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2018年度 実施日程・調査方法 2018年度「学生による教育環境改善のためのアンケート」は、秋学期授業最終日(12月24日、1月12日、15日~18日)に実施しました。 このアンケートは「学生による授業評価アンケート」とともに指定クラスを履修する学生には教員から直接配付し、指定クラスを履修していない学生や欠席者などに 対しては自宅宛に送付しました。回収については、従来通り指定クラスの学生代表者がアンケートを収集し、一括して窓口に提出する方法がとられ、その他は学内 投函箱へ提出、または郵送により提出する方式がとられました。大学院生についても同様に配付・回収を行いました。聴講生、特別聴講生、科目等履修生について も同様に実施しました。 このアンケートは学部生、大学院生、聴講生などのみなさんから、意見を広く集めることを目的としており、4つの設問に対し、満足度5段階「①とても満足、②やや 満足、③普通、④やや不満、⑤とても不満」と「⑥利用しない、わからない」であらわし、設問ごとに自由記述欄を併設し実施しました。 集計について アンケートの回収は、学部生、大学院生、聴講生などのみなさんを合わせて8,598名の対象者の内、2,292名のデータを回収することができま した(回収率:約26.7%)。そのうち学部生、大学院生については、それぞれ所属別・学年別に満足度の集計を行いました。満足度の結果は グラフ1 の通りです が、詳細については、ホームページの「獨協大学の自己点検・評価活動」のページをご覧ください。自由記述については、個人を特定できないように資料を作成 し、その内容については「授業評価アンケート」同様、個別の公表は行いませんが「フィードバックコメント」として大学からの回答をホームページに掲載します。 今後について 今後は「事務局自己点検・評価委員会」を中心に、アンケート結果に基づく課題点を抽出し、その検討及び改善に取り組みます。なお、活動状況・ 改善報告等については、アンケート結果に対してのフィードバックコメントとして回答するとともに、適宜、大学ニュースやホームページにて報告します。 概  要 1. 2018年度の教育環境改善報告 本学は、2014年10月に創立50周年を迎え、これからの50年(NEXT50) に向けて改革を進めております。2018年度は、「 少人数教育と国際化・ グローバル化教育の推進」、「創立50周年記念館(西棟)の竣工と今後の ランドスケープ計画等」、「現行諸制度と組織の検証とさらなる改革強化 策の構築」という運営方針のもと、改革を進めてきました。 方針の1つである創立50周年記念館(西棟)は2017年に完成し、また 校地西側のランドスケープも整備しました。今後は、キャンパス再編によって 整備した施設設備を最大限に活用し、アクティブ・ラーニングや、それを支え るラーニング・コモンズの導入、 ICTの活用などによってソフト面で教育効果 を上げる施策を講じる必要があります。また、2017年4月より最寄駅の名称 が「獨協大学前〈 草加松原 〉」に改称されました。地域と大学双方のイメー ジアップとなるよう、今後とも大学として地域社会の持続的発展に貢献して いきます。 事務局では、本学全体の重要課題に取り組みつつ、従来から、窓口対 応、授業関連施設、学生生活施設の改善をはじめとする、諸施策を推進して きました。本アンケートにより、教育環境改善への成果を着実にあげてきまし たが、社会の変化と学生のみなさんのニーズの変化にともない、対応していく 必要があります。 ■ 窓口対応 •学生のみなさんからの指摘やご意見について各部課室で話し合いをおこ ない、速やかな改善に取り組みました。 •「挨拶」、「丁寧」、「正確」のスローガンと教育的配慮に基づいて、学生の みなさんとの良好な関係づくりや、積極的な情報発信などに取り組みました。 ■ 教育研究施設 •東棟の各教室に無線AP(アクセスポイント)を新規設置し、ネットワーク環境 の安定稼働に努めました。 •学生の自律学習を促す施設「CLEAS(クレアス)」を中央棟1階に設置 し、学生のみなさんがより学習に取り組める環境を整備しました。 ■ 学生生活施設 •要望が最も多い学生食堂を中心とした「食」の環境改善については、6月 から西棟の前にケータリングサービスである「キッチンカー」(移動販売車) を導入して、食の分散化とメニューの多様化を試みました。 •学生食堂については、食提供時の混雑緩和を解消するための改装工事 と、レイアウトやテーブル、イスの変更によりスペースを多目的に利用できる ための改善をおこないました。 2. 