という名をもって来ましたが、ひとり娘に出会うことができません

でした。そのような人に出会うには、そのままでは出会うことができません。準備された基盤がなけ

ればならないのです。個人と家庭、氏族を基盤として連結されていかなければなりません。このよう

にして個人、家庭から血統を転換させなければなりません。

6 人類が生まれてから四千年ぶりに、この天地間に神様のひとり子が生まれました。良い知らせで

す。幸福な知らせです。それで、キリスト教で「福音」という言葉が出てくるようになったのです。

福音とは、幸福な音信です。その時まで神様のひとり子が現れることができず、人類が神様を中心と

した愛の関係を結ぶことができなかったために、人類にとってそれが恨でした。しかし、その恨を解

いてあげる一人の代表的な男性が現れたので、それ以上に幸福な音信はないのです。

もしひとり子が現れていなかったとすれば、大変なことになります。歴史上にそのような人が現れ

たので、全人類が彼の側にならなければならず、天地も彼の側にならなければならず、創造主も彼の

側にならなければなりません。ですから、その道を妨げる人は滅び、歓迎する人は栄えるようになり

ます。

ひとり子が現れたことが幸福です。神様は、先にひとり子を送られました。それで、今までの歴史

は、男性がつくってきたのです。ひとり子が来たならば、その次には、ひとり娘がいなければなりま

せん。

7 神様は、真の愛を中心として、縦的な父母としていらっしゃる方です。垂直は一つです。横的な

位置で垂直になるのは、九〇度の一点です。男性の位置も九〇度の一つであり、女性の位置も九〇度

の一つです。二つではありません。人類歴史で初めて、その九〇度に合わせて愛を受けた人が、ひと

り子です。

そのひとり子の前には、ひとり娘がいなければなりません。メシヤはひとり子として来て、ひとり

娘を求めなければならないのです。しかし、そのまますぐに求めることができるわけではありません。

アダムを通してエバを造ったので、この世の中に来て、エバを探さなければならないのです。サタン

が奪っていったエバを取り戻さなければなりません。

ひとり子であるイエス様が、神様の息子として、ひとり娘を迎えて、男性と女性が九〇度の角度で

一つになれる道を合わせておかなければ、天地が通じません。神様には二性性相があるので、ひとり

子とひとり娘が一つになった、その場に神様が入ってきて臨在するのです。

8 神様は、アダムとエバの堕落以降、失ってしまった子女が戻ってくることを、ただ待っているこ

Page 10: 真の父母経001

とはできませんでした。神様は、人間がサタンの讒訴条件を抜け出すことができる道を探し求めてこ

られたというのです。その路程が、どれほど大変で、悲惨だったでしょうか。サタンが王になってい

る世界で、神様の立場はどのようなものだったでしょうか。

ひとり子イエス・キリストを、サタンの讒訴条件を免れた位置で誕生させるまでの神様の苦労は、

到底言い表すことができませんでした。その時、イスラエル民族がひとり子であるイエス様と一つに

なっていたならば、ローマを越え、世界に進むことができました。真の父母にならなければならなか

ったのです。

しかし、ユダヤ教とイスラエル民族が責任を果たせなかったので、イエス様は「再び来る!」と言

われました。神様は、四千年ぶりにひとり子を探して立てましたが、ひとり娘は探し立てられなかっ

たのです。神様がアダムとエバを創造したように、ひとり子がいれば、ひとり娘もいなければなりま

せん。イエス様と聖霊の摂理が、正にそれです。

私たちは、原理を通して、中心人物や民族が責任を果たせないとき、神様が代身者を立てることを

学びました。したがって、イスラエル民族が責任を果たせないことによって、ひとり娘を立てること

ができなかったので、神様はひとり娘を別に育ててこられたのです。

9 人間世界で神様が愛の主人であれば、その愛を中心とした神様の家庭がこの地上になければなり

ません。その神様の本郷の地があれば、その本郷から本郷の一門が始まり、その一門から民族が始ま

り、その民族から国家と世界が始まり、それによって、地上に天国が広がるでしょう。

人間の本郷は、人類が願い、神様が願う所であり、天地が和合して万宇宙の存在が「幸せでうれし

い」と言い得る所、神様が踊りを踊ると同時に、万宇宙が神様を中心として踊れる所です。そのよう

にできる日を迎える本郷が現れていたならば、今日、この世界は、不幸な世界にはならなかったでし

ょう。

神様の愛を中心とした息子、娘、すなわち、ひとり子とひとり娘が、神様の愛を中心として完全に

一つとなって家庭を築いたならば、その血統を受けて生まれた息子、娘たちは、心と体が一つになっ

ているのです。

10 イエス様は、イスラエルの国を中心として、世界を平和の王国にするためにこの地に来られまし

たが、いくら彼に能力があり、実権があって、それを成し遂げると考えたとしても、家庭を築くこと

ができなければ失敗するのです。

世界は、家庭が集まってできるのです。この家庭は、心と体が闘う人たちでは築けません。いくら

絶対的な権威をもって死の峠が迫ってくるとしても、天道を捨てる人になるならば、神様が願われる

家庭を築くことはできないのです。

心と体が一つになったひとり子が、心と体が一つになったひとり娘を迎えて家庭を築くのです。家

庭をつくるまでは、世界を復帰したとしても、それをまた失うようになります。家庭は、血統が連結

されたものです。民族全体が血統で連結されれば、同族になるのです。

11 イエス様がこの地に来られた目的は、新婦を迎えることです。愛を中心とした人格的な新婦を求

めようとしたのです。ですから、キリスト教を代表して、世界的なキリスト教の舞台に新郎を迎え、

その新郎を中心として結婚してこそ、新郎と新婦の愛圏がつくられるのです。新郎と新婦が一つにな

り、神様が取り得る愛圏が始まります。

ひとり子の愛圏をもって、ひとり娘の愛圏を手にすると同時に、このひとり子とひとり娘を中心と

して、新郎と新婦の愛圏が確立します。いくら国が大きく、歴史が長く、優れた文化背景をもってい

るとしても、それは問題ではありません。神様を中心としてひとり子とひとり娘が一つになる、夫婦

の愛の基準が貴いのです。

堕落によってこれを失ってしまったので、これを取り戻さなければ、世の中の万事は無意味なもの

です。したがって、神側においてひとり子とひとり娘となり、新郎と新婦として夫婦の愛圏をつくら

なければなりません。夫婦の愛圏が成立すれば、自動的に子女の愛圏が成立するのです。

12 イエス・キリストは、「私は神様のひとり子だ。神様は私の父だ」と言いました。ひとり子という

ものは、神様の初愛をそっくりそのまま受けたということです。神様のひとり子はいたのですが、ひ

とり娘がいません。ひとり娘に出会うことができなかったので、神様の初愛をすべて受けるひとり娘

に出会うために、イエス様は再臨するのです。

再臨主が来て「小羊の婚宴」、すなわち婚姻をしなければなりません。神様の初愛をそっくりそのま

Page 11: 真の父母経001

ま受けた男性と、神様の初愛をそっくりそのまま受けた女性が、家庭をつくらなければならないので

す。その位置が、堕落していないアダムとエバの位置です。

13 メシヤは、神様の本然の直系の息子の立場で、神様の愛、絶対愛を中心として、生命の種をもっ

て来る方です。その息子を再び探して立てることが、神様の救援摂理史の主目的です。

メシヤは、この地上に来るとき、何ももってくることはできません。彼には国もありません。何も

ないのです。相対を失ってしまったので、相対もいません。エバとカイン、アベルを失ってしまった

ので、主人の役割を果たせないのです。それで、それを取り戻しに来るのです。ですから、キリスト

教は、新郎として来られるメシヤを迎える新婦の宗教です。

キリスト教の核心真理は、驚くべきものです。イエス様のことをひとり子と言いました。ひとり子

とは、アダムのことです。堕落したので、ひとり子がいなくなり、ひとり娘がいなくなったというの

です。ひとり娘は、サタンに奪われました。神様が造ったものを、サタンがすべて台無しにしたので、

それを取り戻さなければなりません。アダムを中心としてエバを造ったのと同じように、天の新しい

息子の種を送って、エバを再び創造しなければなりません。

14 人間は、家庭から出発しました。家庭を縮小してみれば、夫と妻によってできているので、ひと

り子になったのであれば、ひとり娘を迎えなければなりません。このひとり子とひとり娘は、堕落し

ていない本然のアダムとエバにならなければならないのです。ひとり子とひとり娘は、息子、娘を生

まなければなりません。

真の父母に侍り、息子、娘を完成させようとすれば、与えられた環境において、祖父、祖母、母、

父、四方のために生きることができなければなりません。息子、娘は父母のために生き、父母は息子、

娘のために生き、その父母はまた、(彼らの)父母のために生きなければなりません。祖父は孫のため

に生き、孫は祖父のために生き、夫は妻のために生き、妻は夫のために生きれば、それは祖父母、夫

婦、兄弟がすべて入るというのです。

このような原則において、一つの家庭の標本を中心として見るとき、互いにために生きる家庭であ

れば、天国家庭であることは間違いないという論理が出てきます。

原罪がないイエス様と再臨主

人類の始祖アダムとエバは、サタンの誘惑に陥り、善悪の実を取って食べることによって罪を犯し、

それが原罪となった。原罪は、神様の血統を汚した不倫なる性犯罪であった。神様の愛によって代を

継いでいくべき人類が、サタンの偽りの愛によって子孫を繁殖したのである。

聖書のマタイによる福音書の記録には、イエス様がキリストとして生まれるまでの血統的系譜が出

てくる。堕落したアダムの後裔の中から、善悪の血統を分立、転換しながら、四千年にわたってサタ

ンとの血縁的関係を清算してきた蕩減復帰摂理歴史の基台の上で、ついに原罪のない、イエス様が神

様のひとり子として誕生されたのである。

このように、原罪と関係なくお生まれになったイエス様は、人類の真の父として、真の母を迎え、

真の父母の位置に進み、原罪のない直系の子女を誕生させる一方で、堕落した人類を重生させ、原罪

を清算させるために地上に来られた。しかし、イスラエル民族の不信により十字架にかからなければ

ならなくなるやいなや、このすべての課業を、再臨して成し遂げることを約束されたのである。

それゆえ、第三アダムとして来られる再臨主は、イエス様を中心としたあらゆる蕩減復帰摂理の歴

史的伝統と結実を、霊肉共に相続すると同時に、メシヤの立場から出発し、真の父母の位置に登極す

ることにより、地上で神様の創造理想を実現する使命を完遂されるのである。

15 イエス様は、サタンが讒訴できる位置を抜け出した立場で生まれたので、原罪がない方です。サ

タンの主管圏内においてサタンと相対したのが原罪ですが、イエス様はサタンの讒訴条件を越えてお

生まれになった方なので、原罪とは関係がないというのです。このために入れ替える歴史があったの

です。エサウとヤコブの時に入れ替え、また、ペレヅとゼラの時に入れ替えて、勝利の基盤を築いて

きました。ですから、イエス様は、原罪と関係のない人間として生まれたのです。

16 イエス様は、神様の主管下で生まれた息子なので、原罪を免れた立場に立ちました。サタンの讒

訴条件をもっているがゆえに原罪があるというのですが、原罪を免れた立場に立っているため、本然

の基準、堕落する前のアダムの位置に帰ることができるのです。ですから、イエス様だけが第二次の

アダムになることができます。人類の先祖として、アダムが失敗したことを復帰できます。アダムの

Page 12: 真の父母経001

位置を身代わりできるのです。ここから新しい歴史時代に入ります。

イエス様は無原罪で生まれたので、サタンの讒訴から完全に脱しました。サタンの讒訴から脱する

と同時に、サタンを完全に屈服させました。天使長を屈服させたというのです。イエス様は、このよ

うに神様の息子として、堂々と本然のアダムの位置に立つことができました。

17 聖書には、ヤコブが母であるリベカと一つになって、兄エサウと父イサクを欺き、祝福される話

があり、また、タマルが舅と関係を結んで生んだペレヅとゼラを中心として、ユダの支派が祝福を受

けるようになったという内容が出てきます。このような、人倫や道徳観において解決できない内容が、

どうしてあるのかということが問題です。

そして、マタイによる福音書を見れば、四大淫女についての話が出てきます。タマルが出てきて、

バテシバが出てきて、ラハブが出てきて、ルツが出てきます。マタイによる福音書は創世記に相当す

るものですが、歴史時代において、最初の章になぜこのような神聖ではない、汚点をもっている女性

たちが出てきたのかというのです。

このようなすべての問題は、堕落論を知らなければ解決するすべがありません。お父様の時代にな

って、初めてそれをすべて明らかにしてあげたのです。

18 ヨセフと婚約したマリヤは、エバとちょうど同じです。アダムとエバは、堕落する時、婚約した

立場にいました。アダムとエバが婚約段階にいる時に堕落したのと同じなので、これを蕩減復帰する

ためには、リベカの伝統を引き継がなければならず、タマルの伝統を引き継げる女性がいなければな

りません。そのため、血統を清めた女性を代表した基準で、それを相続できる位置に立った人がマリ

ヤでした。

マリヤは、神様の息子、娘を生むために生命を捧げることを覚悟し、犠牲になる道でも、神様のみ

旨を立てた女性でした。タマルのように、イスラエルの王権を立てることを最高の希望と思い、自分

の身がどうなろうと、死のうと生きようと、自分を通して神様のみ旨を継承しようとした歴史的な女

性でした。

19 マリヤは、自分の生命を懸けて、神様のみ旨を誰よりも熱心に追求する女性でした。ちょうどタ

マルのように、志操を守って忠節を尽くし、貴い天の血統を残すためには、いかなる冒険でも強行で

きる大胆な立場に立っていた女性が、正にマリヤでした。

天使ガブリエルが現れ、マリヤに「あなたはみごもって男の子を産むでしょう」(ルカ一・三一)と

告げたとき、マリヤは、「どうして、そんな事があり得ましょうか。わたしにはまだ夫がありませんの

に」(ルカ一・三四)と答えました。そして、天使が再び、「神には、なんでもできないことはありま

せん」(ルカ一・三七)と言うと、マリヤは、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成

りますように」(ルカ一・三八)と答えたのです。その立場は、死を覚悟しなければ行くことができな

い立場です。

その当時、未婚の女性が身ごもれば、モーセ五書に基づいて、石で打たれて殺される時代でした。

神様は、自分の命よりも神様のみ旨を尊重し、自分の威信や体面よりも神様のみ旨を尊重するマリヤ

を通して、イエス様を懐妊するようにさせたのです。ですから、イエス様は、神様のみ旨によってマ

リヤのおなかを通して生まれた、歴史上初めての神様の息子です。

20 マリヤの腹中にいるイエス様に対しては、サタンが讒訴できません。イエス様が生まれるように

なったのも、マリヤが動機になったのではなく、神様のみ旨を中心として、神様の命令によって生ま

れたので、神様が動機となったのであり、また出生に至る過程も、腹中の勝利の基盤をもつマリヤの

腹中から生まれたイエス様だったので、イエス様には、サタンのいかなる讒訴条件もあり得ないとい

うのです。

歴史時代に、腹中から始まったアダムとエバ以降のあらゆる闘いの基盤を、初めて腹中から分別し

たというのです。このような血統をもって現れた人がイエス様でした。

ですから、イエス様は、いかなる預言者や、いかなる世界的な宗教指導者とも、その根本が違うと

いうのです。イエス様は、サタンが讒訴できない血統的な内容を備えて来られた世界的な代表者です。

また、歴史的な内容をすべて清算して来られた方なので、正に神様を中心とした血統的な内容をもっ

て生まれた最初の人に違いありません。イエス様は、このような動機や過程を経て、神様の真の息子

として、この地上に誕生するようになったのです。

Page 13: 真の父母経001

21 イエス様の父親は、ヨセフではありません。天の側の天使長圏の人物です。堕落した天使ではあ

りません。神様がそのようにさせました。

サタン世界を凌駕し、天の側となり得る基盤を築き、種を植えて、そこで神様の心情圏を受け継い

でこそ、本然のアダムとして認められるのです。イエス様は、そのような位置で、血統的に分別され

た種を受けて生まれました。そのような人は、歴史始まって以来、一人しかいません。ですから、メ

シヤ、救世主になることができるのです。初めて神様を中心として、愛の絆を通して生まれた代表的

で唯一の人なので、「ひとり子」という言葉か成立するのです。

22 人類歴史上、国家的次元で万王の王権をもって来るイエス様は、血統を転換して勝利的伝統を受

け継いで来ました。ですから、マリヤの腹中で妊娠しても、サタンが「彼は私の息子である」とは言

えないようになっています。タマルの心情的伝統を受け継いだ歴史的な基準の上に、国家的次元でマ

リヤが身ごもったため、エバの失敗を蕩減復帰したのです。

女性たちが行くべき道において結実の位置に立ち、血統転換、すなわち長子復帰完成基準の心情圏

の上で身ごもったので、腹中にいるときから、サタンが「私の息子である」と主張できないのです。

イエス様は、歴史的に清められた血統的基盤の上でマリヤの腹中に宿ったため、長子圏内で身ごもっ

たとしても、サタンが「自分の息子である」とは言えないというのです。

腹中から長子権を主張できる息子が地球星に生まれなければ、神様の長子の血族圏を立てることが

できません。イエス様は、堕落の人類歴史の上に、神様の心情を受け継ぐことができる最初の代表者

になり、歴史的な代表者となることによって、初めて「私は神様のみ前にひとり子である」と言うこ

とができました。これは、愛を中心とした長子権復帰において代表者になったので、メシヤになるこ

とができる、ということです。

23 イエス様は、血統を清めた上で来ました。双子の時代、すなわちエサウとヤコブを通して長子権

を復帰し、タマルの腹中でペレヅとゼラの、歴史にない闘いを通して、ひっくり返すことによって、

血統転換をしました。歴史がすべて見せてくれたのです。

聖書は、本当に啓示的です。世界史、文化史、宗教史において欠かせない宝典です。人類歴史に関

する曲折の事情と秘密が、すべて含まれています。それを解かなければなりません。このようにして、

血統を復帰しなければならないのです。マリヤの腹中から生まれたイエス様は、サタン世界の血統が

転換されています。血統が転換された位置から来たので、イエス様の相対となり得る新婦も、血統転

換歴史の過程を経なければなりません。

24 統一教会で言う真の父母も、やはり人です。人と言えば、男性と女性を意味します。その男性と

女性(が誰かということ)は、神様を中心として論じなければなりません。アダムとエバが偽りの父

母になったので、真の父母がそのアダムとエバを身代わりした位置に来て、善の父母にならなければ

なりません。言い換えれば、アダムとエバが未完成で偽りの先祖になったので、代わりに真の父母は、

神様を中心として完成、成就できる位置に立たなければならないのです。

本来、神様が創造当時に、完成したアダム理想として見いだそうとしていたその位置が、真の父母

の位置なので、その位置を再びはんだ付けして、その理想を主張している人がお父様です。統一教会

では「真の父、真の母」と言いますが、外見を見れば、皆さんと異なるところがありません。しかし、

根が違います。皆さんは、サタン世界の堕落した父母を通した堕落の根をもって生まれましたが、真

の父母は根が違うというのです。神様を根として、初めて歴史上に真の愛の論理を中心とした統一論

理をもって現れた、主人公だというのです。

25 お父様が血統的にサタンの讒訴を受けるようなことがあっては、何にもなりません。皆さんを祝

福する式は、イエス様が亡くなったのち、二千年の間苦労して再臨し、新郎新婦となった位置を引き

継がせてあげる式です。その式は、統一教会の祝福家庭を立てる式です。皆さんが祝福を受ければ、

天国に入る門は常に開かれています。サタンが讒訴できなくなっているというのです。

26 堕落以降、すべての罪悪が全人類の体を征服しました。サタンの血統が連結されたのです。それ

を否定できる道が蕩減路程です。真の父母は、それをすべて清算しました。個人、家庭、氏族、民族、

国家、世界、天宙的な段階で蕩減しました。真の父母によって真の血統に連結され、すべて終えたの

です。皆さんは、小メシヤの位置にいます。

父母様は、サタン側の血統に属しているのではなく、神側の血統に属しています。根が違います。

Page 14: 真の父母経001

皆さんの根はサタン側であり、父母様の根は神側です。神様から始まる本然の真の愛を真の父母が相

続し、それを皆さんに連結してあげるのです。皆さんも接ぎ木されたあとに、真の父母に属するよう

になるのです。

27 お父様は、この地に来て、サタン世界を中心として、縦的八段階と横的八段階を勝利しました。

アダムが罪を犯し、サタン圏内に入ったのです。罪さえなくなれば、本来の位置に帰ってくることが

できます。しかし、自分自身が原罪を清算することはできないのです。真の父母が、真の愛によって

清算できるというのです。個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙、神様、八段階を中心として、

