重大事故リスクアセスメント ガイドライン 令和2年 7月 西日本高速道路株式会社
重大事故リスクアセスメント
ガイドライン
令和2年 7月
西日本高速道路株式会社
目 次
1. はじめに
2. 総 則
3. 安全管理に関するヒアリングの実施
4. 重大事故リスクアセスメント
5. 受注者と下請負人とのコミュニケーション
6. 手続きの流れ
○ 添付資料
添付資料① ・・・ 重大事故リスクに関する書類及び現場確認概念図
○ 参考資料
参考資料① ・・・ 安全対策等に関する費用計上事例
参考資料②-1 ・・・ 安全管理項目チェックリスト(土木系)の操作・運用手順
参考資料②-2 ・・・ 安全管理項目チェックリスト(施設系)の操作・運用手順
○ 様式
・ 重大事故リスク管理表(様式1)
・ 仮設構造物管理表(様式2)
・ プレリスク工程表、リスクマップ作成例
・ 安全管理項目チェックリスト
1. はじめに
『重大事故リスクアセスメントガイドライン』は、NEXCO西日本が発注する工事等の安全性向
上を図るため実施する『重大事故リスクアセスメント』について、施工会社の方々向けに必要な事項
を定めたものです。
これは弊社が進める、『重大事故リスクマネジメントシステム』(次頁「図-1 重大事故リスクマ
ネジメントシステムの概要」参照)の中核をなすもので、これを受発注者一体となって継続的に実施
することにより、重大事故の撲滅を目指すものです。
平成28年に連続して発生した、有馬川橋橋桁落下事故(4月22日)、余野川橋ベント転倒事故(5
月19日)では、多数の死傷者(10名)、ならびに供用中道路の通行止め(R176号、箕面有料道
路)により、社会的に重大な損失をもたらしました。
また、社内全建設工事の一時中止・緊急安全点検・事故再発防止の実施となり、建設工事全般に大
きな影響を与えました。
このことを重く受け止め、NEXCO西日本では、『工事安全管理は受発注者一体となって取組み、
安全性を高めるもの』という認識のもと、
『工事施工会社において策定される施工計画書に、重大事故リスクに関する安全対策の記載を求
め、それを受発注者合同で確認・共有し、必要があれば改善する』
という『重大事故リスクアセスメント』を軸に、受発注者一体となって、安全管理に努めていくこと
を、仕様書において規定しました。
『重大事故リスクアセスメントガイドライン』は、これらの手順・様式等を詳しく規定しています
が、最大の目的は、『受発注者一体となりリスクコミュニケーションを行い、安全な現場を目指すこと』
であり、書類を作成することではありません。
『安全と品質を確保したうえで、工期内に工事を完成させ、社会に貢献する』
という受発注者共通の目標を実現し、建設業界が社会からより信頼され続けられるよう、共に安全管
理に取り組みましょう。
図-1 重大事故リスクマネジメントシステムの概要
※ リスクコミュニケーション:リスクに関する正確な情報を、関係者間で共有し、相互の意思疎通を図ること
NEXCO
(発注者)
施工会社
(受注者)
工事発注
工事受注
工事請負契約
(適正な金額・工期の設定)
工事施工計画・安全管理計画の策定
工事中に想定される重大事故リスクの抽出
≪重大事故リスクアセスメント~受発注者一体となった取組み~≫
下記について、受注者が策定した内容を受発注者で確認(書類・現地)・協議する。
○工事施工計画・安全管理項目の確認
○抽出された重大事故リスクに関し、書類及び現場確認
○リスクコミュニケーション(※)を行い、必要に応じて予防措置又は是正措置の実施を受発注者で協議
【受注者における工事安全管理】
≪安全協議会活動の強化
~受発注者一体となった取組み~≫
○各現場等において、受発注者で設置している安全協議会での活動、特に現場の安全を確認するパトロールにおいて、
重大事故リスク箇所を重点的に点検を行うなどの強化を図る
○「設計変更ガイドライン」に基づく適正な請負金額の算定
○「工事一時中止ガイドライン」に基づく適正な工期の確保
≪ 安 全 に 関 す る 社 員 教 育 の 充 実≫