2018年実施のアンケートに対するフィードバックコメント ■ 窓口対応について •「親切だった」、「説明がわかりやすかった」などの意見をいただいています が、「対応が機械的」や「高圧的だった」など表情や態度についてのコメント も多くありました。この点については今後、「事務局自己点検・評価委員会」 を通じて、窓口スローガンである「挨拶」、「丁寧」、「正確」の意識のさらなる 徹底ならびに行動基準の見直しを図ります。 ■ 教育研究施設・学生生活施設について •無線LAN設備全体の利用が増加しておりますので、継続して設備の拡充 や最適化調整をおこない安定稼働に努めていきます。2018年度は東棟 各教室に無線APを新設いたしました。 •アリーナ及び人工芝グラウンドの個人利用について、授業と学友会活 動での利用が優先されることから、授業と学友会活動に影響の出ない 時間に限り、スポーツ・レクリエーション教員準備室で貸出手続きを受け 付けておりますので、ご利用ください。 •人工芝の競技用ラインについては、人工芝グラウンドの芝を全面的に張 り替える時期を待って、ラクロス以外も含めた利用競技全ての最新ルー ルに準拠できるよう、ラインの位置を更新する予定です。それまでは個別 の対応が出来ない旨、ご理解ください。 •図書館にある予約制の共同学習室は授業期間中、満室の状況が続いて いることを確認しています。また、食事スペースや会話可能なスペースの拡 大を望む声もいただいています。これらの実現には、大規模な改修が必要 なため現段階で変更の予定はありません。今後は、現在のゾーニングを検 討していきます。 •西棟3階のラーニング・スクエア1・2について、貸出PCやプリンター機器 を配置する場合、現状では人員の配置も必要となるため、すぐに対応す ることが難しいのですが、より利用しやすい施設となるよう引き続き検討 いたします。 •教室内の機器利用について、日本人以外の教員向けに講師室での掲示 や、より一層の声掛け、教室内での掲示等の見直し等を検討して、授業時 間が無駄にならないよう工夫いたします。なお、新しいAV機器へ更新した 教室では、AV操作卓の操作パネルを英語併記の二ヶ国語対応としてい ます。 •学生食堂をはじめとする学内の飲食店舗について、食環境全体に関する 非常に多くのコメントが寄せられています。特に昼休み時間帯の学生食 堂やコンビニエンスストアについて、「混雑している」、「キャンパス西側に も店舗を設置してほしい」とのコメントが寄せられており、これまでも「スタイ ルカフェ・スタンド」のオープンや、2018年6月には創立50周年記念館 (西棟)前にキッチンカー(移動販売車)を配置するなど、飲食提供場所の 分散化を進めてきました。 •2019年3月には学生食堂の一部改修をおこなうとともに、テーブル、イス を入れ替えて、要望の多かった1人席やソファ席などを配置したリニューア ルをおこない、混雑緩和と利用しやすさを目指しました。メニューについて も、継続して改善を進めて参ります。 •学生センターのトレーニングルームについて、「広くして欲しい」というコメン ト、また女性利用に関するコメントをいただきました。センター内の他の施 設との兼ね合いもあり、拡張は難しい点をご理解ください。また、利用者が ほとんどいない時間帯もあります。授業の合間の空き時間などに利用状 況を確認してみてください。 •学内の喫煙については、当面「完全分煙」の方針のもとに喫煙習慣を身 に付けないようにする取組を継続して推進していきます。2018年度の喫 煙者数の日ごと平均は、前年に比べて大幅に減少しています。 ■ その他 •100分授業への変更について、様々なご意見をいただきました。授業時 間変更については、大学設置基準に定められた単位取得に係る授業時 間数の確保(100分×14週)のため、2019年度から実施するものです。 100分授業導入による、新たな学びの形が展開していくよう教育の質保 証に努めていきます。 •授業評価アンケート、教育環境改善アンケートについて、2019年秋学期 からインターネットを利用してアンケートができるように準備を進めています。 「学生による教育環境改善のためのアンケート」実施報告 グラフ1 とても満足 やや満足 普通 やや不満 とても不満 利用しない わからない 0 20 40 60 80 100(%) 履修登録、時間割編成、カリキュラムなどについての満足度 学生生活に関する施設・設備の満足度 授業に関係する施設・設備の満足度 窓口対応全般に関する満足度
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2019 06 h1 fix2018年度 実施日程・調査方法...