すべて清算しました。

アダムが十六歳で堕落したので、十六歳になるまでは、本然のアダムの体です。(アダムは)天の国

にある神様のあらゆるものを相続できる本然的な、堕落していない完成に向かう男性でした。このア

ダムが失敗したので、再臨主が来て、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙においてまで闘い、

サタンを追い払いました。罪を清算したのです。原罪を抜き取ってしまったというのです。お父様は、

アダムの十六歳から今までのアダム世界とは関係のない、勝利したアダムの位置で全人類を取り戻し

たのです。

28 私は、韓国の田舎のある農民の息子として生まれましたが、その根源が違います。人の中には、

世の中に生まれながらにして(道理を)知っている人がいます。それを「生而知之(生まれながらに

してこれを知る)」と言います。また、学んで知る人がいます。それは「学而知之(学びてこれを知

る)」と言います。

私は、生まれながらにして知っていたり、学んで知ったりしたのではありません。「天而知之(天に

よりてこれを知る)」だというのです。天のみ旨の中で生まれれば、知るようになるのです。神様の心

まで分かるというのです。そのため、今まで世の中から反対を受けながらも、その世界で死なずに生

き残ったのです。

29 皆さんが神様と一致すれば、神様はあらかじめ、創造的な準備をしてくださいます。皆さんがそ

のような立場に立つようになれば、霊界から教えてくれるというのです。

以前、私に一度も会ったことがないのに、私が生まれる前から私に侍ってきたという人がいました。

私よりもずっと年配の人が、私が生まれる前から、既に私と出会い、侍ってきたのです。

それは、神様の予定によって、そのようになり得るのです。中心となる一人を世の中に送り出すと

きは、性相的にも形状的にも、同じ基準を中心として役事しなければなりません。ですから、神様は、

私が生まれる前から、私の形状を使って役事されたのです。

30 お父様は、ある家門の息子として、この地に生まれたのではありません。私自身は、十歳を越え

てから、既に世の中のあらゆることが分かりました。ですから、身内や隣近所で有名でした。その世

界が分かるように、天が何千年も前から準備して生まれたというのです。私が生まれる前に、私に会

った人が多くいるのです。私は地上には現れていなかったのですが、私よりも年配で、通じる人々は、

既に私に指導を受けていたというのです。

再臨主として来られた真のお父様と聖霊の実体として来られた真のお母様

イエス様は、イスラエル民族の不信により、十字架にかかって亡くなられ、地上で真の父母の道を

歩むことができなかった。その後、復活したイエス様は、霊的な新婦を探し出されたが、その方がす

なわち聖霊である。イエス様は霊的な真の父、聖霊は霊的な真の母として、堕落した人類を霊的にの

み重生させる、限定的な救援摂理をされるようになった。霊肉ともの救援摂理を成し遂げるため、イ

エス様は再臨されなければならない。それゆえ、再び来られるイエス様は、肉身をもって地上に誕生

される第三アダム、すなわち再臨のメシヤとして、準備された聖霊の実体を新婦に迎え、人類を霊肉

共に完全に重生させる実体の真の父母にならなければならないのである。原罪をもっている人類は、

実体の真の父母を通して原罪を清算し、霊肉の完全なる救いを可能にする重生、すなわち血統転換の

恩寵を受けるようになる。

31 アダムが失敗したために、代わりに送られたイエス様は、第二アダムです。聖書でも、イエス様

のことを後のアダムと言いました。先祖を失ってしまったので、真の先祖を復帰しなければなりませ

ん。

Page 15: 真の父母経001

イエス様は、人類の真の父格です。そして、聖霊は人類の真の母格です。このように、真の父と真

の母を霊的に立てて、これを実体の形状としてこの地上に現すことが再臨の目的です。人類の前に真

の息子、娘が現れる時が、「終わりの日」です。

真の先祖を失うことによって堕落した子孫となり、真の父母と血統的な関係を結ぶことができなか

ったので、反対の経路を通して、失ってしまった息子、娘を探す時なのです。

32 キリスト教の中心は、イエス様です。新郎であられるイエス様が、新婦を迎えるのです。これが

正に、「小羊の婚宴」です。「小羊の婚宴」とは、イエス様と聖霊である一人の女性が、実体をまとっ

て結婚式を挙げることです。キリスト教では、「父」は神様であり、「子」はイエス様だと言います。

「聖霊」は母なる神です。

母なる神であるため、その聖霊を受けなければ、重生することができません。母なる神である聖霊

が生んであげなければなりません。父母の愛を通さなければ、人が生まれるということはありません。

これが天理です。

イエス様は父であり、聖霊は母です。すなわち、イエス様は新郎であり、聖霊は新婦なのです。皆

さんの心に聖霊が臨み、新郎であるイエス様を聖霊が思慕する力と皆さんの心が一致するとき、火を

受けます。生まれ変わるのです。それにより、霊的父母との愛の関係を通して、新しい生命が注入さ

れるのです。これが、キリスト教で言う重生です。

33 真の父は、完成したアダムです。アダムが堕落して、人類の真の先祖になれなかったので、私た

ちはすべて、真の先祖ではない、偽りの先祖の子孫です。ここにおいて、真の先祖として来られた方

が、メシヤです。真の父だというのです。それで、キリスト教では三位神について語っています。イ

エス様は真の父であり、聖霊は真の母なので、この父母の愛を受けてこそ、重生できるというのです。

子女は、父母の愛なくしては生まれることができません。そのため、ヨハネの黙示録に「御霊も花

嫁も共に言った、『きたりませ』。また、聞く者も『きたりませ』と言いなさい。かわいている者はこ

こに来るがよい。いのちの水がほしい者は、価なしにそれを受けるがよい」(二二・一七)とあります。

そのような日は、聖霊が実体をまとう日です。その時が再臨時代です。新婦の身支度を終える日です。

「小羊の婚宴」は、失ってしまった真の父母を、逆に迎え入れる日です。

34 イエス様は父です。聖霊は母なる神です。母なる神によって感動を受けなければなりません。エ

バ、母によって失ってしまったので、完成した母なる神が来て「私」の心と体を清め、完成した父と

霊的に一つになる体験をしなければなりません。そのような体験をしなければ、重生する道はないの

です。「聖霊に逆らう人は赦しを受けることができない」と言われています。天の父と人の子に逆らう

ことは赦しを受けられますが、聖霊に逆らえば赦しを受けられないというのです。

聖霊は母なる神です。母の胎中を通らなければ、人が出てくることはできません。間違って生まれ

たので、再び生んであげなければなりません。偽りの愛で間違って生まれたのですから、真の愛によ

って、真の父と真の母の立場で再び生んであげなければならないというのです。

35 イエス様が家庭基盤を備えるためには、新婦である聖霊を迎えなければなりません。実体の聖霊

を迎えれば、平面的な基準を中心として、思いどおりに活動することができます。ところが、弟子た

ちが息子、娘の基準を立てられなかったために、イエス様は霊的な条件のみを立てたのです。これが

イエス様の恨です。このように、地上で完全蕩減の基準を立てられなかったので、イエス様は仕方な

く、昇天するようになったのです。

男性は天の代身であり、女性は地の代身です。イエス様は人類の真の父であり、聖霊は人類の真の

母です。したがって、聖霊が実体をまとって降臨しなければならないのですが、実体であるひとり娘

が現れなかったので、そのみ旨を成し遂げられなかったというのです。

36 天国は、男女が共に家庭を築いて入る所です。しかし、イエス様は、この地に来られて、新婦を

探し出すことができず、息子、娘をもつことができずに亡くなられたので、今に至るまで、楽園で二

千年間、祈りながら、聖霊に役事をさせているのです。

女性が先に罪を犯したので、女性神である聖霊が母として現れ、罪を清めて世の中をきれいにすれ

ば、イエス様は再び新郎として、新しい種をもって再臨しなければなりません。再充電し、新しい天

地の真の父母の血族によって、神様を中心とした新しい世界をつくろうというのが、神様の目的です。

このような世界がつくられてこそ、「神様の計画がみ意のとおりにすべて成し遂げられた」と言うこと

Page 16: 真の父母経001

ができるのです。

37 キリスト教では聖霊について語ってきましたが、聖霊とは正に、母なる神です。後のエバです。

人類の母であるエバが堕落したので、神様は、後のエバとして、母なる神である聖霊を送られたので

す。穴が開いたならば、開いたその穴を埋めなければならず、失ってしまったものがあれば、失った

所に行って探さなければならないように、エバによってこの地上の人間がすべて死亡世界に入ったの

で、聖霊が来て、再び産みの苦しみを経ていくのです。

聖書を見ると、「女が慎み深く、信仰と愛と清さとを持ち続けるなら、子を産むことによって救われ

るであろう」(テモテⅠ二・一五)とあります。これは、今日、地に住んでいる婦人たちに対して語っ

た言葉ではなく、エバに対して語った言葉です。

エバが堕落せずに人類の真の先祖になっていたならば、この地上に善なる息子、娘を生んだはずで

すが、堕落してサタンの子女を生んだので、エバが再び生まなければ、人間は救いを得られないとい

うことです。ですから、聖霊がこの使命を背負い、今日、人類を抱えて産みの苦しみを経ているので

す。その出産がすべて終わってこそ、エバが救われ、聖霊の使命が終わるのです。

38 人間が堕落することによって、霊と肉が断絶したので、霊と肉が一致した立場に立たなければな

りません。イエス様は、この地に来て、聖霊を立てましたが、それだけではいけないのです。イエス

様は、再臨の約束を残して逝ったので、その約束を果たすために、再び来なければなりません。その

再臨の理想とは、エデンの園で失ってしまった実体の母を探すことです。

イエス様の願いの成就は、霊肉が合わさり得る一つの理念世界において可能となります。そのよう

になってこそ、霊肉を備えた父母が天地間に現れるのです。

39 神様の復帰摂理を中心として、女性たちが世界を動かし得る一時代が来たというのは、この地上

に女性を代表し得る一人の聖霊の実体、この地上に復帰し得るエバが現れる時になったことを例証し

ています。そのような方になるためには、真の妻となり、真の母にならなければなりません。その資

格をもつ人になったのちには、真の女王にならなければなりません。この三つの素性(そせい)をも

たなければならないのです。そのような行いに、責任をもって余りある人格をもった女性にならなけ

ればなりません。

神様は、天の国の真の母になることができ、真の妻になることができ、真の王妃になって余りある

女性を求めるのです。神様のそのような召命を受けるときは、勇敢無双(他に類を見ないほど勇敢な

こと)にサタン世界を退けて進んでいける女性でなければなりません。

40 母を復帰する路程が、どれほど熾烈だったかを知らなければなりません。アダム一人を取り戻す

ために、数多くの闘争をしながら、血を流す曲折を経てきたのがこれまでの歴史でした。それと同様

に、母を取り戻してくるときにも、どれほど犠牲的代価を払ったか分かりません。母の基準を引き継

いでいくために、数千年前に啓示を受けて準備した人から代を引き継いで、この時代を迎えたのです。

ろうそくの火を受け継いでいくのと同じです。聖火を中心として消えないようにしながら、地上の

「終わりの日」までつないできたのです。どれほど多くの犠牲的代価を払ったか分かりません。

41 聖霊は、霊的な母のことを意味します。イエス様と聖霊が一つになり、霊的な子女を繁殖させ、

世界的な基盤を築いたのがキリスト教です。そのように、霊的にのみ世界的救援摂理の基盤を築いて

きたので、このキリスト教の基盤を中心としては、霊肉を中心とした神様のみ旨を実現することはで

きません。ですから、イエス様が再臨しなければならないというのは、必然的な帰結です。肉的世界

が未完成でとどまっているからです。

霊的キリスト教世界の基盤を、肉的世界基盤まで連結させなければ、霊肉を中心として、神様の新

しい世界的歴史に越えていくことはできません。

42 イエス様は、アダム家庭で失敗したことを、国家的に復帰しようとしました。しかし、イスラエ

ル民族がイエス様の命を奪ったため、国家的カイン・アベルが現れ、それが世界にまで連結されたの

です。イエス様は、国家基準を越えられなかったので、恨を抱いて逝きました。

そうして、イエス様は、国なき霊的開発の哨所(先鋒の施設)として現れるようになりました。母

なる神である聖霊は、体がありません。ですから、油のような聖霊、水のような聖霊、風のような聖

霊として、すべての人々に感動を与え、体をまとうことができる新婦創造の役事をしてきたのです。

Page 17: 真の父母経001

そうして、お父様の時代になって、世界的基準でお母様を立てました。それにより、地上で実体圏

解放まで成し遂げられたのです

43 お母様は、母方の祖母と大母様、お母様自身まで、三代を経なければなりません。そのようにし

なければ、母の位置に立てないのです。母方の祖母は聖主(ソンジュ)教、大母様は腹中(ポクチュ

ン)教を経てきました。そして、大母様は、実体の主に侍ろうと、故郷の地を離れ、茫々たる荒野で

独り暮らしをしながら、お母様を育てたのです。

44 お父様は、いい加減に結婚することはできません。三代のエバの役事を経た娘を新婦として迎え

なければならないのです。お母様は、そのような役事を経てきました。聖主教、腹中教の代を継いで

きて、一次エバ(趙元模・チョウォンモ)、二次エバ(大母様)の祝福を受けてきたのです。大母様を

通してそのような役事をしてきたのです。

蕩減復帰の原則に従ってそのような過程を経ることにより、来られる主を勝利の版図に立てるべき

責任があるのです。イエス様が結婚できなかったのも、このような蕩減復帰の原則に合わなかったか

らです。

45 真の父母は、カインとアベルが一つになった基盤の上に現れます。真の父母が現れる時になった

ので、母である聖霊と父であるイエス様が、初めて霊界からこの地上に訪ねてきて、真の父と真の母

の実体と共に、祝福を成し遂げるのです。そうして、一九六〇年に家庭出発をすることによって、血

統を接ぎ木して祝福家庭をつくるようになり、霊界の解放圏と地上の解放圏を連結させて、サタンま

で屈服させたのです。

46 今や、真の父母が地上に現れたので、イエス様はお父様と一つになり、聖霊はお母様と一つにな

るのです。イエス様の母親であるマリヤと、洗礼ヨハネの母親であるエリサベツが協力できずに、イ

エス様が亡くなりました。本来、イスラエルの国とユダヤ教の人々全体がイエス様の前に一つとなっ

て、イエス様の新婦を準備しなければなりません。そうして、人類を再び生まなければならないので

す。

そのように、世界的な舞台においてイエス時代に横的にできなかったことを、この時代に蕩減しな

ければなりません。お母様を通して上がっていかなければなりません。それが平面的に広がることに

よって、全世界的にお母様を宣布するようになるのです。世界人類は、お母様のおなかの中に再び入

り、お父様と一つにならなければなりません。

47 家庭には、母と子女がいます。家庭において男性(夫)は、天使長の位置にいます。そのため、

まずアダムの位置にいるお父様を中心として、一つにならなければなりません。そして、真の母の分

身として、世界のすべての女性は、父と一つにならなければなりません。そうして、本来の父の息子、

娘だったという条件を掲げ、再び生まれて復帰されるのです。お父様の息子、娘として再び生まれた

という立場に立たなければなりません。

アダムとエバが結婚する前、アダムの骨髄に赤ん坊の種として存在していた、その場にまで入って

いかなければならないというのです。それを、真の愛によって連結させるのです。発電所の電気が、

出ていっては(巡り巡って)戻ってくる作用をするように、連結されなければなりません。そうして、

真の愛によって重生しなければならないというのです。お母様は、聖霊の実体と同じです。

48 お母様は、世界を代表した女性として、息子、娘を抱きかかえています。お母様に従う女性たち

は、お母様の分身になります。お母様を、自分の夫以上に愛さなければなりません。お母様は聖霊で

す。聖霊に背いては、赦しを受けられないのです。再び生まれる道がありません。赦そうとしても、

その根拠がないのです。お母様は、生命を復活させる方です。再び生んで祝福するのです。

第三節 真の父母は復帰摂理の完成者

真の父母は再臨主、救世主、メシヤの使命完成者

堕落した人類の前に顕現された真の父母は、真の愛なる神様の実体である。真の父母は、神様の救

援摂理を展開する再臨役事の主人であり、人類を偽りの愛と悪なる血統から真の愛、真の生命、真の

血統に転換し、宗教を一つに統一する救世主、メシヤの使命をもっている。真の父母を中心とした家

Page 18: 真の父母経001

庭の伝統を受け継ぎ、新しい文化を創造する本然の世界では、神様と一つになって完全なる愛の授受

作用を行うようになるので、救世主が必要なく、原罪がない立場であるがゆえに、父母、夫婦、子女、

家庭全体が、神様と共に永遠に暮らすことができるのである。それが、神様が摂理してこられる歴史

の最終目的である。そのようになれば、初めて神様の復帰摂理の目的と人類が願う理想世界が成し遂

げられるのである。

1 神様の復帰摂理は、神様が地上に定着するためのものです。地上で完成基盤を失ってしまったの

で、再び復帰して完成しなければならない責任が神様にあるのです。その目標に向かって、これまで

復帰摂理をしてきたのです。神様が完成した夫と妻を立てることが、メシヤを送られた目的です。

旧約と新約の最終摂理の目的は同じです。新約時代は、旧約時代の完成圏を形成しなければなりま

せん。成約時代は、新約時代の完成圏を越えなければなりません。そのため、完成した成約時代の中

には、新約完成圏と旧約完成圏がすべて入っています。イエス様は、旧約時代を完成するために来ま

した。イエス様の中に旧約時代がすべて入って完成することによって、一つになるのです。それが新

約時代です。イエス様を中心にそのことを成し遂げようとしたのですが、できなかったので、再臨時

代に延長されたのです。

ですから、再臨時代である成約時代には、旧約時代の完成と新約時代の完成が成し遂げられなけれ

ばなりません。すべてのことが、再臨主によって収拾されます。この再臨主によって、旧約時代圏と

新約時代圏、歴史的なすべてのことが収拾され得る出発が実現されるのです。

2 アダムとエバが堕落することによって、怨讐の愛と、生命と、血統を受け継いで、神様のすべて

のものを破壊しました。イエス様の時代に、国家的な基準において霊界と肉界が統一されていれば、

第二イスラエルの国は必要ありません。イエス様は、ローマまで一つにし、イスラエルの国と天地、

霊界と肉界を統一しなければなりませんでした。それができなかったので、お父様が一時代、高い次

元に延長させて二千年を合わせ、アダム家庭での失敗、イエス様家庭での失敗をはじめ、塞がったす

べての塀を崩さなければなりません。霊界と肉界、霊界の楽園と地獄の塞がった塀を崩してしまわな

ければなりません。

そのために神様は、「文鮮明は救世主である! 再臨主である! メシヤである! 真の父母であ

る!」と宣布するのです。「真の父母」と言えば、「救世主、メシヤ、再臨主」と言う必要はありませ

ん。真の父母と一体化したものと見ればよいのです。

3 真の父母は、救世主です。世の中を救ってあげなければなりません。偽りの父母が偽りの愛によ

って世の中を生み出したので、世の中を救うには、真の父母の真の愛によって救わなければなりませ

ん。

宗教を一つにする人がメシヤです。宗教を統一させ、真の愛を中心として、家庭定着を目指すので

す。世の中も家庭定着を目指し、平和を目指します。宗教も平和統一を目指すのです。その次に、第

一イスラエルであるユダヤの国と第二イスラエル圏も、その国を中心として家庭の失敗、国家の失敗、

世界の失敗、このすべてのことを取り戻すために、第一アダム、第二アダムを経て、第三アダムを中

心として進んでいくのです。そうして、天上世界と地上世界の失ってしまったすべてのものを初めて

取り戻し、その上に立っている方が真の父母です。

真の父母は、世の中の救世主の王です。真の父母はメシヤの王です。真の父母は、旧約時代、新約

時代、成約時代の王です。真の父母は、見えない神様を身代わりする実体です。真の父母は、神様の

ために生まれたというのです。自分のためではありません。神様も、真の父母のために存在します。

真の父母も神様も、真の愛によって一つになるのです。

4 メシヤ、救世主がこの地に来て、空腹から解放してあげることも必要であり、また、その国が受

難の中にいれば、そこから解放してあげることも必要です。しかし、それよりも先に、救世主が来て

何を解放すべきかというのです。

第一に、愛を解放してあげなければなりません。救世主は、愛を中心とした解放者です。その次に

は、生命の解放者です。その次には、血統の解放者です。血統が変わったので問題なのです。血統が

同じだというときは兄弟圏に入っていくのですが、血統的に変わったのです。言い換えれば、私たち

が生まれるときに、根本である血統を中心として解放してあげることが、(メシヤがもつ使命の)骨子

だというのです。

Page 19: 真の父母経001

5 人間は、堕落していなければ、神様が分かるようになっています。心で分かるのです。世の中が

何と言おうと、自分がどこに行くべきかが、自然に分かるというのです。体は自然に心と一つになる

ようになっているのであって、心と体が闘うようにはなっていません。堕落したので、角度が合わな

いのです。

この角度を合わせようとするので、宗教世界では必ず体を打ちなさいというのです。そのため、断

食をし、奉仕をし、犠牲となって、血を流さなければなりません。悲惨で哀れな状況に直面しなけれ

ば、本然の位置に行くことができません。そのようにして、角度を個人的に合わせなければならず、

家庭的にも合わせなければならず、氏族的にも合わせなければならず、国家的にも合わせなければな

らず、世界的にも合わせなければなりません。そのようにするために、真の愛を中心として、世界的

に角度を合わせるモデルとして来られる方がメシヤです。

6 お父様が再臨主であり、メシヤであり、真の父母であることを、人々は、そのままでは信じませ

ん。再臨主であるなら、再臨主となり得る実績と実権がなければならないのです。サタン世界に勝ち、

彼らが公に認める証拠をもった上で立たなければ、メシヤの自覚性(自分の立場や能力、本分などを

自ら悟る稟性)や真の父母の自覚性を見いだすことはできません。

ですから、数多くの苦労と困難を経て、地上世界や天上世界で、真の父母、救世主として侍ること

ができる基盤の上に立ってこそ、メシヤや真の父母の自覚性が天地を越える基準まで進むのです。そ

れができなければいけません。ですから、お父様一代で数多くのことをしました。どの国にもできな

いこと、どの個人も夢にも見ることができないことを、すべて成し遂げてきたというのです。

7 メシヤとして召命された責任とその観をめぐって、「私がメシヤだ」ということを、お父様が自分

の思いで決めてはいけません。環境的に見て、「メシヤなのだな。行かざるを得ない」という自覚が先

立たなければなりません。

堕落は、エデンの園のアダムとエバが自分自体を自覚することから起きたのです。復帰も同じです。

その基準は、言葉だけではありません。神様が祝福するからといって、立てられるものではありませ

ん。祝福したならば、祝福したとおりに実践し、それに間違いがなければ、同居し、同位圏に立って

相続することができます。同参(一緒に参加すること)、同位、同居することによって相続するのです。

「間違いなく真の父母であり、間違いなくメシヤである」と思わなければなりません。夜に光る灯台

と同じです。

灯台は間違いなく、夜に光を照らしてくれます。ですから、メシヤは、世の中がどんなに暗くても、

暗い世の中に明るい光を放たなければなりません。

8 万物は、神様のものです。万物の主人が神様なのです。ところが、今に至るまでサタンが主人の

振る舞いをしています。愛には、同位権、同参権が存在し、祝福と相続が関わっているので、自動的

にサタン圏に移っていくのです。神様のみ座に座ったまま、その周囲まで侵入して主管しています。

それが解放される道はありませんでした。今まで何千年の歴史を経てくる間、解放される道がなかっ

たのです。そうして、創造以来、本来の家庭理想基準を復帰するために、今まで苦労してきました。

お父様が生まれて、初めてその前後左右のすべてを整理し、サタン圏から防備するための対策と公

式を立ててきたのです。ですから、サタンは後退せざるを得ないというのです。そこに異議を唱えれ

ば、引っ掛かってしまいます。真の父母は、そのようなことをすべて勝利しました。個人的な勝利圏、

家庭的な勝利圏をすべて立てたというのです。

9 霊界の地獄世界を撤廃し、天国の門が閉ざされているのを完全に撤廃する、宿命的な事業の曲折

を解くために、生涯を捧げてきました。私がこれを認めなくても、環境が認めて侍ることができる、

その基盤の上で命令できなければなりません。私は「真の父母」という言葉を言いませんでしたが、

霊界から直接、啓示を受けて、真の父母であり、メシヤであり、救世主であると認めたのです。

個人的なメシヤ、個人的な真の父母、個人的な救世主はいくらでもいます。天宙的なメシヤである

と、天と地が公認しなければなりません。「あの方は、私たちの真の父母でありメシヤである」と公認

する霊界の統一的基盤で、そのように仰ぎ見ることができる勝利の覇権の位置に立たなければなりま

せん。

10 メシヤは、国家を代表して、世界的アベルとして来るため、カインがアベルの命を奪った歴史を

蕩減できる国家的基準が完結すれば、その基盤の上に初めて、父母の内容を備えて来られるのです。

Page 20: 真の父母経001

ユダヤの国とユダヤ教が一つになり、カインとアベルが歪ませた歴史を一つにできる国家的基盤が完

結することによって、初めてイエス様は真の父母の位置に立つのです。

復帰歴史においては、兄弟が一つになったあとに、父母が現れるのです。国家的基準においてユダ

ヤ教とイスラエル民族が一つになり、ユダヤ教と祭司長がカイン復帰を通して一つになることによっ

て、その国家的基盤の上にメシヤが顕現できるというのです。その方がイエス様でした。イスラエル

民族とメシヤが一つになっていたならば、エデンの園でアダムを中心として分立されていたカインと

アベル、分立されていた国家的基準を一つに完結することによって、メシヤは父母の形態を備え、新

しい家庭編成と同時に、世界的に顕現することができたでしょう。

11 第二次世界大戦以降、アメリカを中心として全体が長子圏でした。長子権、父母権、王権を成し

遂げなければなりません。そうして、父母を迎えなければなりません。長子権はすべて成し遂げまし

たが、父母を知りません。来られる再臨主、父母を迎えて王権復帰をしなければならないのです。で

すから、「神様のもとの一つの国」ではありません。父母が来てからは、「神様のもとの一つの世界、

一つの宇宙、一つの天宙」をつくらなければなりません。そのような世界になれば、地上天国が実現

するというのです。

この自由世界の歴史には、「神様のもとの一つの世界」であるとか、「神様のもとの一つの宇宙」で

あるとか、「神様のもとの一つの天宙」という概念がありません。神様のみ旨が成就し得る最後の時に、

地上に真の父母が来て、父母権復帰、王権復帰をすることによって、「神様のもとの一つの世界、一つ

の宇宙、一つの天宙」になり得るのです。イエス様がユダヤの国において、国を探して立てることが

できず、「神様のもとの一つの国」を成し遂げられなかったので、これを取り戻すために世界的頂上に

来たのです。

しかし、「神様のもとの一つの国」では、霊界が入っていません。これは一つの宇宙、一つの天宙で

はないので、「神様のもとの霊界と肉界」になっていないというのです。再臨主が来て、それを成し遂

げるのです。

イスラエルを中心として、イエス様が「神様のもとの一つの国」をつくってローマまで占領したな

らば、一つの世界になり、その次には霊界まで統一したならば、「神様のもとの一つの宇宙、一つの天

宙」になるのですが、それを完成できなかったため、このことが残っています。これは誰も知らずに

います。ただ神様と来られる再臨主だけが知っているというのです。

12 メシヤは、父として来なければなりません。兄として来れば、争うようになります。父母として

来てこそ、最後になるのです。ですから、「真の父母」という言葉は驚くべき言葉です。真の父母がい

るので、真の父がいて、真の母がいて、真の愛があるのです。真の愛を中心とした真の父母から、真

の息子、娘が生まれることができるのです。真の家庭がそこに存在することができ、真の家庭を連ね

て横的に拡大すれば、真の氏族、民族、国家、世界、天宙になります。そこに神様が君臨するという

ことは、理論的に異議がありません。

真の父母は、過去にも存在せず、後代にも存在しません。歴史上に一組しかいない真の父母が現れ

たという事実は、これ以上に喜ばしいことがないというのです。それとともに、血縁的関係、父子関

係をもったというときには、真の父母の勝利の覇権を、ためらうことなく相続しても恥ずかしくない

のです。それは、自分を超越して、無限の世界にまで「私」を案内してくれます。「真の父母」という

言葉が、どれほど途方もないものか分かりません。神様は、真の父母を表題にして、人間を創造しま

した。その真の父母の愛の中で、真の家庭と世界、真の地上天国と天上天国が連結されるのです。

13 堕落の峠を越え、真の父母の勝利的足場を中心として、新しい地上天上天国の解放釈放時代を宣

布できる時に入ります。堕落しなかった基準を取り戻していくことができる時になったというのです。

ですから、霊界と肉界が一つにならなければなりません。霊界を知らなければ脱落するのです。神様

と聖人、偉人がすべて統一決議をし、霊界の楽園から地獄までも決議して解放を宣布したので、地上

もそのような立場に立ててあげようとするのです。

救世主、メシヤ、真の主人である再臨主が来て、すべて完成しました。「真の父母」の名を中心とし

て、神様と愛によって一体となり、新しい解放の世界に越えていけるようになったというのです。そ

のため、神様が玉座から降りてきて、地上で一緒に暮らしながら、関係を結ぶことができる時代に入

りました。

復帰摂理を完成された真の父母様

Page 21: 真の父母経001

神様の復帰摂理歴史は、アダムとエバが堕落したことを蕩減復帰して、人類の真の父と真の母、す

なわち真の父母が登場される時まで継続する。真の父母は、堕落した人類に救いのみ手を差し伸べ、

行くべき方向を提示する唯一の中心モデルとして顕現される。歴史はここから収拾され、実を結び、

出発するのである。それゆえ、失われた過去が復帰されるのも、分裂した世界が一つの世界に収拾さ

れるのも、その一つの世界が起源となって天国が成し遂げられるのも、真の父母によるのである。そ

のため、真の父母は復帰摂理の完成者となられる。

真の父母は、人間の最高、最終の希望であるがゆえに、歴史的願いは真の父母が顕現してこそ成就

されるのである。真の父母が現れたその時代が、歴史完成の出発点である。

14 真の父母とは、神様が創造の出発から創造の過程、蕩減復帰歴史路程において、目標としてきた

願いです。

真の父母の顕現が実現されなければ、世の中を正すことはできません。神様は、個人の理想的な愛

を中心とした完成体の中心であり、家庭的完成体の中心であり、氏族、民族、国家、世界的完成体の

中心です。

アダムを中心に地上でその完成体中心の対象的基盤をつくろうとしたものが、サタンによってすべ

て閉じられてしまいました。そのため、真の父母が来て、再び完成的個人、家庭、氏族、民族、国家、

世界、天宙基盤まで連結しなければなりません。真の父母と一つになることによって、天国に入って

自動的に神様と一つになれるようにすることが、救援摂理歴史の目的です。

15 堕落がなかったならば、「真の父母」という言葉が必要なく、「救援摂理」や「復帰摂理」、「再創

造摂理」、「復活摂理」などの言葉も必要ないでしょう。堕落することによって救援摂理が存在するよ

うになったのであり、救援摂理を成し遂げることのできる救世主が現れるようになったのです。その

救世主は、食い違った過去の出来事を清算するために、神様を代表し、人間を代表して現れた主人公

です。

この主人公がすべきことは、サタンを取り除くことです。これは、神様自らがすることはできませ

ん。アダムの支配を受けるべき立場にいる天使長が、アダムをひっくり返してしまいました。アダム

を主管したのです。ですから、アダムが失った主人の位置を再び取り戻すために救世主が現れなけれ

ばなりません。そうして、神様に侍り、原理的内容を提示して、僕であるサタンを自然屈伏させ得る

立場に立たせなければ、神様の創造理想的な平和の基点を地上に実現できないのです。

16 復帰摂理は、再創造の摂理です。神様が再創造を行うには、本然の創造原理を通して行わなけれ

ばなりません。その創造原理の中心が、一人の完成した男性であり、一人の完成した女性です。その

ような完成した男性と女性は、夫婦となり、愛の道を行かなければなりません。愛の橋を架けなけれ

ば、神様のみ前に行けません。これが創造理想の道理です。

今まで、神様は、アダム一人を再び探そうとしましたが、探し出すことができませんでした。人間

が堕落したその日から、今まで再創造の原理原則に従って、アダムを求めてきたのが宗教です。世界

的宗教には、再臨思想があります。教主たちが再び来て、平和の世界、理想的世界に導くという再臨

観があります。その方が何人もいるのではありません。一つの中心、完成したアダムを標準としてき

たのです。

17 アダムとエバは、(天の)父母によって完成し、(天の)父母と一つになることによって、アダム

とエバのすべての息子、娘が勝利圏に立つことができます。このようになるには、八段階を通過しな

ければなりません。個人から家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙、神様まで、八段階を越えなけれ