○ 工 事 中 の 潜 在 的 な 重 大 事 故 リ ス ク に 関 す る 想 像 力 、 予 見 力 の 向 上
工事の安全性向上に関する取組み
「安全と品質を確保したうえで、工期内に工事を完成させ、社会に貢献する」という受発注者共通の目標を実現
(PDCA)
【重大事故リスクマネジメントシステム】
工事施工時の安全管理
・KY活動、現場巡視、安全訓練等
統括安全衛生管理義務者
の指名
【混在作業】
2. 総則
2-1 目 的
『重大事故リスクアセスメントガイドライン』(以下「ガイドライン」という。)は、『重大事故リス
クアセスメント』に関する手順・様式等を定め、NEXCO西日本が発注する工事等の安全性向上を
図るためのものである。
2-2 受発注者一体となった工事安全管理への取組み
工事請負契約にあたり、公共工事標準請負契約約款第一条3項においては、「仮設、施工方法その
他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、契約書及び設計図書に特別の定めがあ
る場合を除き、受注者がその責任において定める。」とされている。
また、労働安全衛生法第三条3項においては、労働災害防止のための発注者責務として、「建設工
事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の
遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。」と規定されている。
この両条項を勘案し、受発注者一体となって受注者が施工計画書に抽出する重大事故リスクの確
認を行い、必要に応じて予防措置又は是正措置の実施を協議する重大事故リスクアセスメントを実
施する。
≪公共工事標準請負契約約款第一条3項≫
仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、契約書及
び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
≪労働安全衛生法第三条3項≫
建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛
生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
≪建設業における総合的労働災害防止対策(平成 19 年 3 月 22 日厚労省労働基準局長通達抜粋)≫
発注者は以下の的確な実施に格段の努力を傾けること。
・ 施工時の安全衛生の確保に配慮した工期の設定、設計の実施等
・ 施工時の安全衛生を確保するために必要な経費の積算
・ 施工時の安全衛生を確保するうえで必要な場合における条件の明示
・ 適切な施工業者の選定
・ 分割発注等により工区が分割され複数の元方事業者が存在する工事の発注者にあって
は、次の事項
イ) 個別工事間の連絡及び調整
ロ) 工事全体の災害防止協議会の設置
・ 入札参加者指名時における安全成績の優良な業者の選定及び労働安全衛生マネジメン
トシステム等自主的な安全衛生活動の取組みを評価する仕組みの導入
2-3 仕様書等
ガイドラインの対象とする共通仕様書は以下のとおりとし、以降、総称して「仕様書等」という。
① 土木工事共通仕様書 ・・・(土木系仕様書)
② 維持修繕作業共通仕様書 ・・・( 〃 )
③ 建築工事共通仕様書 ・・・(施設系仕様書)
④ 機械設備工事共通仕様書 ・・・( 〃 )
⑤ 電気通信工事共通仕様書 ・・・( 〃 )
⑥ 施設維持修繕作業共通仕様書 ・・・( 〃 )
⑦ 調査等共通仕様書 ・・・(共 通)
⑧ 施設工事調査等共通仕様書 ・・・(施設系仕様書)
2-4 用語の定義
(1) 重大事故
以下の項目をガイドラインにおける主な重大事故とする。
① 第三者被害が想定される事故
・ 第三者の死傷事故、仮設材(橋梁架設のベント、仮桟橋の部材(一時的な仮設材を含む)、吊足
場など)・機材の家屋や道路等への倒壊・転倒・部材の落下、資機材等運搬時における転倒・落
下、工事による道路管制センター中央局のシステムダウンを発生させる事故など