Sep 23, 2020

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Page 1: 2019 06 h1 fix2018年度 実施日程・調査方法 2018年度「学生による教育環境改善のためのアンケート」は、秋学期授業最終日(12月24日、1月12日、15日~18日)に実施しました。このアンケートは「学生による授業評価アンケート」とともに指定クラス

2018年度 実施日程・調査方法 2018年度「学生による教育環境改善のためのアンケート」は、秋学期授業最終日(12月24日、1月12日、15日~18日)に実施しました。このアンケートは「学生による授業評価アンケート」とともに指定クラスを履修する学生には教員から直接配付し、指定クラスを履修していない学生や欠席者などに対しては自宅宛に送付しました。回収については、従来通り指定クラスの学生代表者がアンケートを収集し、一括して窓口に提出する方法がとられ、その他は学内投函箱へ提出、または郵送により提出する方式がとられました。大学院生についても同様に配付・回収を行いました。聴講生、特別聴講生、科目等履修生についても同様に実施しました。 このアンケートは学部生、大学院生、聴講生などのみなさんから、意見を広く集めることを目的としており、4つの設問に対し、満足度5段階「①とても満足、②やや満足、③普通、④やや不満、⑤とても不満」と「⑥利用しない、わからない」であらわし、設問ごとに自由記述欄を併設し実施しました。

集計について アンケートの回収は、学部生、大学院生、聴講生などのみなさんを合わせて8,598名の対象者の内、2,292名のデータを回収することができました(回収率:約26.7%)。そのうち学部生、大学院生については、それぞれ所属別・学年別に満足度の集計を行いました。満足度の結果は グラフ1 の通りですが、詳細については、ホームページの「獨協大学の自己点検・評価活動」のページをご覧ください。自由記述については、個人を特定できないように資料を作成し、その内容については「授業評価アンケート」同様、個別の公表は行いませんが「フィードバックコメント」として大学からの回答をホームページに掲載します。

今後について 今後は「事務局自己点検・評価委員会」を中心に、アンケート結果に基づく課題点を抽出し、その検討及び改善に取り組みます。なお、活動状況・改善報告等については、アンケート結果に対してのフィードバックコメントとして回答するとともに、適宜、大学ニュースやホームページにて報告します。

概  要1. 2018年度の教育環境改善報告 本学は、2014年10月に創立50周年を迎え、これからの50年(NEXT50)に向けて改革を進めております。2018年度は、「少人数教育と国際化・グローバル化教育の推進」、「創立50周年記念館(西棟)の竣工と今後のランドスケープ計画等」、「現行諸制度と組織の検証とさらなる改革強化策の構築」という運営方針のもと、改革を進めてきました。 方針の1つである創立50周年記念館(西棟)は2017年に完成し、また校地西側のランドスケープも整備しました。今後は、キャンパス再編によって整備した施設設備を最大限に活用し、アクティブ・ラーニングや、それを支えるラーニング・コモンズの導入、ICTの活用などによってソフト面で教育効果を上げる施策を講じる必要があります。また、2017年4月より最寄駅の名称が「獨協大学前〈草加松原〉」に改称されました。地域と大学双方のイメージアップとなるよう、今後とも大学として地域社会の持続的発展に貢献していきます。 事務局では、本学全体の重要課題に取り組みつつ、従来から、窓口対応、授業関連施設、学生生活施設の改善をはじめとする、諸施策を推進してきました。本アンケートにより、教育環境改善への成果を着実にあげてきましたが、社会の変化と学生のみなさんのニーズの変化にともない、対応していく必要があります。

■ 窓口対応•学生のみなさんからの指摘やご意見について各部課室で話し合いをおこない、速やかな改善に取り組みました。•「挨拶」、「丁寧」、「正確」のスローガンと教育的配慮に基づいて、学生のみなさんとの良好な関係づくりや、積極的な情報発信などに取り組みました。

■ 教育研究施設•東棟の各教室に無線AP(アクセスポイント)を新規設置し、ネットワーク環境の安定稼働に努めました。•学生の自律学習を促す施設「CLEAS(クレアス)」を中央棟1階に設置し、学生のみなさんがより学習に取り組める環境を整備しました。

■ 学生生活施設•要望が最も多い学生食堂を中心とした「食」の環境改善については、6月から西棟の前にケータリングサービスである「キッチンカー」(移動販売車)を導入して、食の分散化とメニューの多様化を試みました。•学生食堂については、食提供時の混雑緩和を解消するための改装工事と、レイアウトやテーブル、イスの変更によりスペースを多目的に利用できるための改善をおこないました。