ばなりません。堕落したのはアダムとエバの個人ですが、堕落圏は天宙に及んでいます。個人である

アダムとエバが堕落したのですが、その結果は、この世界だけでなく、天宙的に連結されています。

地上から霊界まで連結されているのです。この圏を奪還しなければ、解放は不可能です。ですから、

数多くの宗教がこれを越えるために、多くの蕩減を払ってきたのです。

しかし、堕落の子孫であるがゆえに、ここから抜け出すのは、自分の力では不可能です。これを招

いた張本人は、どこまでもアダムとエバです。アダムとエバがその先祖です。その悪なる先祖によっ

て堕落したので、完成した先祖が来てすべてのことを解明し、誰もが抜け出せるように、その内容を

教示しなければなりません。そのように勝利した主人でなければ、その峠を抜け出すことはできませ

ん。その方が結局は、再臨主であり、真の父母です。ですから、真の父母は、個人完成、家庭完成、

氏族完成、民族完成、国家完成、世界完成、天宙完成を成し遂げ、最後には神様まで解放しなければ

Page 22: 真の父母経001

ならないのです。

18 人類は本来、神様の子女として造られましたが、怨讐サタンの血統を受け継いだために、サタン

の主管を受けるようになりました。そうして、今まで人類は、怨讐の子女としての扱いを受けてきた

のです。

したがって、真の父母は、子女を取り戻さなければならず、歴史的な先祖にならなければなりませ

ん。真の父母は、歴史過程において汚されたすべてのものを清算し、サタンが讒訴できない立場を立

てておかなければなりません。肉界から霊界に上がったり、霊界から地上に降りてきたりしても、サ

タンが讒訴できない立場を築いておかなければなりません。真の父母が往来する道において、サタン

が讒訴できる条件を遮らなければなりません。サタンが讒訴できるようになったのは、人類の先祖が

失敗したからです。ですから、人類の真の先祖として来られる真の父母は、過去、現在、未来に通じ

ることができる道を、完全に築いておかなければなりません。

19 歴史始まって以来、今に至るまで、神様とサタンが闘っています。神様もその闘いをやめさせる

ことができず、サタンもやめさせることができません。その闘いは、アダムとエバの堕落によって起

こったものです。それでは、これをどのように正すことができるのでしょうか。

神様は、再創造をしたいと思うのです。復帰路程は再創造の路程です。再び創造しなければ、解決

することができません。ですから、宗教を通して再創造しようとするのです。数多くの宗教の中で、

ユダヤ教、キリスト教、統一教会が中心です。三段階で上がって、「終わりの日」の再臨の時、真の父

母が顕現するのです。

その真の父母は、神様の秘密、サタンの秘密、そして人間の秘密まで、すべてのことを知っていま

す。サタンの世界は、前後、左右、上下が無秩序です。再臨のとき、真の父母がこの地上に現れて、

それを清算し始めるのです。個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、霊界まで清算するのです。その

次に、人間が願う神様の創造理想が、主流として登場します。ですから、この主流を形成することが

統一教会の目標です。そのような高速道路を造るのです。その道に従って走るようになれば、理想世

界、天国が連結されます。

そこには妨げとなるものがあり得ず、サタンが存在できません。きれいな世界です。人間の目的が

すべて成し遂げられるのです。そこから、霊界と肉界の解放が広がります。そのような世界が私たち

の本郷です。このように悲惨になったのは、人間の堕落のためです。これは誰も解決することができ

ません。この地上に真の父母が現れることによって、そのすべてのことが問題なく清算されるのです。

20 父母様が行く道は、そのまま平坦に行くのではありません。いくつもの谷間を埋めて、越えてき

ました。神様は、私の父母だというのです。千年の恨、万年の恨を抱き、天の父母と地上の父母の恨

を合わせて解いて、責任を果たさなければならないイエス様の使徒、キリスト教の信者たちの中に、

そのような心情をもって、天と地の父母を解放しようという心をもった人はいません。彼らは、信じ

て福を受けようとしています。それは、霊界ですべて引っ掛かります。神様は、滝のように涙を流し

ています。その神様を解放することが父母様の使命です。

21 再臨主は、人類の真の父母の立場で再び真の愛の家庭を探し出し、天地父母の位置を経て、人類

の救援摂理を完成しなければなりません。メシヤは、アダムとエバが堕落せずに完成した家庭よりも、

さらに栄光をもって、立派に神様に侍ることができる孝子、孝女の家庭から出発しなければなりませ

ん。メシヤは、真の愛を中心とした父の位置で、真の生命と真の血統を連結し、新たに出発しなけれ

ばならない、人類の理想的核となる家庭の主人です。

ここから祝福結婚家庭を連結し、地上天国と天上天国を完成するのです。

22 永遠の愛に酔いしれて永生を賛美し、永生の価値を神様と共に永遠に賛美できる栄光の場が、キ

リスト教で言うところの新郎と新婦が新たに出会う場です。新郎と新婦が出会う場は、数多くの人間

を代表した場、神様と人間が出会う場です。

しかし、新郎と新婦という位置が、本来の人間として希望した最高峰ではありません。新郎と新婦

の位置は、過程にすぎません。

父母から生命が出発するとき、父母と同じ位置から出発したのですから、父母である神様のみ前に

帰る道を求めなければなりません。生命の起源が神様と同じ位置に立たなければなりません。その位

置に立って、神様の愛の保護圏内で育てられ、現れなければならないのが新郎と新婦です。ですから、

Page 23: 真の父母経001

新郎と新婦の位置が理想ではありません。

人間が行くべき最後の終着点は、真の神様を父母として侍り、その真の息子、娘になるところです。

そこが、人間の願う最後の希望峰であることは間違いありません。このような観点から、統一教会は

真の父母理念を提示しました。

新郎と新婦の過程を経て、堕落していない本然の息子、娘の位置に入り、神様によって造られた人

間が堕落したので、これを再び復帰して完成し、神様を真の父母として侍り、永遠の価値の一体であ

り、永遠の生命の一体であり、永遠の愛の一体と化して、新しい再出発をしなければなりません。そ

うして、この地上に顕現することが、復帰の途上における人間が行くべき最後の終着点です。

このような目標に向かって行く道が、復帰の路程です。今まで神様が人類に対して救援摂理をして

きたのも、このような目的に到達させるためでした。

23 神様に侍ることのできる真の男性と女性が一つになり、互いに離れようとしても離れられず、別

れようとしても別れられない真の夫婦となり、真の息子、娘を生まなければなりません。神様を中心

とした真の父母、真の夫婦、真の息子、娘となって、四位基台をつくらなければなりません。このよ

うな真の息子、娘が、宇宙と人類の中心になります。彼らを中心とした国が、中心国家になるのです。

中心がない国は滅び、中心がない世界は落ちていくのです。そのため、文化は世界を回りながら発展

していきます。このような中心をもって出発し、発展した文化は、絶対に滅びません。

それゆえ、真の父母は、神様をお迎えして、すべての家族の中心にならなければなりません。その

生活制度は、万民が生活できる生活制度であり、ここから見つめる国家観、ここで議論される世界観、

ここで教えてくれる理念は、全世界の万民が共通してもつべき国家観であり、世界観であり、理念で

す。人類は、一つの門に向かって、「終わりの日」の時を願いながら、今まで歩んできました。

真の父母の願いは、人類が神様を中心として、真の家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙をつくり

上げることです。そのようになれば、神様の愛までも復帰することができるのです。

第四節 真の父母は神様の実体

神様は縦的父母、真の父母は横的父母

神様の実体対象として創造した男性格の代表がアダムであり、女性格の代表がエバである。二性性

相の中和的主体として自存しながらも、無形でいらっしゃる神様が、太初に人間を一男一女として創

造された目的は、実体世界と相対するに当たって必要な体をまとうためであった。アダムとエバの二

人の体をまとい、実体世界と自由自在に交流し、作用するためだったのである。体をまとっていない

無形の神様では、有形実体世界と相対するときに限界があるからである。

したがって、アダムとエバが心の中に神様をお迎えし、一体となって完成した基盤の上で結婚し、

子女を生んで家庭を築けば、アダムとエバは外的で横的な真の父母となり、神様は内的で縦的な真の

父母になるのである。

1 神様は、無形でいらっしゃるため、死んで霊界に行っても見ることができない方です。したがっ

て、肉身をもって生きる人間と関係を結んで暮らすためには、神様も体をもった父として、この地上

に顕現されなければなりません。このような天理ゆえに、神様は、人類の最初の先祖であるアダムと

エバを創造されました。彼らを通して、神様は御自身の姿を有形と無形の両面で顕現させようとされ

たのです。有形世界と無形世界が調和して一つになる姿であり、宇宙が一つになることの象徴でもあ

ります。

肉身をもって生まれた人間として、どのようにすれば無形でいらっしゃる神様の体になることがで

きるのでしょうか。神様の属性は、絶対、唯一、不変、永遠です。神様のこのような属性を完全に伝

授し、創造した最高の傑作が人間です。有限な物質世界の原理原則を基にして造った肉身は、永遠で

はありません。ですから神様は、アダムとエバが完成に至れば、彼らの中に内在し、完全一体となる

ことによって、アダムであると同時に神様であり、神様であると同時にアダムであるという、永遠な

る真の愛の関係を結ぼうとしたのです。

もし、アダムとエバが堕落せず、神様の戒めを守って個人完成を成し遂げ、神様の祝福のもと、結

婚式を挙げることさえできていたならば、彼らの子女たちはもちろん、子々孫々、永遠に神様の属性

を相続して生きる神様の体になったでしょう。

2 神様は、御自身を絶対投入して、愛の絶対対象を造られました。愛の実体対象が必要で造られた

Page 24: 真の父母経001

のです。地上世界はもちろん、天上世界においても、実体がなければ、実体の子女に相対できないの

で、形状として体をまとわなければならないというのです。これが完成した真の父母の形態です。

そして、神様は、地を中心として愛することのできる愛の対象が必要だったので、創造の摂理をさ

れました。その基台の上に、神様は、御自身の絶対対象として造った人間が永存するようにするため、

繁殖の機能をお許しになったのです。これが、神様の三大創造要素です。

神様は、愛の根であり、生命の根であり、血統の根であり、地上天国と天上天国の根です。堕落が

なかったならば、アダムとエバが結婚するとき、神様はアダムとエバの心の中に入り、彼らと一体と

なって愛を実現したでしょう。そうして、神様は縦的な真の父母、アダムとエバは横的な真の父母に

なったでしょう。二つの父母から血肉をもらって生まれた人間の心は縦的な自分になり、体は横的な

自分になって、一心、一体、一念、一和の人生を営むことができたのです。

3 神様の体のような方が、真の父母です。真の父母は、完成したアダムとエバです。完成したとい

うことは、縦的な神様と横的なアダムとエバが一つになったということです。ですから、アダムとエ

バは神様の体になり、神様はアダムとエバの心のようになっているのです。真の愛が、そのようなこ

とを可能にするのです。

縦的な神様も、横的なアダムとエバも、互いにために生きる愛を実践するのです。天と地の全体を

身代わりして存在しているのです。

4 人間は、神様と真の父母に侍らなければ、その存在価値さえなくなるのです。神様と真の父母、

すなわち縦的な真の父母と横的な真の父母の二つの真の父母が一つになってこそ、「私」が出てくるの

です。言い換えれば、神様は縦的な真の父母、完成したアダムとエバは横的な真の父母となって、そ

の二つの父母が一つになった基台の上で私の心身統一が実現し、天国と神様が連結されるということ

です。したがって、神様と真の父母に侍らなければ、何もできないというのです。

天宙の代表的家庭とは、堕落する前、アダムとエバが神様と共に理想としていた家庭です。ですか

ら、天宙の代表的家庭と中心的家庭とは、天上における代表であり、地に降りてくれば、八段階の円

形で垂直に位置する家庭です。垂直の立場で、天上の代表と中心が一つになった位置だというのです。

5 神様は、愛の起源であり、生命の起源であり、血統の起源なので、それが人間の愛と生命と血統

と一つになり得る場がなければなりません。神様は、縦的な父母の位置にいます。堕落していない人

間は、横的な父母の位置に立つのです。アダムとエバは、子女であると同時に兄弟であり、夫婦であ

り、のちには息子、娘を生んで、神様の位置に上がるのです。息子、娘を生んで愛するというのは、

神様が人間を創造して喜んだ、そのすべてのものを相続することです。

真の愛によって相続するのですから、自分の息子、娘はそれほど貴いというのです。天地とも換え

ることができず、自分の一身とも換えることができない価値をもつようになるのです。

6 アダムの息子、娘は、神様の愛の圏内に至ることができませんでした。堕落していないアダムの

息子、娘になっていれば、横的に連結され得る地上天国が成し遂げられていたはずですが、縦横が連

結されなかったので、天国ができませんでした。

ですから、息子、娘は、二つの国を受け継がなければなりません。天上の国と地上の国、縦的な国

と横的な国、縦的な父母と横的な父母の血統を受け継いだので、縦的な父母の内的なすべてのものと、

横的な父母の内外のすべてのものを伝授された息子、娘だというのです。

天の皇族は、二つの国を受け継いだ生活を実際にするのです。皇族になれば、二つの国でいつでも

受け入れられる完成的な基盤の上に立ちます。その生活を通して、子女の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、