② 工事従事者の死亡事故
・ トンネル切羽崩落、落盤、足場・支保工等の仮設材(橋梁架設のベント、仮桟橋の部材(一時
的な仮設材を含む)、吊足場など)の倒壊・転倒・部材の落下、土留矢板倒壊、足場からの墜落・
転落、重機等へのはさまれ・巻き込まれ、工事中の感電による事故など
③ 供用中の道路の通行止めや大渋滞に至る事故
・ 橋桁、吊り足場の落下等による高速道路本線や交差道路等の通行止め、交通開放遅延による大
渋滞の発生などを惹き起こす事故など
④ 大幅な工程遅延に至る事故
・ 主桁の再製作、仮設備の再設置などの手戻りにより、工事が大幅に遅延する事故など
⑤ ライフラインへ多大な影響を与える事故
・ 埋設物又は架空線への接触・切断を発生させる事故など
⑥ 環境汚染をもたらす事故
・ 重金属含有のトンネル地下水放流、汚染掘削土砂の無処理、工事により燃料等の貯蔵施設から
河川、用水、水田等への漏洩を発生させる事故など
【高速道路本線の交通規制を伴う工事において特に注意すべき事項】
1) 交通規制内作業時における交通事故
・ 第三者に人的損害を生じさせるような事故
・ 道路の機能不全に至るような物損事故又は不特定多数に影響を及ぼすような物損事故
・ 規制内への通行車両侵入による工事関係者及び第三者事故
2) 工事遅延による交通解放の遅れ
・ 交通規制下における交通解放遅延による大渋滞の発生
3) その他の公衆災害
・ 資機材等の飛散、積み荷の落下等などの公衆災害
(2) 重大事故リスク
重大事故リスクとは、重大事故発生の危険性をいう。
(3) 重大事故リスクアセスメント
工事において、受注者が施工計画書に抽出する本体工及び仮設工事における重大事故リスク
について、受発注者合同で書類及び現場の確認を行い、必要に応じて予防措置又は是正措置の
実施を協議するものをいう。
2-5 適用範囲
(1) ガイドラインの適用範囲
「土木系工事」は、仕様書等のうち土木系仕様書に基づき実施する工事をいい、「施設系
工事」は、施設系仕様書に基づく工事をいう。
「調査等業務」は仕様書等に基づき実施する調査等業務をいう。
以下、これらの工事、調査等業務を区分しない場合は、総称して「工事」という。
区 分 適用範囲
土木系工事
施設系工事
NEXCOが発注する全ての工事に適用する。ただし、以下の工事につい
ては適用しないことができるものとする。
① 建設業法の対象としない工事(建築一式 15 百万円未満、建築一式工
事以外の建設工事 5百万円未満)
② 緊急復旧工事、応急復旧工事(※)
③ その他、発注者が要領の対象外とした工事
※緊急復旧工事、応急復旧工事への適用については、災害状況や復旧
工事内容を勘案したうえで判断するものとする。
調査等業務 NEXCOが発注する調査等業務のうち、現場作業が伴う測量、土質調査
等の業務に適用する。ただし、発注者がガイドラインの対象外とした業務に
は適用しないことができるものとする。
(2) 受注者における工事安全管理
受注者は、関係法令及び仕様書等に基づき、確実に工事安全管理を実施するものとする。
なお、ガイドラインの対象外となった工事であっても、関係法令及び仕様書等に基づき、受
注者において確実に工事安全管理を実施しなければならない。
3. 安全管理に関するヒアリングの実施
受注者による施工計画書の策定に先立ち、受注者の安全管理に関する体制や考え方等を確認する
ため、受注者に対してヒアリングを実施する。
ヒアリングは、監督員が現場代理人又は監理技術者(主任技術者)及び受注者の本支店等で安全
管理を担当する者に対して行うものとし、その内容や実施時期等の詳細については、打合せ簿等に
より別途監督員から受注者に対して通知する。
4. 重大事故リスクアセスメント
4-1 重大事故リスクアセスメントの実施手順
重大事故リスクアセスメントは、以下の手順で実施するものとする。なお、重大事故リスクアセ
スメントの実施に要する費用は、諸経費に含まれるものとする。
(1) 重大事故リスクの抽出
受注者は、関係法令及び仕様書等による
他、ガイドラインにおける安全指針等を参
考に、受注者が行う安全管理項目を適宜、
