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29P-0729 カロリー輸液におけるクトレオチド性および輸液成との合変化 に関する検討 村上 1 1 ,西谷 沙1 谷 2 ,山2 2 憲次 2 1 古野 浩二 1 杉原 1 1 山大薬, 2 ロンすグループ) 【目的】持続性ソマトスタチンアナログ製剤であるオクトレオチドの投与ルート は皮下投与となっているが、在宅の現場においては患者の負担軽減のため高カロ リー輸液に混注し、静脈投与が行われることがある。そこで今回、高カロリー輸 液への混合調整による投与法の適正について、オクトレオチドの安定性や輸液成 分との配合変化に関して検討を行った。 【方法】エルネオパ1号輸液製剤の各室におけるオクトレオチドの安定性につい ては、オクトレオチドが 10μg/ml となるように調製し、混合直後から1週間後ま での残存率を調べた。小室TおよびV中の成分との配合変化については、各成分 を含んだ酢酸緩衝液(pH5.1)中にオクトレオチドを添加し、経時変化を測定した。 オクトレオチドの定量は HPLC 法を用いた。 【結果および考察】エルネオパ 4 室混合液と同じ pH を示す酢酸緩衝液中では、14 日後においてもオクトレオチドの残存率に減少は認められなかった。オクトレオ チド注射液は、予め薬局でエルネオパ輸液製剤の上室に混注し、患者宅で投与直 前にワンプッシュで混合調整されている。そこで、上室中におけるオクトレオチ ドの残存率について検討したところ、37℃では有意な減少が観察された。一方、 下室中では 37℃においても 7 日後まで残存率の減少は認められなかった。エルネ オパ 4 室混合液中ではオクトレオチド濃度は経時的に減少し、7 日後の残存率は 90%以下となった。小室V中におけるオクトレオチドの 7 日後の減少率が 60%以 下であったことから、4室混合液中におけるオクトレオチド残存率の低下に小室V 中の成分が大きく関わっている可能性が示唆された。現在、リボフラビンやコレ カルシフェロール等による残存率低下への関与について検討中である。
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29P-0729 高カロリー 中におけるオクトレオチドの …nenkai.pharm.or.jp/131abst/29P-0729.pdf29P-0729...

May 27, 2020

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Page 1: 29P-0729 高カロリー 中におけるオクトレオチドの …nenkai.pharm.or.jp/131abst/29P-0729.pdf29P-0729 高カロリー輸液中におけるオクトレオチドの安定性および輸液成分との配合変化

29P-0729高カロリー輸液中におけるオクトレオチドの安定性および輸液成分との配合変化に関する検討◯村上 仁友美1,妹尾 典子1,西谷 沙織1,中谷 吏菜2,山崎 迪子2,服部 聖2,古屋 憲次 2,上敷領 淳 1,古野 浩二1,杉原 成美 1( 1福山大薬,2ホロンすずらん薬局グループ)

【目的】持続性ソマトスタチンアナログ製剤であるオクトレオチドの投与ルートは皮下投与となっているが、在宅の現場においては患者の負担軽減のため高カロリー輸液に混注し、静脈投与が行われることがある。そこで今回、高カロリー輸液への混合調整による投与法の適正について、オクトレオチドの安定性や輸液成分との配合変化に関して検討を行った。 【方法】エルネオパ1号輸液製剤の各室におけるオクトレオチドの安定性については、オクトレオチドが 10μg/ml となるように調製し、混合直後から1週間後までの残存率を調べた。小室TおよびV中の成分との配合変化については、各成分を含んだ酢酸緩衝液(pH5.1)中にオクトレオチドを添加し、経時変化を測定した。オクトレオチドの定量は HPLC 法を用いた。 【結果および考察】エルネオパ 4室混合液と同じ pH を示す酢酸緩衝液中では、14日後においてもオクトレオチドの残存率に減少は認められなかった。オクトレオチド注射液は、予め薬局でエルネオパ輸液製剤の上室に混注し、患者宅で投与直前にワンプッシュで混合調整されている。そこで、上室中におけるオクトレオチドの残存率について検討したところ、37℃では有意な減少が観察された。一方、下室中では 37℃においても 7 日後まで残存率の減少は認められなかった。エルネオパ 4 室混合液中ではオクトレオチド濃度は経時的に減少し、7 日後の残存率は90%以下となった。小室V中におけるオクトレオチドの 7 日後の減少率が 60%以下であったことから、4室混合液中におけるオクトレオチド残存率の低下に小室V中の成分が大きく関わっている可能性が示唆された。現在、リボフラビンやコレカルシフェロール等による残存率低下への関与について検討中である。