父母の愛を拡大しなければなりません。

それが公式化され、完成することによって、縦的な国と横的な国を受け継いだ天地の完成的家庭に

なるのです。神様の内的な心情と、アダムとエバの外的な実体のあらゆるものを体験できる家庭生活

をした人々が、天の国の皇族圏に属するのです。真の愛を中心として、神様は縦的な父母であり、ア

ダムとエバは横的な真の愛の父母であり、息子、娘はこの二つの世界の理想を受け継いだ血族だとい

うのです。

7 神様を一代とすれば、二代になるべき方が真の父母です。その二代が神様の祝福を受け、真の血

統を連結させなければ、三代が生じません。その三代復帰が、統一教会の理想です。神様は縦的な父

です。霊界まで無限に連結される父です。そして、実体の横的な父がいます。縦的な父が神様であり、

Page 25: 真の父母経001

横的な父が真の父母です。それが九〇度で、愛によって出会うのです。そこが、夫と妻も一つになる

所です。

夫と妻が一つになる定着地が、男性と女性の生殖器です。その生殖器を通じなければ、男性と女性

の生命が一つになりません。それが一つとなって、血統が連結されるのです。神様の愛を中心として、

真の生命を相続し、完成したアダムとエバが主体と対象を形成することによって、神様の見えない性

相と形状の結婚式となるのです。そのように、無形実体と有形実体が一つになるのが結婚式ですが、

そのように結婚した初夜に、神様の愛を体恤します。

その結婚は、人間としてのアダムとエバが結ばれるのではないのです。これは、宇宙の根本的な問

題です。皆さんの前には、神様と真の父母だけがいなければなりません。神様の愛、生命、血統と真

の父母の愛、生命、血統以外には、何もあってはいけません。

8 神様は縦的です。アダムとエバが横的にやって来て出会うときには、中央で出会い、直接向き合

わなければなりません。男性と女性は、縦的基準において平等です。二人が抱き合って一つになろう

とするとき、必ず縦が現れるのです。縦を中心として、互いに回るのです。愛は一体を形成します。

「父子一体」、「夫婦一体」、「兄弟一体」という言葉は、愛を離れてはあり得ません。

男性と女性の体は、神様の実体であり、体です。これが一つになるとき、縦的な基準を求めて上が

っていくのです。縦的な基準が先に連結されます。縦は、引力により引っ張られて降りてくるのです。

横よりも早く降りてきます。縦的な基準が中心となって一つになり、回るようになれば、全体が一点

を中心として球形を形成するのです。これが核となり、アダムとエバは客体となって、愛の球形体を

完成するのです。それが息子、娘が完成した愛の実体です。

9 真の縦的父母が神様であり、真の横的父母が真の父母様なので、父母を知らない人は、天宙の祝

福権を相続する権限がありません。真の愛によって結ばれた心情圏においては、父母も子女も、神様

も真の父母様も、平等な所有権をもつようになるのです。縦的父母は神様です。横的父母は真の父母

様です。それをはっきりさせなければなりません。

10 神様は、垂直的に唯一の愛の主人公なので、「縦的父母」と言います。堕落していない本然の人間

の先祖は、横的で水平的な父母です。そのため、九〇度になっています。これは一周回しても、どこ

でも同じ位置が維持されるのです。水平と垂直が九〇度になっているものは、東西が上下になっても

不平はありません。

神様の位置が男性と女性の位置に来てもよく、息子、娘の位置が母、父の位置に行ってもよく、祖

父と祖母の位置が孫と孫娘の位置に行っても通じるというのです。ここにおいて、統一圏が形成され

るのです。人間の家庭構成理念のための統一的基盤が生じるのです。ここでは消耗がなく、闘争がな

いので、平和の真理が万年にわたって作動できるのです。

神様は真の父母の形状で永存

創造本然の世界では、アダムとエバが完成し、真の夫婦の愛によって完全一体となれば、その上に

神様が臨在して、人類の真の父母になられる。無形の神様の姿にそのまま似た実体対象であるアダム

とエバが完成し、神様と一体となった真の父母として子女を繁殖することにより、理想家庭と理想世

界を築くのである。そのようになれば、完成した人間を通して霊界と地上界が連結される。人類の最

初の先祖であるアダムとエバが真の父母となり、地上での生涯をすべて終えて、完成した霊人体とし

て霊界に入れば、そこにおいても神様は、真の父母であるアダムとエバの形状をもって顕現されるよ

うになる。すなわち、神様は、完成したアダムとエバである真の父母に臨在し、二人の形状で永存さ

れるのである。それゆえ、堕落した罪悪世界を創造本然の世界に蕩減復帰し、創造理想世界を完成さ

れた真の父母様は、地上と霊界において、神様の永遠なる形状になられるのである。

11 神様が二性性相に分立して本性相と本形状の実体となり、本陰性と本陽性の実体となって地上に

顕現することによって、天宙のすべての存在は神様の実体になります。神様は、二性性相の中和的存

在であり、位置や次元においては男性格主体だというのです。

その男性格主体が、真の父母を中心として実体の中に入ってきて、血統が一つになり、愛と生命が

一つになるのです。そのような一体の位置において、天の国の眷属として、創造理想が完結した全体、

全般、全能の世界の相続者として、皆さん各自が永生の天国で主人家庭の位置を占有しなければなり

ません。神様も、霊肉が勝利した実体世界を願っています。

Page 26: 真の父母経001

12 神様は、なぜ人間を創造したのでしょうか。神様も体をまとわなければならないからです。アダ

ムとエバが神様の体になるのです。その次には、愛の対象が必要で人間を創造しました。そして、天

の国の民を繁殖するために、神様の実体対象を立てたのです。そうして、神様の息子、娘たちを生み、

子女として天国に迎え入れさせようというのです。そのために、神様は人間を創造しました。

皆さんが霊界に行けば、そのような本然の形態を備えなければなりません。神様の代わりに、民を

率いなければならないのです。神様の代わりになる愛の対象がいなければなりません。それをこの地

で完成していくのが夫婦です。凹凸が初めて一つになるのです。これは、天地が一つになることです。

男性は天を象徴し、女性は地を象徴します。男性も女性も、愛の対象をもたなければなりません。そ

の次に、神様の形状にならなければなりません。神様のようにならなければならないのです。神様と

同じものをもっているので、小さな神様であることは間違いありません。

人間が永遠の世界において、自分の位置と価値と栄光の場を占有できる所に訪ねていくこと、それ

が「亡くなる」ということです。「亡くなる」というその言葉は、啓示的です。(韓国語の「トラガダ

(亡くなる)」という言葉には「帰る」という意味がある)そのような目的で生活し、そのような実体

を収めて霊界に行き、神様の家庭的、氏族的、民族的、国家的対象になり、すべての栄光の実体とし

て、無限の世界で永存することが、存在する私たちの理想です。

13 宇宙は、神様の形を中心とした象徴的な実体です。その次に、形象的な実体であり、実体的な実

体です。すべてのものが、本体に似ているというのです。最もよく似たものが形象的なものであり、

形象を主体として似たのが象徴体です。象徴世界、形象世界、実体世界は、別々になっているのでは

なく、一つになっています。象徴、形象、実体を中心として見るとき、それを三段階と見るのですが、

その中心はたった一つしかないというのです。一つなので、統一された位置にならざるを得ません。

象徴も一つを願い、形象も一つを願い、実体も一つを願います。この世の中の象徴的な存在は万物で

す。形象的な存在は人間です。実体的な存在は神様です。

神様は、見えない無形としていらっしゃいます。その無形の神様が有形の神様として顕現するため

のものが、創造理想です。神様は見えない世界の実体にもなりますが、また、見える世界の実体にも

なりたいと思うのです。そのため、見える世界の実体を再び造っておいたのが人間なのですが、その

人間の出発基地が真の父母だというのです。真の父母は、見える世界において象徴的中心存在であり、

形象的中心存在であり、実体的中心存在です。それゆえ、この見える世界の真の父母の中心は、見え

ない世界の神様を身代わりした実体と一体になっているのです。

霊界も同じです。霊界にも象徴世界があり、形象世界があり、実体世界があります。内容が見えな

いだけであって、見える世界と同じように、内外になっているというのです。すべての中心は一つで

す。見える世界の中心も一つであり、見えない世界の中心も一つです。見えないこの実体の中心は、

霊界に行って定着するためのものなのです。

14 本来、アダムとエバは、神様を見ながら育つのです。霊眼で見るというのです。神様は、実体と

しては、アダムとエバを通して現れます。自己伝授です。見えない神様をすべて伝授して、アダムに

現れ、体をまとうのです。心は見えませんが、心のことが分からないのではありません。分かります。

心が主体として、すべて引っ張って回るのです。

アダムとエバは、自分勝手に生きることができません。心を中心として、一つになって進む立場で

生きるようになっているというのです。ですから、私たちは、心を絶対視しなければなりません。心

は、父母に優り、師に優り、神様に優るというのです。愛が理想とすることは、自分の何千万倍、優

れていることです。そのため、神様自体を、アダムとエバ自体がすべて感じるのです。自分一人で行

動できないというのです。アダムとエバが神様を感じ、形体としても分かるのです。「私のように一つ

になっているのだなあ!」ということを感じるというのです。

15 霊界に行けば、神様は真の父母として現れます。真の父母の心の中に神様が入るので、見えると

いうのです。神様は、対象を必要として創造しました。対象がいなければ、愛を感じられません。完

成のために対象を造り、体をまとうために造りました。その次に、繁殖するために造りました。地に

実体がなければ、繁殖できないのです。

この三大要件ゆえに、神様は創造を行いました。神様も体をまとわなければなりません。体をまと

うためには、対象が必要です。対象の体を身につけさせたのが、アダムとエバです。そのため、アダ

ムとエバのその姿が、神様の姿になるのです。

Page 27: 真の父母経001

16 万民にとって、神様は永遠なる無形の内的父母であり、完成したアダムとエバは、永遠なる有形

の外的父母になります。最大の愛は、主体と対象が永遠の愛を与え合い、完全に一つになるときに現

れ、結実します。真の愛の中では、自動的に統一が起こり、また、生命が連結し、理想が実現するの

です。神様のみ前に最も貴い対象存在であるアダムとエバに、神様の愛を中心に父母と子女として、

主体と対象として、また無形の創造主と有形の実体として、完全に調和統一された、永遠の愛と生命

の理想を実現させることが神様のみ旨でした。

よく「創造主と被造物が対等の位置に立つことはできない」と言われてきました。もしそうだとす

れば、その創造主の前に、愛の理想を実践することは不可能です。神様の愛の理想は、子女であるア

ダムとエバを有形実体対象として立て、永遠に彼らと合一しようとするものでした。神様は、人間の

中に住むことを願われます。無形の神様の愛の理想が、実体の人間を通して実現する基点は、人間が

神様の対象体として完成する瞬間です。

17 地上の王はアダムとエバで、横的な真の父母であり、天上の王は神様で、縦的な愛の王です。男

性と女性が愛し合うその時が、創造主と被造物が真の父母として合徳する時間です。地上天国、すな

わち横的天国を出発させ得る王の顕現と、縦的な天上天国の王の顕現が、その愛から出発するのです。

世の中の貴いすべてのものの中心、本宮が男性と女性の生殖器です。その宮の主人は一人です。王

宮の主人は一人の男性であり、一人の女性です。生命の王宮も、血統の王宮も同じです。地上天国の

王も一人であり、天上天国の王も一人です。アダムとエバが結婚する日が、神様の結婚式の日だとい

うことです。アダムとエバが愛の関係を結ぶことによって、初めて神様を完成させ、解放の位置に立

たせてあげるのです。

18 人間は、神様を身代わりした生命の種です。神様は生命の種の根本です。神様の種を相続した人

間が、横的な子女を繁殖しなければなりません。種の主人が真の父母です。そこから繁殖して、それ

を横的に幾筋にも伸ばし、拡張するのです。それが公式です。

最も多くの祝福を受けた父母は、息子、娘が多い父母です。息子、娘が多い家庭の父母が、祝福を

たくさん受ける基盤を立てるのです。個人の価値を完成すれば、この家庭基盤を自動的に相続するの

です。結婚をすれば、前後左右が一つになります。ここが正に、完成点になります。そこに神様がい

らっしゃるのです。子女の完成がここで実現され、兄弟の完成、夫婦の完成、父母の完成がここで実

現されます。すべて見えない神様と連結されるのです。

心で願うすべてのことは、これに似ます。この位置が見える神様の位置です。その中に兄弟の愛、

夫婦の愛、父母の愛があります。ですから、彼らは息子、娘を相続するのです。

見えない神様の創造が始まったとき、見える世界に登場するのと同じです。父母の理想、夫婦の理

想、兄弟の理想、子女の理想、この四つが父母の中にあります。それで子女を生むのです。子女が

徐々に成長し、兄弟になり、夫婦になり、父母になって、完全に一つとなって四方を回るようになる

とき、完成するというのです。そこから再創造が始まります。見えない神様が顕現したのが夫婦です。

これが理想的な夫と妻です。彼らの結婚初夜、そこに神様が訪ねてこられるのです。

19 無形の父母であられる神様が、アダムとエバの形状をまとい、有形世界に永存される父母になる

のです。このときアダムとエバは、真の父母、真の先祖になります。神様が体をもった父になるので、

見えない無形と有形が一つになるのです。それは、天宙が一つになることを象徴します。そのため、

神様の形状に似た、体を備え得る姿としてアダムとエバを造ったというのです。

そうして、アダムとエバを天の国の王宮の王座に登らせ、その王の心の中に神様の王宮を造るので

す。王国は、愛の王国です。

20 アダムとエバが神様の体を備えれば、神様は彼らの心の中にお住みになり、有形世界である地上

世界と無形世界である霊界を治めるようになったでしょう。これは、神様が治めることであると同時

に、アダムとエバが治めることでもあります。

この地に神様の王国、すなわち平和王国をつくっていったでしょう。アダムとエバは、地上天国の

王であると同時に、天上天国の王になったでしょう。神様の属性をそのまま受け継ぎ、アダムとエバ

はすべての被造物の上に、絶対的存在であり、唯一の存在であり、永遠で不変なる真の愛の実体の父

母、実体の王、実体の主人、実体の師になったでしょう。

今日の人類は、すべて神様の体をまとって生きる分身体になっていたのです。

Page 28: 真の父母経001

第二章 真の父母様の聖婚と真の父母時代

第一節 真の父母様の聖婚と「小羊の婚宴」

聖婚式と「小羊の婚宴」

ヨハネの黙示録第十九章に預言された「小羊の婚宴」は、真の父母様の聖婚式によって実現された。

創世記で失われたアダムとエバを、ヨハネの黙示録で取り戻して一致させるのである。御夫妻の聖婚

式は、人類歴史の終末時代に、第三アダムとして来た再臨のメシヤが、その配偶者であり第三エバで

ある聖霊の実体を新婦として迎え、神様が真なる人類始祖の夫婦として祝福してくださる式であった。

誤って生まれた人類は、生まれ変わらなければならないため、真の父母が必要である。

アダムとエバが成長期間の長成期完成級で堕落して偽りの父母に転落し、またイエス様までもイス

ラエル選民から不信され、十字架を背負われるようになったことを蕩減復帰した位置で、真の父母様

の聖婚式が挙行されたのである。

1 本来、人間始祖は、善なる父母として出発しなければなりませんでしたが、悪なる父母として出

発したため、人間は、すべて悪なる父母の血統を受け継いで生まれました。神様の愛を「私」への愛

としてそっくりそのまま受け、神様の懐に抱かれて、神様の直系の愛を通した血族として残された息

子、娘にならなければならないのですが、そのようになれなかったというのです。ですから、その本

来の立場に帰らなければなりません。これが正に、新郎と新婦を迎える「小羊の婚宴」です。

主がこの地上に新郎として来て、一人の新婦を探し、一つの基準の上に接ぎ木しなければならない

というのです。それがキリスト教の主張する内容です。その基準を設定し、確固たる目的を立てた宗

教が、キリスト教です。ですから、今日、民主世界がキリスト教文化圏において発展するのです。真

の父母を迎えようとすれば、そのように発展しなければなりません。

今まで宗教は、一人の真の息子をつくるために努力してきました。神様は、一人の真の息子を探し

出すために、今まで苦労されたというのです。ですから、世界宗教の教主たちの中には、女性がいな

いのです。

2 数多くの宗教の経書の中で聖書が偉大なのは、神様が人類の親であると掲げてきたからです。こ

れがキリスト教思想の源泉です。その次に、イエス様は「ひとり子である」と言いました。ひとり子

は、父なる神様の愛を初めて受けることができる息子です。その次に、キリスト教思想は新婦思想で

す。イエス様はそのようなひとり子なのですが、新郎として来たのです。そのため、新婦が必要です。

ひとり子がいるので、ひとり娘が必要だというのです。

新郎と新婦は、男性と女性です。新郎新婦の宴の日とは、神様が初めて愛の旗を掲げて現れる日で

す。そのような婚宴の席が、エデンの園から願われてきたのです。これが台無しになったので、人類

世界の終末において、この婚宴の席を再び回復しなければならないというのです。

3 イエス様は、「私は神様の息子だ」と言いました。そして、「神様は私の父だ」と言いました。そ

の次に、「私はひとり子だ」と言いました。ひとり子は、初愛を受けることができる王子です。神様の

息子の中でも、初愛を受けることができるひとり子だというのです。初愛を独占できる息子なのです。

その次に、ひとり娘がいなければなりません。新郎はひとり子であり、新婦はひとり娘です。結婚式

をしなければなりません。それが「小羊の婚宴」です。主がこの地上に来て婚宴をするのです。

「小羊の婚宴」をするようになれば、家庭をつくるようになります。神様が願うものが家庭です。

神様が願うのは、人類を神様の愛を中心としてひとり子とひとり娘とし、神様が本当に愛し得る家庭

をつくることなのです。

4 聖書を見ると、「終わりの日」には、メシヤが来て「小羊の婚宴」をするという内容が書かれてい

ます。「小羊の婚宴」とは、神様の血統関係を中心として夫婦になることです。そのようにして、人類

の真の父母が現れたとすれば、サタンは存在できません。血縁的関係を中心として、その血統を結ん

でくれるのが、父と母、男性と女性、性相と形状の実体です。

神様の愛を動機として生命を動かし、愛と生命と血統が一つになって渦巻くのです。その中で女性

と男性の主人が入れ替わり、二人が一つになって共に「主人だ」と言えるところから、生命の種、子

孫が連結されるのです。それが創造理想です。ところが、そのようなものがすべて壊れてしまいまし

Page 29: 真の父母経001

た。それを取り戻すためには、代わりに万物を取り戻し、人間を取り戻し、父母を取り戻さなければ

なりません。これが救援摂理の骨子です。

5 再臨主が来られて婚宴をすると言われています。婚宴、つまり「小羊の婚宴」をするには、イエ

ス様を中心として新婦がいなければなりません。その新婦が、堕落する前のアダムの前にいたエバで

す。イエス様は第二次のアダムであり、来られる再臨主は第三次のアダムです。ですから、第三次の

アダムが、堕落する前のアダムとして来て、堕落する前のエバを探し出し、「小羊の婚宴」をしなけれ

ばならないのです。

結婚することによって人類の父母になるべきアダムとエバが、堕落したことによって悪なる父母に

なりました。それで、私たちが堕落する前の善なる父母に出会うようになれば、復帰されるのです。

ですから、人類には善なる父母がいなければなりません。「小羊の婚宴」をするのは、善なる父母とし

て即位するためです。

6 人間は本来、堕落せず、時と環境を整えて神様の祝福を成就した真の先祖にならなければなりま

せんでした。ところが、それができずに堕落した先祖になったので、万民の前に堕落していない善の

先祖が登場しなければなりません。その人は、天にいる霊人たちにとっても父であり、地に暮らす人

たちにとっても父になれる方です。そのような方を、キリスト教では再臨のイエスといいます。

「小羊の婚宴」は、再臨のイエスが父として来られて、母を立てる祝宴です。キリスト教の真理と

は、正にこのことなのです。キリスト教の中心はイエス様であり、イエス様の中心は愛です。聖書の

中心も愛です。愛の中心は新郎と新婦であり、新郎と新婦の中心は「小羊の婚宴」です。この「小羊

の婚宴」の中心的な意味は、本来、神様が許可した時と環境を整えて、天と地を相続できる真の人間

先祖として祝福を受けることなのです。

7 神様は、失ってしまったアダムとエバの代わりの存在を求めています。聖書では、イエス様を後

のアダムと言い、完成したアダムを生命の木と言っています。ですから、イエス様は、失ってしまっ

た生命の木の代わりとして来られた方です。

しかし、イエス様は、使命を完結することができませんでした。神様と息子が喜ぶことができる一

日をもつことができなかったので、再臨という言葉を残すようになったのです。神様がイエス様と共

に喜ぶことができる一時、六千年の恨の心情を吐露し、神様と、あるいは今後来られる主と息子、娘

の関係を結ぶ日が来るのです。神様のひとり子、イエス様がこの地上に来られて、もし亡くなってい

なければ、イエス様がひとり子だと語ったので、神様は彼のためにひとり娘も送られたでしょう。

神様の二千年の(キリスト教)歴史は、新婦を求めるための歴史です。イエス様は、真の息子の姿

で現れましたが、真の娘の姿がないので、神様のみ旨を成し遂げることができませんでした。ですか

ら、二千年のキリスト教の歴史は、娘を求めるための歴史です。聖霊は、神様の娘として来られまし

た。神様を解怨するその日が、「小羊の婚宴」の日です。

8 今まで宗教は、理想的な一人の男性と理想的な一人の女性を求めてきました。神様が「この人は、

私がありったけの愛を注ぐ人だ」と言い得る、一人の男性と一人の女性を求めてきたのです。キリス

ト教でいう新郎と新婦とは、世界をすべて網羅して、神様の愛を受けることができるひとり子とひと

り娘を探し出すことを意味します。完成した男性と女性がこの地上で出会い、婚宴を行ってこそ、新

しい世界が開かれるのです。ですから、来られる再臨主は、新婦を探し出して「小羊の婚宴」をしな

ければなりません。

9 人間が堕落していなければ、原罪のない息子、娘を生み、そのまま天国に行ける家庭をもってい

たはずです。そこに立った父母は真の父母です。また、その家庭は、神様と一つになった家庭です。

その息子、娘は、神様の家庭の子孫です。このようなみ旨を創世記で成就できなかったので、ヨハネ

の黙示録に至って、新郎と新婦の名を立てて成就しようというのです。

新郎は、完全な真の父として来られる方です。新婦は、神様が愛することのできる真の母として登

場する方です。アダムとエバが堕落していなければ、神様を中心として結婚式をしたはずですが、堕

落したことによって、サタンを中心として結婚式をしてしまったので、それを取り戻して神様を中心

に初めて聖婚式を行うというのが、ヨハネの黙示録にある「小羊の婚宴」という言葉なのです。

10 天地ができて以来、人間が初めて神様のみ前に孝子、孝女となって、新郎、新婦として登場する

Page 30: 真の父母経001

日、神様が「地上の様々な逆境の中で、天の心情を求め、天の父母を訪ねてくるのに、どれほど苦労

したか」と語られ、無形の神様の代わりに、実体をもつ真の父母として祝福してくださる祝宴が「小

羊の婚宴」です。真の新婦の約束と理念を備えた基準と、真の孝子、真の孝女の基準の上に立てて、

式を挙げるのが「小羊の婚宴」です。この祝福を受けたその日から真の父母になります。無形の神様

を身代わりした有形の実体をもつ、人類の真の父母になるのです。

人間は本来、堕落していなければ、善なる世界で立派に育ち、神様の愛の祝福を受けて、神様の心

情に通じる子女になることができました。ですから、神様が「あなたたちは私の心情を受け継ぐこと

ができる孝子、孝女だ」と言える心情関係を完結しなければなりません。心情が通じなければ孝子、

孝女になれないのです。神様がどのような路程を歩んできたかを知らなければなりません。そうして

創造理念の前に掲げられる、本然のアダムとエバの形態を整えなければならないのです。「小羊の婚宴」

は、正にその形態を整える式です。

11 「小羊の婚宴」の日は、六千年前に失った真の父母を迎えて祝宴を開く日です。本来、堕落して

いない人間は、子女の立場から父母が開く祝宴を見ることはできません。父母があとから来たので逆

になったのです。真の父母を迎え、真の子女を生み、新しい世界を建設しなければならないのですが、

堕落した人間が繁殖したので、逆になったのです。皆さんの願いは、真の父母に会うことです。

逆になったものを、反対に再び探していかなければなりません。これが蕩減復帰です。したがって、

逆に生まれた人間は、すべて反対に行かなければなりません。世の中が願うこととは異なる、反対の

道を行かなければならないのです。

12 イエス様は、新婦を探すことが一代で果たすべき目的であったにもかかわらず、この使命を成し

遂げることができませんでした。そうして、御自身は新郎であり、信徒は新婦であるという遺言を残

されたのです。ですから、神様は、第二イスラエル圏内にある世界で、国を問わず最もよく信じる信

徒たちを中心に、特等新婦を求めていらっしゃるのです。その新婦を求めてきたのが、イエス様以後

の二千年歴史です。新婦を探し出すことによって、真の先祖が現れ、真の先祖が現れることによって、

真の父母が現れるのです。

本来、エデンの園で真の先祖である真の父母が現れなければならなかったのですが、人間の堕落に

より、六千年が過ぎた今になって、初めて神様は再臨時代を中心として、真の先祖を探し出したので

す。言い換えれば、サタン世界の前に勝利した一人の男性が現れ、一人のエバを再創造した基準にお

いて神様の祝福を受け、聖婚式を行うことによって、初めて、六千年前に人類の真の先祖が立てられ

るべきだった基準を復帰したのです。数多くの堕落の子女が繁殖した六千年を経て、ようやく反対に、

真の父母が現れたのです。

真の父母の聖婚式は救援摂理史の転換点

一九六〇年四月十一日に挙行された真の父母様の聖婚式は、蕩減復帰歴史において、長成期完成級

の蕩減の峠を越える歴史的な瞬間であった。真の父母様の聖婚式は、世界的で天宙史的な事件である。

長い長い摂理史の基盤の上に、完成したアダムとして来られた真のお父様は、地上での摂理基盤を築

いたのち、エバである真のお母様を迎えられた。天の代身である真のお父様と、地の代身である真の

お母様が一つになり、分かれていた天と地が初めて連結されるようになった。アダムとエバが堕落し

て互いに怨讐となり、神様と断切させていた塀が崩れるようになる救援摂理史の歴史的転換点を迎え

たのである。

13 「歴史は、一九六〇年代から大変遷時代に入った」と歴史家たちは言います。「統一原理」を中心

として言えば、「一九六〇年代に、神様の名を中心として地上のすべての困難をかき分け、キリスト教

文化圏がすべて失敗し、その基地となる韓国が反対する環境にもかかわらず、初めてこの地上で神様

と真の父母の名を中心として聖婚式をしたところから、歴史は新しい方向に変わるようになった」と

言うことができます。変化するその歴史の環境が死亡世界へと次第に落ちていき、人類が分裂して破

綻の世界へと向かうように思えますが、変化する歴史時代は、次第に互いに異なる地域的環境を越え

て、世界へと進む時代に急変していくというのです。

神様と共に、父母様の血族を中心として横的に拡大すべき摂理時代を迎え、思想の混乱が起き、伝

統の混乱が起きます。揺さぶるのです。キリスト教もすべて揺さぶるのです。それゆえ、解放されて

から十四年がたつまで、韓国のキリスト教を見ると、再建(チェゴン)教会も、神社参拝をした教会

も、同様でした。

Page 31: 真の父母経001

そこから、韓国を中心として、世界に向かって跳躍できる神様の摂理の道が開き始めるのです。そ

の始発点が、正に一九六〇年四月の聖婚式でした。この聖婚式をして、「父母の日」が設定されること

によって、人類歴史において偽りの父母から受け継いだ、汚れた愛と生命と血統を初めて清算し、神

様を中心とした本然の新しい愛と生命と血統の関係が、この地上に根を下ろし始めたというのです。

この世界は今まで、堕落した天使長の血統を引き継いできましたが、一九六〇年に父母様が現れたそ

の日からは、本然のアダムとエバの血統が、神様の愛を中心として根を下ろし始めたのです。

14 復帰摂理における絶頂であり頂点は、一九六〇年でした。その時、お父様は、国家と国民、すべ

ての教会、そして、すべての人たちから迫害を受けたのです。その当時、死ぬか生きるかを決定しな

ければならない、切迫した立場でした。統一教会が生き残るか滅びるかの瀬戸際にありました。その

困難を切り抜けて聖婚式を挙行したのです。

その時点から新たな歴史が出発しました。その時が歴史の転換点だったのです。多くの歴史家たち

も、「一九六〇年は歴史の転換点だった」と言っています。その時からすべての問題が解決し始めたの

です。

15 父母様が聖婚した一九六〇年四月十一日、その日は外的に見ると平凡な日であって、特別に変わ

ったことはありません。しかし、その日、聖婚式をしたことが、他の日とは全く違うというのです。

聖婚式をしたので、今や歴史は、一人の人によって左右されるようになりました。その一人の人が

現れるまでの時間が、民族的で世界的な関係をもったものだったのか、また、その期間が歴史的な関

係を経て、時代的な関係を経て、未来の関係を経ていける基盤になっているのか、現れたものは簡単

に見えますが、それが全体を集約させた代表的な核になる時、歴史はその日を研究するようになるの

です。

16 人類の先祖であるアダムが、長成期完成級でエバの言葉に従うことによって主管権を失ったので、

これを蕩減復帰するために、イエス様は、神様の愛と一致する完全な人格を備え、創造目的を完成す