施工計画書に記載するとともに、重大事故
リスクを「ガイドライン4-2」に基づき
抽出し、所定の様式に取りまとめたものを
施工計画書に添付して提出するものとする。
(2) 受発注者協議
受注者は、施工計画書の提出後、監督員
から工事打合せ簿等により重大事故リスク
に関する確認を実施する旨通知があった場
合は、発注者と合同で以下のとおり実施す
るものとする。
① 受発注者合同で重大事故リスクに関す
る書類の確認を行い、受注者において
重大事故リスクを決定する。
② 決定した重大事故リスクに関し、受発
注者合同で現場の確認を行い、予防措
置又は是正措置などの安全対策につい
て協議を行うものとし、これらの結果
を踏まえ、受注者が必要に応じて施工
計画書の修正を行う。
なお、これらの実施時期等については、
「ガイドライン4-4」によるものとする。
(3) 施工計画の変更等
工事工程の進捗等による施工計画の変更
等(変更又は詳細施工計画の策定、工法変更、新規工種の追加等)により、重大事故リスクに変更
が生じる場合は、前記(1)~(2)を繰り返し実施するものとする。
≪重大事故リスクアセスメント実施フロー図≫
【リスクコミュニケーション:リスクに関する正確な情報を、関係者間で共有し、相互の意思疎通を図ること
受注者による施工計画書の策定
(1)重大事故リスクの抽出
受発注者協議の結果を踏まえ、
受注者が必要に応じて施工計画書を修正
作業開始
(3)工事進捗等による
施工計画の変更等
有
完了
無
(2)受発注者協議(リスクコミュニケーション)
①受発注者合同で重大事故リスクに関する書類の確認
を行い、受注者において重大事故リスクを決定
②決定された重大事故リスクに関し、受発注者合同で現
場の確認を行い、予防措置又は是正措置などの安全
対策について協議
※施工計画書【重大事故リスク管理表、仮設構造物管
理表、プレリスク工程表、リスクマップ及び安全管理項
目チェックリスト】を活用して実施
4-2 重大事故リスクの抽出等の作業方法
(1) 受注者が実施する重大事故リスクの抽出等に関する各様式の概要及び作業方法は下表のとお
りとする。なお重大事故リスクの抽出は、「事業リスクに繋がる可能性が高い重大事故の防止」
という観点より、発注者として確認すべき事項に対して実施するものであり、受注者が実施
する重大事故リスクの抽出について、「過度な重大事故リスクの抽出」を求めているものでは
ない。安全管理DBに掲載している「重大事故リスク抽出事例」を参考とするものとする。
様 式 様式の概要及び作業方法
重大事故リスク
管理表(様式1)
受注者において、重大事故の定義に基づき重大事故リスクの抽出を行い、必要
な安全対策及び受注者における点検項目・内容を整理し施工計画書に添付して
提出するものとする。
必要な安全対策及び受注者における点検項目・内容の整理にあたっては、「安
全管理項目チェックリスト」の該当する項目に留意して確認を行うものとす
る。(参考資料②参照)
仮設構造物
管理表(様式2)
受注者において、仮設材の管理基準に関する事項として、点検内容、管理基準
等、点検頻度及び管理基準等を満足しない場合の対処方法を整理し、施工計画
書に添付して提出するものとする。
点検にあたり、橋梁上部工などの荷重支持となる仮設材や土留支保工の矢板、
切梁、トンネル掘削断面、その他の仮設部材などについて、変状の発生がわか
るよう下げ振り、水平器、スケールなどを設置するなど、見える化を図る計画
を受注者において立案し、その変状の様子を記録して管理するものとする。
プレリスク工程表
リスクマップ
作成例
重大事故リスク管理表(様式1)に抽出した項目について、その発生が想定さ
れる時期、位置及び場所がわかるものとして、作成例を参考に受注者において
「プレリスク工程表」及び「リスクマップ」を作成し、施工計画書に添付して
提出するものとする。
施設系工事については、他工種と輻輳して工事を実施する場合が多く、他工種
との調整により、工事工程に変更が生じる可能性が高いことから、翌月の計画
を記載した「プレリスク月間工程表」を受注者において作成し、監督員へ報告