2. 2018年実施のアンケートに対するフィードバックコメント■ 窓口対応について•「親切だった」、「説明がわかりやすかった」などの意見をいただいていますが、「対応が機械的」や「高圧的だった」など表情や態度についてのコメントも多くありました。この点については今後、「事務局自己点検・評価委員会」を通じて、窓口スローガンである「挨拶」、「丁寧」、「正確」の意識のさらなる徹底ならびに行動基準の見直しを図ります。

■ 教育研究施設・学生生活施設について•無線LAN設備全体の利用が増加しておりますので、継続して設備の拡充や最適化調整をおこない安定稼働に努めていきます。2018年度は東棟各教室に無線APを新設いたしました。

•アリーナ及び人工芝グラウンドの個人利用について、授業と学友会活動での利用が優先されることから、授業と学友会活動に影響の出ない時間に限り、スポーツ・レクリエーション教員準備室で貸出手続きを受け付けておりますので、ご利用ください。

•人工芝の競技用ラインについては、人工芝グラウンドの芝を全面的に張り替える時期を待って、ラクロス以外も含めた利用競技全ての最新ルールに準拠できるよう、ラインの位置を更新する予定です。それまでは個別の対応が出来ない旨、ご理解ください。•図書館にある予約制の共同学習室は授業期間中、満室の状況が続いていることを確認しています。また、食事スペースや会話可能なスペースの拡大を望む声もいただいています。これらの実現には、大規模な改修が必要なため現段階で変更の予定はありません。今後は、現在のゾーニングを検討していきます。

•西棟3階のラーニング・スクエア1・2について、貸出PCやプリンター機器を配置する場合、現状では人員の配置も必要となるため、すぐに対応することが難しいのですが、より利用しやすい施設となるよう引き続き検討いたします。•教室内の機器利用について、日本人以外の教員向けに講師室での掲示や、より一層の声掛け、教室内での掲示等の見直し等を検討して、授業時間が無駄にならないよう工夫いたします。なお、新しいAV機器へ更新した教室では、AV操作卓の操作パネルを英語併記の二ヶ国語対応としています。•学生食堂をはじめとする学内の飲食店舗について、食環境全体に関する非常に多くのコメントが寄せられています。特に昼休み時間帯の学生食堂やコンビニエンスストアについて、「混雑している」、「キャンパス西側にも店舗を設置してほしい」とのコメントが寄せられており、これまでも「スタイルカフェ・スタンド」のオープンや、2018年6月には創立50周年記念館(西棟)前にキッチンカー(移動販売車)を配置するなど、飲食提供場所の分散化を進めてきました。•2019年3月には学生食堂の一部改修をおこなうとともに、テーブル、イスを入れ替えて、要望の多かった1人席やソファ席などを配置したリニューアルをおこない、混雑緩和と利用しやすさを目指しました。メニューについても、継続して改善を進めて参ります。•学生センターのトレーニングルームについて、「広くして欲しい」というコメント、また女性利用に関するコメントをいただきました。センター内の他の施設との兼ね合いもあり、拡張は難しい点をご理解ください。また、利用者がほとんどいない時間帯もあります。授業の合間の空き時間などに利用状況を確認してみてください。

•学内の喫煙については、当面「完全分煙」の方針のもとに喫煙習慣を身に付けないようにする取組を継続して推進していきます。2018年度の喫煙者数の日ごと平均は、前年に比べて大幅に減少しています。

■ その他•100分授業への変更について、様々なご意見をいただきました。授業時間変更については、大学設置基準に定められた単位取得に係る授業時間数の確保(100分×14週)のため、2019年度から実施するものです。100分授業導入による、新たな学びの形が展開していくよう教育の質保証に努めていきます。