る人間としてやって来て、そこに一致する一人の女性を探さなければなりません。アダムを通してエ

バを創造したように、再創造の順序を経て、エバ、すなわち新婦を立て、新しい家庭を成立させて初

めて、完成世界に向かって上がっていけるのです。

その時が正に堕落した時代の「終わりの日」であり、新しい時代が出発する時なのです。その時が

一九六〇年でした。今日この地球上に、真の父母を中心とした関係が現れたことは、天宙史的な出来

事にほかなりません。

17 神様の目的と創造の偉業は、アダムとエバが祝福を受けることによって、すなわち聖婚式をする

ことによって成し遂げられます。このようなことを成し遂げるために役事してくる復帰過程を考えて

みるとき、人類の先祖が堕落したのは長成期完成級なので、今日の人類は、これを再び尋ね求めて上

がっていかなければなりません。蘇生期は僕の時代に該当し、長成期は養子の時代、完成期は嫡子の

時代に該当します。したがって、僕の時代である旧約時代を経て、イエス様の福音がこの地上に現れ

ることによって、歴史は養子の時代圏に越えていくようになったのです。

人類始祖が養子圏である長成期完成級で堕落したので、その息子の外的な形態と関係を整えて再び

つくり直し、長成期完成級の位置まで上げておいて、初めて実子圏を相続できるのです。すなわち、

人類始祖が長成期完成級から落ちたため、この長成期完成級に行ってこそ、復帰することができると

いうのです。しかし、堕落は家庭で起きたので、復帰するときにおいても、この家庭の形態を備えな

ければ、その基準に上がっていくことができません。それで、統一教会では、父母様を中心として、

一九六〇年にその基準を越えたのです。

18 お父様は、個人的に霊的な世界で勝利しました。そのために、この地上で激しい嵐に襲われなが

らも、「死んではならない」と何千万回、決心したか分かりません。怨讐に出会う峠を越えていくたび

に、「私は倒れてはいけない。私は死んではいけない。私が死んだらこのみ旨を誰が立てるのか。いく

ら苦労をしたとしても、四肢が切られ、不自由な体になって寝たきりで暮らすことになったとしても、

私は死んではいけない」と、どれほど心の中で誓ったか分かりません。そのようにしながら、今まで

困難な道を歩んできました。

基盤のない状態で、名が知られることを恐れるのです。基盤を固める前に、名が知られるのではな

いかと恐れました。そのような場合には、サタンの攻撃があるのが原則だからです。それで、死なず

Page 32: 真の父母経001

に四十歳の峠を越える日を待ち望みながら、歳月が早く過ぎていくことだけを黙って願っていました。

アブラハムが復帰の基準を立てた以降の四千年の歴史を、「終わりの日」に四十数を立てて越えなけれ

ばならないことを知って、四十の峠が早く過ぎていくことを指折り数えて待ったのです。また、それ

はお父様の宿願でした。天宙の前に一身を立て、死なずに責任を果たすために、身もだえしながら今

まで歩んできたのです。

19 神様は、四千年を経てイエス様を送られました。イエス様は、長い歴史を経て来られた方です。

生まれる時は、母親のおなかを通して十カ月で生まれたのですが、地上に来るために、四千年前から

準備された方なのです。そのような歴史的な由来をもって生まれたので、その時までの四千年の歴史

を蕩減できたのです。

イエス様は、四十歳の時にそのような歴史的な蕩減をすべきでしたが、ユダヤ民族の不信によって

それができなかったので、私たちが七年路程において蕩減しなければなりません。皆さんは、「四十数

復帰」ということを学んだはずです。イエス様が四十歳の峠を越えられなかったので、私たちには、

四十代の峠を見つめていくべき路程が残っているのです。つまり、そのような蕩減路程が残っている

ので、再び来られる主も、七年の大患難に逢着せざるを得ません。そのような原理的根拠があるので

す。

20 一九六〇年の四十の峠をいかにして越えるのでしょうか。原理が教えてくれる四十の峠を、どの

ように越えなければならないのでしょうか。イエス様は、三十三歳で亡くなったので、その後の四十

の峠を迎える七年を越えることができませんでした。それで、人間の世界に七年の大患難が残されて

いるのです。ですから、この峠をいかにして越えるかというのです。

この峠を越えるためには、ヤコブが経てきた復帰路程と、数多くの先祖たちの絡み合った蕩減路程

を遡らなければなりません。その道には、友もなく、同僚もいませんでした。「従います」と言った人

たちは、行く道の前に重荷になり、とげを刺し、荒れ地をつくったのであって、そこで助けになった

人は(一人も)いませんでした。

21 お父様一代から見ると、四十歳までは個人の勝利基準を中心として、初めて横的な基盤へと越え

ていく時でした。今まで復帰歴史の目的は、アダム一人を立てることだったので、一九六〇年代は、

アダムを中心として勝利するための基盤を築く時でした。その勝利は、イエス様が失敗した国家基準

での勝利です。

ですから、一九六〇年代の統一教会は、イエス様が失敗せざるを得なかった運命圏を、お父様の満

四十歳を基準として、実体的に蕩減して越えなければなりませんでした。そのような過程にあった統

一教会は、一九六〇年代に激しい迫害を受けました。お父様に勇気がなく、神様のみ前に人間として

善悪を分別するという、決定的な宣誓ができていなければ、歴史は遅延していたでしょう。

22 父母様の聖婚式は、地上において記念するに値する天宙的な大事件でした。世界的基準で縦的蕩

減条件を、横的にこの地上で解決する実体として、霊肉共に勝利の基準を立てたのです。お父様は、

聖婚式の前にイエス様の三弟子、反逆したその弟子を復帰しなければならない立場にいました。

聖婚式の目的は、アダム家庭を蕩減する条件を立てることです。人間の父母であるアダムとエバは、

夫婦関係において堕落しました。堕落が夫婦を通して起きたので、復帰は一人ではできません。男性

一人では復帰されません。女性一人でも天国に行けません。したがって、二人で解決していかなけれ

ばならないのです。堕落したアダムとエバの立場を復帰して、真の父母の基準を地上で立てなければ

ならないというのです。三弟子の約婚という問題を中心として、解決しなければなりません。

23 復帰は、アダム家庭の復帰を目標として行うのです。アダム家庭が失敗したので、そのみ旨がノ

ア家庭に移されました。神様は、ノア家庭を中心として、世界のすべての人々を洪水審判で滅ぼし、

サタン侵入の条件を越えた家庭を立てて、摂理の基盤を地上に構築しておこうとされました。それが

アブラハム、イサク、ヤコブ、モーセに移され、イエス様につながって、私たちの時代まで来たので

すから、そのすべてのものを蕩減しなければなりません。

アダム家庭を基準にして蕩減しなければならないのです。アダムが失ってしまった三人の信仰の子

女を復帰しなければ、真の父母の立場に立つことができません。それで、イエス様には、三人の弟子

が絶対に必要なのです。その三人は、アダムとエバにとって、三天使長を象徴します。三天使長が一

つになって、アダムとエバに服従しませんでした。侍らなかったのです。その結果、堕落世界になっ

Page 33: 真の父母経001

たので、完成した父母の境地に立つためには、三天使長格である三弟子がいなければなりません。再

臨主も、完全に服従する三人の信仰の子女をもたなければ、真の父母の立場に立つことができないと

いうのが公式になっています。

自分の生死の境地を乗り越えて、迫害のまっただ中でも従っていき、孝の道を行くことができる三

人の弟子をもたなければなりません。お父様は、そのような三弟子を一九六〇年四月に探して立てま

した。復帰路程というのは、逆に探し求めて上がっていくものなので、祝福は子女の立場に立ってい

る人が先に受けるのです。家庭圏はヤコブ家庭なので、十二数の基準を基盤にしなければなりません。

三人の弟子、三人の子女を中心として、それと同じ基準を通過しなければならないのです。

24 父母様は、一九六〇年に聖婚式をしたあとに聖塩を作りました。真の父母様は、堕落した世界の

物に相対できないからです。そのような物に、神様の息子、完成した父母は相対できないのです。そ

のため、すべて燃やしてしまわなければなりません。燃やす条件として聖塩を採択したので、これを

振りかけることによって、サタン世界を清算してしまい、天の側が取り得る条件的、方便的な物とし

て使用できるようになるのです。天の国が設定されれば、この世の国のすべての骨董品、この世の国

のあらゆる物は、そのまま使うことはできません。

第二節 真の父母様の聖婚式

聖婚と真のお母様

イエス様は、アダムとエバの堕落によって始まった歴史を終結し、神様の創造理想世界を復帰する

ために、この地に来られたが、ユダヤ民族とユダヤ教徒の不信によって、このみ旨を成就することが

できず、再臨の約束を残されたまま、霊界に行かれた。真のお父様は、イエス様のあとを継ぎ、一九

四五年八月十五日、韓国の地で、光復とともにメシヤとしての公式路程を出発された。

しかし、メシヤとキリスト教徒が一つになるための最初の摂理路程が、彼らの不信により失敗する

ことによって、キリスト教に代わる新しい摂理団体の基盤を築くため、三大祝福の条件復帰のための

蕩減路程と受難路程を歩まれるようになったのである。

そうして、一九五四年五月一日、ソウルで「世界基督教統一神霊協会」を創立し、その時から、新

約時代の全体を蕩減復帰する七年路程を歩み、聖誕から四十年の蕩減路程を勝利することによってサ

タン分立路程を立て、ついに一九六〇年四月十一日、真のお母様と共に、神様から最初の真の父母と

して、栄光の聖婚式を行われるようになったのである。

1 二千年前に使命を果たすことができず、十字架で亡くなられたイエス様の願いを、二千年過ぎた

今、私たちが果たさなければなりません。第一次でユダヤ民族を中心として成し遂げようとしてでき

なかったので、今、私たちが第二次としてキリスト教の世界的な版図を中心として、父と母の出会い

を実現してさしあげなければなりません。このような基点をつくらなければ、神様の真の直系の息子、

娘になれません。ですから、このような基準を連結させて合わせようとするのが再臨理想です。

再臨理想においてもまた、真の家庭があってこそ天道が出発するのであり、これがあってこそ真の

愛と真の幸福が出発するのです。

2 故障したものは、元の状態に修理しなければなりません。世界も新しい世界、国も新しい国、民

族も新しい民族、人も新しい人、息子も新しい息子、娘も新しい娘になることを願います。ですから、

新しい息子であるイエス様が来られたので、新しい娘もいなければなりません。

ところが、新しい娘を探している途中で、イエス様は亡くなりました。宇宙の希望である一人の母

を探して立てるためのイエス様の路程には、苦難も多く、迫害も多かったのです。あの村からこの村

に、あの野からこの野に追われ、逃げて歩きながら迫害を受けた哀れなイエス様でした。ダビデの系

統であるヨセフの家庭を中心として、み旨を立てようとしたイエス様が、家庭でみ旨を立てることが

できなくなることによって、家を出て三年の公生涯の道を歩んだのです。

3 皆さんは今、神様の顔を見ることができません。皆さんは、神様の顔を見ることができないので、

おなかの中で暮らしているのと同じです。今日の人間は、このような事情に置かれているのです。で

すから、重生しなければなりません。霊的な救援摂理は完結し、霊的には重生しましたが、それだけ

ではいけません。霊肉共に重生しなければならないのです。将来、主が来られるというのですが、そ

の主は真の父母として来られます。実体をもった人類の父として来られるのであり、実体をもった新

Page 34: 真の父母経001

郎としてこの地上に来られ、実体をもった人間の中から新婦を探し出すのです。そうしてこそ、堕落

していない真の父母になるのです。

アダムとエバが堕落することによって、真の父母を失ってしまったので、今日の人間には、堕落し

た父母はいますが、堕落していない真の父母はもつことができずにいるのです。ですから、復帰摂理

を経て、実体をもって真の父母の使命を完結するために来られる方が再臨主なのです。歴史的な真理

をもって来られる主は、イエス様の霊的救いを基盤として、霊肉共に完全な息子、娘を生むことがで

きなかったので、それを完結しなければなりません。

4 イエス様は、この地上に後のアダムとして来られました。聖霊もこの地上に来て新婦の体をもつ

ことができませんでした。霊界に行ってみると、聖霊は母なる神です。イエス様が地上において実体

を備えれば、新婦は天道のすべての内容を知り、すなわち真理の中で新婦の資格を完遂して、メシヤ

が来るのを待ち望み、彼を迎える準備をしなければなりません。そうして一つの家庭を準備し、一つ

の国家を準備し、世界を準備しなければなりません。これが、新婦の果たすべき責任です。

ですから、一九六〇年代に入って、女性運動が世界的に広がったのです。この地上に人がいくら多

くても、すべて悪なる血統を受けて生まれた堕落の子孫なので、母としての愛を施せる、真の女性が

現れなければなりません「終わりの日」が近づけば近づくほど、そのような代表的な存在が現れる時

が近づくので、世界的な女性運動が広がるのです。

これからは、多くの女性が男性を凌駕できるのです。終末期は、堕落したことを女性が復帰できる

時なので、終末期である今、女性は天的なエバを代表して立ち上がれる恵沢圏にいます。今日、女性

たちが解放とともに、そのような立場に立てるようになったので、この時に真の母が現れなければな

りません。私たちは、その母に地上で侍ることができなければなりません。人類は、このような時を

迎えて神様を求めていくので、地上に新婦が立てられなければならないのです。

5 統一教会は父母の宗教です。僕の宗教から養子の宗教、庶子の宗教、その次に直系の息子、娘の

宗教、息子、娘の宗教から母の宗教を通して発展してきました。

神様は、今まで母を探し求めてきました。相対がいなかったのです。神様は、男性格の主体なので、

女性格の相対がいなければなりません。その方は、神様の相対であると同時に、この地の王妃であり、

氏族の王の王妃であり、家庭の王の王妃です。ですから、祖母の代身であり、母の代身であり、妻の

代身であり、娘の代身です。母がそうです。本来、母がいれば、すべてそうなるのです。天の国の王

妃になり、この国の王妃になり、その次に自分の先祖たちの祖母になり、母になり、妻になり、娘に

なるのです。それをすべて合わせたものが母の価値です。

6 皆さんは「家庭を信じる」という言葉を聞いたことがありますか。キリスト教徒たちに「誰を信

じるのか」と尋ねれば、「イエス様を信じる」と言うのであって、「イエス様の家庭を信じる」とは言

いません。仏教徒たちに尋ねても「お釈迦様を信じる」と言うのであって、「お釈迦様の家庭を信じる」

とは言いません。これからは、家庭救世主宗教が現れなければなりません。それが真の父母主義です。

真の父母宗教です。真の父母宗教は、四位基台を造成する真の父母の生活宗教です。そうなれば、父

母が息子、娘の救世主になります。聖書のヨハネの黙示録を見ると、復帰歴史に関する内容が出てい

ます。それで、聖書は偉大だというのです。このような復帰の原則があるので、聖書の最終章に復帰

の内容を入れるようになったのです。

ヨハネの黙示録に「御霊も花嫁も共に言った、『きたりませ』。また、聞く者も『きたりませ』と言

いなさい。かわいている者はここに来るがよい。いのちの水がほしい者は、価なしにそれを受けるが

よい」(二二・一七)と記録されていますが、花嫁とみ霊とは何か分かりますか。花嫁は主の妻になり、

み霊は霊的なものなので、ここに霊肉が合わさった母が現れなければなりません。イエス様は、人類

の父であり男性なので、女性の中から母を探し出して新しい世界へと救わなければなりません。

7 お父様は、立派なお母様を迎えました。顔が美人だから立派なのではありません。心が美しいの

で、顔が美しいのです。心が美しいので、声も美しく、容姿も優雅なのです。お父様は、神様の哲学

を自らが成し遂げ、教える師です。その原理どおりに行くために、お母様を神様の代わりに称賛しな

がら生活してきたのであり、大衆に称賛して宣伝したのです。それが原理に通じるからです。

8 世の中の人々は、お母様のことを「美人だ」と言うのですが、どのような人が本当の美人か、私

は研究しています。

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美人とは、顔がきれいだからといって美人であるわけではありません。心がきれいであってこそ、

「美人だ」と言えるのです。それでこそ、千年過ぎても、その美貌を損なわず、和気あいあいとした、

清い姿を保てるのです。そのような女性が、環境を美しく輝かせ、かき抱いてあげることができます。

そのような女性が美人の中の美人なのです。そのようなお母様なので、私は、お母様が美人の中の美

人だと思うのです。

9 お母様は、とても知恵深い女性です。お母様は、目が素晴らしいのです。にこっと笑う時には、

私はその笑う魅力的な目に惚れ惚れしてしまうのです。そのような魅力的な目をもっています。それ

から、私は、お母様の鼻が本当に好きです。良いことがありそうであれば、鼻がひくひくと笑います。

それがお母様の魅力なのか分かりませんが、夫をそのように感動させるのです。

それから、深刻な時は、お母様はできるだけ口を突き出さないようにします。そのような口が美し

いのです。そして、態度が美しいのです。お母様は、本当にきれいなところがたくさんあります。女

性たちがそのような武器をもてば、「万事亨通(こうつう)」(すべてが思いどおりにいくこと)する秘

密の鍵をもつことになると思います。

10 お母様の特別なところは何かというと、霊感が鋭いことです。天性的な素質をもっています。そ

して、お父様が「しなさい」と言うことは何でも「する」と決意し、また、その決意したことをいつ

も忘れずにいるので、受難の道も克服できたのです。それは、目的を中心とした忍耐心に当たるもの

です。

また、私がお母様に有り難く思うことは、自分の貴いものを自分の息子、娘ではなく、皆さんに、

ためらうことなく一〇〇パーセント与えようとするところですそれは、神様が贈り物として下さった

性格だと思っています。

11 お母様は、二十年間で十二人以上の息子、娘を生んで、ヤコブの家庭を完全に蕩減復帰しなけれ

ばなりません。イエス様の十二弟子が一つになれず、どのようにしたでしょうか。結局は、イエス様

を売ってしまいました。別々の氏族で結ばれた兄弟圏が問題でした。ヤコブ家庭は、四人の女性が生

んだ息子、娘なので問題になりました。その問題を克服するためには、二十年以内に十二人以上の息

子、娘を生まなければ、お母様の使命が不可能になるのです。そのような面から見ると、二十歳を越

えれば、お母様になることができません。満十八歳までです。韓国の年では十九歳までです。

ですから、四十歳のお父様が十七歳のお母様と結婚したのです。お父様が十六歳の時に、あらゆる

ことを決心して立ち上がったように、女性も十六歳を越えてその基準に合わせなければ、女性の解放

圏を連結する道がありません。

12 歴史において、女性たちが経たあらゆる惨状の過程を経たとしても、不平を言わず、夫のために

生きることができ、さらに苦労ができる女性はいませんでした。ですから、「本当に、み旨の前に立っ

ている私は、何一つ弁明の余地がありません」と言う人は、そのような風霜(世の中の厳しい苦難や

試練)をたくさん経験したので、むしろ私が落胆する時に、慰められる対象になるのです。そのよう

なところから始めるのです。

心情的な蕩減をしなければなりません。上がっていく時も引っ掛からず、下がってくる時も引っ掛

かってはいけません。二十歳前まで下がってきて、二十歳前の少女を天が相対として許可すれば、そ

の少女は、どんな困難な立場に立たされても、順応できなければなりません。ですから、孤独な背後

から探すのがよいのです。お母様には、父親もなく、兄もなく、みないませんでした。ただ一人、天

のためには何でもするという、洪(ホン)という母が背後にいるだけでした。

13 お母様は、聖婚式の時に十七歳でした。お父様は四十歳でした。四十歳の男性が十七歳の娘をお

母様として迎えることにしたのです。しかし、摂理史では仕方がないことです。そのようなお母様を

迎えて成し遂げてきたのです。ですから、約婚する時、お母様に「私はこのように行かなければなら

ない」とすべて話しました。プログラムどおりに行くので、お父様を尊敬するのです。

このように攻撃されるときにはこのように越えなければならず、ここから攻撃されるときにはこの

ように越えなければならない、と教えてあげたのです。その道のとおりに行くので尊敬するのです。

その道が困難であっても越えなければならず、行かなければなりません。

14 私(お母様)は、聖婚式の一カ月前に、お父様が夢に現れ、天から特別な啓示を受けました。「そ

Page 36: 真の父母経001

の日が近づいたので準備しなさい」と、啓示が下りたのです。その時は、いわば天が求婚したという

より、天の訓令が下されたのです。訓令があった時、私は完全に自我を離れた立場にいました。私は

その時、天の摂理でなければ、そのような大きなことを判断できる能力がなかったので、無我の境地

になる以外になかったのです。

そして、祈らざるを得ませんでした。「今まで私は、み意のままに生きてまいりました。今、神様の

み意が何だったとしても、神様の摂理の目的がどのようなものだったとしても、命じられるままに従

います」と、私は啓示に対して答えました。それは、私が満十七歳の時の二月頃でした。私は、完全

に無我の立場で準備していたので、当時の事情などを分析したいとは思いませんでした。神様のみ意

のままに応じることを、ひたすら願っていました。

15 私(お母様)の母方の家に伝説のような物語があります。私の母方の祖母である趙元模(チョウ

ォンモ)の趙氏一族に、趙漢俊(チョハンジュン)の弥勒についての記録があります。一九九一年に、

お父様と北朝鮮に行ったとき、そのようなものがあるかと聞いてみました。すると、まだその弥勒は

あるということでした。

趙漢俊の弥勒についての伝説によると、天の王女を送ると約束し、国のための精誠を記憶し、忠誠

の家門で私が生まれるようにしたというのです。その母方の祖母から大母様が誕生され、大母様を通

して私が生まれました。再臨のメシヤを迎え、再臨のメシヤの相対を育て上げるための神様の環境創

造が、その趙漢俊の弥勒から始まり、私にまで連結されたのです。皆さんがみ旨や天のみ前に精誠を

尽くしたものは、必ず天が記憶してくださいます。ですから、私は、お父様に会った時にすべてが分

かったのです。環境創造の中で誕生し、育ったので、私が果たすべき、私が成し遂げるべき使命が分

かったというのです。

真の父母様の聖婚式

イエス様の路程を再蕩減するために、血と汗と涙の道を歩んでこられた真のお父様は、一九六〇年

三月二十七日午前四時、ソウルの青坡洞(チョンパドン)一街(カ)にある旧本部教会で、再臨主を

迎えるために、精誠の限りを尽くしてきた洪順愛(ホンスネ)大母様の一人娘であられる真のお母様

と約婚式を行われた。四日後の三月三十一日に、真の父母様の聖婚式と三弟子の祝福式について正式

決定がなされ、四月十一日(陰暦三月十六日)午前十時、全国の各教会から選抜された七百人以上の

食口が参席する中、旧本部教会で、歴史的な真の父母様の聖婚式が挙行された。第一次式は「蕩減復

帰父母の式」、その後すぐに挙行された第二次式は「栄光の父母の式」であった。

16 お母様を迎えたのは、解放から十四年たった一九六〇年です。なぜ十四年後なのでしょうか。人

間始祖が長成期完成級で堕落したので、蕩減復帰の原則によって、十四年の迫害路程において韓国に

着陸し、統一教会という祭壇をつくり、キリスト教や大韓民国と闘いながらお母様を立てたのです。

お母様を立てたところから、初めて地上に着陸するのです。お母様を立てるため、アダム時代からノ

ア時代、アブラハム以降の時代に、摂理史的に問題となったことに対して蕩減条件を立てました。

イスラエルの国とイスラエル民族を設定してきた歴史的なすべての問題を、キリスト教文化圏が受

け継ぎ、二千年間、霊的ではありましたが、蕩減したすべてのものが、崩れたも同然になりました。

ですから、十四年後にお母様を選ぶ時は、イエス様が十字架で亡くなった、その時と同じ立場なので

す。

言い換えると、大韓民国はユダヤの国と同じ立場です。ユダヤの国を中心として見ると、キリスト

教はユダヤ教と同じ立場であり、統一教会はその時のイエス様とキリスト教と同じ立場です。国と教

会から迫害を受けて十字架を背負ったので、それと全く同じ環境で闘って勝利しなければなりません。

蕩減復帰しなければならないのです。

17 お父様は、結婚式場に出る前日まで、警察署で調書を作りながら闘いました。大勢の裏切り者た

ちが讒訴する出来事や、イエス様の十二弟子が反対したように、統一教会で信仰の篤かった十二人が、

一つになって反対する出来事が起きたのです。統一教会の味方になっていた人も反対し、キリスト教

も反対し、国も反対したのです。イスラエルの国とユダヤ教とイスカリオテのユダが一つになり、イ

エス様の命を奪ったのと同じ運命に追い込まれました。その時が正に一九六〇年、陰暦三月十六日で

す。その時は、反対の絶頂期でした。もう一歩進むか進めないか、死ぬか生きるか、ここから新しく

出発できるかできないか、という境界線にいました。

このような境地で新しい歴史的なことを成し遂げたのです。その日は、神様が最高の天運を宣布す

Page 37: 真の父母経001

る日になりました。イエス様が語ったように、新婦を迎えられる歴史的な日になったのです。それが

聖婚式です。そこから巻き返しの第一歩を踏み出したのです。初めて天の中心をつかみ、環境を処理

して、急進的な発展を計画し始めたというのです。

18 蕩減復帰歴史は、原則を経なければなりません。原則的な条件を経て越えていくのです。その時

に統一教会に通っていた人たちが離れ、イエス様の十二弟子が反対したように、十二人が団結して反

対し始めました。そのような過程を必ず経なければなりません。

お父様に対して国が反対し、キリスト教が反対し、統一教会から離れた人たちが反対しました。こ

の三つの集団が一つになって反対したのです。これをサタン側から見ると、国は蘇生、キリスト教は

長成、離れていった人たちは完成です。このように攻撃を始めたのです。

19 七年間準備して、父母様の聖婚式をしました。その時には、キリスト教をはじめとして、すべて

が反対しました。一九五五年には、監獄暮らしまでしたのです。監獄でも闘いました。その後、一九

五七年から、断食をして、宣布式をして、本格的に全国的な基盤を築き始めました。攻勢をかけ始め

たのです。伝道して全国に拡大していったのです。統一教会は、新しい段階に入るようになりました。

そうして、一九六〇年まで、国家的な基盤を築いて影響を及ぼし、国が反対し、キリスト教が反対す

る段階に入って聖婚式をしたのです。

イエス様が捕まり、十字架に向かっていったのと同じ環境で、聖婚式をしなければなりません。そ

の時は、国が反対し、キリスト教が一つになって反対し、すべてが反対しました。

20 約婚式から十五日後に聖婚式がありました。聖婚式は、「蕩減復帰父母の式」と「栄光の父母の式」

の順に進められました。

第一次の式には、両脇に十二人ずつ介添人が立ちました。白いチマチョゴリに長いベールをかぶっ

て新婦の装いをした私(お母様)は、聖歌の「宴のとき」の合唱が響き渡る中、お父様と共に二階の

階段から降りてきて、行礼台(ヘンネデ=礼式を行う壇)に上がりました。お父様の祈りと宣布に続

き、代表食口の頌辞と頌詩の奉読が続きました。

引き続き、第二次の式は、韓国伝統の紗帽(サモ=官服を着るときにかぶる黒い紗で作った官吏の

帽子)と冠帯、チョクトゥリ(女性が礼服を着るときにかぶる冠)に婚礼服を着て行われました。お

父様が神様に宣誓され、一同が四拝をしたあとに、対面して三拝。礼物交換、対面一拝で礼を終えま

した。それから、代表食口の記念品奉呈と頌辞の奉読がありました。続いてお父様が、神様のみ前に

宣誓されたあと、参加者たちのために手を挙げて祝福祈祷をしてくださることによって、歴史的なす

べての行事が締めくくられました。

21 お父様は、聖婚式の参加者たちに、お父様の印が押された参加券を配ってくださいました。お父

様は、「将来、この券さえあれば、地獄に行く人も天国に行く」というみ言を語られました。これは、

真の父母様の聖婚式がどれほど貴いものかということを強調されたみ言であり、その場に参加した人

たちに対しても、その価値を大切に心にとどめておくようにという意味だと思います。

また、天の啓示によって聖婚式のテーブルが準備されました。四十種類のものが並べられた祝宴の

テーブルが、壇上に盛大に置かれていました。お父様は、一つの大きなテーブルで私(お母様)と共

に食事を召し上がりました。そして、即席で祝賀披露宴が続きました。官服と婚礼衣装から韓国服に

着替え、お父様と一緒に楽しく踊りました。お父様が先に歌われたあと、私にも歌うように求められ

ました。それから、食口たちにも指名され、一緒に歌を歌いました。

人類初の真の父母に即位する聖婚式は、その意義と価値から見て、万民が慶賀と賛美と栄光と頌栄

を捧げるべき摂理的礼典でしたが、質素に執り行われたのです。

22 天よ、勝利の旗を揚げてくださり、地よ、歓喜の報いを父のみ前にお返しください。栄光、栄光、

無限なる栄光、天地が合わさって喜びをお捧げできるこの時間であることを知っておりますので、末

永く後代の万象まで、この喜びの時間を保持するようにしてください。お父様、太鼓をたたいてサタ

ン世界に向かって進軍に進軍を重ね、お父様の子女たちを早く復帰の勇者として立てるために、あら

ん限りの血肉をすべて注ぐ私たちとなるようにしてくださり、誓いを立てる私たちとなるよう許諾し

てくださることを、切にお願い申し上げます。この日、お立てになった娘を受け入れてくださり、勝

利の月桂冠をかぶせてくださり、恨に満ちたあらゆるものを断ち切れる娘となることを許諾してくだ

さい。

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23 きょうの聖婚式が行われるまで準備してこられた神様の心情は、何をもってしても形容できませ