するものとする。なお、「プレリスク月間工程表」については、毎月末に翌月
の計画を見直しするものとする。
安全管理項目
チェックリスト
受注者が本チェックリストのうち、当該工事に該当する項目を抽出し、確認を
行い、必要に応じて適宜、安全管理項目を施工計画書に記載するとともに、本
チェックリストを施工計画書に添付して提出するものとする。
(参考資料②参照)
(2) 調査等業務については、上表のうち、「重大事故リスク管理表(様式1)」及び「仮設構造物
管理表(様式2)」を実施するものとし、これらの様式を作業計画書に添付して提出するもの
とする。
(3) 受注者は、施工計画書の提出と合わせ、「重大事故リスク管理表(様式1)」、「仮設構造物管
理表(様式2)」、「プレリスク工程表」、「リスクマップ」及び「安全管理項目チェックリスト」
に関する電子データを監督員に提出するものとする。 なお、「重大事故リスク管理表(様式
1)」、「仮設構造物管理表(様式2)」及び「安全管理項目チェックリスト」の電子データは、
オリジナルデータ(エクセル)とする。
4-3 重大事故リスクアセスメントに基づく費用の計上
重大事故リスクアセスメントにおける受発注者協議の結果、施工計画の変更により安全対策等が
必要であると考えられた場合、この安全対策等に要する費用については、工事請負契約書(第18
条、第19条及び第26条)及び設計変更ガイドライン(※適用される工事の場合)に基づき、工
事の施工にあたり条件変更等があるもの及び監督員が必要と認めるものについて、受発注者で協議
を行うものとする。
なお、受発注者協議の対象となる安全対策等は以下によるものを基本とする。
≪受発注者協議の対象となる安全対策事例≫
・ 条件の変更等により、受注者の責によらず大幅に施工方法や仮設構造物等の構造を変更す
る必要が生じた場合等に追加となる費用
・ 協議等により追加する安全対策の実施により、大幅に施工能力が低下する場合等に追加と
なる費用
・ 仮設物等に対する常時計測等に必要な費用
・ 災害防止のため受注者判断で緊急やむを得ず対応した場合に要した費用
※ 安全対策等に関する費用の計上事例について、参考資料①に示す。
4-4 重大事故リスクに関する書類及び現場の確認の実施時期
重大事故リスクに関する書類及び現場の確認の実施時期の目安は下表のとおりとする。
区 分 書類及び現場の確認時期の目安
土木系工事 ・ 工事着手前及び工事の進捗状況に応じ、プレリスク工程表をもとに、適宜、受発
注者合同で重大事故リスク管理表(様式1)、仮設構造物管理表(様式2)につ
いて確認を実施するものとする。
≪工事の進捗状況に応じた書類及び現場の確認時期≫
・ 大規模な仮設備の設置・撤去工事の着手前
・ 橋梁の桁架設工事への着手前
・ その他重大事故リスクを抽出した工種の着手前等、必要と考えられる場合
(現場条件・環境の変化が生じた場合等)
・ 現場進捗により、上記に該当する詳細な施工計画が策定された際 など
施設系工事 ・ 工事着手前及び現場施工期間中(機器製作等、現場着手しない期間を除く)、毎
月1回以上、必要に応じて、受発注者合同で重大事故リスク管理表(様式1)、
仮設構造物管理表(様式2)について確認を実施するものとする。
調査等業務 ・ 現場作業着手前に重大事故リスク管理表(様式1)、仮設構造物管理表(様式2)
について確認を実施するものとする。
共 通 ・ 安全協議会活動における安全パトロールで対象工事の重点点検箇所として、当該
工事において抽出された重大事故リスクに関して確認を実施するものとする。
1) 重大事故リスク管理表(様式1)のうち、安全パトロール実施時に施工中の
項目等について確認を実施するものとする。
2) 安全管理項目チェックリストを活用し、安全パトロール時に施工中の工種や
現場の進捗状況に応じて確認項目を定め、重点的に確認するよう努める。
4-5 受注者における現場点検等
(1) 受注者は、設計図書、仕様書等及び関係法令に基づき、工事中の安全を確保するために実
施する日常点検の際、重大事故リスクの抽出項目や対策等についても確認を行い、安全確