•授業評価アンケート、教育環境改善アンケートについて、2019年秋学期からインターネットを利用してアンケートができるように準備を進めています。

「学生による教育環境改善のためのアンケート」実施報告

グラフ1

 2017年3月及び2018年3月

に改訂された新学習指導要領では、「主体

的・対話的で深い学びの実現に向けた授

業改善」が求められています。「主体的・対

話的で深い学び」とはどのような学びで

しょうか。『中学校学習指導要領(平成29

年告示)解説 総則編』には、「学ぶこと

に興味や関心を持ち、自己のキャリア形

成の方向性と関連付けながら、見通しを

もって粘り強く取り組み、自己の学習活

動を振り返って次につなげる『主体的な

学び』、子供同士の協働、教職員や地域の

人との対話、先哲の考え方を手掛かりに

考えること等を通じ、自己の考えを広げ

深める『対話的な学び』、習得・活用・探究

という学びの過程の中で、各教科等の特

質に応じた『見方・考え方』を働かせなが

ら、知識を相互に関連付けてより深く理

解したり、情報を精査して考えを形成し

たり、問題を見いだして解決策を考えた

り、思いや考えを基に創造したりするこ

とに向かう『深い学び』」 と説明されて

います。学校では、学習指導要領に基づく

日々の教育活動を通じて、このような学

びを実現することが求められています。

しかし、そこには「主体的な学びを『させ

る』矛盾」 があることは否定できませ

ん。そもそも「学ぶ」ということはどうい

うことでしょうか。

 2000年代初頭に学力世界一と言わ

れたフィンランドの教育改革を担ったオッ

リペッカ・ヘイノネンは、「教育には自由が

欠かせない」として、次のように述べてい

ます。「学ぶということは大変繊細で、個

人的で、また非常に複雑な事柄です。〔中

略〕最も重要なのはモチベーションです。教

師の意欲、生徒の学習意欲、それこそが核

心なのです。厳しく管理すれば、モチベー

ションが失われ、結局何もかもがだめに

なってしまうのです。」 また、「ここで重

要なのは、人はそれぞれ違うということを

理解することです。学習の仕方も人それ

ぞれなのです。学習意欲がどこから湧く

かについても、人それぞれ違います。様々

なアプローチの仕方を考慮すべきです。」

とも述べています。 主体的・対話的で深

い学びとは、学びの型を意味するのではあ

りません。他者との協働によって、自分自

身を「生きる」ということ=「いのち」から

湧き出るモチベーションに裏づけられた誰

のものでもない自分自身の「学びを創る」

ということを意味しているのです。

 宮城教育大学元学長の林竹二は、次の

ように述べています。「学ぶということは、

覚えこむこととは全くちがったことだ。

学ぶとは、いつでも、何かがはじまること

で、終わることのない過程に一歩ふみこ

むことである。一片の知識が学習の成果

であるならば、それは何も学ばないでし

まったことではないのか。学んだことの証

はただ一つで、何かがかわることであ

る。」 このことは、「大学は学問を通じて

の人間形成の場である」という本学の建

学の理念にも通じています。林は、「学」は

学ぶことー自分の在り方を変える努力

であり、「問う」は問い続けること、追い求

めることで、「いずれにしても、どこまでも

自主的で継続的な努力を抜きにしては成

り立ちません。」 と述べています。問い

続け、追い求めることで、自分の在り方を

変える、すなわち、未知のものに挑戦し、

自分の可能性を信じ、新たな自分を築い

ていこうとする意思と能力を持つこと、

それが「学ぶ」ということであり、「大学は

学問を通じての人間形成の場である」と

いうことの意味ではないでしょうか。大

学4年間を通じて、そのような学びを創

り上げていってください。

学部長メッセージA DEAN MESSAGE

第22回

「学ぶ」ということ

国際教養学部長 安井 一郎

YASUI Ichiro筑波大学(教育学修士)

■専  門  教育課程、教科外教育

■担当科目 道徳教育の理論と実践 教育実習指導 教育課程論 等

主体的・対話的で深い学び

最も重要なのはモチベーション

学ぶことはかわること

文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解

説 総則編』(東山書房、2018、78ページ)

「主体的な学びを『させる』矛盾」(『内外教育』第67

41号、2019、20ページ)

オッリペッカ・ヘイノネン+佐藤学『「学力世界一」がも

たらすもの』(NHK出版、2007、26-

27ページ)

同上書64ページ

林竹二『教えるということ』(国土社、1990、105-

106ページ)

林竹二『学ぶということ』(国土社、1978、59ページ)

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(1)(2)(3)(4)(5)(6)

とても満足

やや満足

普通

やや不満

とても不満利用しないわからない0 20 40 60 80 100(%)

履修登録、時間割編成、カリキュラムなどについての満足度

学生生活に関する施設・設備の満足度

授業に関係する施設・設備の満足度

窓口対応全般に関する満足度

学部長メッセージ

キャンパスニュース