ん。この一つの場に娘を送ってくださり、六千年の摂理と父のみ旨を成し遂げようとされるあなたの

召命の前に、言葉にできないほど畏れ多いばかりです。み旨が成し遂げられる日まで、心情やすべて

の面において、皆さんと一つになって歩んでいくことをお誓いいたします。

第三節 聖婚式後の七年路程と真の子女の誕生

真の父母様の聖婚式後の七年路程

一九六〇年の聖婚以後の七年間は、真の父母様の家庭がサタンの侵犯を受けない条件を立てながら、

神様の直接主管圏内に入ることができる、本然の家庭基盤を完成する期間であった。

聖婚式後、真の父母様の家庭は、長成期完成級の峠を越え、完成期の七年を経る過程で、霊肉界か

らの攻撃に立ち向かい、闘って勝利しなければならなかった。同時に、七年路程は、真のお母様にと

って、み旨に対する絶対服従によって蕩減条件を立て、真のお父様と絶対的に一つにならなければな

らないという、(御自身の)責任分担(完遂)の期間であった。

また、七年路程は、真のお父様が神様のみ旨を中心として、真のお母様を完成基準に立てていく相

対完成の期間でもあった。御夫妻が信仰と愛と実体で一つになる期間である。さらに、この時から、

祝福家庭は生まれてくる真の子女様と腹中時代から一つになり、真の子女様をアベルとして、愛さな

ければならない。御夫妻は、真の父母様の家庭と祝福家庭を率い、人類歴史上、最初の四位基台家庭

完成のための七年路程を開拓していかれ、ついに勝利された。七年路程の内的蕩減過程を経て、この

期間に、人類始祖の堕落によって立てられなかった「父母の日」、「子女の日」、「万物の日」を設定し

たあと、一九六八年一月一日に「神の日」を宣布することによって、神様の四大名節をすべて復帰さ

れたのである。

1 お父様は、一九六〇年まで何をしたのでしょうか。ヤコブの路程と同じ十四年路程を歩んできま

した。ですから、一九六〇年からの七年路程は、皆さんにとっては第一次七年路程ですが、お父様に

とっては二十一年路程の最後の路程です。この七年路程を中心として、私たちはこの民族と出会う運

勢をつくらなければなりません。

神様は、前半の三年路程では、内的に家庭的な基準を立て、後半の四年路程では、外的に社会的な

基準を立てながら、七年路程を合わせてきたのです。このためにお父様は、家庭的な代表、民族的な

代表、世界的な代表を探し出したという条件を立ててきました。そのために「万物の日」を設定し、

その土台の上で世界的に聖地を選定しました。

2 イエス様がダビデの氏族、すなわちヨセフの家庭を中心として一体になり、イスラエル民族の反

対を受けることなく、勝利の一路を開拓し、イスラエルの国を蕩減復帰しなければならなかったので

すが、それができなかったので、統一教会はそれを蕩減復帰する歩みをしているのです。

ですから、個人復帰、家庭復帰、氏族復帰をして、統一氏族を編成しようとしているのです。統一

氏族を中心として、大韓民国の前に民族復帰の使命を果たすため、第一次七年路程を設定して活動し

てきました。これによって大韓民国では、統一教会の行く道を阻むことができなくなりました。イエ

ス様が復活の権限をもって、新しい世界を目指して出発できる時代圏を復帰した、という条件を立て

た立場に立ったのです。ですから、第一次七年路程を行くことによって、民族的な蕩減条件を立て、

イエス様の願いである民族救援の基準を、再び立てるようになったのです。

3 蕩減復帰の解怨成就において、エバ完成のための蕩減復帰歴史がなければなりません。

お父様は、アダム復帰完成のための闘争歴史を経て、勝利の基台を築いてきた堂々たる男性として

立つことができますが、女性が堂々たる女性として立っためには、エバの蕩減復帰路程を経なければ

なりません。そのためには、誰も分からない心情的闘争はもちろん、実体的闘争、信仰的闘争までし

なければなりません。ですから、お母様も、切迫した道を開拓してきたのです。

そうして、第一次七年路程が終わることによって、初めて「父母の日」、「子女の日」、「万物の日」、

「神の日」を迎えたのであり、初めてこの地上で女性としての資格を得て、同等な位置に立つように

なったというのです。

4 お父様は、個人的な蕩減路程を終え、家庭生活の土台を備えた一九六〇年代からは、家庭的十字

Page 39: 真の父母経001

架の道に突入するようになりました。六千年の歴史を蕩減すべき使命を担っているので、皆さんや教

会よりも、家庭的十字架をどのように蕩減するかという問題を中心として歩んできました。このよう

な過程を経て「父母の日」を定め、「子女の日」を定め、「万物の日」を定め、「神の日」を定めたので

す。一九六〇年から始めて、一九六八年正月一日を期して、「神の日」を宣布するまでの内的な受難の

路程を、皆さんは知らないでしょう。お父様は、サタンと対決し、家庭的段階に越えて、立ち得る基

盤を築いたのです。

5 第一次七年路程の期間には、父母として初めて蕩減歴史を解怨成就し、天地に残った堕落の起源

をすべて清算する、内的な闘いをしてきました。この時期は、血統的問題において、アダムとエバが

失敗した歴史的なすべての曲折を解いて、清算すべき内的闘いの時です。み旨の前に自分の身はもち

ろん、自分の心情問題までもすべて捧げるという天との関係を選んで立てながら、第一次七年路程を

完結することによって、勝利した父母が誕生するようになったのです。

6 一九六〇年を迎えて、お母様をお迎えすることによって、統一教会が本格的に出発することにな

りました。国家が反対し、キリスト教が反対する中で、国家を貫き、キリスト教を貫いていける基盤

を築いてから、お母様をお迎えするようになったのです。

お母様を迎えたとしても、お母様は、結婚してすぐにそのままお父様と一緒に暮らせるわけではあ

りません。皆さんに結婚後の三年期間があるように、外部から家庭を尋ね求めてくる歩みをするので

す。皆さんは、原理の道をそれと同じように行くのです。第一次七年路程では、多種多様で複雑な家

庭の問題を、すべて蕩減する路程を経ていかなければなりません。第一次七年路程は、お母様を中心

とした家庭的基盤を築く期間です。これはまた、長成期完成級でアダムとエバが堕落したので、長成

期完成級から完成期完成級へと越えていく時なのです。

7 神様は、六千年間何をされ、神様の一貫した歴史的な望みとは何だったのでしょうか。それは、

一人の母を探し出すことです。アダムを送ったあと、すなわちアダムを再創造したあと、彼を通して

一人の母を探し出そうというのです。これは再創造です。本来、神様がアダムを創造したあと、アダ

ムを中心としてエバを創造したので、再創造においても、アダムを送ってエバを探し出すのです。つ

まり、母を探して立てるのです。

そうするために、この第一次七年路程の間、サタン世界の讒訴条件から免れ得る道を、お母様が行

くようにしたのです。そうするためには、お母様自身がサタンと直接闘ってはならず、お父様を絶対

に信じ、常に一つにならなければなりません。そうしてこそ、サタンの侵犯を受けないというのです。

また、アダムが責任を果たせずにエバを失ったので、アダムの立場を復帰し、サタンを屈服させて勝

利基準を立てなければならないのですが、七年期間は、このようなことをすべき期間です。

その基準を立てたあとは、お母様を立てて心霊的な基準をつなげ、堕落した父母の立場を蕩減復帰

して、真の父母の土台を立てなければなりません。

8 第一次七年路程は、堕落していないアダムとエバが行くべき道でした。父母が行くべき道だった

のです。ですから、サタンがいくら讒訴しても、この期間を無事に突破しなければなりません。その

ような家庭的代表の道を築き上げるのが、お父様を中心とした第一次七年路程です。

ですから、この七年の期間に、お母様とお父様を中心として、歴史時代にもつれたすべてのものを

ほどかなければなりません。この七年期間は、エバがアダムを主管したことを覆し、完全にアダムの

権限を立ててエバを再び教育すべき時です。言い換えると、エバを教育して、アダムの基準の前に、

どんなことでも絶対服従して順応することができ、生命を犠牲にしても従っていく基準を立ててこな

ければならないのが、この第一次七年路程の期間です。

9 父母様の家庭が定着するのは、容易なことではありませんでした。世界的頂上の位置まで行かな

ければならないのです。蘇生、長成、完成の位置を経ていかなければなりません。その完成基準は七

年路程です。アダムとエバが、長成期完成級で堕落して落ちてしまったので、父母様の家庭も、そこ

から七年路程を経たのです。一九六八年正月一日、「神の日」を定めるまで、お母様は、女性として行

くのが難しい道を行かなければなりませんでした。そのような道をすべてかき分けて、無事に天の試

験を通過したので、今日の素晴らしいお母様になったのです。

真の子女の誕生と四位基台完成

Page 40: 真の父母経001

聖婚以後、真の父母様の家庭には、長女・譽進(イェヂン)様と長男・孝進(ヒョヂン)様を筆頭

に、十四人の真の子女様がお生まれになった。長男と長女の誕生は、イエス様が果たせなかった四位

基台を成し遂げるものであり、真の父母の家庭の四位基台完成は、復帰摂理上において人類が手本と

し、成し遂げなければならない里程標となった。真のお母様が一線に立つ食口たちと共に麦御飯を召

し上がるなど、同じ心情で生活しながらお生みになったのである。

食口たちはカイン的子女として、真の子女様と愛によって一つとなり、双子のような立場で、再び

生まれる条件を立てなければならなかった。それゆえ、真の父母様は、子女様の奉献式の際、食口た

ちに三大祭物条件として三つの贈り物を配られたのち、わかめスープと御飯と牛乳を振る舞われた。

10 父母様の家庭に息子と娘が生まれることによって、皆さんも再び生まれる道ができました。その

ような条件を立てるためには、一緒に生まれたという条件を立てなければならないので、赤ん坊が母

親のお乳を飲むのと同じ条件を立てる式がなければなりません。ですから、譽進が生まれた日を期し

て、全国的に全食口が御飯とわかめスープを食べる式を行いました。孝進の時も全国的にこの式を挙

行しました。このように、お母様のお産とともに生まれたという条件を立てなければならないのです。

11 皆さんは、お父様のおなかの中に入り、生まれていない赤ん坊の種のような立場で条件を立て、

お母様のおなかの中を通して、再び生まれたという条件を立てなければなりません。皆さん一人では

生まれることはできないので、父母様の息子、娘を通して再び生まれたという条件を立てなければな

らないのです。そのために、父母様の息子、娘を中心として、お母様と共にすべての食口が、御飯と

わかめスープを食べる式を行ったのです。

ですから、ここで譽進が登場してくるのです。譽進が最初の娘です。これですべての条件を蕩減し、

すべての女性たちが、お母様のおなかの中から再び生まれたという条件を立てました。実際は、皆さ

んが三年間一つになるという式を行わなければなりません。孝進は最初の息子です。男性たちも同様

です。したがって、女性たちは、譽進の誕生日をアベル的誕生日として記念しなければならず、男性

たちは、孝進の誕生日をアベル的誕生日として記念して、一つになったという実体的条件期間が必要

なのです。

12 一九六三年、陰暦四月が過ぎる前に、食口同士のわだかまりを、すべて解かなければなりません。

そのようにしてから、怨讐のために福を祈ってあげなければなりません。この期間は、一九六二年以

前に教会を出ていった人たちに、再び戻ってこられる恵沢を付与する期間です。そうすることによっ

て、サタン世界に対して「門を開けよ」と言える条件を立てることができるのです。このような時が

あることを知っているので、怨讐を憎みませんでした。

一九六三年一月十八日は、孝進が誕生して二十一日目になる日です。この日は、皆さんがより一層、

喜ばなければなりません。

13 「真の父母」という言葉が成立するためには、子女と一つになる起源がなければなりません。

人間が堕落したので、外的な子女と内的な子女、カインとアベルがいるのです。ですから、一九六

一年から一九六三年の間に、譽進と孝進の二人の子女が生まれたということは、復帰摂理において、

この上なく貢献する出来事になるのです。このようになることによって「万物の日」を立て、第一次

七年路程が終わって、初めて「神の日」を宣布することになったのです

第一次七年路程が終わったのちの一九六八年から、統一教会は順調な発展を始めました。「神の日」

を定めたということは、エデンの園で、堕落せずに完成基準に到達したことを意味するのです。

14 イエス様は、イスラエル民族に排斥されたので、そのイエス様の位置を復帰するためには、再臨

をして果たすべき困難なことが残されているのです。もちろん既に肉身をもって生まれ、成長してし

まった私たちは、文字どおり完成したアダムの体内にある種の立場に戻っていくことはできません。

ですから、私たちは、真の父母様から生まれた真の子女と一体にならなければなりません。それによ

って、生まれ変わるための条件を立てていくのです。

カインがアベルに完全に屈服することによって、両者は共に復帰されるという原理があるので、こ

の原理によって、カインの立場にいる人は、アベルの立場である罪のない真の子女と、一体化しなけ

ればならないのです。彼らと一体化することによって、私たちは復帰された子女として、同じ恵沢を

受けることができます。そのようなわけで、罪のない真の子女が真の父母を通して生まれる時に、皆

さんは、食べ物やその他、同じ成分の物を分けてもらったという条件を立てなければなりません。

Page 41: 真の父母経001

このようにして、皆さんは、真の子女の立場に同参する路程を通過していかなければなりません。

誰を通して真の子女と一体化し、新しく生まれ変わる子女として条件を立てるのでしょうか。父だけ

では十分ではありません。真の父母を通さなければなりません。いくら父が重要だとしても、父だけ

ではなく、父母とその子女を通さなければならないのです。

15 韓国では、一九六〇年から一九六三年までの三年の期間に、国家基準を中心として、全祝福家庭

が復帰の路程を歩みました。この期間は、イエス様が国家を失ってしまったので、国家復帰の使命を

果たすために、全体が出ていって活動した時でした。その時は、お父様もお母様も、一線に出て活動

する人たちと共に麦御飯を食べました。お膳の上で食べたのではありません。腹中にいる子女たちも、

そのようにして一緒に食べたという条件を立てる生活をしなければなりません。

16 譽進と孝進が生まれる時に、わかめスープを食べた人がいるでしょう。カインとアベルが一緒に

生まれたという条件を立てたのです。祝福を受けたカインの立場の家庭は、神様以上にアベルに侍ら

なければなりません。真の父母以上に侍らなければならないのです。そこには、この世の概念があっ

てはいけません。腹中から一つになっていなければなりません。双子として生まれなければならない

のです。そうして長子権を復帰するのです。

タマルの息子ペレヅとゼラが腹中で入れ替わったように、生んですぐに絶対信仰、絶対愛、絶対服

従圏を家庭的に連結してこそ、入れ替わるのです。これは言葉だけではありません。創造以前に神様

が、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の立場で造ったので、皆さんの家庭を、そのような環境的条件を中

心として、父母様に連結しなければ、自分の相対的な存在圏が生じないのです。

17 皆さんは、お母様のおなかの中に入ることができないので、父母様の子女たちと一つにならなけ

ればなりません。皆さんは三年間、腹中の子女の立場に立たなければなりません。ですから、皆さん

に一九六〇年から一九六二年までの三年間の標語を、第一に「生涯中、最大の実績を残す年となるよ

うにしよう」、第二に「父の代身者となろう」、第三に「見せてあげて誇り得る者となろう」に定めま

した。ここで見せてあげて誇りなさいというのは、四位基台の復帰を意味します。

皆さんは、この三段階を中心として、腹中にいる赤ん坊と共に食べ、共に暮らしたという条件を立

てていくのです。お母様も三年間は、皆さんが麦御飯を食べる時、共に麦御飯を食べ、皆さんが出て

いって活動する時、同じ条件の活動をしました。譽進と孝進は、お母様が麦御飯を食べて生んだので

す。言い換えると、お母様も皆さんと同じ心情で生活したということです。

18 天使長は、アダムとエバが創造されたその時から、彼らが結婚する時まで、仕え、奉仕し、敬わ

なければなりませんでした。天使世界がアダムとエバを敬うことができずに堕落したので、その恨を

解くのです。この復帰の過程は、最初にアダムとエバが創造されたことと同じです。

ですから、皆さんは、信仰の三子女を立てて、彼らを皆さんの子女が腹中にいる時から仕える立場

に立たせなければなりません。それができなければ、天国に入ることはできません。皆さんの息子、

娘だけでは、天国に行くことができないのです。しかし、皆さんがそのような蕩減条件を立てて祝福

を受け、息子、娘を生めば、その息子、娘には血統復帰が必要ありません。ところが、それができな

ければ、天国に行く前に引っ掛かってしまうのです。

父母様は、一九六〇年代に、子女たちを中心として腹中から復帰してくることによって、そのよう

な条件をすべて立てました。当時、皆さんはわかめスープを食べ、牛乳も飲み、御飯も食べました。

そのすべてが条件です。

19 一九六三年まで、父母様も麦御飯を食べながら活動をしてきました。三年間は蕩減しなければな

りません。家庭的蕩減をしなければなりません。そのようにしながら、皆さんは外に出ていって闘う

のです。父母様が麦御飯を食べる時に、一緒に食べなければなりません。内的な面と生活の面におい

て、世界的な供え物の過程を経ていきながら、息子、娘を捧げなければならないのです。そのように

してきました。皆さんは、譽進が生まれたあとに御飯とわかめスープを食べましたが、それはお母様

の血を受けることを意味します。お母様が御飯とわかめスープを食べる時に、その血を受けるのです。

孝進を生む時も、その基準を中心としてそのようにしました。このようにして「子女の日」を探し

出しました。それから「万物の日」を探し出してきました。父母様は、そのような基準を中心として、

祝福の一日を立ててきたのです。そのようにして、第一次七年路程が終わり、父母様の家庭が解放さ

れるとともに「神の日」を設定したのです。

Page 42: 真の父母経001

第四節 真の父母時代と救援摂理の完成

真の父母宣布と救援摂理完成

真の父母様は、聖婚後の七年路程を通して、神様を中心とした家庭的四位基台を完成することによ

って、地上天国を創建できる出発の基台を立てられるようになった。また、復帰摂理の進展に従って、

各時期にふさわしい蕩減条件を立てて勝利することにより、サタンが侵犯できないよう、それに相応

する宣布式を挙行された。

真のお父様は、一九九〇年四月十一日、モスクワで開催された言論人大会で、ゴルバチョフ大統領

に会い、「無神論を放棄しなさい」と勧告し、帰国後、四月三十日から、全国十二カ所で開かれた「モ

スクワ大会勝利帰国真の父母様歓迎大会」を通して、韓国国民に「真の父母」を宣布された。

特に一九九二年八月二十四日、第一回「世界文化体育大典」の祝賀晩餐会において、世界の指導者

たちに対し、「私は今年の七月初め、韓国の五大都市で開催された世界平和女性連合指導者大会で、私

と私の妻である韓鶴子総裁が、人類の真の父母であり、救世主であり、再臨主であり、メシヤである

と宣布しました」と発表された。

真の父母様は、祝福結婚を通して人類を真の血統に転換させる、超人種、超宗教、超国家的次元の

革命的大役事をしておられる。天の真の愛と生命と血統をもって来られる真の父母だけが摂理的な時

を知り、それに合わせて人類の救援摂理を完成させるのである。

1 第二次世界大戦後にキリスト教が反対したため、お父様は四十年間、洗礼ヨハネが成し遂げられ

なかったことと、キリスト教が失敗したその基準を、再び蕩減復帰しなければなりません。それをし

なければ、新婦を探して立てる道がないのです。四十年間で洗礼ヨハネの失敗を完璧に復帰し、キリ

スト教文化圏を完全に復帰して、アメリカを収拾するのです。サタンからアメリカを奪い返してくる

のです。

それで、お母様がアメリカの国会に行って「真の父母と成約時代」を宣布し、国連にまで行って宣

布するのです。自由世界を代表するのが国連です。新婦の基台を失ってしまったので、お母様が新婦

の立場に立ってアメリカと一体になり、自由世界と一体にならなければなりません。それで、国連に

行って堂々と真の父母を宣布したのですが、反対がありませんでした。完全にその上に立って「真の

父母と成約時代」を宣布しましたが、全員が感動し、拍手したというのです。

2 人間の先祖が堕落することによって、四大心情圏と三大王権を失ったのですが、今、真の父母の

名を中心として、解放された立場で、第二次世界大戦以降のあらゆる事実を、四十七年という期間を

おいて再蕩威し、この位置まで来ました。お母様が今まで生涯にわたって、内的に孤独な心情の道を

歩んでこられたのも、この日に備え、宿命的な使命を準備するための期間だったからです。

一九九二年を迎え、四月から「世界平和女性連合」を中心としてお母様が総裁の名をもち、世界の

女性解放とともに、万民の家庭を天のみ前で抱き得る父母が顕現したという事実を中心として出発し、

七月にはメシヤを宣布し、真の父母を宣布し、救世主を宣布し、再臨主を宣布しました。そうするこ

とによって、この地上に中心がなく、希望の基盤がなかった家庭と、国の混乱した環境に、一つの軸

を備えられる摂理史的な定着地帯を整えました。神様が懐に抱ける条件を立てて、お母様の解放と二

世の解放を宣布できる時代を迎えるようになったのです。

2 韓国は、再臨主が来られる所です。その再臨主がお父様です。一九九二年七月三日、きょう、初

めてこのような話をするのです。初めて文字に書いて「再臨主は誰だ」と語りました。何と書いてお

いたのですか。「文鮮明」です! 初めて書いたのです。発表したので、はっきりと知らなければなり

ません。これからは、天下にすべて公開します。

4 一九九二年八月、「世界文化体育大典」の期間中に、リトル・エンジェルス芸術会館で、八つの分

野で世界的なトップクラスの人を一千人ほど集め、「私がメシヤであり、救世主であり、真の父母であ

る」と宣言しましたが、それでもうなずくのであって、頭を横に振る人はいませんでした。お父様は、

世界を股に掛けて思うままに回る人ですから、政治に対して批判できないでしょうか。転換時代を見

極めることにおいて、私以上の感覚や頭をもっている人はいないというのです。それは、世界が公認

します。ですから、それを宣布しなければなりません。それを宣布しなければ、定着できないのです。

結婚式をしてこそ、夫婦として定着します。

Page 43: 真の父母経001

全国を巡りながら宴をしたので、これからは宣布して定着しなければなりません。そうすれば、天

地が定まるのです。一つの国を形成するようになるとき、閣僚を選んだとしても、選ぶだけではいけ

ません。その事実を宣布してこそ、定着するのです。ですから、メシヤであり、再臨主であり、真の

父母であることを宣布したので、定着するようになるのです。

5 神様を中心として真の父母宣布をしました。堕落していない解放の真の父母が、この地上に現れ

たと世界的に宣布しました。真の父母が出てきたので、息子、娘も真の父母になり、その方の教えを

受けたあらゆる人たちも、真の父母になれるのです。堕落することによって、「真の父母」という言葉

も、真の父母という存在もなくなったというのです。

6 お父様がソ連のゴルバチョフと会ったのは、旧約時代のエサウとヤコブの出会いと同じです。ヤ

コブの立場にいるアメリカ、日本、韓国を代表したお父様が、エサウの立場にいるソ連、中国、北朝

鮮を代表したゴルバチョフと会い、彼の心の中に天の真の愛を植えてあげたというのは、サタンを自

然屈伏させるヤコブの還故郷になるのです。

今やエサウには、兄弟と一つになり、天の父母に侍る道だけが残されています。兄弟である自由世

界と一つになり、天の父母に侍ることだけが、共産圏の生きる道です。これは歴史始まって以来、最

大の事件であり、天の側の勝利をもたらす新しい起源になるのです。それゆえ、帰国し、大韓民国の

国民と民族の前に、真の父母歓迎大会を通して真の父母を宣布したのです。

7 真の父母宣布をしたので、世界的、宇宙史的な転換時期が訪れてきます。真の父母のあとに従っ

ていこうとすれば、真の父母の息子、娘がいなければなりません。真の父母の一族がいなければなら

ず、真の父母の一民族がいなければなりません。真の父母宣布をしたのなら、真の子女を中心とした

真の家庭宣布がなければならないのです。家庭だけではありません。第一次のアダム、第二次のアダ

ムが失敗したので、これを蕩減できる氏族メシヤ圏を確保して、真の父母に代わって宣布式をしなけ

ればなりません。そうしてこそ、大転換的な国家基準と世界基準の基盤ができるのです。

8 アダムが失敗したことを、イエス様が収拾しようとしてできませんでした。イエス様が失敗して

亡くなったので、再び来られる再臨主は、完成した第三次のアダムとして来て、第一次のアダムが失

敗したこと、第二次のアダムが果たせなかったことを復帰しなければなりません。本来人類は、(完成

した)第一次のアダムの子孫になっていなければなりません。イエス様が死んでいなければ、人類は

みな、イエス様の息子、娘になるのです。そのようになっていれば、既に統一天下ができていました。

イエス様が死なずに結婚して息子、娘を生んでいれば、イエス様の一族がこの地上に長孫(韓国で

は、長男の長子を指し、祭祀をつかさどる人を意味する)として王権を残し、千年、万年継承するは

ずでした。民主世界は兄弟主義です。父母主義ではありません。兄弟同士で争うのです。父母がいな

いので争うのです。ですから、父母主義に帰らなければなりません。この地上の兄弟主義、この世界

を収拾するためには、真の父母が出てこなければなりません。

9 エデンの園でアダムとエバが十代の時に堕落しました。堕落は男女の問題です。そのような種を

蒔いたので、全世界的に秋になったために、青少年の問題や家庭崩壊の問題が深刻になるのです。そ

れで、主人がいない立場で嘆息しているのが、今の世界万民の実相です。ここで、どのように本来の

主人を探すのかということが問題です。そのような意味で、真の父母が出てくるようになったのです。

偽りの父母によって汚されたあらゆるものは、消えざるを得ません。それを打ち壊す「終わりの日」

になれば、その反対の神側は、真の父母を中心として新しい個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、