保を図るものとする。
(2) 受発注者合同で実施する重大事故リスクに関する書類及び現場の確認以外に受注者が実施
する日常点検においては、受注者独自の様式を用いて実施しても良いものとする。
(3) これら受注者が実施する日常点検に要する費用については、諸経費に含まれるものとする。
5. 受注者と下請負人とのコミュニケーション
(1) 受注者は、重大事故リスク及びその安全対策等について、安全に関する研修・訓練等も活
用し、下請負人と十分にコミュニケーションを図りながら双方で確認を行い、すべての作
業員等に周知するとともに、安全対策等について遵守するよう指導するものとする。
(2) 受注者は、作業手順等について下請負人と十分にコミュニケーションを図りながら確認を
行い、施工を行うものとする。特に、作業途中において手順の変更等が生じる場合、下請
負人より受注者に対して適切に報告がなされて変更作業が行われるよう、日頃より十分に
コミュニケーションを図るものとする。
(3) 受注者は、作業実施前及び作業途中に作業手順等に変更が生じた場合、下請負人と十分に
コミュニケーションを図り、これらについて双方で確認を行い、新たな作業手順を策定し
たうえで作業を行うこととする。なお作業手順の変更により、新たな重大事故リスクが発
生する場合については、施工計画書の見直しを行うものとする。
6. 手続きの流れ(土木系工事)
NEXCO 受注者
工事発注
安全管理に関する体制や考え方に関するヒアリングの実施
監督員 ⇔ 受注者
受注者による施工計画書の策定
↓
重大事故リスクの抽出
【受発注者協議(リスクコミュニケーション)】
①受発注者合同で重大事故リスクに関する書類の確認を行い、受注者において重大事故リスクを決定
②決定された重大事故リスクに関し、現場の確認を行い、予防措置又は是正措置などの安全対策について協議
※施工計画書【重大事故リスク管理表、仮設構造物管理表、プレリスク工程表、リスクマップ及び安全管理項目
チェックリスト】を活用して実施
受発注者協議の結果を踏まえ、
受注者が必要に応じ施工計画書を修正
全体工事の開始
工事中の安全を確保するために実施する日頃の点検
(安全衛生協議会、本支店パトロール等)
安全パトロール等における重点点検箇所として重大事故リスクに関する点検を実施
工事のしゅん功
工事進捗等による施工計画書の見直し等有
【重大事故リスクの書類及び現場の確認】
工事着手前及び工事の進捗状況に応じ、プレリスク工程表をもとに、適宜、受注者と合同で重大事故リスクに関する書類
及び現場の確認を実施
無
当該工事の開始
監督員
監督員へ提出
監督員へ提出
6.手続きの流れ(施設系工事)
NEXCO 受注者
工事発注
安全管理に関する体制や考え方に関するヒアリングの実施
監督員 ⇔ 受注者
受注者による施工計画書の策定
↓
重大事故リスクの抽出
受発注者協議の結果を踏まえ、
受注者が必要に応じ施工計画書を修正
全体工事の開始
工事中の安全を確保するために実施する日頃の点検
(安全衛生協議会、本支店パトロール等)
安全パトロール等における重点点検箇所として重大事故リスクに関する点検を実施
工事のしゅん功
工事進捗等による施工計画書の見直し等有
【重大事故リスクの書類及び現場の確認】
工事着手前及び工事施工期間中、毎月1回、受注者と合同で重大事故リスクに関する書類及び現場の確認を実施
無
当該工事の開始
監督員
監督員へ提出
監督員へ提出
【受発注者協議(リスクコミュニケーション)】
①受発注者合同で重大事故リスクに関する書類の確認を行い、受注者において重大事故リスクを決定
②決定された重大事故リスクに関し、現場の確認を行い、予防措置又は是正措置などの安全対策について協議
※施工計画書【重大事故リスク管理表、仮設構造物管理表、プレリスク工程表、リスクマップ及び安全管理項目
チェックリスト】を活用して実施
6.手続きの流れ(調査等業務)
NEXCO 受注者
発注
安全管理に関する体制や考え方に関するヒアリングの実施
監督員 ⇔ 受注者
受注者による作業計画書の策定
↓
