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安楽死の制限はされるべきか?

Jun 20, 2015

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Page 1: 安楽死の制限はされるべきか?

  とある男性の訴え

Page 2: 安楽死の制限はされるべきか?

2012年、イギリスでニックリンソン氏という中年男性が、Change.org.com という署名サイトで

Page 3: 安楽死の制限はされるべきか?

英国政府に、彼に安楽死を受けさせるよう、呼びかけた。

Page 4: 安楽死の制限はされるべきか?

ニックリンソン氏は、「閉じ込め症候群」と言われる全身の麻痺で苦しんでいた。

Page 5: 安楽死の制限はされるべきか?

30000人分の署名が集まった。

Page 6: 安楽死の制限はされるべきか?

しかし、

その主張は認められなかった

Page 7: 安楽死の制限はされるべきか?

要するに、「死ぬまでしっかり苦しみなさい」と言われたのだ。

Page 8: 安楽死の制限はされるべきか?

苦しみに堪えかねて、食事を絶ち亡くなった

彼は安楽死を受けられず

Page 9: 安楽死の制限はされるべきか?

他の人の事例も紹介させてもらう

Page 10: 安楽死の制限はされるべきか?

事例2.フランスの老年女性の例

Page 11: 安楽死の制限はされるべきか?

彼女は頭に腫瘍ができ、大変な苦痛を味わっていた。

Page 12: 安楽死の制限はされるべきか?

臭覚、味覚、視力も失う。

Page 13: 安楽死の制限はされるべきか?

事例2.フランスの老年女性の例

Page 14: 安楽死の制限はされるべきか?

さらには、この腫瘍のせいで、上品だった彼女の容貌は原型をとどめないほど変貌してしまった。

Page 15: 安楽死の制限はされるべきか?

安楽死の訴えは認められず、ニックリンソン氏のように自殺した。

Page 16: 安楽死の制限はされるべきか?

事例3.フランスの青年男性の例

Page 17: 安楽死の制限はされるべきか?

交通事故のため、親指以外は動かなくなってしまった。

Page 18: 安楽死の制限はされるべきか?

「安楽死したい」との願いを出し、当時の大統領シラク大統領も同意するが大統領に安楽死を許可する権限は無し。

Page 19: 安楽死の制限はされるべきか?

結局母親が彼の願いを聞いて自殺を施した。

Page 20: 安楽死の制限はされるべきか?

死を願う人には三種類ある。

①身体の苦痛により、死を願う人

②精神の苦痛により、死を願う人

③心身に病気はないが、死を願う人

Page 21: 安楽死の制限はされるべきか?

1.死期が間近であること2.肉体的な苦痛があること

現在の日本では、安楽死を認められるには、以下の条件を満たしていなければならない

Page 22: 安楽死の制限はされるべきか?

まず、1.の条件について考えてみよう。

Page 23: 安楽死の制限はされるべきか?

たとえば、先に紹介した3名は死期が間近に迫った、いわゆる「末期患者」ではない。

Page 24: 安楽死の制限はされるべきか?

抵抗感と自己決定権。どちらを重視するべきか?

Page 25: 安楽死の制限はされるべきか?

もし、彼らの命があと    

考えてみてほしい。

半年だったら

Page 26: 安楽死の制限はされるべきか?

「安楽死したい」となんて考えただろうか?

Page 27: 安楽死の制限はされるべきか?

短い残りの人生を惜しんでいたことだろうと思う。

Page 28: 安楽死の制限はされるべきか?

短い人生をさらに短くするわけはない。

Page 29: 安楽死の制限はされるべきか?

増して、貴重な時間を裁判やら署名集めに費やすはずがない。

Page 30: 安楽死の制限はされるべきか?

ニックリンソン氏は、苦痛が「これからずっと」続くことに絶望し、安楽死を希望したのだろう。

Page 31: 安楽死の制限はされるべきか?

つまり、安楽死の対象を死期が迫っている人のみにするという考えは・・・

Page 32: 安楽死の制限はされるべきか?

無意味というより、完全に誤っていると言わざるを得ない。むしろ逆。

Page 33: 安楽死の制限はされるべきか?

死を願う人には三種類ある。

①身体の苦痛により、死を願う人

②精神の苦痛により、死を願う人

③心身に病気はないが、死を願う人

Page 34: 安楽死の制限はされるべきか?

死を願う人には三種類ある。

①身体の苦痛により、死を願う人

この場合は、誰にでも受け入れられやすいだろう。たとえば、冒頭のニックリンソン氏も含まれる。

Page 35: 安楽死の制限はされるべきか?

では、残りの二つはどうか?

①身体の苦痛により、死を願う人

②精神の苦痛により、死を願う人

③心身に病気はないが、死を願う人

Page 36: 安楽死の制限はされるべきか?

では、残りの二つはどうか?

②精神の苦痛により、死を願う人

③心身に病気はないが、死を願う人①の場合に比べ、この両者は中々死んでもいいという同意を得にくい。

Page 37: 安楽死の制限はされるべきか?

それは、②や③の人の苦しみが、ニックリンソン氏などの①の人の苦しみより小さいからだろうか? ×

Page 38: 安楽死の制限はされるべきか?

死を願う人には三種類ある。

ただ単に、身体的な苦痛は「目に見えるから」認められ、それ以外は「目に見えないから」却下されているに過ぎない。

Page 39: 安楽死の制限はされるべきか?

どこに「一線」を引くべきか?

例え体がニックリンソン氏と同じくらい不自由でも生きることを願う人はいるだろう。

Page 40: 安楽死の制限はされるべきか?

どこに「一線」を引くべきか?

逆に、たとえ肉体的に不自由がなくてもニックリンソン氏と同じように、それ以上に苦しんでいる人もいるかもしれない。

Page 41: 安楽死の制限はされるべきか?

主観で人の不幸を決められるのか?

あんたは不幸に見えるから死ぬのを許してやろう

あんたは不幸に見えないから死ぬのは許さない

Page 42: 安楽死の制限はされるべきか?

精神の病気と肉体の病気に差はあるか?

では、精神の病気の例を見ていこう

Page 43: 安楽死の制限はされるべきか?

うつ病の患者であるA氏の事例A氏の場合

小学校低学年の時から発症、 10年間苦しみ続け

Page 44: 安楽死の制限はされるべきか?

うつ病の患者であるA氏の事例

カゼのような症状が続き、悪化した時には立つこと

もできない

Page 45: 安楽死の制限はされるべきか?

主観で人の不幸を決められるのか?

B氏の場合

数年間、重いうつ病に苦しむ

当然、薬を飲むことになるが、

その薬の副作用がまた、重い。

Page 46: 安楽死の制限はされるべきか?

主観で人の不幸を決められるのか?主な副作用としては・・・

眠気、めまい、吐き気、悪寒、耳鳴り・・・体重も 10 キロ以上増加。

薬を強くするたびに副作用も強くなってしまう。

Page 47: 安楽死の制限はされるべきか?

主観で人の不幸を決められるのか?

あんたは不幸に見えるから死ぬのを許してやろう

あんたは不幸に見えないから死ぬのは許さない

C氏の場合

十数年間、重いうつ病に苦しむ

医者からは、「あなたの病気は一生治らないうまくあきらめて生きていきなさい」と宣

告される

Page 48: 安楽死の制限はされるべきか?

精神の病気に対する偏見

ほんの20年位前ま

(現在でも? )

「きちがい病」などと言われ、激しい差別の対象に

なっていた。

Page 49: 安楽死の制限はされるべきか?

精神の病気に対する偏見

近年

「うつ病は心のかぜ」などとして、理解が進む・・・