天宙の観が立てられるようになります。それで、地上と天上のあらゆるものが一つになる世界を求め

ざるを得ません。そのために真の父母が現れて、真の愛、真の生命、真の血統を出発させなければな

らないのです。

10 メシヤは、真の父として来られる方です。人間始祖の堕落によって偽りの父母が現れ、人類が偽

りの血統を相続して生まれたため、人類に対する救援摂理は簡単なことではありません。その血をい

くら清めても、きれいにならないのです。ですから、何千万年たっても、人類の救いは終わりません。

偽りの父母によって汚されたそれ(血統)は、神様もどうすることもできません。人間が責任分担を

完成して、神様の血統を相続し、子孫たちに引き継がせてあげなければなりません。それが創造理想

です。そのような創造理想をアダムとエバが壊してしまったので、それを復帰しない以上は、神様が

Page 44: 真の父母経001

正すことはできません。

それで、真の父母が現れて、蕩減復帰するのです。逆さまになったものを、本来のとおりに戻すこ

とを蕩減復帰というのですが、それは、ただそのままできることではありません。反対の道を準備し

て戻っていかなければなりません。その蕩減復帰の路程を通過しなければ、本然の世界に帰る道は永

遠にないのです。

11 今までお父様が、どれほど困難な立場にいたか分かりません。普通の人であれば、数百回でも放

棄し、逃げ出したいと思うほど、恐ろしく、深刻な立場でした。しかし、その立場でびくともしませ

んでした。その道を行くことが使命だと思ったからです。もしこの道が簡単な道だったならば、サタ

ンが先に選んでいたでしょう。サタンが行くことのできない道をお父様は行きました。

このようにしてその領域を家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙まで拡大するのです。それで、真

の男性の立場で、神様と断絶した世界人類の仲保者として立ちました。そして、高速道路を築いて神

様をお迎えしてくるのです。そうすれば、神様が天宙基盤から世界、国家、民族、氏族、家庭基盤に

まで降りてきます。神様が降りてきてとどまる場は、父母圏の位置です。今ではもう、サタンが越え

てくることのできない領域をつくりました。

12 お父様は、有名な王国の王子として生まれたのではありません。誰も認めてくれませんでした。

韓国は、戦争で傷ついた小さな国なので、そこに再臨主が来るとは誰も思いません。再臨主は、イエ

ス様が死ぬことによって始まった民主と共産、イスラームとキリスト教の四大怨讐圏の争いが、世界

的に発展して収穫期になった時に来て、これを収拾して統一しなければなりません。名実共にそのよ

うなことをしました。すべて成し遂げました。

そこで大成功するまで、多くの複雑な内容があります。一家族が巻き込まれて苦労することとは比

較になりません。一国の苦労は何でもないのです。忍耐力をもって、すべて整理してきました。

13 主が再び来て、左翼と右翼の世界を統一しなければならず、宗教世界を統一しなければなりませ

ん。左翼と右翼の世界を一つにし、宗教世界を一つにすることを、お父様がしています。アメリカ政

府がしたのではなく、ソ連政府がしたのではありません。来られる主は、イエス様が成し遂げられな

かったことを、成し遂げなければならないのです。このようにしなければ、復帰することはできませ

ん。これを乗り越えていくことができないというのです。歴史は、そのまま成し遂げられるのではあ

りません。

歴史は、摂理と共に進むのです。お父様が出てくることによって、摂理と共に歴史が進み、神様が

生きていることを歴史的に証できるようになりました。神様を否定できない時代に来たのです。

14 祝福家庭は、イエス様の立場にいるので、国を復帰しなければなりません。イスラエルは、南と

北に分かれました。北朝の十支派と南朝の二支派に分かれたのです。レアとラケルによって一つにな

らなければならなかったものが、紛争によって国家的な基準で分裂してしまいました。イエス様は、

そのような立場で亡くなったのです。それを象徴するのが、右側の強盗と左側の強盗です。それがカ

インとアベルの立場で世界的な基準になっているので、その基準の上に再臨主が来て転換し、勝利圏

を形成して統一しなければなりません。

ですから、再臨主の使命をもった人は、共産主義を整備しなければなりません。それで、お父様は、

共産主義を打倒する世界一のチャンピオンとして働かざるを得ませんでした。民主主義を一つにしな

ければならず、世界を一つにしなければならず、アメリカまでも収拾してあげなければなりません。

そして、宗教界と政界がすべて一つになるようにしなければならないのです。

15 真の父母には、間接主管圏と直接主管園を連結させる責任があります。サタンに引っ掛かってい

る個人、家庭、氏族、民族、国家、世界の塀を、どのように壊すかということが問題です。サタンは

サタンなりに、継続するこの神様の役事をどのように遮るかと考えています。このように、互いに対

決してきているのです。サタンがしつこく、神様に敵対しているというのです。ですから父母様は、

サタンと神様の中間で、いつもサタンを除去する業をしてきたのです。サタンの讒訴を受けない位置

で、このことを進めていかなければなりません。それで、蕩減路程が出てきたのです。それが人間の

責任分担です。

今まで人間は、責任分担を果たせませんでした。サタンは、それがメシヤの責任であることを知っ

ています。ですから、すべてのサタンの勢力を総動員して、真の父母を攻撃したのです。父母様は、

Page 45: 真の父母経001

サタンの塀を壊す業を、個人から家庭、氏族、民族、国家、世界、霊界まで経てなしてきました。

16 昔は、主流宗教を信じて善なる名を残し、善なる霊界に行っている霊たちが神様のみ意に従って、

地上の摂理を助けました。そこを通さなければ、地上と関係を結べる道が今までなかったのです。真

の父母様がこの地上に現れ、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界的伝統を立てて闘い、勝利して越

えてきたので、これからは宗教圏解脱です。世界的な勝利の版図を備えたため、真の父母時代には宗

教がなくなります。

アダムとエバ自体が堕落しないで真の父母になっていたならば、宗教は必要ありません。そのよう

になっていたならば、それ自体を中心として、永遠に天と一体となって合徳するようになり、その一

体的理想を中心として、先祖たちがいつでも、地上で暮らす自分の子孫と連結するようになるのです。

イスラエルの民族的選民圏、キリスト教の世界的選民圏、統一教会の天宙的選民圏を中心として、す

べてのものを蕩減復帰したため、宗教圏解脱時代が来るのです。ですから、霊界が地上世界と平面的

に接することのできる時になるのです。

そのため、宗教を信じない人々も、選民圏を通して宗教を経て、霊界と連結され、過去の時代が過

ぎていくようになります。真の父母の勝利によって、宗教を信じない人々も宗教主流圏内で旧約完成

時代、新約完成時代、成約完成時代に連なっていき、霊界に行ったすべての先祖が、いつでも地上の

自分の子孫たちを訪ねてきて、協助する時が来るというのです。

真の父母様の最終一体・救援摂理完結宣布

真の父母様は、二〇一〇年、天暦五月八日(陽暦六月十九日)午前二時二十分と、五月十五日(陽

暦六月二十六日)午前三時二十五分、アメリカのラスベガスにおいて、神様と縦的に一心、一体、一

念、一和、一核を成し、御夫妻が横的に最終一体を成し遂げた基盤の上で、旧約・新約・成約時代の

完成、完結、完了と、全体、全般、全権、全能の時代を宣布された。

そして、二〇一一年、天暦十一月十七日(陽暦十二月十一日)、天正宮博物館において、「天地のす

べての存在が焦点を合わせ、創造主、神様が探して立てられた創造本然の基準のもとで、すべての摂

理の完成、完結、完了と最終勝利を宣言する」と語り、「すべてのことを成し遂げた!」と発表された。

海洋天正宮において、天暦十一月十七、十八日「天一国最大の勝利の記念日」という宣布文を記し、

「神様と真の父母様一体完了! 神様が完成、完結、完了! アーヂュ! 侍奉天国成る。祝文鮮明、

アーヂュー」と宣布された。また、真のお父様は、二〇一二年、聖和(天暦七月十七日、陽暦九月三

日)される二十一日前の天暦六月二十六日(陽暦八月十三日)、地上の生涯における最後の公式宣布文

を次のような要旨で残された。

「きょう、最終的な完成の完結をお父様のみ前にお返しし、今までの一生をお父様にお捧げするこ

とを知っておりますので、そのみ旨のままに、今や精誠を捧げてすべての生を終了する時間を備え、

氏族メシヤが三百八十七カ国さえ復帰すれば、すべて終わることを宣布します。そのことのためのす

べてを成し遂げました! すべて成し遂げました! アーヂュー」。

17 お父様は、精神的にもそうですが、この体でも、すべてのことにおいて、誰も付いていくことが

できない伝統を立てています。天地を思って精誠を尽くしています。その精誠がしみ渡って天地に連

結されるようになるとき、その精誠が主流となってサタンが侵犯できないのです。天の眷属とすべて

の霊人たちが橋を架け、この道を通ってお父様が築いた基盤上に来ることに対しては、サタンが反対

できません。今や完全にみ旨をすべて成し遂げたというのです。

18 お父様が行く道を、皆が反対しました。アメリカとソ連、中国が反対し、金日成主席が反対し、

すべて反対しました。それをすべて越えたのです。左翼を崩壊させ、共産世界の解放とともに、サタ

ン圏を完全に統一して、一つの基準で束ねるのがお父様の使命です。今や、この道を行くとき、塀が

ありません。今まではありとあらゆる塀がありましたが、すべて崩しました。個人から神様、八段階

まで行ったので、塀のない中を帰ってくることができるのです。これが統一です。個人統一、家庭統

一、氏族統一、民族統一、国家統一、世界統一、天宙統一です。お父様がサタン世界の塀をすべて崩

し、統一された環境をつくって、祖国を訪ねるのです。

19 四千年の期間に相当する過去四十年間、父母様は、安らかに寝ることができませんでした。全人

頓と全国家が反対してきました。その期間、どのように個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙

圏を克服できるかということに対して、身もだえしました。その峠を何度も越えていく道は、サタン

Page 46: 真の父母経001

世界とは全く違う道でした。天宙の背後にいらっしゃる神様と交流して、サタン世界の塀を一つ一つ

崩しました。個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙の塀まで、一つずつ崩して高速道路を造っ

たのです。そのようにして人類は、アダムとエバが堕落する前の立場に復帰されたのです。

その時には、アダムとエバが行く所なら、どこへでも神様が付いていくことができます。そのよう

な立場を再び取り戻したのです。天の世界が来て、サタン世界は退きます。サタンは、父母様が行く

道を妨害できないというのです。サタンは常に屈服するしかありません。

20 私の前にある個人的な塀、家庭的な塀、国家的な塀を含め、積み重なっていた八つの塀をすべて

突破しました。四十年間で、アダムとエバがいくらでも回っていくことができ、行ったり来たりでき

る道をすべて築いてきたのです。その道は、私が個人的に回って余りある道です。数多くの宗教と国

家が反対しました。しかし、私は突き進みました。それで、死なずにここまで生きてきたのです。

今や、すべて成し遂げました。すべて成し遂げたので、死んでも何の問題もありません。真理が残

っているからです。原理が残っています。これは、神様の法廷で判決を受けた勝利の公布文です。サ

タンも否定できません。

21 復帰というものや完成というものは、アダムが一代でしなければなりません。真の父母一代で、

すべてのことを整理しなければならないのです。ですから、どれほど忙しいか分かりません。そのた

め、宣布式をするのです。宣布式をしてこそ、神様がそこに旗を立てることができるからです。です

から、数多くの宣布式をすることによって、神様が主人になる旗を立てるのです。旗を立てた所は、

真の父母と神様が主管できる権利圏内に入ってくるのであって、サタンの権利圏内には入っていかな

いのです。

父母様は、アメリカを経て、ソ連を経て、韓国に帰って真の父母宣布式を全国的に行いました。そ

のことによって、民族が反対せず、環境的条件が歓迎したという杭を打ち込むのです。それからは、

サタンは後退しなければなりません。その宣布の内容を信じて従う人々が、その宣布圏内に入ってく

るようになれば、サタンが引っ張っていくことはできません。国をもたずに暮らしていた人でも、国

境が設定されたのちには、その国の法と環境に合わせて従っていくようになれば、その国の民になる

のと同じです。

22 お父様が、正に天から印を受けて顕現した、人類が何よりも待ち望んできた救世主、再臨のメシ

ヤ、平和の王だということを明らかにしなければ、霊界でも地上でも問題になります。ですから、宣

言をしたのですが、宣言したものは、憲法を決定して宣布したのと同じなので、その法に一致してい

ない人は失敗者になり、法に一致することを宣言して立ち上がった人は、永遠に残ることができるの

です。すべての完成標準になることはもちろん、法の決定標準になる憲法以上の位置にあるので、包

み隠さず、すべて発表しなければならないのです。

今までは発表しませんでしたが、お父様自身が今後、逝く時には「すべて成し遂げた」と言うこと

ができ、み旨を中心として関与したその環境圏内で、お父様と関係を結んでいないものはないという

事実を明らかにしてから逝ってこそ、天上世界でも初めて安着するのです。

それと同時に、地上でもそこに相対となって一つになることによって、平和の天国が連結されるの

です。驚くべき話です。お父様自身も、生死の境を乗り越え、死なないように最高の精誠を込めてこ

の位置にまで来たのであり、このことを宣布しているというのです。

23 目に見えない神様ですが、見える実体以上に真の父母として、侍ろうと思わなければなりません。

暗闇を除去し、光の中で光の道に従い、地獄の解放圏まで、天上世界にサタンの足跡や影もなくなる

その場まで、解決すべき責任があるのです。そのため、この責任分担を果たさなければなりません。

神様の責任分担を果たして、神様が「私の天下だ。私の天宙だ」と言えるようにならなければなりま

せん。

ですから、昼夜に限界線がなく、常に二十四時間、光明天地なので、光明天地の王になるのです。

神様だけが王になることができます。私も、すべてを神様に引き渡してこそ、「蕩減、解放、釈放を成

し遂げた」と言うことができます。これが責任分担の完成圏であり解放圏です。天の国に境界線がな

く、地獄に境界線がないというのです。霊界の大きな谷間を平地にするのです。そうして、誰もが思

いどおりに霊界の先祖と共に暮らすのです。先祖を呼べば来るようになっていて、先祖の言葉を聞い

て実践できるのです。そのような天国本来の基準をつくって、神様が「すべて成し遂げた」と宣布し

なければなりません。

Page 47: 真の父母経001

私が創造理想も完成したので、神様の責任分担完成となります。原理原則を知らずに堕落したので、

真の父母が教えて一体圏をつくらなければなりません。そうであってこそ、解放圏地上理想天国、本

郷の地に平和が宿り、神様に侍ることができる祖国光復が始まります。

24 お父様は、既にすべて越えました。私が考えても、夢のようなことを成し遂げたのです。どのよ

うにして、このようなことをすべて成したのかというのです。自分がやったとは夢にも思いません。

天が内外においてすべて整えておいて、枠組みを築き、訓練して、また枠組みを築いて、すべて成し

遂げたのです。天がより苦労したというのです。ですから、私は不平を言わずに生きる人です。

25 人間は、堕落によって故郷と祖国を失ってしまいましたが、地球星が私たちの故郷の地であり、

神様がいる所が私たちの祖国です。どのように孝子、忠臣、聖人、聖子になり、どのように王になる

かをすべて知りました。知らないことがありません。ですから、地上天国と天上天国が成し遂げられ

るのです。

第四次アダム圏時代が来ます。それゆえ、「七・八節」を中心として真の父母の完全定着、そして

「九・九節」と「三・十節」を中心として解放圏を宣布しました。偽りの父が、神様が創造したすべ

てのものを消し去り、破壊したので、真の父母が再創造してすべて復帰完成し、統一世界、家庭理想

一体地上天国時代を開いたというのです。解放圏を中心として、第四次アダム圏の堕落していない本

然の世界、何千年もの間、空いていた天国を一度にもってきて合わせられるようになりました。

ですから、神様が解放され、サタンまでも赦されて天国に入っていける基盤がすべてできたのです。

父母様も今や、解放されなければなりません。そうして、最もどん底の谷間にいる人々まで、天国に

連れていかなければならないというのです。

26 お父様は一生の間、迫害を受けながら、ために生きてきたので、個人、家庭、氏族、民族、国家、

世界的な反対圏をすべて収拾しました。ですから、お父様は、個人完成と同時に家庭、氏族、民族、

国家、世界、天宙、神様まで、八段階の完成を間違いなくしたのです。六千年の歴史がかかっても完

成できなかったことを、すべて成し遂げました。ですから、今の世界には蕩減がありません。

第四次アダムの心情圏を中心として、絶対信仰、絶対愛、絶対投入をする場合には、相対的に上が

っていくようになるのです。高速道路があれば、自動的に宮殿の前まで直行できるのと同じです。何

も妨害するものがありません。問題は、どのように運転するかということと、ガソリンがあるかとい

うことです。ガソリンだけ供給してもらえれば、いくらでも走ることができる時代になりました。

27 神様は、一代だけでなく、数千年の救援摂理を継続し、この時まで四千年の復帰歴史を導いてき

ました。全体は六千年ですが、イスラエル選民圏を中心とした四千年の復帰歴史がねじ曲がっていっ

たのです。ですから、お父様が、これを四十年間で蕩減復帰しなければなりません。

そのようにして、一生を通して築いておいたあらゆる福を、お母様にすべて伝授してあげました。

夫を自分の祖父のように信じ、自分の父のように信じ、自分の兄のように信じなければならないので

すが、そのように生きてきたというのです。それがお母様の立派なところです。

28 摂理的禧年(ヒニョン=すべてのものが元の位置に戻る、喜びの年)の二〇〇七年を迎えて、父

母様を中心としてすることとは何でしょうか。お父様は、無形の神様に代わってこの地上に現れ、天

の機密、地の秘密、人間の秘密をすべて解き明かし、蕩減して、勝利した基盤をお母様に譲り渡しま

した。お母様は、これを中心として百八十カ国で、そして、カインとアベルが一つになって、四十カ

国で一体圏家庭を中心に収拾したのです。その次には、皆さんの家庭が行かなければなりません。

神様が一代、アダムが二代、それからアダム家庭のカインとアベルが三代ですが、三代圏を失って

しまったので、お父様がこれを越えて勝利したのです。お母様がこれを越えることによって、エバ圏

が勝利して、父母様が勝利したのです。

29 お父様は、監獄を訪ねていきました。平壌に行く時、既にどのような人に出会うかという約束が

ありました。どのような人に出会い、どのようなことをしなければならないかが分かったのです。イ

エス様が監獄に行く時、十二弟子がいましたが、すべて裏切りました。しかし、お父様は、獄中を経

ながらも、十二弟子以上を取り戻したのです。失ってしまったものをすべて捜し立ててこそ、蕩減復

帰になります。

ですから、今後、記念塔を建てる場所はどこでしょうか。お父様が獄中生活をした場所が、記念に

Page 48: 真の父母経001

なり得る実体の位置を築いた場所です。ダンベリーの苦難以上の基準を中心として、お父様とお母様

が一つになリ得る一体圏を発表したのです。

30 真の父母様は、すべての蕩減復帰摂理歴史を完成、完結、完了され、新時代を開いてくださいま

した。天一国の時代を開いてくださいました。今や皆さんは、み旨を知らない多くの皆さんの隣人と、

さらには多くの国の人々を教育して、天の父母様と真の父母様のみ旨と一つになれるように導かなけ

ればなりません。その道だけが、天のみ前に負った負債を返す道であり、世界の前に使命を果たす道

になるのです。

31 二〇一〇年、陰暦五月十五日、この日付が重要です。この日、お父様とお母様が最後の宣言をし

ました。その時、韓国とそれ以外に対する方針を、お父様とお母様が約束しました。間違いなく、お

母様がお父様と一つになって進むことを約束した時間です。それを公布した時間が、二〇一〇年、陰

暦五月十五日午前三時二十五分です。堕落した世界の終幕の闘いにおいて、お母様がお父様と神様を

中心として約束したのですが、それが二〇一〇年、陰暦五月十五日午前三時二十五分の出来事です。

その時、「三時は初不得三(チョブドゥクサム=精進すれば必ず成功するという意味)の三時代を代

表し、旧約・新約・成約時代の完成、完結、完了の時代を迎え、真のお父様と真のお母様の最終一体

圏が完成、完了した全体、全貌、全権、全能の時代を奉献、宣布する」と言いました。

32 天地のすべての存在が、二〇一一年十二月十一日、きょうこの時間に焦点を合わせています。真

の父母がこの地上において、主人である創造主の本然の基準を完成、完結、完了することによって、

地と天、父と子女、家庭と世界が一体となって解放、釈放され、天宙の真の父母の勝利と創造理想世

界の勝利の覇権を完成・完結・完了宣布するこの日となりました。

神様万歳(マンセ)! 真の父母様万万歳! 万宇宙の解放勝利の覇権の王者、真の神様と真の父母

一体圏家庭の天国となるようお許しくださった、すべてのことを成し遂げました。すべての勝利の主

権が決定されたものとして宣布いたします。天と地、天地父母が一体となり得るけさ、完成解放終了

を宣布する、この時間となったことを感謝いたします。アーヂュー

第五節 真の父母様に倣い、真の父母となる道

真の家庭のモデルを立てられた真の父母様

人間は本来、神様の愛の中で個性完成し、真の夫婦、真の父母となり、真の家庭を築かなければな

らない。真の家庭は、父母の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、子女の愛を順次感じて、体得する「生活の時

空間圏」であり、創造目的を完成する根本基台であるため、すべての人間の願いとなる。真の家庭の

一員となった人間は、真の愛の実体となり、神様のみ旨に背いて人に損害を与えたり、万物世界を悪

用したりすることができなくなる。真の父母様は、神様の創世以後、最初の真の家庭理想を完成する

ことにより、人類が手本とすべき人生のモデルを立てられたのである。人類は、天地人真の父母様が

神様を愛し、人を愛し、万物を愛される、愛天、愛人、愛国の「ために生きる生活」をしてこられた、

生涯の伝統を手本として、そのごとく生き、実践しなければならない。

1 父母様の家庭が、全体家庭を代表しています。それで、世界人類の家庭を水平に置いて、再創造

するのです。原理原則を中心として、すべて、一つにさせるのです。四大心情圏と三大王権と皇族圏

が形成されるというのです。長子権から父母権が成立し、王権が始まり、皇族圏が始まるというので

す。それが形成されてこそ、神様が夜も昼も、思いのままに通過できるのです。

個人から世界のどこに行っても、すべて表面的に連結され得る概念が、統一された祖国です。家庭

がすべて、連結できなければなりません。新しい家庭を中心として、すべてに通じることができてこ

そ、祖国になります。新しい家庭が連結されたものが、祖国です。「私」がそのようなモデル家庭にな

れば、どの家に行っても、そこにいることができるというのです。神様が思いのまま、自由に動くの

と同じです。

2 霊界に行って幸福な人とは、どのような人でしょうか。自分の家に付いてきて、一緒にいたいと

いう人が大勢いて、たくさんの人が出入りするとすれば、その人は幸せなのです。民族が違い、環境

が違いますが、体と心が一つになり、夫婦が一つになり、父母が一つになり、子女が一つになった新

しい家庭組織があれば、どこでもすべて合うのです。長子権復帰、父母権復帰、王権復帰と四大心情

Page 49: 真の父母経001

圏復帰ができれば、統一教会の世界になるので、通じない所がありません。新しい家庭には、そのよ

うな責任があります。一つのモデルにならなければなりません。

このような完全な家庭を連結させたものが祖国です。それでこそ、神様が共にいることができます。

神様も皆さんも、真の父母を慕います。自分が慕うように皆さんも慕うので、神様が思いのままに入

っていけるのです。そのように連結された家庭が大きくなったものが祖国です。モデル家庭が真の父

母家庭であり、その家庭を手本として、数多くの家庭を輩出することができるのです。

3 堕落した人間世界に一番必要なのは、神様の本然の愛を中心として堕落圏を乗り越えた真の父母

です。原理で言えば、責任分担を完成するその圏内を越えた人が、真の父母です。間接主管圏から、

直接主管圏に入った人です。直接主管圏は、愛に一致した世界です。このようになれば、他の主人が

現れることはできません。絶対的です。

愛に一致すれば、二人の主人を願わないのです。神様も他の主人を願わず、人間も他の主人を願い

ません。これをもって、永遠の基地になるのです。それがモデルとなります。それが家庭に拡大し、

氏族、民族、国家に拡大し、その愛の軸を中心として、天運が回るようになっています。

4 創造本然の理想世界は、神様の真の愛、真の生命、真の血統を中心として、真の子女、真の兄弟、

真の夫婦、真の父母の四大心情圏を完成することによって成し遂げられる世界です。人間始祖が神様

のみ旨を不信し、天使長と不倫の血縁関係を結ぶことによって、人間は悪の種を受け継ぐようになり

ました。このような愛の関係により、人類は悪なる父母と悪なる子女を通して、悪なる生命と悪なる

血統の根をもつようになったのです。

このすべての堕落の起源は、正に青少年期に発生しました。青少年期は、一生で最も重要な時です。

今日の若者たちは、無分別な価値観の混乱によって、人類始祖がそうであったように、堕落のどん底

に陥っています。フリーセックスや利己主義などにより、道徳と倫理を否定し、父母と子女を否定し、

家庭を貴く思っていません。このような地上地獄になったので、地上天国を実現するためには、この

すべてのものを、神様の絶対的真の愛の基準を中心として、神側に一八〇度転換しなければなりませ

ん.

