28P-pm334 Sandhoff 病の病態解析を目的とした Sandhoff 病モデルマウス由来ニューロスフェ ア株の樹立 ◯黒田 麻祐子 1 ,鈴木 俊宏 1 ,小谷 政晴 2 ,田島 陽一 3 ,川島 育夫 3 , 兎川 忠靖 1 , 菅原 佳奈子 1 , 辻 大輔 4 , 伊藤 孝司 4 , 千葉 靖典 5 , 福重 智子 6 , 金蔵 拓郎 6 , 櫻庭 均 1 ( 1 明薬大, 2 奥羽大薬, 3 東京都臨床研, 4 徳島大院薬, 5 産総研, 6 鹿児島大院 医歯) 【目的】Sandhoff 病(SD)は、リソソーム性β-ヘキソサミニダーゼ(Hex)を構成 しているβ-サブユニットの遺伝子変異に基づく Hex 活性低下により、基質で ある GM2 ガングリオシド等の糖複合体が主に中枢神経系細胞に過剰蓄積し、 神経系に重篤な障害をもたらす遺伝病である。我々は、SD の病態解析への応 用を目的とし、SD モデルマウス由来のニューロスフェア(NS)と野生型(WT)マ ウス由来 NS を樹立し、基礎的な検討を行なった。 【方法】Hex 活性は 4-MU 誘 導体を基質として、蛍光法により測定した。常法に従い NS および分化誘導後 の細胞内に蓄積した GM2 ガングリオシドを免疫蛍光染色法により解析した。 【結果と考察】SD モデルマウス由来 NS における Hex 活性は WT マウス由来 NS と比較して低下していることが確認できた。また免疫蛍光染色法により SD モデルマウス由来 NS は WT マウス由来 NS と比較して細胞内の GM2 ガングリ オシドの蓄積量が多いことが確認できた。SD 患者由来線維芽細胞および分化 誘導後の SD モデルマウス由来 NS に Hex A 酵素を添加し、Hex 活性を測定し たところ、線維芽細胞と比較して酵素の取り込み効率は低かった。今回樹立し た SD モデルマウス由来 NS は SD の生化学的特徴を持ち、神経系細胞へ分化 することから神経系における SD の病態解析に活用できると考えられる。