重大事故リスクの抽出
受発注者協議の結果を踏まえ、
受注者が必要に応じ作業計画書を修正
全体現場作業の開始
作業中の安全を確保するために実施する日頃の点検
(本支店パトロール等)
現場作業完了
作業進捗等による作業計画書の見直し等有
無
当該現場作業の開始
監督員
監督員へ提出
監督員へ提出
【受発注者協議(リスクコミュニケーション)】
①受発注者合同で重大事故リスクに関する書類の確認を行い、受注者において重大事故リスクを決定
②決定された重大事故リスクに関し、現場の確認を行い、予防措置又は是正措置などの安全対策について協議
※施工計画書【重大事故リスク管理表、仮設構造物管理表】を活用して実施
添付資料①
重大事故リスクに関する書類及び現場の確認概念図
1/四
2/四
3/四
4/四
1/四
2/四
3/四
4/四
1/四
2/四
3/四
4/四
1/四
2/四
3/四
4/四
1/四
2/四
3/四
4/四
A工事
B工事
C工事
施設工事A
施設工事B
2年目
3年目
5年目
安全パトロール
1年目
4年目
土 木 系 ・ 施 設 系 工 事
工事全体工程
リスク発生工事
リスク発生工事
※土木系工事における確認項目について、受発注者合同で重大事故リ
スクに関する書類及び現場の確認を行う
・工事着手前
・大規模な仮設備の設置、撤去工事への着手前
・橋梁の桁架設工事への着手前
・その他重大事故リスクを抽出した工種への着手前等、必要と考え
られる場合(現場条件・環境変化が生じた場合等)
・現場進捗により、上記に該当する詳細な施工計画が策定された際
など
リスク発生工事
リスク発生工事
現場着手前確認
※確認項目
リスク発生工事
機器製作等
●NEXCOが設置する安全協議会における安全パトロールで対象工事の重点点検箇所として、当該工事において抽出された重大事故リスクに関して確認を実施。
1)重大事故リスク管理表(様式1)のうち、安全パトロール実施時に施工中の項目等について確認を実施。
2)安全管理項目チェックリストを活用し、安全パトロール時に施工中の工種や現場の進捗に応じて確認項目を定め、重点的に確認するよう努める。
現場施工
現場施工
●施設系工事については、他の工種と輻輳して工事を実施する場合が多
いため、他工種との調整により工事工程に変更が生じる可能性が高いこと
から、その間、毎月1回以上、必要に応じて、受発注者合同で重大事故リ
スクに関する書類及び現場の確認を行う
※確認項目
※確認項目
※確認項目
※確認項目
※確認項目
参考資料①
【安全対策等に関する費用計上事例】
○ 重大事故リスクアセスメントに基づく費用の計上
重大事故リスクアセスメントにおける受発注者協議の結果、施工計画の変更により安全対策等が
必要であると考えられた場合、この安全対策等に要する費用については、工事請負契約書(第18
条、第19条及び第26条)及び設計変更ガイドライン(※適用される工事の場合)に基づき、工
事の施工にあたり条件変更等があるもの及び監督員が必要と認めるものについて、受発注者で協議
を行うものとする。
なお、受発注者協議の対象となる安全対策等は以下によるものを基本とする。
≪協議を要する安全対策事例≫
・ 受注者の責によらず条件変更等により大幅に施工方法や仮設構造物等の構造を変更する
必要が生じた場合等に追加となる費用
・ 協議等により追加する安全対策の実施により、大幅に施工能力が低下する場合等に追加と
なる費用
・ 仮設物等に対する常時計測等に必要な費用
・ 災害防止のため受注者判断で緊急やむを得ず対応した場合に要した費用
○ 事例1:工事現場の形状、地質、施工上の制約等設計図書と実際の工事現場が一致しない場合
【工事請負契約書 第18条】
(当初設計)
・ 架設図(参考図)で仮設ベントを設置する位置及びトラッククレーンの規格を明示
(条件変更)
・ 発注後に交差道路管理者との協議により、新たな制約が課せられ、仮設ベントを立てる位置
が変更され、桁架設の際に使用するトラッククレーンの規格を変更
・ 仮設ベント設置位置における土質調査を実施した結果、地耐力が不足することが判明したた