すなわち、悪魔が人類の家庭を破壊したので、神様は人間を救うために、その反対の経路を通して、

真の父母を中心とした真の家庭のモデルを立ててきました。神様は、創造本然の立場において、愛と

平和の世界を願っているのです。

5 今、この世界は、家庭が崩壊していっています。父母自体も無秩序であり、兄弟も分裂していま

す。一つの家族がすべて、中心もなく反対方向に向かっています。その家庭の崩壊状況を解決するた

めに、真の父母が必要なのです。真の父母を完全に知ることによって、家庭は収拾されるのです。

現在の家庭だけでなく、真の父母を知らず、崩壊した人生を生きては死んだ、過去の先祖たちの家

庭も再び地上に呼び、復帰させることが可能になりました。それが再臨復帰です。子孫も同じです。

原理の内容をはっきり知って、体恤する基準の上に立てば、子孫を守り、正しい道に導いていくこと

ができるのです。ですから、真の父母が必要な理由は、真の家庭によって収拾するためなのです。

6 神様の創造理想は、八段階の真の愛のモデルの主人を完成することです。すなわち、腹中時代、

幼児時代、兄弟時代、約婚時代、夫婦時代、父母時代、真の祖父母時代、真の王と王妃の時代を経て、

永遠に変わらない真の愛の伝統を立て、父子関係である真の愛のモデルを完成するのです。真の神様

の真の愛、真の生命、真の血統は、絶対、唯一、不変、永遠なので、子孫万代の不変なる真の愛を中

心としたモデルとして相続されるのです。真の愛を中心としてこそ、父子一体、夫婦一体、兄弟一体

になります。

父を愛の主人にしてくれるのが息子であり、夫を愛の主人にしてくれるのが妻であり、兄を愛の主

人にしてくれるのが弟です。反対に、子女に父母がなく、妻に夫がなく、兄に弟がいなければ、それ

ぞれ愛の主人の位置を探し出せないのです。

真の愛の主人になるためには、相対を自分よりも高め、そのために生きなければなりません。です

から、個人においては心身一体、家庭においては夫婦一体、兄弟一体、そして、国家一体を形成して、

八段階の理想モデルである愛の圏を完成しなければなりません。

そうして、父母と子女、夫婦、兄弟姉妹、国々が、すべてこのような真の愛を中心に、八段階モデ

ルの主人になることを願うのが、私たちの理想家庭と国家です。ここから永遠の世界的平準化が始ま

るので、地上天国が出発するのであり、また、天上天国も自動的に成し遂げられるのです。

Page 50: 真の父母経001

7 真の父母が現れて、家庭のあらゆるモデルを見せてあげ、教育してあげない限り、平和世界は、

その起源がありません。真の父母が世界的に展開してきている国際祝福結婚は、単なる一教団の結婚

儀式ではありません。神様の愛の伝統を立てる救国、救世の運動です。青少年たちには、婚前純潔運

動を実施します。そして、成人たちには、神様の真の愛を中心に、夫婦間の絶対信義と貞節の誓約の

もと、祝福結婚をするように導く運動をします。真の愛の家庭を通して家庭の崩壊を防ぎ、国と世界

に平和の礎石を据えるのです。

特に、政治的、歴史的に不和で怨讐関係にあった国家間の人々が、その高い塀を越えて、姻戚関係、

真の愛の関係を結ぶようになるため、平和の範囲は、国家を越え、人種を飛び越えることになります。

真の平和に向かう高次元の公式は、不和と怨讐関係である家門、さらには怨讐国家の子女たち同士が

交叉結婚祝福をして、天地が願う、真の愛を中心とする真の家庭完成の祝福圏を成立させることです。

怨讐同士が交叉結婚をしてこそ、平和の出発が始まります。家庭でもそうであり、国同士でもそうで

あり、思想同士でも、そのようにしなければなりません。そうすれば、思想界を越えて、思想界以上

の幸福と平和の世界になります。ここから、神様と人間が願う永遠の平和世界が出発するのです。

8 真の父母様が歩んできた蕩減路程を絶対的に信仰すれば、霊界において過去のすべての塀を越え

ていける条件になります。父母様に侍ったその基準が、霊界と連結されるからです。父母様が教えて

あげた真の愛、真の生命、真の血統を中心として、心情一体を実現しなければなりません。

真の父という概念を中心として、心情と和合できる血統に連結された息子、娘になり、その息子、

娘が、その神様の愛と生命の実の実体として、夫婦になるのです。夫婦になることによって、二性性

相の正分合本体の心情圏に一致し、天上世界と地上世界において縦的に一つになるのです。同時に、

夫婦生活を中心として東西が一つになり、息子、娘を中心として前後が一つになるのです。それは、

家庭モデルの金型と同じです。モデルの表題です。

そこでは、神様の愛をすべて感じることができます。息子から感じることができ、娘から感じるこ

とができます。生命も息子から、娘から、血統も息子から、娘から感じられます。それが左右関係、

上下関係として一体になっているため、神様の生命を身代わりした息子、娘になり、夫婦になること

によって、横的な基準で神様の愛、生命、血統が連結されるのです。

9 神様は主人です。神様は先生です。神様は父母です。これが三大主体思想です。真の父母になる

ためには、師の中の師にならなければならず、主人の中の主人にならなければならず、父母の中の父

母にならなければなりません。真の主人、真の父母、真の師になろうとすれば、真の神様をはっきり

と知らなければなりません。

真の神様の理想を中心として、真の人間、真の家庭、真の国家と国民を教えてあげるのです。しか

し、今までそれを知りませんでした。真の父母は、正しく歩む道を教えてくれる人です。真の父母に

なれる道を教えてくれるのです。また、真の主人になれる道を教えてくれるのです。

10 天正宮博物館で揮毫した表題とは、「天一國眞聖徳皇帝億兆蒼生萬勝君皇太平聖代萬事亨通」です。

この標語を中心として生きなければなりません。今や誰が干渉しなくても、天地の道理をすべて体得

し、生きるべき道、公式的な道が分かったので、これ以上、教材は必要ありません。これが最後です。

11 父母様は今、地上で全体を越えて、勝利の覇権の位置、神様の王権樹立とともに、自主国勝利の

解放世界と円一統一世界まで成し遂げました。そのため、父母様を中心として完全に一つになるのは、

創世前から創世以後の摂理歴史全体の完結を、「私」自身が判定するためなのです。判定されたその勝

利の覇権をもって、神様の印とイエス様の印と真の父母の印を受けてこそ、解放になります。そのよ

うな途方もない内容を、私たちがすべて個人的に蕩減することはできないので、絶対信仰、絶対愛、

絶対服従しなければなりません。

そのため、父母様を中心として、皆さんの所有観念や欲望、このようなすべての基準が、父母様以

上に越えることはできないのです。

絶対信仰、絶対愛、絶対服従をして、相対的実体圏を、私個人から、家庭を越えて、国家、世界、

天宙まで越えるとしても、変わることのない家庭モデルの形態をつくり上げなければなりません。皆

さん個人と家庭において、祝福を受けた基準が、全体を越えて公認を受けられる主体的立場に立って

こそ、創造理想世界、堕落がなかった本然の世界に帰るのです。円一統一世界に越えていくというの

です。

Page 51: 真の父母経001

12 個人から家庭、氏族、民族、国家、世界に、自由に往来できるモデルが、真の父母様の家庭なの

で、ここと永遠に一体にならなければなりません。そして、真の父母様の伝統を受け継ぎ、家庭から

世界まで、すべて神様と真の父母様と真の子女として同和してこそ、統一された祖国が完成するので

す。

いつでも真の父母様の家庭が、そのモデルです。そのため、真の父母様の家庭とすべてのものが、

一つにならなければなりません。世界とすべて連結されなければなりません。真の父母様の家庭は、

一体となった皆さんの家庭のモデルでもありますが、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界を越えて、

全体のモデルになるからです。ですから、自由に往来できるモデルが父母様の家庭なので、ここと永

遠に一体にならなければなりません。これは、父母様が個人から家庭、氏族、民族、国家、世界のモ

デルになるための伝統でもあります。

その伝統を受け継ぎ、家庭から世界が、神様と真の父母と真の子女として同和してこそ、統一され

た祖国が完成するのです。同和するというのは、完全に和合して、一緒にいるということです。真の

子女とは、父母様の直系の子女のことを言います。ですから、真の父母の家庭を手本として、世界が

一つにならなければなりません。そのモデルは、神様と真の父母を身代わりするためのものです。真

の父母と神様を身代わりするためには、真の父母と直系の子女を中心として、一つに統一されなけれ

ばなりません。それでこそ、祖国統一が成し遂げられるのです。

人類が行くべき真の父母の道

人間は誰しも、アダムとエバの堕落によって、宿命として復帰の道を行かなければならない立場に

置かれた。神様のみ前に絶対信仰、絶対愛、絶対服従の生活をすることにより、億万のサタンを自然

屈伏させ、勝利された真の父母様の典型路程を、そのまま歩んでいかなければ、堕落の因縁を清算す

る道はないのである。

真の父母様は、地上だけでなく、霊界における凄絶な霊的闘いまでも勝利し、神様に絶対信仰、絶

対愛、絶対服従して、ために生きる実体となられ、その勝利圏を祝福家庭に相続させてくださる恩恵

をお与えになった。人類は、真の父母様の真の愛、真の生命、真の血統の伝統を相続し、真の父母と

なって、氏族メシヤと天一国の民としての責任を果たさなければならない。

13 人間は、堕落した父母から生まれたため、絶望の中で呻吟しながら、目的と方向も分からないま

ま、日々変化する立場で生きてきました。

しかし、私たちが行く道は、変わりません。朝はこのようにして、夕方にはあのようにして、とい

うようなことはできないのです。「真の父母が行く道が私の道であり、真の父母が暮らす生活が私の生

活であり、真の父母が立っている場所が私の場所であり、真の父母の世界が私の世界である」という

思想を強固にもたなければなりません。そして、「真の父母を慕うことにおいては、世界で一番慕って

いる」と言わなければなりません。真の父母に侍って行く道にいくら暴風雨が吹きつけても、これを

幸せなこととして消化し、歩んでいくことができなければなりません。

ですから、未来になれば、世界の復帰や、一つの世界というものを夢見る必要はありません。皆さ

んはそのとき、歴史的伝統と希望の基準になる真の父母の家庭を身代わりすることができる、未来の

世界的な家庭になりなさいというのです。この原則は変わりません。その原則になる家庭が、真の父

母の家庭です。

14 皆さんは、自分自体で完成するのではありません。純然と、父母様の愛によって完成するのです。

子女が父母の懐から生まれれば、良し悪しにかかわらず、その父母の形態に似るのです。それと同じ

ように、統一教会では、真の父母の道理を教えてあげます。それが、皆さんには福の中の福です。

人間の願いは、真の父母に出会うことです。死の道を行っても会うべき人が、真の父母だというの

です。歴史をすべて失ってしまい、時代をすべて失ってしまい、自分の子孫をすべて失ってしまうと

しても、真の父母に出会うならば、歴史を取り戻すのであり、時代を取り戻すのであり、未来を取り

戻すのです。このような方が、正に真の父母です。堕落した過去の歴史は、一つの世界を願ってきま

した。ある一時に、平和の世界がこの地に立てられるということを、未来の希望として抱いてきたの

です。

15 今、父母様の家庭を中心として、世界人類の家庭と、家庭対家庭として向き合える時が来ました。

復帰時代になったので、天の側の家庭モデルをつくっておき、サタン世界の家庭に道を教えてあげる

Page 52: 真の父母経001

のです。息子、娘が父母に仕えるのと同じように、妻が夫のために、子女が父母のために、妹が兄の

ために尽くすのと同じように、今まで完全となり得なかった道理を超越し、完成した一つのモデルを

掲げるのです。

真の愛を中心として、縦横の真の父母の心情をすべて受け継ぎ、完成した息子、娘になってこそ、

真の父母になるのです。神様の心の中で構想した完全な兄弟の理想を成し遂げたあとには、夫婦にな

ります。夫婦の中でも、願ってきた最高の完成した夫婦になるのです。この夫婦が父母になるのです

が、父母としても完成した位置にいる父母です。神様が天の家庭を中心として、理念として待ち望ん

だ心情的、系列的な完成実体として現れたのが、真の父母です。

16 皆さんの中心は、神様と真の父母という概念をもたなければなりません。これが、元来の標準の

立場です。ここから新しい未来に拡大していかなければなりません。このように拡大された世界をつ

くらなければなりません。皆さんは、絶対的な、元来の真の愛を中心とした家庭体系を形成しなけれ

ばなりません。これが、神様と真の父母様の伝統的な出発点です。

ところが、皆さんは今、このような立場とはあまりにも違うというのです。世の中の多くの悪い習

慣と観念ゆえに、誤った方向に進んでいます。このようなことが、将来、神様が審判するときに讒訴

条件になります。最も恐ろしい条件を、皆さんはもっているというのです。今から誤った習慣、条件

を一掃してしまい、真の家庭体系を確実につくっていかなければなりません。

17 祝福を受けたすべての家庭は、真の父母にならなければなりません。世界全体の家庭の真の父母

化時代です。世界的な統一をするための基盤の上に父母と子女が定着したので、全世界の祝福を受け

た家庭は、真の父母化時代に入っていかなければなりません。

第一に、すべての祝福家庭の婦人たちは、お母様の伝統を相続しなければなりません。真の父母に

なろうとするので、その婦人たちは、お母様の伝統を受け継がなければならないのです。皆さんも、

真の父母化時代において、氏族圏内のすべてを一つにするため、お母様の代わりにお産の苦労をしな

ければなりません。真のお母様は、聖霊の立場なので、霊肉共に生んであげなければならないのです。

これは母の責任です。若い青年と一世の男性まで再び生み変えなければなりません。復活させなけれ

ばならないのです。

第二に、家庭的メシヤ圏を解放していかなければなりません。再び生み変えて解放してあげなけれ

ばなりません。再び生み変えなければ復活できないのです。重生しなければなりません。家庭と氏族

を生んで一つにしなければなりません。氏族メシヤが氏族の場で、あらゆる氏族を一つの氏族圏にし

なければならないのです。それで、真のお母様の立場で再び生み変え、家庭と氏族的メシヤ圏を一致

させなければなりません。アダム家庭、イエス様の家族が失敗したことを、蕩減復帰しなければなら

ないので、そのようにするのです。

18 今や皆さんが、アダムとエバ以上に、神様と共に暮らした個人的生活基準の家庭を越え、民族、

国家、世界、天宙まで、家庭理想を完結しなければなりません。偽りの父母になったアダムのすべて

のものを、真の父母が一代で清算しなければなりません。歴史時代にサタンが植えた、汚れた死亡の

血について、今まで誰も知ることができなかったのですが、真の父母の一代でこれを整理し、神様の

愛の一体圏心情的世界を中心として、家庭を越え、氏族、民族、国家、世界を越え、天宙を越えて、

初めて本然の基盤として定着するのです。

神様と共に、アダムとエバから今まで、人類の旧約時代、新約時代、成約時代、第四次アダム心情

圏を通して、初めて定着したというのです。皆さんの家庭は、今まで数千万年を経て解放されたアダ

ム家庭の位置を受け継いだため、これから皆さんは、新しい一族の先祖になるのです。

19 家庭では孝子の道理、国では忠臣の道理、世界では聖人の道理、天宙では聖子の道理を果たすこ

とによって、家庭理想のモデルをつくらなければなりません。自分の家庭は、個人を代表するだけで

なく、氏族、民族、国家、世界、天宙の代表型として、これを成し遂げていくのです。そのようなと

き、アダムが個人の立場で堕落したように、世界の数千億を一人のように、一つの家庭のように考え

て、一時に蕩減しなければなりません。祝福家庭の各自の責任です。そうして、自分たちが立てた功

績を中心として、各自祝福を受けた家庭が、新しい氏族になるのです。

サタン世界は、個人から氏族に広がっていきましたが、今や全世界が合わさって、世界個人型、世

界家庭型となり、世界完成型である真の父母のモデル基準と一致し得る相対基準にならなければなり

ません。皆さんの体が祭物的な立場で印を受け、家庭全体を身代わりして、世界人類のモデル型に一

Page 53: 真の父母経001

致できなければなりません。そのモデル基準を開拓するために、父母様の一代で今まで開拓の歴史を

歩んできたのです。

20 皆さんは、天国の民にならなければなりません。真の父の国、真の母の国、真の長子の国があれ

ば、そこに連結されて、天国の民が生まれるのです。ですから、「私」が天国の民であり、息子、娘で

あり、主人だというのです。家庭から出発して、天国の主人になります。天の皇族圏に入るのです。

家庭の主人は孝子、国の主人は愛国者ですが、これが一つに連結されなければなりません。一つの道

を行かなければなりません。孝子から愛国者、愛国者から聖人、聖人から聖子になるのは、一方向で

す。後戻りはあり得ません。神様は、一つの道を行くことを願うのです。

最初は、孝子にならなければなりません。神様が「お前が絶対に必要だ。困難な場でも幸福な場で

も共にいよう」と言うことのできる私にならなければなりません。「一生の間、永遠に共にいたい」と

言うことのできる、私にならなければならないというのです。誰がいくら否定し、迫害しても、皆さ

んはその道を行かなければなりません。天国の民になれば、そこには蕩減がありません。一度成し遂

げた結果は、永遠に存続するのです。ですから、私たちに一つの希望があるとすれば、再創造される

ことです。

21 真の父母は、真の愛の主人です。真の父母は愛の王です。私たちは、最も貴いものを失ってしま

いました。それをどのように取り戻すのかが問題です。

真の父母、真の愛、真の生命、真の血統は、サタンがいくらじたばたしても、どうすることもでき

ません。神様のみ旨に永遠に一致するためには、神様と人類が真の愛を中心として、主体と対象の立

場で、永遠の関係を結んでいかなければなりません。

私たちがこのような結論に到達できなければ、人類は神様の創造理想である真の愛を中心とした生

活を営んでいくことはできません。これが原理です。誰も否定できません。ですから、真の父母が絶

対に必要です。

22 アダムの堕落によって、数え切れないほど多くの塀が生じたのですが、真の父母が現れて初めて、

天上世界も、地上世界も、愛を中心として塀のない道にしておきました。行くか行かないかは、自分

にかかっています。真の父母によって、すべての村に高速道路ができました。

高速道路を行こうとすれば、自分の努力で車を手に入れて、訪ねていかなければなりません。真の

父母によって、人類歴史の心情的世界と、霊界、肉界を塞いでいた塀が崩れたので、大きな水道のパ

イプを通って全家庭に水が流れ込むのと同じように、滞りなく行ける道が開かれたというのです。そ

れで、地上と霊界の統一圏が、初めてこの基盤の上に形成されるのです。

23 今から私たちは、創造本然の夫婦であるアダムとエバの伝統的基準を確立し、創造理想の夫婦圏

完成を通して真の父母となり、真の息子、娘に真の愛、真の生命、真の血統を再び相続してあげなけ

ればなりません。そのような使命が祝福家庭にあることを忘れてはいけません。真の父母になったの

は、個人が家庭的勝利圏から氏族的勝利圏、民族的勝利圏、国家的勝利圏、世界的勝利圏、天宙的勝

利圏だけでなく、神様の解放圏まで成就させるためなのです。

24 真の父母は家庭を収拾し、救世主は国を収拾するのです。この二つの責任があります。真の愛と

真の生命の種をもって接ぎ木することによって、収拾できるのです。人類は、堕落したので、偽りの

愛、偽りの生命の種を受けました。これが野生のオリーブになったので、真のオリーブから接ぎ木を

受け、真の愛に連結されて、真の愛を中心とした生命を再び受け継がなければならないというのです。

そのようにしなければ、真の父母の血族になれません。

25 すべての責任者たちは、自分の代身者、もしくは相続者を立てるとき、自分より優れた存在を願

うのが天地創造の道理なので、主人となる人は、自分に従い、侍る最も近い息子、娘に、「自分よりも

優れた人になりなさい」と言って、道を開いてあげなければなりません。サタンは、そこから落ちて

いくように門を閉じてしまいましたが、皆さんがそのようにすることによって、堕落した血統の痕跡

がない完全、完結の本然の血統を受け継ぐことができるのです。

そうして、天の国において、統治の主人として、真の父母、真の師、真の王として、血統的に神様

と父子関係を結べる位置で、「私」が信じ、実行することによって、神様が築いておいた真の父母家庭

の代身者、真の父母の相続を受ける代身者として、すべてを相続させてあげられるようになるという

Page 54: 真の父母経001

のです。これが天地に宣言する宣言文であることを知って、実践しなければなりません。

26 皆さんも真の父母にならなければなりません。そうだとすれば、氏族的真の父母になりますか、

民族的真の父母になりますか、国家的真の父母になりますか。国家的真の父母になれば、そのまま天

国に上がっていくのです。個人(および家庭)的な真の父母は多くいます。ここにおいて一番の人が、

氏族的真の父母に上がるのです。また、民族、国家、世界的真の父母に上がるのです。

真の家庭にならなければ、天国に入れません。天国は家庭が入るのです。天の国の編成は、家庭を

連合して行うようになります。連合を通して公式をつくるのです。すべてのものが連結されて、公式

をつくるのです。皆さんも完成した家庭をつくらなければ、天国に入れません。それが真の父母主義

です。真の父母として行く道です。

27 聖書に「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ一四・六)とありますが、愛が抜け

ています。「わたしは道であり、真理であり、命である」というのですが、それをもって何をするので

しょうか。私たちは愛を入れなければなりません。「わたしは道であり、真理であり、命であり、愛な

ので、だれでもわたしによらないでは。父のみもとに行くことはできない」と言わなければなりませ

ん。イエス・キリストが愛の中心者です。真の父母になることができます。体が心に似ているのと同

じです。真の父母時代に入って、真の父母に似れば、神様に似るのです。

28 神様の父母の心情と同じ心情圏を自分がもって、どのように一体化するかということが問題です。

天上世界や地上世界、先祖たちや霊人たちや天使世界が、すべてそれを中心として擁護し、保護する

ようになっているというのです。一番の問題がそこにあります。

骨髄の骨髄から神様と連結されていて、その肉身、体全体が真の愛の絆によって連結されているの

で、真の愛を中心として、主人と関係を結べるようになっているのです。被造世界のすべての周辺、

この宇宙というものはすべて、そのような主人の前に一つとなり、主人を保護すべき立場になってい

るので、恨を残したまま途中で死ぬことはないというのです。そのため、「私」の骨髄から、体と私の

思いすべてが一つになり、真の愛の関係の中で、万宇宙の主人の資格、神様が創造するときに願った

創造理想的主人の位置に、いかに立てるかということが問題です。その主人が、神様のすべてに似た

息子、娘なのです。

29 私たちには、完成概念があります。その完成をどのように成し遂げるのでしょうか。公式に従っ

ていけばよいのです。「このようにすれば、理想家庭を築くことができる」という公式があります。氏

族、国家、世界、天宙に対する公式が、すべてあるというのです。そのような絶対公式の主人が神様

です。

ですから、定着することは問題ありません。大きな公式と小さな公式が一つになって完成するので

す。個人基盤、家庭基盤、氏族基盤、国家基盤、世界基盤に拡大します。そうすれば、神様のすぐそ

ばに立つのです。

中心というのは、縦的に霊界と通じることを意味します。皆さんが、神様の息子、娘だというので

す。神様に似た子女です。神様は、心と体が一つになっています。

しかし、皆さんの心と体は、今も闘っています。いつ統一されますか。一つになる過程、中間の立

場にいるというのは、完成できなかったことを意味します。ですから、謙虚になり、他のために尽く

そうとし、献身しなさいというのです。

「私は真の父母様の代表者である。私は神様と一つに連結されている。私はチャンピオンである」

という観念をもっていれば、皆さんは中心の位置に立つことができます。「私」は第二の創造主だとい

うのです。個人完成は問題ないということです。家庭完成も問題なく、氏族完成も問題ないのです。

国家を越えて影響を及ぼすこともできます。国境を越えて、隣の国と連結できるというのです。