め、仮設ベント基礎部の地盤改良を追加
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 仮設ベント設置位置変更に伴い追加で実施した土質調査費用
・ 土質調査結果に基づくベント基礎部分の地盤改良工の費用及びトラッククレーン規格変更
に伴う工事増減費用
参考資料①
○ 事例2:工事現場の形状、地質、施工上の制約等設計図書と実際の工事現場が一致しない場合
【工事請負契約書 第18条】
(当初設計)
・ 橋梁桁架設における降下作業について、サンドル+ジャッキによる降下作業を夜間工事
(22:00~6:00)で計画(架設参考図において、サンドル+ジャッキの明示)
(条件変更)
・ 発注後、交差道路管理者との協議により、新たな制約条件として、桁降下時の転倒及び落下
への対策追加を求められた
・ この対応として、橋桁を面で支えながら降下する設備を構築し、桁降下する計画に変更した
ため、1日あたりの桁降下量(施工能力)が当初計画の1/3となり、桁降下に係る日数が
大幅に増加
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 本計画による施工能力を考慮した架設費とした場合に追加となる費用を計上
・ 交差道路を規制するため追加で必要となる保安要員の費用
○ 事例3:発注者が変更の必要があると認め、設計図書の変更をする場合
【工事請負契約書 第19条】
(当初設計)
・ 発注図書における架設図(参考図)においては、桁固定等を反映していない。
・ 特記仕様書により、「詳細設計において架設計画を検討した結果、交差道路近接箇所におい
て架設橋桁と橋脚との固定等の安全対策が必要となった場合、その費用については監督員と
受注者で協議する」と記載。
(変更)
・ 詳細設計の結果、国交省通達(H28.6.20)に基づき、交差道路近接箇所において、架設橋桁
と橋脚を固定し、地震動に対応できる強度を有した安全対策を実施。
・ 架設用のサンドル架台について、地震動に対応できる強度を求めることとした。
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 架設橋桁と橋脚を固定(地震動に対応できる強度を有した)するために必要となった費用
・ 架設用のサンドル架台において、地震動に対応するための補強により追加で必要となる費用
参考資料①
○ 事例4:発注者が変更の必要があると認め、設計図書の変更をする場合
【工事請負契約書 第19条】
(当初設計)
・ 供用中の道路上空における橋梁架設工事において、仮設ベント設備の傾き等の常時計測は未
計上
(変更)
・ 平成 28年 6 月の国交省通達に基づき、安全管理上必要な項目について常時計測を実施
・ 同通達に基づき、監督員は常時計測の実施について、工事変更指示書により指示
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 工事変更指示書により実施する仮設ベント設備の傾き、沈下に関する常時計測費用
○ 事例5:発注者が変更の必要があると認め、設計図書の変更をする場合
【工事請負契約書 第19条】
(当初設計)
・ 標準の交通規制図により交通規制を実施する計画
(変更)
・ 工事規制内への車両誤進入対策として、物理的防御装置を追加設置することを指示
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 物理的防御装置を設置するために追加で必要となる費用
○ 事例6:第三者等への災害防止のため受注者が臨機の判断でやむを得ず対応した場合
【工事請負契約書 第26条】
(当初設計)
・ 通常工事における安全対策費用を率計上若しくは必要数量計上
(変更)
・ 第三者等への災害防止のため受注者判断で緊急やむを得ず対応を実施
(新たな対策として費用計上するもの)
・ 受注者が要した費用のうち、監督員が必要と認めた部分の費用
参考資料②-1
参考資料②-1
参考資料②-1
参考資料②-1
参考資料②-2
参考資料②-2
参考資料②-2